JP5322814B2 - グリルユニット並びに加熱調理器 - Google Patents
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Description
図1は本発明の全ての実施の形態に係るグリルユニットを備えた加熱調理器のグリル扉装置を引き出した状態の斜視図、図2は図1のグリルユニットの側面断面図、図3は図2のグリル扉装置をグリル室内に収納した状態の側面断面図、図4は図2の摺動レールを引き出した状態の側面図、図5は図4の摺動レールを押し込んだ状態の側面図、図6は図4のA−A断面図である。
そして、摺動レール23は、その開口部を固定ガイドレール14の開口部側から、上下のフランジの外面にリテーナ25のころ26を介して嵌合され、長手方向に摺動自在に保持されている(図4〜図6)。
また、図3、図5はグリル扉装置20をグリル室11内に収容した状態を示すもので、摺動レール23のストッパー24aが固定ガイドレール14のストッパー15に当って停止し、グリル室11の開口部12はグリル扉21によって閉塞される。
図7は本発明の実施の形態1に係るプルアップ機構130をグリルユニットに備えた加熱調理器のグリル扉装置を引き出した状態の斜視図である。図において、図1〜図6と同符号は同一または相当部分である。実施の形態1におけるプルアップ機構130は、グリル扉21をグリル室11の開口部12を開成するように前方に移動した(引き出した)ときに、後述する載置枠131を上昇させるものであり、後述するプルアップアーム132及びサポート用アーム134から構成される。グリル皿40を載置するように外径が矩形状に構成された載置枠131と、一端が載置枠131に接続され、他端側が摺動レール23a、23bの後端側にそれぞれピン32により回動自在に軸支されたプルアップアーム132a、132bが、その後端部側が摺動レール23の後端側にピン32により回動自在に軸支されている。また、プルアップアーム132aのほぼ中央部に一端が接続され、他端が摺動レール23aの所定位置に接続されたバネ133aが設けられている。同様に、プルアップアーム132bのほぼ中央部に一端が接続され、他端が摺動レール23bの所定位置に接続されたバネ133bが設けられている。また、サポート用アーム134a、134bは、プルアップアーム132a、132bと同形のアームであり、バネが付いてないため、プルアップアーム132a、132bの動作に従動してプルアップ動作を行う。このプルアップアーム132a、132bとサポート用アーム134a、134bにより、載置枠131を常時水平位置に維持することができる。
また、サポート用アーム134a、134bにバネを付け、プルアップアーム132a、132bにはバネを付けないように構成しても良く、この場合にも同様の効果を奏する。
図9は、図7のグリルユニットの側面断面図、図10は図9のグリル扉装置をグリル室内に収納した状態の側面断面図である。
図9及び図10に示すように一方の摺動レールの長手方向の中央より左側及び中央より右側にそれぞれ長孔135a、136aが設けられており、ここにプルアップアーム132aの一方の端部と、サポート用アーム134aの一方の端部がピン32により回動自在に軸支される。プルアップアーム132aの中央部にはバネ133aの一端が接続され、バネ133aの他端は摺動レール23aに接続されている。また、プルアップアーム132aの一方の端部と、サポート用アーム134aの一方の端部は載置枠131に接続されており、ここでは、載置枠131の上に載置台43が載置され、さらに載置台43の上に魚などの被調理物51を載置した焼き網30とそれを支持する網載置台31が載置されている。
図9に示すようにグリル扉21を前方に引き出した状態では、プルアップアーム132aはバネ133aの弾性力により拡張される方向に付勢される。一方、プルアップアーム132aの下端部はピン32と長孔135aによって上下方向の移動が禁止されている。このため、プルアップアーム132aは上方へ立ち上がる方向に駆動され、載置枠131の上面と加熱調理器本体の天板3の面と略面一の高さになるような位置でやや前方に傾斜した状態で前後方向に水平な安定状態を維持できるようにバネ力、プルアップアーム132aの長さ及びサポート用アーム134aの長さが調整されている。
他方の摺動レールに接続されたプルアップアーム132の動作も図示していないが同様である。
