JP6213772B2 - 天井放射パネル能力評価装置及び天井放射パネル能力評価プログラム - Google Patents

天井放射パネル能力評価装置及び天井放射パネル能力評価プログラム Download PDF

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Description

本発明は、冷房、暖房といった建物内の温度調整のため設置される天井放射パネルの能力を評価する天井放射パネル能力評価装置、及び、天井放射パネル能力評価プログラムに関する。
建物内部の冷房、暖房は、冷却、加熱された空気を送風する方式以外に、内部を通過する熱媒体によりパネル表面の温度を制御し、輻射熱により居室内の温度調整を行う方式が知られている。このような輻射熱を使用した冷房、暖房は、温度調整された送風が直接体にあたらないため、居室内の作業者の体に対する負荷も少ない利点を有している。特許文献1、2には、このような輻射熱を利用した冷房もしくは暖房用の輻射(放射)パネルが開示されている。
特開平8−86475号公報 特開平9−152146号公報
上述した放射パネルは、単体の冷房もしくは暖房装置として使用することも可能であるが、建物の壁面として敷設することも可能である。その他に、建物内の居室において、作業者間に遮るものが少ない壁面である天井を放射パネルの敷設箇所に選定し、天井放
射パネルとして使用することが行われている。敷設
建物の壁面(天井)に敷設される天井放射パネルは、建物の建造時に同時に行われることが多く、冷房、暖房する対象となる居室を過不足なく適温にする能力を見積もっておく必要がある。従来からよく使用される送風式の冷暖房装置では、単体での交換が比較的容易であるが、壁面(天井)に一度敷設された天井放射パネルは、その敷設状態の変更、交換を行うことは困難で有り、事前に正確な能力を見積もることが重要である。
本発明に係る天井放射パネル能力評価装置、天井放射パネル能力評価プログラムは、このような事情を鑑みたものであり、建物内に敷設される天井放射パネルの温度関連能力について精度の高い評価を行うことを目的としている。
上述した課題を解決するため、本発明に係る天井放射パネル能力評価装置は、
天井面に敷設された天井放射パネルの各種パラメータを予測する天井放射パネル能力評価装置であって、
天井放射パネルの敷設条件として、少なくとも天井裏と居室間の天井放射パネルを介した熱収支関係を条件として、居室内空気温度、居室側パネル表面温度、天井裏空気温度、送水入口温度、送水流量、送水出口温度、敷設面積のパラメータのうち、1つまたは2つのパラメータを予測する予測処理を実行することを特徴とする。
さらに本発明に係る天井放射パネル能力評価装置において、
予測処理における天井放射パネルの敷設条件は、天井放射パネルと居室間の熱収支関係、天井放射パネルと天井裏間の熱収支関係、天井放射パネルの居室側表面温度と天井裏側
表面温度の関係を含むことを特徴とする。
さらに本発明に係る天井放射パネル能力評価装置において、
予測処理は、
天井放射パネルの導水管を通過する水の微小要素に関する温度関係を示す第1の条件式、
天井放射パネルの居室側表面温度と天井裏側表面温度の関係を示す第2の条件式、
天井放射パネルの導水管を通過する水の温度差による除去熱と空気温度の伝熱の熱収支関係を示す第3の条件式、
天井放射パネル、天井裏空気、居室側空気間の熱収支関係を示す第4の条件式、
熱環境評価指数PMVを示す第5の条件式、
天井放射パネルの熱処理量と、室内熱負荷の収支関係を示す第6の条件式を使用してパラメータを予測することを特徴とする。
さらに本発明に係る天井放射パネル能力評価装置において、
第4の条件式の熱収支関係は、照明など天井付近に設置された各種機器が天井裏空気に寄与する熱負荷を含むことを特徴とする。
また本発明に係る天井放射パネル能力評価プログラムは、
天井面に敷設された天井放射パネルの各種パラメータをコンピュータに予測させる天井放射パネル能力評価プログラムであって、
天井放射パネルの敷設条件として、少なくとも天井裏と居室間の天井放射パネルを介した熱収支関係を条件として、居室内空気温度、居室側パネル表面温度、天井裏空気温度、送水入口温度、送水流量、送水出口温度、敷設面積のパラメータのうち、1つまたは2つのパラメータを予測する予測処理を実行可能とすることを特徴とする。
