JP5326191B2 - チップオフ用ガスバーナー、プラズマディスプレイパネル製造装置、およびプラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

チップオフ用ガスバーナー、プラズマディスプレイパネル製造装置、およびプラズマディスプレイパネルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、壁掛けテレビや大型モニターに用いられ、排気および放電ガスを封入するための排気管を備えたチップオフ用ガスバーナーおよびプラズマディスプレイパネル製造装置ならびにプラズマディスプレイパネルに関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、「パネル」と略記する)として代表的な交流面放電型パネルは、対向配置された前面板と背面板との間に多数の放電セルが形成されている。前面板は、フロート法による硼珪酸ナトリウム系ガラスの前面ガラス基板上に1対の走査電極と維持電極とからなる表示電極対が互いに平行に複数対形成され、それら表示電極対を覆うように誘電体層と、さらにその上に酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層とが形成されている。背面板は、排気および放電ガス導入用の細孔を設けた背面ガラス基板上に複数の平行なデータ電極と、それらデータ電極を覆うように誘電体層と、さらにその上にデータ電極と平行に複数の隔壁とがそれぞれ形成され、誘電体層の表面と隔壁の側面とに赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の各色に発光する蛍光体層がそれぞれ形成されている。
前面板と背面板とは表示電極対とデータ電極とが立体交差するように対向配置され、その周囲が密封されるとともに背面板に設けられた細孔を通じて排気および放電ガスの導入ができるようにガラス製の排気管が背面板に固着されている。そして、パネル内の放電空間から排気管を通して排気が行われた後、放電ガス(例えば、Ne−Xeの場合で約530hPa〜800hPaの圧力)の導入が排気管を通して行われる。その後、排気管を適当な部分で局部的に加熱し溶融して封じ切ることで排気管の閉塞と切断とを行う(以下、「チップオフ」と呼称する)。こうして、放電ガスが放電空間内に封入される。このような構成のパネルでは、表示電極対とデータ電極とが対向する部分に放電セルが形成され、各電極に映像信号にもとづく駆動電圧をそれぞれ印加することによって各放電セル内で放電を発生させ、放電により発生する紫外線でR、G、Bの各色の蛍光体を励起発光させてカラー表示を行っている。
この排気管のチップオフに際しては、局所的な加熱手段として、ガスバーナーや通電ヒーター等を用いることができる。しかし、通電ヒーターには、加熱温度の制御が比較的正確にできる、量産時の取扱いが容易で自動化を図り易い、といった利点はあるものの、ガスバーナーと比べて加熱部(通電ヒータ)が大きくなる、加熱および封止切断に要する時間が長くかかり製造タクトを上げるのが容易ではない、といった問題があるため、加熱および封止切断に要する時間が短く、加熱部を比較的小さく構成にすることができるガスバーナーによるチップオフが一般に行われている。また、チップオフにかける時間をできるだけ短縮できるように、十分に熱量の大きい火炎を噴出できるガスバーナーが用いられている。
図15は、従来技術によるガスバーナーを用いたチップオフの様子を示した図である。例えば、図15に示すように、従来技術によるガスバーナー60eは、排気管の(図面中)左右両脇に、ガス噴出孔を備えた面が互いに対向するように配置されており、それらの面にはそれぞれ互いに対向する複数対(図15では、3対)のガス噴出孔が備えられている。そして、ガス噴出孔を備えた面と面との間に配置された排気管50は、ガス噴出孔から噴出される3対の火炎によって、(図面中)左右両脇から加熱される。
図15に示したガスバーナー60eにおいて、3対のガス噴出孔から噴出される火炎は十分に熱量の大きい火炎であり、排気管50を比較的短時間で溶融させることが可能である。しかし、このようなガスバーナーにおいては、排気管50への加熱量に偏りがあり、比較的加熱量の大きい領域が先に溶融してしまうため、チップオフ後の排気管先端部において、形状の不均一あるいは厚みの不均一といった状態が発生する恐れがある。そして、そのような形状を有する排気管先端部では、冷却速度の差によって残留応力が発生したり、あるいは排気管内部の気圧と外気圧との差によって生じる応力が集中する箇所が発生したりして、外気が排気管内部に漏入する(以下、「リーク」とも記す)ようなクラックが生じやすくなってしまう。
そこで、加熱量の大きい第1の加熱手段と加熱量の小さい第2の加熱手段とを設け、第1の加熱手段と第2の加熱手段とを1Hz〜50Hz程度の繰返し周期で交互に切換えて、排気管を均一に加熱する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献1には、ガスバーナーから十分に熱量の大きい火炎を噴出しつつも、同時にガスバーナーをパネルに対して水平方向に揺動させることで、ガスバーナーによる加熱が排気管に対して局所的とならないようにし、排気管を均一に加熱する方法についても言及されている。
特開2004−31019号公報
しかしながら、上述した技術においては、各ガス噴出孔から排気管の外周面までの距離に差があるため、排気管の外周面に対しガスバーナーからの火炎が比較的強く当たる領域と比較的弱く当たる領域とが生じてしまって加熱量が十分に均一とはならず、チップオフ後の排気管先端部の形状を十分に均一にすることは難しかった。
本発明はこれらの課題に鑑みなされたものであり、チップオフ後の排気管先端部の形状が均一になるように排気管を均一に溶融することが可能であり、排気管先端部におけるリークに至るようなクラックの発生を低減することができるチップオフ用ガスバーナーおよびパネル製造装置ならびにパネルを提供することを目的とする。
