JP5407553B2 - モータ制御装置 - Google Patents

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本発明は、コンバータ入力電流を電流フィードバック制御情報としてコンバータ駆動信号を生成するコンバータ駆動回路を備えたモータ制御装置に関する。
従来のモータ制御装置は、DC/DCコンバータの出力電圧指令値に出力電圧値が追従するように、電圧のフィードバック制御を構成し、そのフィードバックループの中にマイナーループとして入力電流のフィードバック制御を行って、出力電圧の安定度を高めていた。また、出力電力を演算し、入力電圧と出力電力から入力電流の指令値を演算して、出力電力の変化に対して、出力電圧指令値の応答性を改善していた。さらに、入力電圧と出力電圧指令値からDC/DCコンバータの時比率指令値を演算して、電圧指令値の変化に対する応答性を改善していた。
具体的には、コンバータの出力電力値を演算する出力電力演算器と、出力電圧指令値と出力電圧値の偏差から、コンバータの入力電流指令値を演算する電圧制御器と、入力電圧値と出力電力演算器による出力電力値からコンバータの入力電流指令値を演算する入力電流補償器と、入力電流指令値と入力電流指令値を加算し、入力電流指令値を演算する入力電流指令値加算器と、入力電流指令値と入力電流値の偏差から、コンバータのスイッチング時比率1を演算する電流制御器と、入力電圧値と出力電圧指令値からコンバータのスイッチング時比率2を演算する時比率補償器と、スイッチング時比率1と比率2を加算し、スイッチング時比率3を演算する時比率加算器とを備え、スイッチング時比率3に基づいてDC/DCコンバータを動作させていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−333715号公報
しかしながら、従来のモータ制御装置にあっては、コンバータのリアクトル電流を検出し、電流フィードバック制御を行うという構成になっていたため、リアクトル電流自体にコンバータのスイッチング動作に起因する高周波リップルが重畳し、結果として制御出力であるコンバータ電圧や、コンバータへの入力電流、入力電圧に大きな高周波リップルが重畳する。そのため、コンバータのスイッチング動作に起因するリップルが悪化し、コンバータやDCハーネス、バッテリでの損失が増加する、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、コンバータ駆動時、バッテリやコンバータ等の損失を低減できると共に、電流フィードバック制御の安定性を確保することができるモータ制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のモータ制御装置では、リアクトルとスイッチングデバイスを有し、バッテリからの直流の電圧または電流を大きさの異なる直流の電圧または電流に変換するコンバータと、前記コンバータのコンバータ入力電流を電流フィードバック制御情報とする電流制御ブロックを有し、前記コンバータへのコンバータ駆動信号を生成するコンバータ駆動回路と、を備える。
このモータ制御装置において、前記リアクトルの上流位置であって、前記バッテリとは並列接続により入力側平滑コンデンサを設定する
前記バッテリの出力部から前記入力側平滑コンデンサの接続部までの間に、補機回路への分岐接続部を有する。
前記電流センサは、前記バッテリの出力部から前記分岐接続部までの間の何れかの位置に挿入する。
前記コンバータ駆動回路は、前記電流制御ブロックで用いる電流フィードバック制御情報を、前記電流センサからのセンサ値から補機類で使われる電流合計値を差し引いた値を直流電流情報とした
よって、本発明のモータ制御装置にあっては、リアクトルの上流位置であって、バッテリとは並列接続により入力側平滑コンデンサが設定される。電流センサは、バッテリの出力部から補機回路への分岐接続部までの間の何れかの位置に挿入される。そして、コンバータ駆動回路において、電流制御ブロックで用いる電流フィードバック制御情報が、電流センサからのセンサ値から補機類で使われる電流合計値を差し引いた値を直流電流情報とされる。
すなわち、リアクトルの上流位置に設定した入力側平滑コンデンサがローパスフィルタの働きをするため、コンバータのスイッチング周波数に連動するリアクトル電流の高周波変動を除去でき、バッテリからコンバータまでの間の直流電流に含まれる高周波リップルを抑制する作用を示す。したがって、バッテリやコンバータや両者を接続するハーネス等の損失を低減できる。また、電流フィードバック制御情報として、電流センサからのセンサ値に基づいて取得した直流電流情報を用いるため、平滑化された制御情報となり、高周波リップルを含むリアクトル電流を制御情報として用いる場合に比べ、電流フィードバック制御自体の制御安定性が確保される。
この結果、コンバータ駆動時、バッテリやコンバータ等の損失を低減できると共に、電流フィードバック制御の安定性を確保することができる。
加えて、補機類の分岐接続部より上流側に電流センサを設定した場合、コンバータに入力される直流電流を精度良く推定することで、電力推定誤差による電流制御追従性誤差を抑制することができる。
