JP5321282B2 - 電力制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、外部交流電源の単相交流電源電圧をダイオード整流素子で直流に変換し、電力変換器を用いて、バッテリを充電するための直流出力電圧を制御する電力制御装置に関する。
従来から、特許文献1に記載された単相整流回路が知られている。特許文献1に記載された単相整流回路は、高力率を得る単相電源を提案することを目的として考えられたもので、単相ブリッジ整流器と、高周波フィルタと、電流追従型チョッパと、負荷とにより構成している。電流追従形チョッパを構成するリアクトルを流れる電流の指令値と検出電流との差をヒステリシス回路に加えることにより、追従制御が可能であるとされている。
また、特許文献2に記載された単相正弦波入力形コンバータの場合、入力電流のみを検出するだけで高力率を確保することを目的として考えられたもので、単相ブリッジ整流器で交流電圧を直流電圧に変換し、その出力の直流電圧を昇圧コンバータである昇圧チョッパで、交流側の入力電流波形を正弦波に制御しつつ制御するとされている。また、特許文献2に記載された回路構成の場合、入力電流を検出する電流検出器と、直流電圧偏差より電流制御ゲインを算出するマイコンと、入力電流と電流制御ゲインを乗算する乗算器と、最大通流比より乗算器の出力を差し引く演算増幅器と、三角波と演算増幅器の出力とを比較して通流比を決定する比較器とにより構成している。特許文献1,2のいずれに記載された構成の場合も、交流電源側の交流電流を正弦波に制御するために、昇圧チョッパの入力側電流を検出し、この検出した電流が正弦波の交流電流の波形の絶対値に追従するように昇圧チョッパのスイッチング素子を制御して交流側の入力電流波形を正弦波に制御している。
高橋、池下、井出、「464総合力率≒1の単相整流回路の回路構成」、昭和59年電気学会全国大会、P.553 能登原、二見、田原、遠藤、山下、「基準波形を省略した単相正弦波入力形コンバータ」、電気学会論文誌D、平成6年、114巻、6号、P.654−661
ただし、非特許文献1,2のいずれに記載された構成の場合も、昇圧コンバータを用いて出力電圧を制御しているため、その出力電圧は出力交流電圧の最大値以上でなければならない。出力電圧を入力交流電圧の最大値以下でも制御できるようにするためには、昇降圧コンバータを用いる必要がある。昇降圧コンバータを用いる場合には、昇降圧コンバータを構成するスイッチング素子のオフ時にはリアクトルを流れる電流が交流電源側の入力には流れず、バッテリに充電する場合にバッテリ側にだけ流れる。このため、リアクトルの電流を正弦波の絶対値に追従するように制御しても、交流入力電流は正弦波とならない。すなわち、交流入力電流は入力交流電圧と出力電圧とに依存した歪み波形となる。このため、単相交流電源電圧をダイオード整流素子で直流電圧に変換し、少なくとも一部が昇降圧コンバータとして機能する電力変換器を用いて直流電圧の昇降圧を可能とし、バッテリを充電する構成において、入力側である外部交流電源の交流電源電圧及び出力側であるバッテリ電圧にかかわらず、外部交流電源側の電流を交流電源電圧と同位相の正弦波に制御できる電力制御装置の実現が望まれている。
本発明の目的は、電力制御装置において、電力変換器を用いて、単相交流電源電圧に基づく直流電圧の昇降圧を可能とし、バッテリを充電する構成において、外部交流電源の交流電源電圧及びバッテリ電圧にかかわらず、外部交流電源側の電流を交流電源電圧と同位相の正弦波に制御することである。
本発明に係る電力制御装置は、外部交流電源の単相交流電源電圧V(t)をダイオード整流素子で直流に変換し、電力変換器を用いて、直流電圧の昇降圧を可能としつつ、バッテリを充電するための直流出力電圧Vbを制御する電力制御装置であって、電力変換器または電力変換器に接続されたモータが有するリアクトル成分の電流を検出する電流検出部と、正弦波の交流電流指令値の絶対値に、検出された交流電源電圧V(t)及び直流出力電圧Vbから決定される分流比{1+(|V(t)|/Vb)}を乗じた値と、リアクトル成分の検出電流との偏差に補償器を乗じて、補償器から出力される値に直流出力電圧Vbを加算し、交流電源電圧V(t)の絶対値に直流出力電圧Vbを加算した値(|V(t)|+Vb)で除算してPWM変調率を演算する演算部と、演算部で演算したPWM変調率とキャリア信号とを比較し、PWM信号を生成し、PWM信号を電力変換器のスイッチング素子のゲートに出力するPWM信号出力部と、を備え、PWM信号出力部から電力変換器のスイッチング素子のゲートにPWM信号を出力し、電力変換器のスイッチング素子をオンオフ制御することで外部交流電源からバッテリへの充電を可能とすることを特徴とする電力制御装置である。
また、本発明に係る電力制御装置において、好ましくは、位相が120度ずつ異なる3相のキャリア信号を出力する3相キャリア信号出力部を備え、PWM信号出力部は、演算部で演算したPWM変調率と、3相のキャリア信号とを比較し、位相が120度ずつ異なる各相用のPWM信号を生成し、各相用のPWM信号を、電力変換器の3相のスイッチング素子のゲートに出力する3相PWM信号出力部であり、3相PWM信号出力部から電力変換器の3相のスイッチング素子のゲートに各相用のPWM信号を出力し、電力変換器のスイッチング素子をオンオフ制御することで外部交流電源からバッテリへの充電を可能とする。
また、本発明に係る電力制御装置において、好ましくは、電力変換器は、バッテリに接続されたインバータであり、電流検出部は、インバータに接続されたモータが有するリアクトル成分の電流であって、モータの固定子巻線の中性点電流を検出し、モータは、インバータの出力側に接続され、インバータにより駆動され、PWM信号出力部は、演算部で演算したPWM変調率とキャリア信号とを比較し、各相用のPWM信号を生成し、各相用のPWM信号を、インバータの3相の正極側または負極側のスイッチング素子のゲートに出力する。
