JP5324507B2 - ハニカム構造体成形用口金、及びその製造方法 - Google Patents

ハニカム構造体成形用口金、及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高いアイソスタティック強度を有し、精度の高い、隔壁で区画された複数のセルを有したハニカム構造体成形用口金、およびその製造方法に関する。特に詳しくは、六角形等の五角形以上の多角形のセル、異なる断面形状を有するセルの組み合わせ、大小寸法の異なるセル等を有したハニカム構造体成形用口金において、ハニカム構造体の外周側のセルの隔壁を、中心部側のセルの隔壁より厚く形成した、高いアイソスタティック強度を有したハニカム構造体を成形するためのハニカム構造体成形用口金、及びその製造方法に関するものである。
従来、自動車排気ガス浄化用触媒は、セラミック製のハニカム担体(ハニカム構造体)の各セル表面に触媒成分が担持されていわゆるハニカム触媒を形成するが、その軸方向強度が断面(径)方向のそれよりも高いことから、ハニカム担体の軸方向で把持する構造が採用されていた。この場合、その軸方向に把持する際に外周部付近で破損することを防ぐため、外周部のセル隔壁(リブ)を内部よりも厚くして、ハニカム担体の軸方向の耐圧強度を高めていた。
しかしながら、最近、エンジンの高出力化指向に伴うハニカム触媒での排ガスの圧力損失の低減要求や、排ガス規制強化に伴う触媒担体全体の有効利用の要請により、ハニカム触媒担体を軸方向把持するのではなく、ハニカム触媒担体の外周面で主に把持する構造が採用され始めた。これは、排ガス規制強化により触媒容積が増加して触媒質量が増加するため、エンジン振動に対して軸方向把持では把持面積が少なくて十分に把持できなくなったことも一因であった。
また、一方では触媒の浄化性能を向上させるために、ハニカム担体のセル隔壁厚さを薄くしてハニカム担体を軽量化することにより、触媒の熱容量を低減して浄化性能の暖機特性を向上させる動きが始まっている。更に、薄壁化は、圧力損失の低減にも大きく寄与する。
このため、セル隔壁の薄壁化でハニカム担体の外周面からの外圧による破壊強度は一層低下する傾向となっている。さらに、最近の排ガス規制の更なる強化のため、エンジン燃焼条件の改善、触媒浄化性能の向上を狙いとして、排気ガス温度が年々上昇してきており、ハニカム担体に要求される耐熱衝撃性も厳しくなってきている。このように、セル隔壁の薄壁化、ハニカム担体の外周面把持採用、及び排ガス温度の上昇等により、セル隔壁やハニカム外壁の厚さ設定及びハニカム構造体のアイソスタティック強度向上並びに外形形状及び隔壁形状の高精度化が大きな課題となってきている。
高いアイソスタティック強度と高精度な構造体形状を持つハニカム担体として、外周部のみ内周部に比べリブを厚くし強化した構造のものがある。これを押出成形する口金においては、外周部リブ厚を内周部より厚くすべく、外周部のスリットを研削により内周部よりも広くした構造を持たせてある(特許文献1参照)。
ところで、セラミック質の六角形格子状や、異なる断面形状を有するセルの組み合わせ、大小寸法の異なるセルを有したハニカム構造体の製造方法としては、従来から、セラミック成形原料(以下、坏土と言うことがある。)を導入する裏孔(以下、導入孔と言うことがある。)と、この裏孔に連通する六角形格子状等のスリットとが形成された口金基体を備えたハニカム構造体成形用口金を用いて押出成形する方法が知られている。例えば、六角形格子状の口金は、通常、口金基体の一方の端面に、ハニカム構造体の隔壁厚さに対応する幅のスリットが六角形状に設けられており、その反対側の端面(他方の端面)に、スリットと連通する裏孔が大きな面積で開口して設けられている。そして、この裏孔は、通常、六角形状のスリットが交差する位置に対応して設けられ、両者は、口金基体内部で連通している。従って、裏孔から導入されたセラミック原料等の成形原料は、比較的内径の大きな裏孔から、幅の狭いスリットへと移行して、このスリットの開口部からハニカム構造の成形体(ハニカム成形体)として押出される。
このような六角形格子状セルを有したハニカム構造体成形用口金を製造する方法としては、上述したハニカム形状のスリットを放電加工(EDM加工)により形成する製造方法が開示されている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
特許文献2および特許文献3に開示されたハニカム・ダイスの製造方法によれば、六角形格子状のセルを有したハニカム体を製造するためのハニカム・ダイスの製造方法が示されている。このような六角形格子状のセルを有したハニカム構造体は、四角形のセルを有したハニカム構造体と比較して、押出成形時の保形性が低く、セル格子の変形を招きやすいためアイソスタティック強度を向上させることが困難であった。
また従来より、内燃機関、ボイラー、化学反応機器、及び燃料電池用改質器等の触媒作用を利用する触媒用担体や、排ガス中の微粒子、特にディーゼル微粒子の捕集フィルタ(ディーゼルパティキュレートフィルタ:以下、「DPF」ということがある)等に、セラミックスからなるハニカム構造体が用いられている。
このような目的に使用されるハニカム構造体は、一般に、多孔質の隔壁によって区画された流体の流路となる複数のセルを有し、特に、微粒子捕集フィルタとして用いられる場合には、端面が市松模様状を呈するように、隣接するセルが互いに反対側の端部において目封止された構造を有する。このような構造を有するハニカム構造体において、被処理流体は流入孔側端面が封止されていないセル、即ち流出孔側端面が封止されているセルに流入し、多孔質の隔壁を通って隣のセル、即ち、流入孔側端面が封止され、流出孔側端面が封止されていないセルから排出される。この際、隔壁がフィルタとなり、例えば、DPFとして使用した場合には、ディーゼルエンジンから排出されるスート(スス)等の粒子状物質(パティキュレート・マター:以下「PM」ということがある)が隔壁に捕捉され隔壁上に堆積する。
更に、このようなDPFとして使用されるハニカム構造体として、一方の端面と他方の端面とでセル開口部の大きさが異なる目封止ハニカム構造体が、知られている。この一方の端面と他方の端面とでセル開口部の大きさが異なる目封止ハニカム構造体は、異なる断面形状を有するセルの組み合わせ、または大小寸法の異なるセルを有した目封止ハニカム構造体であって、流入側セル開口部の大きさ(面積)を、流出側セル開口部の大きさ(面積)より大きくすることにより、PMの補修効率を向上させたものである。一方の端面と他方の端面とでセル開口部の大きさが異なるセルは、具体的には、大小寸法の異なる四角セルの組み合わせや、四角形のセルと八角形のセルの組み合わせ等を挙げることができる。
特開2003−94415号公報 特許第1784822号公報 特許第1784823号公報
しかしながら、特許文献1に記載のハニカム構造体の成形用口金は、スリットを円盤砥石による研削加工により実現したものであり、この製造方法では五角形以上の多角形格子状、六角形格子状セルを有したハニカム構造体や、一方の端面と他方の端面とでセル開口部の大きさが異なる目封止ハニカム構造体等への適用は不可能であった。例えば、スリット5が形成された口金基体の他方の端面を、口金基体の厚み方向201から見た平面図を用いて以下に説明する。図10A〜10Dにハニカム構造体成形用口金の格子状のスリット5のいくつかのパターンを挙げることができる。図10A〜10Dにおいて、スリット5で区画される複数の格子状区画領域3のうち、少なくともその一部は、口金基体の厚み方向201から見た平面図において、スリット5の縁部に沿った方向の延長上と重なるように設けられているため、円盤砥石等の研削加工による精度の高い製造が不可能なものである。
図10Aに示すような六角形格子状のスリット5を有したハニカム構造体成形用口金においては、一点鎖線で示すようなスリット5の縁部に沿った方向の延長上と重なるように設けられているため、円盤砥石等の研削加工による精度の高い製造が不可能であった。
また、図10Bに示すような大小異なる大きさの格子状スリット5を有した一方の端面と他方の端面とでセル開口部の大きさが異なる目封止ハニカム構造体の成形用口金や、図10C,図10Dに示すような五角形以上の多角形を含む格子状のスリットを有したハニカム構造体成形用口金においても、一点鎖線で示すようなスリット5の縁部に沿った方向の延長上と重なるように設けられているため、円盤砥石等の研削加工による精度の高い製造が不可能であった。
また、特許文献1では拡大スリット部を研削で加工しており、その拡大スリット部の深さ制御の分解能は使用する砥石の直径に依存することから、内周部と外周部とでスリット幅に差が生じ、セル欠陥などの成形不良が生じやすいという問題もあった。また、一つのスリットの拡大スリット部と通常部のスリット幅で不連続部が生じると、この不連続部分で成形不良を招きやすいという問題があった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、五角形以上の多角形格子状のセルや大小異なるサイズのセルを有したハニカム構造体においても、より高い寸法精度と強度を付与することができるハニカム押出成形用口金及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、以下のハニカム構造体成形用口金の製造方法を提供するものである。