実施例1のモータ制御装置の全体構成を示す制御システム図である。 比較例のモータ制御装置におけるコンバータ駆動回路を示す制御ブロック図である。 負荷を電流源とする比較例の昇圧コンバータをあらわし、(a)は昇圧コンバータの簡易モデルを示す回路図であり、(b)は昇圧コンバータでのスイッチオフ時の動作説明図であり、(c)は昇圧コンバータでのスイッチオン時の動作説明図である。 比較例の昇圧コンバータにおいてスイッチのオン/オフに伴うリアクトル電流変動と出力電圧変動を示すタイムチャートである。 負荷を電流源とする実施例1の昇圧コンバータの簡易モデルを示す回路図である。 実施例1の昇圧コンバータにおいてコンバータ駆動時のリアクトル電流・DC電流・入力コンデンサ電流の各シミュレーション特性を示す図である。 実施例1の昇圧コンバータにおいてコンバータ駆動回路から出力されるDC/DCコンバータ駆動信号の生成を示す特性図である。 電流フィードバック制御で用いるコンバータ入力電流をリアクトル電流としてモータ制御を開始した場合のコンバータ出力電圧・コンバータ入力電圧・リアクトル電流・DC電流の各特性を示すタイムチャートである。 電流フィードバック制御で用いるコンバータ入力電流をDC電流としてモータ制御を開始した場合のコンバータ出力電圧・コンバータ入力電圧・リアクトル電流・DC電流の各特性を示すタイムチャートである。 コンバータ制御と電池の組み合わせによる比較をあらわし、(a)は電圧制御+従来電池でのコンバータ出力電圧・コンバータ入力電圧・リアクトル電流・DC電流の各特性を示すタイムチャートであり、(b)は電圧制御+高性能電池でのコンバータ出力電圧・コンバータ入力電圧・リアクトル電流・DC電流の各特性を示すタイムチャートであり、(c)は実施例1の電流制御+高性能電池でのコンバータ出力電圧・コンバータ入力電圧・リアクトル電流・DC電流の各特性を示すタイムチャートである。 実施例2のモータ制御装置においてインバータ駆動回路を省略した全体構成を示す制御システム図である。 実施例3のモータ制御装置においてインバータ駆動回路を省略した全体構成を示す制御システム図である。
以下、本発明のモータ制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1〜実施例3に基づいて説明する。なお、実施例1及び実施例2を本発明の参考例とし、実施例3を本発明の実施例とする。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1のモータ制御装置の全体構成を示す制御システム図である。以下、図1に基づき構成を説明する。
実施例1のモータ制御装置は、図1に示すように、駆動モータ1と、インバータ2と、昇圧コンバータ3(コンバータ)と、バッテリ4と、DCバッテリ電圧センサ5と、DC電流センサ6(電流センサ)と、昇圧電圧センサ7と、U相電流センサ8aと、W相電流センサ8bと、モータ回転位置センサ9と、インバータ駆動回路10と、コンバータ駆動回路20と、を備えている。
前記駆動モータ1は、三相交流同期モータであり、ハイブリッド自動車や電気自動車等の駆動源として搭載されている。この駆動モータ1とインバータ2を接続するU相ラインとW相ラインには、それぞれU相電流センサ8aとW相電流センサ8bが設けられる。また、駆動モータ1の位相θの情報を得るために、エンコーダやレゾルバ等によるロータ回転位置センサ9が設けられる。
前記インバータ2は、インバータ駆動回路10からのインバータ駆動信号に基づき、パルス幅変調制御(PWM制御)によるスイッチング動作で、モータ駆動時(バッテリ放電時)、昇圧コンバータ3からの直流を駆動モータ1への三相交流に変換し、モータ発電時(バッテリ充電時)、駆動モータ1からの三相交流を昇圧コンバータ3への直流に変換する。
前記昇圧コンバータ3は、コンバータ駆動回路20からのDC/DCコンバータ駆動信号に基づき、モータ駆動時(バッテリ放電時)、バッテリ4からのバッテリ電圧にリアクトル放電電圧を加算することでインバータ2への入力電圧を昇圧し、モータ発電時(バッテリ充電時)、インバータ2からの入力電圧を降圧してバッテリへの充電電圧とする。この昇圧コンバータ3は、入力側平滑コンデンサ31と、リアクトル32と、ダイオード33,34が付設されたIGBT35,36(スイッチングデバイス)と、出力側平滑コンデンサ37と、を有し、直流チョッパ回路を構成している。この昇圧コンバータ3の出力側平滑コンデンサ37の端子間位置には、昇圧電圧センサ7が設けられ、昇圧電圧VHを検出する。
ここで、「IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistorの略)」とは、入力部がMOS構造で出力部がバイポーラ構造の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタであり、パワーエレクトロニクス(インバータやコンバータ等)にオンオフ機能可能な半導体デバイスとして用いられる。
