JP5322308B2 - トリコデルマ・レセイ(TrichodermaRessei)由来のアセトラクテートシンターゼ(ALS)選択マーカー - Google Patents

トリコデルマ・レセイ(TrichodermaRessei)由来のアセトラクテートシンターゼ(ALS)選択マーカー Download PDF

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Description

本願は、2006年9月22日に出願された米国仮出願US60/846,804、2006年9月22日出願のUS60/846,656に基づく優先権を主張する。両出願は全体が参照により本明細書に組み入れられる。
植物、菌類及び細菌はアミノ酸である、バリン、ロイシン及びイソロイシンを共通の経路を経て合成する。この経路における酵素群の一つがアセトラクテートシンターゼ(ALS)(又はアセトヒドロキ酸シシンターゼ又はAHASとして知られている)であり、バリンとロイシンの合成の第一段階としてピルビン酸を2−アセト乳酸に変換し、そしてまた、ピルビン酸と2−ケト酪酸を、イソロイシンの前駆体2−アセト−2−ヒドロキシ酪酸へ変換する。野生型のアセトラクテートシンターゼの活性は、スルホニルウレアとイミダゾリノン化合物等のいくつかの既知の種類の毒性化合物の作用に感受性が高い。そのため、そのような毒性化合物はこれらの化合物に感受性の高いアセトラクテートシンターゼタンパクを含む細胞を殺すために使用される。
この開示は毒性化合物に対する耐性を与え、その結果、組み換え細胞を選択する有用な選択マーカーである、アセトラクテートシンターゼ酵素に関する。
発明の要約
ALS阻害剤例えばスルホニルウレアとイミダゾリノン化合物に対する耐性を与えるアセトラクテートシンターゼタンパクを、これをコードするポリヌクレオチドとともに提供する。ある実施態様では、アセトラクテートタンパクのアミノ酸配列は少なくとも80%、
SEQ ID NO:1、トリコデルマ・レセイ(Trichoderma Ressei)の野生型アセトラクテートタンパクと同一である。一実施態様では、ALSタンパクは190番目に酸性のアミノ酸、241番目に酸性のアミノ酸、または372番目にヒスチジンを含んでも良い。ある実施態様では、ALS遺伝子又はポリペプチドは、広範な種において選択マーカーとして使用できる。ある場合には、このタンパクは天然には無いものでも良い。
ある実施態様では、ALSをコードするポリヌクレオチドは、宿主細胞にALS阻害剤に耐性を与えるタンパクの発現を行うプロモーターとターミネーターと機能的に連結していても良い。このプロモーターとターミネーターはこのポリヌクレオチドが使用される宿主細胞内のものであっても良い。ある場合には、このプロモーターとターミネーターは細胞のALS遺伝子のプロモーターとターミネーターでも良い。このポリヌクレオチドは、ある実施態様では、アセトラクテートシンターゼタンパクをコードする単一のオープン・リーディング・フレーム(a single open reading frame)を含む。その場合、このポリヌクレオチドは少なくとも70%、SEQ ID NO:2と同一であり、又はSEQ ID NO:2とハイブリダイズできる。他の実施態様では、このポリヌクレオチドはイントロンを含んでも良く、この場合、ポリヌクレオチドはSEQID NO:4と少なくとも70%同一又はSEQIDNO:4とハイブリダイズできるヌクレオチド配列を持っても良い。他の実施態様では、このポリヌクレオチドは個々の宿主細胞でアセトラクテートシンターゼタンパクの発現するようコドンが最適化されても良い。
このポリヌクレオチドを含むベクターもまた与えられる。このポリヌクレオチドに加えて、当該ベクター(the subject vector)は組み換えタンパク、例えば酵素や治療性タンパクを発現する発現カセット(an expression cassette)を含んでも良い。
当該ポリヌクレオチド(the subject polynucleotide)を含む宿主細胞もまた提供される。ある実施態様では、この宿主細胞はALS阻害剤、例えば毒性のスルホニルウレアまたはイミダゾリン化合物に耐性がある。この宿主細胞は、このポリヌクレオチドが無い条件ではALS阻害剤に感受性の高いどのような細胞でも良い。ある実施態様では、宿主細胞は植物細胞、例えば、とうもろこし、大豆又はシロイヌナズナ (Arabidopsis) 細胞、菌類の細胞、又は例えば、トリコデルマ属の種(Tricoderma sp)又はアスペルギルス属の種(Aspergillus sp)の細胞ような糸状菌の細胞又はバシラス種(Bacillus sp)のような細菌細胞である。一実施態様では、宿主細胞は糸状菌である。この細胞は、生体外(in vitro)にあっても良く、多細胞生物内(例えば植物)にあっても良い。このポリヌクレオチドは宿主細胞のゲノムの中にあっても良く、宿主細胞内で自律的に複製するベクターの中にあっても良い。
細胞を選択する方法もまた提供される。ある実施態様ではこの方法は、複数の細胞に、ALSをコードした当該ポリヌクレオチドを導入し、この複数の細胞をALS阻害剤と接触させ、細胞を培養し細胞を選ぶことを含む。ある実施態様では、この細胞は菌類の細胞である。この細胞はALS阻害剤を含む液体培地で培養されても良く、又はALS阻害剤を含む固形培地で培養されても良い。これらの方法は宿主細胞に第二のポリヌクレオチドを導入することを含んでも良い。この場合、第二のポリヌクレオチドは宿主細胞により産生されることになるポリペプチドをコードしている。当該ポリヌクレオチドと第二のポリヌクレオチドは同一又は異なる核酸上、例えば同一のベクター又は異なるベクターにあっても良い。異なるベクターが使用されるときは、それらは同一の細胞を共に形質転換しても良い。
1818A及び1818Bプロモーターに関連する実施態様もまた提供される。
図面の簡単な説明
図1はT.レセイ(T.ressei)(SEQ ID NO:1)由来の野生型アセトラクテートシンターゼタンパクのアミノ酸配列を示す。 図2は図1の野生型アセトラクテートタンパクをコードしたT.レセイ(T.ressei)由来のcDNAのヌクレオチド配列 (SEQ ID NO:2)を示す。 図3−1及び図3−2は、図1の野生型のアセトラクテートシンターゼタンパクをコードしたT.レセイ(T.ressei)遺伝子のヌクレオチド配列(SEQ ID NO:3)を示す。ここで、プロモーターはイタリックで示され、ALSをコードする配列(SEQ ID NO:4)は下線が引かれている。ターミネーターの配列はイタリックで下線が引かれている。 図4はALSマーカーを試験するために使用できるベクターの一般的な図であり、このベクターは2個の遺伝子を含んでいる。第一の遺伝子は目的タンパク(例. グルコアミラーゼ酵素)をコードするポリヌクレオチドに対応し、第二の遺伝子はALSマーカーをコードするポリヌクレオチドに対応する。 図5Aと5Bは、それぞれプロモーター1818A(SEQ ID NO:7)と1818B(SEQ ID NO:8)のヌクレオチド配列を示す。 図6−1、図6−2、図6−3及び図6−4はトリコデルマ・レセイ(Trichoderma Ressei)cbh1プロモーター、attB1、トリコデルマ・レセイ(Trichoderma Ressei)グルコアミラーゼをコードするポリヌクレオチド、attB2、トリコデルマ・レセイ(Trichoderma Ressei)cbh1ターミネーターとALSマーカー(A190D)を大腸菌(E.coli )ベクター pSL1180に含み、ALS マーカーを試験するために使用されるp Trex-グルコアミラーゼベクターのヌクレオチド配列(SEQ ID NO:9)を示す。 図7は振とうフラスコ中で培養した形質転換株からの上澄液サンプルのSDS-PAGE ゲル電気泳動を示す。第1列は形質転換されていない対照サンプルである。T.レセイ(T.ressei)グルコアミラーゼの発現は第3列と第4列に矢印により示されている。 図8は、1818Aと1818Bプロモーターを試験するために使用されるベクターの図である。 図9−1、図9−2及び図9−3は1818Aと1818Bプロモーター(SEQ ID NO:10)を試験するために用いられたDNA構造体(construct)のヌクレオチド配列である。
詳細な説明

