JP5324363B2 - 気流状態算出方法、プログラムおよび装置 - Google Patents
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Description
物を詳細にモデル化する必要があるが、室内の大きさに対して、それらの小さな障害物を詳細にモデル化する必要がある。そして、支持脚は円柱形状であることが多く、円柱形状部品のデフォルメ(階段状にモデル化)を行うことで曲線をモデル化する構造格子系ソフトでは、メッシュ数(計算格子)が増大し、膨大な計算時間を費やす結果となっている。
気流状態算出方法は、この対応チャンバ空間において、第一モデル化ステップと第二モデル化ステップでの各モデル化処理を施すことで、有限要素法に従って室内空間での気流状態を、容易に且つ高精度に算出することを可能とする。
から吹き出し口を経由して室内空間に空調流体が供給される際の流れを踏まえて決定される断面積であり、吹き出し口で形成される空調流体の供給方向に沿った断面積である。したがって、この基準断面積における障害物の占有率に基づいて決定される等方性体積圧力損失は、吹き出し口を経由して室内空間に供給される空調流体の抵抗の程度を的確に捉えていると考えられる。
プで取得された前記所定のパラメータに基づいて、前記吹き出し口を介して前記室内空間に供給される空調流体の気流状態を算出する算出ステップと、を実行させる。そして、上記気流状態算出方法について開示した技術的思想は、同様に本発明に係る気流状態算出のためのプログラムにも適用可能である。
。なお、以下の実施の形態の構成は例示であり、本発明はこの実施の形態の構成に限定されるものではない。
きる。
C:抵抗係数
V:流体速度[m/s]
流体密度ρおよび流体速度Vは、実際の空調空間の状況に応じて設定が可能である。そして、上記式での唯一の変数である抵抗係数Cについては、対応チャンバ空間10に占める障害物の面積比(占有率)に準じた値を設定する。具体的には、吹き出し口5近傍の領域において、該吹き出し口5を介してチャンバ空間1から室内空間2へ供給される空調空気の流れ方向、換言すると吹き出し口5の高さ方向であって、その周囲に存在するパネル壁面4によって形成される吹き出し方向に沿った基準断面積11における、対応チャンバ空間10内に存在する障害物の断面積の占有率に準じて、抵抗係数Cを設定する。抵抗係数Cの具体的な設定については後述する。
抑制しながら、チャンバ空間1の流れ場による影響を室内空間2に反映させ、また吹き出し口5による気流状態への影響を的確に反映させることが可能となる。また、吹き出し口5や床パネル4の裏側には、風量調整用のシャッタや補強のための補強構造部材が配置されることもあるが(図1Aにおいては図示せず)、これらの存在も空調空気に対する抵抗に寄与すると考えられる場合は、上記第一モデル化による等方性体積圧力損失を調整することで、より正確な気流状態の算出が容易に行い得る。
この吹き出し口32から空調空気を供給すべく、各空調構造の両側に空調機が設置され、各空調機は、空調空間の天井に設けられた還気口を経由して室内の空気を空調機還気口33に取り入れ、それに空調処理を行った後、空調空気を空調機給気口34からフリーアクセスフロアの床下空間であるチャンバ空間に送り出す。
の取得が行われる。当該処理は、入力装置20からの入力、および/またはデータ記憶部21に記憶されているデータに従って行われる。S105の処理が終了すると、S106へ進む。
とは、空調機側から遠方の風速分布まで、ほぼ一致する結果が得られた。一方、等方性体積圧力損失を付与しない場合(同抵抗係数C=0)でのCFD解析結果は、両側に設置された空調機近傍において、床下の動圧が実際より大きくなるため、誘引が増加し給気風量が減少する。また室中央部では、両側からの空調機給気が実際よりも速い速度で衝突するため、給気風量が増加する結果となる。
Windows(登録商標) XP, Pentium(登録商標) (R)4, CPU3.4GHz, 2.99GB RAM
<解析結果>
・従来技術によるフリーアクセスフロア支持脚を詳細模擬したモデルのメッシュ数と計算時間(500サイクル)
202(X)×194(Y)×43(Z)=1,685,084 約6時間30分