前記バッテリ4は、モータ駆動時、放電により昇圧コンバータ3にバッテリ電圧を供給し、モータ発電時、昇圧コンバータ3からの発電電力により充電する直流電源である。このバッテリ4の端子間位置には、DCバッテリ電圧センサ5が設けられ、DCバッテリ電圧VLを検出する。
前記DC電流センサ6は、コンバータ駆動回路20での電流フィードバック制御で用いるコンバータ入力電流の検出手段であり、入力側平滑コンデンサ31により高周波リップルを除去したDC電流IDCを検出する。このDC電流センサ6は、バッテリ4の出力位置から、昇圧コンバータ3の入力側平滑コンデンサ31の接続位置までの区間Aの何れかの位置に挿入される。実施例1の場合、DC電流センサ6を、コンバータ入力位置から入力側平滑コンデンサ31の接続位置までの昇圧コンバータ3の内蔵位置に設定している。
前記インバータ駆動回路10は、図1に示すように、位相・速度演算器100と、3相/dq変換器101と、モータトルク制御器102と、減算器103,104と、dq軸電流制御器105と、非干渉制御器106と、加算器107,108と、dq/3相変換器109と、PWM生成器110と、を備えている。そして、このインバータ駆動回路10は、モータトルク制御器102が出力したモータd軸電流指令値id*とモータq軸電流指令値iq*を実現するため、電流のフィードバック制御を行ってインバータ2のスイッチをON/OFFさせるインバータ駆動信号を生成する。
前記位相・速度演算器100は、ロータ回転位置センサ9による位置検出に基づき、3相/dq変換器101で必要な位相θを求めると共に、駆動モータ1の電気的角速度座標ωeを位相θの時間微分より演算する。さらに、位相・速度演算器100は、駆動モータ1の回転角速度ωmを出力する。
前記3相/dq変換器101は、U相電流センサ8aからの駆動モータ1のU相電流iuとW相電流センサ8bからの駆動モータ1のW相電流iwを、d軸電流idとq軸電流iqに座標変換する。なお、dq座標は、駆動モータ1の磁束の基本波成分に同期して回転する座標系である。
前記モータトルク制御器102は、モータトルク指令T*と駆動モータ1の機械的な回転角速度ωmと昇圧電圧指令VH *を受け、モータトルク指令値T*を実現するモータd軸電流指令値id*とモータq軸電流指令値iq*を出力する。このモータd軸電流指令値id*とモータq軸電流指令値iq*は、駆動モータ1の機械的な回転角速度ωmと昇圧電圧指令VH *とモータトルク指令値T*から、用意されたマップを参照することで得られる。
前記減算器103,104は、モータd軸電流指令値id*とd軸電流idのd軸電流制御偏差と、モータq軸電流指令値iq*とq軸電流iqのq軸電流制御偏差をそれぞれ求める。
前記dq軸電流制御器105は、d軸電流制御偏差とq軸電流制御偏差を入力し、PI制御を用いて電流制御偏差が0になるように、d軸電流フィードバック制御とq軸電流フィードバック制御を行い、d軸電圧vdとq軸電圧vqを出力する。
前記非干渉制御器106は、駆動モータ1の速度起電力に対するフィードフォワード補償部であり、モータd軸電流指令値id*とモータq軸電流指令値iq*と電気的角速度座標ωeを入力し、d軸FF補償電圧vd_cmpとq軸FF補償電圧vq_cmpを出力する。
このd軸FF補償電圧vd_cmpとq軸FF補償電圧vq_cmpは、
vd_cmp=−Lq・ωe・iq* …(1)
vq_cmp=ωe・(Ld・id*+φ) …(2)
の式により求められる。
ここで、Lqはq軸インダクタンスの基本波成分であり、Ldはd軸インダクタンスの基本波成分、φは磁石磁束による誘起電圧の定数である。
前記加算器107は、d軸電圧vdとd軸FF補償電圧vd_cmpを加算することによってd軸制御電圧vd*を得る。前記加算器108は、q軸電流iqとq軸FF補償電圧vq_cmpを加算することによってq軸制御電圧vq*を得る。
前記dq/3相変換器109は、d軸制御電圧vd*とq軸制御電圧vq*と位相θを入力し、座標変換を行ってU相制御電圧vu*、V相制御電圧vv*、W相制御電圧vw*を求める。
前記PWM生成器110は、U相制御電圧vu*とV相制御電圧vv*とW相制御電圧vw*と昇圧電圧指令VH *に基づき、インバータ駆動信号を生成し、このインバータ駆動信号をインバータ2に出力する。このインバータ駆動信号の生成は、昇圧電圧指令VH *をピーク値に持つ三角波と、U相制御電圧vu*とV相制御電圧vv*とW相制御電圧vw*を、三角波比較することで行う。
前記コンバータ駆動回路20は、図1に示すように、減算器201と、電圧制御器202と、入力電流補償器203と、加算器204と、減算器205と、電流制御器206と、時比率補償器207と、加算器208と、リミッタ209と、を備えている。ここで、減算器201と電圧制御器202と入力電流補償器203と加算器204により、F/BとF/F補償による電圧制御ブロック210を構成し、減算器205と電流制御器206と時比率補償器207と加算器208により、F/BとF/F補償による電流制御ブロック211を構成している。そして、このコンバータ駆動回路20は、昇圧電圧指令VH *を受け、これに昇圧コンバータ3の昇圧電圧VHが追従するように制御演算を行って昇圧コンバータ3のスイッチをON/OFFさせるDC/DCコンバータ駆動信号を生成する。