定義
明細書で別に定義していない限り、明細書で使用する全ての技術的、科学的用語は、本願発明が属する技術の分野の通常の技術者により一般的に理解されているものと同一の意味を持つ。Singleton らのDICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY,第2版 John Wiley and Sons, New York(1994)及びHale&Marham, THE HARPER COLLINS DICTIONARY OF BIOLOGY, Harper Perennial, NY(1991)は技術者に本願発明で使用される用語の多くについて一般的辞書を提供している。本明細書で述べられるものと類似又は同等のいかなる方法又は物質も本願発明の実施又は試験で用いることができるが、好ましい方法と物質を記載する。
本明細書に引用された全ての特許と刊行物は、当該特許と刊行物に開示された全ての配列(sequence)を含め、参照により本明細書に、明示的に組み入れられる。
数値範囲は範囲を定義する数値を含む。別に指示が無い限り、核酸は左から右へ5’から3’の向きに、アミノ酸の配列は左から右へアミノ基からカルボキシ基の向きにそれぞれ記載される。
明細書に記載される見出しは、全体として明細書を参照することにより得られる本発明の種々の側面又は実施態様を限定するものではない。従って、すぐ下に定義される用語は全体的に明細書を参照することによりさらに十分に定義される。
本明細書で用いる場合、用語「選択マーカー(selectable marker)」は、遺伝子又はポリヌクレオチドであって、その発現によりその遺伝子又はポリヌクレオチドを含むDNA構造又はベクターによって形質転換された細胞を特定することのできるものをいう。選択マーカーは抗生物質や除草剤等の毒性化合物に耐性を与えることがある。
用語「アセトラクテートシンターゼ(ALS)」はIUBMB酵素の命名法(IUBMB Enzyme Nomenclature)に従いEC2.2.1.6として定義された活性をもつ酵素をいう。この酵素は2個のピルビン酸分子の反応を触媒し2−アセトラクテートとCO2を生じる。この酵素はチアミンジホスフェートを要求し、別にアセトヒドロキシ酸シンターゼ(AHAS)といわれることもある。
用語「ALS 阻害剤」は野生型ALSタンパクを阻害し、野生型ALSタンパクを含む細胞に対し毒性のある化合物をいう。そのような化合物は既知の除草剤及び下記のスルホニルウレア、イミダゾリノン、トリアゾピリミジン、ピリミジニルチオベンゾエート又はスルホニルアミノ−カルボニル−トリアゾリノン化合物を含む。
用語「プロモーター」は本明細書では細胞内で、下流のポリヌクレオチドの転写を指令する核酸として定義される。ある場合には、このポリヌクレオチドはコード配列を含み、このプロモーターはこのコード配列の転写を指令し翻訳可能なRNAを合成する。
用語「単離された」は、本明細書では、天然にそれと結合(associate)していた少なくとも一成分から取り出された化合物、タンパク、細胞、核酸配列又はアミノ酸をいう。
用語「コード配列」は本明細書では、プロモーターを含む適切な調節遺伝子の制御の元、m-RNAへ転写されポリペプチドへ翻訳されうる核酸である。コード配列は、例えば、単一のオープン・リーディング・フレームを含んでもよく、又はイントロンにより分離された、いくつかのオープン・リーディング・フレームを含んでも良い。コード配列は例えば、cDNA、遺伝子DNA、合成DNA又は組換えDNAでも良い。コード配列は一般的に開始コドン(例.ATG)で始まり、終止コドン(例.UAA、UAG及びUGA)で停止する。
用語「組み換え体」とは、宿主に天然に存在しないポリヌクレオチド又はポリペプチドをいう。組み換え分子は、天然に存在しない態様で互いに結合された2以上の天然の配列を含んでも良い。
用語「異種」とは互いに正常な状態では関係をもたない要素を言う。例えば、異種タンパクとは野生型宿主細胞で産生されないタンパクである。異種プロモーターとは野生型の宿主細胞の固有の核酸に存在しないプロモーターである。異種のコード配列に、機能的に連結しているプロモーターは野生型の宿主細胞内で普通、機能的に連結することのないコード配列に連結するプロモーターである。
用語「機能的に連結した」とは、因子が機能的に連関するように因子が配置されていることをいう。例えば、プロモーターは、それが配列の転写を制御する場合、コード配列に機能的に連結している。シグナル配列(signal sequence)が宿主細胞の分泌システムを通じてタンパクを分泌するときこのシグナル配列は機能的にタンパクに連結している。
用語「核酸」は、DNA、RNA、一本鎖又は二本鎖、及びそれらを修飾したものを含む。用語「核酸」と「ポリヌクレオチド」は本明細書では交互に代替して使用しても良い。
用語「DNA構造体」は本明細書で使用する場合、少なくとも2本のポリヌクレオチド片を含む核酸配列をいう。
用語「シグナル配列」又は「シグナルペプチド」とは、タンパクのN-末端側のアミノ酸配列をいい、細胞外へタンパクの成熟型(mature form)の分泌を促進する。細胞外タンパクの成熟型では、分泌過程で切断されるためシグナル配列を欠いている。
用語「ベクター」は本明細書では一以上の種類の細胞に核酸配列を導入するためにデザインされたポリヌクレオチドとして定義される。ベクターはクローニングベクター、発現ベクター、シャトルベクター、プラスミド、ファージ又はウィルス粒子、DNA構造体、カセット(cassette)等を含む。発現ベクターは、プロモーターのような調節因子、シグナル配列、コード配列、転写ターミネーターを含んでも良い。
「発現ベクター」は本明細書では、適当な宿主にタンパクの発現を行うことのできる適当な制御配列(control sequences)に機能的に連結しているコード配列を含むDNA構造体をいう。このような制御配列は転写を行うプロモーター、転写を制御する任意のオペレーター配列、m-RNA上の適当なリボソーム結合部位をコードする配列、エンハンサー、転写と翻訳の停止を制御する配列を含む。
本明細書で使用する場合、用語「ポリペプチド」と「タンパク」は相互に代替して使用され、アミノ酸残基をいくつかでも、もつポリマーをさす場合を含む。この用語は、天然のアミノ酸ポリマーだけでなく、一以上のアミノ酸残基が、対応する天然のアミノ酸の残基の合成された化学的に類似する化合物であるアミノ酸ポリマーに適用できる。この用語はポリペプチドが機能を維持するように、従来から用いられているアミノ酸代替物を含んでいるポリマーにも適用できる。「ペプチド」とは50未満のアミノ酸残基をもつポリペプチドである。
「宿主細胞」は、当該組み換え核酸を、宿主細胞の遺伝子又は宿主細胞の遺伝子から自律的に複製する染色体外のベクター内に含む細胞をいう。宿主細胞はどのような細胞の種類でも良い。
用語「糸状菌」とは、ユーミコチナ(Eumycotina) 亜門(subdivision)(Alexopoulos,C.J.(1962),INTRODUCTORY MYCOLOGY,Wiley,New York 参照)の全ての糸状形体をいう。この菌類はチチン、グルカン及び他の複雑なポリサッカライドからなる細胞壁をもった植物性の菌糸体により特徴付けられる。本願発明の糸状菌は酵母とは形態学的に、生理学的に、遺伝学的に区別される。糸状菌による植物的生育は菌糸の延長により、炭素異化作用は、必ず好気的である。
「非病原性」細胞は人に対して病原性のない株である。
「形質転換」とは、DNAを細胞に導入してDNAが細胞内に染色体外の因子として又は染色体に統合されて存在するようにすることをいう。
別途指示のない限り、アセトラクテートシンターゼタンパク中の全てのアミノ酸の位置は、そのタンパクをデフォルト条件で、BLASTP プログラム(Altshul, Nucl. Acids Res.1997 25:3389-3402;Schaeffer, Bioinformatics 1999 15:1000-1011)を用いて、SEQ ID NO:1にそのタンパクを合わせた後、SEQ ID NO:1と比較して定める。BLASTP プログラムは、国立バイオテクノロジー情報センター(National Cancer of Biotechnology Information(NCBI)) のワールドワイドウェブサイトで利用できる

