JP2012135141A - モータ駆動システム - Google Patents
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Abstract
【課題】モータ駆動システムにおいて、充電電力の制御のための専用の充電器を設けることなく、低コストで交流電源からバッテリへの充電を行えるようにすることである。
【解決手段】モータ駆動システム31は、インバータ12に接続されたモータ14と、ダイオード整流器20と、電圧クランプ用スイッチング素子28と、電圧クランプ用ダイオード30とを有する。ダイオード整流器20は、交流電源26に接続可能な第1コネクタ32とインバータ12の正極側及びモータ14の固定子巻線の中性点Pとの間に接続する。電圧クランプ用スイッチング素子28は、インバータ側スイッチング素子よりも高耐圧で、ダイオード整流器20の正極側とインバータの正極側との間に接続する。電圧クランプ用ダイオード30は、ダイオード整流器20の負極側にアノード側を接続し、インバータ12の正極側にカソード側を接続する。
【選択図】図1
【解決手段】モータ駆動システム31は、インバータ12に接続されたモータ14と、ダイオード整流器20と、電圧クランプ用スイッチング素子28と、電圧クランプ用ダイオード30とを有する。ダイオード整流器20は、交流電源26に接続可能な第1コネクタ32とインバータ12の正極側及びモータ14の固定子巻線の中性点Pとの間に接続する。電圧クランプ用スイッチング素子28は、インバータ側スイッチング素子よりも高耐圧で、ダイオード整流器20の正極側とインバータの正極側との間に接続する。電圧クランプ用ダイオード30は、ダイオード整流器20の負極側にアノード側を接続し、インバータ12の正極側にカソード側を接続する。
【選択図】図1
Description
本発明はモータ駆動システムに関し、例えば車両に搭載されたバッテリ(直流電源)の駆動に関する。
従来から、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車のように、走行用モータ等のモータを有する構成において、バッテリ等の直流電源によりモータを駆動するモータ駆動システムが考えられている。また、このようなモータ駆動システムにおいて、専用の充電器を用いることなく、商用電源から車載のバッテリ等の直流電源へ充電することを可能とすることも考えられている。例えば、特許文献1には、このようなモータ駆動システムに対応する電力制御装置が記載されている。
図13は、特許文献1に記載された構成と似た構成を有し、本発明の発明者により先に考えられた先発明のモータ駆動システムを示している。先発明のモータ駆動システムは、直流電源である車載用のバッテリ10と、バッテリ10に接続されて複数のスイッチング素子を含むインバータ12と、インバータ12に接続された三相モータであるモータ14と、充電付加回路15とを備える。バッテリ10の一端(正極側)は、インバータ12の直流側正極に、第1スイッチ16を介して接続されている。また、バッテリ10の一端はモータ14のスター結線された固定子巻線の中性点に、第2スイッチ18を介して接続されている。バッテリ10の他端(負極側)はインバータ12の直流側負極に接続され、充電付加回路15は、ダイオード整流器20とEMIフィルタ22とを有し、ダイオード整流器20の直流側正極はインバータ12の直流側正極に接続され、ダイオード整流器20の直流側負極は第3スイッチ24を介して、モータ14の固定子巻線の中性点に接続されている。すなわち、インバータ12の直流側正極とモータ14の固定子巻線の中性点との間にスイッチ24を介して充電付加回路15が接続されている。充電付加回路15には図示しないコネクタが接続され、コネクタを介して外部の交流電源26が接続可能とされている。ダイオード整流器20は、例えばダイオード整流ブリッジを含む。
また、バッテリ10の電圧及び電流がインバータ12の交流出力側からモータ14を介して見たときに零相となるように構成する。そして、時間分割により、インバータ12がモータ14との間で電力を授受し、かつ、インバータ12による零電圧ベクトルの出力時にバッテリ10との間で零相電力を授受する。インバータ12は、3相(u相、v相、w相)の各相(各アーム)毎に直列接続される一対のトランジスタ、IGBT等であるスイッチング素子と、各スイッチング素子に逆並列に接続されるダイオードとを有する。インバータの3アームはあたかも零電圧ベクトルの比でスイッチング動作する1つのアームとみなされ、コンバータ(チョッパ)として作用するので、インバータ12により零相電圧を制御することでコンバータを代用することができる。さらに、モータ14は漏れインダクタンスの値をもつリアクトルと考えることができるので、バッテリ10と交流電源26との間で零相電力を送受することになる。
インバータ12の正極側のスイッチング素子の1相、あるいは全相をオンオフ制御し、整流された電力をバッテリ10に供給して充電する。例えば、インバータ12の正極側のスイッチング素子の全相を同位相でオンオフ制御することで、交流電源26からの電力をバッテリ10に充電する。すなわち、インバータ12の正極側のスイッチング素子と負極側のダイオードとを利用して、正極側のスイッチング素子の1相のみ、あるいは全相をオンすると、モータ14の漏れリアクトルに交流電源26の整流電圧が印加されてリアクトル電流が増大する。その後、オンしているスイッチング素子をオフにすると、モータ14の漏れリアクトルに蓄積されたエネルギがダイオードを介してバッテリ10に供給され、バッテリ10を充電できる。
図14は、図13の構成において、充電時にインバータ及びモータを利用して、電圧変換を行う様子を説明するための等価回路図である。図14では、インバータ12について、1相のスイッチング素子とダイオードとのみを示している。図14に示すように、インバータ12の正極側の3相のスイッチング素子をオンオフ制御し、充電付加回路15のダイオード整流器20で整流された電力をバッテリ10に供給して充電する。この際、インバータ12の正極側のスイッチング素子をオンすると、図14の実線矢印αで示す方向に電流が流れる。この場合、電源短絡モードが造られ、モータ14の固定子巻線に交流電源26側からエネルギが蓄えられる。これに対して、正極側のスイッチング素子をオフすると、図14の破線矢印βで示す方向に電流が流れ、負極側のスイッチング素子に並列接続された、負極側のダイオードを介してモータ14の固定子巻線に蓄積されたエネルギがバッテリ10に供給され、バッテリ10が充電される。すなわち、オンしている正極側のスイッチング素子をオフすると交流電源26とバッテリ10とが切り離され、リアクトル電流がバッテリ10に流入してバッテリ10が充電される。例えば、インバータ12の正極側のスイッチング素子の全相を同位相でオンオフ制御することで、交流電源26からの電力をバッテリ10に充電できる。充電電力と交流入力電流波形とは、インバータ12の正極側スイッチング素子のオンとオフとのデューティ比で制御される。このような構成では、専用の充電器を設ける必要がなく、簡易に交流電源からバッテリ10への充電が可能となる。
上記の図13、図14に示した構成では、交流電源26からバッテリ10へ充電する際に、図14に示すように、インバータ12のスイッチング素子には、交流電源電圧の最大値|Vs|と、バッテリ電圧Vbとを加算した加算電圧(|Vs|+Vb)が印加される。このため、スイッチング素子(特に正極側のスイッチング素子)の耐圧がこの加算電圧(|Vs|+Vb)以下となる場合には、このシステムを適用することができない。例えば、50V未満等の交流電源26よりも低い電圧のバッテリ10を使用する場合、モータ14の駆動の面からは、インバータ12のスイッチング素子の耐圧として高い耐圧は要求されない。ただし、交流電源26からスイッチング素子のスイッチングを利用してバッテリ10に充電することを考慮すると、上記の交流電源26の電圧を考慮してかなり高い耐圧を有することが、インバータ12のスイッチング素子に要求される。このため、インバータ12のスイッチング素子を上記の加算電圧(|Vs|+Vb)を超える耐圧を有するようにすることが考えられる。ただし、インバータ12には複数相のスイッチング素子が設けられており、複数相のスイッチング素子の耐圧を大幅に高くすることは、コストが大幅に上昇することにつながる。