前記減算器201は、昇圧コンバータ3の出力電圧目標値である昇圧電圧指令VH *と、昇圧電圧センサ7からの昇圧電圧VHの電圧偏差を求める。
前記電圧制御器202は、減算器201からの電圧偏差が0になるように、PI制御(フィードバック制御)を行ってコンバータ入力電流指令IL1*を演算する。
前記入力電流補償器203は、DCバッテリ電圧センサ5からのDCバッテリ電圧VLと、出力電力Poを入力し、下記の式(3)によりコンバータ入力電流指令IL2*を演算する。
IL2*=Po/VL …(3)
なお、出力電力Poは、モータ制御装置で用いられる電流指令値と電圧指令値に基づき演算される。
前記加算器204は、コンバータ入力電流指令IL1*とコンバータ入力電流指令IL2*を加算してコンバータ入力電流指令IL *を演算する。
前記減算器205は、コンバータ入力電流指令IL *とDC電流センサ6からのDC電流IDCの電流偏差を演算する。
前記電流制御器206は、減算器205からの電流偏差を入力し、偏差が0になるように、PI制御(フィードバック制御)を行って、PWM比率指令D1*を演算する。
前記PWM比率補償器207は、DCバッテリ電圧センサ5からのDCバッテリ電圧VLと昇圧電圧指令VH *を入力し、PWM比率指令D2’を下記の式(4)に基づいて演算する。
D2’=1−VL/VH * …(4)
そして、PWM比率指令D2’を、時定数τの一次遅れローパスフィルタを通過させてPWM比率指令D2*を演算する。
前記加算器208は、PWM比率指令D1*とPWM比率指令D2*を加算してPWM比率指令D3*を演算する。
前記リミッタ209は、PWM比率指令D3*を入力し、予め設定された上下限値の範囲で制限して最終的なPWM比率指令D*とし、このPWM比率指令D*に基づいてDC/DCコンバータ駆動信号を生成し、このDC/DCコンバータ駆動信号を昇圧コンバータ3に出力する。このDC/DCコンバータ駆動信号の生成は、PWM比率指令D*と三角波を比較することで行う(図7参照)。
次に、作用を説明する。
まず、「比較例で大きな高周波リップルが重畳する理由」の説明を行い、続いて、実施例1のモータ制御装置における作用を、「モータ制御作用」、「DC電流を用いた電流フィードバック制御作用」、「電流フィードバック制御のメリット」に分けて説明する。
[比較例で大きな高周波リップルが重畳する理由]
ハイブリッド自動車(HEV)や電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)等と組み合わせるインバータに組み込む昇圧コンバータ(=DC/DCコンバータ)の電圧制御方法について説明する。
ここで、電圧制御のみや電圧フィードバック制御+電流フィードフォワード補償による従来制御方法に対し、図2に示すように、コンバータ入力電流を検出し、F/B制御する電流制御マイナーループをコンバータ出力電圧制御に組み込むことで、コンバータ出力電圧を応答良く指令値に追従させることが可能なものを比較例とする。
この比較例は、図2に示すように、F/B+F/F補償による電圧制御ブロックとF/B+F/F補償による電流制御ブロックを有し、このうち電流制御ブロックでは、コンバータ入力電流として、コンバータのリアクトル電流を検出し、電流フィードバック制御を行うという構成になっている。このため、リアクトル電流自体にコンバータのスイッチング動作に起因する高周波リップルが重畳し、結果として、制御出力であるコンバータ電圧や、コンバータへの入力電流、入力電圧に大きな高周波リップルが重畳する。以下、比較例では、大きな高周波リップルが重畳する理由を説明する。
図3(a)に負荷を電流源とするコンバータ簡易モデルを示す。このコンバータ簡易モデルにおいて、スイッチオフ時には、図3(b)に示すように、リアクトルLに逆起電力が発生し、蓄えられたエネルギが放出され、点線矢印に示す経路で電流が流れ、コンデンサCに充電する。このとき、出力電圧voは、電源の入力電圧viにリアクトル放電電圧が加算されて印加するため、通常、vi<voとなり、入力電圧viより出力電圧voは昇圧する。このスイッチオフ時のリアクトル電流iLの変化を示す微分値diL/dtと、出力電圧voの変化を示す微分値dvo/dtは、
diL/dt=−(1/L)vo+(1/L)vi …(5)
dvo/dt=−(1/C)io+(1/C)iL …(6)
の式で表される。
一方、スイッチオン時には、図3(c)に示すように、リアクトルLには電源の入力電圧viが印加し、点線矢印に示す経路で電流が流れ、リアクトルLに電磁エネルギが蓄積される。このとき、出力のコンデンサCの電荷はダイオードにより放電が阻止される。このため、電源と負荷は切り離されるが、コンデンサCの放電で負荷には電力が供給される。このスイッチオン時のリアクトル電流iLの変化を示す微分値diL/dtと、出力電圧voの変化を示す微分値dvo/dtは、
diL/dt=(1/L)vi …(7)
dvo/dt=−(1/C)io …(8)
の式で表される。
