JP5322948B2 - 大山蓮華抽出物を含有する光老化防止用及び皮膚皺改善用化粧料組成物 - Google Patents

大山蓮華抽出物を含有する光老化防止用及び皮膚皺改善用化粧料組成物 Download PDF

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Description

本発明は、大山蓮華抽出物を有効成分として含有する化粧料組成物に関するものであって、更に詳しくは大山蓮華抽出物を含有し、紫外線によって損傷されるDNA及び皮膚を保護し、コラーゲン生合成の増進及びコラーゲン分解酵素の生合成を抑制する光老化防止用及び皮膚皺改善用化粧料組成物に関するものである。
多くの人の成長期には日光に対し皮膚がよく対応するが、年齢を取るとともに皮膚組織が段々と変化することにより、日光による粗さ、皺、着色斑点、悪い顔色、下痢、毛細血管拡張、黒点、紫斑及び頻繁な打撲傷、萎縮、繊維症脱色部位、及び更には前癌性腫瘍及び悪性腫瘍などの現象が発生することになる。
紫外線はUVA, UVB, UVC領域に分かれ、地球上にはUVA, UVBのみ作用し、UVC領域はオゾン層によって遮断される。UVBは皮膚に一番大きい影響を与え、主に表皮まで浸透し、皮膚細胞に影響を与える。UVAは皮膚内真皮まで浸透し、主にコラーゲン合成関連皮膚細胞に影響を与える。これらの紫外線は直接的に影響を与えるか、間接的には活性酸素を発生させ、皮膚に影響を与える。紫外線による皮膚細胞の影響は次のようである。まず、皮膚細胞のうち、ケラチノサイト(keratinocyte)は紫外線が照射されると、炎症性サイトカイン(cytokine)を分泌し、また酸化的ストレスが誘発され、細胞内で多種類の蛋白質キナーゼ及びポスポリパーゼが活性化される。活性化されたこれらの酵素は、細胞膜脂質を加水分解させ、アラキドン酸が分泌されるようにする。上記分泌されたアラキドン酸は、シクロオキシゲナーゼの作用でプロスタグランジンE2(PGE2)に変化する。このように形成されたアラキドン酸及びPGE2は、サイトカインと協同し、皮膚の発赤を始め、様々な炎症反応を起こし、究極的には皮膚の老化を促進する。
また、皮膚細胞のうち、繊維芽細胞も紫外線の照射によって、上記に記載のケラチノサイトの活性化と類似した過程で活性化が行われ、紫外線量が増加するとともに死滅されることもあり、DNA損傷され、究極的には皮膚癌を発生させ、老化を促進する。即ち、紫外線は皮膚の発赤、免疫抑制、皺生成及び究極的には皮膚老化と皮膚癌を起こし得るため、紫外線照射の遮断及び防止は皮膚癌の予防及び老化の遅延に重要な要素となる。
最近、大気汚染など、環境汚染によるオゾン層の破壊で地上に到達する紫外線量が増加し、紫外線の領域もまた変化して、皮膚老化及び皮膚癌が増加しつつあり、これからは更に増加すると予測される。従って、紫外線から皮膚を保護することが化粧品分野で非常に重要な部分を占めており、多くの化粧品製造会社で関連商品を市場に出すために多くの研究をしている。現在利用されている方法としては、単純な紫外線遮断剤、あるいは紫外線吸収剤を使用して紫外線からの被害を防止している実情であり、最近はこれらの紫外線遮断剤自体が突然変異を誘発し、皮膚癌の発生可能性を有しているという報告がある。
このような紫外線による皮膚損傷は究極的に皮膚老化と関連があるため、これらを防御する方法は化粧品業界の関心事項の一つである。紫外線による皮膚損傷を防ぐためには、活性酸素を抑制するか、生成を阻害する方法があり、他には直接的に紫外線を遮断することがある。多くの紫外線関連製品は紫外線を遮断する特徴を持ち、最近は天然物を利用し、紫外線によって発生する活性酸素を抑制する方法をよく使用している。