ポリヌクレオチド
本明細書にはALS 阻害剤に耐性を与えるアセトラクテートシンターゼタンパクをコードするポリヌクレオチドが提供されている。ある実施態様では、アセトラクテートシンターゼタンパクは非天然のタンパクである。一般的にいえば、このポリヌクレオチドは以下のようなタンパクをコードしている。a) アセトラクテートシンターゼ活性(即ち、2個のピルビン酸間の反応を触媒し2-アセトラクテートを与えることができる)b) ALS阻害剤、例えば、スルホニルウレア及びイミダゾリノン化合物、に対し耐性を与える。c ) SEQ ID NO:1と少なくとも85%一致(例えば、少なくとも90%一致する、少なくとも93%一致する、少なくとも95%一致する、少なくとも96%一致する、少なくとも97%一致する、少なくとも98%一致する、少なくとも98.5%一致する、.少なくとも99%一致する又は少なくとも99.5%一致する)アミノ酸配列をもつ。ここでSEQ ID NO:1はトリコデルマ・レセイ(Trichoderma-ressei)由来の野生型のアセトラクテートシンターゼのアミノ酸配列を規定するものである。
ある実施態様においては、このポリヌクレオチドは、次の1以上の特徴をもつタンパクをコードしても良い。つまり、a) 190番目に酸性アミノ酸(例.Asp 又はGlu)をもつ、b) 241番目に酸性アミノ酸(例.Asp又はGlu)又は372番目にHisをもつ。
野生型T. reesei ALSタンパクの190、241及び372 番目は図1で下線を引いている。上記のとおり、異なるALSタンパク(例、野生型T. reesei ALSタンパクと比べて、例えば短い、長いまたは切除及び/又は挿入を含むALSタンパク)の190、241及び372 番目は、本明細書では、野生型T.レセイ(T.ressei)ALSタンパクと他のタンパクが、標準的配列整列法(standard sequence alignment method)、例えば、デフォルトパラメータを用いたBLASTP (Altschul, Nucl. Acids Res. .1997 25:3389-3402;Schaeffer,Bioinformatics 1999 15:1000-1011)、を使用して照合されたとき、 野生型T.レセイ(T.ressei) ALSタンパクの190、241及び372 番目に対応する(つまり、一致する又は斜め方向にある)そのタンパクにおける位置であると定義される。ALSタンパクは、一般的には、十分に特徴付けられたタンパク酵素であり、きわめて詳細に、機能、構造について研究されている。ALSタンパクは、必須残基と非必須残基を特定するために突然変異生成の対象となる(例えばIbdah,Biochemistry1996 35:16282-91;Mendel J. Mol. Biol.2001 307:465-771;Hill, Biochem.J.1998 335:653-61参照)ほか、いくつかの刊行物にまとめられ(例えば、Chipman, Biochim.Biophys.Acta 1998 1385:401-19;Chipman, Curr.Opin.Chem.Biol.2005 9:475-81参照)、また結晶化されている。(例えば、Pang,J.Biol.Chem.2004 279:2242-53;Pang,J.Mol.Biol.2002 317:249-62)。他の、除草剤への耐性を与える突然変異種も良く知られている。(例えば、Jung,Biochem.J.2004 383:53-61;Duggelby,Eur.J.Biochem.2003 270:2895-904参照)さらに、数百のALS タンパクのアミノ酸配列が知られ、NCBI’s Genbank データベースを通じて一般に入手できる。
そのため、当該ALS タンパク(a subject ALS protein)になされ得る多様なアミノ酸変化で、そのいくつかは活性を失うこと無くALS阻害剤に耐性を与えるかもしれないもの、が容易にわかるであろう。
ある場合には、本明細書に記載のアミノ酸変化は、いずれかの種由来の、いずれか他のALSタンパクに適用されて除草剤耐性をそのタンパクに与えても良い。言い換えれば、いずれか他のALSタンパクの190、241及び372 番目(SEQ ID NO:1による)のアミノ酸は、それぞれ、酸性アミノ酸(例.Asp 又はGlu)、酸性アミノ酸(例.Asp 又はGlu)又はHisにより置き換えられ、ALS阻害剤に耐性をもつALSタンパクを与えことがある。
例えば、いくつかの菌類のALSタンパクのアミノ酸配列は知られており、NCBIのGenbank データベースに蓄積されている。ある実施態様では、上記のアミノ酸変化は、他のALS 阻害剤耐性のタンパクを得るためにこれらの菌類のALS タンパクに適用することができる。他の実施態様では、他の菌類のALSタンパクのアミノ酸配列を、当該T.レセイ(T.reesei)に基づくALSタンパクに、それらのタンパクのALS活性を失うことのない変化を更に起こさせるために使用しても良い。例えば、異なる種由来の2個のALSタンパクの間の融合または、アミノ酸の置換、除去または挿入を受けたタンパクを合成することができる。他の糸状菌種等を含む他の菌類由来の、好例のALSアミノ酸配列はNCBIのGenbank データベースにGIDS:39977967及び2547090(マグナポルテ・グリセア(Magnaporthe grisea))、GID:85108881(ニューロスポラ・クラサ(Neurospora crassa))、GID:46108408(ギベリラ・ゼア(Gibberella zeae))、GID:90302929(コクシディオイデス・イミチス(Coccidioides immitis))、GID:67537572(アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans))、GID:70999742(アスペルギルス・フミガタス(Aspergillus fumigatus))、GID83767597及び83771596(アスペルギルス・オリザ(Aspergillus oryzae))、GID:111063308(フェオスファリア・ノドラム(Phaeosphaeria nodorum))、GID:50547615(ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica))、GID:49657303(デバリオマイセス・ハンセニ(Debaryomyces hansenii))、GID:68468265(カンジダ・アルビカンス(Candida albicans))、GID:21615550(サッカロマイコプシス・フィブリゲラ(Saccharomycopsis fibuligera))、GID:49641223(クルイバーオマイセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis))、GID:49527687(カンジダ・グラブラタ(Candida glabrata))及びGID:817866(サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae))として蓄積されている。上記参照したGenbankのデータ番号は、その中の核酸とタンパク配列、これらの配列に関する注釈を含め、その全てを、本願の最も早い出願日のものとして、参照により組み入れる。
遺伝子コードは余分なものが多いので、当該ポリヌクレオチドは多くのヌクレオチド配列のいずれか一つを含めばよい。一実施態様では、当該ポリヌクレオチドは以下のヌクレオチド配列を持てばよい。つまり、a)少なくとも70%(例.少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%)SEQID NO:2又はSEQ ID NO:4と一致するか、又はb) 厳密なハイブリダイゼーション条件でSEQID NO:2又はSEQ ID NO:4とハイブリダイズする。これらの配列はT. レセイ(T.reesei)の野生型のc-DNAと遺伝子のヌクレオチド配列をそれぞれ示す。そのため、コード化するポリペプチドは、イントロンを含んでも良く、またタンパクをコード化する単一のオープン・リーディング・フレームをもつ遺伝子を含んでも良い。
明らかなことであろうが、ある実施態様においては、このポリヌクレオチドは、以下のうち1以上の特徴をもつタンパクをコード化するヌクレオチド配列を持っても良い。
a) 190番目に酸性アミノ酸(例.Asp又はGlu)b) 241番目に酸性アミノ酸(例.Asp又はGlu)又は372番目にHisをもつ。
2つの核酸配列についての文脈の中で用語「同一」とは、以下に述べる配列比較をするアルゴリズムのいずれかを用いて評価するとき、最大の照合が生じるよう並べられたときに、同一である2つの配列の中のヌクレオチド残基群をいう。比較のための配列の最良の並べ方は、例えばSmith&Wateran, Adv.Appl. Math.2:482(1981)のローカルホモロジーアルゴリズム(the local homology algorithm)により、Needleman&Wunsch、J.Mol.Biol.48:443(1970)のホモロジーアライメントアルゴリズム(the homology alignment algorithm)により、Pearson&Lipman, Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 85:2444(1988)の相同性探索法(the search for similarity method)により、これらのアルゴリズムのコンピュータによる実施(Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group,575 Science Dr. Madison, WIのGAP、BESTFIT、FASTA及びTFASTA)により、又は目視による評価により行うことができる。
配列の相同性の決定に適したアルゴリズムの例はBLASTアルゴリズムであり、AltschulらによるJ.Mol.Biol.215:403-410(1990)に記載されている。BLAST分析を実施するソフトウェアは国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information )を通じ、www.ncbi.nlm.nih.gov.で、一般に入手できる。このBLASTアルゴリズムは2つの配列間の相同性の統計学的分析を行う(Karlin & Altschul, Proc.Nat’l. Acad. Sci.USA 90:5873-5787(1993) 参照)。少なくとも100、少なくとも500、少なくとも1000個のヌクレオチドからSEQ ID2 又はSEQ ID 4の全鎖長までのヌクレオチドを配列比較に用いることができる。
上記のように、このポリヌクレオチドはSEQ ID No:2又は4のヌクレオチド配列をもつポリヌクレオチドと厳格なハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含んでも良い。ここで厳密なハイブリダイゼーション条件は低い程度、中程度の及び高度に厳密なハイブリダイゼーション条件を含む。
「低い程度に厳密な」条件とは、20℃で15分間、1XSSC/0.1%SDS溶液で洗浄することをいう。「中程度に厳密な」条件とは、65℃で60分間、1XSSC/0.1%SDS溶液で洗浄することをいう。「高度に厳密な」条件とは65℃で10分間0.2XSSC/0.1%SDS溶液で洗浄することをいう。「非常に高度な」条件とは、65℃で60分間0.2XSSC/0.1%SDS溶液で洗浄することをいう。
ハイブリダイゼーション法はSambrookらのMOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL(第2版.1989 Cold Spring Harbor,NY)に詳細に述べられている。あるハイブリダイゼーション分析の典型例では、DNAサンプルはアガロースゲルにより電気泳動を受け(例えば、0.8%アガロース)DNA断片はエチジウムブロミド染色により可視化される。このゲルは蒸留水で簡単に濯ぎをうけ、続いて適当な溶液中(例えば0.25M HCl)で、穏やかに振とうし脱プリンし、続いて、穏やかに振とうし30分間、変性(例えば0.4M NaOH中)を受ける。再生過程は、次のように行われても良い。つまり、このゲルは1.5M NaCl、1M Tris, pH7.0に加えられ、30分間振とうを受ける。このDNAはその後、適当に正電荷を帯びた膜、例えば、マキシマム・ストレングス・ナイトラン・プラス膜(Maximum Strength Nytran Plus membrane)(Schleicher & Schunell, Keene,N.H.)に転写溶液(transfer solution)(例えば、6XSSC、例えば900mM NaCl, 90mMクエン酸トリナトリウム)を用いて移される。一度転写が終わったら、一般に、約2時間後、この膜は、例えば、2X SSC(300mM NaCl, 30mM クエン酸トリナトリウム)中で濯ぎを受け、室温で風乾される。この膜は適当なプレハイブリダイゼーション溶液中(例えば、100mL当たり20-50mLホルムアミド、25mLの20XSSPE(1XSSPE =0.18 M NaCl,1mM EDTA,10mMNaH2PO4,pH7.7)、2.5mLの20% SDS及び10mg/mLの 切断したニシンの精子のDNAを1mL)で(約2時間以上)プレハイブリダイゼーションを受けても良い。本技術分野の技術をもつ者になら明らかであるように、プレハイブリダイゼーション溶液中のホルムアミドの量は通常の方法に従い得られる反応の性質によって変えられる。つまり、多量のホルムアミドを使う方法より少量のホルムアミドが、ハイブリダイゼーションする分子を特定する点で、より完全なハイブリダイゼーションを行うかもしれない。他方、強いハイブリダイゼーションバンドがより多くのホルムアミドを用いることにより容易に目視で確認できるかもしれない。
少なくとも100、少なくとも500、少なくとも1000からSEQ ID No. 2 又はNo.4の全鎖長までのDNAプローブがハイブリダイゼーションアッセイ又は配列比較に使用されても良い。DNAプローブはアガロースゲル中での電気泳動により単離されても良く、このゲルからフラグメントを除き、取り除いたアガロースから、回収しても良い。この精製されたDNAフラグメントは、DNAの中にP32を含むようにラベル(例えば、製造業者の指示に従ってMegaprimeラベルシステムを用いて)されても良い。ラベルされたプローブは5分間95℃まで加熱され変性され、直ちにこの膜とプレハイブリダイゼーション溶液に加えられる。このハイブリダイゼーション反応は適当な条件下、例えば18時間37℃で、穏やかな振とう又は回転を加えて進行させる。この膜は濯ぎを受け(例えば、2X SSC/0.3% SDS)、その後、上記のように、穏やかに撹拌し適当な洗浄液で洗浄される。ハイブリダイゼーションはオートラジオグラフィーにより検出することができる。
ある実施態様では、このポリヌクレオチドはある宿主細胞内で発現するためにコドンが最適化されても良い。他の実施態様では、このポリヌクレオチドは、このポリヌクレオチドが用いられる特定の宿主細胞の野生型ALS配列(例.遺伝子又はcDNA配列)と比較して10未満(例えば、9,8,7,6,5,4,3,2又は1)の違いを含むヌクレオチド配列を持っても良い。
ある場合には、コード配列に加えて、このポリヌクレオチドは、さらに宿主細胞内でコードされたタンパクを発現するために必要な他の要素を含んでも良い。例えば、ある実施態様では、このポリヌクレオチドは宿主細胞内で、コードされたタンパクを発現する発現カセットを形成するための配列が接していても良い。ある実施態様では、この発現カセットはコード配列の転写のプロモーター、転写ターミネーター及び翻訳を開始させる5‘非翻訳領域(UTR)を含んでも良く、それぞれはこのコード配列に機能的に連結している。広い範囲の宿主細胞のプロモーター、エンハンサー、ターミネーター、UTR、ポリアデニル化シグナル及び他の調節因子の配列、特に植物、細菌、菌類由来のものは、本願分野でよく知られている(例えば、Ausubelら、Short Protocols in Molecular Biology, 第3版、Wiley & Sons,1995;Sambrookら、Molecular Cloning:A laboratory Manual, 第2版、1989年、Cold Spring Harbor,N.Y.)。
ある実施態様では、当該発現カセット(the subject expression cassette)は糸状菌細胞中の当該タンパク(subject protein)の発現のプロモーターとターミネーターを含んでも良い。糸状菌宿主細胞中の当該核酸の転写を指示するする適切なプロモーターとターミネーターの例は、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae )TAKA アミラーゼ、リゾムコル・ミヘイ(Rhizomucor miehei )アスパラギン酸プロテナーゼ、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger)中性アルファアミラーゼ、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger)、 酸安定アルファアミラーゼ、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger)又はアスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)グルコアミラーゼ(glaA)、リゾムコル・ミヘイ(Rhizomucor miehei ) リパーゼ、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae ) アルカリプロテアーゼ、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae ) トリオースホスフェートイソメラーゼ、アスペルギルス・ニデユランス(Aspergillus nidulans)アセトアミダーゼ、フザリウム・ベネナタム(Fusarium venenatum) アミログルコシダーゼ、フザリウム・オキシスポラム (Fusarium oxysporum)トリプシン様プロテアーゼ(WO96/00787)、トリコデルマ・レセイ(Trichoderma reesei)セロビオヒドラーゼI、トリコデルマ・レセイ(Trichoderma reesei) セロビオヒドラーゼII、トリコデルマ・レセイ(Trichoderma reesei) エンドグルカナーゼI、トリコデルマ・レセイ(Trichoderma reesei) エンドグルカナーゼII、トリコデルマ・レセイ(Trichoderma reesei) エンドグルカナーゼIII、トリコデルマ・レセイ(Trichoderma reesei) エンドグルカナーゼIV、トリコデルマ・レセイ(Trichoderma reesei) エンドグルカナーゼV、トリコデルマ・レセイ(Trichoderma reesei) キシラナーゼI、トリコデルマ・レセイ(Trichoderma reesei) キシラナーゼII、トリコデルマ・レセイ(Trichoderma reesei) ベータ-キシロシダーゼ及びNA2-tpiプロモーター(アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger)中性アルファ-アミラーゼ、及びアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae) トリオースホスフェートイソメラーゼの遺伝子由来のプロモーターのハイブリッド体)、それらの突然変異体、欠失変異体及びそれらのプロモーターのハイブリッド体である。
プロモーター及び/又はターミネーターは、当該ALSタンパクが発現される宿主細胞に固有又は非内因性のものでも良い。そしてある実施態様では、このプロモーターとターミネーターは宿主細胞由来のALS遺伝子プロモーターとターミネーターでも良い。例えば、一実施態様では、トリコデルマ・レセイ(Trichoderma reesei)細胞で使用される発現カセットは、トリコデルマ・レセイ(Trichoderma reesei) ALS遺伝子プロモーター、トリコデルマ・レセイ(Trichoderma reesei) ALSコード配列(上記の1以上のヌクレオチド変異を含む)及びトリコデルマ・レセイ(Trichoderma reesei)ALSターミネーターを、機能的に連結して(図3−1及び図3−2)含んでも良い。このプロモーター及び/又はターミネーターはこのポリペプチドが用いられる宿主細胞のALS遺伝子由来でも良い。
このポリヌクレオチドは宿主細胞の遺伝子に組み入れられても良く、又は宿主細胞内で自律的に複製するベクター上に存在しても良い。