そして、コンバータは、上記スイッチオンとスイッチオフの繰り返し動作により、入力電圧viより昇圧した値による出力電圧voを作り出す。
したがって、リアクトル電流iLの特性をみると、図4に示すように、スイッチオン時tonの間は傾き{(1/L)vi}を示し、スイッチオフ時toffの間は傾き{−(1/L)vo+(1/L)vi}を示し、リアクトル電流変動(Imax−Imin)は、
Imax=Imin+(1/L)vi・tonであることで、
Imax−Imin=(1/L)vi・ton …(9)
となる。
そして、出力電圧voの特性をみると、図4に示すように、スイッチオン時tonの間は傾き{−(1/C)io}を示し、スイッチオフ時toffの間は傾き{−(1/C)io+(1/C)iL}を示し、出力電圧変動(Vmax−Vmin)は、
Vmin=Vmax−(1/C)io・tonであることで、
Vmax−Vmin=(1/C)io・ton …(10)
となる。
上記式(9),(10)から明らかなように、IGBTのオン時間(ton)を増やすと、リアクトル電流変動(Imax−Imin)の幅が増加し、かつ、出力電圧変動(Vmax−Vmin)の幅も増加する。よって、リアクトル電流を電流制御ブロックのフィードバック制御に用いると、目標値(平均値相当)と検出値の偏差が大きくなり、フィードバック制御が不安定になり、大きな高周波リップルが重畳する。
そのため、比較例は、電圧フィードバック制御や、電圧フィードバック制御+電流フィードフォワード制御に対し高応答であるが、コンバータのスイッチング動作に起因する高周波リップルが悪化し、コンバータやDCハーネス、バッテリでの損失が増加し、発熱増加、寿命低下につながる、という問題がある。
また、内部インピーダンスが小さいバッテリとの組み合わせでは、応答性を求めると、スイッチングに起因する高周波リップルとは別に低周波リップルが発生し、過電流や過電圧フェールの検知マージンの現象などの問題が発生し、電流フィードバック制御のメリットが生かしにくい、という問題がある。
[モータ制御作用]
まず、本発明での高周波リップルの悪化を回避・抑制する考え方を説明する。
図5に負荷を電流源とするコンバータ簡易モデルを示す。この図5から明らかなように、本発明では、入力側平滑コンデンサCinを追加し、電流フィードバック制御で用いるコンバータ入力電流を、電源の出力位置から入力側平滑コンデンサCinの接続位置までの間から得られるDC電流idcとする構成を採用している。
このため、リアクトル電流iとDC電流idcと入力コンデンサ電流iの関係は、
=idc+i …(11)
となり、この式(11)を書き直すと、
dc=i−i …(12)
る。
そして、入力側平滑コンデンサCinは、電流波形を平滑化する作用を持つため、図4のDC電流のイメージから明らかなように、リアクトル電流iを入力コンデンサ電流iにより平滑化したものが(式(12))、DC電流idcになるはずである。そして、電流フィードバック制御にリアクトル電流iを平滑化したDC電流idcを用いれば、重畳する高周波リップルを低減する可能性があると考えた。そこで、シミュレータで確認したところ、図6に示すように、DC電流idcは、確かにリアクトル電流iを入力コンデンサ電流iにより平滑化したものになることが証明された。
したがって、モータ制御時、コンバータ駆動回路20の減算器201において、昇圧電圧指令VH *と昇圧電圧VHの電圧偏差が求められ、次の電圧制御器202において、電圧偏差が0になるように、PI制御を行ってコンバータ入力電流指令IL1*が演算される。また、入力電流補償器203において、DCバッテリ電圧VLと出力電力Poに基づいて、コンバータ入力電流指令IL2*が演算される。そして、加算器204において、コンバータ入力電流指令IL1*とコンバータ入力電流指令IL2*を加算してコンバータ入力電流指令IL *が演算される。以上により、電圧制御ブロック210において、実際の昇圧電圧VHを昇圧電圧指令VH *に応答良く一致させるF/B+F/F補償による電圧制御が行われる。
次に、コンバータ駆動回路20の減算器205において、電圧制御ブロック210からのコンバータ入力電流指令IL *とDC電流センサ6からのDC電流IDCの電流偏差が演算され、次の電流制御器206において、電流偏差が0になるように、PI制御を行って、PWM比率指令D1*が演算される。また、PWM比率補償器207において、DCバッテリ電圧VLと昇圧電圧指令VH *を入力し、PWM比率指令D2’が演算される。そして、加算器208において、PWM比率指令D1*とPWM比率指令D2*を加算してPWM比率指令D3*が演算される。以上により、電流制御ブロック211において、実際のDC電流IDCをコンバータ入力電流指令IL *に応答良く一致させるF/B+F/F補償による電流制御が行われる。
そして、リミッタ209において、PWM比率指令D3*を入力し、予め設定された上下限値の範囲で制限して最終的なPWM比率指令D*とし、このPWM比率指令D*と三角波を比較することで、図7に示すように、DC/DCコンバータ駆動信号を生成し、このDC/DCコンバータ駆動信号を昇圧コンバータ3に出力する。
[DC電流を用いた電流フィードバック制御作用]