本発明に係る天井放射パネル能力評価装置、天井放射パネル能力評価プログラムによれば、天井放射パネルの実際の敷設条件である天井裏空気と居室空気間の熱収支関係を考慮に入れたことで、天井放射パネルの敷設にあたって検討すべき各種パラメータの予測精度向上を図ることが可能となる。
天井放射パネルが敷設された建物内の様子を示す図 従来の天井放射パネルのスペック決定処理を示すフロー図 従来の天井放射パネルのスペック決定処理を示す行程図 天井放射パネルの能力線図を示す図 本発明の実施形態に係る天井放射パネルの予測モデルを示す図 本発明の実施形態に係る天井放射パネルの予測モデルを示す図 本発明の実施形態に係る天井放射パネルの予測モデルを示す図 本発明の実施形態に係る敷設条件に対する各種パラメータを示す図 敷設時の検討事項に対する各種パラメータの関係を示す図
まず、天井放射パネルの敷設の様子を説明する。図1には、天井放射パネル1a〜1dが敷設された建物内の様子が示されている。天井放射パネル1a〜1dは、その用語から分かるように居室空間などの天井面に配設される温度調整設備であり、それが放射する熱により、居室空間が適温となるように温度調整を行う。本実施形態の天井放射パネル1a〜1dは、内部に導水管11が設けられ、この導水管11に冷却水を流入、流出させることで、居室Saに対する冷房設備として機能する。導水管11には、冷却水11に代えて
加熱水11を流入、流出させることで暖房設備として機能させることも可能である。
このような天井放射パネル1の敷設は、居室Sa側が適温となるよう不足の無いよう、また、無駄なエネルギー消費とならないように過剰とならないように設計することが好ましい。図2には、このような点を考慮した、従来の天井放射パネルのスペック決定処理が示されている。
天井放射パネル1の敷設スペック決定にあたり、まず、室内負荷が設定される(S11)。図1に示されるように居室Saには、パソコンやコピー機といった事務機器4a〜4d、そして、居室Saで作業を行う作業者などが、室内負荷としての熱源として想定される。S11では、居室Saにおける平均的な作業者数、事務機器数を設定し、居室Saにおける室内負荷が算出、設定される。また、居室Saの設定室温、すなわち、居室Saを維持する温度も同時に設定される。
S12では、設定した室内負荷、気温の変化を条件として、設定室温を保つために必要な天井放射パネル1の種類、全天井面積に対する敷設面積である敷設率、天井放射パネル1に対する送水流量が決定される。S13では、決定した天井放射パネル1の能力線図を参照して、設定室温に対して必要な送水温度が算出される。図4には、天井放射パネル1の能力線図の一例が示されている。この能力線図は、天井放射パネル1の能力(スペック)を示したものであって、本実施形態のように居室Saの冷房に使用する場合、室温と冷水平均温度の差(横軸)に対して、面積当たりの冷却能力の関係にて示される。なお、この能力線図は、送水流量毎に異なることとなり、S12で決定した送水流量に相当したものが用意される。
S13の処理について、具体的例を示しておく。室内負荷、天井放射パネル1の各種条件を以下のように設定した場合について考える。ここで、室内負荷Lは、居室空間に設置された事務機器4a〜4dの熱量、居室空間及び天井裏空間に与える照明3a〜3f等の熱量、居室空間の作業者5の熱量、天井裏のスラブからの熱ロス等、居室空間および天井等空間に対する熱負荷(天井放射パネル1を除く)である。
室内負荷L:56W/m2
敷設率Rp:70%
設定温度Ta:26℃
送水流量qw:0.6L/min・m2
室内負荷Lと敷設率Rpより、パネル平米当たりの必要処理熱量Qは、以下の式にて算出される。
Q=L/Rp=80[W/m2
図4の能力線図から、この必要処理熱量Qを処理するために必要な室温と冷水温度との差(ΔT)を読み取ると、ΔT=9[℃]であることが分かる。
一方、必要処理熱量Qと天井放射パネル1の送水流量qwから、天井放射パネル1への流入水と流出水に必要な温度差(必要往還温度差ΔTw)を求める。ここでρw[kg/m3]は天井放射パネル1の導水管11を通過する水の密度であり、cw[J/kg・K]は水の比熱である。
ΔTw=(60×Q)/(ρw×cw×qw)
=(60×80)/(1.0×4184×0.6)
=1.9[℃]