本発明者は既存の紫外線遮断剤のように、単純な遮断作用を持つものではなく、毒性を示さず、皮膚細胞が紫外線照射によって損傷されることを根本的に抑制し、長期的に皮膚老化及び皮膚癌を根本的に予防する植物生理活性物質を探そうと努力した結果、大山蓮華抽出物が紫外線による皮膚損傷防止に卓越した効果を持つことを確認し、本発明を完成した。
従って、本発明の目的は、大山蓮華抽出物を有効成分として含む光老化防止用の化粧料組成物を提供することである。
また、本発明の他の目的は、大山蓮華抽出物を有効成分として含む皮膚皺改善用の化粧料組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、前記大山蓮華抽出物を含有する化粧料組成物を人間の皮膚に塗布することを特徴とする化粧方法を提供することである。
本発明の他の目的、及び利点は下記の実施例及び請求範囲によって更に明確になる。
本発明の態様によると、本発明は大山蓮華抽出物を含む光老化防止用の化粧料組成物を提供する。
本発明の他の態様によると、本発明は大山蓮華抽出物を含む皮膚皺改善用の 化粧料組成物を提供する。
本発明の化粧料組成物の有効成分である大山蓮華抽出物は、木蓮科の落葉闊葉小喬木であるオオヤマレンゲ(Magnolia sieboldii)であり、大山蓮華抽出物は大山蓮華の多様な部位のうち、花から抽出したものである。
大山蓮華の高さは7メートル位であり、葉は散発的で長い楕円型をであって、光沢がある。5〜6月に白く大きい花が下を向いて咲き、果実は9月に熟する。観賞用であって、深い山の中腹の谷で育ち、咸鏡北道を除いた韓国各地と日本、中国などで分布する。
本発明で利用される大山蓮華は、大山蓮華の花、葉、枝、根から得られ、好ましくは花または枝、更に好ましくは花から得られる。
本発明で利用される大山蓮華抽出物は、当業界で公知された多様な方法から得られ、好ましくは(a)水、(b)炭素数1〜4の無水又は含水低級アルコール(例:メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなど)、(c)アセトン、(d)エチルアセテート、(e)クロロホルム、又は(f)1,3−ブチレングリコールを抽出溶媒にして前記大山蓮華から得たものである。更に、好ましくは、抽出溶媒はエタノールであり、更に好ましくは、約70%エタノールである。抽出の材料となる大山蓮華は、これを乾燥して使用するか、又はそのまま使用でき、好ましくは乾燥して使用する。乾燥法としては、自然乾燥、又は熱風乾燥法が用いられる。
本発明の下記の特定製造例を参照して大山蓮華抽出物の製造方法を説明すると次のようである。乾燥された大山蓮華に含水エタノールを添加し、室温で数日間沈出する。これを濾過し、濾液を真空濃縮して乾燥抽出物を得る。
一方、本発明の抽出物は前記抽出溶媒だけでなく、他の抽出溶媒を用いても実質的に同一な効果を表す大山蓮華抽出物が得られるということは当業者にとって自明である。
又、本発明の抽出物は、前述した抽出溶媒による抽出物だけでなく、通常の精製過程を経た抽出物も含む。例えば、一定の分子量カットオフ値を有する限外濾過膜を用いた分離、様々なクロマトグラフィー(サイズ、電荷、疎水性、又は親和性による分離のために製作されたもの)による分離など、追加的に実施された様々な精製方法を用いて得られた分画も本発明の大山蓮華抽出物に含まれるものである。
本発明の大山蓮華抽出物は、減圧蒸留、凍結乾燥、又は噴霧乾燥などのような追加的な過程により、粉末状態に製造されることもある。
本発明の大山蓮華抽出物は、紫外線などの外的要因による皮膚損傷から皮膚を保護する活性を有する。
