JP5323580B2 - 耐震壁 - Google Patents

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本発明は、木造住宅などの建築物における耐震壁に関する。
建築物の耐震壁は様々なものが提案されている。柱と梁で囲まれた領域に筋交いを設けたものは極めて一般的である。その他に、2×4工法のように壁をパネルで構成し耐震性を高めたものもある。
更に、特開2007−177574号公報(特許文献1)に記載のように、柱と梁とによって囲まれた領域に、プラスチック製の複数のブロックを積み重ねて壁板を形成したものや、特開2008−266902号公報(特許文献2)に記載のように、柱と梁とによって囲まれた領域に、複数の壁ユニットを接合して形成して耐震壁を構成したものがある。
特開2007−177574号公報 特開2008−266902号公報
上記従来の耐震壁は、いずれも高い耐震性をもたらすが、いわば剛的な構造であるため、地震等による外力、例えば水平方向外力やせん断力を受けると、それを受け止めるために非常に大きな力が瞬間的にかかり、耐力の限界を超えると変形や破損が生じてしまう。このような剛的な耐震壁は、一旦変形や破損が生じてしまうと、本来の正常な状態に戻ることはなく、再度必要な強度をもたらすためには、多大な作業と費用を要する補修が必要となる。
従って、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、地震等による大きな外力に対して、この外力を吸収するように変位若しくは変形可能であると共に、変形しても自力で元の状態へ戻るように機能する耐震壁を提供することにある。
上記課題を解決するための、請求項1に記載の耐震壁は、方形の枠部と、該枠部の内側四方全体に緊張された状態で取り付けられた網体と、を有し、前記方形の枠部の各角部は、前記枠部が所定の大きさ以上の外力を受けたときに、角度変化可能に構成され、前記角度変化に伴い、前記網体が弾性変形することを特徴とする。
これにより、例えば震度3〜4程度の比較的小さな地震による外力を受けたときには、上記枠部は方形から平行四辺形へ変形することなくこの外力に対抗する一方で、それ以上の大きな外力が耐震壁に入ったときに初めて、上記角部が角度変化して上記枠部水平方向外力やせん断力により、方形から平行四辺形へと変形する。その際、緊張された状態で取り付けられた網体は平行四辺形の対角線のうち、長く伸びた対角線の方向へ引き伸ばされる。網体は引き伸ばされる過程で、その網目が上記長い対角線の方向へ伸びるように変形し、このような網体の変形によって上記外力のエネルギーが網体によって吸収され、また、上記網体が緊張状態にあることによって上記枠部が大きく変形するのを阻止するように作用する。外力が付加されている期間中、その外力の大きさに応じて上記枠部と網体の相応の変形が行われ、外力の付加が止むと、緊張状態にある上記網体の作用によって上記枠部は元の状態へ引き戻され、耐震壁は元の通常の状態へ復旧する。これによって、網体のエネルギー吸収作用及び戻し効果が発現するようにできることから、小規模の地震ではその都度耐震壁の変形が生じないようにし、耐震壁に付帯する内装材や外装材の損傷を防止することができる。従って、耐震壁の効果的な防護と持続を図ることができる。
請求項2に記載の耐震壁は、前記枠部の一部又は全部が建物の基本構造物にて構成されたことを特徴とする。
この構成によれば、枠部の一部又は全部が建物の基本構造物、例えば柱と梁によって構成され、耐震壁の構造を簡単化することができる。
請求項に記載の耐震壁は、請求項1または2に記載の耐震壁において、前記網体は、所定の剛性と弾性を有する部材にて形成されたリング状部材を連結して形成されたリングネットであることを特徴とする。
このように形成されたリングネットは、緊張状態で各リング状部材は連結された周囲のリング状部材からの引っ張り力を受けて変形しており(例えば、周囲のリング状部材が4個ある場合には四角形に変形し、6個ある場合には六角形に変形する)、そのような変形状態から更に引っ張り力を受けて弾性変形した場合に、エネルギー吸収能力が一段と増大すると共に外力に対する抵抗力が大きくなり、それによって外力に対して柔軟に対応してエネルギー吸収を行い、ある程度の変形量に達すると枠部の更なる変形を阻止するように作用する。それによって耐震壁が外力によって大きく変形して破損するのを防止し、外力の入来が終わったときには、弾性力によって耐震壁の旧位への復帰を効果的に行う。