また、本発明に係る電力制御装置において、好ましくは、インバータの正極側とバッテリの正極との間に充電時接続スイッチを介して接続され、ダイオード整流素子及びコンデンサを含む充電付加回路を備え、外部交流電源からバッテリを充電する際に、バッテリの正極とインバータの正極側とが走行時接続スイッチで切り離され、バッテリの負極とインバータの負極側とが接続された状態で、ダイオード整流素子の正極側がインバータの正極側に接続され、ダイオード整流素子の負極側がモータの固定子巻線の中性点とバッテリの正極とに接続され、ダイオード整流素子の交流側にコンデンサを介して外部交流電源が接続される。
また、本発明に係る電力制御装置において、好ましくは、電力変換器は、ダイオード整流素子の直流側正極とバッテリの負極との間に接続されたスイッチング素子と、ダイオード整流素子の直流側負極とバッテリの正極との間に接続された第2ダイオード整流素子と、スイッチング素子及びバッテリの負極の接続点とダイオード整流素子の直流側負極及び第2ダイオード整流素子の直流側負極の接続点との間に接続されたリアクトルとを備え、電流検出部は、電力変換器が有するリアクトル成分の電流を検出することを特徴とする。
また、本発明に係る電力制御装置において、好ましくは、電力変換器は、ダイオード整流素子の直流側正極とバッテリの正極及びダイオード整流素子の直流側負極の接続点との間に互いに並列に接続された3相のアームを備え、各相のアームは、スイッチング素子と、スイッチング素子に直列接続されたリアクトルとを含み、各相のアームのスイッチング素子及びリアクトルの間とバッテリの負極との間に接続された3個の第2ダイオード整流素子を備え、電流検出部は、電力変換器が有するリアクトル成分の中性点の電流を検出する。
本発明の電力制御装置によれば、電力変換器を用いて、単相交流電源電圧に基づく直流電圧の昇降圧を可能とし、バッテリを充電する構成において、外部交流電源の交流電源電圧及びバッテリ電圧にかかわらず、外部交流電源側の電流を交流電源電圧と同位相の正弦波に制御できる。
また、位相が120度ずつ異なる3相のキャリア信号を出力する3相キャリア信号出力部を備え、PWM信号出力部は、演算部で演算したPWM変調率と、3相のキャリア信号とを比較し、位相が120度ずつ異なる各相用のPWM信号を生成し、各相用のPWM信号を、電力変換器の3相のスイッチング素子のゲートに出力する3相PWM信号出力部であり、3相PWM信号出力部から電力変換器の3相のスイッチング素子のゲートに各相用のPWM信号を出力し、電力変換器のスイッチング素子をオンオフ制御することで外部交流電源からバッテリへの充電を可能とする構成によれば、外部からのバッテリの充電を可能とする構成で、電流リップルを除去するための電気部品の小型化を図れる。
また、電力変換器は、バッテリに接続されたインバータであり、電流検出部は、インバータに接続されたモータが有するリアクトル成分の電流であって、モータの固定子巻線の中性点電流を検出し、モータは、インバータの出力側に接続され、インバータにより駆動され、PWM信号出力部は、演算部で演算したPWM変調率とキャリア信号とを比較し、各相用のPWM信号を生成し、各相用のPWM信号を、インバータの3相の正極側または負極側のスイッチング素子のゲートに出力する構成によれば、専用の充電器を用いることなく外部からのバッテリの充電が可能となる。
本発明の第1の実施の形態の電力制御装置の回路図である。 第1の実施の形態の電流指令生成部の1例を示す図である。 図1の電力制御装置において、充電時にインバータ及びモータを利用して電圧変換を行う様子を説明するための回路図である。 本発明の第2の実施の形態の電力制御装置の一部の構成を示すブロック図である。 電力制御装置において、充電時の外部電源側の電圧と電流とを求める第1のシミュレーション結果を、(a)は、PWM信号生成に使用するキャリア信号を3相のスイッチング素子で共通とした比較例の場合で、(b)は、PWM信号生成に使用するキャリア信号の位相を3相のスイッチング素子で120度ずつずらせた第2の実施の形態の場合で示す図である。 電力制御装置において、充電時のモータの各相の固定子巻線を流れる電流(モータ電流)と中性点を流れる電流(中性点電流)とを求める第2のシミュレーション結果を、(a)は、PWM信号生成に使用するキャリア信号を3相のスイッチング素子で共通とした比較例の場合で、(b)は、PWM信号生成に使用するキャリア信号の位相を3相のスイッチング素子で120度ずつずらせた第2の実施の形態の場合で示す図である。 第2の実施の形態の電力制御装置で充電時の電流及び電圧を求める第3のシミュレーション結果を、(a)は外部交流電源の電流及び電圧で、(b)はバッテリの電流及び電圧で示す図である。 第2の実施の形態を用いて行ったシミュレーション結果から得られた、外部交流電源の電流の高調波成分の次数と電流値との関係を示す図である。 第2の実施の形態の電力制御装置で充電する場合を模擬して、外部交流電源の電流及び電圧を求める実験結果を示す図である。 第2の実施の形態の電力制御装置で充電する場合を模擬して、モータのU相の固定子巻線を流れるU相電流、U相の固定子巻線を流れるU相電圧、及び、中性点を流れる電流を求める実験結果を示す図である。 第2の実施の形態の電力制御装置で充電する場合を模擬して、バッテリの電流及び電圧を求める実験結果を示す図である。 本発明の第3の実施の形態の電力制御装置を示す回路図である。 本発明の第4の実施の形態の電力制御装置を示す回路図である。
[第1の発明の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態の電力制御装置の回路図である。図2は、本実施の形態の電流指令生成部の1例を示す図である。図3は、図1の電力制御装置において、充電時にインバータ及びモータを利用して電圧変換を行う様子を説明するための回路図である。
