JP5320187B2 - 欠陥検査方法及び欠陥検査装置 - Google Patents

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Description

本発明は試料表面に存在する微小な欠陥を高感度かつ高速に検査する表面欠陥検査方法および検査装置に関する。
半導体基板や薄膜基板等の製造ラインにおいて、製品の歩留まりを維持・向上するために、半導体基板や薄膜基板等の表面に存在する欠陥の検査が行われている。従来技術としては、「ウエハ表面上に数十μmに集光したレーザビームを照射して、欠陥から発生する散乱光を集光・検出し、数十nmから数μm以上の寸法の欠陥を検出する」方法があり、特許文献1(特開平9―304289号公報)や特許文献2(特開2000―162141号公報)が知られている。
また、特許文献3(特開2007―240512号公報)には、「回転・並進するステージにより支持されているウエハに複数回、線状の照明を行い、結像光学系を用いて、照明領域から発生する散乱光をラインセンサ上に結像し、同一の領域から発生した散乱光信号同士を加算する」方法が開示されている。
特開平9―304289号公報 特開2000―162141号公報 特開2007―240512号公報
近年LSI配線は急激に微細化しており,検出すべき欠陥のサイズは光学式検査の検出限界に近づいている。半導体ロードマップによると2012年には36nmノードのLSIの量産が開始されようとしており,パターンなしウエハ検査装置にはDRAMハーフピッチと同程度の大きさの欠陥を検出する能力が必要とされている。半導体の微細化に追従するためには,検査装置の検出感度も断続的に向上させる必要がある。ここで、欠陥とはウエハ上に付着するパーティクルや結晶欠陥COP(Crystal Originated Particle),研磨により生じるスクラッチなどである。
特許文献1および特許文献2に開示された方法によっては、レーザパワーを増大によるウエハへのダメージや、単位時間あたりの検査可能面積の縮小によるスループットの低下等の課題を有する。具体的には、欠陥に対してレーザで照明を行った時に発生する散乱光の大きさIは、欠陥の粒径をDとすると、I∝D^6の関係があることが知られているが、近年のLSI配線の微細化に伴い、検出すべき欠陥サイズの微小化が進んできたため、得られる散乱光が弱くなっている。そこで、微細欠陥から発生する散乱光を増大させる必要がある。欠陥から発生する散乱光を大きくする方法として、レーザの高出力化が存在するが、上記手法ではウエハ上のレーザ照射部の表面温度が上昇し、ウエハにダメージを与える恐れがある。また照射時間を長くすることでも検出する散乱光を大きくできるが、単位時間あたりの検査可能面積が縮小するためスループットの低下を招くことになる。
また、特許文献3に開示された方法によっては、検出精度の低下という課題を有する。具体的には、検査中にはウエハは数千RPM(Rotation Perminute)という高速回転を行っており、振動や対流によりウエハ垂直方向に対してウエハ自身の高さ変動が発生する。また、ウエハ表面の凹凸によってもウエハ表面の高さ変動が発生する。レーザをウエハに対して斜方から照射している場合、ウエハの高さ変動により、ウエハ上でレーザが照射されている場所が変化するため、照射したい領域と実際に照射している領域とに差異が生じ、レーザが照射されているウエハ上の領域とラインセンサで検出している領域との関係にずれが発生する。そのため、検査中のウエハ高さ変動により、概略同一の領域からの散乱光を検出しているラインセンサの画素同士の対応関係が崩れ、同一領域同士の信号の加算ができなくなり(以後本課題のことを検出画素ずれ、または単に画素ずれと表記する)、ウエハの表面の同一欠陥を複数回照明して得られた散乱光を加算する方法では、欠陥検査精度の低下を免れない。
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば次のとおりである。 (1)試料の表面の欠陥を検査する欠陥検査方法であって、前記試料の表面の所定の領域に楕円形状の照明領域を有する照明光を複数回照射する工程と、各回ごとの前記試料の表面からの散乱光を、前記照明領域に対応して配置された複数画素の散乱光を検出可能な検出器により受光する工程と、前記各回ごとの前記試料の表面からの散乱光を、各回ごとに検出信号に変換する工程と、前記変換する工程で変換された複数の検出信号のそれぞれから、前記試料の表面の凹凸から発生する散乱光から得られるHaze信号を抽出する工程と、前記抽出する工程で抽出された複数のHaze信号の分布と予め定めた光量分布とを比較して、前記複数の検出信号のそれぞれについて画素ずれ量を算出する工程と、前記複数の検出信号のそれぞれについて算出した画素ずれ量を用いて前記複数の検出信号を補正する工程と、前記補正する工程で補正された複数の検出信号を加算処理して欠陥を検出する工程と、を有することを特徴とする欠陥検査方法である。
(2)(1)記載の欠陥検査方法であって、前記画素ずれ量を算出する工程では、前記複数のHaze信号の分布と、前記試料の表面に対して垂直方向への変動がないと仮定した状態で照明光を照射した場合に得られるHaze信号の分布である基準光量分布とを比較することを特徴とする欠陥検査方法である。
本発明によれば、試料の表面に存在する欠陥を、高感度に検査する欠陥検査方法および欠陥検査装置を提供することができる。
