JP3713646B2 - 免震構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばビル等の構造物を免震効果を有する構造とするときに用いて好適な免震構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、建物や各種構造物において、地震動や各種振動源からの振動、およびそれによる被害を最小限に抑えるため、例えば粘弾性体と鋼板とを上下方向に交互に積層した構造の積層ゴムや、オイルダンパー等の各種ダンパー等、種々の免震装置が開発されている。
このような各種免震装置のうち、積層ゴムは、構造物の基礎と構造物本体との間に介装され、地震によって基礎から構造物本体側に伝達される震動を、積層ゴムで減衰することによって免震効果を得るようになっている。
【0003】
ところで、上記のような免震構造においては、構造物全体としての周期を長くするほど免震効果を大きく発揮することができる。特に軟弱地盤などで、建設地に長周期成分の卓越する地震動の発生が予測される敷地では、免震周期をより長く設定する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の免震構造には、以下のような問題が存在する。
前記したように、免震効果を高めるために、免震構造の構造物全体としての固有振動周期を長くするには、免震装置として積層ゴムを用いる場合、▲1▼ゴムの剛性を低くする、▲2▼ゴムの直径を小さくする、等の方法がある。
【0005】
ところが、▲1▼のゴムの剛性を低下させるという手段をとる場合、クリープが大きくなるために、積層ゴムのせん断剛性としては4kg/cm2程度が限界となり、十分に周期を正すことができない場合がある。
また、▲2▼のゴムの直径を小さくするという手段をとる場合、直径を小さくしすぎる(例えばゴム厚さの3倍程度以下)と座屈を生じる可能性があり、変形能力が著しく低下する。
【0006】
このような理由から、従来の免震構造において免震効果を高めるために構造物全体の固有振動周期を長くするにも自ずと限界があり、免震効果を現状以上に高めるのは困難であるのが実状である。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、免震効果を有効に高めることのできる免震構造を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、構造物下に形成された地下ピット内において、該構造物と、該構造物の基礎との間に、免震装置が上下に複数段に配置され、互いに上下に位置する二つの免震装置の間にはスペーサが設けられ、かつ互いに隣接するスペーサ間には、これらを互いに連結するつなぎ梁が架設されていることを特徴としている。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の免震構造において、前記免震装置が、鋼板と粘弾性体とを上下方向に交互に積層してなる積層ゴムであることを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る免震構造の実施の形態の一例を、図1を参照して説明する。図1に示すものは、本発明に係る免震構造を適用した構造物の基礎部を示すもので、この図において、符号1はビル等の例えば鉄筋コンクリート造からなる構造物本体(構造物)、2は構造物本体1を支持するため地盤中に構築された例えば鉄筋コンクリート造の基礎、3は構造物本体1と基礎2との間に設けられた免震層、4は構造物本体1を構成する柱、5は構造物本体1を構成する梁、をそれぞれ示している。
【0011】
図1に示すように、構造物本体1の各柱4の下端部にはフーチング6が形成されており、水平面内で互いに隣接するフーチング6,6間には水平梁7が架設されている。
【0012】
また、基礎2には、前記各フーチング6の鉛直下方位置に例えば鉄筋コンクリート造の基台8,8,…が形成され、水平面内で互いに隣接する基台8,8間に基礎梁9が架設されている。
【0013】
免震層3は、基礎2の地下ピット10内に設けられており、各フーチング6と、その鉛直下方の基台8との間に、積層ゴム(免震装置)11が上下二段に配設されている。さらに互いに上下に位置する積層ゴム11,11間には、所定厚さの例えば鉄筋コンクリート造のスペーサ12が介装されている。そして、水平面内で互いに隣接するスペーサ12,12間にはつなぎ梁13が架設されており、これによって全てのスペーサ12,12,…は、つなぎ梁13,13,…で一体化されて、全体として平面視略格子状をなしている。
【0014】
各積層ゴム11は、鋼板11Aと粘弾性体11Bとが上下方向に複数層にわたって交互に積層された構成のものである。この鋼板11Aには、通常の鉄鋼材の他、例えば制振鋼板等を採用しても良い。また、粘弾性体11Bには、例えばゴムアスファルト系のゴム,高減衰ゴム,超塑性ゴム(エネルギーを吸収して熱に変換する塑性的性質と、大変形への追随性を与えるゴム弾性をともに備えている特殊配合のポリマー複合材;例えば株式会社ブリヂストン製)等、高い減衰性能を有したものが用いられている。各積層ゴム11は、互いに上下に位置する鋼板11A,11Aの相対移動を、それらの間に挟み込まれた粘弾性体11Bが変形して減衰することによってダンパー効果を発揮するようになっている。
【0015】
このような免震層3を備えた構造物においては、地震発生時には、通常の積層ゴムを備えた免震構造と同様に、地震が発生すると構造物本体1と基礎2との間で水平方向の相対変位が生じる。そして、この相対変位によるエネルギーは、各積層ゴム11によって減衰され、これによって地震動の基礎2から構造物本体1への伝達が防止され、免震効果が発揮される。