[1] 板状の口金基体の一方の端面に、セラミック成形原料からなる坏土を導入するための複数の導入孔が設けられた坏土供給面と、前記口金基体の他方の端面に、前記導入孔と内部で連通され、前記坏土のハニカム成形体が押出成形される格子状のスリットが設けられた坏土成形面と、を含み、前記口金基体の厚み方向から見た平面において、前記坏土成形面における前記スリットで区画される複数の格子状区画領域のうち、少なくとも一部は、前記スリットの縁部に沿った方向の延長上と重なるように設けられ、前記スリットは、前記坏土成形面の内周領域に形成された、スリット幅が所定幅とされた内周スリットと、前記坏土成形面の前記内周領域の周囲を取り囲む外周領域に形成された外周スリットと、を有し、前記外周スリットは、前記外周スリットと前記導入孔との連通部分から前記坏土成形面までの間の位置から前記坏土成形面までの部分にスリット幅拡大部を有し、前記スリット幅拡大部のスリット幅は、前記内周スリットのスリット幅よりも広く、かつ、前記外周スリットにおける前記連通部分のスリット幅よりも広いハニカム構造体成形用口金。
[2] 前記外周スリットのスリット幅拡大部におけるスリット幅が、前記内周領域と前記外周領域との前記境界線から開始して前記口金基体の外周側へ向けて漸次増加した前記[1]に記載のハニカム構造体成形用口金。
[3] 前記外周スリットのスリット幅拡大部におけるスリット幅が、前記内周領域と前記外周領域との前記境界線から開始して、前記口金基体の外周側へ向けて前記格子状区画領域の1ピッチごとに一定量ずつ増加した、前記[2]に記載のハニカム構造体成形用口金。
[4] 前記スリット幅拡大部は前記坏土供給面側の端部でスリット幅が前記内周スリットの所定幅と等しくなるようにスリット幅が狭められたスリット幅拡大部端部を有し、前記スリット幅拡大部端部の前記坏土成形面からの深さが、前記内周領域と前記外周領域との前記境界線から開始して前記口金基体の外周側へ向けて漸次増加することにより、前記坏土の押出成形時に、前記導入孔から前記スリットへ前記坏土の単位時間当たり流量を定常状態として通過させ、前記内周領域での成形速度と前記外周領域での成形速度との差が5mm/s以内である前記[1]〜[3]のいずれかに記載のハニカム構造体成形用口金。
[5] 前記スリット幅拡大部端部は、前記内周領域と前記外周領域との前記境界線から開始して、前記口金基体の外周側へ向けて前記口金基体の厚み方向に深くさせて、各端部を直線で繋ぐとき、形成される斜面に沿って位置するように設けられた前記[4]に記載のハニカム構造体成形用口金。
[6] 前記外周領域の少なくとも一部が、前記内周領域と前記外周領域との前記境界線から開始して、前記口金基体の外周側へ向けて前記坏土成形面が前記口金基体の厚み方向に厚くなって、次第に厚さが増した領域が形成された前記[1]〜[5]のいずれかに記載のハニカム構造体成形用口金。
[7] 前記スリット幅拡大部をも含むスリット各部の表面粗さ(Ra)の変動が1μm以内である前記[1]〜[6]のいずれかに記載のハニカム構造体成形用口金。
[8] 前記スリットの交差部における外周スリット幅拡大部の深さ精度のばらつきが100μm以内である前記[1]〜[7]のいずれかに記載のハニカム構造体成形用口金。
[9] 前記[4]〜[8]のいずれかに記載のハニカム構造体成形用口金の製造方法であって、前記口金基体の坏土供給面とされる一方の端面に複数の前記導入孔を形成する導入孔形成工程と、前記内周スリットを構成する各辺に対応した寸法の複数の薄板状の第1突起電極が設けられた第1櫛歯電極を、前記口金基体の前記坏土成形面とされる他方の端面に押し付けて行う放電加工により、前記内周スリットを含む前記所定幅のスリットを形成する第1放電加工工程と、前記第1放電加工工程の後、前記第1放電加工工程において前記内周スリットを含む前記所定幅のスリットが形成された坏土成形面とされる他方の端面に、前記スリット幅拡大部を構成する平行な各辺にそれぞれ対応し、更に先端構造が、前記スリット幅拡大部端部の傾斜と対応した薄板状の第2突起電極が設けられた第2櫛歯電極を前記外周スリットが形成される予定の前記所定幅のスリットに押し付けて行う放電加工により、前記スリット幅拡大部がを有するスリットが、前記坏土成形面の反対側の各端部を直線で繋ぐとき、斜面を形成するような所定の形状で形成されする第2放電加工工程と、を含むハニカム構造体成形用口金の製造方法。
本発明のハニカム構造体成形用口金、およびその製造方法によれば、五角形以上の多角形格子状のセルや大小異なるサイズのセルを有したハニカム構造体においても、より高い寸法精度とアイソスタティック強度を付与することができ、またそのような優れたハニカム構造体成形用口金を製造することができる。
本発明のハニカム構造体成形用口金を模式的に示す概略平面図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の一の実施形態を模式的に示す図1A中のA−A‘断面図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の一の実施形態を模式的に示す一部拡大断面図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の一の実施形態を模式的に示す一部拡大断面図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の一の実施形態を模式的に示す一部拡大断面図である。 本発明の一の実施形態におけるハニカム構造体成形用口金の図1A中の領域Bを模式的に示す一部拡大平面図である。 本発明の他の実施形態におけるハニカム構造体成形用口金の図1A中の領域Bを模式的に示す一部拡大平面図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の使用方法を説明するための説明図である。 本発明の一の実施形態のハニカム構造体成形用口金を用いて得られたハニカム構造体を示す模式的斜視図である。 本発明の一の実施形態のハニカム構造体成形用口金を用いて得られたハニカム構造体を示す模式的平面図である。 本発明の一の実施形態のハニカム構造体成形用口金を用いて得られたハニカム構造体を示す模式的一部拡大平面図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の製造方法で用いる第1櫛歯電極の一の実施形態を模式的に示す斜視図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の製造方法で用いる第1櫛歯電極の他の実施形態を模式的に示す斜視図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の製造方法における第1放電加工工程を説明するための説明図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の製造方法における第2放電加工工程を説明するための説明図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の製造方法で用いる第2櫛歯電極を模式的に示す一部拡大断面図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の製造方法における第2放電加工工程を模式的に示す一部拡大断面図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の製造方法における第2櫛歯電極製造工程の一の実施形態を説明するための説明図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の製造方法における第2櫛歯電極製造工程の一の実施形態で得られた櫛歯電極の一部拡大断面図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の製造方法における第2櫛歯電極製造工程の一の実施形態で用いられる、すり鉢状凹面を有した板状部材を示す拡大断面図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の製造方法における第2櫛歯電極製造工程の他の実施形態を説明するための説明図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の製造方法における第2櫛歯電極製造工程の他の実施形態で得られた櫛歯電極の一部拡大断面図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の一の実施形態における格子状区画領域と、スリット延長上とが重なる状態を説明するための説明図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の別の実施形態における格子状区画領域と、スリット延長上とが重なる状態を説明するための説明図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の更に別の実施形態における格子状区画領域と、スリット延長上とが重なる状態を説明するための説明図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金のまた更に別の実施形態における格子状区画領域と、スリット延長上とが重なる状態を説明するための説明図である。
以下、図面を参照して、本発明のハニカム構造体成形用口金の製造方法の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