本発明に係る欠陥検査装置の第一の実施例の構成図である。 本発明に係る欠陥検査装置の第一の実施例の側面図である。 本発明に係る欠陥検査装置の第一の実施例の検出光学系の構成図である。 照明領域とラインセンサの空間的な位置関係の側面図である。 試料面上での検出範囲の位置関係の上面図である。 画素ずれが生じない場合の試料面における照明領域とセンサ検出範囲との位置関係の説明図である。 画素ずれが生じる場合の試料面における照明領域とセンサ検出範囲との位置関係の説明図である。 画素ずれ大きさと画素ずれ方向との説明図である。 検出信号の説明図である。 Haze信号を利用したパターンマッチングのフローの説明図である。 欠陥マップとHazeマップの説明図である。 本発明に係る欠陥検査装置における、第一の実施例の変形例である。 本発明に係る欠陥検査方法の第一の実施例における検査フローの一例である。 本発明に係る欠陥検査装置において、照明光が試料面上で非ガウスの照度分布となるように照明を行う第一の実施例の照明光学系の構成図である。 本発明に係る欠陥検査装置において、照明光が試料面上で非ガウスの照度分布となるように照明を行う第二の実施例の照明光学系の構成図である。 本発明に係る欠陥検査装置の第二の実施例の側面図である。 試料の高さ変動時の、試料表面と照明領域との位置関係を説明する側面図である。 試料の高さ変動時の、試料面上における照明領域が変動する様子の上面図である。 試料の高さ変動時の、正反射光とその進行方向を説明する側面図である。 本発明に係る欠陥検査方法の第二の実施例における検査フローの一例である。 試料面上における、照明領域とエリアセンサを用いた場合の検出領域の位置関係を説明する上面図である。 本発明に係る欠陥検査装置における、第三の実施例の上面図である。 試料面における照明領域とセンサ検出範囲との第一の位置関係を説明する上面図である。 試料面における照明領域とセンサ検出範囲との第二の位置関係を説明する上面図である。 試料面における照明領域とセンサ検出範囲との第三の位置関係を説明する上面図である。 試料面における照明領域とセンサ検出範囲との第四の位置関係を説明する上面図である。
本発明に係る欠陥検査装置の実施形態の一例を図1で説明する。図1(a)は本発明に係る欠陥検査装置の実施形態の一例の平面図、図1(b)は側面図である。図1記載の欠陥検査装置は、ウエハ1、照明光学系101、検出光学系102a〜102f、ウエハステージ103、および信号処理系104を備えて構成される。
(照明光学系101)
照明光学系101はレーザ光源2、ビームエキスパンダ3、偏光素子4、ミラーm、集光レンズ5を備えて構成される。レーザ光源2から射出されたレーザビーム200はビームエキスパンダ3でビーム径を所望の大きさに調整され、偏光素子4で所望の偏光状態へ変換され、反射ミラーmを介し、集光レンズ5でウエハ1の被検査領域に仰角θiで照射される。
ここで、ウエハの表面近傍の微小な欠陥を検出するために、レーザ光源2は、ウエハ内部に浸透しづらい短波長(波長355nm以下)のレーザビームを発振するレーザ光源であることが望ましい。また、照明仰角θiは、ウエハ表面から10度の角度であることが望ましい。照明領域20はウエハ面上で概略楕円形状をしており、例えば長軸方向には概略1000μm 、短軸方向には概略20μm程度の大きさである。ビームエキスパンダ3はアナモフィック光学系であり、複数のプリズムから構成される。光軸に互いに垂直な平面内における一方向のみに関してビーム径を変化させ、集光レンズ5を使ってウエハ1にスポット照明、または線状照明を行う。
(検出光学系102a〜102f)
検出光学系102a〜102fは、ウエハ表面に対して複数の異なる方位角方向φ、仰角θsの方向に配置され、ウエハ上の照明領域20より発生する散乱光を検出する。検出光学系102a〜102fはウエハ表面に対する方位角方向に関して、概略60度間隔で配置されており、検出光学系102a〜102fの配置方位角φは、それぞれ30・90・150・210・270・330度である。
ここでは、複数の検出光学系が配置される方位角方向φに関して、検出光学系102aは、その光軸211と照明領域20の長手方向210とのなす角度が概略90度の関係にある方位角方向に配置されている。
複数の検出光学系が配置される方位角方向φに関して、少なくとも1つの検出光学系の光軸と照明領域20の長手方向210とのなす角度が概略90度の関係にある方位角方向に配置されていれば、残りの検出光学系の配置される方位角方向φに制限はない。図1の場合では検出光学系102aが照明領域20の長手方向210と検出光学系の光軸211が互いに直交の関係にある検出光学系に相当する。理由は後述するが、ウエハの表面荒れから発生するラフネス散乱光に基づく信号(以後Haze信号と表記する)を利用したパターンマッチングを行い画素ずれの大きさおよび画素ずれの方向を検出する際に、検出光学系102aで検出した散乱光に基づく信号の座標を基準として計算を行うためである。
また、検出仰角θsはウエハ表面から30度の角度であり、開口数は0.3である。検出光学系102b〜102fに関しても同様であり、それぞれウエハ表面から30度の検出仰角に配置され、開口数は0.3である。
検出光学系102a〜102fはいずれも概略同様の構成をしており、検出光学系の構成を詳細に示したものを図2に示す。検出光学系102aは対物レンズ10、偏光素子11、結像レンズ12、ラインセンサ13より構成される。照明領域20とラインセンサ13は共役な位置関係にあり、照明領域20からの散乱光をラインセンサ13の複数画素の各画素に結像する。検出光学系102a・102dのラインセンサは照明領域20の長手方向210と概略平行となるように配置すれば、ラインセンサと照明領域20と共役な位置関係となる。
対物レンズ10の光学倍率は0.1倍の縮小系である。偏光素子11は例えば偏光フィルタやPBS(Polarized Beam Splitter偏光ビームスプリッタ)などであり、偏光検出することによりラフネス散乱光を低減させ、より微細な欠陥を検出可能とする。また偏光素子11は検出光学系の光軸を中心に回転可能であり、また抜き差しも可能である。偏光フィルタはシグマ光機社のNSPFU-30C、PBSはシグマ光機社PBSW-10-350などを使用すればよい。ラインセンサ13は浜松ホトニクス社のS3923-256Qなどを使用すればよい。S3924-256Qの画素数は256、画素ピッチは25μm、画素の高さは0.5mmである。