本発明は、複数のガス噴出孔を有し、所定の位置に配置されたパネルの排気管をガスの火炎によって加熱し溶融するように構成したチップオフ用ガスバーナーであって、前記複数のガス噴出孔のうち、ガス噴出孔からガスの噴出方向に延長される直線が前記排気管の外周面に対し、±d(dは前記排気管の厚み)の範囲内の距離となるガス噴出孔が存在し、かつ、前記複数のガス噴出孔のうち、ガス噴出孔からガスの噴出方向に延長される直線が前記排気管の中心線と前記直線とを垂直に結ぶ線上における、前記排気管の外周面からの距離が、dより大きい距離で交わるガス噴出孔は存在しない、ことを特徴とする。これにより、チップオフ後の排気管先端部の形状が均一になるように排気管を均一に溶融させることが可能となる。
また、本発明のチップオフ用ガスバーナーは、それぞれが互いに対向する2対となるように設けられた少なくとも4つのガス噴出孔を備え、4つのガス噴出孔から排気管までの距離がそれぞれ互いに等しくなるように構成してもよい。これにより、比較的簡単な構成で、ガス噴出孔からガスの噴出方向に延長される直線が排気管の外周面に接するようなガスバーナーを構成することが可能となる。
また、本発明のチップオフ用ガスバーナーは、互いに対向するガス噴出孔は、排気管の外周面に接する同一直線上に配置されるように設けられた構成としてもよい。これによっても、比較的簡単な構成で、ガス噴出孔からガスの噴出方向に延長される直線が排気管の外周面に接するようなガスバーナーを構成することが可能となる。
また、本発明のチップオフ用ガスバーナーは、4つのガス噴出孔を、各ガス噴出孔からガスの噴出方向に延長される直線がそれぞれ排気管の外周面に対し±d(dは前記排気管の厚み)の範囲内となるように設けた構成とすることが望ましい。
また、本発明のパネル製造装置は、パネルを固定するための固定手段と、パネルに設けられた排気管を介してパネル内からの排気およびパネル内への放電ガスの導入を行うための排気管ヘッドと、排気管を加熱して溶融するための加熱手段とを備え、加熱手段として、上述したチップオフ用ガスバーナーを備えたことを特徴とする。これにより、チップオフ後の排気管先端部の形状が均一になるように、排気管を均一に溶融させることが可能となる。
また、本発明のパネルは、走査電極と維持電極とからなる表示電極対を有する前面板と、データ電極を有し排気および放電ガス導入用の細孔を設けた背面板とを、放電空間を挟んで表示電極対とデータ電極とが交差するように対向配置してその外周部を気密封着するとともに、排気および放電ガス導入用の排気管を細孔を覆うように配置して背面板に封着してなるパネルであって、排気管は、上述したチップオフ用ガスバーナでチップオフされるとともに、溶融されて閉塞された部分の排気管内部への吸い込み量が1.5mm以下になるように形成されたことを特徴とする。これにより、排気管先端部において外気の漏入に至るようなクラックの発生を低減することが可能となる。
また本発明のパネルの製造方法は、前面板と、排気および放電ガス導入用の細孔を設けた背面板とを対向配置し、外周部を気密封着する工程と、前記細孔に配置した排気管を封じ切る工程とを有し、前記排気管を封じ切る工程では、前記排気管を加熱する火炎を複数用い、前記複数の火炎のうち、火炎の方向の直線が、前記排気管の外周面に対し±d(dは前記排気管の厚み)の範囲内の距離となる火炎が存在し、かつ、前記複数の火炎のうち、火炎の方向の直線が、前記排気管の中心線と前記火炎の方向の直線とを垂直に結ぶ線上における、前記排気管の外周面からの距離が、dより大きい距離で交わる火炎は存在しない、ように構成して前記排気管を加熱する、ことを特徴とする。
本発明によれば、チップオフ後の排気管先端部の形状が均一になるように排気管を均一に溶融することが可能であり、排気管先端部におけるリークに至るようなクラックの発生を低減することができるチップオフ用ガスバーナーおよびパネル製造装置ならびにパネルを提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態におけるパネル製造装置について、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるパネル10の構造を示す分解斜視図である。ガラス製の前面板21上には、走査電極22と維持電極23とからなる表示電極対28と遮光層とが互いに平行に複数形成されている。そして走査電極22と維持電極23とを覆うように誘電体層24が形成され、その誘電体層24上に酸化マグネシウム(MgO)等からなる保護層25が形成されている。背面板31上にはデータ電極32が複数形成され、データ電極32を覆うように誘電体層33が形成され、さらにその上に井桁状の隔壁34が形成されている。そして、隔壁34の側面および誘電体層33上には赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の各色に発光する蛍光体層35が設けられている。
これら前面板21と背面板31とは、微小な放電空間を挟んで表示電極対28とデータ電極32とが交差するように対向配置され、その外周部をガラスフリット等の封着材によって封着されている。そして放電空間には、ネオンやキセノン等を含む放電ガスが所定の圧力(例えば、Ne−Xe混合ガスの場合、約530hPa〜800hPaの圧力)で封入されている。放電空間は隔壁34によって複数の区画に仕切られており、表示電極対28とデータ電極32とが交差する部分に放電セルが形成されている。そしてこれらの放電セルが放電、発光することにより画像が表示される。
なお、パネル10の構造は上述したものに限られるわけではなく、例えばストライプ状の隔壁を備えたものであってもよい。
このパネル10の製造方法について説明する。まず、ガラス製の前面板21上に、走査電極22および維持電極23と遮光層とを形成する。これらの走査電極22および維持電極23は透明電極と金属バス電極とから構成され、透明電極と金属バス電極は、フォトリソグラフィ法等を用いてパターンニングして形成される。透明電極は薄膜プロセス等を用いて形成され、金属バス電極は銀材料を含むペーストを所望の温度で焼成して固化している。また、遮光層も同様に、黒色顔料を含むペーストをスクリーン印刷する方法や黒色顔料をガラス基板の全面に形成した後、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングし、焼成することにより形成される。