本発明のハニカム構造体成形用口金においては、各実施形態や図面で示された構成に限定するものではなく、特に導入孔4及びスリット5の具体的な位置や形状は所望の格子状スリットの形状によって適宜変更され得るものであることは、言うまでもない。本発明の概要を説明するために、各図で示される具体的な実施形態を一例として発明の概略を説明する。
(ハニカム構造体成形用口金)
図1Aは、本発明のハニカム構造体成形用口金を模式的に示す概略平面図である。図1Bは、本発明のハニカム構造体成形用口金の一の実施形態を模式的に示す図1A中のA−A‘断面図である。図1Cは、本発明のハニカム構造体成形用口金の一の実施形態を模式的に示す一部拡大断面図であり、図1B中の右側半分をさらに拡大したものである。図1Dは、図1Cと同様に、本発明のハニカム構造体成形用口金の一の実施形態を模式的に示す一部拡大断面図であり、各部の傾斜面の角度(スリット幅拡大部の傾斜した端部を直線で繋いで引いた直線(以下この直線を線56と称することがある)と口金基体の坏土供給面における最外周領域の平坦部に沿って引いた延長線との間で形成される角度αや、内周領域の表面に沿って引いた延長線とスリット幅拡大部の傾斜した端部を直線で繋いで引いたとき形成される斜線との間で形成される角度β:詳細については後述する。)に着目したものである。
図1Eは、本発明のハニカム構造体成形用口金の一の実施形態を模式的に示す一部拡大断面図であり、図1C中の外周領域24を更に詳細に示すものである。図1Fは、本発明の一の実施形態におけるハニカム構造体成形用口金の図1A中の領域Bを模式的に示す一部拡大平面図であり、内周領域22や外周領域24の内周スリット、外周スリット等のスリット幅を示すものである。図1Gは、本発明の他の実施形態におけるハニカム構造体成形用口金の図1A中の領域Bを模式的に示す一部拡大平面図である。
本発明のハニカム構造体成形用口金は、板状の口金基体の一方の端面に、セラミック成形原料からなる坏土を導入するための複数の導入孔4が設けられた坏土供給面8と、口金基体の他方の端面に、導入孔4と内部で連通され、坏土のハニカム成形体が押出成形される格子状のスリット5が設けられた坏土成形面7と、を含むものである。また更に、本発明のハニカム構造体成形用口金は、口金基体の厚み方向201から見た平面、即ち、図1Aや図1Aの領域Bを一部拡大した図1F,図1G等の平面図において、坏土成形面7におけるスリット5で区画される複数の格子状区画領域3のうち、少なくとも一部は、スリット5の縁部に沿った方向の延長上と重なるように設けられたものである。また更に、本発明のハニカム構造体成形用口金において、スリット5は、図1Cに示すように、坏土成形面7の内周領域22に形成された、スリット幅が所定幅とされた内周スリット50と、坏土成形面7の内周領域22の周囲を取り囲む外周領域24に形成され、内周スリット22よりスリット幅の広いスリット幅拡大部52が設けられた外周スリット53と、を有したものである。
図2は、本発明のハニカム構造体成形用口金を使用して、ハニカム成形体を押出成形する方法を説明するための説明図である。この図に示すように、口金1は、間座10、および裏間座12を介して、押さえ板および裏押さえ板13で固定されている。これら間座、押さえ板、裏間座、裏押さえ板を適宜調整して坏土の流量を調整したり、ハニカム成形体の外周部の寸法を調整することができる。
口金の坏土供給面8の導入孔4から流入した坏土は、口金内部で連通したスリット5へ整流され、坏土成形面7からハニカム成形体61として押出成形される。図1Fに例として示すような、内周領域22の内周スリット50のスリット幅Tinは所定幅とされる。また、外周領域24の外周スリット51のスリット幅Toutは内周スリットの所定幅よりスリット幅が広くなるように設けられている。原則として、用語「所定幅」とは、通常の口金において、内周領域において通常採用されるスリット幅を意味し、そして、その絶対値は、押出成形するハニカム構造体によって定まるが、通常は、0.030mmから1.000mmの範囲内である。
図3Aは、六角形格子状のスリットを有した本発明の一の実施形態のハニカム構造体成形用口金1を用いて得られたハニカム成形体を乾燥、および焼成して得られたハニカム構造体100を示す模式的斜視図である。また、図3Bは、図3Aのハニカム構造体を示す模式的平面図である。図3Cは、本発明の一の実施形態のハニカム構造体成形用口金を用いて得られたハニカム構造体を示す模式的一部拡大平面図である。
上述したように、内周領域22の内周スリット50のスリット幅Tinは所定幅とされ、外周領域24の外周スリット51のスリット幅Toutは内周スリットの所定幅よりスリット幅を広くしたことにより、外周側セル2aの外周隔壁41aは、内周セル2bの内周隔壁41bより幅を広くすることができ、外周部の強度が増して、高いアイソスタティック強度を有したハニカム構造体を得ることができる。ここで、「より広いとは」は、しばしば、前記所定幅に比較して、1.1〜3.0倍、好ましくは、1.2〜2.3倍の範囲で、広いことを意味する。
なお、このような、本発明の一の実施形態のハニカム構造体成形用口金1を用いて押出成形されたハニカム成形体を焼成して得られる図3A,3B,3Cに示すようなハニカム構造体100は、内燃機関、ボイラー、化学反応機器及び燃料電池用改質器等の触媒作用を利用する触媒用担体や、排気ガス中の微粒子捕集フィルター等に好適に用いることができる。
外周領域のスリット幅拡大部のスリット幅については、スリット幅拡大部とそれ以外の部分でのスリット幅に不連続部が生じると、成形不良を招きやすい。回避のためにはスリット幅が連続または段階的に変化するようにすれば良い。
本発明のハニカム構造体成形用口金において、外周スリット51のスリット幅は一定でもよいが、内周領域22と外周領域24との境界29から開始して口金基体20の外周側(口金基体外周部19側)へ向けて漸次増加するように形成することが、好ましい。また、スリット5で区画される格子状区画領域3の1ピッチごとに一定量ずつ増加するように形成することもまた好ましい。例えば、図1Gに示されるように、スリット5のスリット幅がt3からt8へ内周領域22と外周領域24との境界29から開始して口金基体20の外周側(口金基体外周部19側)へ向けて漸次増加していることが好ましい。このようにスリット幅を漸次増加させたり、その増加量を一定とすることにより、従来、スリット幅の不連続部分で生じやすかった成形不良を抑制することができる。
本発明のハニカム構造体成形用口金において、図1Eに示すように、スリット幅拡大部52は、坏土成形面7から坏土供給面8側(図中下側)の端部であるスリット幅拡大部端部55までスリット幅が拡大されている。そして、このスリット幅拡大部端部52の坏土成形面7からの深さが、内周領域22と外周領域24との境界線29から開始して、口金基体20の外周側(口金基体外周部19側)へ向けて漸次増加していることが好ましい。
即ち図1E中においては、外周スリット51が右側に行くに従ってスリット幅拡大部52の下端であるスリット幅拡大底部が下方向に深くなっていることが好ましい。このような構成とすることにより、坏土の押出成形時に、導入孔4からスリット5へ坏土の単位時間当たり流量を定常状態として通過させ、坏土供給面8上の導入孔4を入口とした坏土の圧力Pinから坏土成形面上のスリットを出口とした坏土の圧力Poutとの差ΔPを坏土圧力損失と定義した場合に、内周領域22での坏土圧力損失と外周領域24での坏土圧力損失との差を一定の範囲とすることが好ましい。圧力損失の差に起因する、坏土形成面での成形速度の差により成形不具合が生じるからである。ただし、この坏土圧力損失の内周領域と、外周領域との差を測定することは困難である。従って、坏土圧力損失との差を一定の範囲とした場合に結果として成形体の成形速度が一定となることを想定し、この成形速度を一定とすることが好ましい。内周領域と外周領域の成形速度差が5mm/s以内とすることが好ましく、さらに好ましくは2mm/s以内とする。
本発明のハニカム構造体成形用口金において、外周領域の少なくとも一部が、内周領域と外周領域との境界から開始して、口金基体20の外周側へ向けて坏土成形面が口金基体20の厚み方向201に次第に厚くなって形成された領域の表面部により規定される外周領域傾斜面71とすることが好ましい。図1Eを例とすると、外周領域24の少なくとも一部が、内周領域と外周領域24との境界線29から開始して、口金基体20の外周側(口金基体外周部19側、図中右側)へ向けて坏土成形面7が口金基体20の厚み方向201(図中上方向)に厚くなるような外周領域傾斜面71とすることが好ましい。このような構成とすることにより、内周領域22と、外周領域24とで、押出成形時の成形体の押出速度を平坦にすることができるため、ハニカム構造体が内側に巻き込まれるたような形状を呈する巻込みパターン不良を防止するとともに、成形パターンの調整も容易であるため、ハニカム構造体の生産効率を上げることが可能となる。口金基体20の厚み方向201の断面において、外周領域傾斜面71は圧力損失の変化に応じた曲線とするのが好ましいが、圧力損失の変化が小さい場合には、直線としても良い。
外周領域傾斜面71を口金基体20の厚み方向201の断面において直線とする場合、外周領域傾斜面の角度βは、所望のスリット形状や、押出成形する予定のハニカム成形体の外径サイズ、内周領域と外周領域成との口金基体20外径方向の長さの割合や、成形原料によって適宜変更可能なものであるが、概ね0.5〜8°の範囲とすることが好ましい。さらに好ましくは1〜5°の範囲とするのが良い。