図1に示す電力制御装置は、例えば車載バッテリを電力源とし、走行用モータを駆動する電気自動車や、エンジン及び走行用モータを車両の駆動源として備えるハイブリッド車両等の電動車両に搭載し、車載バッテリの外部交流電源からの充電を可能とする。電力制御装置は、昇降圧形と呼ばれるもので、外部交流電源の単相交流電源電圧V(t)をダイオード整流素子で直流電圧に変換し、電力変換器を用いて、直流電圧の昇降圧を可能としつつ、バッテリを充電するための直流出力電圧Vbを制御する。このような機能を得るために、電力制御装置は、車載のバッテリ(直流電源)10に接続された電力変換器であるインバータ12と、インバータ12に接続された走行用モータであるモータ(三相モータ)14とを備える。モータ14は、インバータ12の出力側に接続され、インバータ12により駆動される。バッテリ10の正極は、第1充電時接続スイッチ20及び第2充電時接続スイッチ22を介して、モータ14のスター結線された固定子巻線の中性点に接続している。各充電時接続スイッチ20,22は、車両走行時にはオフされ、車両停止時の充電時にはオンされる。
また、電力制御装置は、充電付加回路24を備える。充電付加回路24には図示しないコネクタを介して外部交流電源(商用電源)28が接続される。充電付加回路24はダイオード整流素子を含むダイオード整流ブリッジ等のダイオード整流器30と、ダイオード整流器30の交流側に接続された交流フィルタである、EMIフィルタ32とを含み、ダイオード整流器30の直流側負極はバッテリ10の正極側に第2充電時接続スイッチ22を介して接続され、ダイオード整流器30の直流側正極はインバータ12の正極側に接続される。EMIフィルタ32は、電流リップルを除去するためのもので、コンデンサを含む。また、ダイオード整流器30の直流側負極は、各充電時接続スイッチ20,22が接続されることで、バッテリ10の正極及びモータ14の固定子巻線の中性点に接続される。バッテリ10の負極は、インバータ12の負極側に接続されている。
バッテリ10の正極とインバータ12の正極側との間には走行時接続スイッチ36が設けられる。走行時接続スイッチ36は、車両走行時にはオンされ、車両停止時の充電時にはオフされる。このため、車両走行時のモータ14の駆動時には、走行時接続スイッチ36がオンされ、各充電時接続スイッチ20,22がオフされる。このスイッチの切り替えにより、バッテリ10の正極はインバータ12の正極側に接続され、充電付加回路24とバッテリ10とは切り離される。
一方、充電時には、走行時接続スイッチ36がオフされ、充電時接続スイッチ20、22がオンされる。このスイッチの切り替えにより、バッテリ10の正極とインバータ12の正極側とが切り離され、バッテリ10の正極及びモータ14の固定子巻線の中性点とが充電付加回路24に接続される。このように、バッテリ10を充電する際に、バッテリ10の正極とインバータ12の正極側とが走行時接続スイッチ36で切り離され、バッテリ10の負極とインバータ12の負極側とが接続された状態で、ダイオード整流器30の正極側がインバータ12の正極側に接続され、ダイオード整流器30の負極側がモータ14の固定子巻線の中性点とバッテリ10の正極とに接続され、ダイオード整流器30の交流側にEMIフィルタ32を介して外部交流電源28が接続される。
また、バッテリ10の電圧及び電流がインバータ12の交流出力側からモータ14を介して見たときに零相となるように構成する。そして、インバータ12を構成するスイッチング素子のオンオフに応じた時間分割により、インバータ12とモータ14との間での電力の授受を可能とし、かつ、インバータ12による零相電圧ベクトルの出力時にインバータ12は、バッテリ10との間で零相電力を授受する。
インバータ12は、3相(U相、V相、W相)の各相(各アーム)毎に直列接続される一対ずつのトランジスタ、IGBT等のスイッチング素子と、各スイッチング素子に逆並列接続されるダイオードとを有する。インバータ12の3アームはあたかも零相電圧ベクトルの比でスイッチング動作する1つのアームとみなされ、コンバータとして作用するので、インバータ12により零相電圧を制御することでコンバータの機能を持たせることができる。さらに、モータ14は漏れインダクタンスの値をもつリアクトルと考えることができるので、バッテリ10とインバータ12との間で零相電力を送受することになる。
外部交流電源28から充電付加回路24に供給される電力は、充電付加回路24のダイオード整流器30で整流される。インバータ12の正極側のスイッチング素子を1相、あるいは全相をオンオフ制御し、整流された電力をバッテリ10に供給して充電する。すなわち、インバータ12の正極側のスイッチング素子と負極側のダイオードとを利用して、正極側のスイッチング素子の1相のみ、あるいは全相をオンすると、モータ14の漏れインダクタンスを利用するリアクトルである固定子巻線に外部交流電源28の整流電圧が印加されてリアクトル電流が増大する。その後、オンしているスイッチング素子をオフにすると、モータ14の固定子巻線に蓄積されたエネルギがバッテリ10に供給され、バッテリ10を充電できる。
さらに、電力制御装置は、インバータ12に接続されたモータ14が有するリアクトル成分の電流であって、モータ14の固定子巻線の中性点電流を検出する電流検出部である電流センサ40と、制御部42とを備える。制御部42は、CPU、メモリ等を有するマイクロコンピュータ等を含み、分流比乗算部44と、減算器46と、演算部48と、キャリア信号出力部50と、PWM信号出力部52とを有する。また、演算部48は、補償器54と、加算器56と、除算器58とを含む。分流比乗算部44は、中性点電流指令値である正弦波の交流電流指令値の絶対値|i*|に、図示しない電圧センサによりそれぞれ検出された外部交流電源28の交流電源電圧V(t)と直流出力電圧であるバッテリ電圧Vbとから決定される分流比(1+|V(t)|/Vb)を乗じて得られる値を算出し、減算器46へ出力する。