・本発明に係る気流状態算出装置による計算時間(等比率1、アスペクト比1)
153(X)×148(Y)×43(Z)=973,692 約4時間
この解析結果では、メッシュ数と計算時間がともに約4割削減された。計算精度に影響
を与える等比率(隣り合うメッシュ幅の比率、推奨値0.8〜1.2)やアスペクト比(メッシュ幅の縦横比、推奨値10以下)を適正な値とした場合、さらに多くのメッシュが必要となり、従来技術では、実務的な計算が困難となると考えられる。
析値の差分を示す。図7から明らかなように、本発明を適用しない場合(抵抗係数C=0.0)は、適用する場合と比べて、温度および風速ともに、実測値とCFD解析値との乖離
が大きくなる傾向がある。また、本発明を適用し抵抗係数Cを設定する場合でも、温度および風速ともに、所定の抵抗係数C(図7においては概ね0.65)近傍で、実測値とCFD解析値との乖離が極小となる。これにより、本発明に係る気流状態算出装置では、適切な等方性体積圧力損失(すなわち、抵抗係数C)を設定することで、より実際の気流状態に近い気流状態を算出することが可能であることが明らかである。
上記実施例においては、等方性体積圧力損失を決定するステップとして第一ステップによる基準等方性体積圧力損失の算出と、第二ステップによる当該基準等方性体積圧力損失の補正について開示した。これに代えて、等方性体積圧力損失の算出するために、上記式1中の抵抗係数Cを以下の、式2に従ってもよい。
C=1−k・H/D (式2)
H:チャンバ空間の高さ
D:障害物であるケーブルの断面積
k:比例定数
すなわち、上記式2は、チャンバ空間の高さが高くなるに従い、ケーブルによる抵抗の程度は小さくなり、ケーブルの断面積が大きくなるに従い、ケーブルによる抵抗の程度が大きくなるように、抵抗係数を導き出すものである。なお、ケーブルの断面積は、空調空間に供給されている電流の許容値から類推するようにしてもよい。
2・・・・室内空間
3・・・・空調空間
4・・・・床パネル
5・・・・吹き出し口
6・・・・支持脚
7・・・・ケーブル
10・・・・対応チャンバ空間
11・・・・基準断面積
30・・・・空調空間
32・・・・吹き出し口
Claims (7)
- 壁面パネルによって画定された空間であって空調機から出される空調流体の送風が行われるチャンバ空間と、該チャンバ空間との境界に設けられた吹き出し口を介して該空調流体の供給が行われる室内空間と、を含む空調空間において、該チャンバ空間から該室内空間に供給される空調流体によって該室内空間に形成される気流状態を有限要素法により算出する気流状態算出方法であって、
前記吹き出し口近傍の前記チャンバ空間の一部もしくは全部を、気流状態算出のための対応チャンバ空間として設定する設定ステップと、
前記設定ステップで設定された前記対応チャンバ空間に存在する障害物の、送風される空調流体に対する抵抗の程度を、該対応チャンバ空間における等方性の体積圧力損失として設定する第一モデル化ステップと、
前記吹き出し口の開口率、および該吹き出し口における前記チャンバ空間から前記室内空間への空調流体の供給方向に沿った、該吹き出し口の高さを設定する、第二モデル化ステップと、
前記対応チャンバ空間に送風される空調流体に関する所定のパラメータを取得するパラメータ取得ステップと、
前記第一モデル化ステップで設定された前記対応チャンバ空間の等方性体積圧力損失と、前記第二モデル化ステップで設定された前記吹き出し口の開口率及び高さと、前記パラメータ取得ステップで取得された前記所定のパラメータに基づいて、前記吹き出し口を介して前記室内空間に供給される空調流体の気流状態を算出する算出ステップと、
を含む、気流状態算出方法。 - 前記等方性の体積圧力損失は、前記対応チャンバ空間に存在する障害物の、前記吹き出し口における前記チャンバ空間から前記室内空間への空調流体の供給方向に沿った基準断面積における占有率に基づいて決定される、
請求項1に記載の気流状態算出方法。 - 前記第一モデル化ステップは、
前記対応チャンバ空間において前記壁面パネルを支持する支持部材の、前記基準断面積における密度、および該支持部材の高さに基づいて、該対応チャンバ空間に対応する基準等方性体積圧力損失を算出する第一ステップと、