上記のように、実施例1では、電流フィードバック制御で用いるコンバータ入力電流をDC電流IDCとし、DC電流IDCの検出位置を、バッテリ4の出力位置から昇圧コンバータ3の入力側平滑コンデンサ31までの位置に設定した。
すなわち、昇圧コンバータ3の入力側平滑コンデンサ31がローパスフィルタの働きをするため、昇圧コンバータ3のスイッチング周波数に連動するリアクトル電流高周波変動である高周波リップルを除去でき、電流制御入力の変動が抑制される。したがって、電流制御自体の制御安定が確保でき、その結果、電流制御をマイナーループとする電圧制御も安定化される。さらに、コンバータDC電流、昇圧電圧に発生する昇圧コンバータ3の回路共振に起因する高周波リップルを低減し、バッテリ4、昇圧コンバータ3、DCハーネスの損失を低減できる。
図8は、電流フィードバック制御で用いるコンバータ入力電流をリアクトル電流としてモータ制御を開始した場合のコンバータ出力電圧・コンバータ入力電圧・リアクトル電流・DC電流の各特性を示すタイムチャートである。図9は、電流フィードバック制御で用いるコンバータ入力電流をDC電流としてモータ制御を開始した場合のコンバータ出力電圧・コンバータ入力電圧・リアクトル電流・DC電流の各特性を示すタイムチャートである。
図8と図9のリアクトル電流特性を対比すると、図9のリアクトル電流特性の変動幅が図8のリアクトル電流特性の変動幅に比べて小さく抑えられていることで、電流フィードバック制御で用いるコンバータ入力電流をDC電流とした場合、昇圧コンバータ3のスイッチング周波数に連動するリアクトル電流高周波変動である高周波リップルを除去できることが証明された。
[電流フィードバック制御のメリット]
実施例1の場合、DC電流を用いた電流フィードバック制御とすることで、下記の点で電流フィードバック制御のメリットが拡大する。
・コンバータ出力電圧の応答性が向上する。
電流・電圧リップルの跳ね返りなく出力電圧応答性を高めることができる。このため、リチュームイオンバッテリのような低インピーダンスバッテリへの対応性が高くなる。さらに、アクセルオン操作により直ちにトルク指令値を立ち上げることができるというように、昇圧電圧の応答遅れ時間を短縮できる。
・電流制御が安定化する。
コンバータ電流を直接制御することにより、電流変動を抑制し、過電流の抑制効果を高めることができる。例えば、コンバータ負荷の急増時にコンバータ電流を安定して制御できるため、過渡的な変動による急増分を抑制できる。
・バッテリ出力の大型化に対応する。
コンバータ電力を大きくするためにコンバータのリアクトルを大型することで、応答性が低下する。しかし、応答性の低下に対して、電流制御の安定性を向上できるため、回路共振により電圧・電流リップルの増加を抑えつつ、電圧制御の応答性も向上させることができる。
・内部インピーダンスが小さいバッテリとの組み合わせに対応する。
内部インピーダンスが小さいバッテリとの組み合わせでは、応答性を求めると、スイッチングに起因する高周波リップルとは別に低周波リップルが発生し、過電流や過電圧フェールの検知マージンの現象などの問題が発生する。しかし、電流フィードバック制御のメリットである上記電圧・電流リップルの増加抑制、上記電圧制御の応答性向上、上記過電流の抑制を生かすことで、内部インピーダンスが小さいバッテリとの組み合わせに対応できる。
図10は、コンバータ制御と電池の組み合わせによる比較をあらわし、(a)は電圧制御+従来電池でのコンバータ出力電圧・コンバータ入力電圧・リアクトル電流・DC電流の各特性を示すタイムチャートであり、(b)は電圧制御+高性能電池でのコンバータ出力電圧・コンバータ入力電圧・リアクトル電流・DC電流の各特性を示すタイムチャートであり、(c)は実施例1の電流制御+高性能電池でのコンバータ出力電圧・コンバータ入力電圧・リアクトル電流・DC電流の各特性を示すタイムチャートである。
図10(a)と図10(b)と図10(c)を対比する。まず、電圧制御であると、図10(a),(b)に示すように、電池を従来電池から高性能電池とするとリップルがより増大するし追従性も低下する。これに対し、実施例1のように電流制御であると、図10(c)に示すように、高性能電池(内部インピーダンスが小さいバッテリ)としても、リップル低減と応答の良い追従性を両立できることが明らかである。
次に、効果を説明する。
実施例1のモータ制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) リアクトル32とスイッチングデバイス(IGBT35,36)を有し、バッテリ4からの直流の電圧または電流を大きさの異なる直流の電圧または電流に変換するコンバータ(昇圧コンバータ3)と、前記コンバータ(昇圧コンバータ3)のコンバータ入力電流を電流フィードバック制御情報とする電流制御ブロック211を有し、前記コンバータ(昇圧コンバータ3)へのコンバータ駆動信号を生成するコンバータ駆動回路20と、を備えたモータ制御装置において、前記リアクトル32の上流位置であって、前記バッテリ4とは並列接続により入力側平滑コンデンサ31を設定すると共に、前記バッテリ4から前記入力側平滑コンデンサ31までの間の何れかの位置に電流センサ(DC電流センサ6)を挿入し、前記コンバータ駆動回路20は、前記電流制御ブロック211で用いる電流フィードバック制御情報を、前記電流センサ(DC電流センサ6)からのセンサ値に基づいて取得した直流電流情報とした。