ここで、交流電流指令値の絶対値|i*|は、充電電力に対応する外部交流電源28に対し、力率1の正弦波の交流電流指令値の絶対値|i*|である。また、電流指令値の絶対値|i*|を使用するのは、半波整流とするためである。また、力率1の正弦波の電流指令値の絶対値|i*|を求めるために、例えば、制御部42は、図2に示す電流指令生成部60を有し、図示しない外部制御部から受ける充放電電力指令値PR、及び、外部交流電源28(図1)の電圧VA(V(t))を検出する電圧センサ(図示せず)からの検出値に基づいて、外部交流電源28に対して力率1の正弦波の電流指令値の絶対値|i*|を生成する。例えば、電流指令生成部60は、実効値演算部62と、位相検出部64と、正弦波生成部66と、除算部68と、乗算部70と、絶対値算出部72とを有する。実効値演算部62は、外部交流電源28(図1)の電圧VAからピーク電圧を検出し、検出したピーク電圧に基づいて電圧VAの実効値を算出する。位相検出部64は、電圧VAのゼロクロス点を算出し、検出したゼロクロス点に基づいて電圧VAの位相を検出する。
正弦波生成部66は、位相検出部64によって検出された電圧VAの位相に基づいて、例えば、正弦波関数のテーブルを用いて、電圧VAと同相の正弦波を生成する。除算部68は、実効値演算部62からの電圧VAの実効値により充放電電力指令値PRを除算し、その演算結果を乗算部70へ出力し、乗算部70では、除算部68の演算結果に正弦波生成部66からの正弦波を乗算する。絶対値算出部72では、乗算部70の演算結果の絶対値を算出し、その算出結果を電流指令の絶対値|i*|として出力する。電流指令生成部60の出力|i*|は、分流比乗算部44(図1)に入力する。なお、電圧VAの実効値と位相とを利用するものであれば、電流指令生成の絶対値はこのような方法で生成するものに限らず種々の方法で生成できる。例えば、電流指令生成の絶対値を予め定めておくこともできる。
図1に戻り、演算部48が有する減算器46は、分流比乗算部44の出力値と、リアクトル成分の検出電流である中性点電流の検出値iとの偏差を求め、補償器54に出力する。補償器54は、減算器46の出力値に補償器を乗じて得られる値、すなわち、減算器46の出力値を比例補償や比例積分補償等の補償制御することにより得られる値を、リアクトル電圧指令VL*として出力する。リアクトル電圧指令VL*は、加算器56で、バッテリ電圧Vbを加算された後、除算器58で、(|V(t)|/Vb)により除算されることにより、PWM変調率が算出される。
そして、PWM信号出力部52では、演算部48で演算して得られたPWM変調率と、キャリア信号出力部50から出力されるキャリア信号とをコンパレータで比較して得られた算出値に応じてPWM信号Psを生成し、インバータ12の正極側の各相のスイッチング素子のゲートにPWM信号Psを出力する。
このような電力制御装置により、PWM信号出力部52からインバータ12の3相の正極側のスイッチング素子のゲートにPWM信号Psが出力され、インバータ12の正極側のスイッチング素子がオンオフ制御されるため、外部交流電源28からバッテリ10への充電が可能となる。本実施の形態の場合、インバータ12及びモータ14は、充電する場合に昇降圧装置としての機能を有し、外部交流電源28からダイオード整流器30を介してインバータ12に送られた直流電圧を、インバータ12とモータ14とで昇圧または降圧してバッテリ10に供給する。また、インバータ12のスイッチング素子をオフとなるように制御することで、外部交流電源28からダイオード整流器30を介してインバータ12に送られた直流電圧を、昇降圧させることなくバッテリ10に供給することもできる。なお、回路構成によっては、インバータ12の負極側の各相のスイッチング素子のゲートにPWM信号Psを出力することにより、負極側のスイッチング素子をオンオフ制御し、外部交流電源28からバッテリ10への充電を可能とすることもできる。
このような電力制御装置によれば、専用の充電器を用いることなく外部からの車載のバッテリ10の充電を可能とし、かつ、小型化及び低コスト化が可能となる。具体的には本実施の形態によれば、次の(1)から(3)の効果を得られる。
(1)外部からの充電機能を持たせるのにもかかわらず、外部からの充電機能を持たない従来のモータ駆動装置に設けていたモータ14とインバータ12とをそのまま流用でき、かつ、専用の充電器を別途、車両に搭載する必要がなくなる。このため、電力制御装置の小型化及び低コスト化が可能となる。
(2)モータ14の中性点を利用して零相の電流を制御しているため、充電の際にモータ14にトルクが生じず、モータ14が回転しない。
(3)充電機能を持たないモータ駆動装置にダイオード整流器30を追加し、外部交流電源28の電圧を直流に変換し、ダイオード整流器30の直流側からバッテリ10側を見た構成は、等価的に昇降圧コンバータと等価な回路構成となるので、外部交流電源28の電圧よりも低い、または高い電圧のバッテリ10へ充電できる。すなわち、図3に示すように、インバータ12(図1)の正極側の3相のスイッチング素子74をオンオフ制御し、ダイオード整流器30で整流された電力をバッテリ10に供給して充電する。この際、インバータ12の正極側のスイッチング素子74をオンすると、図3の実線矢印で示す方向に電流が流れる。これに対して、正極側のスイッチング素子74をオフすると、図2の破線矢印で示す方向に電流が流れ、負極側のダイオード76を介してモータ14の固定子巻線に蓄積されたエネルギがバッテリ10に供給され、バッテリ10が充電される。
さらに、本実施の形態によれば、次の(4)の効果も得られる。