検出光学系102bの光軸212と照明領域20の長手方向210のなす角度は約30度であり、かつ仰角30度から検出しているため、光学倍率1倍の条件で結像した場合には、図3(a)のように、光軸に対し30度傾いた面15に像が形成される。像の傾きを補正し、光軸212に対し概略垂直な面に結像するためには、検出光学系を縮小倍率にすればよい。対物レンズの光学倍率0.1の縮小系であるため、像の傾きが補正され、光軸212と概略垂直な面16に像が形成される。結像レンズ12の倍率により全体の光学倍率は決定され、検出光学系102a〜102fの全体での光学倍率は10倍である。
検出光学系102bのラインセンサ13を光軸に垂直な面16内で、かつウエハ1に平行な位置に配置した場合には、ウエハ1面上での照明領域20とラインセンサ13の検出範囲17は図3(b)に示すような位置関係になり、照明領域20の長手方向210とラインセンサの画素が並んでいる方向213のなす角度が30度になる。この状態では照明領域20から発生する散乱光を全て補足できないため、ラインセンサを光軸212を中心に回転させることで、照明領域20から発生する散乱光の全てを補足可能にする。照明領域20の長手方向210とラインセンサの画素が並んでいる方向213のなす角度が30度であるため、それと同じ大きさの30度だけ回転させることにより、照明領域20の長手方向210とラインセンサの画素が並んでいる方向213のなす角度が概略0度になり、照明領域20から発生する散乱光を全て補足し、ラインセンサ上に結像することができる。
検出光学系102c・102e・102fに関して、検出方位角によって照明領域20の長手方向210とラインセンサの画素が並んでいる方向213のなす角度が異なる。よって、検出方位角に応じてラインセンサを光軸を中心として回転させ、照明領域20から発生する散乱光を全て補足し、ラインセンサ上に結像させる。
(ウエハステージ103)
図1(b)に一例を示すように、ウエハステージ103はウエハ1を保持するチャックおよび高さ制御を行うZステージ(図示せず)、ウエハを回転させるための回転ステージ6およびウエハ1をR方向に移動させるための並進ステージ7から構成される。ウエハステージ103は回転走査および並進走査を行うことによって、照明領域20がウエハ1の全面をスパイラル状に照明するように走査を行う。ここで、静止時のウエハ表面の高さをz=0とし、鉛直上方を正の方向と定義する。
(信号処理系104)
信号処理系104は、アナログ回路150、A/ D変換部151、画素ずれ検出部152、画素ずれ補正部153、信号加算・欠陥判定部154、CPU155、マップ出力部156、入力部157から構成される。
次に、図4(a)と図4(b)を用いて、ウエハ高さ変動により画素ずれが発生する理由の説明を行う。ここで、ウエハ高さ変動とは、検査中のウエハの高速回転やウエハ表面の凹凸によるウエハ垂直方向への高さ変動を指す。また、画素ずれとは、ウエハ高さ変動に基づき生じる照射したい領域と実際に照射している領域との差異により生じる、レーザが照射されているウエハ上の領域とラインセンサで検出している領域との画素のずれを指す。図4(a)は検出光学系102aの配置された位置から見た場合のラインセンサのウエハ1面での検出範囲21aと照明領域20の位置関係を示しており、図4(b)は検出光学系102bの配置された位置から見た場合のラインセンサのウエハ1面での検出範囲21bと照明領域20の位置関係を示している。ここで、ラインセンサの画素が並んでいる方向をR1方向、画素の高さ方向をR2と定義する。R1とR2は互いに直交の関係にある。
ウエハ高さ変動が起こっていない場合では、図4(a)、図4(b)ともにウエハ上の照明領域20を照射することになり、照明領域と検出範囲21a・21bとの位置関係は同じであり、この状態において初期調整で2つのラインセンサの検出範囲を概略同一の領域に調整しておく。つまり初期調整において、概略同一の領域から発生する散乱光を検出する画素の対応関係は決められており、検査中はその対応関係に従い、散乱光に基づく信号を加算すればよい。
次にウエハ高さ変動が起こった場合の説明を行う。ウエハ表面高さがz=0の高さにあった時には、照明領域20とラインセンサ13はピントがあっている状態に調整されているが、ウエハ表面の高さが変動した場合にはピントがずれるため、照明領域20から発生する散乱光のラインセンサへの結像位置が変化する。「h」を任意の定数とする。ウエハ1が高速回転することにより、ウエハ表面の高さがz方向に+h μmだけずれた場合、照明領域20は照明領域20’の位置にずれ、ウエハ表面の高さがz方向に−h μmだけずれた場合、照明領域20は照明領域20’’の位置にずれることを示している。
図4(a)の例では照明領域20のずれる方向25は、画素高さ方向であるR2の方向だけであり、この場合には画素ずれは発生しない。一方、図4(b)の例では、照明領域20は方向26となり、R2の方向だけでなくR1の方向にもずれる。照明領域20がR1方向にもずれることにより、画素ずれが発生する。ここで画素ずれとは、検査中のウエハの高さ変動により、概略同一の領域からの散乱光を検出しているラインセンサの画素同士の対応関係が崩れることを指すため、照明したい領域と実際に照明している領域とに差異が生じることから、画素ずれを補正しない状態でそのままの検出信号を加算すると、同一領域同士の信号の加算ができなくなり、信号加算による信号増幅の効果が減少することから、検出精度が低下してしまう。