設定温度とΔTより、冷水平均温度Twを求める。
w=Ta−ΔT
=26−9
=17[℃]
冷水平均温度Twと必要往還温度差ΔTwより、送水温度Tw,inを求める。
w,in=Tw−0.5×ΔTw
=17−0.5×1.9
≒16.0[℃]
以上、能力線図を用いた計算にて天井放射パネル1の送水温度が算出された。S14では、S13で算出された送水温度が天井放射パネル1の結露しない条件に適合するか否かを判定する。一般的な下記の室温条件(室温26℃、湿度55%)で、結露しない送水温度は約16℃であるため、上で検討した例(Tw,in≒16[℃])は、結露しない条件に適合する(S14:Yes)であることが分かり、S12、S13で決定した天井放射パネル1に対する各種条件は、結露しない条件を満足することが分かり、天井放射パネル1の実際の敷設スペックとして決定される(S15)。一方、結露しない条件を満足しなかった場合(S14:No)、S12に戻り、天井放射パネル1の各種条件を再度決定する。
図3には、従来の天井放射パネル1のスペック決定処理を示す行程図が示されている。図2のフロー図、並びにその具体例で説明したように、従来は、各種設定条件に基づいて、能力線図による天井放射パネル1の予測モデルにより、送水温度など検討に必要な条件を求めることとしている。この従来のスペック決定処理で使用される天井放射パネル1の能力線図は、天井放射パネル1の製造元などにおいて、代表的条件下において計測されたものが使用されている。
ところで、図1の天井放射パネル1の敷設の様子に示されるように、天井放射パネル1の建物内における敷設条件は、能力線図で示される代表的条件下とは異なることが多く、実際の敷設条件下での送水温度と、図3で説明した天井放射パネル1の予測モデルによる送水温度との間には誤差が生じる可能性がある。本発明は、従来の能力線図を用いた天井放射パネル1の予測モデルに代え、天井放射パネル1の敷設条件を考慮した、より精度の高い予測モデルを提供することを目的とするものである。
では、本発明の実施形態に係る天井パネル能力評価装置について、その予測処理を説明する。図5は、本発明の実施形態に係る天井放射パネル1の予測モデルを示す図である。図5(A)は、天井放射パネル1について導水管11付近での断面の様子を示したモデル図であり、図5(B)は、居室Saと天井裏Sbとの間に敷設された状態における天井放射パネル1の断面の様子を示したモデル図である。
図5は、天井放射パネル1の予測モデルを形成する際に使用する各種パラメータを説明するための図である。図5(A)では、天井放射パネル1内の導水管11に流入する送水に関して以下のパラメータを定義する。
w,in:送水流量
w,in:送水入口温度
w,out:送水出口温度
また、導水管11内のある微小要素ΔSについて以下のパラメータを定義する。
w:微小要素ΔSの送水温度
ΔTw:微小要素ΔSを通過する送水の出入口温度差
図5(B)では、天井放射パネル1を建物内の天井に敷設した状態について、以下に示す各種パラメータを定義している。
ac:天井裏空気温度
sc:天井裏側パネル表面温度
sr:居室側パネル表面温度
ar:居室側空気温度
c:水と天井裏側パネル表面の熱伝導率
r:水と居室側パネル表面の熱伝導率
c:天井裏熱伝導率
r:居室側熱伝導率
rc:天井裏空気と居室空気の熱伝導率
l↑:照明発熱等の天井裏空気に直接寄与する熱負荷
この図5(B)では、図1に示すように実際の天井放射パネル1の敷設位置が、天井裏Sbと居室Sa間において、通気口2などの通気を有することを考慮したものとなっている。そのため、天井裏空気と居室空気の熱伝導率天井裏hr,cを定義しており、天井放射
パネル1の実際の敷設状態を模擬し、精度の高い予測を行うことを可能としている。
では、このような敷設状態を模擬した天井放射パネルの予測モデルについて、それに必要な各種条件式を説明する。図5(A)で説明した天井放射パネル1の導水管11部分の微小要素ΔSについて、与えられる熱量と、温度差の関係から以下の条件式(1−1)が成り立つことが分かる。この条件式(1−1)を解くことで第1の条件式(1)が導かれる。なお、条件式(1−1)、(1)中、図5(A)、(B)で説明したパラメータ以外のパラメータについて、Qは天井放射パネル1への送水流量[m3/s]、ρw[kg/m3]は天井放射パネル1の導水管11を通過する水の密度であり、cwは水の比熱[J/kg・K]、Sは天井放射パネル1の敷設面積[m2]を示している。