(4)インバータ12を用いて、単相交流電源電圧に基づく直流電圧の昇降圧を可能とし、バッテリ10を充電する構成において、外部交流電源28の交流電源電圧V(t)及びバッテリ電圧Vbにかかわらず、外部交流電源28側の電流を交流電源電圧V(t)と同位相の正弦波に制御できる。次にこれについて詳しく説明する。
まず、上記の図2で示した実線矢印方向に電流が流れる状態を動作状態1とし、破線矢印方向に電流が流れる状態を動作状態2とした場合において、1回のスイッチング期間での、動作状態1,2の、モータ14のリアクトル成分の回路方程式は次の(1)(2)式で表される。ここで、外部交流電源28の単相交流電源電圧をV(t)とし、バッテリ10の電圧をVbとする。また、モータ14の固定子巻線のインダクタンスをLとし、動作状態1での中性点電流(リアクトル電流)を(iL1)とし、動作状態2での中性点電流を(iL2)とする。
(動作状態1) |V(t)|=L・d(iL1)/dt・・・(1)
(動作状態2) −Vb=L・d(iL2)/dt・・・(2)
図3の実線矢印で示す動作状態1では、インバータ12(図1)の3相の正極側のスイッチング素子74のオン状態で、リアクトル電流は、正極側のスイッチング素子74を流れて、固定子巻線で磁気エネルギが蓄えられる。これに対して、動作状態2では、リアクトル電流は負極側のダイオード76を通過してバッテリ10へ流れ、固定子巻線で蓄えられた磁気エネルギはバッテリ10へ供給されて電流が減少する。このようなインバータ12と固定子巻線とを含む部分は、昇降圧コンバータと等価な回路として機能するため、バッテリ10の電圧は零から外部交流電源28の電圧の最大値以上の範囲で制御できる。
上記の(1)式、(2)式から、スイッチングの1周期において、固定子巻線に印加される平均電圧VLは次の(3)式で表される。ここで、スイッチング周期をTaとし、正極側のスイッチング素子のオン時間をTonとする。
VL=(|V(t)|・Ton−Vb(Ta−Ton))/Ta・・・(3)
したがって、(3)式を変形して、デューティ比(通流率)Ton/Taは次の(4)式で表される。
Ton/Ta=(VL+Vb)/(|V(t)|+Vb)・・・(4)
また、動作状態1,2での中性点電流(リアクトル電流)の分流比(iL2)/(iL1)は次の(5)式で表される。
(iL2)/(iL1)=(1+|V(t)|/Vb)・・・(5)
本実施の形態の場合、交流電流指令値の絶対値|i*|に、(5)式の分流比(iL2)/(iL1)を乗じた値と固定子巻線の中性点電流iとの偏差を、比例補償器や比例積分補償器の補償等で制御補償し、得られた値をリアクトル電圧指令VL*として、この電圧指令に対応する通流率を算出し、この通流率を用いて正極側のスイッチング素子を制御することができる。このため、上記の(1)〜(5)式から分かるように、昇降圧形としての機能を有する構成でも、外部交流電源28の交流電圧(t)とバッテリ10の電圧Vbとにかかわらず、外部交流電源28側の電流が正弦波の交流電流指令値i*に追従するように制御できる。すなわち、外部交流電源28側の電流を交流電源28の電圧と同位相の正弦波に制御できる。
なお、第1充電時接続スイッチ20を図1に示す位置に設けるのではなく、インバータ12の直流側正極と充電付加回路24のダイオード整流器の直流側正極との間である、図1のP位置、または、モータ14の固定子巻線の中性点とダイオード整流器30との間の、図1のQ位置に第1充電時接続スイッチ20を設けることもできる。
[第2の発明の実施の形態]
図4は、本発明の第2の実施の形態を示す図である。本実施の形態の場合には、上記の第1の実施の形態において、制御部42は、キャリア信号出力部50(図1)の代わりに3相キャリア信号出力部78を有し、PWM信号出力部52(図1)の代わりに3相PWM信号出力部80を有する。なお、以下の説明において、上記の図1から図3に示した要素と同等の機能を有する要素には同一符号を付して説明する。
3相キャリア信号出力部78は、位相が120度ずつ異なる3相のキャリア信号C1、C2、C3を出力する。すなわち、3相のキャリア信号C1、C2、C3は、それぞれ位相が0度、120度、240度のPWMキャリア信号である。尚、3相とは、モータ14の駆動のためにインバータ12に電流を供給する場合の、モータ14のU,V,W相に対応する3相をいう。
3相PWM信号出力部80は、コンパレータ82を有し、演算部48で演算して得られたPWM変調率と、位相が120度ずつ異なる3相のキャリア信号C1、C2、C3とをコンパレータ82で比較して得られた算出値に応じて、位相が120度ずつ異なる各相用のPWM信号Pu,Pv,Pwを生成する。そして、3相PWM信号出力部80は、インバータ12を構成する3相のアームAu,Av,Aw(図1参照)の正極側のスイッチング素子のゲートに、各相用のPWM信号Pu,Pv,Pwを出力する。
このような電力制御装置により、3相PWM信号出力部80からインバータ12の3相の正極側のスイッチング素子のゲートに各相用のPWM信号Pu,Pv,Pwが出力され、インバータ12の正極側のスイッチング素子を、各相のスイッチング素子同士でスイッチングするタイミングを120度ずつ位相をずらせるようにオンオフ制御されるため、外部交流電源28からバッテリ10への充電が可能となる。
このような電力制御装置によれば、電流リップルを除去するための電気部品の小型化を図れ、かつ、充電時にモータ14での効率向上を図れる。すなわち、U相、V相、W相の3相のキャリア信号C1,C2,C3の位相を120度ずつずらしているので、スイッチング周波数に対して、モータ14の相の自己インダクタンス及び相互インダクタンスが利用できるようになる。このため、各相の固定子巻線を流れる電流のリップルが低減され、さらに、3相の電流の合成により得られる、中性点から流出する電流リップルの周波数がキャリア信号C1,C2,C3の位相をずらせない場合に比べて3倍となる。この結果、外部交流電源28の電流のリップルの値が大幅に低減され、電流リップルを除去するための電気部品である、EMIフィルタ32を小型化できる。
