JP2018024219A - ハニカム構造体成形用口金 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】坏土排出面18側の中央部15が坏土の押出方向Xの下流側に向かって突出した凸部16を有する第一口金10と、第一口金10の凸部16と相補的な形状を呈する環状の第二口金20と、を備え、第一口金10には、第一坏土導入孔12が形成されるとともに、凸部16の坏土排出面18側に格子状の第一スリット11が形成され、且つ、第二口金20には、第二坏土導入孔22と、当該第二坏土導入孔22に連通した格子状の第二スリット21とが形成され、且つ、第一口金10と第二口金20の当接面14,24に、第一坏土導入孔12と第二坏土導入孔22との相互間で坏土の移動が行われる溝部31を有する。
【選択図】図6
Description
前記第一口金の下流側に配置され、前記凸部と相補的な形状を呈する環状の第二口金と、を備え、
前記第一口金の前記中央部には、第一坏土導入孔と、当該第一坏土導入孔に連通した格子状の第一スリットとが形成され、
前記第一口金の前記中央部を取り囲む外周部には、当該第一口金の前記外周部を貫通するように前記第一坏土導入孔が形成され、
環状の前記第二口金には、前記第一口金の前記外周部に形成された前記第一坏土導入孔から排出された前記坏土が導入される第二坏土導入孔と、当該第二坏土導入孔に連通した格子状の第二スリットとが形成され、
前記第一口金の前記外周部の前記第一坏土導入孔の開口位置と、前記第二口金の前記第二坏土導入孔の開口位置とが、少なくとも一部において一致しておらず、且つ、
前記第一口金の凸部の外周面と環状の前記第二口金の内周面との間に、前記坏土を環状に押出成形するための隙間部を有し、
前記第一口金と前記第二口金の当接面に、前記第一坏土導入孔と前記第二坏土導入孔との相互間で前記坏土の移動が行われる溝部を有する、ハニカム構造体成形用口金。
本発明のハニカム構造体成形用口金の一の実施形態について説明する。ここで、図1は、本発明のハニカム構造体成形用口金の一の実施形態の坏土排出面側を模式的に示す平面図である。図2は、図1に示すハニカム構造体成形用口金の坏土導入面側の平面図である。図3は、図1に示すハニカム構造体成形用口金を構成する第一口金の坏土排出面側の平面図である。図4は、図1に示すハニカム構造体成形用口金を構成する第二口金の坏土排出面側の平面図である。図5は、図1に示すハニカム構造体成形用口金を構成する第二口金の坏土導入面側の平面図である。図6は、図1に示すハニカム構造体成形用口金のA−A’断面を示す模式的に示す断面図である。図7は、図6の一部を拡大した拡大断面図である。なお、図3及び図5においては、第一口金と第二口金の当接面を、それぞれハッチングを付して示している。
実施例1では、図8〜図10に示すようなハニカム構造部204の中央セル構造215と外周セル構造216とが異なるセル構造のハニカム構造体200を作製するための口金を製造した。より具体的には、実施例1では、最終製品としてのハニカム構造体が、以下のように構成されたハニカム構造体となるような口金を作製した。最終製品としてのハニカム構造体は、端面の直径が100mmの円柱状であり、当該端面における中央セル構造の直径が70mmである。中央セル構造と外周セル構造の境界には、厚さ0.1mmの境界壁を有する。中央セル構造は、セルの形状が四角形で、隔壁厚さが0.09mm、セル密度が93個/cm2である。外周セル構造は、セルの形状が四角形で、隔壁厚さが0.11mm、セル密度が62個/cm2である。なお、上記のハニカム構造体に各寸法については、製造公差を含んでいない。
作製した口金を用いて、コージェライト組成からなるハニカム構造体を押出成形した。押出成形したハニカム構造体を目視で確認し、ハニカム構造体の品質を以下の評価基準で評価した。外観不良なき場合を「良」とする。外観不良ある場合、又は成形不可である場合を「不可」とする。ここで、「外観不良」とは口金各部における押出速度ばらつきにより、ハニカム構造体を構成する隔壁が湾曲することを指す。
作製した口金の上流側に圧力センサーを配置し、圧力センサーを配置した口金を用いて、コージェライト組成からなるハニカム構造体を押出成形した。押出成形時における口金の上流側の圧力を圧力センサーによって測定し、測定した圧力を、評価対象の口金の押出抵抗とした。押出成形時の押出抵抗を以下の評価基準で評価した。通常のハニカム製品の生産時の圧力の範囲を「標準」とし、「標準」よりも押出抵抗が高い場合を「大」とし、「標準」よりも押出抵抗が低い場合を「小」とする。
作製した口金を用いて、成形品品質の評価と同条件の押出成形を3回行い、押出成形が終了した段階で、第二口金の変形の有無を目視で確認した。第二口金に変形が確認された場合を「有り」とし、第二口金に変形が確認されなった場合を「無し」とする。
「溝部の幅(mm)」、「溝部の深さ(mm)」、及び「溝部の面積比率(%)」を表1に示すような値となるように変更した以外は、実施例1と同様の方法で口金を製造した。実施例2〜4の口金を用いて、実施例1と同様の方法で、「成形品品質」、[押出抵抗]及び「第二口金の変形の有無」の評価を行った。結果を表1に示す。