請求項に記載の耐震壁は、請求項1または2に記載の耐震壁において、前記網体は、山形が連続するように屈曲された線材を互いに係止させて形成された菱形金網であることを特徴とする。
このような金網も、上記枠部の変形に伴って、長い対角線の方向へ変形し、エネルギー吸収能力と外力に対する抵抗力をもたらすことができる。
上記構成の耐震壁によれば、地震等による外力を受けたときにそのエネルギーを吸収しながら変形し、外力の入来が止んだときには変形状態から本来の状態へ自力により復帰することができ、そのため、修復のための補修作業は付帯する化粧壁の交換などで済む。
本発明の実施の形態に係る耐震壁の正面図である。 図1に示した耐震壁を構成する方形の枠部の角部における枠片の連結構造を例示する斜視図である。 図2に示した枠部を軸材の軸線の箇所で縦切断した部分的断面図である。 図3中のIV−IV線に沿う断面図である。 (A)は図4中のV−V線に沿う拡大尺断面図、(B)は変形例を示す同様の拡大尺断面図である。 方形の枠部の角部における枠片の連結構造の他の例を示す、図3と同様の部分的断面図である。 図1に示した耐震壁を構成する網体がリングネットである場合の該リングネットの構成要素であるリング状部材の斜視図である。 (A)は1個のリング状部材に4個のリング状部材が連結される形態の、(B)は1個のリング状部材に6個のリング状部材が連結される形態のルングネットを示す図である。 図8(A)に示すリングネットに四方への緊張力が加わったときのリング状部材の変形状態を示す図である。 枠部に対してリング状部材を結合するための結合部材の具体例を示す図である。 網体として金網を使用した場合の実施の形態を、下部を省略して示す図1と同様の正面図である。 枠部として、建物の基本構造物である柱、梁、土台を利用し、網体としてリングネットを使用した場合の実施の形態を示す、図1と同様の正面図である。 網体として金網を使用した場合の実施の形態を、下部を省略して示す図12と同様の正面図である。 図1に示した耐震壁を組み込んだ建物構造の部分を示す図である。 地震等の外力を受けて枠部及びリングネットが変形した状態の図1の耐震壁の正面図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は第1の実施の形態に係る耐震壁1の全体構成を正面図で示している。
図示のように、耐震壁1は、鉄やアルミニウムなどの金属材料や高強度のプラスチック材料によって製作された方形の枠部10と、この枠部10の内部に取り付けられた網体20とを有している。
枠部10は、枠片10a,10b,10c,10dを角部11a,11b,11c,11dで連結して構成されており、その連結は、所定の大きさ以上の外力(水平方向外力あるいはせん断力)が枠部10に加わったとき、枠片が角部で角度変化可能であるようになされている。
図2は、枠片10aと枠片10cとの間の連結部を示している。図示の例では、枠片10a〜10dはL形鋼又は山形鋼にて構成されており、連結部は、角部11bに関して説明すると、枠片10aの辺部10a1の先端部10a2と、枠片10cの辺部10c1の先端部10c2とを図示のように互いに重ね合わせ、両者をボルト12によって相互に回動可能にヒンジ状に連結したものとなっている。
即ち、図3に示すように、先端部10a2と先端部10c2にはそれぞれそれらの中央部に孔が設けられ、これら孔にボルト12が挿通されている。ボルト12には、重ね合わされた先端部10a2,10c2の側部にコイルばね13aが填められ、このコイルばねの外側にナット14aが螺合される。ナット14aを先端部10c2へ向けてねじ込むことにより、先端部10a2,10c2は圧縮されたコイルばね13aを介して相互に押し付けられる。このようにして、先端部10a2,10c2は、コイルばね13aによってもたらされる押し付け力に応じた力で互いに圧接される。
他の角部11a,11c,11dにおいても同様な連結が行われる。このように各角部が連結されることにより、上記の圧接によりもたらされる先端部間の摩擦抵抗は、枠部10が地震等により外力を受けても、その外力の大きさによっては、各角部の角度変化を行わないように作用し、従って枠部10を方形状態に維持するように作用する。摩擦による抑止力を凌駕するような大きさの外力が入ったときに初めて各角部の角度変化が行われる。