また、交流電源26の電流を正弦波に制御するためには、図13に示したように、交流電源26からバッテリ10に無制御に流入する電流を防止するための充電時オフスイッチであり、リレーである第1スイッチ16を設ける必要がある。また、バッテリ10にインバータ12に対し並列に電流平滑化用のインバータ直流側コンデンサを接続することが考えられるが、この場合も、上記の第1スイッチ16を設けなければ、交流電源26からインバータ直流側コンデンサに無制御に流入する電流を防止できない可能性がある。
また、上記では、インバータ12のスイッチング素子を用いて交流電源26からバッテリ10を外部充電する場合を説明したが、バッテリに接続された昇降圧コンバータのスイッチング素子を用いて交流電源からバッテリを外部充電することも考えられる。ただし、この場合でも、バッテリの電圧が低い場合、モータ駆動時に昇降圧コンバータのスイッチング素子に要求される耐圧も低くできるのに対し、外部充電時には上記の加算電圧のような高い電圧が昇降圧コンバータのスイッチング素子に印加される可能性がある。このような事情から、低電圧のバッテリでモータを駆動する構成において、充電電力の制御のための専用の充電器を設けることなく、低コストで交流電源からバッテリへの充電を行えるようにすることが望まれている。
本発明の目的は、モータ駆動システムにおいて、低電圧のバッテリでモータを駆動する構成において、充電電力の制御のための専用の充電器を設けることなく、低コストで交流電源からバッテリへの充電を行えるようにすることである。
本発明に係るモータ駆動システムは、バッテリと、バッテリに接続されて、複数のインバータ側スイッチング素子を含むインバータと、インバータに接続されたモータと、交流電源に接続可能な電源用接続部とを備え、交流電源に接続された場合に交流電源からバッテリへの充電を可能とするモータ駆動システムであって、電源用接続部とインバータの正極側及びモータの固定子巻線の中性点との間に接続された整流器と、整流器の正極側とインバータの正極側との間に接続され、インバータ側スイッチング素子よりも高耐圧の電圧クランプ用スイッチング素子と、整流器の負極側にアノード側が接続され、インバータの正極側にカソード側が接続される電圧クランプ用ダイオードとを備え、整流器の負極側は、モータの固定子巻線の中性点に接続され、整流器の正極側は、電圧クランプ用スイッチング素子の第1端子側に接続され、電圧クランプ用スイッチング素子の第2端子側は、インバータの正極側に接続され、さらに、交流電源からバッテリへの充電時に、インバータ側スイッチング素子及び電圧クランプ用スイッチング素子のスイッチングを制御する制御部を備えることを特徴とするモータ駆動システムである。
また、本発明に係るモータ駆動システムにおいて、好ましくは、モータが有するリアクトル成分の電流を検出する電流検出部を備え、制御部は、正弦波の交流電流指令値の絶対値に基づく値とリアクトル成分の検出電流との偏差から得られるPWM変調率と、位相が120度ずつ異なる3相のキャリア信号とを比較し、位相が120度ずつ異なる各相用のPWM信号を生成し、各相用のPWM信号をインバータの3相のスイッチング素子の制御端子に出力し、インバータのスイッチング素子をオンオフ制御することで、交流電源からバッテリへの充電を可能とする。
また、本発明に係るモータ駆動システムにおいて、好ましくは、バッテリに、インバータに対し並列に接続されて、複数の第2インバータ側スイッチング素子を含む第2インバータと、第2インバータに接続された第2モータと、整流器の正極側と第2インバータの正極側との間に接続され、第2インバータ側スイッチング素子よりも高耐圧の第2電圧クランプ用スイッチング素子と、整流器の負極側にアノード側が接続され、第2インバータの正極側にカソード側が接続される第2電圧クランプ用ダイオードとを備え、第2モータの固定子巻線の中性点は、整流器の負極側に接続され、第2電圧クランプ用スイッチング素子の第1端子は、整流器の正極側に接続され、第2電圧クランプ用スイッチング素子の第2端子は、第2インバータの正極側に接続され、制御部は、交流電源からバッテリへの充電時に、インバータ側スイッチング素子及び電圧クランプ用スイッチング素子のスイッチングと、第2インバータ側スイッチング素子及び第2電圧クランプ用スイッチング素子のスイッチングとを制御する。
また、本発明に係るモータ駆動システムにおいて、好ましくは、電源用接続部と整流器との間に接続され、同相成分ノイズ除去用の同相リアクトル及び差動成分ノイズ除去用の差動リアクトルを含むフィルタを備え、3相交流電源からバッテリへの充電を可能とする。
また、本発明に係るモータ駆動システムにおいて、好ましくは、バッテリとインバータとの間に設けられ、モータ駆動時に接続され、交流電源からバッテリへの充電時に遮断されるシステムリレーと、バッテリとインバータとの間に設けられる高周波絶縁トランスとを備える。
また、本発明に係るモータ駆動システムにおいて、好ましくは、モータの固定子巻線の中性点と整流器の負極側との間に設けられ、モータ駆動時に遮断され、交流電源からバッテリへの充電時に接続される充電時接続スイッチを備える。
また、本発明に係るモータ駆動システムは、バッテリと、バッテリに昇降圧コンバータを介して接続されたインバータと、インバータに接続されたモータと、交流電源に接続可能な電源用接続部とを備え、昇降圧コンバータは、電圧変換用スイッチング素子と電圧変換用リアクトルとを含み、交流電源に接続された場合に交流電源からバッテリへの充電を可能とするモータ駆動システムであって、電源用接続部とバッテリの正極側及び昇降圧コンバータの高圧側との間に接続された整流器と、整流器の負極側とバッテリの正極側との間に接続され、電力変換用スイッチング素子よりも高耐圧の電圧クランプ用スイッチング素子と、整流器の正極側にカソード側が接続され、バッテリの正極側にアノード側が接続される電圧クランプ用ダイオードとを備え、整流器の正極側は、昇降圧コンバータの高圧側に接続され、電圧クランプ用スイッチング素子の第1端子側は、バッテリの正極側に接続され、整流器の負極側は、電圧クランプ用スイッチング素子の第2端子側に接続され、さらに、交流電源からバッテリへの充電時に、電圧変換用スイッチング素子及び電圧クランプ用スイッチング素子のスイッチングを制御する制御部を備えることを特徴とするモータ駆動システムである。
本発明に係るモータ駆動システムによれば、低電圧のバッテリでモータを駆動する構成において、充電電力の制御のための専用の充電器を設けることなく、低コストで交流電源からバッテリへの充電を行える。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態の構成を示している。基本構成は上記の図13、図14に示した先発明の構成と同様である。特に、本実施の形態では、図13の構成に対して電圧クランプ用スイッチング素子28と、電圧クランプ用ダイオード30とを備える。また、本実施の形態では、バッテリ10とインバータ12との間に、走行時に接続され、充電時に接続が遮断される第1スイッチ16(図13参照)を設けていない。すなわち、図1に示すモータ駆動システム31は、例えば車載バッテリを電力源とし、走行用モータを駆動する電気自動車や、エンジン及び走行用モータを車両の駆動源として備えるハイブリッド車両等の電動車両に搭載し、外部の単相のAC100V等の交流電源(商用電源)26に接続された場合に交流電源26から車載バッテリへの充電を可能とする。なお、交流電源26として200V等他の電圧のものも使用できる。