この後、走査電極22、維持電極23および遮光層を覆うように前面板21上に誘電体ペーストをダイコート法等により塗布して誘電体ペースト層(誘電体材料層)を形成する。誘電体ペーストを塗布した後、所定の時間放置することによって塗布された誘電体ペースト表面がレベリングされて平坦な表面になる。その後、誘電体ペースト層を焼成固化することにより、走査電極22、維持電極23および遮光層を覆う誘電体層24が形成される。なお、誘電体ペーストはガラス粉末等の誘電体材料、バインダおよび溶剤を含む塗料である。次に、誘電体層24上に酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層25を真空蒸着法により形成する。以上の工程により前面板21上に所定の構成部材(走査電極22および維持電極23からなる表示電極対28、遮光層、誘電体層24、保護層25)が形成され、前面板21が完成する。
一方、背面板31は次のようにして形成される。まず、ガラス製の背面板31上に、銀材料を含むペーストをスクリーン印刷する方法や、金属膜を全面に形成した後、フォトリソグラフィ法を用いてパターンニングする方法等によりデータ電極32用の構成物となる材料層を形成し、それを所望の温度で焼成することによりデータ電極32を形成する。
次に、データ電極32が形成された背面板31上にダイコート法等によりデータ電極32を覆うように誘電体ペーストを塗布して誘電体ペースト層を形成する。その後、誘電体ペースト層を焼成することにより誘電体層33を形成する。なお、誘電体ペーストはガラス粉末等の誘電体材料とバインダおよび溶剤を含んだ塗料である。
この後、誘電体層33上に隔壁材料を含む隔壁形成用ペーストを塗布して所定の形状にパターニングすることにより、隔壁材料層を形成した後、焼成することにより隔壁34を形成する。ここで、誘電体層33上に塗布した隔壁用ペーストをパターニングする方法としては、フォトリソグラフィ法やサンドブラスト法を用いることができる。
そして、隔壁34を形成した背面板31には、隣接する隔壁34間の誘電体層33上および隔壁34の側面に蛍光体材料を含む蛍光体ペーストを塗布し、焼成することにより蛍光体層35が形成される。以上の工程により、背面板31上に所定の構成部材(データ電極32、誘電体層33、隔壁34、蛍光体層35)が形成され、背面板31が完成する。
そして、厚膜印刷やインクジェットまたはディスペンサーを備えた塗布装置を用いて、前面板21または背面板31の周囲の所定の位置に封着材を塗布し、封着材に含まれる樹脂成分を燃焼できる温度で仮焼成を行う。その後、前面板21と背面板31とを電極形成面側が向かい合うように対向配置させてパネル10を組み立てる。続いて、前面板21および背面板31の周囲を気密封着する工程、および、排気および放電ガス導入用の排気管(いわゆるチップ管)を封着材によって気密封着する工程に移る。そして、排気管を通してパネル10内部の真空排気とパネル10内部への放電ガスの導入を行った後、排気管を加熱して溶融し排気管を閉塞して封じ切る。この排気管は鉛成分を含まないガラス成分を材料にして形成されており、軟化点温度(ここでは、約630℃)以上の温度で加熱することで溶融させることが可能である。溶融に際しては軟化点温度よりも200℃以上高い温度で加熱することが望ましく、ここでは、約900℃で加熱して溶融させている。
図2は、本発明の実施の形態1における前面板21と背面板31との封着および排気管50と背面板31との封着の様子を示した概略図である。まず、図2(a)に示すように、ディスペンサーを備えた塗布装置(図示せず)を用いて、封着材41を塗布する。このとき、前面板21の周囲の所定の位置に封着材41bを、背面板31の周囲の所定の位置に封着材41aをそれぞれ塗布する。この封着材41としては、例えば、ペースト状にした低融点フリットガラスを用いることができる。
なお、封着材41a、41bの塗布に際しては、ディスペンサーを備えた塗布装置以外に、厚膜印刷やインクジェット塗布装置を用いることもできる。あるいは、厚膜印刷や塗布装置を用いずに、シート状のベース材に所定の厚さ、形状で粘着性を持たせて形成した封着材41a、41bを所定の位置に接着させる方法を用いることもできる。また、前面板21または背面板31のいずれか一方にのみ封着材41a、41bを塗布あるいは接着する構成としてもよい。
そして、封着材41を一定時間乾燥させた後、封着温度よりも低い所定の仮焼成温度(約350℃)で仮焼成を行い、その後、前面板21の表示電極対28と背面板31のデータ電極32とが交差するように前面板21と背面板31とを対向配置させ、固定手段である固定治具(図示せず)を用いて固定する。
次に、排気管50を背面板31に封着する封着工程に移る。この封着工程では、タブレットと称する封着材(図面に示すタブレット42)をあらかじめ形成しておき、排気管50用の封着材として用いる。タブレット42の材料としては、例えば、低融点フリットガラスを用いることができる。
そして、背面板31の隅に近い所定の位置に設けた排気用細孔40の中心とタブレット42の中央部の空孔43部の中心を合わせて載置する。このとき、排気管50の一方の端部の開口部の中心と排気用細孔40の中心とが略一致するように位置決めして組み立て、それぞれの中心がずれないように別の固定治具(図示せず)で押さえて固定する。その後、排気管50の他方の端部を排気および放電ガスの導入を行うための排気管ヘッド51に接続する。