このため、コンバータ(昇圧コンバータ3)の駆動時、バッテリ4やコンバータ(昇圧コンバータ3)等の損失を低減できると共に、電流フィードバック制御の安定性を確保することができる。
(2) 前記電流センサ(DC電流センサ6)は、分岐回路を有さない前記バッテリ4の出力部から前記入力側平滑コンデンサ31の接続部までの何れかの位置に挿入し、前記コンバータ駆動回路20は、前記電流制御ブロック211で用いる電流フィードバック制御情報を、前記電流センサ(DC電流センサ6)からの直流電流IDCとした。
このため、簡単な構成としながら、コンバータ(昇圧コンバータ3)に内蔵して電流センサ(DC電流センサ6)を設定する、あるいは、コンバータ(昇圧コンバータ3)の外部に電流センサを設定するというように、高い設定自由度により電流センサ(DC電流センサ6)を挿入することができる。
実施例2は、コンバータ入力と補機類の間にDC電流センサを挿入した例である。
まず、構成を説明する。
図11は、実施例2のモータ制御装置においてインバータ駆動回路を省略した全体構成を示す制御システム図である。
実施例2では、バッテリ4の出力部から入力側平滑コンデンサ31の接続部までの間に、補機回路30への分岐接続部301を有する。そして、DC電流センサ6は、分岐接続部301から入力側平滑コンデンサ31の接続部までの区間A’の何れかの位置に挿入される。つまり、DC電流センサ6は、入力側平滑コンデンサ31により高周波リップルを低減すると共に、バッテリ4の出力電流から補機類(12V-DC/DCコンバータ、電動パワーステアリング、エアコン等)への電流分を差し引いたDC電流IDCを検出する。実施例2の場合、DC電流センサ6を、分岐接続部301からコンバータ入力部までの昇圧コンバータ3の外部位置に設定している。そして、コンバータ駆動回路20は、電流制御ブロック211で用いる電流フィードバック制御情報を、DC電流センサ6からのDC電流IDCとしている。
なお、他の構成は、実施例1の図1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
次に、作用を説明する。
実施例2では、DC電流センサ6により、入力側平滑コンデンサ31により高周波リップルを低減すると共に、バッテリ4の出力電流から補機類への電流分を差し引いたDC電流IDCを検出するようにしている。
したがって、補機類が消費する電力を推定する、もしくは、補機類に流れる電流を電流センサにより計測する必要がなくなる。このため、電力推定誤差による電流制御追従性の誤差を回避することができる。また、電流センサのコスト追加分を回避できる。さらに、消費電力を通信で共有する場合の通信遅れによる電流制御誤差を回避することができる。
なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例2のモータ制御装置にあっては、実施例1の(1)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(3) 前記バッテリ4の出力部から前記入力側平滑コンデンサ31の接続部までの間に、補機回路30への分岐接続部301を有し、前記電流センサ(DC電流センサ6)は、前記分岐接続部301から前記入力側平滑コンデンサ31の接続部までの何れかの位置に挿入し、前記コンバータ駆動回路20は、前記電流制御ブロック211で用いる電流フィードバック制御情報を、前記電流センサ(DC電流センサ6)からの直流電流IDCとした。
このため、補機類が分岐して接続される場合、電力推定誤差による電流制御追従性の誤差や電流センサのコスト追加分や通信遅れによる電流制御誤差等の誤差発生を回避することができる。
実施例3は、電流制御ブロックで用いる電流フィードバック制御情報として、DC電流センサ6からのセンサ値から補機類で使われる電流合計値を差し引いた値を用いるようにした例である。
まず、構成を説明する。
図12は、実施例3のモータ制御装置においてインバータ駆動回路を省略した全体構成を示す制御システム図である。
実施例3では、バッテリ4の出力部から入力側平滑コンデンサ31の接続部までの間に、補機回路30への分岐接続部301を有する。そして、DC電流センサ6は、バッテリ4の出力部から分岐接続部301までの区間A”の何れかの位置に挿入され、DC電流センサ6と補機回路30は、制御ユニット等の電流値補正回路31に接続される。つまり、電流値補正回路31は、DC電流センサ6からの高周波リップルを低減したDC電流IDCを入力すると共に、補機回路30から補機類(12V-DC/DCコンバータ、電動パワーステアリング、エアコン等)による消費電力あるいは消費電流を監視し、DC電流IDCから補機類への電流分を差し引いたDC補正電流IDC を作成する。実施例3の場合、DC電流センサ6を、バッテリ出力部から分岐接続部301までの昇圧コンバータ3の外部位置に設定している。そして、コンバータ駆動回路20は、電流制御ブロック211で用いる電流フィードバック制御情報を、電流値補正回路31からのDC補正電流IDC としている。