調理者が把手22を持ちながらグリル扉21を後方のグリル室11側へ押し込んでいくと、まず、プルアップアーム132aがアーム制御機構137と当接する。このとき、アーム制御機構137はグリル室11の側壁11aに固定されており、プルアップアーム132aはやや前方に傾斜した状態でアーム制御機構137と当接し、プルアップアーム132aの摺動レール23側端部は上下方向の移動がピン32と長孔135aにより禁止されているため、バネ133aはグリル扉21が後方へ押し込まれていくに従って徐々に圧縮されていく。従って、プルアップアーム132aはバネの圧縮に伴って徐々に前方へ倒れていく。サポート用アーム134aはプルアップアーム132aの動作に従動して同様に前方へ倒れていく。このようにして、被調理物51、焼き網30及び網載置台31を載置した載置枠131は水平状態を維持しながら徐々にグリル室11内に収納されていく。プルアップアーム132aの前方への倒れ込みは、プルアップアーム132aの上部がアーム制御機構137の下端と当接するまで行われる。これ以後はプルアップアーム132aの上部がアーム制御機構137の下端と当接したまま後方へ水平移動する。サポート用アーム134aも同様である。
他方の摺動レール23bに接続されたプルアップアーム132b及びサポート用アーム134bの動作も図示していないが同様である。
このようにして、グリル扉装置20全体がグリル室11内に押し込まれた最終的な収納状態は図10に示す通りである。
また、調理者がグリル扉21を前方へ引き出しながら被調理物51を含む載置台31を載置する載置枠131をグリル室内から引き出す過程については上記と逆の順序で動作する。
実施の形態1では、プルアップアーム132とこのプルアップアーム132に従動するサポート用アーム134を備えた場合について説明したが、サポート用アーム134を削除することも可能である。本実施の形態2では、このような場合について説明する。
図12は本発明の実施の形態2に係るプルアップ機構130をグリルユニットに備えた加熱調理器のグリル扉装置を引き出した状態のグリルユニットの側面断面図、図13は図12のグリル扉装置をグリル室内に収納した状態の側面断面図である。また、図14はスライド係合部の断面図であり、図14(a)は図12におけるB−B矢視断面図、図14(b)は図14(a)におけるC−C矢視断面図である。
図12〜図13において、図10〜図11と同符号は同一または相当部分である。
図12に示すようにサポート用アーム134を使用する代わりにスライド係合部140が用いられる。すなわち、実施の形態2におけるプルアップ機構130は、プルアップアーム132及びスライド係合部140から構成される。スライド係合部140は載置枠131を上下方向にスライド自在にグリル扉21に固着させる手段であり、図14に示すように、円板状態のスライドピン141と、一端がこのスライドピンの中心と回動自在に接続され、他端が載置枠131の4辺の枠の内のグリル扉21側の1辺と接続する軸部142と、上下方向に長手方向を有し、断面形状が略コ字状であり、且つスライドピン141を包み込むように構成されたホルダー143とから成り、スライドピン141とホルダー143とは左右に所定の隙間144と、前後に所定の隙間145と、を持つようにグリースなどで埋め込んでおく。これにより、載置枠131は上下方向にスライド可能である。
従って、調理者がグリル扉21をグリル室11側に押し込む時に、実施の形態1と同様にしてプルアップアーム132の倒れ込みによって載置枠131が上下方向に移動するのに伴い、スライド係合部140は下方へスムーズに移動するので、載置枠131は大きく振動することなく、水平状態を維持したままグリル室11内へ収納されていく。従って、被調理物51の零れや崩れが殆どないかあるいは全くない状態で収納可能であり、この後、加熱調理が行われる。
また、調理後や調理前にグリル扉21を引出すときには、バネ133の拡張する方向に付勢される弾性力により上記と逆の方向に動作する。このとき、プルアップアーム132に取り付けられたバネ133の伸びによる振動の一部をスライド係合部140で吸収するので同様に被調理物51の零れや崩れが殆どないかあるいは全くない状態でグリル室11からの引出しが可能である。
図15は本発明の実施の形態3に係るプルアップ機構130をグリルユニットに備えた加熱調理器のグリル扉装置を引き出した状態のグリルユニットの側面断面図、図16は図15のグリル扉装置をグリル室内に収納した状態の側面断面図である。