Figure 0006213772
Figure 0006213772
次に、導水管11を通過する水の温度差による除去熱と空気温度の伝熱の熱収支関係か
ら、以下に示す第2の条件式(2)が導かれる。
Figure 0006213772
図6は、本発明の実施形態に係る天井放射パネル1を単体で見たときの天井裏Sb側の表面温度Ts,cと、居室Sa側の表面温度Ts,rとの表面温度を示したものである。これら表面温度Ts,c、Ts,rは比例関係にあるため以下に示す第3の条件式(3)が成立する。
Figure 0006213772
図7は、通気口2などによる天井裏Sbと居室Sa間の空気の流れによる熱収支、そして、天井付近に設置された照明3などによる発熱の天井裏空気への熱負荷を考慮した系を示した図である。まず、天井裏空気が天井放射パネル1の天井裏側面に与える熱量q↑は、天井裏熱伝導率hcを使用することで、条件式(4−1)のように記述できる。そして
、本実施形態では、天井裏空気と居室空気間の熱収支関係を示す熱伝導率をhrcと定義しているため、居室側空気から天井裏空気に移動する熱量qrcは、条件式(4−2)として記述できる。ここで、さらに本実施形態では、照明による発熱等、天井裏空気に直接寄与する熱負荷(熱量)をqs↑として定義しているため、上述した熱量q↑、qrc、ql↑、qslab、は、条件式(4−3)の関係を有する。なお、ql↑は照明発熱等の天井裏空気
に直接寄与する熱負荷(ql↓は照明発熱等の居室側空気に直接寄与する熱負荷)、qslabは、天井裏のスラブ(上面等)からの熱ロスである。この条件式(4−3)に、条件式
(4−1)、(4−2)を代入することで、以下に示す第4の条件式(4)が得られることとなる。
Figure 0006213772
また、本実施形態では、居室における快適性を確保するため熱環境評価指数PMV(Predicted Mean Vote)を使用している。この評価指数PMVは、0を熱環境の快適性の中
立値として設定し、+側を暖かい側に、−側を寒い側として評価可能な指数であり、以下に示す条件式(5)にて与えられる。この熱環境評価指数PMVが±0.5の範囲内であれば快適な体感環境である。
Figure 0006213772
この熱環境評価指数PMVにおいて、平均放射温度MRT以外は固定値であり、平均放射温度MRTは、天井放射パネル1の居室側の表面温度Tsrと、施設面積Sを変数とする天井放射パネル1の形態係数Fpによって求めることが可能である。なお、h:湿度、v
:気流速度、clo:着衣量、Met:代謝量(何れも固定値)である。
条件式(6)は、天井放射パネル1の処理熱量(左辺)と、室内熱負荷(右辺)の収支関係を示した式である。室内負荷Lは、居室空間に設置された事務機器4a〜4dの熱量、居室空間及び天井裏空間に与える照明3a〜3f等の熱量、居室空間の作業者5の熱量、天井裏のスラブからの熱ロス等、居室空間および天井等空間に対する熱負荷(天井放射パネル1を除く)である。
Figure 0006213772
このように本実施形態の予測モデルでは、6つの条件式(1)〜(6)を使用しているため、上限数を6として未知のパラメータの予測を行うことが可能である。特に、本実施形態では、少なくとも天井裏と居室間の熱収支関係を条件として使用したことで、精度の高い予測処理を行うことを可能としている。このような精度の高い予測処理によって、居室内空気温度Tar、居室側パネル表面温度Tsr、天井裏空気温度Tac、送水入口温度Tw,in、送水流量Qw,in、送水出口温度Tw,out、敷設面積Sのパラメータのうち、1つまた
は2つのパラメータを予測する予測処理を実行することを特徴としている。
ここで、天井放射パネル1の敷設条件に応じて設定される各種パラメータについて説明する。図8には、天井放射パネル1の敷設条件に応じて設定される各種パラメータの代表例が示されている。図5の予測モデルで説明したように、天井放射パネル1の敷設条件は、主に、居室Sa側と天井裏Sb側の空気の熱伝導状態に左右される。この熱伝導状態は、居室側熱伝導率hr、天井裏熱伝導率hc、天井裏空気と居室空気の熱伝導率hrc、天井放射パネル1の表面温度の関係γによって特徴付けられる。ここでは、天井裏Sbの気密性が高い場合と低い場合、居室Saと天井裏Sb間の給気がある場合と無い場合に敷設条件を大きく分別し、敷設条件毎に敷設条件に関するパラメータを見積もっている。