組み換え核酸
当該ポリヌクレオチド(subject polynucleotide)を含む組み換え核酸もまた提供される。当該組み換え核酸は、当該ポリヌクレオチド、例えば、宿主細胞に、耐性をもつALSタンパクを産生する発現カセット及び宿主細胞に、目的タンパクを発現する第二の発現カセットも含んでも良い。ある実施態様では、当該ポリヌクレオチドは組み換え核酸を含まない他の細胞から、組み換え核酸を含む宿主細胞を選択するためのマーカーとして使用される(つまり、当該ポリヌクレオチドが、当該ポリヌクレオチドを含む細胞の「選択マーカー」として使用される。)。
第二の発現カセットによりコードされた目的タンパクは、例えば、酵素、治療用途のタンパク、情報伝達タンパク(a reporter protein)、食品添加物、又は食品等である。
ある実施態様では、第二の発現カセットによりコードされた目的タンパクは、例えば、α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、セルラーゼ、デキストラナーゼ、α-グルコシダーゼ、α-ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペントサナーゼ、キシラナーゼ、インベルターゼ、ラクターゼ、ナリンガナーゼ、ペクチナーゼ又はプルラナーゼのようなカーボヒドラーゼ、酸プロテアーゼ、アルカリプロテアーゼ、ブロメライン、フィシン、中性プロテアーゼ、パパイン、ペプシン、ペプチダーゼ、レネット、レニン、キモシン、スブチリシン、テルモリシン、アスパルギン酸プロテナーゼ、又はトリプシンのようなプロテアーゼ、トリグリセリダーゼ、ホスホリパーゼ、プレガストリックエステラーゼ、ホスファターゼ、フィターゼ、アミダーゼ、イミノアシラーゼ、グルタミナーゼ、リソザイム又はペニシリンアシラーゼのようなリパーゼ又はエステラーゼ、グルコースイソメラーゼのようなイソメラーゼ、アミノ酸オキシダーゼ、カタラーゼ、クロロパーオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、パーオキシダーゼのようなオキシドリダクターゼ、アセトラクテートデカーボキシラーゼ、アスパラギン酸β-デカルボキシラーゼ、フマレーゼ又はヒスタダーゼのようなリアーゼ、シクロデキストリングルコシルトランスフェラーゼのようなトランスフェラーゼ又はリガーゼのような酵素でも良い。ある実施態様では、タンパクは、例えば、アミノペプチダーゼ、カーボキシペプチダーゼ、チキナーゼ、クチナーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、α-ガラクトシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、β-グルコシダーゼ、ラッカーゼ、マンノシダーゼ、ミュタナーゼ、ペクチン分解(pectinolytic)酵素、ポリフェノールオキシダーゼ、リボヌクレアーゼ又はトランスグルタミナーゼでも良い。この酵素は野生型又は野生型酵素の変異種でも良い。加えて、この酵素は異なる酵素の断片を含むハイブリッド酵素でも良い。
他の実施態様では、第二発現カセットによりコードされた目的タンパクは、適当な治療性タンパクでも良い(つまり、治療効果のある生物学的活性をもつタンパク)。適当な治療性タンパクの例は、エリスロポエチン、インターフェロン-α、インターフェロン-β、インターフェロン-γ、インターフェロン-οのようなサイトカイン、顆粒球-CSF、GM-CSF、第VIII因子、第IX因子のような血液凝固因子、ヒトタンパクC、アンチトロンビンIII、トロンビン、可溶性IgE受容体α-鎖、IgG、IgG断片、IgG融合体(fusions)、IgM、IgA、インターロイキン、ウロキナーゼ、キマーゼ、及び尿素トリプシン阻害剤、IGF-結合タンパク、表皮細胞成長因子、成長ホルモン分泌因子、アネキシンV融合タンパク、アンギオテンシン、血管内皮細胞成長因子-2、骨髄幹細胞阻害因子-1、オステオプロテゲリン(osteoprotegerin)、α-1-アンチトリプシン、α-フェトタンパク(α-feto proteins)、DNアーゼII(DNaseII)、ヒトプラスミノーゲンのクリングル3、グルコセレブロシダーゼ(glucocerebrosidase)、TNF結合タンパク1、袋果刺激ホルモン、細胞毒性Tリンパ球結合抗原4-Ig、トランスメンブラン活性化剤(transmembrane activator)、カルシウムモジュレーター及びシクロフィリンリガンド、可溶性TNF受容体Fc融合体(soluble TNF receptor Fc fusion)、グルカゴン様タンパク1及びIL-2受容体アゴニストを含む。抗体タンパク、例えば、ヒト化されうるモノクローナル抗体は特に関心が高い。
更なる実施態様には、第二発現カセットによりコードされたタンパクが情報伝達タンパクでも良い。そのような情報伝達タンパクは、例えば、光学的に、又は色度計により検出されても良い。この実施態様では、このタンパクは、β-ガラクトシダーゼ(lacZ)、β-グルコニダーゼ(GUS)、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、ノパリンシンターゼ(NOS)、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、ホースラディッシュパーオキシダーゼ(HPR)又は蛍光タンパクグリーン、例えば、グリーン蛍光タンパク(GFP)又はその誘導体でも良い。
ある実施態様では、特に宿主細胞が糸状菌宿主細胞である実施態様では、第二発現カセットのコード配列は融合タンパクをコードしても良い。これらの実施態様のいくつかにおいては、この融合タンパクは、このタンパクが発現されている宿主細胞からのタンパクを分泌させても良く、例えば、このタンパクのN末端に機能的に連結しているシグナル配列を含んでも良い。この場合このシグナル配列は宿主細胞の分泌システムへこのタンパクを送るアミノ酸配列を含み、その結果、宿主細胞から分泌されるタンパクが、宿主細胞が培養される培地へ分泌されることになる。このシグナル配列は、このタンパクが分泌される前に融合タンパクから切断される。使用されるこのシグナル配列は、宿主細胞に対し内因性又は非内因性でも良い。ある実施態様では、宿主細胞から多量に分泌されていることが知られているタンパクのシグナル配列でも良い。ある実施態様では、このシグナル配列タンパクは糸状菌(例.トリコデルマ属(Trichoderma)又はアスペルギルス属(Aspergillus))宿主細胞からのタンパク分泌を促すいずれかのシグナル配列でも良い。このようなシグナル配列には、以下が含まれるが、これらに限定されることはない。例えば、セロビオヒドロラーゼI、セロビオヒドロラーゼII、エンドグルカナーゼI、エンドグルカナーゼII、エンドグルカナーゼIII、α-アミラーゼ、アスパルギン酸プロテアーゼ、グルコアミラーゼ、マンナナーゼ、グルコシダーゼ及びオオムギエンドペプチダーゼBのシグナル配列である。(Saarelainen, Appl. Environ.Microbiol.1997 63:4938-4940参照)他のシグナル配列には、菌類のアミログルコシダーゼ(AG)遺伝子(glaA)、α因子遺伝子(酵母、例.サッカロミセス属(Saccharomyces),クルイベロミセス属 (Kluyveromyces )及びハンセヌラ属(Hansenula)又はαアミラーゼ遺伝子(バシラス属(Bacillus))由来のシグナル配列がある。ある実施態様では、そのため、当該組み換え核酸は、以下を含んでも良い。宿主細胞の核酸の翻訳が、宿主細胞からこのタンパクを分泌するためのN末端にシグナル配列をもつタンパクを含む融合タンパクを産生する場合の、タンパクをコードする核酸に機能的に連結しているシグナル配列をコードする核酸。
ある実施態様では、融合タンパクはさらに、「担体タンパク」を含んでも良く、これは宿主細胞に固有のものであり、宿主細胞により多量に分泌されるタンパクの一部となっている。適切な担体タンパクはT.レセイ(T.reesei) マンナナーゼI(Man5A又はMAN I)、T.レセイ(T.reesei) セロビオヒドロラーゼII(Cel 6A又はCBHII)(例えば、Paloheimo ら Appl. Environ. Microbiol.2003 December;69(12):7073-7082 参照)又はT.レセイ(T.reesei) セロビオヒドロラーゼI(CBHI)の担体タンパクを含む。ある実施態様では、担体タンパクは、CBH 1コア領域とCBH 1連結領域(linker region)を含む切形(truncated) T.レセイ(T.reesei)CHB 1タンパクである。このようにして、アミノ基末端からカルボン酸末端までに、シグナル配列、担体タンパク及び当該タンパクを、機能的に連結して含む融合タンパクが、同じタンパクをコードする核酸とともに提供される。
ある実施態様では、このポリヌクレオチドは特定の宿主細胞内にこのタンパクを発現させるためにコドンが最適化されても良い。多くの細胞における各コドンの用途を一覧にしたコドン用途表は、本願技術分野において知られている(Nakamuraら、Nucl.Acids Res.2000 28:292参照)、又は容易に作成できるので、発現されるタンパクのアミノ酸配列を与えるそのような核酸は容易にデザインしうる。
当該組換え核酸は、宿主細胞の遺伝子(つまり核遺伝子)内へ、例えば組み込まれて、存在しても良く、又は、宿主細胞内で自律的に複製するベクター内、例えば、ファージ、プラスミド、ウィルス又はレトロウィルスベクターに存在しても良い。ある実施態様では、このベクターは宿主細胞内でタンパクを発現する発現ベクターでも良く、そのようなものとして、上記の第二発現カセットを更に含んでも良い。ある実施態様では、このベクターは糸状菌細胞内の組換えポリペプチドを発現する発現ベクターでも良い。
組換えタンパクを発現するベクターは本願技術分野でよく知られている(Ausubelら Short Protocols in MolecularBiology、第3版、Wiley & Sons,1995; Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第2版、(1989)Cold Spring Harbor, N,Y.)。