図15は、図9における1枚の金属板で構成されたプルアップアーム132に代えて、2枚の金属板をほぼ中央で重ねてピン32を支点として回動自在に軸支させ、さらに2枚の板同士をバネで接続したプルアップアーム132を設けたものである。また、1対のプルアップアーム132と1対のサポート用アーム134に代えて、2対のプルアップアーム132を設ける。さらに、一方の摺動レール23に接続される2つのプルアップアーム132同士を1枚の金属板で構成された接続用アーム138で接続する。このように、実施の形態3におけるプルアップ機構130は、上記2対のプルアップアーム132及びこれらを接続する接続用アーム138から構成される。
図15に示すようにグリル扉21を前方に引き出した状態では、2枚構成のプルアップアーム132aはバネ133aの弾性力により拡張される方向に付勢され、プルアップアーム132aの下端部はピン32と長孔135aによって上下方向に固定されているため、上方へ立ち上がる方向に駆動され、載置枠131の上面と加熱調理器本体の天板3の面と略面一の高さになるような位置でやや前方に傾斜した状態で前後方向に水平な安定状態を維持できるようにバネの付勢力、プルアップアーム132aの長さ及びサポート用アーム134aの長さが調整されている。このとき、一方の摺動レール23に接続されている2つのプルアップアーム132同士は接続用アーム138で接続されているので、双方とも同じ動作を行う。従って、載置枠131は水平位置を維持できる。
他方の摺動レール23bに接続されたプルアップアーム132b及びサポート用アーム134bの動作も図示していないが同様である。
調理者が把手22を持ちながらグリル扉21を後方のグリル室11側へ押し込んでいくと、まず、2つのプルアップアーム132aの内、グリル室11に近い方のプルアップアーム132aを構成する2枚の金属板の内、上方の金属板がアーム制御機構137と当接する。このとき、アーム制御機構137は固定されており、プルアップアーム132aの摺動レール23側も上下方向においてはピン32と長孔135aにより固定されているため、バネ133aはグリル扉21が後方へ押し込まれていくに従って徐々に圧縮されていく。従って、プルアップアーム132aはバネの圧縮に伴って2つに折れて前方へ倒れていく。このとき、他方のプルアップアーム132cは接続用アーム138に接続されているためプルアップアーム132aの動作に従動して同様に2つに折れて前方へ倒れていく。従って、載置枠は水平を維持しながら徐々にグリル室内に収納されていく。プルアップアーム132aの前方への倒れ込みは、プルアップアーム132aの上端部がアーム制御機構137の下端と当接するまで行われる。これ以後はプルアップアーム132aの上端部がアーム制御機構137の下端と当接したまま後方へ移動する。他方のプルアップアーム132cも同様である。
他方の摺動レール23bに接続されたプルアップアーム132b及びサポート用アーム134bの動作も図示していないが同様である。
このようにして、グリル扉装置20全体がグリル室11内に押し込まれた最終的な収納状態は図16に示す通りである。
また、調理者がグリル扉21を前方へ引き出しながら被調理物51を含む載置台31を載置する載置枠131をグリル室内から引き出す過程については上記と逆の順序で動作する。
図17は本発明の実施の形態4に係るプルアップ機構130をグリルユニットに備えた加熱調理器のグリル扉装置を引き出した状態のグリルユニットの側面断面図、図18は図17のグリル扉装置をグリル室内に収納した状態の側面断面図、図19は本発明の実施の形態4に係るプルアップ機構130を備えたグリルユニットの正面断面図である。
図17において、図7と同符号は同一または相当部分である。図17は図7におけるプルアップアーム132aからバネを削除し、さらにアーム制御機構137aをグリル室11の側壁11aに溶接などにより固着した以外は図7と同じである。すなわち、実施の形態4におけるプルアップ機構130は、プルアップアーム132及びサポート用アーム134から構成される。このアーム制御機構137aは、所定の間隔で平行に配設され、グリル室内の前方で徐々に立ち上がる2本のレールである。プルアップアーム132aの載置枠131と接続する軸部139をさらにグリル室11の側壁11aまで延設して上記2本のレール間に回動自在に嵌合させる。このときアーム制御機構137aのレールと、このレールに嵌入された軸部139との間には多少の隙間があり、移動自在に構成されている。なお、この隙間をベアリングで埋めて軸部139を移動自在に構成することも可能である。従って、グリル扉21の前後方向の移動に伴い、摺動レール23が前後方向へ移動すると、プルアップアーム132aはアーム制御機構137aのレール間に嵌合された軸部139によって、レールに沿って、上下に移動する。