なお、他の構成は、実施例1の図1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
次に、作用を説明する。
補機類への電力消費等を監視し、DC電流センサ6により検出されるDC電流IDCから補機類への電流分を差し引いたDC補正電流IDC を、電流フィードバック制御情報に用いるようにしている。
したがって、補機類が消費する電力分の補正により、昇圧コンバータ3に入力されるDC電流が精度良く推定されることになる。この結果、補機類の分岐接続部301より上流側にDC電流センサ6を設定した場合、電力推定誤差による電流制御追従性誤差を抑制することができる。
なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例3のモータ制御装置にあっては、実施例1の(1)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(4) 前記バッテリ4の出力部から前記入力側平滑コンデンサ31の接続部までの間に、補機回路30への分岐接続部301を有し、前記電流センサ(DC電流センサ6)は、前記バッテリ4の出力部から前記分岐接続部301までの間の何れかの位置に挿入し、前記コンバータ駆動回路20は、前記電流制御ブロック211で用いる電流フィードバック制御情報を、前記電流センサ(DC電流センサ6)からのセンサ値から補機類で使われる電流合計値を差し引いた値を直流電流情報とした。
このため、補機類の分岐接続部301より上流側に電流センサ(DC電流センサ6)を設定した場合、コンバータ(昇圧コンバータ3)に入力される直流電流を精度良く推定することで、電力推定誤差による電流制御追従性誤差を抑制することができる。
以上、本発明のモータ制御装置を実施例1〜実施例3に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、DC電流センサ6を昇圧コンバータ3のDC入力直後と入力側平滑コンデンサ31の間に挿入する例を示した。しかし、DC電流センサを、コンバータ内蔵のインバータのDC入力直後と入力側平滑コンデンサの間の(+)もしくは(-)に挿入するような例としても良い。さらに、DC電流センサを、バッテリ出力のDCライン上にあるハーネス、ジャンクションボックスの(+)または(-)に挿入するような例(コンバータ外に電流センサを設定)としても良い。
実施例1〜3では、駆動モータを搭載したハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池車等の駆動用インバータの昇圧コンバータに本発明のモータ制御装置を適用する例を示した。しかし、スタックとバッテリ間の電圧調整用コンバータ等にも本発明のモータ制御装置を適用することができる。要するに、リアクトルとスイッチングデバイスを有するコンバータと、コンバータ入力電流を電流フィードバック制御情報としてコンバータ駆動信号を生成するコンバータ駆動回路と、を備えたモータ制御装置であれば適用できる。
1 駆動モータ
2 インバータ
3 昇圧コンバータ(コンバータ)
31 入力側平滑コンデンサ
32 リアクトル
33,34 ダイオード
35,36 IGBT(スイッチングデバイス)
37 出力側平滑コンデンサ
4 バッテリ
5 DCバッテリ電圧センサ
6 DC電流センサ(電流センサ)
7 昇圧電圧センサ
8a U相電流センサ
8b W相電流センサ
9 モータ回転位置センサ
10 インバータ駆動回路
20 コンバータ駆動回路
201 減算器
202 電圧制御器
203 入力電流補償器
204 加算器
205 減算器
206 電流制御器
207 時比率補償器
208 加算器
209 リミッタ
210 電圧制御ブロック
211 電流制御ブロック

Claims (1)

  1. リアクトルとスイッチングデバイスを有し、バッテリからの直流の電圧または電流を大きさの異なる直流の電圧または電流に変換するコンバータと、前記コンバータのコンバータ入力電流を電流フィードバック制御情報とする電流制御ブロックを有し、前記コンバータへのコンバータ駆動信号を生成するコンバータ駆動回路と、を備えたモータ制御装置において、
    前記リアクトルの上流位置であって、前記バッテリとは並列接続により入力側平滑コンデンサを設定し
    前記バッテリの出力部から前記入力側平滑コンデンサの接続部までの間に、補機回路への分岐接続部を有し、
    前記電流センサは、前記バッテリの出力部から前記分岐接続部までの間の何れかの位置に挿入し、
    前記コンバータ駆動回路は、前記電流制御ブロックで用いる電流フィードバック制御情報を、前記電流センサからのセンサ値から補機類で使われる電流合計値を差し引いた値を直流電流情報とした
    ことを特徴とするモータ制御装置。
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