次に、固定治具で固定した前面板21、背面板31、排気管50を焼成炉内(図示せず)に設置し、仮焼成温度よりも高い封着温度(約450℃)まで昇温して封着材41およびタブレット42を溶融させ、その後、冷却して固化させることで、前面板21と背面板31との気密封着、および排気管50と背面板31との気密封着を行っている。この様子を図2(b)に示す。図2(b)は、前面板21と背面板31とがその周囲を気密封着され、排気管50と背面板31とが気密封着された状態を概略的に示した図である。なお、上述したように排気管50の軟化点温度は約630℃であり、ここでの封着温度(約450℃)よりも高いので、この焼成により排気管50が軟化することはない。
次に、排気管ヘッド51は、パネル10内部の放電空間から排気管50を通して真空排気し、その後、同じく排気管50を介してネオンやキセノン等を含む放電ガスを所定の圧力(例えば、Ne−Xe混合ガスの場合、約530hPa〜800hPaの圧力)でパネル10内部に封入する。
最後に、排気管50の所定の部分(閉塞予定部)を局部的に加熱して溶融し、閉塞した部分を切断する。こうすることで排気管50を封じ切り、気密封止(チップオフ)する。そして、本実施の形態においては、このチップオフにおける加熱手段にガスバーナーを用いている。
図3は、本発明の実施の形態1におけるチップオフの概略を示す図である。図3(a)に示すように、ガスバーナー60のガス噴出孔61から噴出されるガスによる火炎62は、排気管50の側面を加熱する。排気管50の温度がこの加熱によって軟化点温度(約630℃)に達すると、排気管50は徐々に溶融し始める。このとき、排気管50の内部は放電空間と同様の気圧(約530hPa〜800hPa)であり外気圧(約1013hPa)よりも減圧されているため、図3(b)に示すように、排気管50の側面は徐々に排気管50の内側へと吸い込まれていく。さらにガスバーナー60による加熱を継続すると、排気管50の溶融した壁部同士は融合し合って閉塞する。その後、図3(c)に示すように、排気管50の閉塞した部分を切断する。こうすることで排気管50を封じ切り、気密封止(チップオフ)する。この切断に際しては、閉塞した部分をカッター等の切断手段を用いて切断してもよいし、あるいは、溶融した部分を自重によって溶断させてもよく、その他の切断方法であってもかまわない。また、排気管50の排気管ヘッド51側を排気管ヘッド51方向へ引っ張りながら切断してもよい。
こうして、ネオンとキセノンの混合ガスは放電ガスとしてパネル10内部の放電空間に封入され、パネル10が完成する。完成したパネル10では、表示電極対28およびデータ電極32に映像信号にもとづく駆動電圧を選択的に印加して放電セル内に放電を発生させ、その放電によって発生した紫外線が各色の蛍光体層35を励起してR、G、Bの各色を発光させることによってカラー画像の表示を実現している。
図4は、本発明の実施の形態1におけるパネル10の平面図および断面図であり、図4(a)は本発明の実施の形態におけるパネル10の平面図、図4(b)は図4(a)に示したパネル10のA−A線における断面図である。
図4に示すように、前面板21と背面板31とは表示電極対28とデータ電極32とが直交するように対向配置され、その周囲が封着材41で気密封着されている。また、排気用細孔40を覆うように配置された排気管50と背面板31とは封着材であるタブレット42によって気密封着されている。そして、パネル10内部の放電空間には排気管50を通して導入された放電ガスが所定の圧力で封入されており、排気および放電ガスの導入に用いられた排気管50は、チップオフによって封じ切られることにより閉塞されている。
図5は、本発明の実施の形態1におけるパネル10の電極配列図である。パネル10には、行方向に長いn本の走査電極SC1〜SCn(図1の走査電極22)およびn本の維持電極SU1〜SUn(図1の維持電極23)が配列され、列方向に長いm本のデータ電極D1〜Dm(図1のデータ電極32)が配列されている。そして、1対の走査電極SCi(i=1〜n)および維持電極SUi(i=1〜n)と1つのデータ電極Dj(j=1〜m)とが交差した部分に放電セルが形成され、放電セルは放電空間内にm×n個形成されている。なお、図1、図2に示したように、走査電極SCiと維持電極SUiとは互いに平行に対をなして形成されているために、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUnとの間に大きな電極間容量が存在する。
このパネル10は、サブフィールド法、すなわち、1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割した上で、発光させるサブフィールドの組み合わせによって階調表示を行う方法で駆動する。各サブフィールドは、初期化期間、書込み期間および維持期間を有し、初期化期間では初期化放電を発生し、続く書込み動作に必要な壁電荷を各電極上に形成する。書込み期間では、表示を行うべき放電セルにおいて選択的に書込み放電を発生し壁電荷を形成する。そして維持期間では、走査電極と維持電極とからなる表示電極対に交互に維持パルスを印加し、書込み放電を起こした放電セルで維持放電を発生させ、対応する放電セルの蛍光体層を発光させることにより画像表示を行う。
次に、ガスバーナー60による排気管50の加熱の詳細について説明する。この加熱の際に、ガスバーナー60による加熱が排気管50に対して均一になされないと、排気管50は均一に溶融されず、先に溶融した部分が排気管50内部に吸い込まれてしまい、チップオフ後の排気管50の先端部形状が不均一になってしまう。
まず、本実施の形態におけるチップオフとの比較のために、従来技術によるチップオフについて再度説明する。
例えば、図15に示したように、従来技術によるガスバーナー60eでは、排気管50の(図面中)左右両脇に、ガス噴出孔を備えた面が互いに対向するように配置されており、それらの面にはそれぞれ互いに対向する複数対(図15では、3対)のガス噴出孔61e1、61e2が備えられている。そして、ガス噴出孔61e1、61e2を備えた面と面との間に配置された排気管は、ガス噴出孔61e1、61e2から噴出される3対の火炎62によって、(図面中)左右両脇から加熱される。