また、図19(b)に示すようにレール及び軸部139は載置枠131の中央を線対称の中心としてグリル室11の開口部を正面として左右方向に線対称の位置に配設されており、載置枠131は載置枠131とグリル室11の側壁11aのレールとの間を接続する2つの軸部139によってレールに沿って左右方向に水平状態を維持したまま移動自在に軸支されている。
また、サポート用アーム134については、実施の形態1と同様である。
図17に示すようにグリル扉21を前方に引き出した状態では、プルアップアーム132aの上端部に取り付けられた軸部139は前方で立ち上がるレールに沿って上方へ移動する。一方プルアップアーム132aの下端部はピン32と長孔135aによって上下方向の移動は禁止されている。従って、プルアップアーム132aは上方へ立ち上がるように駆動される。最終的に安定した位置にあるとき、載置枠131の上面と加熱調理器本体の天板3の面と略面一の高さになるような位置で水平状態を維持できるようにプルアップアーム132aの長さと立ち上がり角度が調整されている。サポート用アーム134aもプルアップアーム132aと同じものが使用されており、プルアップアーム132aの動作に従動する。
他方の摺動レール23bに接続されたプルアップアーム132b及びサポート用アーム134bの動作も図示していないが同様である。
また、グリル扉21の上方後部は載置枠131が最終位置に到達したときに水平な安定状態を維持したまま停止するように切欠け部21aを設けている。また、載置枠131の一辺の下端がグリル扉21の切欠け部21aに当接することで、載置枠131は前後方向に水平な安定状態を維持できる。
調理者が把手22を持ちながらグリル扉21を後方のグリル室11側へ押し込んでいくと、まず、プルアップアーム132aがアーム制御機構137aのレール間に嵌合する。このとき、アーム制御機構137aはグリル室11の側壁11aに溶接などにより固着されており、プルアップアーム132aの摺動レール23側も上下方向の移動はピン32と長孔135aにより禁止されているため、プルアップアーム132aはグリル室11側へ押し込まれていくに従って前方へ倒れていく。このときサポート用アーム134aもプルアップアーム132aの動作に従動して同様に前方へ倒れていく。従って、載置枠131は水平を維持しながら徐々にグリル室11内に収納されていく。プルアップアーム132aの前方への倒れ込みは、プルアップアーム132aの上部がアーム制御機構137aのレールが水平になる位置まで行われる。これ以後はプルアップアーム132aの上部がアーム制御機構137aのレールに嵌合したまま後方へ水平移動する。サポート用アーム134aも同様である。
他方の摺動レール23bに接続されたプルアップアーム132b及びサポート用アーム134bの動作も図示していないが同様である。
このようにして、グリル扉装置20全体がグリル室11内に押し込まれた最終的な収納状態は図18に示す通りである。
また、調理者がグリル扉21を前方へ引き出しながら被調理物51を含む載置台31を載置する載置枠131をグリル室内から引き出す過程については上記と逆の順序で動作する。
また、レールを金属製のレールとしたが、多数の磁石を並べてレールの形状に構成し、これらをグリル室11の側壁11aに完全に埋め込むかあるいはグリル室11の外壁に貼り付ける。この場合も上記と同様の効果に加え、プルアップアームと磁石とは当接することがないため、当接による摩擦力や衝突などがないため、移動がよりスムーズになり、水平な安定状態を維持したままグリル扉の出し入れができる。さらに、長期使用による煤や煙がレールに溜まることで移動がスムーズにいかないという問題、及び摩擦によるレールや軸部の摩耗などの問題も解消できる。
また、上記の例では、サポート用アーム134とプルアップアームとによって載置枠131の水平状態を維持するように構成したが、サポート用アーム134に代えて載置枠131の前面をグリル扉21に上下動自在に固定するように構成しても良い。この場合も同様の効果を奏する。
図20は本発明の実施の形態5に係るプルアップ機構130をグリルユニットに備えた加熱調理器のグリル扉装置を引き出した状態のグリルユニットの側面断面図、図21(a)は図19のグリル扉装置をグリル室内に収納した状態の側面断面図、図21(b)は同底面を下方から透視した図である。