図1は、本発明の第1の実施の形態の構成を示している。基本構成は上記の図13、図14に示した先発明の構成と同様である。特に、本実施の形態では、図13の構成に対して電圧クランプ用スイッチング素子28と、電圧クランプ用ダイオード30とを備える。また、本実施の形態では、バッテリ10とインバータ12との間に、走行時に接続され、充電時に接続が遮断される第1スイッチ16(図13参照)を設けていない。すなわち、図1に示すモータ駆動システム31は、例えば車載バッテリを電力源とし、走行用モータを駆動する電気自動車や、エンジン及び走行用モータを車両の駆動源として備えるハイブリッド車両等の電動車両に搭載し、外部の単相のAC100V等の交流電源(商用電源)26に接続された場合に交流電源26から車載バッテリへの充電を可能とする。なお、交流電源26として200V等他の電圧のものも使用できる。
図1に示すモータ駆動システム31は、車載のバッテリ(直流電源)10と、バッテリ10に接続された電力変換器であり、駆動部であるインバータ12と、インバータ12に接続された走行用モータであるモータ(三相モータ)14と、交流電源26に接続可能な電源用接続部である第1コネクタ32とを備える。バッテリ10は、交流電源26の電圧よりも低い電圧、例えば46V等の50V未満の電圧を有する。第1コネクタ32は、交流電源26側の第2コネクタ34と接続可能である。第1コネクタ32は、第2コネクタ34に接続されることにより、交流電源26と接続され、交流電源26からモータ駆動システム31への電力の授受が可能となる。モータ14は、インバータ12に接続され、インバータ12により駆動される。バッテリ10の正極は、インバータ12の正極側に接続され、バッテリ10の負極は、インバータ12の負極側に接続されている。また、バッテリ10に、インバータ12に対し並列に電流平滑化用のインバータ直流側コンデンサであるコンデンサ36が接続されている。
さらに、モータ駆動システム31は、ダイオード整流器20と、電圧クランプ用スイッチング素子28と、電圧クランプ用ダイオード30と、充電時接続スイッチ38と、EMIフィルタ22と、制御部である制御装置40とを備える。ダイオード整流器20は、ダイオード整流素子を含むダイオード整流ブリッジ等により構成される。EMIフィルタ22は、ダイオード整流器20の交流側に接続されている。
ダイオード整流器20は、第1コネクタ32と、インバータ12の正極側及びモータ14の固定子巻線の中性点Pとの間に接続されている。電圧クランプ用スイッチング素子28は、ダイオード整流器20の直流側正極と、インバータ12の正極側との間に接続されている。電圧クランプ用スイッチング素子28は、インバータ12を構成する各スイッチング素子よりも高耐圧である。すなわち、インバータ12は、U相、V相、W相の3相のアームAu、Av、Awを有し、各相のアームAu、Av、Awは、それぞれ互いに直列接続された2のインバータ側スイッチング素子S1,S2を含む。各インバータ側スイッチング素子S1,S2には逆並列に還流ダイオードである、第1保護用ダイオードD1,D2が接続されている。各相アームAu、Av、Awの中点は、モータ14の対応する相の固定子巻線の一端に接続されている。各相の固定子巻線の他端はスター結線された中性点Pで接続されている。
さらに、各インバータ側スイッチング素子S1,S2は、例えばバッテリ10の電圧にほぼ見合う耐圧を有する。電圧クランプ用スイッチング素子28の耐圧は、各インバータ側スイッチング素子S1,S2の耐圧よりも高くしている。各インバータ側スイッチング素子S1,S2のスイッチングは、制御装置40により制御される。すなわち、各インバータ側スイッチング素子S1,S2の制御端子であるゲートGには、制御信号が入力可能とされている。図示の例では、各インバータ側スイッチング素子S1,S2は、MOS−FETとしているが、これに限定するものではなく、種々のスイッチング素子を採用できる。
また、電圧クランプ用スイッチング素子28の第1端子であるコレクタCは、ダイオード整流器20の直流側正極に接続されている。また、電圧クランプ用スイッチング素子28の第2端子であるエミッタEは、インバータ12の正極側に接続されている。また、電圧クランプ用スイッチング素子28に、第2保護用ダイオードD3が逆並列に接続されている。電圧クランプ用スイッチング素子28のスイッチングは、制御装置40により制御される。すなわち、電圧クランプ用スイッチング素子28の制御端子であるゲートGには、制御信号が入力可能とされている。図示の例では、電圧クランプ用スイッチング素子28は、IGBTとしているが高耐圧のスイッチング素子であれば、これに限定するものではない。
また、ダイオード整流器20の直流側負極は、モータ14の固定子巻線の中性点Pに充電時接続スイッチ38を介して接続している。このため、充電時接続スイッチ38は、モータ14の固定子巻線の中性点Pとダイオード整流器20の直流側負極との間に設けられている。充電時接続スイッチ38は、オンオフ状態が制御装置40により制御されるリレーである。すなわち、充電時接続スイッチ38は、制御装置40により、モータ駆動時に接続が遮断され、交流電源26からバッテリ10への充電時には接続されるように接続状態が制御される。制御装置40は、CPU,メモリ等を有するマイクロコンピュータ等を含む。
インバータ側スイッチング素子S1,S2及び電圧クランプ用スイッチング素子28は、制御端子であるゲートGに制御信号が入力される、すなわちスイッチングがオンされることにより、コレクタC側またはドレインD側からエミッタE側またはソースS側への通電を許容する。
また、電圧クランプ用ダイオード30は、ダイオード整流器20の直流側負極とインバータ12の正極側との間に接続され、モータ14の固定子巻線の中性点Pからインバータ12の正極側への電流の還流を可能としている。すなわち、電圧クランプ用ダイオード30は、ダイオード整流器20の直流側負極にアノードA側が接続され、インバータ12の正極側にカソードC側が接続されている。
ダイオード整流器20と第1コネクタ32との間にEMIフィルタ22が接続されている。EMIフィルタ22は、電流リップルを除去するためのもので、図示しないコンデンサ及びリアクトルを含む。
上記の充電時接続スイッチ38は、車両走行時にはオフされ、車両停止時の充電時にはオンされる。このため、モータ14の駆動時には、モータ14の固定子巻線の中性点Pとダイオード整流器20とが切り離される。
一方、充電時には、モータ14の固定子巻線の中性点Pとダイオード整流器20とが接続される。この状態で、ダイオード整流器20の直流側負極がインバータ12の正極側に電圧クランプ用ダイオード30を介して接続されるとともに、ダイオード整流器20の直流側正極がインバータ12の正極側に電圧クランプ用スイッチング素子28を介して接続され、さらに、ダイオード整流器20の交流側にEMIフィルタ22及び第1、第2各コネクタ32,34を介して交流電源26が接続される。
また、バッテリ10の電圧及び電流がインバータ12の交流出力側からモータ14を介して見たときに零相となるように構成する。そして、インバータ側スイッチング素子S1,S2のオンオフに応じた時間分割により、インバータ12とモータ14との間での電力の授受を可能とし、かつ、インバータ12による零相電圧ベクトルの出力時にインバータ12は、バッテリ10との間で零相電力を授受する。制御装置40は、正極側のインバータ側スイッチング素子S1のオンと同時に電圧クランプ用スイッチング素子28をオンし、正極側のインバータ側スイッチング素子S1のオフと同時に電圧クランプ用スイッチング素子28をオフするようにオンオフを制御する。このように、制御装置40は、交流電源26からバッテリ10への充電時に、正極側のインバータ側スイッチング素子S1及び電圧クランプ用スイッチング素子28のスイッチングを制御する。また、充電時に、負極側のインバータ側スイッチング素子S2のスイッチングはオフのままである。
充電時に、インバータ12の3相アームAu、Av、Awはあたかも零相電圧ベクトルの比でスイッチング動作する1つのアームとみなされ、コンバータとして作用するので、インバータ12により零相電圧を制御することでコンバータの機能を持たせることができる。さらに、モータ14は漏れインダクタンスの値をもつリアクトルと考えることができるので、バッテリ10とインバータ12との間で零相電力を送受することになる。