また、本実施の形態によれば、充電時にモータ14のインダクタンスを等価的に大きくできる。このため、同じスイッチング素子を使用する場合において、流れる電流を小さくできるため、損失を小さくでき、出力を大きくできる。したがって、充電時のモータ14での効率向上を図れる。また、同じ出力を得る場合にモータ14の小型化も図れる。その他の構成及び作用については、上記の第1の実施の形態と同様であるため、重複する図示及び説明を省略する。
図5は、本実施の形態の効果を確認するために行った充電する場合の外部交流電源28(図1)の電流及び電圧を求める第1のシミュレーション結果を示す図である。なお、以下のシミュレーション及び実験の説明において、図1〜4に示した要素と同一の要素には同一の符号を付して説明する。図5(a)は、本実施の形態の構成において、PWM信号生成に使用するキャリア信号を3相のスイッチング素子で共通とした比較例のシミュレーション結果を示している。図5(b)は、PWM信号生成に使用するキャリア信号の位相を3相のスイッチング素子で120度ずつずらせた本実施の形態のシミュレーション結果を示している。
図5の各図において、「電源電圧」は、外部交流電源28の電圧を表し、「電源電流」は、外部交流電源28の電流を表す。また、図5(a)の比較例のシミュレーション結果では、EMIフィルタ32を構成するコンデンサの静電容量Cfを23.4μFとし、図5(b)の本実施の形態のシミュレーション結果では、EMIフィルタ32を構成するコンデンサの静電容量Cfを2.2μFとしている。図5に示す結果から明らかなように、本実施の形態の場合には、コンデンサの静電容量を比較例の場合に比べて小さくしているのにもかかわらず、外部交流電源28の電流及び電圧のリップルを十分に小さく抑えることができた。また、このような結果から、本実施の形態によれば、EMIフィルタ32の小型化を図れることも確認できた。また、本実施の形態によれば、外部交流電源28の電流波形は、外部交流電源28の電圧と同位相の正弦波に制御されることが分かる。
図6は、本実施の形態の効果を確認するために行った充電する場合のモータ14の各相の固定子巻線を流れる電流(モータ電流)と、固定子巻線の中性点を流れる電流(中性点電流)とを求める第2のシミュレーション結果を示す図である。図6(a)は、本実施の形態の構成において、PWM信号生成に使用するキャリア信号を3相のスイッチング素子で共通とした、すなわちキャリア信号の位相を同相とした比較例のシミュレーション結果を示している。図6(b)は、PWM信号生成に使用するキャリア信号の位相を3相のスイッチング素子で120度ずつずらせた本実施の形態のシミュレーション結果を示している。図6の各図において、「モータ電流」は、モータ14の各相の固定子巻線を流れる電流を表し、「中性点電流」は、固定子巻線の中性点を流れる電流を表す。図6に示す結果から明らかなように、図6(b)に示す本実施の形態の場合には、図6(a)に示す比較例の場合に比べて、各相の固定子巻線を流れる電流(モータ電流)のリップル自体を小さくできるとともに、各相の電流の位相がずれるため、これらの電流が合成される中性点電流の最大値の大きさ及びリップルの振れの大きさをともに小さくできた。
図7、図8は、本実施の形態の効果を確認するために行った充電する場合の外部交流電源28の電流及び電圧と、バッテリ10の電流及び電圧とを求める第3のシミュレーション結果を示す図である。図7(a)(b)は、本実施の形態の構成を用いて行ったシミュレーション結果を示している。図7において、「電源電圧」は、外部交流電源28の電圧を表し、「電源電流」は、外部交流電源28の電流を表す。また、「電池電圧」は、バッテリ10の電圧を表し、「電池電流」は、バッテリ10の電流を表す。図7に示す結果から明らかなように、本実施の形態の場合には、外部交流電源28の電流のリップルを十分に小さく抑えることができるとともに、バッテリ10の電流のリップルを小さく抑えることができた。すなわち、外部交流電源28の高調波電流のリップルを小さく抑えることができた。また、図8は、本実施の形態を用いて行ったシミュレーション結果から得られた、外部交流電源28の電流の高調波成分の次数と電流値との関係を示す図である。図8において、「規制値」とは、IEC(国際電気標準会議)の規制値であるIEC61000−3−2によって規定された値を示している。図8に示す結果から明らかなように、本実施の形態では外部交流電源28の電流の高調波成分を規制値よりも低く抑えることができた。
図9から図11は、本実施の形態の効果を確認するために、本実施の形態の電力制御装置で充電する場合を模擬して、外部交流電源28の電流及び電圧(図9)と、モータ14のU相の固定子巻線を流れるU相電流、U相の固定子巻線を流れるU相電圧、及び、中性点を流れる電流(図10)と、バッテリ10の電流及び電圧(図11)とを求める実験結果を示す図である。実験では、バッテリ10の代わりに抵抗を用いて行った。図9で、「AC入力電流」は外部交流電源28の電流を表し、「AC入力電圧」は外部交流電源28の電圧を表す。図10で、「モータU相電流」は、モータ14のU相の固定子巻線を流れるU相電流を表し、「モータU相電圧」は、モータ14のU相の固定子巻線を流れるU相電圧を表し、「中性点電流」は、モータ14の固定子巻線の中性点を流れる電流を表す。また、図11で、「出力電流」は、バッテリ10の代わりとして使用する抵抗を流れる電流を表し、「出力電圧」は、この抵抗の両端間の電圧を表す。
図9から図11に示す実験結果から明らかなように、本実施の形態によれば、モータ14の固定子巻線の中性点を流れる電流のリップルを小さくでき、外部交流電源28の電流のリップルを小さくできるとともに、バッテリ10の電流のリップルを小さくできることを確認できた。