前記対応チャンバ空間に存在する、前記支持部材以外の障害物の、前記基準断面積における占有率に基づいて、前記基準等方性体積圧力損失を補正し、該対応チャンバ空間の等方性の体積圧力損失を導出する第二ステップと、
を有する、
請求項2に記載の気流状態算出方法。 - 前記第二モデル化ステップでは、前記吹き出し口の高さは、該吹き出し口の全ての周端部に設定され、該吹き出し口を除く前記壁面パネルにおいては、その高さは設定されない、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の気流状態算出方法。 - 前記チャンバ空間は、建物の室内の床下空間、該建物の室内の天井裏空間、該建物の室内の壁面に沿った空間の何れかである、
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の気流状態算出方法。 - 壁面パネルによって画定された空間であって空調機から出される空調流体の送風が行われるチャンバ空間と、該チャンバ空間との境界に設けられた吹き出し口を介して該空調流体の供給が行われる室内空間と、を含む空調空間において、該チャンバ空間から該室内空
間に供給される空調流体によって該室内空間に形成される気流状態を、コンピュータに有限要素法により算出させるプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記吹き出し口近傍の前記チャンバ空間の一部もしくは全部を、気流状態算出のための対応チャンバ空間として設定する設定ステップと、
前記設定ステップで設定された前記対応チャンバ空間に存在する障害物の、送風される空調流体に対する抵抗の程度を、該対応チャンバ空間における等方性の体積圧力損失として設定する第一モデル化ステップと、
前記吹き出し口の開口率、および該吹き出し口における前記チャンバ空間から前記室内空間への空調流体の供給方向に沿った、該吹き出し口の高さを設定する、第二モデル化ステップと、
前記対応チャンバ空間に送風される空調流体に関する所定のパラメータを取得するパラメータ取得ステップと、
前記第一モデル化ステップで設定された前記対応チャンバ空間の等方性体積圧力損失と、前記第二モデル化ステップで設定された前記吹き出し口の開口率及び高さと、前記パラメータ取得ステップで取得された前記所定のパラメータに基づいて、前記吹き出し口を介して前記室内空間に供給される空調流体の気流状態を算出する算出ステップと、
を実行させる、気流状態算出プログラム。 - 壁面パネルによって画定された空間であって空調機から出される空調流体の送風が行われるチャンバ空間と、該チャンバ空間との境界に設けられた吹き出し口を介して該空調流体の供給が行われる室内空間と、を含む空調空間において、該チャンバ空間から該室内空間に供給される空調流体によって該室内空間に形成される気流状態を有限要素法により算出する気流状態算出装置であって、
前記吹き出し口近傍の前記チャンバ空間の一部もしくは全部を、気流状態算出のための対応チャンバ空間として設定する設定手段と、
前記設定手段によって設定された前記対応チャンバ空間に存在する障害物の、送風される空調流体に対する抵抗の程度を、該対応チャンバ空間における等方性の体積圧力損失として設定する第一モデル化手段と、
前記吹き出し口の開口率、および該吹き出し口における前記チャンバ空間から前記室内空間への空調流体の供給方向に沿った、該吹き出し口の高さを設定する、第二モデル化手段と、
前記対応チャンバ空間に送風される空調流体に関する所定のパラメータを取得するパラメータ取得手段と、
前記第一モデル化手段によって設定された前記対応チャンバ空間の等方性体積圧力損失と、前記第二モデル化手段によって設定された前記吹き出し口の開口率及び高さと、前記パラメータ取得手段によって取得された前記所定のパラメータに基づいて、前記吹き出し口を介して前記室内空間に供給される空調流体の気流状態を算出する算出手段と、
を備える、気流状態算出装置。
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JP2009200057A JP5324363B2 (ja) | 2009-08-31 | 2009-08-31 | 気流状態算出方法、プログラムおよび装置 |
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