このとき、例えば、排気管50に加える熱量を小さくし、時間をかけてチップオフすれば、排気管50を均一に加熱してチップオフ後の排気管50先端部の形状を均一にすることも可能である。しかしながら、生産性を向上させるためには、製造時の各工程における作業時間をできるだけ短縮して製造タクトを上げなければならず、そのためには、できるだけ短時間にチップオフを行えるようにしなければならない。
そして、図15に示したガスバーナー60eにおいては、3対のガス噴出孔から噴出される火炎は十分に熱量の大きい火炎であり、排気管を比較的短時間で溶融させることが可能である。
このとき、3対のガス噴出孔のうち中央の1対のガス噴出孔61e2はガスの噴出方向が排気管50の外周面に対しほぼ垂直になるように配置されている。そして、3対のガス噴出孔から排気管50の外周面までの距離には差があり、中央に配置された1対のガス噴出孔61e2から排気管50の外周面までの距離は、その両脇の2対のガス噴出孔61e1から排気管50の外周面までの距離よりも短い。なお、ここでのガス噴出孔から排気管50の外周面までの距離とは、ガス噴出孔からそのガス噴出孔に最も近い排気管50の外周面までの距離のことを表す。また、図面における両矢印はその距離を示している。
このように、各ガス噴出孔から排気管50の外周面までの距離に差があると、排気管50への加熱量に差が生じ、加熱量が比較的大きい領域(図面中、破線で囲った領域)とそうでない領域とが生じてしまう。このとき、加熱量が比較的大きい領域からその周囲の領域に対して熱伝導による加熱が行われる。しかし、排気管50の外周面において、ガス噴出孔61e2から噴出されるガスの噴出方向が垂直となる領域では、その火炎による加熱量が大きく、熱伝導によって溶融される領域よりも早く溶融が始まるため、排気管50における溶融は均一にはならない。なお、図面における片矢印はガスの噴出方向を示している。
そして、排気管内部の気圧は放電空間と同じ気圧(約530hPa〜800hPa)であって外気圧(約1013hPa)よりも減圧されているため、排気管50が均一に溶融されないと、先に溶融した部分が排気管内部に吸い込まれてしまい、チップオフ後の排気管先端部において、形状の不均一あるいは厚みの不均一といった状態が生じてしまう。そして、そのような形状を有する排気管先端部では、排気管内部の気圧と外気圧との差によって生じる応力が集中する箇所が発生し、微小なクラックが、温度変化や吸湿、衝撃等の要因により、外気が排気管内部に漏入(リーク)するような大きなクラックに進行する可能性が高くなってしまう。
図16は、排気管が均一に溶融されずにチップオフされたときの排気管先端部の形状の一例を示す概略図である。図16(a)は排気管先端部の上面図であり、図16(b)は排気管先端部を図16(a)に示したX方向から見た側面図であり、図16(c)は排気管先端部を図16(a)に示したY方向から見た側面図である。
排気管内部の気圧は、上述したように、放電空間と同じ気圧(約530hPa〜800hPa)であって外気圧(約1013hPa)よりも減圧されているため、チップオフの際に排気管50が均一に溶融されないと、先に溶融した部分が排気管内部に吸い込まれてしまう。そして、先に溶融した部分が排気管内部に吸い込まれてしまうと、例えば、図16(a)、(b)の矢印で示した部分のように、チップオフ後の排気管先端部において、形状の不均一あるいは厚みの不均一といった状態が発生してしまう。そうすると、図16(b)、図16(c)に示すように、排気管先端部における形状が不均一になるだけでなく、厚みも不均一になってしまう。
なお、排気管先端部における排気管内部への吸い込みによって生じる形状の不均一さは、数値化して表すことができる。具体的には、図16(c)に示すように、まず排気管内壁の壁面に対し2本の接線を引く。この2本の接線は、その2本の接線の交点が(図面中)最も低くなるように引く位置を選ぶ。そして、その交点と排気管内壁の(図面中)最も高い位置との(図面における垂直方向の)距離を求める。この値が、排気管先端部における形状の不均一さを表す「吸い込み量」である。そして、この吸い込み量が大きくなるほどリークを起こすような大きなクラックが発生する可能性は高くなり、例えば、外径5mm、厚み1mmの排気管の場合であれば、実用的には、1.5mm以下の吸い込み量に抑えることが望ましい。
このように、排気管50が均一に溶融されないと、チップオフ後の排気管先端部において形状の不均一あるいは厚みの不均一といった問題が生じ、リークを起こすクラックが発生する可能性が高くなる。そして、本実施の形態におけるガスバーナー60では、排気管50を均一に加熱してチップオフ後の排気管先端部を均一な形状にすることができるので、リークを起こすようなクラックの発生を大幅に低減することが可能である。次に、本実施の形態におけるガスバーナー60の詳細について説明する。
図6は、本発明の実施の形態1におけるガスバーナー60を用いた排気管50のチップオフの様子を示した概略図であり、図6(a)は平面図、図6(b)は側面図、図6(c)はガス噴出孔が設けられた面の正面図である。また、図7は、本発明の実施の形態1におけるガスバーナー60の構成の一例を示した図であり、図7(a)は斜視図、図7(b)は図7(a)のA−A線における断面図、図7(c)は図7(b)の破線領域の拡大図である。なお、本実施の形態では、排気管50として外径rが5mm、厚みdが1mmのものを用いているが、なんらこのサイズに限定されるものではなく、その他のサイズのものであってもよい。
図6に示すように、ガスバーナー60は、排気管50の(図面中)左右両脇に、ガス噴出孔を備えた面が互いに対向するように配置されており、それらの面にはそれぞれ2つのガス噴出孔61が備えられている。ガスバーナー60は、例えば、図7に示すように、金属ブロック等の側面部に穴加工を施すことによってガス噴出孔61を設けるとともに、ガスを導入するための導入口(図示せず)および導入されたガスをガス噴出孔61まで導くためのガス導管63を内部に設けることで形成することができる。そして、ガスの導入口から所定の圧力で可燃性のガスを供給し、ガス噴出孔61から噴出されるガスに引火することで、火炎を形成することができる。ガス噴出孔61は、例えば内径が0.4mm程度で、図7(b)、図7(c)に示すように面に対して垂直方向に空けられており、その孔の方向が図面中片矢印で示すガスの噴出方向となる。そして、それら2対のガス噴出孔61はそれぞれが互いに対向する位置に配置されている。さらに、それら4つのガス噴出孔61は、図6(b)、図6(c)に示すように、排気管50と直行する仮想的な1つの平面上に位置するように配置されており、側面から見た場合に排気管50を同じ高さで加熱することができる。そして、ガスバーナー60の間に配置された排気管50を、ガス噴出孔61から噴出するガスによる火炎62によって(図面中)左右両脇から加熱する。