[第3の発明の実施の形態]
図12は、本発明の第3の実施の形態の電力制御装置を示す回路図である。本実施の形態は、外部交流電源28の交流電圧を、ダイオード整流素子を含むダイオード整流器30で直流電圧に変換し、所定の電圧に昇圧または降圧させてから直流電源である、バッテリ10に供給し、バッテリ10を充電する充電器84を備える電力制御装置に、本発明を適用している。このような電力制御装置は、昇降圧形として機能する。
具体的には、充電器84は、外部交流電源28とバッテリ10との間に接続され、ダイオード整流器30と、EMIフィルタ32と、IGBT等のスイッチング素子86と、スイッチング素子86に接続されたリアクトル88と、第2ダイオード整流素子であるダイオード90と、電流センサ40と、制御部42とを含む。スイッチング素子86は、ダイオード整流器30の直流側正極とバッテリ10の負極との間に接続している。ダイオード90は、ダイオード整流器30の直流側負極とバッテリ10の正極との間に接続している。リアクトル88は、スイッチング素子86及びバッテリ10の負極の接続点と、ダイオード整流器30の直流側負極及びダイオード90の直流側負極の接続点との間に接続している。
また、電流センサ40は、リアクトル成分の電流を検出する。なお、充電器84と外部交流電源28との間、及び、充電器84とバッテリ10との間の一方または両方にコネクタを設けることもできる。スイッチング素子86と、リアクトル88と、ダイオード90とにより、電力変換器を構成している。
制御部42を構成する各構成要素の機能自体は、上記の図1から図3に示した第1の実施の形態と同様である。すなわち、制御部42は、分流比乗算部44と、減算器46と、演算部48と、PWM信号出力部52とを有する。演算部48は、正弦波の交流電流指令値の絶対値|i*|と、交流電源電圧V(t)と、バッテリ10の電圧Vbと、電流センサ40の検出値とから、PWM変調率を算出する。また、PWM信号出力部52は、演算部48で演算して得られたPWM変調率と、キャリア信号とをコンパレータで比較して得られた算出値に応じて、PWM信号Psを生成し、スイッチング素子のゲートに、PWM信号Psを出力する。これにより、単相交流電流を交流電源電圧V(t)と同位相の正弦波に制御する。
このような本実施の形態の電力制御装置の場合も、上記の第1の実施の形態と同様に、電力変換器を用いて、単相交流電源電圧に基づく直流電圧の昇降圧を可能とし、バッテリ10を充電する構成において、外部交流電源28の交流電源電圧V(t)及びバッテリ電圧Vbにかかわらず、外部交流電源28側の電流を交流電源電圧と同位相の正弦波に制御できる。その他の構成及び作用は、上記の第1の実施の形態と同様である。
[第4の発明の実施の形態]
図13は、本発明の第4の実施の形態の電力制御装置を示す回路図である。本実施の形態の場合も、上記の図12に示した第3の実施の形態と同様に、外部交流電源28の交流電圧を、ダイオード整流素子を含むダイオード整流器30で直流電圧に変換し、所定の電圧に昇圧または降圧させてから直流電源である、バッテリ10に供給し、バッテリ10を充電する充電器84を備える電力制御装置に、本発明を適用している。
具体的には、充電器84は、外部交流電源28とバッテリ10との間に接続され、ダイオード整流器30と、EMIフィルタ32と、ダイオード整流器30の直流側正極とバッテリ10の正極及びダイオード整流器30の直流側負極の接続点との間に互いに並列に接続された3相のアームAu,Av,Awと、3個の第2ダイオード整流素子であるダイオード90と、電流検出部である電流センサ40と、制御部42とを備える。各相のアームAu,Av,Awは、IGBT等のスイッチング素子86と、スイッチング素子86に直列接続されたリアクトル88とを含む。各ダイオード90は、各相のアームAu,Av,Awのスイッチング素子86及びリアクトル88の間とバッテリ10の負極との間に接続している。
充電器84と外部交流電源28との間、及び、充電器84とバッテリ10との間の一方または両方にコネクタを設けることもできる。3相のアームAu,Av,Awと、3個のダイオード90とにより、電力変換器を構成している。電流センサ40は、電力変換器が有するリアクトル成分の中性点電流である、各リアクトル88の一端の接続点92の電流を検出する。
そして、スイッチング素子86のオンオフに応じた時間分割により、3個のスイッチング素子86と、3個のリアクトル88との間で電力の授受を可能とし、かつ、3個のスイッチング素子86による零相電圧ベクトルの出力時に3個のスイッチング素子86と3個のリアクトル88との間で零相電力を授受することにより、外部交流電源28からバッテリ10への充電を可能とする。
また、制御部42は、上記の図4に示した第2の実施の形態の場合と同様に、3相キャリア信号出力部78と、3相PWM信号出力部80とを有する。3相キャリア信号出力部78と、3相PWM信号出力部80との機能は、上記の第2の実施の形態と同様である。
このような実施の形態の場合、3相PWM信号出力部80は、演算部48で演算して得られたPWM変調率と、位相が120度ずつ異なる3相のキャリア信号C1、C2、C3とをコンパレータ82で比較して得られた算出値に応じて、位相が120度ずつ異なる各相用のPWM信号Pu,Pv,Pwを生成し、各相のスイッチング素子86のゲートに、各相用のPWM信号Pu,Pv,Pwを出力する。これにより、単相交流電流を交流電源電圧V(t)と同位相の正弦波に制御する。