ウエハ高さ変動により発生する照明領域20のずれる方向25・26は検出方位角φによって異なり、また照明領域20のずれる大きさは検出仰角θs、検出方位角φ、ウエハ高さ変動の大きさによって異なることがわかっている。以後、照明領域20のずれる方向をベクトルと考え、R1・R2の2成分に分解した時のR1成分の符号を画素ずれ方向、R1成分の絶対値を画素ずれ大きさと定義し、画素ずれ方向と画素ずれ大きさとを合わせて画素ずれ量と定義する。図4(c)の場合、照明領域20のずれる方向27を想定した場合、画素ずれ方向は負(−:マイナス)であり、画素ずれ大きさは線分OAの長さとなる。
本発明では画素ずれが発生し、概略同一の領域から発生している散乱光を検出している画素同士の対応関係が崩れた場合、下記の手法により画素ずれ方向・画素ずれ大きさを検出し、検出信号の座標補正を行うことで画素同士の対応関係を補正し、信号増幅の効果を最大化し、検出感度を向上させる。
(アナログ回路150、A/D変換部151での処理)
図1(a)の照明光学系101によりウエハの表面に照明光を照射し、ウエハの表面からの散乱光を受光したラインセンサ13は、受光光量に応じた電気信号を発生させ、該電気信号はアナログ回路150に導かれる。アナログ回路150で行われる処理に関して以下、説明する。
照明領域20から発生する散乱光を受光すると、ラインセンサ13からは図5のような検出信号が出力される。ウエハ表面の凹凸であるウエハ表面の荒れから発生するラフネス散乱光はレーザ照射期間中は常に発生しており、ラフネス信号Noのように低周波なうねりとして検出される(<数kHz)。ラフネス信号(Haze信号)Noがラインセンサに入射し光電変換される時に、ランダムな変動であるショットノイズNoが発生し、これも同時に検出される。一方欠陥から発生する欠陥散乱光Soは、照明幅20 μmの照明領域20が欠陥の存在する位置を通過する間の短い時間だけ、パルス状に発生するため、欠陥信号Soとして示したように、ラフネス信号と比較して高周波である(>数kHz)。つまり図5記載の検出信号がアナログ回路150に導かれてきた時に、検出信号に対し、ハイパスフィルタ(通過帯域:>数kHz)を適用することで欠陥信号を抽出でき、ローパスフィルタ(通過帯域:<数kHz)を適用することでHaze信号を抽出可能となる。
以上のことより、ラインセンサ13で検出した欠陥散乱光に基づき発生した電気信号である欠陥信号に対してはハイパスフィルタがかけられ、ラインセンサ13で検出したラフネス散乱光に基づき発生した電気信号であるHaze信号に対してはローパスフィルタがかけられる。これにより、欠陥信号とHaze信号とを分離して処理することが可能になる。上述のフィルタリング処理を行われた信号はA/D変換部151にて数MHz以上のサンプリングピッチでデジタル信号に変換される。デジタル信号に変換されたHaze信号は画素ずれ検出部152に入力され、ウエハ高さ変動による画素ずれ大きさおよび画素ずれ方向を検出する。図6を用いて画素ずれ大きさと画素ずれ方向の検出方法を説明する。
(画素ずれ検出部152での処理)
図6は、ウエハ1、レーザ光源2、レーザ光線200、照明領域20、検出光学系102a、102b、および画素ずれ検出部152を示している。例えば、照明領域20がガウス分布を有するレーザビームで照明されている場合、検出光学系102a、102bのラインセンサの各画素にはおよそガウス分布に対応するラフネス散乱光が検出される。画素ずれ検出部152にはアナログ回路150でローパスフィルタリングされたHaze信号が導かれるため、各検出光学系102a、102bにより受光された散乱光に基づくガウス状のHaze信号30a、30bが入力される。ガウス分布は分布値の最大値が分布の中央となるため、初期調整では、照明領域20の中心とラインセンサの中心画素が概略一致するように調整することで、照明領域20とラインセンサの各画素との対応関係をつけることができる。ウエハ変動により画素ずれが発生した場合、Haze信号のガウス分布ピーク値とラインセンサの中心画素とが一致しなくなる。そこで、画素ずれ検出部152ではHaze信号30aと30bの分布を用いてパターンマッチングを行い、画素ずれ大きさおよび画素ずれ方向等の画素ずれ量を検出する。
ここでは、Haze信号のガウス分布がピーク値(最大値)を取る画素位置と、ラインセンサの中心画素との差異を画素ずれ量として検出することになる。各ラインセンサの各画素の検出光量を用いて、照明領域20の重心座標を計算し、その重心座標を用いて、ずれの大きさと方向を検出しても構わない。ラインセンサの中心画素の代わりに、ラインセンサにより検出されたHaze信号が最大値を取る画素位置を用いてもよい。このとき、光軸211が照明領域20の長手方向210と概略直交する位置に配置された検出光学系102aにより受光された散乱光に基づくHaze信号はウエハ高さ変動が発生しても画素ずれが発生しないため、画素ずれ大きさおよび画素ずれ方向を検出する基準とすることができる。または、初期調整時に照明領域20の概略中心領域から発生する散乱光を検出する画素をテンプレートとして記録しておき、そのテンプレートを画素ずれの大きさ・方向を検出する基準としても構わない。
他の全ての検出光学系の検出信号についても画素ずれ量である画素ずれ大きさと画素ずれ方向を算出し、画素ずれ補正信号を生成し、画素ずれ補正部153に画素ずれ補正信号を出力する。
ここで、画素ずれ補正信号の具体例を以下に示す。座標系を(R、θ)の2軸とする。θ=θ00(任意の定数)においてウエハ高さ変動が発生し、パターンマッチングにより検出光学系102bの検出信号が「R方向に+5μm」の画素ずれが発生したと検出した場合を考える。この場合の画素ずれ補正信号は次のようになる。検出光学系102bの全ての画素の検出信号に対し、θ==θ00の座標においてR方向の座標を「−5μm」だけ補正する。
図6では検出光学系102aと102bにより受光された散乱光に基づくHazee信号のみを用いてパターンマッチングを行い、画素ずれ補正信号を生成する場合で説明を行ったが、ラインセンサを用いている全ての検出光学系から得られたHazee信号について画素ずれ検出部152に導かれ、検出信号毎に画素ずれ補正信号を生成してもよい。得られたHazee信号の全てについて画素ずれ補正信号を生成して検出信号の画素ずれを補正することにより、より精度よく検出信号を加算し欠陥を検出することが可能となる。