本発明のハニカム構造体成形用口金において、スリット幅拡大部の端部55は、内周領域と外周領域との境界線29から開始して、口金基体20の外周側へ向けて前記口金基体20の厚み方向201に深くさせて、各端部を直線で繋ぐとき、形成される斜面に沿って位置することが好ましい。図1Eを例とすると、スリット幅拡大部の端部55は、内周領域と外周領域24との境界線29から開始して、口金基体20の外周側(図中右側)へ向けて前記口金基体20の厚み方向201に次第に深く(図中下方向に深くなる)させて、その各端部を直線で繋ぐとき、形成される斜面に沿って並ぶように位置させることがこのましい。
このような構成とすることにより、坏土供給面8上の導入孔4を入口とした坏土の圧力Pinから坏土成形面上のスリットを出口とした坏土の圧力Poutとの差ΔPを坏土圧力損失と定義した場合に、この坏土圧力損失の変動がこの直線56で規定される傾斜面に応じて連続的に変化して、ハニカム成形体の成形時の成形不良を抑制することができる。
図1E中、坏土供給面8上の導入孔4を入口とした坏土の圧力Pin1〜Pin6と坏土成形面7上のスリット5を出口とした坏土の圧力Pout1〜Pout6を示す。また、図1G中で示されるスリット5で区画される格子状区画領域3の1ピッチごとにスリット幅拡大部52の体積が増加している。図1Gに示す他の実施形態のように、外周スリット幅51のスリット幅がt3からt8にかけて漸次、または一定量ずつ増加させた場合には、坏土圧力損失の変化をなだらかなものとすることができる。
具体的には、図1Dに示すように、スリット幅拡大部の傾斜した端部を直線で繋いで引いた直線と口金基体の坏土供給面における最外周領域の平坦部に沿って引いた延長線との間で形成される角度αを、減少させることにより、スリット幅を徐々に増加させたことによる坏土圧力損失の低下分を補うことができる。この角度αは、所望のスリット形状や、押出成形する予定のハニカム成形体の外径サイズ、内周領域と外周領域成との口金基体20外径方向の長さの割合や、成形原料によって適宜変更可能なものであるが、概ね20〜60°の範囲とすることが好ましい。さらに好ましくは30〜50°の範囲とするのが良い。
このように、所望のスリット幅に応じて、スリット幅拡大部52の深さ、即ちスリット幅拡大部端部55の坏土成形面7からの深さを増減させて坏土圧力損失の変動を一定の範囲とすることができる。あるいは、各スリット幅拡大部端部55を線上に配列させたとき、その端部により規定される角度αを適宜調整することにより、坏土圧力損失の変動を一定の範囲とすることができる。
近傍で隣接するスリットや、連続するスリットの間で坏土圧力損失ができるだけ連続していることがハニカム成形体の成形性を向上するため、好ましい。特に近年の環境基準の厳格化に伴ってハニカム構造体の薄壁化、セル密度の向上が要望されており、上述した近傍で隣接するスリットや、連続するスリットの間での坏土圧力損失の変動が、ハニカム成形体の成形性に及ぼす影響が著しく高まっている。そこで、図1Eに示すように、スリット幅拡大部端部55が、内周領域と外周領域24との境界線29から開始して、口金基体20の外周側(図中右側)へ向けて前記口金基体20の厚み方向201に深く(図中下方向に深くなる)させて、斜直線56上に配置させて、更にその端面を傾斜面とすることでスリット位置に応じた坏土圧力損失の連続性を向上させ、ハニカム成形体の成形性向上に寄与している。傾斜面56は口金基体の厚み方向の断面において曲線でもよいが、直線であることが好ましい。上記のように配列した端部を設ける理由としては、傾斜面の傾斜角度を均等にし、連続性をもたせられることや、加工が容易であることが挙げられる。
図1E中のPin1〜Pin6は、ほぼ一定であるため、これらを入口として、Pout1〜Pout6を出口とした各位置における坏土圧力損失ΔPは、概ね拡大幅スリットの深さならびに外周領域傾斜面(図中71)の傾斜角度によって調整することが可能である。実際にはスリットの格子形状に応じて図中で示されていない部分で連結していたり、格子形状に伴ってスリットの配向性が変化し得るため、所望のスリット形状およびスリット間隔に応じて、適宜調整することが好ましい。
本発明のハニカム構造体成形用口金において、スリット各部の表面粗さ(Ra)の変動が0.50μm以内であることが好ましい。このように、スリット各部の表面粗さ(Ra)を均一とするためにスリットの各部の形成を放電加工で全て行うことにより実現することができる。スリット各部の表面粗さ(Ra)が不均一であると、坏土の成形不良を生じる原因となる。
なお、本発明にいう「表面粗さ」とは、JIS B0601−1994に準拠して測定した表面粗さを意味する。具体的には、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この基準長さの表面粗さ曲線を平均線を基準として折り返し、その表面粗さ曲線と平均線とによって囲まれた面積を基準長さで割った値をマイクロメートル(μm)で表したものを表面粗さ(Ra)と規定した。本発明においては、基準長さL=0.25mmとした場合のものである。測定対象の口金スリット深さに応じ、0.080〜0.80mmの範囲で測定することが好ましい。
本発明のハニカム構造体成形用口金において、スリットの交差部における拡大スリット部深さ精度のばらつきを100μm以内とすることが好ましい。本発明のハニカム構造体成形用口金のような五角形以上の多角形格子状や大小異なる大きさのセルを有したハニカム構造体成形用口金の場合に、このような寸法精度の範囲とすることは、円盤砥石による研削加工によって実現することは困難である。
更には、スリット幅拡大部端部55は、内周領域と外周領域24との境界線29から開始して、口金基体20の外周側(図中右側)へ向けて前記口金基体20の厚み方向201に深くなるように、線56に沿って配列され、その結果傾斜面、(図中下方向の傾斜)が形成され、かくして、スリット幅拡大部端部は、線56に対応した形状となっている。このような複雑な形状に加工することは上述の研削加工では、実用的には不可能であった。本発明のハニカム構造体成形用口金においては、このような複雑な加工を、寸法精度の高い特殊な形状の複数の第2櫛歯電極を組み合わせて使用し、放電加工することにより実現しているが、その詳細については、後述する。
上述した外周領域24のスリット幅拡大部52の坏土成形面7からの深さについては、言い換えれば、内周領域22との坏土の圧力損失差の影響を緩和するため、外周部19側から外周領域24と内側領域22との境界線29へ向け徐々に浅くなる構造としている。そのためスリット幅拡大部の第2放電加工を行う際には、境界部から最外周領域26に向け除去量が増加することから、所定分布の加工深さを精度良く得ることが困難であった。この問題を回避するためにはスリット幅が連続または段階的に変化するようにすれば良い。しかしな・BR>ェら、上記「深さ」に関する考え方と同じく、除去量が異なることから電極消耗量が境界部から最外周部に向け異なり、スリット幅の所定精度を得ることが困難であった。
電極消耗を考慮し、境界部から最外周部にかけて電極リブ幅を所定スリット幅分布よりも大きくすることが好ましい。加工液を境界部から最外周部にかけて流し、二次放電を利用し所定スリット幅分布とすることもまた、好ましい。二次放電を利用する場合には、内周領域と外周領域との境界線から最外周領域にかけて突起電極の幅を所定スリット幅分布よりも小さくしてもよい。
また外周スリットが幅広くなることから、坏土圧力損失を増加させる必要がある。このため、内周部と外周部で均一な坏土圧力損失となるように、外周領域において、坏土成形面7を傾斜させることが好ましい。また外周部と内周部のスリット内部の面粗度を均一にすると共に、格子状に交差するスリットにおいて外周部のスリット幅拡大部端部の深さが同じになるように調整して外周部の加工を行う。
第1櫛歯電極及び第2櫛歯電極の寸法(幅)は口金の狙いスリット幅と放電ギャップにより決定され、その加工は切削加工によっても良いし、研削加工を行った後切削加工により寸法を調整しても良い。スリット加工用電極は上記櫛歯形状によらず、所望のセル形状を転写できる一体形状のものでも良く、またその場合でも容易に段階的・連続的にスリット幅を変化させ得る。
第2櫛歯電極の電極消耗を考慮し、境界線から外周部外周部19側にかけて突起電極の高さを所定深さ分布よりも大きくする。放電加工に用いられる加工液を境界線から最外周部にかけて流し、二次放電を利用し所定深さ分布とする。二次放電を利用する場合には、境界線から最外周領域にかけて第2突起電極高さを所定深さ分布よりも小さくしてもよい。
また、本発明の実施形態のハニカム構造体成形用口金において成形対象とするハニカム構造体としては、全体の形状が上述した円柱状のハニカム構造体の他、楕円柱状のものや、四角柱状、その他の多角柱状のもの、丸みを帯びた三角柱状のもの、丸みを帯びたその他の多角柱状のハニカム構造体も含むものとする。その際、本実施形態の口金における内周領域および外周領域やその比率は、これら全体の形状に応じて適宜変更可能なものとする。
また、本発明の実施形態のハニカム構造体成形用口金において成形対象とするハニカム構造体としては、上述した六角形格子状のセルを有したハニカム構造体の他、一方の端面と他方の端面とでセル開口部の大きさが異なる目封止ハニカム構造体を挙げることができる。一方の端面と他方の端面とでセル開口部の大きさが異なる目封止ハニカム構造体は、一方の端面(例えば、流入端面)と他方の端面(例えば、流出端面)とでセル開口部の大きさが異なる目封止ハニカム構造体の一種である。