選択法
当該ポリヌクレオチドを含む宿主細胞を選ぶ方法もまた提供される。ある実施態様では、この方法は複数の細胞に、当該ポリヌクレオチドを導入し、ALS阻害剤、例えば、毒性スルホニルウレア、イミダゾリノン化合物をこれらの複数の細胞と接触させ、細胞を選択するためにこれらの細胞を培養することを含む。この細胞は固形培地上で選択されても良く、例えば、ALS阻害剤を含む寒天培地上で複数の細胞を接種することにより行われ、又は液体培地、例えばALS阻害剤を含む液体培地中で複数の細胞を培養することにより行われる。
ある実施態様では、当該細胞選択法は、目的タンパクをコードしている第二発現カセットを含む細胞を選択するために使用されても良い。第二発現カセットはこのALSタンパクをコードしたポリヌクレオチドをも含む組換え核酸中(即ち、単一の組換え核酸分子)に存在しても良い。これらの実施態様では、この選択法が組換え核酸を含む細胞を選択するために用いられても良い。組換え核酸は第二発現カセットも含んでいるため、第二発現カセットを含む細胞はALS阻害剤を用いて選択される。別の実施態様では、第二発現カセットは、このALSタンパクをコードしたポリヌクレオチドを含まない組換え核酸(例えば.異なるベクター)上に存在している。これらの実施態様では、当該ポリヌクレオチドは、この発現カセットを含む別の、独立したポリヌクレオチド分子(例.異なる核酸分子又はベクター)とともに形質転換する。そのため、たとえ第二発現カセットが、このポリヌクレオチドとは異なる核酸分子上にあるとしても、この選択法は、第二発現カセットを含む細胞を選択するために用いることができる。
そのため、当該細胞選択法は、目的タンパクを発現する宿主細胞を選択するために用いられる。目的タンパクは使用する宿主細胞に元来含まれるもの又は含まれないものでも良い。
用いられるALS阻害剤の正確な濃度は使用するALS阻害剤と選択される宿主細胞により変わる。一般的には、ALS阻害剤は、このポリヌクレオチドを含む宿主細胞の選択ができる濃度で使用される。ある実施態様では、このALS阻害剤は0.5ppmから10,000ppm、例えば1ppmから10,000ppm又は10ppmから1,000ppmの濃度で用いても良い。例えば、ある場合には、ALS阻害剤は25ppmから100ppmの範囲の濃度、例えば50ppm又は100ppm、100ppmから500ppmの範囲の濃度、例えば、200ppm又は500ppmの濃度で用いられる。例えば、ある実施態様では、ALS阻害剤は1μg/mlから1mg/mlの範囲の濃度で、例えば、10μg./mlから500μg/mlの濃度で用いられる。
ALS阻害剤は、a) ALS酵素の阻害によりこの化合物に耐性を持たない細胞を殺し、及びb)当該ポリヌクレオチドをもつ細胞を殺さない、いずれの化合物をも含む。特に関心があるALS阻害剤は、既知のALS阻害剤であるスルホニルウレア(SU)、イミダゾリノン(IMI)、トリアゾロピリミジン(TP)、ピリミジニルチオベンゾエート(PTB)及びスルホニルアミノ-カルボニル-トリアゾリノン(SCT)化合物であり、ある場合には除草剤として一般に使用される。当該方法で使用されるようなスルホニルウレアの例は以下のものを含む。I) a)クロリムロンエチル(chlorimuron ethyl)(W.T. Thompson によるAgricultural Chemicals Book II “Herbicides” Thompson Publications, Fresno Calif. U.S.A 1990, page 152);b) プリミスルフロン(primisulfuron)(CGA 136,872、Brighton Corp Prot. Conf. “Weeds” 1989,p.41-48)、c) 3-(4-エチル-6-メトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-1-(2,3-ジヒドロ-1,1-ジオキソ-2-メチル ベンゾ〔b〕チオフェン-7-スルホニル)-ウレア(例EP-A-79,683参照)、d) 3-(4-エトキシ-6-エチル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-1-(2,3-ジヒドロ-1,1-ジオキソ-2-メチルベンゾ〔b〕チオフェン-7-スルホニル)ウレア (例えば、EP-A-79,683参照)e)トリベヌロン-メチル(tribenuron-methyl)(”The Pesticide Manual”, British Crop Protection Council 第9版(1990/91)、840頁参照)、f) メツルフロン-メチル(metsulfuron-methyl)(Proc. Int.Congr.Plant Prot., 10th,1983, Vol 1, 324参照)g)クロルスルフロン(chlorsulfuron)(米国特許第4,127,405号、Weeds Weed Control,1980,21st,24)h)トリアスルフロン(triasulfuron)(The Pesticide Manual 第9版、p.837)及びi) スルホメツロン-メチル(sulfometuron-methyl)(“The Pesticide Manual 第9版、p.774参照)II)チエニルスルホニルウレア、例えばチフェンスルフロン-メチル(thiensulfuron-methyl)(W.T.ThompsonによるAgricultural Chemicals Book II “Herbicides” Thompson Publications, Fresco Calif., U.S.A.1990, 155ページ)III) ピラゾリルスルホニルウレア(pyrazolylsulfonylureas)、例えば、a) ピラゾスルフロン-エチル(NC311、”The Pesticide Manual” 第9版、735ページ)とb) メチル3-クロロ-5-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イルカルバモイルスルファモイル)-1-メチル-ピラゾール-4-カルボキシレート(EP 282,613参照)IV)スルホンジアミド誘導体、例えばアミドスルホンとその構造的類似体(EP-A-0,131,258及びZ.Pfl.Krankh. Pfl.Schutz, Special Issue XII,489-497(1990)参照)、V)ピリジルスルホニルウレア(pyridylsulfonylureas)、例えばa) ニコスルフロン(nicosulfuron)(SL-950、Kimuraら、Brighton Corp Protection Conference “Weeds” 1989, p.29-34)、b) DPX-E 9636(Brighton Corp Prot. Conf.−Weeds−1982, 23ページ以降参照) c)ピリジニルスルホニルウレア、ドイツ特許出願P4000503.8(WO-91/10660)及びP4030577.5に記載されている。及びVI)フェノキシスルホニルウレア、例えばEP-A-0,342,569、EP-A-4,163,EP-A-113,956、米国特許第4,678,500号及び米国特許第4,581,059号に記載されているもの。当該方法で用いられるイミダゾリノン化合物の例には、a) イマゼタピル(imazethapyr)(Ch.R. Worthingの”The Pesticide Manual” 第8版1987年、British Crop Protection Copuncil, 473ページ)、b) イマザキン(imazaquin)(Ch. R. Worthingの”The Psticide Manual” 第8版、1987年、British Crop Protection Council ,474ページ)及びc)イマゼタメタピル(imazethapyr)(British Crop Protection CouncilのCh.R. Worthingによる”The Pesticide Manual” 第8版、1987、474頁)及びc)イマゼタメタピル(imazetahmethapyr)(化学名、rac-2-〔4,5-ジヒドロ-4-メチル-4-(1-メチルエチル)-5-オキソ-1H-イミダゾリル-2-イル〕-5-メチル-3-ピリジン-カルボン酸、(Weed Techn. 1991(5),430-433及び434-438参照)及び他の関連化合物がある。

宿主細胞
当該組換え核酸を含む宿主細胞もまた提供される。宿主細胞はどのような種類の細胞でも良く、例えば、細菌(例えば大腸菌、バシラス(Bacillus) 属の種. 又はストレプトミセス(streptomyces)属の種)、菌類(例えば、非糸状菌又は糸状菌)、又は植物(例えば、シロイヌナズナ(Arabidopsis)、とうもろこし、大豆)の宿主細胞である。ある実施態様では、宿主細胞は食品医薬品局合格(GRAS)であるもの、つまり、FDAにより一般的に安全であると認識された(Generally Recognized as Safe)タンパクの産生の用途の履歴をもつ種の細胞でも良い。
ある実施態様では、当該宿主細胞は以下の種の菌類でも良い。すなわち、(例えば、トリコデルマ・レセイ(Trichoderma ressei)(以前は、T. ロンギブラチアタム(T. longibrachiatum)として分類され、現在は、ヒポクレア・ジェコリナ(Hypocrea jecorina)としても知られている)、トリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)、トリコデルマ・コニンギ(Trichoderma koningii)、及びトリコデルマ・ハルジアナム(Trichoderma harzianum))ペニシリウム属(Penicillium)属の種、ヒューミコラ(Humicola)属の種(例.,ヒューミコラ・インソレンス(Humicola insolens)及びヒューミコラ・グリセア(Humicola grisea));クリソスポリウム(Chrysosporium)属 の種(例.C. ラクノベンス(C. lucknowense))、グリオクラディウム(Gliocladium)属の種、アスペルギルス(Aspergillus)属の種(例.アスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger),アスペルギルス・ニジュランス(Aspergillus nidulans),アスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachi)アスペルギルス・アクレアタス (Aspergillus aculeatus), アスペルギルス・ジャポニカス(Aspergillus japonicus), アスペルギルス・ソジェ(Aspergillus sojae), 及びアスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamotri))、フザリウム(Fusarium)属の種、ムコール(Mucor)属の種、ニューロスポラ(Neurospora)属の種、ヒホクレア(Hypocrea)属の種または、エメリセラ(Emericella)属の種(Innis ら(1985) Sci. 228:21-26参照)などである。
典型的細菌宿主細胞は、以下を、非限定的に含むBacillus属の種、B・スブチリス(B.subtilis), B・リケニフォルミス(B.licheniformis),B・レンタス(B.lentus),B・ブレビス( B.brevis), B・ステアロテルモフィラス(B.stearothermophilus),B・アルカロフィラス(B.alkalophilus),B・アミロリケファシエンス (B.amyloliquefaciens), B・クラウシー(B.clausii),B・ハロジュランス(B.halodurans), B・メガテリウム(B.megaterium),B・コアグランス(B.coagulans),B・サーキュランス(B.circulans), B・ランタス(B.lautus),及びB・スリンギエンシス(B.thuringiensis)、また、ストレプトマイセス(Streptomyces)属の種であり、S・リビダンス(S.lividans), S・カルボフィラス(S.carbophilus)及びS・ヘルバチカス(S.helvaticus) を、非限定的に含む
典型的植物宿主細胞は、以下を、非限定的に含む単子葉類、双子葉類の細胞である。すなわち、とうもとこし(Zea mays)、アブラナ属の種、コメ(Oryza sativa)、コムギ(Triticum aestivum)、大豆(Glycine max)、タバコ(Nicotiana tabacum)及びアラビドプシス・サリアナ(Arabidopsis thaliana)及びトマト(Lycopersicon esculentum)宿主細胞等である。宿主細胞は生体外で培養されたもの、又は多細胞生物つまり、植物の宿主細胞でもよい。外部で合成された核酸をそのような宿主細胞に移す方法は本願技術分野で良く知られている。
ある実施地様では、当該菌類細胞はトリコデルマ(Trichoderma)の株でも良く、特にRL-P37と同等の機能を含むT・レセイ(T. reesei)である。(Sheir-Neiss ら(1984) Appl. Microbiol. Biotechnology 20:46-53)他の有用な宿主細胞は以下を含む。NRRL 15709、ATCC13631、ATCC26921(QM 9414)、ATCC32098、ATCC 32086、及びATCC56765(RUT-30)。他の実施態様では、当該菌類宿主細胞は、ATCC 22342、ATCC44733、ATCC14331、ATCC11490、NRRL3112及びそれらの他の株を含むアスペルギルス(Aspergillus )属の種である。
ある実施態様では、宿主細胞は原遺伝子が除去され又は不活性化されたものでも良い。例えば、プロテアーゼ遺伝子に対応する遺伝子(例.アスパラギン酸プロテアーゼ)(Berkaら、(1990) Gene 86:153-162及びUSP 6,509,171)又はセルラーゼ遺伝子に対応する遺伝子は、WO05/001036及びその関連文献で開示されているT・レセイ(T.reesei)の4種遺伝子が除去された株のように、除去されても、不活性化されても良い(例.cbh1,cbh2及びegl1及びegl2)。
宿主細胞への核酸の導入は形質転換、エレクトロポレーション、核ミクロインジェクション、形質導入、トランスフェクション(例.リポフェクションよる、及びDEAE-デキストリンによるトランスフェクション)、リン酸カルシウムDNA沈殿による導入、DNA-コート微粒子銃(DNA-coated microprojectile)、プロトプラスト融合法のような技術を含む。一般的な形質転換技術は本願技術分野で知られている(例えば、Ausbelら、(1987)、同上、第9章及びSambrook(1989) 同上、及びCampbellら(1989)Curr.Genet.16:53-56 参照)。またWO05/001036、米国特許第6,022,725号、米国特許第6,103,490号、米国特許第6,268,328号、及び公開された米国特許出願20060041113、20060040353、20060040353及び20050208623も参照せよ。これらは参照により本明細書に組み入れられる。
アスペルギルス(Aspergillus)属、トリコデルマ(Trichoderma)属での形質転換とタンパク発現は、例えば米国特許第5,364,770号、米国特許第6,022,725号及びMOLECULAR INDUSTRIAL MYCOLOGY ,Leon AND Berka編,Marcel Dekker,Inc.のPP.129-148、Nevalainen ら、1992年The Molecular Biology of Trichoderma and its Application to the Expression of Both Homologous and Heterologous Genes に更に詳細に記載されている。
上記のように、当該宿主細胞は、ALSをコードする核酸に加えさらに宿主細胞内に目的タンパクを発現する組換え核酸を含んでも良い。当該組換え核酸とALSをコードする核酸を、遺伝子又はプラスミドにおいてシス配置で密接に連結させ、ALS阻害剤が組み換え遺伝子を選択し、それによりこのタンパクを産生する細胞を選択しても良い。