UVBは皮膚に一番大きい影響を与え、主に表皮まで浸透して皮膚細胞に影響を与える。UVAは皮膚内真皮まで浸透し、主にコラーゲン合成関連の皮膚細胞に影響を与える。これらの紫外線は直接的に影響を与えるか、間接的には活性酸素を発生させ、皮膚に影響を与える。
上記外的要因には、紫外線、ストレス及び外部有害化学物質などがあり、前記要因は自由ラジカル(例えば、ヒドロキシラジカル、スーパーオキサイドラジカル、活性酸素及び過酸化水素)を発生させ、皮膚の酸化的ストレスを高め、炎症、皮膚細胞死滅、及び皮膚細胞DNA損傷などを起こし、結果的に皮膚癌発生、または皮膚の老化を促進する。
本発明の用語「皮膚損傷」は、皮膚がその正常的な機能を行えないことを意味し、皮膚の構成物質(コラーゲン及びエラスチンなど)の損傷、皮膚細胞の機能損傷、及び皮膚細胞の死滅などを含む。
本発明の皮膚細胞は皮膚に存在する全ての細胞を含み、好ましくはケラチノサイト及び繊維芽細胞である。
本発明の用語「皮膚保護」は、皮膚の損傷を防止し、損傷された皮膚を改善することを含む。
従って、本明細書において紫外線による皮膚損傷防止及び皮膚保護、即ち、「光老化防止」は、活性酸素の生成を抑制し、コラーゲン合成を促進させ、コラゲナーゼの生成を抑制させることによって皮膚皺を改善することと同一な意味で使用される。
本発明の大山蓮華抽出物は、紫外線によって皮膚が受ける酸化的ストレスを除去することにより皮膚細胞の死滅を抑制し、DNA損傷を防止して皮膚を保護することになり、長期的には皮膚癌発生及び皮膚老化などを根本的に予防し、皮膚皺を効果的に改善することになる。
本発明の大山蓮華抽出物は皮膚に局所的に塗るか、撒くことによりその効果が達成される。従って、本発明の好ましい一様態によると、本発明の組成物はクリーム、ローション及び柔軟水などの化粧料組成物又はスプレー及び軟膏などの薬剤学的組成物の形態で製造される。
本発明の大山蓮華抽出物の含量は、総組成物に対し、0.0001−20.0重量%であり、好ましくは0.01−10重量%である。
本発明の組成物が化粧品に剤形される場合、本発明の化粧料組成物に含まれる成分は、有効成分としての大山蓮華抽出物以外に、化粧品組成物に通常的に利用される成分を含み、例えば、抗酸化剤、安定化剤、溶解化剤、ヴィタミン、顔料、及び香料といった通常の補助剤、そして担体を含む。
本発明の皮膚保護用の化粧料組成物は、当業界で通常的に製造されるいかなる剤形にも製造でき、例えば、溶液、懸濁液、乳濁液、ペースト、ゲル、クリーム、ローション、パウダー、石鹸、界面活性剤‐含有クレンジング、オイル、粉末ファンデーション、乳濁液ファンデーション、ワックスファンデーション、及びスプレー等に剤形化することができるが、これに限定されるものではない。より詳しくは、柔軟化粧水、栄養化粧水、栄養クリーム、マッサージクリーム、エッセンス、アイクリーム、クレンジングクリーム、クレンジングフォーム、クレンジングウォーター、パック、スプレー、又はパウダーの剤形に製造されることができる。
本発明の剤形がペースト、クリーム又はゲルである場合は、担体成分として、動物性油、植物性油、ワックス、パラフィン、澱粉、トラカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、シリカ、滑石、
又は酸化亜鉛などが用いられる。
本発明の剤形がパウダー、又はスプレーである場合は、担体成分として、ラクトース、滑石、シリカ、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、又はポリアミドパウダーが用いられ、特にスプレーである場合は、追加的にクロロフルオロヒドロカーボン、プロパン/ブタン、又はジメチルエーテルのような推進体を含むことができる。