交流電源26からモータ駆動システム31側に供給される電力は、ダイオード整流器20で整流される。制御装置40により、電圧クランプ用スイッチング素子28と、インバータ12の正極側のスイッチング素子S1の1相、あるいは全相とをオンオフ制御し、整流された電力をバッテリ10に供給して充電する。すなわち、電圧クランプ用スイッチング素子28と、インバータ12の正極側のスイッチング素子S1と、負極側の第1保護用ダイオードD2とを利用して、電圧クランプ用スイッチング素子28と、正極側のスイッチング素子の1相のみ、あるいは全相とを同時にオンすると、モータ14の漏れインダクタンスを利用するリアクトルである固定子巻線に交流電源26の整流電圧が印加されてリアクトル電流が増大する。その後、オンしている電圧クランプ用スイッチング素子28及び正極側のスイッチング素子S1をオフにすると、モータ14の固定子巻線に蓄積されたエネルギがバッテリ10に供給され、バッテリ10を充電できる。
このようなモータ駆動システム31により、交流電源26からバッテリ10への充電が可能となる。本実施の形態の場合、インバータ12及びモータ14は、充電する場合に降圧装置としての機能を有し、交流電源26からダイオード整流器20を介してインバータ12に送られた直流電圧を、インバータ12とモータ14とで降圧してバッテリ10に供給する。
このようなモータ駆動システム31によれば、低電圧のバッテリ10でモータ14を駆動する構成において、充電電力の制御のための専用の充電器を設けることなく、低コストで交流電源26からバッテリ10への充電を行える。具体的には本実施の形態によれば、次の(1)から(3)の効果を得られる。
(1)外部からの充電機能を持たせるのにもかかわらず、外部からの充電機能を持たない従来のモータ駆動システムに設けていたモータ14とインバータ12とをそのまま流用でき、かつ、専用の充電器を別途、車両に搭載する必要がなくなる。このため、モータ駆動システム31の小型化及び低コスト化が可能となる。
(2)モータ14の中性点Pを利用して零相の電流を制御しているため、充電の際にモータ14にトルクが生じず、モータ14が回転しない。
(3)充電機能を持たないモータ駆動システムにダイオード整流器20を追加し、交流電源26の電圧を直流に変換し、ダイオード整流器20の直流側からバッテリ10側を見た構成は、等価的に降圧コンバータと等価な回路構成となるので、交流電源26の電圧よりも低い電圧のバッテリ10へ充電できる。すなわち、図2、図3に示すように、インバータ12(図1)の正極側の3相のスイッチング素子S1と、電圧クランプ用スイッチング素子28とをオンオフ制御し、ダイオード整流器20で整流された電力をバッテリ10に供給して充電する。
この際、図2に示すように、電圧クランプ用スイッチング素子28とインバータ12の正極側の1相または全相のスイッチング素子S1とをオンする第1モードの実行状態では、電源短絡モードが作られ、図2の矢印αで示す方向に電流が流れる。すなわち、交流電源26からの電流が、交流電源26、ダイオード整流器20、電圧クランプ用スイッチング素子28、インバータ12の正極側スイッチング素子S1、モータ14、ダイオード整流器20、交流電源26の順に流れる。このとき、交流電源26側からエネルギがモータの零相インダクタンスに磁気エネルギとして蓄えられる。第1モードの期間にオフ状態となる電圧クランプ用ダイオード30とインバータ12の負極側スイッチング素子S2とにはバッテリ電圧が印加される。
これに対して、図3に示すように、電圧クランプ用スイッチング素子28と正極側のスイッチング素子S1とをオフする第2モードの実行状態では、図2の矢印βで示す方向に電流が流れる。すなわち、モータ14のインダクタンスの電流が、モータ14、電圧クランプ用ダイオード30、バッテリ10、インバータ12の負極側の第1保護用ダイオードD2、モータ14のインダクタンスに順に流れて、モータ14の固定子巻線に蓄積されていたエネルギがバッテリ10に供給され、バッテリ10が充電される。この期間にオフ状態となるインバータ12の正極側スイッチング素子S1に印加される電圧は電圧クランプ用ダイオード30によりバッテリ電圧にクランプされ、交流電源26の電圧は、オフ状態にある電圧クランプ用スイッチング素子28で受け持たれる。
さらに、本実施の形態によれば、次の(4)(5)(6)の効果も得られる。
(4)インバータ12を用いて、交流電源26の電圧に基づく直流電圧の降圧を可能とし、バッテリ10を充電する構成において、電圧クランプ用スイッチング素子28とスイッチング素子S1とのオンオフの制御として、充電したい電源電流実効値の電源電圧と同相の正弦波に追従するように制御することにより、高調波を抑制できる力率1の制御を実現できる。これについては、後述の図5Aに示すシミュレーション結果で確認できる。
(4)インバータ12を用いて、交流電源26の電圧に基づく直流電圧の降圧を可能とし、バッテリ10を充電する構成において、電圧クランプ用スイッチング素子28とスイッチング素子S1とのオンオフの制御として、充電したい電源電流実効値の電源電圧と同相の正弦波に追従するように制御することにより、高調波を抑制できる力率1の制御を実現できる。これについては、後述の図5Aに示すシミュレーション結果で確認できる。
(5)また、インバータ12の各スイッチング素子S1,S2に印加される電圧はバッテリ10の電圧にクランプされるので、交流電源26の電圧がバッテリ10の電圧よりも高い場合でも、インバータ12のスイッチング素子S1.S2の耐圧は充電のために高くする必要がない。すなわち、1の電圧クランプ用スイッチング素子28として、充電時に印加されるバッテリ電圧以上の高い電圧を受け持つことが可能な耐圧を有するものを設ければよく、複数相のスイッチング素子S1,S2として高い耐圧を有するものを使用する場合よりもコストの低減を図れる。また、電圧クランプ用スイッチング素子28には交流電源26の電圧が印加されるが、電流は充電時に流れるだけなので、電流容量は充電に必要な容量となる。また、電圧クランプ用ダイオード30に印加される電圧はほぼバッテリ電圧と等しくなる。
(6)また、電圧クランプ用スイッチング素子28を制御することにより、充電時にコンデンサ36やバッテリ10に流入する電流を制御できるので、充電時にインバータ12側とコンデンサ36及びバッテリ10とを切り離すためのリレーである第1スイッチ16(図13参照)をなくすことができ、さらなるコストの低減を図れる。この結果、低電圧のバッテリ10でモータ14を駆動する構成において、充電電力の制御のための専用の充電器を設けることなく、低コストで交流電源26からバッテリ10への充電を行える。
図4A,図4B,図5A,図5B,図6A,図6Bは、本実施の形態の効果を確認するために行ったシミュレーション結果を示す図である。図4A、図4Bは、本実施の形態との比較のための先発明の結果を示している。図4Aは、図13の先発明の構成において、交流電源電流を力率1で正弦波形に制御した場合の、充電時の交流電源側の電流波形を求めるシミュレーション結果を示す図であり、図4Bは、同じく、充電時のインバータ側スイッチング素子に印加される電圧波形を求めるシミュレーション結果を示す図である。図4Aから明らかなように、先発明の構成では、交流電源26(図13)の電流波形を正弦波に近くするよう制御することができたが、図4Bに示すように、充電時にインバータ12(図13)側の1のスイッチング素子当たりにかなり高い電圧が印加された。これは図14で説明したように、バッテリ電圧に交流電源26の電圧が印加された電圧がスイッチング素子に印加されるためであり、これはサージ電圧も含まれ、最大で427Vとなり、平均で130Vとなった。
これに対して、図5A,図5B,図6A,図6Bは、本実施の形態のシミュレーション結果を示している。図5Aは、本実施の形態において、交流電源電流を力率1で正弦波形に制御した場合の、充電時の交流電源側の電流波形を求めるシミュレーション結果を示す図であり、図5Bは、同じく充電時のインバータ側スイッチング素子に印加される電圧波形を求めるシミュレーション結果を示す図である。また、図6Aは、本実施の形態において、交流電源電流を力率1で正弦波形に制御した場合の、充電時の電圧クランプ用スイッチング素子に印加される電圧波形を求めるシミュレーション結果を示す図であり、図6Bは、同じく充電時の電圧クランプ用ダイオードに印加される電圧波形を求めるシミュレーション結果を示す図である。