このとき、2対のガス噴出孔61は、図6(a)に示すように、互いに対向するガス噴出孔61同士を結ぶ線分が排気管50の外周面に接するように配置されており、各ガス噴出孔61から排気管50の外周面までの距離は、図面中両矢印で示すように互いに等しい。そして、図面中片矢印で示すように、各ガス噴出孔61からガスの噴出方向に延長される直線がそれぞれ排気管50の外周面に接するように、各ガス噴出孔61は設けられている。そのため、ガス噴出孔61から噴出されるガスによる火炎62も排気管50の外周面に接する方向となる。また、ガスバーナー60は、ガスの噴出方向が排気管50の外周面に対し垂直になるようなガス噴出孔を有しておらず、したがって、排気管50はその外周面に対し垂直となるような火炎で加熱されることはない。つまり、ここでは排気管50を封じ切るために加熱する火炎62の方向が、排気管50の外周面に接するように構成し、かつ、排気管50を加熱する火炎62の方向が排気管の外周面に垂直とならないように構成して、排気管50を加熱する。ここで火炎62の方向とは、同図に示すように火炎62がのびる方向であり、ガスバーナー60などを用いた場合には、ガス噴出孔61からガスの噴出方向への直線に相当する。
すなわち、本実施の形態では、各ガス噴出孔61から噴出されるガスによる火炎は、排気管50の外周面をそれぞれほぼ等しい加熱量で加熱しており、排気管50への加熱に偏りが生じない構成となっている。なお、ここでのガス噴出孔61から排気管50の外周面までの距離とは、ガス噴出孔61からそのガス噴出孔61に最も近い排気管50の外周面までの距離のことを表す。
図8は、本発明の実施の形態1におけるガスバーナー60による排気管50の加熱の様子を示した概略図である。この図面に示すように、本実施の形態では、排気管50に対して垂直に加熱する火炎はなく、また、各ガス噴出孔61から噴出されるガスによる火炎は排気管50の外周面をそれぞれほぼ等しい加熱量で加熱する。このため、排気管50のうちの比較的大きな領域63(図面中、破線で囲った領域)では火炎による加熱がほぼ均一に行われる。一方、領域63の周辺の領域64では領域63からの熱伝導による加熱が主となるが、領域63と比べて小さい領域であるため、領域63における溶融から実質的に遅れることなく溶融が始まる。これにより、排気管50はリング状にほぼ均一に溶融される。
なお、図6に示した各ガス噴出孔61は、各ガス噴出孔61からガスの噴出方向に延長される直線が、排気管50の外周面に対し、±d(dは排気管50の厚み)の範囲に入るように設けられることが望ましい。
図9は、本発明の実施の形態1におけるチップオフ後の排気管50先端部の形状を示す概略図である。図9(a)は排気管50先端部の上面図であり、図9(b)は排気管50先端部を図9(a)に示したX方向から見た側面図であり、図9(c)は排気管先端部を図9(a)に示したY方向から見た側面図である。
この図面に示すように、本実施の形態では、チップオフの際に排気管50をほぼ均一に溶融することができるので、図9(b)、図9(c)に示すように、排気管先端部の形状を、X方向、Y方向のいずれから見ても均一にすることができる。さらに、ここでの吸い込み量はほぼ0mmであり、排気管先端部にかかる応力はほぼ均一となる。したがって、例え温度変化や吸湿、衝撃等の要因があっても、リークに至るようなクラックの発生を大幅に低減することができる。なお、この吸い込み量は、例えば、外径5mm、厚み1mmの排気管の場合、上述したように1.5mm以下であれば、リークに至るようなクラックが発生する可能性を大幅に低減することができるので、本実施の形態では、吸い込み量が1.5mm以下のものを「排気管先端部の形状が均一である」としている。しかし、この値は、排気管の形状や材質等で異なるため、排気管の特性に応じて最適な値を選ぶことが望ましい。
なお、排気管50を形成する材料において、非鉛(鉛を含まない)の材料と、鉛を含む材料とでは温度−粘性度の関係が異なる。図10は、非鉛の材料および鉛を含む材料における温度−粘性度の関係を示した図である。この図面に示すように、所定の温度までは鉛を含む材料よりも非鉛の材料の方が粘性度が高い。しかし、所定の温度を超え溶融してしまうと非鉛の材料の方が鉛を含む材料よりも粘性度が低くなってしまう。すなわち、チップオフの際に溶融が均一に行われないと、非鉛の材料からなる排気管50は、鉛を含む材料からなる排気管よりも吸い込み量が大きくなる可能性が高い。すなわち、非鉛の材料からなる排気管50では、チップオフの際により均一に溶融させることが必要である。そして、本実施の形態では、排気管50をより均一に溶融させることが可能であるので、非鉛の材料からなる排気管50のチップオフにおいてより高い効果を得ることができ、有用である。
(実施の形態2)
実施の形態1では、ガスバーナー60は対向する面にそれぞれ2つずつ、合計4つのガス噴出孔61を備え、4つの火炎で排気管50を加熱する構成を説明した。しかし、本発明は、何らガス噴出孔を4つに限定するものではなく、隣り合う2つのガス噴出孔の外側にさらにガス噴出孔を備えた構成としてもよい。本実施の形態では、この隣り合う2つのガス噴出孔の外側にさらにガス噴出孔を備えた構成について説明する。
図11は、本発明の実施の形態2におけるガスバーナー60aの構成の一例を示した図であり、図11(a)は平面図、図11(b)は斜視図である。なお、本実施の形態では、排気管50の外径や厚み、あるいはガスバーナー60a、ガス噴出孔61a1、61a2の形成等については実施の形態1と同様として説明を行う。