このような本実施の形態の電力制御装置の場合も、上記の図4に示した第2の実施の形態と同様に、電流リップルを除去するための電気部品であるEMIフィルタ32の小型化を図れる。また、昇降圧形としての機能を有する構成でも、外部交流電源28の交流電圧V(t)とバッテリ10の電圧Vbとにかかわらず、外部交流電源28側の電流を交流電源電圧V(t)と同位相の正弦波に制御できる。その他の構成及び作用は、上記の図4に示した第2の実施の形態または図12に示した第3の実施の形態と同様である。
10 バッテリ、12 インバータ、14 モータ、20 第1充電時接続スイッチ、22 第2充電時接続スイッチ、24 充電付加回路、28 外部交流電源(商用電源)、30 ダイオード整流器、32 EMIフィルタ、36 走行時接続スイッチ、40 電流センサ、42 制御部、44 分流比乗算部、46 減算器、48 演算部、50 キャリア信号出力部、52 PWM信号出力部、54 補償器、56 加算器、58 除算器、60 電流指令生成部、62 実効値演算部、64 位相検出部、66 正弦波生成部、68 除算部、70 乗算部、72 絶対値算出部、74 スイッチング素子、76 ダイオード、78 3相キャリア信号出力部、80 3相PWM信号出力部、82 コンパレータ、84 充電器、86 スイッチング素子、88 リアクトル、90 ダイオード、92 接続点。

Claims (6)

  1. 外部交流電源の単相交流電源電圧V(t)をダイオード整流素子で直流電圧に変換し、電力変換器を用いて、直流電圧の昇降圧を可能としつつ、バッテリを充電するための直流出力電圧Vbを制御する電力制御装置であって、
    電力変換器または電力変換器に接続されたモータが有するリアクトル成分の電流を検出する電流検出部と、
    正弦波の交流電流指令値の絶対値に、検出された交流電源電圧V(t)及び直流出力電圧Vbから決定される分流比{1+(|V(t)|/Vb)}を乗じた値と、リアクトル成分の検出電流との偏差に補償器を乗じて、補償器から出力される値に直流出力電圧Vbを加算し、交流電源電圧V(t)の絶対値に直流出力電圧Vbを加算した値(|V(t)|+Vb)で除算してPWM変調率を演算する演算部と、
    演算部で演算したPWM変調率とキャリア信号とを比較し、PWM信号を生成し、PWM信号を電力変換器のスイッチング素子のゲートに出力するPWM信号出力部と、を備え、
    PWM信号出力部から電力変換器のスイッチング素子のゲートにPWM信号を出力し、電力変換器のスイッチング素子をオンオフ制御することで外部交流電源からバッテリへの充電を可能とすることを特徴とする電力制御装置。
  2. 請求項1に記載の電力制御装置において、
    位相が120度ずつ異なる3相のキャリア信号を出力する3相キャリア信号出力部を備え、
    PWM信号出力部は、演算部で演算したPWM変調率と、3相のキャリア信号とを比較し、位相が120度ずつ異なる各相用のPWM信号を生成し、各相用のPWM信号を、電力変換器の3相のスイッチング素子のゲートに出力する3相PWM信号出力部であり、
    3相PWM信号出力部から電力変換器の3相のスイッチング素子のゲートに各相用のPWM信号を出力し、電力変換器のスイッチング素子をオンオフ制御することで外部交流電源からバッテリへの充電を可能とすることを特徴とする電力制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電力制御装置において、
    電力変換器は、バッテリに接続されたインバータであり、
    電流検出部は、インバータに接続されたモータが有するリアクトル成分の電流であって、モータの固定子巻線の中性点電流を検出し、
    モータは、インバータの出力側に接続され、インバータにより駆動され、
    PWM信号出力部は、演算部で演算したPWM変調率とキャリア信号とを比較し、各相用のPWM信号を生成し、各相用のPWM信号を、インバータの3相の正極側または負極側のスイッチング素子のゲートに出力することを特徴とする電力制御装置。
  4. 請求項3に記載の電力制御装置において、
    インバータの正極側とバッテリの正極との間に充電時接続スイッチを介して接続され、ダイオード整流素子及びコンデンサを含む充電付加回路を備え、
    外部交流電源からバッテリを充電する際に、バッテリの正極とインバータの正極側とが走行時接続スイッチで切り離され、バッテリの負極とインバータの負極側とが接続された状態で、ダイオード整流素子の正極側がインバータの正極側に接続され、ダイオード整流素子の負極側がモータの固定子巻線の中性点とバッテリの正極とに接続され、ダイオード整流素子の交流側にコンデンサを介して外部交流電源が接続されることを特徴とする電力制御装置。
  5. 請求項1に記載の電力制御装置において、
    電力変換器は、ダイオード整流素子の直流側正極とバッテリの負極との間に接続されたスイッチング素子と、ダイオード整流素子の直流側負極とバッテリの正極との間に接続された第2ダイオード整流素子と、スイッチング素子及びバッテリの負極の接続点とダイオード整流素子の直流側負極及び第2ダイオード整流素子の直流側負極の接続点との間に接続されたリアクトルとを備え、
    電流検出部は、電力変換器が有するリアクトル成分の電流を検出することを特徴とする電力制御装置。
  6. 請求項2に記載の電力制御装置において、
    電力変換器は、ダイオード整流素子の直流側正極とバッテリの正極及びダイオード整流素子の直流側負極の接続点との間に互いに並列に接続された3相のアームを備え、
    各相のアームは、スイッチング素子と、スイッチング素子に直列接続されたリアクトルとを含み、
    各相のアームのスイッチング素子及びリアクトルの間とバッテリの負極との間に接続された3個の第2ダイオード整流素子を備え、
    電流検出部は、電力変換器が有するリアクトル成分の中性点の電流を検出することを特徴とする電力制御装置。
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