本発明の剤形が溶液、又は乳濁液である場合は、担体成分として、溶媒、溶解化剤、又は乳濁化剤が用いられ、例えば、水、エタノール、イソプロパノール、エチルカーボネート、エチルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3−ブチルグリコールオイル、グリセロール脂肪族エステル、ポリエチレングリコール、又はソルビタンの脂肪酸エステルがある。
本発明の剤形が懸濁液である場合は、担体成分として、水、エタノール、或いはプロピレングリコールのような液状の希釈剤、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステル、及びポリオキシエチレンソルビタンエステルのような懸濁剤、微小結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天 、又はトラカント等が用いられる。
本発明の剤形が界面活性剤−含有クレンジングである場合は、担体成分として、脂肪族アルコールサルフェート、脂肪族アルコールエーテルサルフェート、スルホコハク酸モノエステル、イセチオナート、イミダゾリウム誘導体、メチルタウレート、サルコシネート、脂肪酸アミドエーテルサルフェート、アルキルアミドベタイン、脂肪族アルコール、脂肪酸グリセリド、脂肪酸ジエタノールアミド、植物性油、ラノリン誘導体、又はエトキシル化グリセロール脂肪酸エステルなどが用いられる。
また、本発明は、本発明の大山蓮華抽出物を含有する化粧料組成物を人間の皮膚に塗布することを特徴とする化粧方法を提供する。
本発明の化粧方法は、本発明の化粧料組成物を人間の皮膚に塗布する全ての化粧方法を指す。即ち、化粧料組成物を皮膚に塗布する当業界に公知された全ての方法が本発明の化粧方法に属する。
本発明の化粧料組成物は単独又は重複塗布して使用するか、本発明以外の他の化粧料組成物と重複塗布して使用することができる。また、本発明による皮膚保護効果に優れた化粧料組成物は、通常的な使用方法によって使用し、使用者の皮膚状態又は好みによってその使用回数を異ならせることができる。
本発明の化粧料組成物が石鹸、界面活性剤含有クレンジング、又は界面活性剤非含有クレンジング剤形である場合、皮膚に塗布した後、拭き取るか、外すか、水で洗うこともできる。具体的な例として、前記石鹸は、液状石鹸、粉石鹸、固形石鹸、及びオイル石鹸であり、前記界面活性剤含有クレンジング剤形は、クレンジングフォーム、クレンジングウォーター、クレンジングタオルおよびクレンジングパックであり、前記界面活性剤非含有クレンジング剤形は、クレンジングクリーム、クレンジングローション、クレンジングウォーターおよびクレンジングゲルであり、これに限定されるものではない。
本発明の大山蓮華抽出物を含む化粧料組成物を人間の皮膚に塗布する化粧方法を行うと、紫外線によって損傷されるDNA及び皮膚を保護、コラーゲン生合成の増進及びコラーゲン分解酵素の生合成抑制を含む光老化防止効果及び皮膚皺改善効果が得られる。
本発明は大山蓮華抽出物を有効成分として含有する光老化防止用の化粧料組成物を提供する。また、本発明は大山蓮華抽出物を有効成分として含有する皺改善用の化粧料組成物を提供する。発明の大山蓮華抽出物は、紫外線照射による皮膚細胞の死滅を抑制し、細胞のDNA損傷を抑制するなど、紫外線及び皮膚損傷から皮膚を保護し、コラーゲン生合成を増進し、コラーゲンを分解する酵素の合成を抑制することによって皮膚皺を改善することができる。また、本発明の大山蓮華抽出物を適用した化粧料は、紫外線による皮膚損傷の抑制効果及び皺改善効果に優れている。