図11(a)、(b)に示すように、ガスバーナー60aは、排気管50の(図面中)左右両脇に、ガス噴出孔を備えた面が互いに対向するように配置されており、それらの面には排気管50に近い側に設けられたガス噴出孔61a1と、隣り合うガス噴出孔61a1の外側に設けられたガス噴出口61a2とがそれぞれ2対ずつ設けられている。すなわち、ガスバーナー60aには合計で8つのガス噴出孔が設けられている。
ガス噴出孔61a1、61a2は、例えば内径が0.4mm程度で、面に対して垂直方向に空けられており、その孔の方向がガスの噴出方向となる。そして、それら4対のガス噴出孔61a1、61a2はそれぞれが互いに対向する位置に配置されている。さらに、それら8つのガス噴出孔61a1、61a2は、図11(b)に示すように、排気管50と直行する仮想的な1つの平面上に位置するように配置されており、側面から見た場合に排気管50を同じ高さで加熱することができる。
このとき、図面中片矢印で示すようにガス噴出孔61a1からガスの噴出方向に延長される直線がそれぞれ排気管50の外周面に接するように各ガス噴出孔61a1を設けており、これによりガス噴出孔61a1から噴出されるガスの噴出方向は排気管50の外周面に接する方向となる。また、図面中両矢印で示すように、各ガス噴出孔61a1から排気管50の外周面までの距離は互いに等しい。
さらに、本実施の形態では、ガス噴出孔61a1によって形成される内炎にガス噴出孔61a2によって形成される内炎が隣接するようにガス噴出孔61a2を設けている。これにより、ガス噴出孔61a1から噴出されるガスによる火炎とガス噴出孔61a2から噴出されるガスによる火炎とで1つの火炎62aが形成されるように構成している。
すなわち、本実施の形態に示す構成では、1つのガス噴出孔から噴出されるガスによる火炎と比べて幅の広い火炎を発生させることが可能となる。したがって、排気管50の配置位置の位置ずれに対するマージンをより広く持つことが可能となる。
なお、本発明の実施の形態では、ガスバーナー60は互いに対向する2つの面に2対のガス噴出孔61を備えた構成を説明したが、例えば、図12に示すような構成であってもよい。図12は、本発明の実施の形態におけるガスバーナーの他の構成の一例を示した図である。ガスバーナー60bは、排気管50の(図面中)左右両脇に、2対の導管が互いに対向するように配置されており、それらの導管にはそれぞれガス噴出孔61bが備えられている。2対のガス噴出孔61bは、互いに対向するガス噴出孔61b同士を結ぶ線分が排気管50の外周面に接するように配置されている。そして、各ガス噴出孔61bからガスの噴出方向に延長される直線がそれぞれ排気管50の外周面に接するように、各ガス噴出孔61bは設けられている。そのため、各ガス噴出孔61bから排気管50の外周面までの距離は互いに等しく、また、各ガス噴出孔61bから噴出されるガスによる火炎62は排気管50の外周面に対し接線方向に向いており、排気管50をほぼ均一に溶融することができる。したがって、このような構成であっても、上述した効果と何ら変わらない効果を得ることができる。
図13は、本発明の実施の形態におけるガスバーナーのさらに他の構成の一例を示した図である。図13(a)に示すように、ガスバーナー60cは、排気管50の(図面中)左右両脇に、ガス噴出孔を備えた面が互いに対向するように配置されており、それらの面にはそれぞれ2つのガス噴出孔61cが備えられている。そして、それら2対のガス噴出孔61cはそれぞれが互いに対向する位置に配置されており、ガス噴出孔61cから排気管50の外周面までの距離は互いに等しい。しかし、図6に示した構成と異なり、互いに対向するガス噴出孔61c同士を結ぶ線分は排気管50の外周面ではなく、排気管50内を通るようにガス噴出孔61cは配置されている。ただし、各ガス噴出孔61cからガスの噴出方向に延長される直線がそれぞれ排気管50の外周面に接するように、各ガス噴出孔61cは設けられている。すなわち、各ガス噴出孔61cから噴出されるガスによる火炎62は排気管50の外周面に対し接線方向に向いており、排気管50をほぼ均一に溶融することができる。したがって、このような構成であっても、上述した効果と何ら変わらない効果を得ることができる。なお、図13(b)の断面図に示すように、ガス噴出孔61cを形成する際に、ガスバーナー60cの側面部に対して所定の角度で穴加工を施すことで、ガスの噴出方向、すなわち火炎62の方向を所望の方向にすることができる。
図14は、本発明の実施の形態におけるガスバーナーのさらに他の構成の一例を示した図である。ガスバーナー60dは、ガス噴出口61dをそれぞれ備えた4つの面を有し、それら4つの面は互いに対向する2対の面からなる。そして、図14に示したガスバーナー60dは、図6に示したガスバーナー60と異なり、ガス噴出口61dは互いに対向する位置には配置されていない。すなわち、ガス噴出口61dから排気管50の外周面までの距離は互いに等しく、かつガス噴出口61dからガスの噴出方向に延長される直線がそれぞれ排気管50の外周面に接するように、かつ隣り合うガス噴出口61dではガスの噴出方向が互いにほぼ垂直になるように各ガス噴出口61dは設けられている。そして、各ガス噴出孔61dから互いに異なる4つの方向にそれぞれ噴出される4つのガスによる火炎62は排気管50の周囲を囲むようにして加熱し、排気管50をほぼ均一に溶融することができる。したがって、このような構成であっても、上述した効果と何ら変わらない効果を得ることができる。
なお、図12、図13、図14に示した構成の場合においても、各ガス噴出孔からガスの噴出方向に延長される直線が、排気管50の外周面に対し、±d(dは排気管50の厚み)の範囲に入るように、各ガス噴出孔を設けることが望ましい。
なお、本発明の実施の形態では、ガスバーナー60は排気管50の外周面に対し垂直にガスを噴出するようなガス噴出孔を備えない構成を説明したが、そのようなガス噴出孔を備えた構成であってもかまわない。ただし、その場合には、そのガス噴出孔からはガスを噴出させないか、あるいは加熱を不均一にしない程度の弱い火炎となるガス噴出量に抑える。