タンパクの産生
上記の宿主細胞を用いる方法もまた提供される。ある実施態様では、当該方法は、当該ALS酵素を産生する第一発現カセットを含む組換え核酸とタンパクを産生する第二発現カセットを含む細胞を培養し、このタンパクを産生することを含む。ある実施態様では、先に述べたように、このタンパクは培地に分泌されても良い。そのため、本法のある実施態様は、培地からこのタンパクを回収する段階を含む。
細胞は、生理学的塩と栄養分を含む標準的培地で培養されても良い(例えば、Pourquie,J.ら BIOCHEMISTRY AND GENETICS OF CELLULOSE DEGRADATION Aubert,J,P ら編、Academic Press, pp71-86,1988、及びIlmen, M.ら(1997) Appl.Environ.Microbiol. 63:1298-1306 参照)通常の市販の調製された培地(例.Yeast Malt Extract(YM)醗酵培地、Luria Bertani(LB)醗酵培地及びSabouraud Dextrose(SD)醗酵培地)もまた本願発明で用いられる。所与の糸状菌の好ましい培養条件は本願の技術分野で知られており、科学文献、及び又はアメリカンタイプカルチャーコレクション(American Type Culture Collection(ATCC) )や菌類遺伝子保存センター (Fungal Genetics Stock Center)のような菌類の情報源から見出しても良い。
ある実施態様では、当該遺伝子はバッチ式又は連続的醗酵条件下で培養されても良い。古典的バッチ醗酵は閉鎖系であり、培地の組成は醗酵の開始時に準備され、醗酵中は人による変更を加えられない。例えば、醗酵開始時に培地は、目的の生物が接種される。この方法では、醗酵はこの系にどのような原料も追加することなく行われる。通常、バッチ醗酵は炭素源の追加に関し「バッチ式」とされ、pHと酸素濃度のような因子を管理するための操作は頻繁に行われる。バッチシステムの代謝物とバイオマス組成物は醗酵が終了するときまで一貫して変化する。バッチ式の培地では、細胞増殖は、初期停滞期から対数的高増殖期を経て最後に増殖速度が減少又は半減する定常期にいたる。処理をしない場合、定常期の細胞は最後に死滅する。一般的には、対数的増殖期の細胞が、目的物の生産量を左右する。
標準的バッチシステムの変形は「供給型-バッチ醗酵(fed-batch fermentation)」であり、本願発明にも用いられる。この通常のバッチシステムの変形は、基質が醗酵進行中に、徐々に追加される。供給型-バッチシステムは、異化代謝産物(カタボライト、catabolite)抑制が細胞の代謝を抑制する傾向のあるときで、培地中に限定された量の基質があることが望ましい場合に有用である。供給型-バッチシステム中の実際の基質濃度の測定は、困難であり、そのためpH、溶存酸素及びCO2のような廃ガスの分圧のような測定可能な因子の変化に基づき評価される。バッチ醗酵と供給型-バッチ醗酵は本願技術分野において一般的であり既知である。
連続式醗酵は一定の醗酵培地が連続的にバイオリアクターに加えられ、同時に等量のならし培地(conditioned medium)が処理のために除去される開放系である。連続式醗酵は一般的に、細胞が主に対数的増殖期にある培地を一定の高い密度に維持する。
連続式醗酵は細胞増殖及び/又は目的物濃度に影響を及ぼす因子の一つ又はいくつかの因子の調整を可能にする。例えば、一実施態様では、炭素源又は窒素源のような栄養をある固定した速度での供給に限定し、他の全ての変数は適度にしておく。他の系では、細胞濃度(これは培地の濁りにより測定される)は一定にしながら、増殖に影響する多くの因子は常時変えることができる。連続式システムは定常的増殖条件を維持するために利用される。従って、培地の流出による細胞の損失は醗酵における細胞増殖速度で補われなければならない。連続式醗酵工程の栄養素及び増殖因子の調整法は、目的物産生速度を最大化する技術とともに知られている。
菌類の宿主細胞は生理学的塩類と栄養素を含む標準的培地で培養されても良い(例えば、Pourquie,Jら BIOCHEMISTRY AND GENETICS OF CELLULOSE DEGRADATION Aubert, J.P ら編、Acdemic Press, pp.71-86,1988及びIlmen,Mら(1997) Appl.Environ.Microbiol.63:1298-1306)。一般的な市販の調製された培地(例.Yeast Malt Extract(YM)醗酵培地、Lurica Bertani(LB)醗酵培地及びSabouraud Dextrose(SD)醗酵培地)も本願発明で用いられる。菌類の宿主細胞の好ましい培養条件は、本願技術分野で知られており、科学文献、及び又はアメリカンタイプカルチャーコレクション(American Type Culture Collection(ATCC) )や菌類遺伝子保存センター (Fungal Genetics Stock Center)のような菌類の情報源から見出しても良い。
タンパクは、便利な方法、例えば、沈殿、遠心分離、アフィニティー、ろ過又は本願分野で既知の他のいずれかの方法により培養培地から回収しても良い。別の実施態様では、細胞の培地が与えられ、細胞の培養液はa)増殖培地とb)上記の宿主細胞を含む。

1818A と1818B プロモーター
宿主細胞にタンパクを発現するために使用されるプロモーターもまた提供する。一実施態様では、プロモーターはSEQID No.7又はNo.8のヌクレオチド配列(図5A及び5Bそれぞれに示す)又は宿主細胞でプロモーター活性をもつサブ配列(subsequence)またはそれと機能的に等価な配列を含む。また、組換え核酸と、プロモーターを含むベクター及び組換え核酸又はベクターを含む宿主細胞も提供する。この宿主細胞を使用したタンパクを産生する方法もまた提供される。
ある実施態様では、このプロモーターは、以下の核酸配列を含んでも良い。A)SEQ ID No:7又は8、b) プロモーター活性を保持したSEQID NO:7又は8のサブ配列、c) プロモーター活性を保持したSEQ ID No:7又は8と機能的に等価な配列又はd)厳格なハイブリダイゼーション条件下、SEQ ID No:7又は8又はそれらのサブ配列とハイブリダイズする核酸配列。一実施態様では、この核酸配列は、SEQID NO:7又は8のヌクレオチド配列と少なくとも80%一致しても良い。
一実施態様では、当該プロモーターのサブ配列は、SEQ ID:7又は8中で連続する少なくとも約100個のヌクレオチド、少なくとも約200個のヌクレオチド、少なくとも約250個のヌクレオチド、少なくとも約300個のヌクレオチド、少なくとも約350個のヌクレオチド、少なくとも約400個のヌクレオチド、少なくとも約450個のヌクレオチド、少なくとも約500個のヌクレオチド、少なくとも約550個のヌクレオチド、少なくとも約600個のヌクレオチド、少なくとも約650個のヌクレオチド、少なくとも約700個のヌクレオチド、少なくとも約800個のヌクレオチド、少なくとも約850個のヌクレオチド、を含んでも良く、SEQ ID:7又は8の全ての連続した配列、またはプロモーター活性を保持するそれらと機能的に等価な配列を含んでも良い。
一実施態様では、機能的に等価なプロモーターは、SEQ ID No:7又は8の核酸配列に関し一以上の変異(例.1、2、3、4、5、6、7、8、9、10より多く20まで又は30まで又はそれより多く)を含んでも良く、この場合、変異は例えば、除去、置換又は挿入であり得る。一典型的実施例では、機能的に等価なプロモーターのヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:7又は8のような親プロモーターのヌクレオチド配列と比較して1個から5個のヌクレオチドの違いを含んでも良い。
他の実施態様では、このプロモーターは厳格なハイブリダイゼーション条件下、SEQ ID:7又は8のヌクレオチド配列をもつポリヌクレオチドにハイブリダイズするヌクレオチド配列を含んでも良い。ここで、厳格なハイブリダオゼーション条件は、低い程度、中程度、高度及び非常に高度なハイブリダイゼーション条件を含み、そのような条件は上記に記載した。
別の実施態様では、当該プロモーターは、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、SEQ ID No:7又は8と一致する連続したヌクレオチド配列、又はそのサブ配列を含んでも良い。一実施態様では、当該プロモーターは、SEQ ID No:7又は8と少なくとも95%一致する連続したヌクレオチド配列を含んでも良い。
実施例のセクションで下記に記載するように、SEQ ID No:7又は8の核酸は、トリコデルマ・レセイ(Trichoderma ressei)、糸状菌から入手された。容易にわかることだが、プロモーター活性を保持するSEQ ID No:7又は8と機能的に等価な配列は、他の糸状菌中のSEQ ID No:7又は8に類似した配列を同定することにより、同定しえる。他の糸状菌、例えば、アスペルギルス属(Aspergillus)(例.アスペルギルス・フミガタス(Aspergillus fumigatus),アスペルギルス・オリザ(Aspergillus oryzae)(例えばMachidaら、Nature 2005 438,1157-1161参照)、アスペルギルス・ニジュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・フミガタス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger)、アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)、アスペルギルス・テレウス(Aspergillus terreus)、ニューロスポラ属(Neurospora)(例.ニューロスポラ・クラサ(Neurospora crassa))及びフザリウム属(Fusarium)(例.フザリウム・グラミネアルム(Fusarium graminearum))の遺伝子配列の殆ど又は全ては利用できるので、プロモーター活性をもつSEQ ID No:7又は8と機能的に等価な配列を容易に同定できる。
先に述べたように、当該プロモーターは宿主細胞内でプロモーター活性を持っても良い。プロモーター活性はいずれかの適当な分析法を用いて検出しても良い。ある実施態様では、当該プロモーターはポリヌクレオチドに機能的に連結しても良く、このポリヌクレオチドの転写は、いずれかの適当な方法、例えばノーザンブロッティング又はRT-PCRなどを用いて検出されても良い。他の実施態様では、このプロモーターはタンパク、例えば、情報伝達タンパク、をコードするポリヌクレオチドに機能的に連結しても良く、そしてこのプロモーターの活性はこのタンパクを検出することにより評価できる。これらの実施態様では、必要な場合、5’非翻訳領域(untranslated region)は、遺伝情報の配列を5’UTRの後にもつようにしても良い。当然のことだが、このような分析から得られたこの結果は適当な対照試験、例えば、陰性又は陽性対照サンプルと比較し、得られた結果の有意性を決定しても良い。どのような宿主細胞、例えば、大腸菌、バシラス(Bacillus)又はスプレプトミセス(Streptomyces) 宿主細胞、又は糸状菌細胞、例えばアスペルギルス(Aspergillus) ssp、トリコデルマ(Trichoderma )ssp又はフザリウム(Fusarium) ssp宿主細胞を使用しても良い。特定の宿主細胞内に当該プロモーターが含まれなければならない必要はない。ある場合には、このプロモーターはトリコデルマ・レセイ(Trichoderma ressei)宿主細胞内でプロモーター活性について試験されても良い。
当該プロモーターを含む組換え核酸もまた提供される。ある場合には、この組換え核酸は当該プロモーターとポリヌクレオチドを含んでも良く、この場合、このプロモーターとこのポリヌクレオチドはこのプロモーターが細胞内でこのポリヌクレオチドの転写を起こすように機能的に連結されても良い。ある場合には、このプロモーターとポリヌクレオチドは、天然では正常に連結していない、つまり互いに異種である。ある場合には、このポリヌクレオチドはタンパクの遺伝情報配列を含んでも良い。このタンパクは、上記のように、例えば酵素、情報伝達分子又は治療性タンパク(例.抗体タンパク)でも良い。ある実施態様では、このタンパクは、ある場合には、シグナル配列又はこのタンパクの分泌をする担体タンパクを含む融合タンパクでも良い。
当該組換え核酸を含む核酸ベクターも、これを含む宿主細胞とともに、また提供される。ある実施態様では、組換え核酸は宿主細胞の遺伝子内に存在しても良い。他の実施態様では、この組換え遺伝子は細胞内で複製するベクターに含まれても良い。この宿主細胞は細菌、菌類、酵母、植物及び哺乳類の宿主細胞内等の種々の異なる宿主細胞のいずれでも良い。ある実施態様では、宿主細胞は糸状菌宿主細胞でも良く、別の実施態様では、宿主細胞は細菌細胞でもよい。
培地と当該宿主細胞を含む細胞の培養もまた提供される。
タンパクを産生する方法もまた提供される。一般的には、このタンパクを産生するために適した条件下で、当該細胞培養を維持することを含む。本法は、さらに培地からこのタンパクを回収することを含んでも良い。
本願発明とその利点をさらに説明するために、以下に個別の実施例を示す。その際、これらは本願発明を説明するために提供されているのであり、その範囲を限定するように解釈されてはならないことを理解されたい。