以下、実施例を通して本発明を更に詳細に説明する。これらの実施例はただ本発明を更に具体的に説明するためのものであって、本発明の要旨により、本発明の範囲がこれらの実施例によって制限されないということは、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者にとって自明である。
製造例1. 大山蓮華の花抽出物の製造
乾燥された大山蓮華の花(キョンドン市場、国内産)100gに水及びエタノールの比率を7:3に調整した70%エタノール1.0Lを加え、実温で3日間浸出した。これを濾過し、濾液を真空濃縮して乾燥抽出物を得て、抽出収率は7.8g/100gであった。前記乾燥抽出物を1%(w/v)濃度となるように30%1,3−ブチレングリコール溶液で溶解し、濾過した後、本発明の実験に適用した。
製造例2. 大山蓮華の全草抽出物の製造
乾燥された大山蓮華の全草100gに水及びエタノールの比率を7:3に調整した70%エタノール1.0Lを加え、実温で3日間浸出した。これを濾過し、濾液を真空濃縮して乾燥抽出物を得て、抽出収率は7.0g/100gであった。前記乾燥抽出物を1%(w/v)濃度となるように30%1,3−ブチレングリコール溶液で溶解し、濾過した後、本発明の実験に適用した。
実験例1:紫外線による人体ケラチノサイトの細胞死滅抑制効果
ケラチノサイトに紫外線が照射されると、細胞内で活性酸素が分泌される。前記現象を人為的に誘導するために、人体の正常角質細胞であるHacat細胞(韓国細胞主銀行)を48−ウェルマイクロプレート(48−well microplate)の各ウェルに1×104細胞となるように接種し、DMEM培地(シグマ社、米合衆国)で24時間37℃で培養した。ここに紫外線(UVB)を照射した後、各々のウェルに製造例1の大山蓮華抽出物を培養液に0.1、0.5、1.0、2.0%(v/v)添加した後、24時間経過後、細胞活性をMIT分析法で確認した。
Figure 0005322948
前記表1のように、本発明の大山蓮華抽出物は過酸化水素によるケラチノサイトの死滅を濃度依存的に抑制し、その効果が卓越していた。
実験例2:紫外線による人体繊維芽細胞の死滅抑制効果
繊維芽細胞に紫外線が照射されると、細胞内で活性酸素が分泌され、細胞は損傷を受ける。前記現象を人為的に誘導するために、人体の繊維芽細胞(韓国細胞主銀行)を48−ウェルマイクロプレート(48−well microplate)の各ウェルに1×104細胞となるように接種し、DMEM培地(シグマ社、米合衆国)で24時間37℃で培養した。ここに紫外線(UVA)を照射した後、各々のウェルに製造例1の大山蓮華抽出物を0.1、0.5、1.0、2.0%(v/v)に調整して培養液に添加した後、24時間経過後、細胞活性をMIT分析法で確認した。
Figure 0005322948
前記表2のように、本発明の大山蓮華抽出物は紫外線による繊維芽細胞の死滅を濃度依存的に抑制し、その効果が卓越していた。
実験例3:紫外線による繊維芽細胞DNAの損傷抑制効果
繊維芽細胞は紫外線照射によってDNA損傷が誘発されるが、この防止は皮膚癌の予防及び老化の遅延に重要な要素となる。従って、本発明の大山蓮華抽出物に前記DNA損傷誘発を抑制する効果があるのか確認するために、次の実験を実施した。
24-ウェル細胞培養プレートに5×104細胞/ウェルで繊維芽細胞(韓国細胞主銀行)を接種した。ここに紫外線(UVA)を照射した後、各々のウェルに製造例1の 大山蓮華抽出物を培養液に1.0、2.0%(v/v)添加した後、24時間経過後、単細胞電気泳動(Comet分析)を実施した(実施例1及び実施例2)。この際、比較のために、紫外線照射及び大山蓮華抽出物を処理しなかった対照群(対照例1)と、紫外線照射のみ実施し、大山蓮華抽出物を処理しなかった比較例(比較実施例1)をともに実施した。映像分析器(image analyzer: Komet, 3.1, Kinetic imaging, イングランド)を使用して尾の長さ(tail length:μm)を測定し、これを尺度にしてDNA損傷程度を分析した。