目封止ハニカム構造体は、一般に、多孔質の隔壁によって区画された流体の流路となる複数のセルを有し、特に、微粒子捕集フィルタとして用いられる場合には、端面が市松模様状を呈するように、隣接するセルが互いに反対側の端部において目封止された構造を有する。このような構造を有するハニカム構造体において、被処理流体は流入孔側端面が封止されていないセル、即ち流出孔側端面が封止されているセルに流入し、多孔質の隔壁を通って隣のセル、即ち、流入孔側端面が封止され、流出孔側端面が封止されていないセルから排出される。この際、隔壁がフィルタとなり、例えば、DPFとして使用した場合には、ディーゼルエンジンから排出されるスート(スス)等の粒子状物質(パティキュレート・マター:以下「PM」ということがある)が隔壁に捕捉され隔壁上に堆積する。
本発明の実施形態のハニカム構造体成形用口金をこのような一方の端面と他方の端面とでセル開口部の大きさが異なる目封止ハニカム構造体に適用する場合には、スリットの格子形状、言い換えれば、スリットで区画される格子状区画領域に特徴を持たせることにより実現できる。具体的には、ハニカム構造体成形用口金の坏土成形面において、図10Bに示すような大小大きさの異なる格子状区画領域3を設け、ハニカム成形体の押出成形後に、乾燥、焼成工程等を経て、面積の小さい格子状区画領域により形成されたセルを被処理流体の流入孔側において目封止し、隣接するセルが互いに反対側の端部において目封止された構造とする。
一方の端面と他方の端面とでセル開口部の大きさが異なる目封止ハニカム構造体を対象とした場合の実施形態のハニカム構造体成形用口金の格子状のスリット、およびスリットで区画される格子状区画領域の例としては、図10Bに示す大小異なる四角形格子状、図10Cに示す四角形と八角形の組み合わせ,図10Dに示す四角形と六角形の組み合わせた形状等を挙げることができる。更に内周領域や外周領域とでスリット幅を変化させる条件、上述したスリット幅拡大部を設けること等のその他種々の条件は、上述した本発明のハニカム構造体成形用口金の各実施形態に順ずるものとする。
本発明の実施形態のハニカム構造体成形用口金が対象とする一方の端面と他方の端面とでセル開口部の大きさが異なる目封止ハニカム構造体は、図3A〜図3Cで示したようなハニカム構造体100とは、セル形状や目封止部を備えたこと以外は同様の構造であり、流入側セル開口部の大きさ(面積)が、流出側セル開口部の大きさ(面積)より大きければ、その他の構造は特に限定されない。これら一方の端面と他方の端面とでセル開口部の大きさが異なる目封止ハニカム構造体の中心軸方向に垂直な断面形状(ハニカム構造体の全体形状)は、大小大きさの異なる四角形の他、五角形、六角形等の多角形とすることができる。また、複数種類の上記断面形状のものを用いてもよい。このような一方の端面と他方の端面とでセル開口部の大きさが異なる目封止ハニカム構造体は、セラミックで形成されていることが好ましく、SiC、Si−SiC等の、炭化珪素を骨材としたセラミックで形成されていることが更に好ましい。
なお、各セルの中心軸に垂直な断面(セル断面)形状は、ハニカム構造体の両端面間に亘って一定とすることが好ましい。また、このような一方の端面と他方の端面とでセル開口部の大きさが異なる目封止ハニカム構造体は、全体形状を四角柱状とした場合に、これら複数の四角柱状を組み合わせて、それぞれの側面同士で接合するものであっても良い。このとき、接合された一つ一つの柱状のハニカム構造体を本明細書中ではハニカムセグメントと言うこととする。そして、これらハニカムセグメントを組み合わせて接合し、一体化したものをセグメント接合型ハニカム構造体と言うこととする。
上記ハニカムセグメントにおいては、組み合わせて接合し、一体化してセグメント接合型ハニカム構造体として使用するものである。セグメント接合型ハニカム構造体の内周部と、外周部とが、図3A〜図3Cで示したようなハニカム構造体と同様にして、外周部の隔壁を内周部の隔壁よりも増加させることにより、アイソスタティック強度を向上させることができる。
このように、外周部の隔壁の幅を内周部の隔壁よりも増加させたセグメント接合型ハニカム構造体を、本明細書においては、セグメント接合型外周強化ハニカム構造体と言うこととする。本発明のハニカム構造体成形用口金においては、このようなセグメント接合型外周強化ハニカム構造体に用いられるハニカムセグメントの製造にも適用可能なものとする。そして、上記セグメント接合型外周強化ハニカム構造体を構成するハニカムセグメントを、本明細書中では、外周強化ハニカムセグメントと言うこととする。
この外周強化ハニカムセグメントは、隔壁の幅の拡大部が必ずしもその外周強化ハニカムセグメントの中央を取り囲む形状とはならない。なぜなら、組み合わせて一体化した際の位置に応じてセグメント接合型外周強化ハニカム構造体の内側とされる場合と、外側とされる場合とがあるからである。外周強化ハニカムセグメントが、セグメント接合型外周強化ハニカム構造体の中央部を構成する場合には、隔壁の幅の拡大部がその外周強化ハニカムセグメントの中央を取り囲むものとなる。
従って、本発明の実施形態において、このような外周強化ハニカムセグメントを成形する場合には、口金の外周領域を、セグメント接合型外周強化ハニカム構造体の外周部に対応させたセグメント外周領域と置き換えることが好ましい。また、口金の内周領域を、セグメント接合型外周強化ハニカム構造体の内周部に対応させたセグメント内周領域と置き換えることがこのましい。このように口金の内周領域と外周領域とを、それぞれセグメント内周領域とセグメント外周領域とに置き換えた構成とした場合には、外周領域傾斜面、スリット幅拡大部端部で規定される傾斜角度もこれに準じ、セグメント型外周強化ハニカム構造体の内周部と、外周とにその構成と効果を対応させ得るものとする(図示しない)。また、第2櫛歯電極とその使用方法についても同様とする。
(ハニカム構造体成形用口金の製造方法)
また、本発明のハニカム構造体成形用口金の製造方法は、口金基体20の坏土供給面8とされる一方の端面に複数の導入孔4を形成する導入孔形成工程と、内周スリット50を構成する各辺に対応した寸法の複数の薄板状の第1突起電極が設けられた第1櫛歯電極を、口金基体20の坏土成形面とされる他方の端面に押し付けて行う放電加工により、内周スリットを含む所定幅のスリットを形成する第1放電加工工程と、第1放電加工工程の後、第1放電加工工程において内周スリットを含む所定幅のスリットが形成された坏土成形面とされる他方の端面に、スリット幅拡大部を構成する平行な各辺にそれぞれ対応し、更に先端構造が、スリット幅拡大部端部の傾斜と対応させた複数の薄板状の第2突起電極が設けられた第2櫛歯電極を押し付けて行う放電加工により、スリット幅拡大部を形成する第2放電加工工程と、を含むものである。
(口金基体を構成する材質)
本実施形態で用いられる口金基体を構成する材料としては、ハニカム構造体成形用口金の材料として一般的に用いられている金属又は合金を挙げることができる。例えば、鉄(Fe)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、及びアルミニウム(Al)からなる群より選ばれる少なくとも一つの金属を含む金属又は合金を挙げることができる。なお、このような口金基体20を構成する金属又は合金は、炭素(C)、ケイ素(Si)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)等の添加剤を含んだものであることが更に好ましい。
また、口金基体20を構成する合金の他の例として、ステンレス合金、より具体的には、SUS630(C;0.07以下,Si;1.00以下,Mn;1.00以下,P;0.040以下,S;0.030以下,Ni;3.00〜5.00,Cr;15.50〜17.50,Cu;3.00〜5.00,Nb+Ta;0.15〜0.45,Fe;残部(単位は質量%))を好適例として挙げることができる。このようなステンレス合金は、加工が比較的に容易であるとともに、安価な材料である。
また、口金基体20を構成する合金の他の例として、耐摩耗性に優れた炭化タングステン基超硬合金から構成されたものを用いることが好ましい。これにより、スリット5の磨耗が有効に防止されたハニカム構造体成形用口金1を製造することができる。
上記した炭化タングステン基超硬合金は、少なくとも炭化タングステンを含む合金であり、炭化タングステンを、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、及びクロム(Cr)からなる群より選択される少なくとも一つの金属で焼結した合金であることが好ましい。上記群より選択される少なくとも一つの金属を結合材として使用した炭化タングステン基超硬合金は、耐摩耗性や機械的強度に特に優れている。具体的なものとしては、例えば、コバルト(Co)を結合材として使用した炭化タングステン基超硬合金、WC−Co0.1〜50質量%等を挙げることができる。
(導入孔形成工程)まず、口金基体20の坏土供給面8とされる一方の端面に厚さ方向に導入孔4を形成する。また、口金基体20に導入孔4を形成する際には、図5Aに示すように、ハニカム構造体成形用口金1の六角形ハニカム形状のスリット5における交差部の部分と連通するような位置に形成することが好ましい。このような位置に導入孔4を形成することにより、ハニカム構造体成形用口金1を用いて押出成形を行う際に、導入孔4に導入した成形原料をスリット5全体に均一に広げることができ、高い成形性を実現することができる。また、導入孔4は、図5Aに示すように、口金基体20の他方の端面(図5Aの裏側)に、押出成形するハニカム構造体100(図3A参照)の六角形ハニカム形状を構成する六角形6の頂点のうちの少なくとも一つの頂点に相当する位置に導入孔4を形成する。