(画素ずれ補正部153〜入力部157、マップ出力部156での処理)
画素ずれ補正部153にはAD変換部151より欠陥信号とHaze信号が、画素ずれ検出部152より画素ずれ補正信号が入力される。欠陥信号とHaze信号は画素ずれ補正信号に基づき、信号の分布の画素ずれが補正される。画素ずれ補正された信号は、信号加算・欠陥判定部154に導かれ、同一画素同士の信号が加算され、加算信号に基づき閾値処理による欠陥判定・欠陥分類・欠陥寸法算出、およびレベル判定によるHaze処理が行われる。
そしてCPU155を介して、マップ出力部156で図7記載の欠陥マップ160およびHazeマップ161を表示する。欠陥マップ160は検査時に取り込んだ欠陥種・欠陥サイズ・検出座標を基に表示され、Hazeeマップ161は検査時に取り込んだHaze信号レベル・検出座標を基に表示される。また入力部157にはユーザインターフェースを含み、ユーザがレシピ設定などを行う。上記のように、複数の方位角に検出光学系が存在することにより、複数の検出光学系により受光された散乱光に基づく信号を全て加算して欠陥検査を行った場合には、信号増幅効果を得ることができるので、高精度に欠陥を検出することが可能となる。また、信号加算による信号増幅効果を大きくする以外にも、使用する検出光学系を選択、または各検出光学系における検出信号に重み付けをして使用することにより、欠陥検出感度を向上させることができる。ラフネス散乱光は、ウエハ表面の粗さ状態に依存して、方位角依存性が存在する。例えば、Siのように表面粗さが非常にスムースなウエハでは、レーザビーム200が入射してきた方向、つまり検出光学系102e・102fが存在する方位角方向にラフネス散乱光が強く発生する傾向があり、Alデポ膜のように表面粗さが大きいウエハでは、レーザビーム200が進行していく方向、つまり検出光学系102b・102cが存在する方位角方向にラフネス散乱光が強く発生する性質がある。ラフネス散乱光が弱く発生する方位角に存在する検出光学系で検出された検出信号のみを用いる、またはラフネス散乱光の大きさに応じた重みをゲインとして検出信号に乗算して、処理することにより、欠陥検出感度を向上させることが可能となる。
また、上記では、検出光学系102aを基準としてHaze信号30aと30bの分布を用いてパターンマッチングを行い、画素ずれ大きさおよび画素ずれ方向等の画素ずれ量を検出する方法を示したが、基準のHaze信号分布として、検出光学系102aではなく、ウエハの表面に対して垂直方向への変動がないと仮定した状態で照明光を照射した場合に得られるHaze信号の分布である基準光量分布を予め設定しておき、この基準光量分布を基準として画素ずれ量を算出してもよい。この場合は、少なくとも1の検出光学系があればよく、予め定めた基準光量分布をパターンマッチングの基準として用いることで、照明光学系やステージ等の物理的な位置ずれに起因する画素ずれについても考慮することができ、欠陥検出感度の向上を実現できる。このように、予め定めた光量分布と検出されたHazee信号の分布とを比較することで、画素ずれ量を算出することができる。
図1では照明の長手方向210と平行な方向からレーザ照明を行っているが、照明の長手方向210とレーザを照射する方向は概略同じである必要はなく、異なる方位角方向から照明を行っても構わない。異なる方向から照明する利点として、スクラッチなど欠陥形状に方向性を有する欠陥の分類性能を向上させることができる点がある。COPなど、方位角方向に対して概略対称である欠陥から発生する散乱光には方位角依存性が存在せず、全方位角方向に概略均等に発生する傾向がある。一方、スクラッチなどのように方位角方向に対して対象でない欠陥から発生する散乱光には方位角依存性が存在する。またスクラッチからの散乱光の方位角特性は照明の入射する方位角にも依存するため、照明方向を能動的に変化させ、各方位角方向に存在する信号を比較することで、欠陥分類精度や寸法算出精度を向上させることが可能となる。
図8は図1に示す実施例の側面図の一例である。図8では低い仰角θiから照明を行う斜方照明光学系101、低い仰角方向θsで散乱光検出を行う低角度検出光学系102g、前記低角度検出光学系よりも高い仰角から検出を行う高角度検出光学系102hが存在している。斜方照明光学系に関して、ウエハに対し概略垂直方向から照明を行う垂直照明光学系が存在しても構わない(図示せず)。
このとき、ウエハ表面に対して仰角の異なる検出光学系102g、102hによりそれぞれ受光された散乱光に基づく検出信号が各々アナログ回路150に入力され、その後は図1(a)の信号処理系と同様の処理がなされる。
以上、異なる仰角方向に照明光学系と複数の検出光学系が存在する実施例を説明したが、このような構成を有する欠陥検査装置の利点として、主に次の2点が挙げられる。まず1点目の効果として、ウエハ上に付着するパーティクルに対しては、斜方照明光学系で照明を行った場合は、垂直照明光学系よりもパーティクルに対する散乱断面積を大きくすることができるため、パーティクルから発生する散乱光量が大きくなり、より微細な欠陥まで検出することが可能になる。また数十nmの大きさの欠陥からの散乱光は低仰角側に強く散乱し、百nm以上の大きさの欠陥からの散乱光は高仰角側に強く散乱するため、微細な欠陥は低仰角検出光学系で検出し、比較的大きな欠陥は高仰角検出光学系で検出することで、検出可能な欠陥サイズのレンジを大きくすることが可能となる。一方、COPやスクラッチのようなウエハに対する凹み欠陥には、垂直照明光学系で照明を行った方が、散乱断面積が大きくなるため、凹み欠陥に対する感度を向上させることが可能となる。また凹み欠陥からの散乱光は高仰角側に強く散乱するため、高仰角検出光学系を用いることで、さらに検出感度を向上させることが可能となる。上記説明のように、欠陥の種類(パーティクル、COP、スクラッチなど)や大きさに応じて、欠陥から発生する散乱光の強度分布や仰角特性が変化するため、照明方向・検出方向毎の信号を組み合わせて比較することで、欠陥分類精度や欠陥寸法算出精度を向上させることが可能となる。