図4は、例えば角部11bにおいて、先端部10a2の先端部10c2との接合面に放射状に延びる凹凸10c3を菊花文様状に設け、対向する先端部10c2の接触面にも同様な凹凸を設け、両接触面の凹凸が噛み合うようにした構成を示している。他の角部10a,10c,10dの一部又は全部についても、先端部の接触面に同様な凹凸が設けられる。このような構成をとることにより、上記圧接による摩擦抵抗の作用が高められ、枠部10は、所定の大きさまでの外力に対しては変形せず剛的に振舞い、所定の大きさ以上の外力が入ったときに、この外力のエネルギーが下記のように網体20によって吸収されるように的確に変形する。
上記凹凸10c3は、図5(A)に示すように、凸部を形成する山の斜面が左右均整であるようにしてもよく、あるいは図5(B)に示すように、一方の斜面が急勾配で、他方の斜面が緩勾配であるようにしてもよい。
図5(B)に示す凸部構成の場合は、角部に上記外力が作用したときに急勾配の斜面が関与し、外力の入来が止み、変形した枠部10が常態への復帰動作を行うときには緩勾配の斜面が関与するように設定しておく。このように構成することにより、急勾配の斜面は、外力が比較的大きくなるまで角部の角度変化を阻止し、緩勾配の斜面は、角部の角度変化が生じて枠部10が変形した後、外力の入来が止んだとき、網体20の戻し作用による枠部10の常態への復帰動作を容易にする。
図6は、角部における他の連結構造を、角部11bを例に示しており、この連結構造の場合には、先端部10a2と先端部10c2との間にプラスチック板15が挟装されている。プラスチック板15の材質を選択することにより、角部11bの角度変化の発生を外力の大きさに対応させるようにすることができる。その際、先端部10a2と先端部10c2に上述のような凹凸面を設けてもよい。
上記網体20は、本実施の形態では、複数のリング状部材21を連結して形成されたリングネット20Aとして構成されており、各リング状部材21は、図7に示したように、鋼線である線材を1回から複数回巻いて線材束となし、周方向の数箇所を締結手段21aによって締め付けて形成されている。締結手段21aは、例えば断面C形の略筒状の金具であって、その開放部を通して線材束に嵌めた後に、締め付け工具によって線材束に固定される。なお、線材の太さや巻数を加減することにより、リングネット20Aの強度や、後述のエネルギー吸収力を調整することが可能である。リング状部材21は、種々の材料で製作することが可能であり、例えば、スチールの他、炭素繊維やアラミド繊維などを用いることができる。
なお、このリング状部材21は、上記構成に限られず、種々の構成を取ることができる。例えば、線材を巻回するときに撚り合わせつつ編んだ構成とすることも可能であり、また、材質として樹脂を用いることも可能である。
本実施の形態では、1個のリング状部材21は、図8(A)に示したように、それぞれ周囲の4個のリング状部材と連結される構成をとっている。この構成以外にも、1個のリング状部材21は、図8(B)に示したように、それぞれ6個のリング状部材と連結される構成をとっていてもよい。リング状部材21の連結は、図8(A)(B)に示したように、互いに交差させて行われている。連結は、このような交差によるもの以外にも、適当な連結部材を使用して行ってもよい。
図1に示したように、リングネット20Aは枠部10の内側に取り付けられるが、その取り付けは、リングネット20Aが四方へ緊張された状態で行われている。このような緊張状態をもたらすために、リングネット20Aは、リング状部材21が変形しない程度に広げたときの未緊張状態では、その広がりの面積は、枠部10の内側領域の面積よりも小さくなるように設定されている。
このような未緊張状態のリングネット20Aを、枠部10の内側に配置し、周辺のリング状部材を、結合部材30により、枠部10の枠片10a、10b、10c、10dへ結合する。この結合は、リングネット20Aが枠部10の内側領域全体に拡がるように行われ、その結果、リングネット20Aには四方への緊張力が与えられる。このような緊張力が与えられると、各リング状部材21は円形から、図9に示したように、略四角形に変形する。そのように変形したリング状部材21は、円形の状態に戻ろうとする弾性力が大きく働き、また、更なる変形に対しては強い力で抵抗する。