導入孔4の開口径の大きさは、製造するハニカム構造体成形用口金1の大きさや、押出成形するハニカム構造体100(図3A参照)の形状等によって適宜決定することができるが、例えば、導入孔4の開口径の大きさは六角形の格子状区画領域の対辺長の0.7〜1.8倍が好ましく、1.0〜1.5倍であることがさらに好ましい。このような導入孔4を形成する方法については特に制限はないが、例えば、電解加工(ECM加工)、放電加工(EDM加工)、レーザ加工、ドリル等の機械加工等による従来公知の方法を好適に用いることができる。
本発明のハニカム構造体成形用口金の製造方法において、第1放電加工工程においては、第1櫛歯電極を、第2放電加工工程においては、第2櫛歯電極を用いる。各第1放電加工工程、第2放電加工工程について述べる前に、あらかじめ用意しておく第1櫛歯電極、第2櫛歯電極について、以下に説明する。
(第1櫛歯電極)
上述した第1櫛歯電極の、六角形格子状のスリットのハニカム構造体成形用口金を例として2種類、それぞれ、図4A,図4Bに示す。このような、カーボングラファイト製の第1櫛歯電極を用いて、六角格子状セル口金のスリットを一辺ずつ下降させて放電加工を行ってスリット幅が所定幅とされた内周スリット50、および、外周スリットが設けられる予定の位置にスリット幅が所定幅とされたスリット5を形成する。
第1放電加工工程においては、図5Aに示すようなスリット5の溝幅に対応する複数の板状の突起電極93が配設された櫛歯電極90、または櫛歯電極91を用いるものである。
また、上述の第1放電加工工程で用いられる第1櫛歯電極としては、最終的に得られる所望のハニカム構造体成形用口金1のスリット5の幅に対応する寸法と配置の図4A、図4Bで示すような複数の板状の突起電極93がそれぞれ平行で、突起電極支持部92に垂直に配設された櫛歯電極90,91を好適に用いることができる。
櫛歯電極に設けられた複数の突起電極93は、厚みtwが内周スリット50の幅に対応させて0.020〜0.800mmとすることが好ましい。また突起電極93の高さHは内周スリット50の深さよりも長く1.00〜8.00mmとすることが好ましい。そして突起電極93の幅Lは0.40〜2.00mmとすることが好ましい。
図4Aに示す第1櫛歯電極90においては、突起電極93が基準六角形95の対向する3組の辺のうち、1組の辺に平行な全ての辺に対応させて設けられている。この突起電極93の板状の面に垂直な方向の距離は図4Aに示すように基準六角形95の対向する2辺の距離の2分の1のCであることが好ましい。例えば、0.30〜1.80mmであることが好ましい。
図4Bに示す第1櫛歯電極91においては、突起電極93が基準六角形96の対向する3組の辺のうち、1組の辺に平行な辺のうち、一方向に隣接する六角形の辺のみに対応させて設けられている。この突起電極93の板状の面に垂直な方向のピッチは所望のハニカム構造体のセルのピッチと対応させることが好ましい。この突起電極93の板状の面に垂直な方向の距離は、具体的には、図4Bに示すように基準六角形96の対向する2辺の距離Dと等しいことが好ましい。例えば、0.60〜3.60mmであることが好ましい。なお、突起電極93の板状の面に垂直な方向のピッチとは、対向する突起電極93の板状の面の中心線どうしの距離とする。口金のスリットのピッチと突起電極の板状の面に垂直な方向のピッチは同じになるが、成形・焼成して得られるハニカム構造体の隔壁のピッチは、上記口金ピッチに原料の収縮率を掛けたものとなる。
(第1櫛歯電極を構成する材質)
本実施形態で用いられる櫛歯電極90、91を構成する材料としては特に限定するものではないが、微粒子高強度高密度カーボングラファイト材を挙げることができる。より具体的には、平均粒子径5μm以下のものを好適例として挙げることができる。このようなカーボングラファイトを材質としたカーボン電極は、櫛歯電極90,91の突起電極93等の微細形状のものを高い精度で形成することが可能であるという利点や、高硬度で耐摩耗性に優れている、加工速度が速いという利点がある。しかし、高硬度であるが故に、破損しやすいため、本実施形態に示されるような粗スリット加工等を行って、加工領域をあらかじめ省いておくことや、放電加工に伴って発生するスラッジを加工液などによって効率良く排除する等の工夫が必要である。
(櫛歯電極作製工程)
櫛歯電極作製工程は、第1櫛歯電極を作製する第1櫛歯電極作製工程と、第2櫛歯電極を作製する第2櫛歯電極作製工程と、からなる。
(第1櫛歯電極作製工程)
第1櫛歯電極作製工程は、内周スリットを構成する各辺に対応した寸法の複数の薄板状の第1突起電極が設けられた第1櫛歯電極を作製するものであり、特許文献2、特許文献3で示された、従来用いられていた六角形格子状スリットを形成する際に使用した放電加工で使用されている櫛歯電極を使用することができる。
以下、本実施形態の各工程をより具体的に説明する。
(第1放電加工工程)
第1放電加工工程においては、図4A,図4Bに示すような櫛歯電極90や、櫛歯電極91を用いての坏土成形面とされる口金基体の他方の端面に放電加工を行って、内周領域には所定幅の内周スリット、外周領域には外周スリットが予定される位置に内周スリットと同じスリット幅の、所定幅のスリットを形成する。最外周領域についても、同様に所定幅のスリットを形成する。このように、坏土成形面の全面において、スリット幅が所定幅に等しいスリットを形成することが好ましい。外周領域においては、第1放電加工の後で、第2櫛歯電極を用いてスリット幅拡大部を放電加工するが、その際の粗加工の役割を果たすものである。また、スリット幅拡大部は、スリット幅拡大部端部を坏土成形面からの所定の深さとしているため導入孔と接していない場合がる。このような外周スリットの場合には、導入孔と連通する部分は、この第1放電加工で外周スリットが予定される位置に形成された所定幅のスリットによって導入孔と連通されることとなる。
第1放電加工工程においては、上述の六角形のスリットを構成する各辺のうち一辺に平行な板状の複数の突起電極93を突起電極支持部92に並列させた図4Aに示すような、櫛歯電極90を用いて、坏土成形面上で、所望の六角形格子状スリットの形状とした基準六角形95の各辺に平行な3方向のそれぞれに対応させて少なくとも3回に分けて第1櫛歯電極放電加工を行うことが好ましい。各方向に揃った第1櫛歯電極90を3種類用意しても良いし、同じ第1櫛歯電極90を60°ずつ回転させて行っても良い。
第1放電加工工程においてはまた、図4Bに示すような突起電極93の列間隔が上述の基準六角形96の対向する辺の間隔Dと等しい櫛歯電極91を用い、一度の放電加工で基準六角形96の各辺に平行な3方向のうち一方向に隣接する格子状区画領域3(図5A参照。)の間の基準六角形96の各辺に対応させた少なくとも6回の放電加工を行うことが更に好ましい。このような櫛歯電極91を用いて放電加工をおこなうことにより、櫛歯電極90を用いた場合より放電加工の回数は2倍となるが、一度の放電加工に伴うスラッジの発生量そのものを抑制することや、一度の放電加工の速度を上述の櫛歯電極21を用いた場合の速度と比較して3倍とすることが可能となる。これに加えて、櫛歯電極91の破損のおそれを更に抑制することができきる。各方向に揃った櫛歯電極を91を複数用意しても良いし、同じ櫛歯電極91を60°ずつ回転させて行っても良い。
(第2櫛歯電極)
図6は、第2櫛歯電極を模式的に示す模式的断面図であり、スリット幅拡大部の形状に応じた複数の第2突起部が第2櫛歯電極支持部81から平行に設けられている。
図8Cは、板状の第2櫛歯電極基材の一方の端面に、すり鉢状の凹面を設けた状態を示す模式的断面図である。このすり鉢状の凹面は、傾斜角度γとしている。この角度は、加工対象であるスリット幅拡大部の所望深さ分布に応じて設ける。このため、特に限定するものではなく、各第2櫛歯電極基材の一方の端面に形成される傾斜面の傾斜角度γは、直線的に一定でなくとも良く、少なくとも所望のスリット幅拡大部の所望深さ分布に応じておれば良い。
図1Eに示すように、スリット幅拡大部52の各端部55は、傾斜角度αを有する線56に沿って配列されている。第2櫛歯電極は、このスリット幅拡大部52を放電加工により形成するものである。加工対象であるスリット幅拡大部の所望深さ分布に応じてあらかじめすり鉢状凹面を有した第2櫛歯電極基材を複数個作製しておくことで、六角形以外の五角形以上の多角形及びそれらを組み合わせた格子状のスリットや、大小異なる大きさの格子状区画領域を区画するスリット等、スリット形状に関わらず、複雑なスリットであっても、スリット交差部の寸法精度や表面粗さが均一で、更に成形性の高い口金を作製することが可能となる。
即ち、まず、スリット幅拡大部どうしの間隙に部分的に対応した第2突起電極を、このすり鉢状凹面を有した第2櫛歯電極基材のすり鉢状凹面83の、すり鉢状凹面83をスリット幅拡大部52に対応させた位置に形成する。
このとき、放電加工に伴う突起電極先端の傾斜角度γが、電極の消耗により減少することを考慮して、あらかじめ傾斜面の角度αに対して、大きく設けておくことが好ましい。α<γとすることが好ましい。例:α=20°、とする場合にγ=24°として放電加工を行うことにより、所望とする角度αを得る。