なお、以下のシミュレーションの説明において、図1〜3に示した要素と同一の要素には同一の符号を付して説明する。また、シミュレーションでは、バッテリ電圧を46Vとしている。図5Aから明らかなように、本実施の形態でも、交流電源26の電流波形を正弦波に近くするよう制御することができた。さらに、図5Bに示すように、充電時にインバータ12側の1のスイッチング素子S1,S2当たりに印加される電圧を最大で48Vと、ほぼバッテリ電圧付近に抑制できることを確認できた。
また、図6Aに示すように、充電時の電圧クランプ用スイッチング素子28に印加される電圧は、最大で358Vで、平均で105Vと高くなったので、この1の電圧クランプ用スイッチング素子28には高い耐圧を持たせる必要があることが分かる。さらに、図6Bに示すように、充電時の電圧クランプ用ダイオード30には、バッテリ電圧にモータ14からの超過分の電圧が加わり、最大で62Vで、平均で19Vとなることを確認できた。
[第2の実施の形態]
図7は、本発明の第2の実施形態の制御部の構成を示す図である。図8は、図7の構成の電流指令生成部の1例を示す図である。本実施の形態のモータ駆動システムは、電流検出部である電流センサ41を備える。電流センサ41は、モータ14(図1参照)の固定子巻線の中性点Pを流れる中性点P電流を検出する。なお、以下の説明では、図1から図3に示した要素と同等の要素には同一の符号を付して説明する。また、制御部である制御装置42は、正弦波の交流電流指令値の絶対値に基づく値とリアクトル成分の検出電流との偏差から得られる制御電圧であるPWM変調率と、位相が120度ずつ異なる3相のキャリア信号とを比較し、位相が120度ずつ異なる各相用のPWM信号を生成し、各相用のPWM信号をインバータ12の3相のスイッチング素子の制御端子であるゲートGに出力する。そして、モータ駆動システムは、インバータ12のスイッチング素子S1,S2をオンオフ制御することで、交流電源26からバッテリ10への充電を可能とする。
図7は、本発明の第2の実施形態の制御部の構成を示す図である。図8は、図7の構成の電流指令生成部の1例を示す図である。本実施の形態のモータ駆動システムは、電流検出部である電流センサ41を備える。電流センサ41は、モータ14(図1参照)の固定子巻線の中性点Pを流れる中性点P電流を検出する。なお、以下の説明では、図1から図3に示した要素と同等の要素には同一の符号を付して説明する。また、制御部である制御装置42は、正弦波の交流電流指令値の絶対値に基づく値とリアクトル成分の検出電流との偏差から得られる制御電圧であるPWM変調率と、位相が120度ずつ異なる3相のキャリア信号とを比較し、位相が120度ずつ異なる各相用のPWM信号を生成し、各相用のPWM信号をインバータ12の3相のスイッチング素子の制御端子であるゲートGに出力する。そして、モータ駆動システムは、インバータ12のスイッチング素子S1,S2をオンオフ制御することで、交流電源26からバッテリ10への充電を可能とする。
すなわち、制御装置42は、分流比乗算部44と、減算器46と、演算部48と、キャリア信号出力部50と、PWM信号出力部52とを有する。また、演算部48は、補償器54と、加算器56と、除算器58とを含む。分流比乗算部44は、中性点Pに対する電流指令値である正弦波の交流電流指令値の絶対値|i*|に、図示しない電圧センサによりそれぞれ検出された交流電源26の交流電源26電圧V(t)と直流出力電圧であるバッテリ電圧Vbとから決定される分流比(1+|V(t)|/Vb)を乗じて得られる値を算出し、減算器46へ出力する。
ここで、交流電流指令値の絶対値|i*|は、充電電力に対応する交流電源26に対し、力率1の正弦波の交流電流指令値の絶対値|i*|である。また、電流指令値の絶対値|i*|を使用するのは、半波整流とするためである。また、力率1の正弦波の電流指令値の絶対値|i*|を求めるために、例えば、制御装置42は、図8に示す電流指令生成部60を有し、図示しない外部制御装置から受ける充放電電力指令値PR、及び、交流電源26(図1)の電圧VA(V(t))を検出する電圧センサ(図示せず)からの検出値に基づいて、交流電源26に対して力率1の正弦波の電流指令値の絶対値|i*|を生成する。例えば、電流指令生成部60は、実効値演算部62と、位相検出部64と、正弦波生成部66と、除算部68と、乗算部70と、絶対値算出部72とを有する。実効値演算部62は、交流電源26(図1)の電圧VAからピーク電圧を検出し、検出したピーク電圧に基づいて電圧VAの実効値を算出する。位相検出部64は、電圧VAのゼロクロス点を算出し、検出したゼロクロス点に基づいて電圧VAの位相を検出する。
正弦波生成部66は、位相検出部64によって検出された電圧VAの位相に基づいて、例えば、正弦波関数のテーブルを用いて、電圧VAと同相の正弦波を生成する。除算部68は、実効値演算部62からの電圧VAの実効値により充放電電力指令値PRを除算し、その演算結果を乗算部70へ出力し、乗算部70では、除算部68の演算結果に正弦波生成部66からの正弦波を乗算する。絶対値算出部72では、乗算部70の演算結果の絶対値を算出し、その算出結果を電流指令の絶対値|i*|として出力する。電流指令生成部60の出力|i*|は、分流比乗算部44(図7)に入力する。なお、電圧VAの実効値と位相とを利用するものであれば、電流指令生成の絶対値はこのような方法で生成するものに限らず種々の方法で生成できる。例えば、電流指令生成の絶対値を予め定めておくこともできる。
図7に戻り、演算部48が有する減算器46は、分流比乗算部44の出力値と、リアクトル成分の検出電流である中性点P電流の検出値iとの偏差を求め、補償器54に出力する。補償器54は、減算器46の出力値に補償器を乗じて得られる値、すなわち、減算器46の出力値を比例補償や比例積分補償等の補償制御することにより得られる値を、リアクトル電圧指令VL*として出力する。リアクトル電圧指令VL*は、加算器56で、バッテリ電圧Vbを加算された後、除算器58で、(|V(t)|/Vb)により除算されることにより、PWM変調率が算出される。
また、キャリア信号出力部50は、位相が120度ずつ異なる3相のキャリア信号C1、C2、C3を出力する。すなわち、3相のキャリア信号C1、C2、C3は、それぞれ位相が0度、120度、240度のPWMキャリア信号である。尚、3相とは、モータ14の駆動のためにインバータ12に電流を供給する場合の、モータ14のU,V,W相に対応する3相をいう。
PWM信号出力部52は、コンパレータ74を有し、演算部48で演算して得られたPWM変調率と、位相が120度ずつ異なる3相のキャリア信号C1、C2、C3とをコンパレータ74で比較して得られた算出値に応じて、位相が120度ずつ異なる各相用のPWM信号Pu,Pv,Pwを生成する。そして、PWM信号出力部52は、インバータ12を構成する3相のアームAu,Av,Aw(図1参照)の正極側のスイッチング素子S1の制御端子であるゲートGに、各相用のPWM信号Pu,Pv,Pwをそれぞれ出力する。
さらに、PWM信号出力部52は、電圧クランプ用スイッチング素子28の制御端子であるゲートGに、各相用のPWM信号Pu,Pv,Pwの少なくとも1がオンを表す信号である場合に、電圧クランプ用スイッチング素子28のオン指令を表す信号を出力する。
このような構成により、PWM信号出力部52からインバータ12の3相の正極側のスイッチング素子S1のゲートGに各相用のPWM信号Pu,Pv,Pwが出力され、インバータ12の正極側のスイッチング素子S1を、各相のスイッチング素子S1同士でスイッチングするタイミングを120度ずつ位相をずらせるようにオンオフ制御される。また、各相のスイッチング素子S1の少なくとも1がオンされた場合には、電圧クランプ用スイッチング素子28がオンされる。このため、交流電源26からバッテリ10への充電が可能となる。