図10は、上記結合部材30の具体的構成を示している。図は枠片10dにリング状部材21を結合する例を示しており、結合部材30は、枠片10dの所定の箇所に設けられた貫通孔10d1に挿通されるボルト31と、このボルトに螺合するナット部材32とを有している。ボルト31の一方端にはリング状部材21と係合するループ部31aが設けられている。リング状部材21を枠片10dに結合するには、ループ部31aが枠片10dの内側(枠部10の内側)に来るようにボルト31を枠片10dの貫通孔10d1へ挿通し、次いで枠片10dの外側で座金33を枠片10dとの間に置いてボルト31にナット部材32を螺合させ、次いでループ部31aにリング状部材21を係合させる。この状態でボルト31に対してナット部材32を回転させることにより、ボルト31を枠片10dの外方へ引く。その結果、図10に示したように、リング状部材21は枠片10dに結合される。同様にして、枠片10dに対向する他のリング状部材もそれぞれ枠片10dに結合され、更に、枠片10c,10a、10bに対してもそれらに対向するリング状部材の結合が行われる。このようにしてリングネット20A全周での枠部10への結合が行われ、その結果、リングネット20Aは、リング状部材21が図9に示したような四角形に変形した状態の緊張状態で枠部10へ取り付けられる。
上記リング状部材21は、具体的には、引張強度が500〜2000N/mm2、直径が2〜5mmの素線を3〜5巻きして形成され、その際リング状部材21の直径は略10cmになされる。また、上記枠部10は、具体的には、幅が90cm、高さが180cmであるように形成され、その内側に、上記の直径略10cmのリング状部材21を横に8個、縦に16個配列して形成されたリングネット20Aが緊張された状態で取り付けられる。
図11は他の実施の形態を示している。この実施の形態でも、耐震壁1は枠部10と網体とを有しているが、枠部10の内側に取り付けられた網体は金網20Bとして構成されている。金網20Bは、鋼線などの線材を山形が連続するように屈曲し、これを互いに係止させて形成されている。この金網20Bも、上記リングネット20Aと同様に、四方へ緊張された状態で枠部10に取り付けられている。枠部10への取り付けは、上記結合部材30による場合と同様に行われる。
上記金網20Bは、具体的には、引張強度が500〜2000N/mm2、直径が2〜5mmの素線を用いて、各網目の辺の長さが2〜8mmとなるように形成されている。
この金網20Bはリングネット20Aに比べ、地震等による外力を受けた際の変形によるエネルギー吸収能力は劣るものの、外力による枠部10の変形が大きくなるのを阻止し、外力の入来が終わったときにはその弾性力により耐震壁1を元の状態に復帰させるように作用する。金網20Bのエネルギー吸収能力を高めるために、金網20Bを2層又は3層に設けてもよい。
図12は、本発明の参考例を示しており、この参考例では、上記枠部10が建物の基本構造物にて構成されている。図示の例では、基本構造物は建物の柱10C、10D、梁10A及び土台10Bとなっている。柱10C、10Dは図1の実施の形態の場合の枠片10c、10dに相当し、梁10Aは枠片10aに、土台10Bは枠片10bに相当する。建物の二階以上の部分では土台10Bは梁となる。この参考例の場合、柱10C、10Dと梁10Aとの接続部、及び柱10C、10Dと土台10Bとの接続部が、上記枠片10a、10b、10dの角部11a、11b、11c、11dと同じ作用を果たす。
柱10C,10D、梁10A及び土台10Bによって囲まれた領域40に網体が四方へ緊張力を与えられた状態で配置されており、この網体は上記リングネット20Aと同様のものである。図1の実施の形態の場合と同様に、上記領域40に未緊張状態のリングネット20Aが配置され、次いでこのリングネット20Aを四方へ緊張して上記領域40に張り渡すために、周辺部のリング状部材21が、対向側にある柱10C,10D、梁10A又は土台10Bへ固定される。固定はベルト50によって行われている。ベルト50に代えて、針金や図10に示した結合部材30を用いてもよい。
図1の実施の形態と同様に、リングネット20Aのリング状部材21は、上記のように領域40に張り渡された状態で、図9に示したような略四角形に変形し、この略四角形な状態から更に弾性変形することができる。
図13は、図12に示した参考例のリングネット20Aに代えて、図11に示した金網20Bを用いた場合を示しており、その他は図9に示す構成と同様である。
図14は、図1に示した耐震壁1が建物の一部として組み込まれている例を示している。この例では、耐震壁1は、建物の柱10C,10D、梁10A及び土台(図示省略)にて囲まれた領域(図12中の符号40の箇所に相当)へ嵌め込まれ、更に柱10C,10D、梁10A及び土台に対して、固定部材60によって固定されている。固定部材60は、頭部60bを有するボルト60aと、このボルトに螺合するナット材60cとを有している。この固定部材60は、例えば柱10Dと枠片10dとの結合の場合、柱10Dと枠片10dとの双方に整合するように設けた貫通孔60dに、枠片10dの側からボルト60aを挿通し、その外方端部を柱10Dの外方へ突出させ、該外方端部にナット材60cを螺合させて、このナット材60cを締め込むことによって行われる。それによって、柱10Dと枠片10dとは互いに締付けられ結合される。他の箇所でも同様に固定部材60を用いて結合が行われる。固定部材60は、木製部、例えば柱10Dに巻かれた鉄板と、この鉄板を枠片10dへ結合するためのボルトとで構成されたものでもよい。