すり鉢状凹面は坏土圧力損失の計算により形状を決定しても良いし、境界線へ向けてなだらかに変化するように形状を決定しても良い。またその寸法は放電加工において生じる電極の消耗に応じ一部もしくは全部を所定スリット幅拡大部の底部形状から変化させても良い。スリット幅拡大部加工用の放電電極のリブ幅を所定のスリット幅に応じ、段階的もしくは連続的に変化させることで、口金におけるスリット幅拡大部(外周領域)と通常部(内周領域)の段差を低減する。上記すり鉢状スリット幅拡大部加工用電極の櫛歯寸法を、外周のスリット幅拡大部から内周の通常スリット部との境界部に向け、段階的、もしくは連続的に変化させることで、境界部における拡大部と通常部のスリット幅の差を低減する。
(第2櫛歯電極を構成する材質)
本実施形態で用いられる第2櫛歯電極を構成する材料としては特に限定するものではないが、銅タングステン合金、銀タングステン合金、銅、カーボングラファイト等を挙げることができる。上記カーボングラファイトとして、より具体的には、平均粒子径5μm以下の微粒子高強度高密度カーボングラファイト材を好適例として挙げることができる。このようなカーボングラファイトを材質としたカーボン電極は、第1櫛歯電極においても、櫛歯電極90,91の突起電極93等の微細形状のものを高い精度で形成することが可能であるという利点や、高硬度で耐摩耗性に優れている、加工速度が速いという利点がある。
(第2櫛歯電極作製工程)
第2櫛歯電極作製工程は、図1Cに示すような線56で規定される角度と対応させたすり鉢状凹面を有した板状第2櫛歯電極基材をあらかじめ複数作製する。図8Cは、このすり鉢状の凹面を有した板状第2櫛歯電極基材85の厚み方向201の断面図である。複数個作成する理由としては一度にスリットを完成させる形状の微小な電極を精度良く作製することが困難である。例えば、スリットを構成する一辺ずつやスリットを構成する一辺に平行な複数の部分等、スリットの一部を加工するための微小な電極を切削加工や、研削加工により精度良く作製して用いるためである。
あらかじめ作製された個々の板状第2櫛歯電極基材85のすり鉢状凹面に対して、スリット幅拡大部を構成する平行な各辺のそれぞれに対応するように切り欠き部を切削加工または研削加工で形成して、スリット幅拡大部を構成する平行な各辺のそれぞれに対応した複数の薄板状の第2突起電極80を設けることにより、スリット幅拡大部を構成する平行な各辺のそれぞれに対応した複数の第2櫛歯電極を作製する。
こうして得られた複数の第2櫛歯電極をそれぞれ個別に口金基体20の坏土成形面7に押し付けて行う放電加工により、スリット幅拡大部52の部分ごとに形成する。
また、導入孔形成工程と、第1放電加工工程及び、第2放電加工工程でスリット5および導入孔4を形成した後に、この口金基体にCVD等のコーティングを行ってもよい。このようにコーティングすることによって、の耐摩耗性を向上させることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1として、図1Fに示すような六角形格子状のスリットを有したハニカム構造体成形用口金を製造した。内周スリットを一定とし、外周スリットを内周スリットより幅を広くした。各工程を追って説明する。
(導入孔形成工程)
導入孔形成工程において、ステンレス製で、直径158.0mm、厚さ21.0mmの口金基体の一方の端面に、直径が1.00mmの導入孔4を、押出成形するハニカム構造体の六角形ハニカム形状を構成するそれぞれの六角形の頂点のうち一つおきに三つの頂点に相当する位置に、電解加工法を用いて、坏土供給面から18.6mmの深さまで、約1万個形成した。
(第1放電加工工程)
第1放電加工工程において、カーボングラファイト材に研削加工を行って、図4Bに示すような第1櫛歯電極を形成した。第1櫛歯電極91を用いて、図5Aに示すようなスリット5を形成する放電加工を行った。具体的には、第1櫛歯電極に設けられた板状の第1突起電極93は、図4Bに示す厚さtwが0.18mm、高さHが4.50mm、第1突起電極93に平行な方向の幅Lが0.70mm、第1突起電極の間隔Dは図4Bに示すような基準六角形96の対向する2辺と同じ1.20mmであるものを使用した。
このような第1櫛歯電極91を用いて、口金基体20の他方の端面から間隔を隔てた状態より、放電加工用の加工液中で、第1突起電極93を坏土成形面の押し出し成形に使用する全ての部分に押し付けて放電加工を行った。その結果、スリット幅が0.24mm、深さ3.0mmの内周スリット50と、拡大幅スリットが形成される予定の位置に同じ所定幅0.24mmのスリットを形成した。
櫛歯電極91の角度を60°ずつ回転させてスリットの各辺に対応させた放電加工を行い、同様に角度を60°ずつ回転させて各放電加工を行うことにより、所定幅のスリットを形成した。これにより、口金基体20の一方の端面から導入孔4に連通する深さまで加工して、口金基体20の他方の端面に六角形ハニカム形状のスリット5、およびこのスリット5で仕切られる格子状区領域を形成した。本実施例における放電加工は、NC放電加工機を用いて行った。加工液は、加圧圧力が0.01MPaとなるようにポンプを用いて中心側から外周側へ流出させた。
(第2放電加工工程)
第2放電加工工程において、第2櫛歯電極基材として、寸法が(直径158.0mm)であるカーボングラファイトの電極材を切削加工により、図8Cに示すようなすり鉢状凹面を有した第2櫛歯電極基材を形成した。このすり鉢状凹面の傾斜角度γは24°とした。更にこの第2櫛歯電極基材を研削して複数の第2突起電極(突起電極のサイズ:幅0.21mm、所定幅)を有した第2櫛歯電極を得た。すり鉢状の凹面の傾斜角度γはそのままこの第2突起電極先端傾斜面の傾斜角度γとなった。
口金基体20の坏土成形面の外周領域24において、この第2突起電極を第1放電加工が施された所定幅(スリット幅0.27mm)のスリットと重なるように押し付けて放電加工を行った(図5B参照)。その結果、スリット幅拡大部端部の傾斜角度αが20°となるスリット幅拡大部を1辺ずつ形成した。このようにして、図1Fに示すような一定幅にスリット幅が拡張された外周スリットを得た。
(外周領域傾斜面の形成)
坏土成形面に外周領域と最外周領域の境界に向かって、次第に外周領域の一部の厚さを次第に増加させた領域を設けることにより、外周領域傾斜面を設けるため、内周領域に深さ0.50mmのザグリ加工を行う。カーボングラファイトの電極材を切削加工により、凸状に形成したザグリ電極を作製した。この凸状に形成したザグリ電極を口金基体の坏土成形面に押し付けて行う放電加工により、内周領域に深さ0.50mmの平坦面と外周領域に外周領域傾斜面を有したザグリを形成した。即ち、坏土成形面の内周領域を凹状の平坦部となるように平坦化し、更に外周領域傾斜面を凹状の斜面とするために、凸状に形成したザグリ電極を口金基体の坏土成形面に押し付けて行う放電加工によりザグリ加工した。
(最外周領域傾斜面の形成)
図1Cに示す最外周領域26に外周領域と最外周領域の境界から最外周領域平坦面に向かって、次第に厚さが減少した領域を形成させての最外周領域傾斜面72を設けた。この傾斜角度は45°とした。先端部の傾斜角度が45°の傾斜部を有するグラファイト電極を用いた放電加工により最外周領域26の一部に、最外周領域傾斜面72を形成した。
スリット幅拡大部加工用第2櫛歯電極を製造した。スリット幅拡大部加工用の第2櫛歯電極の突起電極の先端角度は24°であったが、電極の消耗によりスリット幅拡大部端部の傾斜は、所望の20°となった。またスリット交差部でのスリット幅拡大部深さにも研削加工差は生じなかった。
(実施例2)
実施例2として、図1Gに示すような六角形格子状のスリットを有したハニカム構造体成形用口金を製造した。各工程を追って説明する。
(導入孔形成工程)
導入孔形成工程において、ステンレス製で、直径158.0mm、厚さ21.0mmの口金基体の一方の端面に、直径が1.00mmの導入孔4を、押出成形するハニカム構造体の六角形ハニカム形状を構成するそれぞれの六角形の頂点のうち一つおきに三つの頂点に相当する位置に、電解加工法を用いて、坏土供給面から18.6mmの深さまで、約1万個形成した。
(第1放電加工工程)
第1櫛歯電極を用いて、内周スリットおよび、外周スリットが形成される予定の位置に内周スリットと等しい所定幅のスリットを形成した。第1櫛歯電極の形状や、寸法、および第1放電加工工程は、実施例1と同様とした。カーボングラファイト材に研削により櫛歯状電極を形成。(櫛歯のサイズ:幅0.18mm×高さ4.50mm)この電極を用いて口金基体に放電加工により、幅0.24mm・深さ3.00mmの六角形状スリットを1辺ずつ、押出成形に使用する所定の範囲全てに形成した。
(第2放電加工工程)
第2放電加工工程において、第2櫛歯電極基材として、寸法が(直径158.0mm)であるカーボングラファイトの電極材を切削加工により、図8Cに示すようなすり鉢状凹面を有した第2櫛歯電極基材を形成した。このすり鉢状凹面の傾斜角度γは24°とした。図9Aに示すように、更にこの第2櫛歯電極基材をエンドミルにより、研削して複数の第2突起電極(サイズ:幅0.185〜0.235mm、1ピッチ毎に幅を0.005mmずつ変化させた)を有した第2櫛歯電極を得た。すり鉢状の凹面の傾斜角度γはそのままこの第2突起電極先端傾斜面の傾斜角度γとなる。この第2突起電極のピッチを変化させることにより、図1Gに示すように、外周スリットのスリット幅が1ピッチごとに変化させた。