また、本発明の実施の形態では、鉛を含まない材料で排気管50を形成する構成における本発明の効果の有用性について説明したが、何らこの構成に限定されるものでなく、例え鉛を含む材料で排気管50を形成する場合であっても、同様の効果を得ることができる。
また、本発明の実施の形態では、ガスバーナーを揺動させる構成については特に触れていないが、上述した本発明の実施の形態における構成に加え、ガスバーナーを揺動させる構成とすることで、さらに高い効果を得ることも可能である。
また、本発明の実施の形態において用いた具体的な各数値は、単に一例を挙げたに過ぎず、パネルの特性やプラズマディスプレイ装置の仕様等に合わせて、適宜最適な値に設定することが望ましい。
本発明のチップオフ用ガスバーナーおよびパネル製造装置ならびにパネルは、チップオフ後の排気管先端部の形状が均一になるように排気管を均一に溶融することが可能であり、排気管先端部におけるリークに至るようなクラックの発生を低減することができるので、チップオフ用ガスバーナーおよびパネル製造装置ならびにパネルとして有用である。
本発明の実施の形態1におけるパネルの構造を示す分解斜視図 本発明の実施の形態1における前面板と背面板との封着および排気管と背面板との封着の様子を示した概略図 本発明の実施の形態1におけるチップオフの概略を示す図 (a)は本発明の実施の形態1におけるパネルの平面図、(b)は図4(a)に示したパネルのA−A線における断面図 本発明の実施の形態1におけるパネルの電極配列図 本発明の実施の形態1におけるガスバーナーを用いた排気管のチップオフの様子を示した概略図 本発明の実施の形態1におけるガスバーナーの構成の一例を示した図 本発明の実施の形態1におけるガスバーナーによる排気管の加熱の様子を示した概略図 本発明の実施の形態1におけるチップオフ後の排気管先端部の形状を示す概略図 非鉛の材料および鉛を含む材料における温度−粘性度の関係を示した図 本発明の実施の形態2におけるガスバーナーの構成の一例を示した図 本発明の実施の形態におけるガスバーナーの他の構成の一例を示した図 本発明の実施の形態におけるガスバーナーのさらに他の構成の一例を示した図 本発明の実施の形態におけるガスバーナーのさらに他の構成の一例を示した図 従来技術によるガスバーナーを用いたチップオフの様子を示した図 排気管が均一に溶融されずにチップオフされたときの排気管先端部の形状の一例を示す概略図
符号の説明
10 パネル
21 (ガラス製の)前面板
22 走査電極
23 維持電極
24,33 誘電体層
25 保護層
28 表示電極対
31 背面板
32 データ電極
34 隔壁
35 蛍光体層
40 排気用細孔
41,41a,41b 封着材
42 タブレット
43 空孔
50 排気管
51 排気管ヘッド
60,60a,60b,60c,60d ガスバーナー
61,61a,61b,61c,61d ガス噴出孔
62 火炎

Claims (6)

  1. 複数のガス噴出孔を有し、所定の位置に配置されたプラズマディスプレイパネルの排気管をガスの火炎によって加熱し溶融するように構成したチップオフ用ガスバーナーであって、
    前記複数のガス噴出孔のうち、ガス噴出孔からガスの噴出方向に延長される直線が前記排気管の外周面に対し、±d(dは前記排気管の厚み)の範囲内の距離となるガス噴出孔が存在し、
    かつ、前記複数のガス噴出孔のうち、ガス噴出孔からガスの噴出方向に延長される直線が前記排気管の中心線と前記直線とを垂直に結ぶ線上における、前記排気管の外周面からの距離が、dより大きい距離で交わるガス噴出孔は存在しない、
    ことを特徴とするチップオフ用ガスバーナー。
  2. それぞれが互いに対向する2対となるように設けられた少なくとも4つの前記ガス噴出孔を備え、4つの前記ガス噴出孔から前記排気管までの距離がそれぞれ互いに等しくなるように構成した
    ことを特徴とする請求項1記載のチップオフ用ガスバーナー。
  3. 互いに対向する前記ガス噴出孔は、前記排気管の外周面に接する同一直線上に配置されるように設けられた構成とする
    ことを特徴とする請求項2記載のチップオフ用ガスバーナー。
  4. 4つの前記ガス噴出孔は、各ガス噴出孔からガスの噴出方向に延長される直線がそれぞれ前記排気管の外周面に対し±d(dは前記排気管の厚み)の範囲内となるように設けられた構成とする
    ことを特徴とする請求項1記載のチップオフ用ガスバーナー。
  5. プラズマディスプレイパネルを固定するための固定手段と、
    前記プラズマディスプレイパネルに設けられた排気管を介して前記プラズマディスプレイパネル内からの排気および前記プラズマディスプレイパネル内への放電ガスの導入を行うための排気管ヘッドと、
    前記排気管を加熱して溶融するための加熱手段とを備え、
    前記加熱手段として、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のチップオフ用ガスバーナーを備えた
    ことを特徴とするプラズマディスプレイパネル製造装置。
  6. 前面板と、排気および放電ガス導入用の細孔を設けた背面板とを対向配置し、外周部を気密封着する工程と、前記細孔に配置した排気管を封じ切る工程とを有し、
    前記排気管を封じ切る工程では、前記排気管を加熱する火炎を複数用い、
    前記複数の火炎のうち、火炎の方向の直線が、前記排気管の外周面に対し±d(dは前記排気管の厚み)の範囲内の距離となる火炎が存在し、
    かつ、前記複数の火炎のうち、火炎の方向の直線が、前記排気管の中心線と前記火炎の方向の直線とを垂直に結ぶ線上における、前記排気管の外周面からの距離が、dより大きい距離で交わる火炎は存在しない、ように構成して前記排気管を加熱する、
    プラズマディスプレイパネルの製造方法。
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