図20において、図7と同符号は同一または相当部分である。図20はバネ133、アーム制御機構137を削除し、固定ガイドレール14に代えて、前方に進むに従って上方へ徐々に立ち上がるように傾斜を付けてグリル室11の側壁に固定された固定ガイドレール114を有し、さらに摺動レール23に代えて、固定ガイドレール114と同じように前方に進むに従って上方へ徐々に立ち上がるように傾斜を付けて固定ガイドレール114の外周に摺動自在に接合された摺動レール123を有し、プルアップアーム132の下端部及びサポート用アーム134の下端部にはピン32を介してそれぞれ車輪(滑動体)150、151が付加されている以外は図7と同じである。このように、実施の形態5におけるプルアップ機構130はプルアップアーム132、サポート用アーム134及び固定ガイドレール114から構成される。なお、サポート用アーム134のアーム長は、傾斜角度に応じてプルアップアームのアーム長さより短く構成されている。
摺動レール123の上方先端部には係止部152が付加されており、載置枠131が前方且つ上方に引き出されるときにこの係止部152が車輪151に当接して係合することで車輪の前方への移動に伴って摺動レール123を前方へ引き出すことができる。
車輪150及び151は摺動レール123の上に乗っており、摺動レール123に沿って移動することができる。
またグリル扉21の上方後部には載置枠131が最終位置に到達したときに水平な安定状態を維持したまま停止するように切欠け部21aが設けられている。
また、固定ガイドレール114の上方先端部には載置枠131が前後方向に水平な安定状態にあるときに、摺動レール123が重力により自然落下せず、その位置を維持できるように摺動レール123に係合するストッパー153が設けられている。
図20に示すようにグリル扉21を前方に引き出す場合には、プルアップアーム132aの下端部に取り付けられた車輪(滑動体)139が前方で立ち上がるように傾斜した摺動レール123に沿って回転移動するに伴い上方へ移動する。一方、プルアップアーム132aの上端部は載置枠131に溶接などにより固定接続されている。従って、プルアップアーム132aは摺動レール123に沿って上方へ立ち上がるように駆動される。摺動レール123上端部に到達すると、摺動レール123上端部に設けられた係止部152がプルアップアーム132aの車輪151に当接して係合するので、車輪151がさらに前方へ移動すると、これに伴って摺動レール123は固定ガイドレール114に沿って前方へ引き出される。最終的に安定した位置に到達すると、固定ガイドレール114の上方先端部の上面に設けられたストッパー153が摺動レール123の後方下端の上面の内面と係止されるので、摺動レール123が重力により自然落下せず、その位置を維持できる。一方、載置枠131の前端部の下端はグリル扉21の切欠け部に当接し、且つストッパー153によって前後方向に位置を維持している摺動レール123に載置枠131がプルアップアーム132とその車輪150及びサポート用アーム134とその車輪151を介して乗ることで、その重力で摺動レール123の当接個所が沈む(図20ではこの沈みを誇張して示している)ので、載置枠131は前後方向に水平な位置を維持した状態となり、左右同じ高さに配置された摺動レール123の上に載置されることと相俟って前後左右の方向に水平な位置を維持した状態で安定することができる。
そこで、載置枠131のグリル扉21側(グリル室側とは反対側)の一辺に滑車154を取り付け、糸の一端を比重の重い金属材で構成された錘155に接続し、糸の他端を載置枠131のほぼ中央に接続し、この糸を滑車154に引掛けて錘155を垂らす。このように構成することにより、錘155の重力によって載置枠131にはグリル室11側とは反対のグリル扉21側へ引っ張る張力が働く。錘155の重さを調整すれば、載置枠131をグリル室11側へ引っ張る張力と錘155による載置枠131をグリル室11側とは反対のグリル扉側へ引っ張る張力とがほぼバランスするので、載置枠131のグリル室11側へ向く張力を殆どゼロまで緩和させることができる。被調理物51等を載置する載置枠131の重量に応じてこの錘155の重さを調整することで、調理者は、殆ど力を入れずに被調理物を搭載した載置枠131を出し入れできるので負担を劇的に軽減させることができる。
例えば、図22に示すように摺動レール123の外側下面全体にほぼ等間隔に一端が平面で他側に膨らみを持つ断面形状がほぼ半月状の歯156を取付け、さらに一端が平面で他側に膨らみを持つ断面形状がほぼ半月状の歯157を有する歯車158を、摺動レール123下面の歯156の平面と歯車158の歯157の平面同士が対向するように(このとき双方の歯の膨らみ側同士も対向することになる)噛み合わせてグリル室11内の固定ガイドレール114の上部近くの側壁にピン158で回動自在に取付ける。さらにこの歯車157の周囲の一部に歯車158の歯157と一部が噛み合い、ピン160を支点として45度〜90度の角度で上下動可能な凸部161を設ける。この凸部161と歯車158の歯157との噛み合う力は載置枠131が停止位置にあるときにこの載置枠131の落下を防止できる程度以上が必要である。