このような構成によれば、電流リップルを除去するための電気部品の小型化を図れ、かつ、充電時にモータ14での効率向上を図れる。すなわち、U相、V相、W相の3相のキャリア信号C1,C2,C3の位相を120度ずつずらしているので、充電時にモータ14の自己インダクタンスを利用できる。このため、各相の固定子巻線を流れる電流のリップルが低減され、さらに、3相の電流の合成により得られる、中性点Pから流出する電流リップルの周波数がキャリア信号C1,C2,C3の位相をずらせない場合に比べて3倍となる。この結果、交流電源26の電流のリップルと、インバータ12側直流電流のリップルとが大幅に低減され、EMIノイズ及び高周波漏洩電流を小さくでき、電流リップルを除去するための電気部品である、EMIフィルタ22を小型化できる。その他の構成及び作用は、上記の図1から図3に示した実施形態と同様である。
[第3の実施の形態]
図9は、本発明の第3の実施形態の構成図である。本実施の形態のモータ駆動システム31は、それぞれ複数ずつのインバータとモータとを有する。すなわち、上記の図1から図3に示した実施の形態において、第2モータ76と、第2モータ76を駆動する第2インバータ78とが設けられている。また、第2インバータ78は、インバータ12に対し並列に接続され、第2モータ76は、インバータ12及びモータ14の関係と同様に、第2インバータ78に接続されている。
図9は、本発明の第3の実施形態の構成図である。本実施の形態のモータ駆動システム31は、それぞれ複数ずつのインバータとモータとを有する。すなわち、上記の図1から図3に示した実施の形態において、第2モータ76と、第2モータ76を駆動する第2インバータ78とが設けられている。また、第2インバータ78は、インバータ12に対し並列に接続され、第2モータ76は、インバータ12及びモータ14の関係と同様に、第2インバータ78に接続されている。
このために、モータ駆動システム31は、バッテリ10に、インバータ12に対し並列に接続されて、複数の第2インバータ側スイッチング素子S3,S4を含む第2インバータ78と、第2インバータ78に接続された第2モータ76と、第2電圧クランプ用スイッチング素子80及び第2電圧クランプ用ダイオード82とを備える。第2電圧クランプ用スイッチング素子80は、第2インバータ側スイッチング素子S3,S4の耐圧よりも高耐圧であり、ダイオード整流器20の直流側正極と第2インバータ78の正極側との間に接続されている。また、第2電圧クランプ用ダイオード82は、ダイオード整流器20の直流側負極にアノードA側が接続され、第2インバータ78の正極側にカソードC側が接続され、第2モータ76の固定子巻線の中性点Qから第2インバータ78の正極側へ電流を環流させる。
また、第2モータ76の固定子巻線の中性点Qは、第2充電時接続スイッチ84を介してダイオード整流器20の直流側負極に接続されている。第2充電時接続スイッチ84は、制御装置40(図1参照)により制御されるリレーである。すなわち、第2充電時接続スイッチ84は、制御装置40により、第2モータ76駆動時に接続が遮断され、交流電源26からバッテリ10への充電時には接続されるように接続状態が制御される。また、制御装置40は、交流電源26からバッテリ10への充電時に、インバータ側スイッチング素子S1,S2及び電圧クランプ用スイッチング素子28のスイッチングと、第2インバータ側スイッチング素子S3,S4及び第2電圧クランプ用スイッチング素子80のスイッチングとを制御する。すなわち、充電時には、負極側のインバータ側スイッチング素子S2及び第2インバータ側スイッチング素子S4のスイッチングをオフしたまま、正極側のインバータ側スイッチング素子S1及び第2インバータ側スイッチング素子S3と、電圧クランプ用スイッチング素子28及び第2電圧クランプ用スイッチング素子80とのスイッチングとを同時にオンし、または同時にオフするようにオンオフが制御される。
このようなモータ駆動システム31では、モータ14と第2モータ76とを備えるので、それぞれで車両の左右車輪を駆動するように構成することができる。例えば、モータ14と第2モータ76との少なくとも一部をそれぞれ左右車輪の内側に配置して、各モータ14,76をインホイールモータとして使用する電気自動車に、本実施の形態のモータ駆動システム31を適用することもできる。このように本実施の形態では、インバータ12及びモータ14の並列接続構成により充電できるので、上記の図1から図3に示した実施形態の場合に比べて充電時電流を大きくでき、大容量化を図れる。なお、上記の図9に示した実施形態において、バッテリ10が2台に分割されて、モータ駆動システムを搭載する車両等の搭載体に搭載されている場合に、交流電源26からインバータ12、モータ14、第2インバータ78及び第2モータ76を利用して、2台のバッテリに別々に充電することもできる。
なお、本実施の形態は、2のモータジェネレータとエンジンとを搭載し、1のモータジェネレータ及びエンジンの少なくとも一方を駆動源として車輪を駆動するハイブリッド車両において、主に発電機として使用される第1モータジェネレータとして上記のモータ14を使用し、主に走行用モータとして使用される第2モータジェネレータとして上記の第2モータ76を使用することもできる。また、車両停止時に特別の充電器を用いることなく、それぞれ2ずつの電圧クランプ用スイッチング素子28,80、電圧クランプ用ダイオード30,82、インバータ12,78及びモータ14,76を利用して、交流電源26からバッテリ10に充電可能とすることで、いわゆるプラグイン方式ハイブリッド車両を構成することもできる。その他の構成及び作用は、上記の図1から図3に示した実施形態と同様である。なお、本実施の形態は、図7から図8に示した実施形態と組み合わせることもできる。
また、上記では、それぞれ2ずつの電圧クランプ用スイッチング素子28,80、電圧クランプ用ダイオード30,82、インバータ12,78及びモータ14,76を利用して、交流電源26からバッテリ10に充電可能とする場合を説明したが、それぞれ3以上ずつとして互いに並列に接続する構成を採用することもできる。
[第4の実施の形態]
図10は、本発明の第4の実施形態の構成図である。本実施の形態のモータ駆動システム31では、上記の各実施の形態と異なり、単相の交流電源ではなく、3相の交流電源86からバッテリ10への充電を可能としている。このために、電源用接続部である第1コネクタ32とダイオード整流器20との間に接続されるEMIフィルタ22は、同相成分ノイズ除去用の同相リアクトル(図示せず)及び差動成分ノイズ除去用の差動リアクトル(図示せず)を含むように構成されている。その他の構成及び作用は、上記の図9に示した実施形態と同様である。なお、本実施の形態は、上記の図1から図3の実施形態、または図7、図8の実施形態と組み合わせることもできる。なお、上記の図10に示した実施形態において、バッテリ10が2台に分割されて、モータ駆動システムを搭載する車両等の搭載体に搭載されている場合に、交流電源86からインバータ12、モータ14、第2インバータ78及び第2モータ76を利用して、2台のバッテリに別々に充電することもできる。
図10は、本発明の第4の実施形態の構成図である。本実施の形態のモータ駆動システム31では、上記の各実施の形態と異なり、単相の交流電源ではなく、3相の交流電源86からバッテリ10への充電を可能としている。このために、電源用接続部である第1コネクタ32とダイオード整流器20との間に接続されるEMIフィルタ22は、同相成分ノイズ除去用の同相リアクトル(図示せず)及び差動成分ノイズ除去用の差動リアクトル(図示せず)を含むように構成されている。その他の構成及び作用は、上記の図9に示した実施形態と同様である。なお、本実施の形態は、上記の図1から図3の実施形態、または図7、図8の実施形態と組み合わせることもできる。なお、上記の図10に示した実施形態において、バッテリ10が2台に分割されて、モータ駆動システムを搭載する車両等の搭載体に搭載されている場合に、交流電源86からインバータ12、モータ14、第2インバータ78及び第2モータ76を利用して、2台のバッテリに別々に充電することもできる。
[第5の実施の形態]