また、2つ目の効果として、複数方位角、複数仰角方向にある各検出光学系により検出された検出信号の処理方法に関して、各検出信に対して加算、または平均化処理が行われる。加算することにより、検出光量が大きくなるため、検出感度向上に効果があり、平均化することにより、センサのダイナミックレンジ内で検出可能なサイズの幅が増えることになり、ダイナミックレンジ拡大の効果がある。
レーザ光源2は355nmの波長を発振する光源で説明を行ったが、可視、紫外、または真空紫外のレーザビームを発振するレーザ光源でも構わない。照明領域20はウエハ面上で概略楕円形状をしており、長軸方向には概略1000μm、短軸方向には概略20μm程度の大きさである例で説明を行ったが、楕円形状である必要はなく、また大きさに関しても制限はない。
図1では異なる方位角方向φに6つの検出光学系が存在する実施例を説明したが、検出光学系の数は6つに制限される必要はない。また検出方位角φ、検出仰角θsに関しても制限はない。
対物レンズ10は倍率0.1倍の光学倍率の例で説明を行ったが、倍率に制限はない。また検出光学系102a〜102fの全体としての光学倍率10倍の例で説明を行ったが、これに関しても制限はない。検出光学系102a〜102fの開口数に関しても、全ての検出光学系において概略同じである必要はなく、また全てが異なっている必要もない。
照明光学系101に関して、エキスパンダ3と集光レンズ5を組み合わせて照明を行う例で説明を行ったが、シリンドリカルレンズを用いて線状照明を行っても構わない。シリンドリカルレンズ単体を用いた場合はアナモフィック光学系を用いて光軸に互いに垂直な平面内における一方向のみにビーム径を変化させずとも、ウエハ上に線状照明を行うことが可能となるため、ビームエキスパンダ3を省略可能となり、光学系のスリム化が図れる点で有効である。ラインセンサ 13は散乱光を受光し光電変換するために用いられるものであり、マルチアノード光電子増倍管、TVカメラ、CCDカメラ、フォトダイオードやリニアセンサ、あるいはイメージインテンシファイアをこれらと組み合わせた高感度なイメージセンサなどを使用しても構わない。例えば二次元センサを用いることで、広い領域を一度に検査することが可能となる。ラインセンサは256画素、画素サイズ25μmで説明を行ったが、画素数・画素サイズともに制限はない。
画素ずれ検出部152での画素ずれ大きさ・画素ずれ方向検出の手法として、照明強度分布がガウス分布の場合で説明を行ったが、照明強度分布はガウス分布に限定されることはない。例えば図10のように、レーザビーム200をウォラストンプリズムなどの複屈折素子40でレーザビーム201とレーザビーム202に分割し、分割した2つのレーザビームを近接した領域に照明することで、ガウス分布の重ね合わせにより照度分布41を有する照明を行うことが可能になる。この場合にはラインセンサの各画素には2つのピーク値を有するHaze信号42が検出される。また、図11のようにマスク43を通過させることで所望の照度分布やビーム形状を有するレーザビーム203を生成し、前記調整されたレーザビーム203をウエハに縮小照明することで、変調された照明44を行うことが可能になる。この時ラインセンサにはガウス分布で照明を行った時よりも急峻なピーク値を有するHaze信号45が検出される。
さらに、マスク43を使用せずに、DOE(DIffractive Optical Elements:回折光学素子)を使用して変調された照明44を行っても構わない。DOEを用いた場合には、マスク43を使用せずとも集光レンズ5をDOEに置き換えるだけで任意の照度分布・形状の変調照明を生成することが可能であるため、照明光学系の実装スペースを縮小させることができる点で有利である。
以上のようにガウス分布と異なる照度分布・ビーム形状を有する照明を行うことでガウス分布よりも特徴的なHaze信号を検出し、それに基づきパターンマッチングを行うことで、より精度の高いパターンマッチングを行うことができ、画素ずれ大きさおよび画素ずれ方向をより精度良く検出することが可能となる。
低角度検出光学系102g・高角度検出光学系102hは異なる方位角方向φにも複数存在し、それらの配置される仰角は全て概略同じである必要はなく、また全てが異なっている必要もない。低角度検出光学系102g・高角度検出光学系102hの開口数に関しても、全ての検出光学系において概略同じである必要はなく、また全てが異なっている必要もない。
画素ずれ検出部152において画素ずれ補正信号を生成し、画素ずれ補正部153において画素ずれ補正信号に基づき検出信号の座標を補正するという例で説明を行ったが、以下の処理を行っても構わない。
画素ずれ検出部152で画素ずれ大きさと画素ずれ方向を検出した際に、ずれの大きさが規定値以上であれば加算画素補正信号を生成する。具体的な例として、画素ずれ大きさがウエハ面上でのラインセンサの1画素相当の2.5μm以上であれば、加算画素を1画素ずらすという信号を生成する。また画素ずれ大きさが2画素相当の5.0μm以上であれば、加算画素を2画素ずらすという信号を生成する。加算画素のずれる大きさに画素ずれの方向を加えたものを加算画素補正信号と呼び、画素ずれ検出部152からこれを出力する。
画素ずれ検出部152において加算画素補正信号が生成された場合には、画素ずれ補正部153で座標補正の処理は行わない。信号加算・欠陥判定部において、前記加算画素補正信号に基づき、加算する画素を切り替えて信号加算を行う。
次に、欠陥検出処理フローについて、図9を用いて説明する。