実施例1
クロリムロンエチル (Chlorimuron ethyl) 耐性細胞からのALS遺伝子の単離
クロリムロンエチル(Chem service Inc. West Chester, PA)を、新しく調製し、DMF中に20mg/ml濃度までDMF中に溶解されたものを種々の濃度で、プレートに菌を接種する直前に、溶融したボーゲルス(Vogels)寒天培地に加え、25、50、100、200、300、400または500ppmのクロリムロンエチルを含む培地をつくる。
約2500万個のT.レセイ(T.reesei)株QM6a(ATCC13631)を各プレートに接種する。28℃で10日の培養の後、5個のコロニーが単離された、つまり、50ppmのプレートから2個、25、200、300ppmのプレートから各1個が単離された。これらのコロニーはさらに200ppmのクロリムロンエチルを含む新鮮なボーゲルス寒天培地上に再度ストリークすることにより単離された。
遺伝子DNAはこれら5個のクロリムロンエチル耐性株からのアセトラクテートシンターゼ(als)遺伝子を増幅し、配列決定するためにこれらの株から調製された。ハーキュラーゼ(Herculase) DNA ポリメラーゼ(Stratagene, La Jolla,CA)が製造業者の指示に従い、以下のプライマーに続けて増幅のために使用された。
順方向(Forward)(5’-3’)GGCGCGCCTGAGACAATGGCCGGCAATGGTAAAAA(SEQ ID NO:5)及び逆方向(Reverse)
(5’-3’)GCGATCGCCATCCCGTCGCGTCAAAAACACTGC(SEQ ID NO:6)
後に操作を受けるため固有の制限部位をプライマーの5’末端に付加した。得られた4.1Kbのフラグメントが単離され、野生型のT・レセイ(T.reesei)アセトラクテートシンターゼ遺伝子の配列と比較された(JGI遺伝子ウェブサイトから)。
クロリムロンエチルに耐性を与えるこのals遺伝子中の3箇所の固有の突然変異が同定された。
野生型のT・レセイ(T.reesei)アセトラクテートシンターゼタンパク(図1、SEQ ID No:1)の配列と比較したとき、クロリムロンエチル耐性アセトラクテートシンターゼタンパク群はそれぞれ以下のアミノ酸置換の一つを有していた。すなわち、A190D、K241E、R372Hである。SEQ ID NO:1の野生型のT・レセイ(T.reesei)アセトラクテートシンターゼタンパクの190、241、372位にあるこれらのアミノ酸には下線を施している。
野生型のT・レセイ(T.reesei)アセトラクテートシンターゼから誘導されたcDNA(図2;SEQ ID NO:2)の配列と比較して、クロリムロンエチル耐性アセトラクテートシンターゼcDNAそれぞれは、以下のヌクレオチド置換の1つを有した。すなわちC569A(これはA190Dアミノ酸置換に対応する)、A721G(これはK241Eアミノ酸置換に対応する)又はG1115A(これはR372Hアミノ酸置換に対応する)である。これらの変化を受けたコドン(GCC、これがGACに変異した。AAG,これはGAGに変異した。CGT、これはCATに変異した)のそれぞれは図2に示している。
野生型のT・レセイ(T.reesei)アセトラクテートシンターゼ遺伝子(図3−1及び図3−2、SEQ ID NO:3)の配列と比較して、クロリムロンエチル耐性アセトラクテートシンターゼ遺伝子のそれぞれは、以下のヌクレオチドの置換の1つを受けていた。C1023A(これはA190Dアミノ酸の置換に対応する。)、A1175G(これはK241Eアミノ酸置換に対応する。)又はG1569A(これはR372Hアミノ酸置換に対応する。)
遺伝子コードが重複しているため、alsコード配列中の他の突然変異も、A190D、K241E又はR372Hのアミノ酸置換をコードすることができる。

実施例2
A190Dアセトラクテートシンターゼ遺伝子によるT・レセイ(T.reesei)の形質転換
pTrex-グルコアミラーゼのベクターはT・レセイ(T.reesei)中にトリコデルマ・レセイ(Trichoderma reesei)由来のグルコアミラーゼを発現するように作成された。図4は、このベクターの一般的な図解を示す。3個の異なるベクター構造体が異なるプロモーターにとともに作成された。:1818A、1818B及びT・レセイ(T.reesei) cbh1プロモーターである。図5Aは1818Aと称されたプロモーターの配列を示し、図5Bはプロモーター1818Bの配列を示す。
cbh1プロモーターを含むpTrex-グルコアミラーゼの全ヌクレオチド配列は図6−1、図6−2、図6−3及び図6−4に示されている。pTrex-グルコアミラーゼベクターは、WO05/001036に詳細に記載されているベクターpTrex3gをもとに作成されている。簡単にいえば、pTrex3gは、64個の、6塩基対からなる制限酵素認識配列を含む拡張された複数のクローニング部位をもつpCU118ファージミドに基づく大腸菌ベクターpSL1180上に作成されている(Pharmacia, Inc., Piscataway,NI)。これはゲートウェイデスティネーションベクター(Gateway destination vector) として設計され(Hartley, J.L.ら(2000) Genome Research 10:1788-1795)T.レセイ(T.reesei )cbh1 遺伝子のプロモーターとターミネーター領域の間に、いずれかの所望のオープン・リーディング・フレームをゲートウェイテクノロジー(Gateway Technology)(Invitrogen)を用いて挿入を可能にする。
pTrex-グルコアミラーゼベクターでは、A190D ALS遺伝子はその元来のプロモーターとターミネーターに調節され、pTrex3gで使用されている菌類選択マーカーamdSを置換するために用いられる。
このベクターは、下記に概略を述べた手順を用いて、元来RL-P37(Sheir-Neissら(1984) Appl. Microbiol. Biotechnol. 20:46-53;USP 4,797,361)由来の4遺伝子を除去された(Δchb1、Δcbh2、Δegl1及びΔegl2)T・レセイ(T.reesi)株(WO05/001036)を形質転換する。
トリコデルマ(Trichoderma)株の胞子の懸濁液(約5×108個の胞子/ml)を調製した。100μl−200μlの胞子懸濁液が200ppmのクロリムロンエチルを加えた修飾ボーゲル培地のプレートの中心に広げられ乾燥された。
修飾ボーゲルは以下の組成を有していた。:2.5g/L Na3酒石酸2H2O、5.0g/L KH2PO4、2.0g/L NH4NO3、0.2g/L MgSO4 7 H2O 、0.1g/L CaCl2 2H2O 、5mL/L 修飾ボーゲルズトレースエレメント溶液(Modified Vogels Trace Elements Solution)、2.5mL/L修飾ボーゲルビオチン溶液。20g/L寒天修飾ボーゲルズトレースエレメント溶液は、50g/L酒石酸、50g/L ZnSO4 7H2O 、10g/LFe(NH)2 SO4 6H2O、2.5g/L CuSO4 5H2O、0.5g/L MnSO4 4H2O、0.5g/L H3BO3 、0.5 g/L NaMoO4 2H2Oを含んでいた。
修飾ボーゲルビオチン溶液は、0.1g/L d-ビオチンを含んでいた。オートクレーブで処理した後、細胞接種直前に以下の成分が加えられた。20mL/Lで50%グルコース、10mL/Lで20mg/mLのクロリムロンエチルのDMF溶液。
ビオリスチック形質転換法(biolistic transformation method)によるトリコデルマ(Trichoderma) 株の形質転換は、Bio-Rad(Hercules, CA)のBiolistic(登録商標)PDS-1000/he粒子運搬システム( Particle Delivery System) を用い、製造業者の指図に従い達成された(WO 05/001036 及び米国特許第2006/0003408号参照)。
形質転換細胞は28℃で3-4日の培養の後に単離された。形質転換細胞は、安定な一核体を単離するために200ppmクロリムロンエチルを含む新鮮なボーゲルプレート上で、二度連続して培養された。形質転換細胞が培養され、培養上澄液がSDS-ポリアクリルアミド電気泳動と酵素分析で試験された。SDS-ポリアクリルアミドゲルは図7に示され、T.レセイ(T.reesei )グルコアミラーゼの発現を示している。