Figure 0005322948
前記表3のように、本発明の大山蓮華抽出物は紫外線による繊維芽細胞のDNA損傷(比較実施例1参照)を濃度依存的に抑制し(実施例1及び実施例2参照)、本発明の製造例1の大山蓮華抽出物を2容積%で処理した実施例2の結果は、対照群と略類似した値を得たことにより、紫外線による繊維芽細胞のDNA損傷抑制効果が非常に優れていることを証明した。
実験例4:大山蓮華抽出物のコラーゲン分解酵素の生成抑制効果
前記実施例1で得た試料を用いて本実験を実施したが、実験は次のように進行された。まず、人体の正常繊維芽細胞を48−ウェルマイクロプレート(ナンク社、デンマーク)の各ウェルに1×106細胞となるように接種し、DMEM培地(シグマ社、米合衆国)で24時間37℃で培養した。次いで、製造例1及び製造例2の大山蓮華抽出物を0.01、0.1、1.0、2.0及び5.0%(v/v)にし、血清のないDMEM倍地に交替した後、48時間、追加培養した。この際に、対象群として大山蓮華抽出物が含まれていない、血清のないDMEM倍地に交替して実験した(対照例2)。培養後、各ウェルの上層液を集めてコラーゲン分解酵素分析キット(Amersham、米合衆国)を用いてコラーゲン分解酵素生成の程度を測定し、その結果を下記表4に示した。
Figure 0005322948
前記表4の結果からも分かるように、本発明の大山蓮華抽出物は何ら処理もしなかった対照例2と比べてコラーゲン分解酵素の生成を抑制し、実施例3乃至7及び実施例8乃至12の結果からも分かるように、濃度依存的にコラーゲン分解酵素の生成を抑制することが分かった。また、本発明の大山蓮華抽出物において、 大山蓮華全草から抽出した大山蓮華全草抽出物より、大山蓮華花抽出物がコラーゲン分解酵素生成の抑制効果において優れていることが分かった。
実験例5. 大山蓮華抽出物のコラーゲン合成増進効果
人体の正常繊維芽細胞を48−ウェルマイクロプレートの各ウェルに1×106細胞となるように接種し、DMEM培地で24時間37℃で培養した。次いで、製造例1及び製造例2の大山蓮華抽出物を0.01、0.1、1.0、2.0及び5.0%(v/v)にし、血清のないDMEM倍地に交替した実験群(実施例13〜22)と、大山蓮華抽出物が含まれていない、血清のないDMEM倍地に交替した対象群(対照例3)を24時間、追加培養した。培養後、各ウェルの上層液を集めてプロコラーゲン(procollagen)タイプIC−ペプチド(PICP) 量をキット(Takara、日本)を用いて新しく合成されたコラーゲン量を測定し、下記表5に示した。
Figure 0005322948
前記表5の結果から分かるように、本発明の大山蓮華抽出物は何ら処理もしなかった対照例3と比べてコラーゲン生成量が非常に増加したことが確認され、本発明の大山蓮華抽出物がコラーゲン生成増進効果に優れていることを立証した。また、実施例13乃至17及び実施例18乃至22の結果からも分かるように、大山蓮華抽出物は濃度依存的にコラーゲン生成増進効果に優れており、前記実験例4と同様に、大山蓮華全草抽出物より大山蓮華花抽出物が更に優れた効果を表した。
以下、剤形例では本発明の製造例1から製造された大山蓮華花抽出物を使用したが、製造例2の大山蓮華全草抽出物を使用しても構わない。
剤形例1.柔軟化粧水(スキン)
上記で収得した大山蓮華抽出物を含む化粧料のうち、柔軟化粧水(スキン)の剤形例は次のようである。