図14に例示したように、建物の壁体として設置された図1の耐震壁1は、地震等による外力を受けた際、次のように作用する。なお、耐震壁1は必ずしも、柱10C,10D、梁10A及び土台10に囲まれた領域に、図14に示したように設置されていなくてもよい。
外力は耐震壁1に対し主として水平方向外力やせん断力として作用するが、この外力が比較的小さい場合には、耐震壁1は変形することなくこれを受け止める。一方、所定の大きさ以上の外力を受けたとき、耐震壁1はこの外力に剛的に耐えるのではなく、枠部10の角部11a,11b,11c,11dが角度変化して、枠部10の変形をもたらす。
このような枠部10の変形は、図2〜図6に示した角部の構成によって効果的に行われる。即ち、小さな外力が加わったときには角部の角度変化は行われないが、外力が角部に設定された摩擦抵抗を凌駕するような大きなものであると、軸12を中心とした枠片の回動が生じ、全部の角部11a〜11dにおいてこのような回動が生じると枠部10は変形する。
図15には、枠片10c,10dが右方へ10°程度傾倒して、枠部全体が平行四辺形の形に変形した場合が示されている。このように枠部10が平行四辺形に変形するのに伴って、リングネット20Aの各リング状部材21は平行四辺形の長い対角線に沿った方向へ引っ張られ、楕円形に近い形に変形せしめられる。緊張状態にあるリング状部材21のこの更なる変形は、外力の大きなエネルギーを吸収するとともに、枠部10の変形を所定の大きさに押さえるように作用する。外力の入来が止むと、リング状部材21はその弾性力によって枠部10を元の方形の状態に戻し、耐震壁1を本来の状態に復帰させる。
このように、本発明の耐震壁1は柔的な緩衝性をもって外力に対応することができるので、剛性の耐震壁のように瞬時に大きな力に晒されて破損することはなく、また、変形しても自力で常態に復帰することができる。
図1に示した耐震壁1の上述の作用、即ち枠部と網体の変形による柔的なエネルギー吸収作用と常態への自力復帰作用は、図11〜図13に示した耐震壁1についても同様にもたらされる。ただし、網体が金網20Bである場合には(図11、図13)、リングネット20Aである場合に比較して、変形によるエネルギー吸収能力は劣る。その場合、金網20Bを2層構造若しくは多層構造とすれば、エネルギー吸収能力や、枠部を常態へ復帰させる能力を高めることができる。また、図12及び図13に示したように、枠部10が建物の基本構造物、例えば、柱10C,10D、梁10A、土台10Bにて構成された場合には、柱と梁、或いは柱と土台の接続部11A,11B,11C,11Dが上記角部11a〜11dのように作用する。
1 耐震壁
10 枠部
10a,10b,10c,10d 枠片
10a1 突部
10c1 溝部
10c2,10c3 突片
10A 梁
10C,10D 柱
10B 土台
11a,11b,11c,11d 角部
11A,11B,11C,11D 角部
12 軸材
20 網体
20A リングネット
20B 金網
21 リング状部材
21a 締結手段
30 結合部材
40 領域
50 ベルト
60 固定部材

Claims (4)

  1. 方形の枠部と、該枠部の内側四方全体に緊張された状態で取り付けられた網体と、を有し、
    前記方形の枠部の各角部は、前記枠部が所定の大きさ以上の外力を受けたときに、角度変化可能に構成され、
    前記角度変化に伴い、前記網体が弾性変形することを特徴とする耐震壁。
  2. 前記枠部の一部又は全部が建物の基本構造物にて構成されたことを特徴とする請求項1に記載の耐震壁。
  3. 前記網体は、所定の剛性と弾性を有する部材にて形成されたリング状部材を連結して形成されたリングネットであることを特徴とする請求項1または2に記載の耐震壁。
  4. 前記網体は、山形が連続するように屈曲された線材を互いに係止させて形成された菱形金網であることを特徴とする請求項1または2に記載の耐震壁
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