まずはステージにウエハ1をセットし、検査レシピを設定する(ステップ170)。検査を開始し(ステップ171)、ウエハの表面を照射する(ステップ172)。次に、ウエハ表面からの散乱光をラインセンサにより受光し(ステップ173)、ウエハ表面からの散乱光を検出信号に変換する(ステップ174)。変換した検出信号を、ウエハ表面の欠陥から発生する散乱光から得られる欠陥信号とウエハ表面の凹凸から発生する散乱光から得られるHaze信号とに分離し(ステップ175)、Haze信号の分布と検出光学系102aにより得られた光量分布とを比較して(ステップ176)、検出信号の画素ずれ大きさ・画素ずれ方向等の画素ずれ量を算出する(ステップ177)。そして、算出した画素ずれ量に基づき画素ずれ補正信号を送信し(ステップ178)、画素ずれ補正信号に基づき検出信号の画素ずれを補正する(ステップ179)。信号加算・欠陥判定部154において、同一座標同士の信号を加算し(ステップ180)、加算した信号に基づき、欠陥判定・欠陥分類・寸法算出・Haze処理を行い(ステップ181)、欠陥マップとHazeマップを表示する(ステップ182)。
ここで、同一座標同士の信号を加算する際には、ウエハ表面の概略同一領域を複数回照射して得られた散乱光に基づく複数の検出信号を加算してもよいし、ウエハ表面に対して異なる方位角方向に配置された検出光学系により受光された散乱光に基づく検出信号を加算しても良い。ウエハ表面に対して異なる方位角方向に配置された検出光学系により受光された散乱光に基づく複数の検出信号を加算する場合は、ウエハ表面の同一領域を少なくとも1回照射すればよい。ここで、本発明に係る欠陥検査装置の実施形態では、照明光学系により照射されるウエハ表面の照明領域は固定されているが、ウエハを支持するステージが回転および並進運動を行い移動しながら検出光学系で散乱光を検出することから、ウエハ表面と照明領域の位置関係は螺旋状に変化することになる。そのため、「ウエハ表面の概略同一領域を複数回照射」するとは、ウエハ表面の所定の部分を含む任意の領域(「所定の領域」と呼ぶこととする。)を複数回照射することを指す。つまり、各回ごとに完全に同一の領域を照射することは必須ではなく、所定の部分を含む所定の領域を照射していれば照射される領域が変化しても問題ない。また、ウエハ表面の所定の領域を複数回照射するためには、ウエハが1回転する間にステージが並進する距離が、照明領域の長軸方向(長手方向)の長さよりも短いことが必要である。また、それら各回ごとの全ての検出信号を加算した場合には、大きな信号増幅効果が得られる。さらに、単一の検出信号について画素ずれを補正した検出信号により欠陥検出を行っても良く、この場合には、画素ずれ量が補正され、欠陥の位置を精度良く検出することができる。
また、図9ではHaze信号の分布と検出光学系102aにより得られた光量分布とを比較して検出信号の画素ずれ大きさ・画素ずれ方向等の画素ずれ量を算出する方法を示したが、ステップ176、ステップ177の代わりに、Haze信号の分布と予め定めた基準光量分布のように予め定められた光量分布とを比較して画素ずれ量を算出するステップを有してもよい。ここで基準光量分布とは、ウエハ表面に対してZ軸方向への変動がないと仮定した場合に得られる光量分布であり、一例として、ウエハを回転および並進運動させない状態で検出した散乱光に基づき得られた検出信号を用いればよい。また、他の例として、複数画素の中央において光量が最大値をとる光量分布を仮定する等すればよい。また、予め定めた光量分布としては、基準光量分布でなくても、検出光学系102aや基準光量分布等のように、ウエハ表面に対してZ軸方向への変動がないと仮定した場合に得られる光量分布に相当するような分布であれば、上記の基準光量分布以外の分布でもよい。
本発明の第二の実施形態を図12で説明する。図12は、ウエハ1、照明光学系101、検出光学系102、ウエハステージ103、信号処理系104、照明領域観察光学系105、および正反射光観察光学系106を有して構成される。
照明光学系101、検出光学系102、ウエハステージ103の詳細構成は図1に示すものと概略同様であるので説明を省略する。
第二の実施例においては、下記に示したような照明領域観察光学系105または正反射光観察光学系106のうち少なくとも一方により受光した散乱光に基づく検出信号によりウエハ高さ変動の大きさおよび変動の方向を検出し、画素ずれ検出部152でウエハ高さ変動の大きさ・方向に基づき画素ずれ大きさおよび画素ずれ方向を算出し、画素ずれ補正部153で画素ずれ補正を行うことを特徴とする。照明領域観察光学系105および正反射光観察光学系106で検出する方法の詳細を下記に説明する。
(照明領域観察光学系105、正反射光観察光学系106の処理)
(1)照明領域観察光学系105を用いて照明領域の位置ずれ大きさおよび方向を検出し、ウエハ高さ変動を検出する
(2)正反射光観察光学系106を用いて正反射光の位置ずれ大きさおよび方向を検出し、ウエハ高さ変動を検出する
図13と図14を用いて、上記(1)の手法に関して説明する。
図13は図12においてレーザビーム200が入射角θiでウエハ1に入射し、ウエハ1表面に照明領域20が生成されている領域の側面拡大図である。ウエハ高さ変動が発生していない時はz=0の高さにウエハ表面は存在しており、ウエハ表面高さが+h μmだけ変動した場合にはレーザビーム200とウエハ1が交わる位置が変化するため、ウエハ上には照明領域55が生成される。同様にウエハ表面高さが−h μmだけ変動した場合にもレーザビーム200とウエハ1が交わる位置が変化するため、ウエハ上には照明領域56が生成される。つまりウエハ高さ変動により、ウエハ面上での生成される照明領域の位置が変化する。
図14は図13の領域の平面図である。実際には照明領域20・55・56は同一θ座標上に存在しているが、図14では説明のためにわざとビーム位置をθ方向にずらして表記している。ウエハ高さ変動が発生した場合、ウエハ1に垂直な方向から被照射領域周辺を観察すると照明領域がR方向にずれたように観察されることがわかる。この時、照明領域の位置ずれ:Dとウエハ高さ変動大きさ:hの間には