Figure 0005322948
剤形例2.栄養化粧水(ミルクローション)
上記で収得した大山蓮華抽出物を含む化粧料のうち、栄養化粧水(ミルクローション)の剤形例は次のようである。
Figure 0005322948
剤形例3:栄養クリーム
上記で収得した大山蓮華抽出物を含む化粧料のうち、 栄養クリームの剤形例は次のようである。
Figure 0005322948
剤形例4:マッサージクリーム
本発明の大山蓮華抽出物を含む化粧料のうち、マッサージクリームの剤形例は次のようである。
Figure 0005322948
剤形例5:パック
上記で収得した大山蓮華抽出物を含む化粧料のうち、 パックの剤形例は次のようである。
Figure 0005322948
実験例6.紫外線による皮膚保護効果
本発明の大山蓮華抽出物が含有された化粧料の紫外線による皮膚保護を確認するために、次のように実験を実施した。まず、人為的に人の皮膚に紫外線を照射した後(1.5MED)、剤形例3で製造した栄養クリームを6時間間隔で塗布した。比較例としては、剤形例3から大山蓮華抽出物を抜いたものを使用した。実験は20名を対象にし、紫外線を照射してから48時間後、紅斑生成程度の目視評価及び機器評価を実施した。機器評価は皮膚色度計(Skin colorimeter, Minolta社、日本)を用いて測定し、結果は下記表11に示した。
Figure 0005322948
*使用前:紫外線照射前
**使用後:紫外線照射後の48時間経過後
*** a value:皮膚の紅斑程度を示し、この値は平均(20名)値を示す。
前記表11の結果から分かるように、本発明の大山蓮華抽出物が含有された剤形の紅斑生成程度が、大山蓮華抽出物が添加されない剤形より著しく減少することが確認され、これは大山蓮華抽出物が紫外線による皮膚損傷を抑制する効果に非常に優れていることを表す。
実験例7: 大山蓮華抽出物を含有した化粧料の皺改善効果の評価
本発明の化粧料の皺改善効果を実際使用テストを通して評価した。製造例1の大山蓮華抽出物を1%(v/v)含有している剤形例3の栄養クリーム、及び剤形例3の栄養クリームにおいて大山蓮華抽出物を精製水に代替したクリームを比較例として使用した。30名の女性を対象に、顔の一方面には剤形例3の栄養クリームを、他方面には比較例のクリームを使用して、6週後の皺改善効果を専門家の目視評価を通して皺の改善程度を評価した。この評価に基づいた皺改善効果の結果は、下記の表12に示した通りである。
Figure 0005322948
前記表12の結果から分かるように、本発明の大山蓮華抽出物を含有した剤形例3の栄養クリームは、 大山蓮華抽出物を含有しなかった比較例のクリームと比べて高い皺改善効果を表し、本化粧料を皮膚に塗布した大部分の被験者から皮膚刺激は観察されなかった。

Claims (3)

  1. 大山蓮華の花のアルコール抽出物を有効成分として含むコラーゲン合成増進用化粧料組成物であって、前記大山蓮華の花抽出物の含量は前記化粧料組成物の総重量に対し0.01乃至10.0重量%であるコラーゲン合成増進用化粧料組成物。
  2. 前記化粧料組成物は、溶液、懸濁液、乳濁液、ペースト、ゲル、クリーム、ローション、パウダー、石鹸、界面活性剤‐含有クレンジング、オイル、粉末ファンデーション、乳濁液ファンデーション、ワックスファンデーション、及びスプレーから構成された群から選択される剤形を有することを特徴とする請求項1に記載の化粧料組成物。
  3. 第1項又は第2項の化粧料組成物を人間の皮膚に塗布することを特徴とする化粧方法。
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