天井放射パネル1の敷設条件は上述する条件のみならず、気密性や給気状態をさらに多段階の程度に分類して、それぞれに数値を与えることや、居室Sa側と天井裏Sb側の空気の熱伝導状態に関する状態に応じて分類しても良い。あるいは、天井放射パネル1を敷設する場所について、シミュレーションを行うことで算出することとしてもよい。
では、本発明の実施形態に係る天井放射パネル予測システムについて、パラメータの入出力関係を示す各種ケースについて説明を行う。図9には、天井放射パネル1の敷設時の検討事項に対する各種パラメータの入出力関係を示した表である。上述したように、本天
井放射パネル予測システムは、6つの条件式(1)〜(6)を有するため、図9に示されるパラメータ中、6つまでの未知のパラメータを求めることが可能である。なお、図9中、「IN」は、主な前提条件となる入力パラメータであり、「OUT」は、予測にあたって求められる出力パラメータである。そして「−」は、予測途中の変数として出力されるパラメータである。では、図9に示す、ケース1からケース8について、その予測モデルの実施形態について説明する。
なお、図9に示した敷設条件中、天井気密性、給気方式などに関連する4つのパラメータhr、hc、hrc、γは、何れのケースについても図8で説明したように、天井放射パネル1の敷設条件に応じて予めその数値が与えられる。
(ケース1)
この予測モデルは、要求スペック(必要熱負荷処理能力、快適性指標に基づく室内温熱環境)を前提条件として、天井放射パネル1への送水流量Qw,in(天井放射パネル1に水を供給するポンプの能力)、天井放射パネル1の敷設面積Sを出力(予測)することとしている。前提条件となるパラメータとしては、居室内空気温度Tar、送水入口温度Tw,in、天井裏側に対する照明負荷ql↑、スラブ等からの熱ロスqslab、室内負荷Lを与えて
いる。このケース1では、使用する天井放射パネル1の選定後、各種前提条件を満たすために必要な送水流量Qw,in、敷設面積Sを予測することが可能である。
(ケース2)
この予測モデルは、天井放射パネル1の敷設条件から、天井放射パネル1の運用状態を予測するモデルである。敷設条件としては、居室内空気温度Tar、送水入口温度Tw,in、送水流量Qw,in、照明負荷ql↑、上階への熱ロス、敷設面積Sを使用している。また、
出力(予測対象)パラメータとなる天井放射パネル1の運用状態としては、居室側パネル表面温度Tsr、送水出口温度Tw,outを使用している。この予測モデルでは、天井放射パ
ネル1の表面温度と室温から求められる快適性指標の確認、並びに、天井放射パネル1に対して送水を行う熱源能力の確認を行うことが可能である。
(ケース3)
この予測モデルは、居室Sa内の温熱環境を固定し、給気方式を変化させることで居室Sa内負荷の変化を予測することを可能としている。そのため、特に、敷設条件中、入力する天井気密性、給気方式を変化させて室内負荷の変化を予測することとしている。
(ケース4)
この予測モデルは、居室Sa内の温熱環境、処理能力の条件を固定し、給気方式を変化させることで、必要とさあれる天井放射パネル1の敷設面積の違いを予測することとしている。そのため、特に、敷設条件中、入力する天井気密性、給気方式を変化させて敷設面積Sの変化を予測することとしている。
(ケース5)
この予測モデルは、結露限界域での天井放射パネル1の能力を予測することが可能である。居室内温度、湿度から算出される露点温度が居室側パネル表面温度Tsrとして設定される。天井放射パネル1に送水するポンプの能力(送水流量Qw,in)を固定とし、天井放射パネル1の能力となる送水入口温度Tw,inを予測することとしている。
(ケース6)
この予測モデルは、各種パラメータを変更することで、居室側パネル表面温度Tsrを予測するモデルである。居室Sa内に居る作業者は、居室内空気温度Tarのみならず、天井放射パネル1から受ける居室側パネル表面温度Tsrによって、心地よさ、悪さを甘受する
ことが分かっている。この予測モデルでは、他の予測モデルなどで決定した各種パラメータを入力として居室側パネル表面温度Tsrを予測することで、居室側パネル表面温度Tsr入力パラメータの妥当性を検討することが可能である。