【0016】
このとき、各列においては、2台の積層ゴム11が上下2段に配置されている。同等のダンパー効果を1段のみの積層ゴムで得ようとした場合に比較して、積層ゴム11一台あたり高さが約1/2となり、大地震時においても構造物1をゴムが座屈することなく支持できるゴム径を確保したとしても、そのせん断剛性を約1/2とすることが可能となる。したがって、上下2段に配置した積層ゴム11を2台合わせたせん断剛性も、従来の一段のみの積層ゴムに比較して約1/2となる。
【0017】
上述した免震構造によれば、構造物本体1と基礎2との間に、上下2段の積層ゴム11からなる免震層3が配置された構成となっている。これにより、従来のような1段のみの免震装置に比較して、免震層3としての剛性を約1/2に低減することができ、この結果、構造物全体としての固有周期を約1.4倍に設定することが可能となる。したがって、従来よりも高い免震効果を得ることが可能となり、超高層ビルや、軟弱地盤上に構築する構造物、軽量な建物などにも有効に適用することが可能となる。
【0018】
また、上下2段の積層ゴム11,11の間にはスペーサ12が設けられ、かつ互いに隣接するスペーサ12,12,…間には、つなぎ梁13が設けられた構成となっている。これにより、各段の積層ゴム11が水平方向に座屈するのを防止することができる。
【0019】
なお、上記実施の形態に挙げた各構成については、本発明の主旨を逸脱しない範囲内であれば、その構成を限定するものではない。
例えば、積層ゴム11の構造や材質については、高いダンパー効果が得られるのであれば、適宜最適なものを採用すればよい。また、免震装置としては、積層ゴム11と同様の効果を得ることができるのであれば、他の免震装置を採用しても良い。
【0020】
また、積層ゴム11を上下2段に配置する構成としたが、上段の積層ゴム11と下段の積層ゴム11とで、鋼板11Aと粘弾性体11Bの積層段数を違えても良いし、また同じとしても良い。またこのような積層ゴム11を3段以上に配置する構成としても良い。この場合も、各積層ゴム11の座屈を防止するため、互いに上下に位置する積層ゴム11,11間には、スペーサ12、つなぎ梁13を設けるのが好ましい。
さらに、これらスペーサ12、つなぎ梁13によって床スラブを形成し、その上下を地下階空間としても良い。もちろん、このような場合、スペーサ12については柱状としてもよい。
【0021】
加えて、構造物1や基礎2の構成については何ら限定するものではなく、例えば基礎2を杭基礎等、他の基礎構造としても良いし、また構造物1、基礎2、免震層3等を鉄筋コンクリート造ではなく、鉄骨造や鉄骨鉄筋コンクリート造、鋼管充填コンクリート造、プレキャストコンクリート造等としても良い。
【0022】
もちろん、上記免震構造は、地震だけでなく強風に対しても同様の効果を挙げることができる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1,2に係る免震構造によれば、構造物下に形成された地下ピット内において、構造物と基礎との間に、例えば積層ゴム等の免震装置が上下に複数段に配置された構成となっている。これにより、従来のように免震装置を一段のみ配置する構成に比較して、これら上下複数段の免震装置全体としての剛性を低減することができ、構造物全体の固有周期を長く設定することが可能となる。したがって、従来よりも高い免震効果を得ることが可能となり、超高層ビルや、軟弱地盤上に構築する構造物、軽量な建物などにも有効に適用することが可能となる。
【0024】
また、請求項1に係る免震構造によれば、互いに上下に位置する二つの免震装置の間にはスペーサが設けられ、かつ互いに隣接するスペーサ間にはつなぎ梁が架設された構成となっている。これにより、各段の免震装置が水平方向に座屈するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る免震構造を適用した構造物の一例を示す図であって、前記構造物の基礎部を示す立断面図である。
【符号の説明】
1 構造物本体(構造物)
2 基礎
3 免震層
11 積層ゴム(免震装置)
11A 鋼管
11B 粘弾性体
12 スペーサ
13 つなぎ梁
Claims (2)
- 構造物下に形成された地下ピット内において、該構造物と、該構造物の基礎との間に、免震装置が上下に複数段に配置され、
互いに上下に位置する二つの免震装置の間にはスペーサが設けられ、かつ互いに隣接するスペーサ間には、これらを互いに連結するつなぎ梁が架設されていることを特徴とする免震構造。 - 請求項1記載の免震構造において、前記免震装置が、鋼板と粘弾性体とを上下方向に交互に積層してなる積層ゴムであることを特徴とする免震構造。
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JP13149597A Expired - Fee Related JP3713646B2 (ja) | 1997-05-21 | 1997-05-21 | 免震構造 |
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- 1997-05-21 JP JP13149597A patent/JP3713646B2/ja not_active Expired - Fee Related
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