図11は、本発明の第5の実施形態の構成図である。本実施の形態のモータ駆動システム31では、上記の図1から図3に示した実施形態において、バッテリ10側のシステムでの雷サージ等による感電対策を有効に図れるようにすべく考えられたものである。このために、モータ駆動システム31は、バッテリ10とインバータ12との間に設けられ、モータ駆動時に接続され、交流電源26からバッテリ10への充電時に遮断されるシステムリレー88と、高周波絶縁トランス90とを備えている。高周波絶縁トランス90は、バッテリ10とインバータ12との間に設けられている。また、インバータ12の直流側に直流電力を交流電力に変換する直流交流変換器92が接続され、バッテリ10の正極及び負極に交流電力を直流電力に変換する交流直流変換器94が接続されている。高周波絶縁トランス90は、直流交流変換器92と交流直流変換器94との間に接続されている。例えば、直流交流変換器92は、制御装置40(図1)により制御される。
図11は、本発明の第5の実施形態の構成図である。本実施の形態のモータ駆動システム31では、上記の図1から図3に示した実施形態において、バッテリ10側のシステムでの雷サージ等による感電対策を有効に図れるようにすべく考えられたものである。このために、モータ駆動システム31は、バッテリ10とインバータ12との間に設けられ、モータ駆動時に接続され、交流電源26からバッテリ10への充電時に遮断されるシステムリレー88と、高周波絶縁トランス90とを備えている。高周波絶縁トランス90は、バッテリ10とインバータ12との間に設けられている。また、インバータ12の直流側に直流電力を交流電力に変換する直流交流変換器92が接続され、バッテリ10の正極及び負極に交流電力を直流電力に変換する交流直流変換器94が接続されている。高周波絶縁トランス90は、直流交流変換器92と交流直流変換器94との間に接続されている。例えば、直流交流変換器92は、制御装置40(図1)により制御される。
このような構成によれば、交流電源26からバッテリ10への充電時に、インバータ12側から供給される電力を、絶縁トランスを介してバッテリ10へ供給し、バッテリ10を充電することができる。また、バッテリ10側と交流電源26側との間を高周波絶縁トランス90で電気的に絶縁できるので、雷サージ等により交流電源26側に異常に高い電圧が入力された場合でも、バッテリ10側のシステムでの漏電対策等の感電対策を簡略にしつつ、バッテリ10側のシステムに悪影響が及ぶことを有効に防止できる。このため、高圧安全対策を容易に行える。その他の構成及び作用は、上記の図1から図3に示した実施形態と同様である。なお、本実施の形態は、上記の図7、図8の実施形態、図9の実施形態及び図10の実施形態のいずれか1と組み合わせることもできる。
[第6の実施の形態]
図12は、本発明の第6の実施形態の構成図である。本実施の形態のモータ駆動システム96は、上記の各実施の形態と異なり、インバータ12及びモータ14を利用して交流電源26からバッテリ10へ充電しない。その代わりに、モータ駆動システム96は、バッテリ10の電圧を昇圧してインバータ12に供給するための昇降圧コンバータであるコンバータ98を備え、コンバータ98のスイッチング素子を利用して、交流電源26からバッテリ10への充電を可能としている。
図12は、本発明の第6の実施形態の構成図である。本実施の形態のモータ駆動システム96は、上記の各実施の形態と異なり、インバータ12及びモータ14を利用して交流電源26からバッテリ10へ充電しない。その代わりに、モータ駆動システム96は、バッテリ10の電圧を昇圧してインバータ12に供給するための昇降圧コンバータであるコンバータ98を備え、コンバータ98のスイッチング素子を利用して、交流電源26からバッテリ10への充電を可能としている。
すなわち、モータ駆動システム96は、バッテリ10と、バッテリ10にコンバータ98を介して接続されたインバータ12と、インバータ12に接続されたモータ14とを備える。コンバータ98は、バッテリ10の正極側に一端が接続された電圧変換用リアクトルであるリアクトルLと、2の電圧変換用スイッチング素子であるスイッチング素子S5,S6が直列接続されたアームAcとを含む。アームAcの中点は、リアクトルLの他端に接続されている。スイッチング素子S5,S6は、IGBT、MOS−FET等のトランジスタ等である。各スイッチング素子S5,S6に逆並列に還流用ダイオードである第3保護用ダイオードD5,D6が接続されている。各スイッチング素子D5,S6のスイッチングは、制御装置40により制御される。
このような構成では、モータ14の駆動時にバッテリ10の電圧をコンバータ98で昇圧してインバータ12に供給することが可能となる。また、モータ14を車両の走行用モータとして使用する場合に、制動時の回生電力をモータ14で回収するようにすれば、インバータ12側からコンバータ98へ入力される電圧を降圧して、バッテリ10に供給し、バッテリ10を充電することが可能となる。
さらに、モータ駆動システム96は、車両停止時の外部の交流電源26に接続された場合に、交流電源26からバッテリ10への充電も可能としている。このために、モータ駆動システム96は、ダイオード整流器20と、電圧クランプ用スイッチング素子28と、電圧クランプ用ダイオード30と、交流電源26に接続可能な電源用接続部である第1コネクタ32と、EMIフィルタ22とを備える。第1コネクタ32は、交流電源26側の第2コネクタ34と接続することで交流電源26と接続可能である。
ダイオード整流器20は、第1コネクタ32とバッテリ10の正極側及びコンバータ98の高圧側との間に接続されている。電圧クランプ用スイッチング素子28は、コンバータ98を構成するスイッチング素子S5,S6の耐圧よりも高耐圧であり、ダイオード整流器20の直流側負極とバッテリ10の正極との間に接続されている。電圧クランプ用スイッチング素子28は、IGBTや、高耐圧のスイッチング素子である。電圧クランプ用スイッチング素子28には逆並列に第2保護用ダイオードD3が接続されている。
また、電圧クランプ用ダイオード30は、ダイオード整流器20の直流側正極にカソードC側が接続され、バッテリ10の正極にアノードA側が接続されている。また、ダイオード整流器20の直流側正極は、コンバータ98の高圧側に接続されている。また、電圧クランプ用スイッチング素子28の第1端子であるコレクタC側は、バッテリ10の正極に接続されている。また、ダイオード整流器20の直流側負極は、電圧クランプ用スイッチング素子28の第2端子であるエミッタE側に接続されている。さらに、モータ駆動システム96は、交流電源26からバッテリ10への充電時に、コンバータ98のスイッチング素子及び電圧クランプ用スイッチング素子28のスイッチングを制御する制御部である制御装置40を備える。コンバータ98のスイッチング素子S5,S6及び電圧クランプ用スイッチング素子28は、制御端子であるゲートGに制御信号が入力される、すなわちスイッチングがオンされることにより、コレクタC側からエミッタE側への通電を許容する。
このような構成では、例えばバッテリ10が、100V等の交流電源26の電圧よりも低い50V未満等の電圧を有する場合に、バッテリ10の電圧を、交流電源26電圧よりも低い電圧に昇圧してインバータ12に供給することができる。この場合、交流電源26からバッテリ10へ充電する場合に、コンバータ98の各スイッチング素子S5,S6にバッテリ10の電圧を大きく上回る電圧は印加されないので、コンバータ98のスイッチング素子S5,S6の耐圧を低く抑えつつ充電することが可能となる。すなわち、充電機能を持たないモータ駆動システムにダイオード整流器20を追加し、交流電源26の電圧を直流に変換し、コンバータ98及び電圧クランプ用スイッチング素子28を利用して、交流電源26の電圧よりも低い電圧のバッテリ10へ充電できる。すなわち、交流電源26からバッテリ10への充電時に、コンバータ98の正極側のスイッチング素子S5と、電圧クランプ用スイッチング素子28とを同時にオンオフ制御し、ダイオード整流器20で整流された電力をバッテリ10に供給して充電する。この充電時に、コンバータ98の負極側のスイッチング素子S6はオフのままである。