口金基体20の坏土成形面の外周領域24において、この第2突起電極を第1放電加工が施された所定幅(スリット幅0.27mm)のスリットと重なるように押し付けて放電加工を行った。その結果、拡大スリット幅部端部の傾斜角度が20°となる複数のスリット幅拡大部を1辺ずつ形成した。
(外周領域傾斜面の形成)
坏土成形面の外周領域傾斜面を得るため、内周領域を深さ0.50mmのザグリ加工を行う。カーボングラファイトの電極材を切削加工により、凸状に形成したザグリ電極を作製した。この凸状に形成したザグリ電極を口金基体の坏土成形面に押し付けて行う放電加工により、内周領域に深さ0.50mmの平坦面と外周領域に外周領域傾斜面を有したザグリを形成した。即ち、坏土成形面の内周領域を凹状の平坦部となるように平坦化し、更に外周領域傾斜面を凹状の斜面とするために、凸状に形成したザグリ電極を口金基体の坏土成形面に押し付けて行う放電加工によりザグリ加工した。
(最外周領域傾斜面の形成)
図1Cに示す最外周領域26の最外周領域傾斜面72を形成する。この傾斜角度は45°とした。傾斜角度45°を有するグラファイト電極を用いた放電加工により最外周領域26に、最外周領域傾斜面72を形成した。
スリット幅拡大部加工用第2櫛歯電極を製造した。スリット幅拡大部加工用の第2櫛歯電極の突起電極の先端角度は24°であったが、電極の消耗により、線56上に位置するスリット幅拡大部端部の傾斜は、所望の20°となった。またスリット交差部でのスリット幅拡大部深さにも研削加工差は生じなかった。
スリット幅拡大部加工用の櫛歯電極の幅を、0.005mm/ピッチずつ境界部から外周部にかけて厚く形成したが、電極消耗により口金スリット幅は所定の0.003mm/ピッチずつ広くなるよう形成できた。また実施例1と同様に櫛歯電極先端の角度を所定の深さ角度よりも大きくすることで、所定の深さ角度とすることが出来た。
実施例1、実施例2において、口金基材、放電加工で得られた外周領域傾斜面、第1櫛歯電極を用いた第1放電加工で形成された内周スリットと、第2櫛歯電極を用いた第2放電加工で形成された外周スリット(スリット幅拡大部)と、電解加工で形成した導入孔の表面粗さをそれぞれ測定した結果を以下に示す。
(実施例1の結果)
口金基材:0.75μm(Ra)、外周領域傾斜面:0.72μm(Ra)、内周スリット:0.78μm(Ra)、外周スリット(スリット幅拡大部):0.78μm(Ra)、最外周領域傾斜面:0.80μm(Ra)、導入孔:0.32μm(Ra)。
(実施例2の結果)
口金基材:0.78μm(Ra)、外周領域傾斜面:0.72μm(Ra)、内周スリット:0.78μm(Ra)、外周スリット(スリット幅拡大部):0.78μm(Ra)、最外周領域傾斜面:0.80μm(Ra)、導入孔:0.32μm(Ra)。
このように、押出成形時にスリットと坏土が接する部分の表面粗さを同一の放電加工とすることにより、スリット幅拡大部による坏土圧力損失の調整作用の精度を向上させ、成形不良を抑制することを可能とした。
また、同様にして、スリットの加工に全て放電加工を用いたことにより、スリット
の交差部における寸法精度のばらつきが100μm以内となった。
本発明のハニカム構造体成形用口金、及びその製造方法は、五角形以上の多角形格子状のセルや大小異なるサイズのセルを有したハニカム構造体においても、より高い寸法精度と強度を付与して製作することができる。
1:ハニカム構造体成形用口金、2a:外周側セル、2b:内周セル、2d:内周側と外周側の境界、3:格子状区画領域、4:導入孔、5:スリット、6:六角形、7:坏土成形面、8:坏土供給面、10:間座、11:押さえ板、12:裏間座、13:裏押さえ板、19:口金基体外周部、20:口金基体、22:内周領域、24:外周領域、26:最外周領域、27:最外周領域傾斜面終了位置、28:外周領域外周側、29:内周領域と外周領域との境界線、30:内周領域格子状区画領域、31:外周領域格子状区画領域、33:最外周傾斜面格子状区画領域、34:最外周平坦面格子状区画領域、40:ハニカム構造体、41:隔壁、41a:外周隔壁、41b:内周隔壁、42:セル、50:内周スリット、51:外周スリット、52:スリット幅拡大部、53:最外周傾斜面スリット、54:最外周平坦面スリット、56:スリット幅拡大部の傾斜した端部を直線で繋いで引いた直線、61:ハニカム成形体、71:外周領域傾斜面、72:最外周領域傾斜面、80:第2櫛歯電極、81:第2櫛歯電極支持部、82:第2突起電極、83:すり鉢状凹面、84:第2突起電極先端傾斜面、85:すり鉢状凹面を有した第2櫛歯電極基材、87:研削治具、88:エンドミル、90:第1櫛歯電極、91:第1櫛歯電極、92:櫛歯電極支持部、93:突起電極、95:格子状区画領域の寸法、96:格子状区画領域の寸法。100:ハニカム構造体、101:ハニカム成形体、130:成形不良、200:押出方向、201:口金基体厚み方向。

Claims (9)

  1. 板状の口金基体の一方の端面に、セラミック成形原料からなる坏土を導入するための複数の導入孔が設けられた坏土供給面と、
    前記口金基体の他方の端面に、前記導入孔と内部で連通され、前記坏土のハニカム成形体が押出成形される格子状のスリットが設けられた坏土成形面と、を含み、
    前記口金基体の厚み方向から見た平面において、前記坏土成形面における前記スリットで区画される複数の格子状区画領域のうち、少なくとも一部は、前記スリットの縁部に沿った方向の延長上と重なるように設けられ、
    前記スリットは、前記坏土成形面の内周領域に形成された、スリット幅が所定幅とされた内周スリットと、前記坏土成形面の前記内周領域の周囲を取り囲む外周領域に形成された外周スリットと、を有し、
    前記外周スリットは、前記外周スリットと前記導入孔との連通部分から前記坏土成形面までの間の位置から前記坏土成形面までの部分にスリット幅拡大部を有し、
    前記スリット幅拡大部のスリット幅は、前記内周スリットのスリット幅よりも広く、かつ、前記外周スリットにおける前記連通部分のスリット幅よりも広いハニカム構造体成形用口金。
  2. 前記外周スリットのスリット幅拡大部におけるスリット幅が、前記内周領域と前記外周領域との境界から開始して前記口金基体の外周側へ向けて漸次増加した請求項1に記載のハニカム構造体成形用口金。
  3. 前記外周スリットのスリット幅拡大部におけるスリット幅が、前記内周領域と前記外周領域との前記境界線から開始して、前記口金基体の外周側へ向けて前記格子状区画領域の1ピッチごとに一定量ずつ増加した、請求項2に記載のハニカム構造体成形用口金。
  4. 前記スリット幅拡大部は前記坏土供給面側の端部でスリット幅が前記内周スリットの所定幅と等しくなるようにスリット幅が狭められたスリット幅拡大部端部を有し、
    前記スリット幅拡大部端部の前記坏土成形面からの深さが、前記内周領域と前記外周領域との前記境界線から開始して前記口金基体の外周側へ向けて漸次増加することにより、
    前記坏土の押出成形時に、前記導入孔から前記スリットへ前記坏土の単位時間当たり流量を定常状態として通過させ、前記内周領域での成形速度と、前記外周領域での成形速度との差が5mm/s以内である請求項1〜3のいずれか1項に記載のハニカム構造体成形用口金。
  5. 前記スリット幅拡大部端部は、前記内周領域と前記外周領域との前記境界線から開始して、前記口金基体の外周側へ向けて前記口金基体の厚み方向に次第に深くさせて、各端部を直線で繋ぐとき、形成される斜面に沿って位置するように設けられた請求項4に記載のハニカム構造体成形用口金。
  6. 前記外周領域の少なくとも一部の厚さが、前記内周領域と前記外周領域との前記境界線から開始して、前記口金基体の外周側へ向けて前記坏土成形面が前記口金基体の厚み方向に厚くなって、次第に厚さが増した領域が形成された請求項1〜5のいずれか1項に記載のハニカム構造体成形用口金。
  7. 前記スリット幅拡大部をも含む前記スリット各部の表面粗さ(Ra)の変動が0.10μm以内である請求項1〜6のいずれか1項に記載のハニカム構造体成形用口金。
  8. 前記スリットの交差部における外周スリット幅拡大部の深さ精度のばらつきが100μm以内である請求項1〜7のいずれか1項に記載のハニカム構造体成形用口金。
  9. 請求項4〜8のいずれか1項に記載のハニカム構造体成形用口金の製造方法であって、 前記口金基体の坏土供給面とされる一方の端面に複数の前記導入孔を形成する導入孔形成工程と、
    前記内周スリットを構成する各辺に対応した寸法の複数の薄板状の第1突起電極が設けられた第1櫛歯電極を、前記口金基体の前記坏土成形面とされる他方の端面に押し付けて行う放電加工により、前記内周スリットを含む前記所定幅のスリットを形成する第1放電加工工程と、
    前記第1放電加工工程の後、前記第1放電加工工程において前記内周スリットを含む前記所定幅のスリットが形成された坏土成形面とされる他方の端面に、
    前記スリット幅拡大部を構成する平行な各辺にそれぞれ対応し、更に先端構造が、前記スリット幅拡大部端部の傾斜と対応した薄板状の第2突起電極が設けられた第2櫛歯電極を前記外周スリットが形成される予定の前記所定幅のスリットに押し付けて行う放電加工により、前記スリット幅拡大部を有するスリットが、前記坏土成形面の反対側の各端部を直線で繋ぐとき、斜面を形成するような所定の形状で形成される第2放電加工工程と、を含むハニカム構造体成形用口金の製造方法。
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