(ケース7)
この予測モデルは、居室内空気温度Tar、居室側パネル表面温度Tsr、送水入口温度Tw,in、天井裏空気温度Tacから送水出口温度Tw,outを予測するモデルである。天井放射
パネル1の構成上、送水出口温度Tw,outの計測が困難な場合がある。このような場合、
この予測モデルを使用することで、送水出口温度Tw,outを予測し、天井放射パネル1の
運転状態を知ることが可能である。
(ケース8)
この予測モデルは、天井放射パネル1に対する同じ負荷条件にて、送水温度(送水入口温度Tw,in)を変化させたとき、送水流量Qw,inを予測することで、エネルギーの評価を行うモデルである。
以上、ケース1からケース8までの各種予測モデルについて説明したが、本実施形態に係る天井放射パネル能力評価装置(プログラム)によれば、上述した各種予測モデルを適宜使用することで、建物内に敷設される天井放射パネルについて、各種観点から天井放射パネル1の各種パラメータを評価することが可能となる。特に、本実施形態の天井放射パネル能力評価装置(プログラム)では、敷設条件として居室と天井間の熱収支関係を採用したことで、従来の評価方法と比較して、その予測精度の向上が図られている。
なお、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
1…天井放射パネル、11…導水管、2…通気口、3…照明、5…作業者、4…事務機器

Claims (5)

  1. 天井面に敷設された天井放射パネルの各種パラメータを予測する天井放射パネル能力評価装置であって、
    天井放射パネルの敷設条件として、少なくとも天井裏と居室間の天井放射パネルを介した熱収支関係を条件として、居室内空気温度、居室側パネル表面温度、天井裏空気温度、送水入口温度、送水流量、送水出口温度、敷設面積のパラメータのうち、1つまたは2つのパラメータを予測する予測処理を実行することを特徴とする
    天井放射パネル能力評価装置。
  2. 予測処理における天井放射パネルの敷設条件は、天井放射パネルと居室間の熱収支関係、天井放射パネルと天井裏間の熱収支関係、天井放射パネルの居室側表面温度と天井裏側表面温度の関係を含むことを特徴とする
    請求項1に記載の天井放射パネル能力評価装置。
  3. 予測処理は、
    天井放射パネルの導水管を通過する水の微小要素に関する温度関係を示す第1の条件式、
    天井放射パネルの居室側表面温度と天井裏側表面温度の関係を示す第2の条件式、
    天井放射パネルの導水管を通過する水の温度差による除去熱と空気温度の伝熱の熱収支関係を示す第3の条件式、
    天井放射パネル、天井裏空気、居室側空気間の熱収支関係を示す第4の条件式、
    熱環境評価指数PMVを示す第5の条件式、
    天井放射パネルの熱処理量と、室内熱負荷の収支関係を示す第6の条件式を使用してパラメータを予測することを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の天井放射パネル能力評価装置。
  4. 第4の条件式の熱収支関係は、照明など天井付近に設置された各種機器が天井裏空気に寄与する熱負荷を含むことを特徴とする
    請求項3に記載の天井放射パネル能力評価装置。
  5. 天井面に敷設された天井放射パネルの各種パラメータをコンピュータに予測させる天井放射パネル能力評価プログラムであって、
    天井放射パネルの敷設条件として、少なくとも天井裏と居室間の天井放射パネルを介した熱収支関係を条件として、居室内空気温度、居室側パネル表面温度、天井裏空気温度、送水入口温度、送水流量、送水出口温度、敷設面積のパラメータのうち、1つまたは2つのパラメータを予測する予測処理を実行可能とすることを特徴とする
    天井放射パネル能力評価プログラム。
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JP4072887B2 (ja) * 2002-01-18 2008-04-09 財団法人生産技術研究奨励会 室内温熱環境設計システム及びその方法

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