実施例3
1818A と1818Bプロモーターの配列決定とクローニング
1818Aと1818Bプロモーター(図5Aと5Bにそれぞれ示されている)は米国エネルギー省共同遺伝子研究所(US Department of Energy Joint Genome Institute)のトリコデルマ・レセイ(Trichoderma reesei )遺伝子配列データベース(www.jgi.doe.govにある)を、高度に発現された発現遺伝子標識群(EST)の上流の配列をもとめて調べることで同定された。
このプロモーターは、PCRにより増幅され、図8に示されたベクターマップに従いグルコアミラーゼをコードした配列の後ろに複製された。この構造体の全ヌクレオチド配列は図9−1、図9−2及び図9−3に示されている。このベクターはpTrex3gベクター上に作成されており、WO 05/001036の実施例6に詳細に記載されている。簡単にいえば、pTrex3gは、64個の、6塩基対からなる制限酵素認識配列を含む拡張された複数のクローニング部位をもつpCU118ファージミドに基づいた大腸菌ベクターpSL1180(Pharmacia, Inc., Piscataway, NJ)上に作成されている。これはゲートウェイデスティネーションベクター(Gateway destination vector) として設計され(Hartley, J.L.ら(2000) Genome Research 10:1788-1795)トリコデルマ(T.reesei) cbh1 遺伝子のプロモーター及びターミネーター領域の間にいずれかの所望のオープン・リーディング・フレームをゲートウェイテクノロジー(Gateway Technology)(Invitrogen)を用いて挿入を可能にする。本実施例で使用されたベクターでは、cbh1プロモーターが1818A又は1818Bプロモーターにより置き換えられ、amdS選択マーカー、これは野生型のプロモーターとターミネーターにより発現される、がトリコデルマ・レセイ(Trichoderma reesei)アセトラクテートシンターゼマーカーにより置き換えられた。

実施例4
1818Aと1818Bプロモーターを含むベクターによるT.レセイ(T.reesei )宿主細胞の
形質転換
このベクターは、下記に概略を述べた手順を用いて、元来RL-P37(Sheir-Neissら(1984) Appl. Microbiol. Biotechnol. 20:46-53;米国特許 4,797,361号)由来の、4遺伝子を除去された(Δchb1、Δcbh2、Δegl1及びΔegl2)T.レセイ(T.reesi)株(WO05/001036)を形質転換する。
トリコデルマ(Trichoderma)株の胞子の懸濁液(約5×108個の胞子/ml)を調製した。100μl−200μlの胞子懸濁液が200ppmのクロリムロンエチルを含む修飾ボーゲル培地のプレートの中心に広げられた。修飾ボーゲル培地は以下の組成を持っていた。:2.5g/L Na3酒石酸2H2O、5.0g/L KH2PO4、2.0g/L NH4NO3、0.2g/L MgSO4 7 H2O 、0.1g/L CaCl2 2H2O 、5mL 修正ボーゲルトレースエレメント溶液、2.5mL修正ボーゲルビオチン溶液、20g/L寒天修正ボーゲルトレースエレメント溶液は、50g/L酒石酸、50g/L ZnSO4 7H2O 10g/L、Fe(NH)2 SO4 6H2O、2.5g/L CuSO4 5H2O、0.5g/L MnSO4 4H2O、0.5g/L H3BO3 、0.5 g/L NaMoO4 2H2O。修飾ボーゲルスビオチン溶液は0.1g/L d-ビオチンを含んでいた。オートクレーブで処理後、プレートに接種する前に以下が添加された。:20mL/Lの50%グルコース、10mL/Lの20mg/mLクロリムロンエチルDMF溶液。胞子の懸濁液は修飾ボーゲルズプレートの表面で乾燥された。
ビオリスチック形質転換法によるトリコデルマ(Trichoderma)株の形質転換は、Bio-Rad (Hercules, CA)のBiolistic(登録商標)PDS-1000/he粒子運搬システムを用い、製造業者の指図に従い達成された(WO05/001036及び米国特許第2006/0003408号参照)。
形質転換細胞は単離された。

実施例5
1818Aと1818Bプロモーターによりグルコアミラーゼ活性を発現をする形質転換細胞の
スクリーニング
安定した形質転換細胞は、デンプンを加えた修飾ボーゲルズラクトース寒天プレート(9cm 直径のペトリ-プレート)上で培養された。28℃で約4日後、4-メチル-ウンベリフェリル-α-D-グルコース(4-methyl-umbelliferyl-α-D-glucose)の1mg/ml溶液、10mlが培養されたコロニーに加えられた。室温で約30分後、グルコアミラーゼを発現している株は、長波長UVランプにより照らして見るとき、蛍光青のコロニーとして見ることができた。形質転換を受けていない、親T.レセイ(T.reesei)対照株は青い蛍光を示さなかった。
デンプンを加えた修飾ボーゲルズラクトース寒天培地プレートは、25ml/Lの20%α-ラクトース溶液(オートクレーブ処理後に加える)がグルコース溶液と置き換えられ、20g/Lの純食品用粉末コーンスターチがオートクレーブ処理前に加えられることを除き、修飾ボーゲルズ寒天と同一の方法でつくられる。
グルコアミラーゼの基質4-メチル-ウンベリフェリル-α-D-グルコースは以下のようにして調製された。200mgの4-メチル-ウンベリフェリル-α-D-グルコース(Sigma-Aldrich Co.)が5mlのDMSOに溶解され、195mlの75mMのカリウムリン酸緩衝溶液pH6.3が加えられた。

実施例6
トリコデルマ・レセイ(Trichoderma reesei) 形質転換細胞による振とうフラスコ実験
個々の菌類形質転換細胞は振とうフラスコの培地内で培養され、グルコアミラーゼタンパク発現の水準が決定された。この実験は、本質的に、以下の変更を加えた上で、米国特許第5,874,276号の実施例1に述べられているとおりに行われる。つまりTSF培地のセルロースが16g/Lのアルファ-ラクトースに置き換えられた。
一般的に、フォアマン(Foreman)ら(Foremanら(2003) J.Biol.Chem 278:31988-31997)が述べた醗酵プロトコールに従う。5%グルコースを含むボーゲルスの最小培地(Davisら(1970) Methods in Enzymology 17A, pg79-143 及びDavis, Rowland, NEUROSPORA, CONTRIBUTIONS OF A MODEL ORGANISM,OXFORD UNIVERSITY Press(2000))が1.5ml冷凍胞子懸濁液により接種される。約48時間後、各培養物は14Lのビオラフィテ醗酵装置(Biolafitte fermenter)の6.2Lの同一の培地へ移される。醗酵装置は25℃、750RPMで稼動され毎分8標準リットルの空気が供給された。最初のグルコースが消費し尽くされた1時間後、25%(w/w)ラクトース供給が開始され、ラクトースの蓄積を防ぐために炭素を制限する方法で行われた。グルコースとラクトースの濃度がモノターされる。サンプルが規則的間隔で採取され、醗酵の進行がモニターされた。採取されたサンプルは50mlの遠心管中でインターナショナルイクイプメントカンパニー(International Equipment Company)(Needham Heights, MA)臨床用遠心機で3/4の速度で遠心分離された。振とうフラスコで培養された上澄液サンプルは、MPOS(モルホリンプロパンスルホン酸)SDS ランニング緩衝液とLDSサンプル緩衝液による還元的条件下、ビス-トリス(BIS-TRIS) SDS-PAGE ゲルによる電気泳動を受ける。

Claims (21)

  1. 毒性のスルホニルウレア化合物に対する耐性を与える、アセトラクテートシンターゼタンパク質をコード(encoding)している単離されたポリヌクレオチドであって、該アセトラクテートシンターゼタンパク質のアミノ酸配列は少なくとも95%SEQ ID NO:1と一致し、a) 190番目のアスパギン酸、b) 241番目のグルタミン酸、またはc) 372番目のヒスチジンから選ばれる1以上のアミノ酸を有し、該タンパク質におけるこれらの190番目、241番目、372番目の位置は、該タンパク質においてSEQ ID NO:1の190番目、241番目及び372番目に相当する位置として定義されるものである、ポリヌクレオチド。
  2. 請求項1の単離されたポリヌクレオチドであって、これによりコードされるタンパク質アミノ酸配列は、190番目にアスパラギン酸、241番目にグルタミン酸、372番目にヒスチジンを含むものである、ポリヌクレオチド。
  3. 請求項1の単離されたポリヌクレオチドであって、該単離されたポリヌクレオチドはプロモーターとターミネーターに機能的に連結しているポリヌクレオチド。
  4. 請求項1の単離されたポリヌクレオチドであって、該単離されたポリヌクレオチドはイントロンを含むポリヌクレオチド。
  5. 請求項1の単離されたポリヌクレオチドであって、該単離されたポリヌクレオチドは単一のオープン・リーディング・フレーム(single open reading frame)を含むポリヌクレオチド。
  6. 請求項1の単離されたポリヌクレオチドであって、該単離されたポリヌクレオチドはSEQ ID NO:2と95%一致するポリヌクレオチド。
  7. 請求項1の単離されたポリヌクレオチドであって、該単離されたポリヌクレオチドは個々の宿主細胞内に前記アセトラクテートシンターゼタンパクを発現するためにコドンが最適化されているポリヌクレオチド。
  8. 請求項1の単離されたポリヌクレオチドを含むベクター。
  9. 請求項8のベクターであって、該ベクターはさらに、組換えタンパクの発現のための発現カセットを含むベクター。
  10. 請求項1の単離されたポリヌクレオチドを含む宿主細胞であって、該宿主細胞は毒性のスルホニルウレア化合物に対し耐性をもつ宿主細胞。
  11. 請求項10の宿主細胞であって、該宿主細胞は菌類である宿主細胞。
  12. 請求項11の宿主細胞であって、該宿主細胞は糸状菌である宿主細胞。
  13. 請求項12の宿主細胞であって、該宿主細胞はトリコデルマ・レセイ(Trichoderma reesei)である宿主細胞。
  14. 請求項10の宿主細胞であって、該宿主細胞は植物の細胞である宿主細胞。
  15. 請求項10の宿主細胞であって、単離されたポリヌクレオチドが該宿主細胞の遺伝子にある宿主細胞。
  16. 請求項10の宿主細胞であって、前記単離されたポリヌクレオチドが該宿主細胞内で自律的に複製するベクター内にある宿主細胞。
  17. 細胞を選択する方法であって、複数の細胞に請求項1の単離されたポリヌクレオチドを導入すること、前記複数の細胞を毒性のスルホニルウレアまたはイミダゾリノン化合物と接触させること、及び前記複数の細胞を培養して、前記細胞を選択することを含む方法。
  18. 請求項17の方法であって、前記細胞が菌類の細胞である方法。
  19. 請求項18の方法であって、前記細胞がトリコデルマ・レセイ(Trichoderma reesei)細胞である方法。
  20. 請求項17の方法であって、前記細胞が植物細胞である方法。
  21. 請求項17の方法であって、さらに液体培地中で前記細胞を培養することを含む方法。
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