比較例1では、縦200mm、横200mm、厚さ20mmの板状の口金基材を用意した。口金基材は、ステンレス製のものとした。用意した口金基材の一方の表面を坏土排出面とし、その坏土排出面側の中央部分に、実施例1の口金の第一スリットと同形状のスリットを形成した。次に、口金基材の坏土排出面側の外周部分に、実施例1の口金の第二スリットと同形状のスリットを形成した。次いで、実施例1の隙間部に相当する位置に第一スリットと第二スリットの端部を繋ぎ合せる環状のスリットを形成した。次に、口金基材の坏土導入面側から、各スリットの交点部分に連通するように、開口径が1.2mmの坏土導入孔を形成した。以上のようにして、比較例1の口金を製造した。
比較例2では、まず、実施例1の口金の第一口金と同様に構成された第一口金を作製した。次に、比較例2では、実施例1の口金のように、第二口金基材の当接面に溝部を形成せずに第二口金を作製した。このような第二口金の中央部の空隙部に、第一口金の中央部の凸部を挿入するようにして、第二口金と第一口金とを組み合わせ、比較例2の口金を製造した。
比較例3では、まず、実施例1の口金の第一口金と同様に構成された第一口金を作製した。次に、比較例3では、実施例1の口金のように、第二口金基材の当接面に溝部を形成するのではなく、第二口金基材の当接面から押出方向の0.5mmの範囲を放電加工によって取り除いた第二口金を作製した。このような第二口金の中央部の空隙部に、第一口金の中央部の凸部を挿入するようにして、第二口金と第一口金とを組み合わせ、比較例3の口金を製造した。比較例3の口金は、第一口金の外周部の下流側の端面と第二口金の上流側の端面とが当接せず、第二口金が片持ち梁のような状態で第一口金と組み合わされたものであった。
実施例1〜4の口金は、比較例1の口金に比して製造時間を短縮することができるとともに、成形品品質の評価も良好なものであった。また、第二口金の変形の有無の評価においても、第二口金の変形は確認されなかった。
Claims (12)
- 成形原料としての坏土の押出方向の上流側に配置され、坏土排出面側の中央部が前記押出方向の下流側に向かって突出した凸部を有する第一口金と、
前記第一口金の下流側に配置され、前記凸部と相補的な形状を呈する環状の第二口金と、を備え、
前記第一口金の前記中央部には、第一坏土導入孔と、当該第一坏土導入孔に連通した格子状の第一スリットとが形成され、
前記第一口金の前記中央部を取り囲む外周部には、当該第一口金の前記外周部を貫通するように前記第一坏土導入孔が形成され、
環状の前記第二口金には、前記第一口金の前記外周部に形成された前記第一坏土導入孔から排出された前記坏土が導入される第二坏土導入孔と、当該第二坏土導入孔に連通した格子状の第二スリットとが形成され、
前記第一口金の前記外周部の前記第一坏土導入孔の開口位置と、前記第二口金の前記第二坏土導入孔の開口位置とが、少なくとも一部において一致しておらず、且つ、
前記第一口金の凸部の外周面と環状の前記第二口金の内周面との間に、前記坏土を環状に押出成形するための隙間部を有し、
前記第一口金と前記第二口金の当接面に、前記第一坏土導入孔と前記第二坏土導入孔との相互間で前記坏土の移動が行われる溝部を有する、ハニカム構造体成形用口金。 - 前記第一スリットの形状と、前記第二スリットの形状とが異なるものである、請求項1に記載のハニカム構造体成形用口金。
- 前記溝部が、前記第二口金に形成されている、請求項1又は2に記載のハニカム構造体成形用口金。
- 前記溝部の幅が、0.1〜1.5mmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のハニカム構造体成形用口金。
- 前記溝部の溝の深さが、0.1〜5.0mmである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のハニカム構造体成形用口金。
- 前記第二口金の前記当接面における前記溝部が形成されている範囲の面積に対する、当該範囲における前記溝部及び前記第二坏土導入孔の開口部分の合計面積の比率が、40〜90%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のハニカム構造体成形用口金。
- 押出成形するハニカム成形体の端面の面積に対する、前記第一口金の前記中央部の面積の割合が、30〜70%である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のハニカム構造体成形用口金。
- 前記第一スリットのうちの一つのセルを取り囲むスリットと、前記第二スリットのうちの一つのセルを取り囲むスリットとが、互いに交差する方向に延びるものである、請求項1〜7のいずれか一項に記載のハニカム構造体成形用口金。
- 前記第一スリットによって押出されるハニカム成形体のセル構造の配列方向と、前記第二スリットによって押出されるハニカム成形体のセル構造の配列方向とが、互いに交差する方向に延びるものである、請求項1〜8のいずれか一項に記載のハニカム構造体成形用口金。
- 前記第一口金は、前記中央部と前記外周部とで、前記第一坏土導入孔の開口径、及びそれぞれの前記第一坏土導入孔の相互間の間隔が同一である、請求項1〜9のいずれか一項に記載のハニカム構造体成形用口金。
- 2つ以上の前記第二口金を有し、前記第二口金を交換することにより、前記溝部の溝の深さを変更可能に構成されている、請求項1〜10のいずれか一項に記載のハニカム構造体成形用口金。
- 2つ以上の前記第一口金を有し、前記第一口金を交換することにより、前記溝部の溝の深さを変更可能に構成されている、請求項1〜11のいずれか一項に記載のハニカム構造体成形用口金。
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