この際、電圧クランプ用スイッチング素子28とコンバータ98の正極側のスイッチング素子S5とをオンする第1モードの実行状態では、電源短絡モードが作られ、図12の実線矢印γで示す方向に電流が流れる。このとき、交流電源26側からエネルギがコンバータ98のリアクトルLに磁気エネルギとして蓄えられる。第1モードの期間にオフ状態となるコンバータ98の負極側スイッチング素子S6にはバッテリ10電圧が印加される。
これに対して、電圧クランプ用スイッチング素子28とコンバータ98の正極側のスイッチング素子S5とをオフする第2モードの実行状態では、図12の破線矢印δで示す方向に電流が流れる。すなわち、リアクトルLの電流が、バッテリ10、コンバータ98の負極側の第3保護用ダイオードD6、リアクトルLに順に流れて、リアクトルLに蓄積されていたエネルギがバッテリ10に供給され、バッテリ10が充電される。この期間にオフ状態となる正極側スイッチング素子S5に印加される電圧は、電圧クランプ用ダイオード30によりバッテリ10電圧にクランプされ、交流電源26電圧は、オフ状態にある電圧クランプ用スイッチング素子28で受け持たれる。このため、交流電源26電圧がバッテリ10電圧よりも高い場合でも、コンバータ98のスイッチング素子S5,S6の耐圧は充電のために高くする必要がない。すなわち、1の電圧クランプ用スイッチング素子28として、充電時に印加されるバッテリ10電圧以上の高い電圧を受け持つことが可能な耐圧を有するものを設ければよく、コンバータ98のスイッチング素子S5,S6として高い耐圧を有するものを使用する場合よりもコストの低減を図れる。この結果、低電圧のバッテリ10でモータ14を駆動する構成において、充電電力の制御のための専用の充電器を設けることなく、低コストで交流電源26からバッテリ10への充電を行える。その他の構成及び作用は、上記の図1から図3に示した実施形態と同様である。
10 バッテリ、12 インバータ、14 モータ、15 充電付加回路、16 第1スイッチ、18 第2スイッチ、20 ダイオード整流器、22 EMIフィルタ、24 第3スイッチ、28 電圧クランプ用スイッチング素子、30 電圧クランプ用ダイオード、31 モータ駆動システム、32 第1コネクタ、34 第2コネクタ、36 コンデンサ、38 充電時接続スイッチ、40 制御装置、41 電流センサ、42 制御装置、44 分流比乗算部、46 減算器、48 演算部、50 キャリア信号出力部、52 PWM信号出力部、54 補償器、56 加算器、58 除算器、60 電流指令生成部、62 実効値演算部、64 位相検出部、66 正弦波生成部、68 除算部、70 乗算部、72 絶対値算出部、74 コンパレータ、76 第2モータ、78 第2インバータ、80 第2クランプ用スイッチング素子、82 第2クランプ用ダイオード、84 第2充電時接続スイッチ、86 交流電源、88 システムリレー、90 高周波絶縁トランス、92 直流交流変換器、94 交流直流変換器、96 モータ駆動システム、98 コンバータ。
Claims (7)
- バッテリと、
バッテリに接続されて、複数のインバータ側スイッチング素子を含むインバータと、
インバータに接続されたモータと、
交流電源に接続可能な電源用接続部とを備え、
交流電源に接続された場合に交流電源からバッテリへの充電を可能とするモータ駆動システムであって、
電源用接続部とインバータの正極側及びモータの固定子巻線の中性点との間に接続された整流器と、
整流器の正極側とインバータの正極側との間に接続され、インバータ側スイッチング素子よりも高耐圧の電圧クランプ用スイッチング素子と、
整流器の負極側にアノード側が接続され、インバータの正極側にカソード側が接続される電圧クランプ用ダイオードとを備え、
整流器の負極側は、モータの固定子巻線の中性点に接続され、
整流器の正極側は、電圧クランプ用スイッチング素子の第1端子側に接続され、
電圧クランプ用スイッチング素子の第2端子側は、インバータの正極側に接続され、
さらに、交流電源からバッテリへの充電時に、インバータ側スイッチング素子及び電圧クランプ用スイッチング素子のスイッチングを制御する制御部を備えることを特徴とするモータ駆動システム。 - 請求項1に記載のモータ駆動システムにおいて、
モータが有するリアクトル成分の電流を検出する電流検出部を備え、
制御部は、正弦波の交流電流指令値の絶対値に基づく値とリアクトル成分の検出電流との偏差から得られるPWM変調率と、位相が120度ずつ異なる3相のキャリア信号とを比較し、位相が120度ずつ異なる各相用のPWM信号を生成し、各相用のPWM信号をインバータの3相のスイッチング素子の制御端子に出力し、
インバータのスイッチング素子をオンオフ制御することで、交流電源からバッテリへの充電を可能とすることを特徴とするモータ駆動システム。 - 請求項1または請求項2に記載のモータ駆動システムにおいて、
バッテリに、インバータに対し並列に接続されて、複数の第2インバータ側スイッチング素子を含む第2インバータと、
第2インバータに接続された第2モータと、
整流器の正極側と第2インバータの正極側との間に接続され、第2インバータ側スイッチング素子よりも高耐圧の第2電圧クランプ用スイッチング素子と、
整流器の負極側にアノード側が接続され、第2インバータの正極側にカソード側が接続される第2電圧クランプ用ダイオードとを備え、
第2モータの固定子巻線の中性点は、整流器の負極側に接続され、
第2電圧クランプ用スイッチング素子の第1端子は、整流器の正極側に接続され、
第2電圧クランプ用スイッチング素子の第2端子は、第2インバータの正極側に接続され、
制御部は、交流電源からバッテリへの充電時に、インバータ側スイッチング素子及び電圧クランプ用スイッチング素子のスイッチングと、第2インバータ側スイッチング素子及び第2電圧クランプ用スイッチング素子のスイッチングとを制御することを特徴とするモータ駆動システム。 - 請求項1から3のいずれか1に記載のモータ駆動システムにおいて、
電源用接続部と整流器との間に接続され、同相成分ノイズ除去用の同相リアクトル及び差動成分ノイズ除去用の差動リアクトルを含むフィルタを備え、
3相交流電源からバッテリへの充電を可能とすることを特徴とするモータ駆動システム。 - 請求項1から請求項4のいずれか1に記載のモータ駆動システムにおいて、
バッテリとインバータとの間に設けられ、モータ駆動時に接続され、交流電源からバッテリへの充電時に遮断されるシステムリレーと、
バッテリとインバータとの間に設けられる高周波絶縁トランスとを備えることを特徴とするモータ駆動システム。 - 請求項1から請求項5のいずれか1に記載のモータ駆動システムにおいて、
モータの固定子巻線の中性点と整流器の負極側との間に設けられ、モータ駆動時に遮断され、交流電源からバッテリへの充電時に接続される充電時接続スイッチを備えることを特徴とするモータ駆動システム。 - バッテリと、
バッテリに昇降圧コンバータを介して接続されたインバータと、
インバータに接続されたモータと、
交流電源に接続可能な電源用接続部とを備え、
昇降圧コンバータは、電圧変換用スイッチング素子と電圧変換用リアクトルとを含み、
交流電源に接続された場合に交流電源からバッテリへの充電を可能とするモータ駆動システムであって、
電源用接続部とバッテリの正極側及び昇降圧コンバータの高圧側との間に接続された整流器と、
整流器の負極側とバッテリの正極側との間に接続され、電力変換用スイッチング素子よりも高耐圧の電圧クランプ用スイッチング素子と、
整流器の正極側にカソード側が接続され、バッテリの正極側にアノード側が接続される電圧クランプ用ダイオードとを備え、
整流器の正極側は、昇降圧コンバータの高圧側に接続され、
電圧クランプ用スイッチング素子の第1端子側は、バッテリの正極側に接続され、
整流器の負極側は、電圧クランプ用スイッチング素子の第2端子側に接続され、
さらに、交流電源からバッテリへの充電時に、電圧変換用スイッチング素子及び電圧クランプ用スイッチング素子のスイッチングを制御する制御部を備えることを特徴とするモータ駆動システム。
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