調理者がグリル扉21を用いてグリル皿40をグリル室11から引出すときには、引出し側とは反対側に被調理物51を載置した載置枠131と摺動レール123の合計の重力が働くので、合計重力と歯車158の歯157と凸部160との噛み合いの力を乗り越える力が必要であり、一時的にはかなりの抵抗があるが、摺動レール123下面全体に歯156が並んで配置されているので、摺動レール123をどの位置に引いてもすぐ摺動レール123の歯と歯車158の歯157同士が噛み合って停止し、これ以上落下することはない。従って、僅かな時間だけ力を入れて引出したら休みを取るという操作を繰り返すことにより、調理者はそれほど大きな負担を必要とすることなく、グリル皿40を引出すことができる。
逆に、調理者がグリル扉21を用いて載置枠131をグリル室11に押し込むときには、押し込み側に被調理物を載置した載置枠131と摺動レール123の合計の重力が働くので、調理者は引き出し時よりも非常に少ない力で上記歯車158の歯157と凸部160との噛み合いの力を乗り越えてグリル室11内に押し込むことができる。
また、上記の例では、プルアップアームが車輪を介して前方に立ち上がる摺動レールに乗る場合について説明したが、図7と同様にプルアップアームがピンと長孔を介して摺動レールに固定されるように構成してもよい。この場合には、実施の形態1の効果に加え、バネとアーム制御機構を使用しないので、構造を簡単にできるため、コスト低減を図ることができる。
Claims (5)
- 前面側に開口部を有し、両側壁の内面の下部に固定ガイドレールが取付けられたほぼ箱状のグリル室と、
前記グリル室の開口部を開閉するグリル扉と、
前記固定ガイドレールに摺動自在に支持される摺動レールと、
略矩形状に組まれ、グリル皿を載置する載置枠と、
前記グリル扉を前記グリル室の開口部を開成するように前方に移動したときに前記載置枠を上昇させるプルアップ機構と、
を備え、
前記プルアップ機構は、
一端が前記摺動レールに回動自在に軸支され、他端が前記載置枠の側面に固定されたプルアップアームと、
一端が前記プルアップアームのほぼ中央部に接続され、他端が前記摺動レールに接続され、前記プルアップアームを所定の高さまで立ち上げるような拡張する向きの付勢力を有するバネと、
前記載置枠を上下方向にスライド自在に前記グリル扉に固着させるスライド係合部と
を備えたことを特徴とするグリルユニット。 - 前記スライド係合部は、
前記グリル扉側に固定された前記上下方向に延びるホルダーと、
前記載置枠側に固定され、前記ホルダーに上下動自在に保持されたスライドピンと
を備え、
前記載置枠は、前記グリル扉の開閉に伴い、前記スライドピンにより前記ホルダーに沿って上下動するものであることを特徴とする請求項1に記載のグリルユニット。 - 前記グリル室は両側壁の内面の前記固定ガイドレールより上方にレール状のアーム制御機構を備え、
前記プルアップアームの上部は、前記グリル室に収納されるときは、前記アーム制御機構に当接することで、前方バネの付勢力に打ち勝って前方に倒れることを特徴とする請求項1または2に記載のグリルユニット。 - 前記アーム制御機構の前記グリル室の開口部側先端部の下端は前方に進むに従って徐々にせり上がる丸みを帯びた曲面を有することを特徴とする請求項3記載のグリルユニット。
- 上面が開口した本体ケースと、
前記本体ケースの開口に装着されるとともに調理容器が載置される天板と、
請求項1〜4のいずれか1項に記載のグリルユニットとを備えた加熱調理器において、
前記グリルユニットの前記プルアップ機構は、前記グリル扉を前記グリル室の開口部を開成するように前方に移動したときに前記載置枠を前記天板と略同一の高さまで上昇させることを特徴とする加熱調理器。
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JP2009165483A JP5322814B2 (ja) | 2009-07-14 | 2009-07-14 | グリルユニット並びに加熱調理器 |
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