D=h/cosθi ・・・(式1)
の関係がある。ウエハ1への照明仰角θiが小さいほど、ウエハの高さ変動が発生した場合の照明領域の位置ずれDが大きいことを意味している。照明領域20・55・56からはラフネス散乱光が発生しており、照明領域観察光学系105を用いてラフネス散乱光を検出する。これにより、ウエハ高さ変動により生じた照明領域の位置ずれDを検出することが可能になる。(式1)を用いることで、照明領域の位置ずれDより、ウエハ高さ変動大きさ:hと上下どちらの方向に変動したのかを算出することが可能になる。
次に、図15を用いて、上記(2)の手法に関して説明する。
図15は図12においてレーザビーム200が仰角θiでウエハ1に入射し、その正反射光204がPSD52に入射している領域側面の拡大図である。図14ではウエハ表面高さがz=−h μmだけ変動した場合を示している。図14のようにウエハの高さが変動すると、PSD52に入射する正反射光の位置が変化する。PSD52からは入射した位置に応じて電気信号が出力されるため、ウエハ表面高さがz=0の位置にあった時の正反射光204の入射位置を基準として、ウエハ高さ変動により正反射光の入射した位置がどれだけずれたのか検出することが可能である。PSD52から出力される正反射光検出位置のずれの大きさをXとすれば、
X=2・h・cosθi ・・・(式2)
の関係がある。
正反射光観察光学系106を用いてウエハ1からの正反射光204の検出位置ずれの大きさXを検出し、(式2)を用いることで、ウエハ高さ変動大きさ:hと上下どちらの方向に変動したのかを算出することが可能になる。
(信号処理系104の処理)
図12の信号処理系104の構成は、図1に示した欠陥検査装置の信号処理系104と概略同様であるが、画素ずれ検出部152には、上述の照明領域観察光学系105、または正反射光検出観察光学系106のいずれかの系により検出されたウエハ高さ変動の大きさと変動の方向が入力される点が異なる。画素ずれ大きさおよび画素ずれ方向は、検出光学系の配置される方位角方向φ、仰角方向θs、およびウエハ高さ変動の大きさhの3つを用いて、三角関数より幾何学的に算出することが可能であり、画素ずれ大きさPは、
P=h・sinθs /tanφ ・・・(式3)
となる。画素ずれ検出部152では(式3)に基づき、方位角φ、仰角θs、およびウエハ高さ変動の大きさhのパラメータより、検出光学系毎に画素ずれ大きさおよび画素ずれ方向を算出し、画素ずれ補正信号を生成し、画素ずれ補正部153へ出力を行う。
次に、欠陥検出処理フローについて、図16を用いて説明する。まずはステージにウエハ1をセットし、検査レシピを設定する(ステップ280)。検査を開始し(ステップ281)、ウエハの表面を照射する(ステップ282)。次に、ウエハ表面からの散乱光をラインセンサにより受光し(ステップ283)、ウエハ表面からの散乱光を検出信号に変換する(ステップ284)。変換した検出信号を、ウエハ表面の欠陥から発生する散乱光から得られる欠陥信号とウエハ表面の凹凸から発生する散乱光から得られるHaze信号とに分離する(ステップ285)。次に、照明領域観察光学系105にて照明領域の位置を観察することにより、ウエハ高さ変動の大きさ・方向を検出する(ステップ286)。または正反射光観察光学系106にて正反射光の位置を観察することによりウエハ高さ変動の大きさ・方向を検出する(ステップ287)。ステップ286、またはステップ287のいずれかの手段において検出したウエハ高さ変動の大きさ・方向に基づき、検出器毎の画素ずれ大きさ・画素ずれ方向を算出する(ステップ288)。そして、算出した画素ずれ量に基づき、検出器毎の画素ずれ補正信号を送信し、(ステップ289)。画素ずれ補正部153において、画素ずれ補正信号に基づき検出信号の画素ずれを補正する(ステップ290)。信号加算・欠陥判定部154において同一座標同士の信号を加算し、(ステップ291)。加算した信号に基づき、欠陥判定・欠陥分類・寸法算出・Haze処理を行い(ステップ292)、欠陥マップとHazeマップを表示する(ステップ293)。
ここでも実施例1と同様に、同一座標同士の信号を加算する際には、ウエハ表面の概略同一領域を複数回照射して得られた散乱光に基づく複数の検出信号を加算してもよいし、ウエハ表面に対して異なる方位角方向に配置された検出光学系により受光された散乱光に基づく複数の検出信号を加算しても良い。また、それら全ての検出信号を加算した場合には、大きな信号増幅効果が得られる。さらに、単一の検出信号について画素ずれを補正した検出信号により欠陥検出を行っても良く、この場合には、画素ずれ量が補正され、欠陥の位置を精度良く検出することができる。
図12では低仰角θiから照明を行う斜方照明と1つの検出光学系のみが存在する例で説明を行ったが、ウエハに対し概略垂直方向から照明を行う垂直照明光学系が存在しても構わない。検出仰角θsに配置された検出光学系102のみが存在する例で説明を行ったが、複数の仰角方向に複数の検出光学系が配置されていても構わない。また複数存在する検出光学系の仰角の大きさ・開口数の大きさにも制限はない。検出光学系102は図1に示すように異なる方位角方向φにも複数存在し、それらの配置される仰角は全て概略同じである必要はなく、また全てが異なっている必要もない。また配置される方位角に関しても、同様に制限はない。CCDカメラ51はラフネス散乱光を受光し光電変換するために用いられるものであり、I−CCD(Intensified−CCS)、EM-CCD(Electron Multiplying−CCD)、EEB-CCD(Electron Bomberedment−CCD)、2次元マルチアノード光電子増倍管、2次元アバランシェフォトダイオードアレイ、あるいはイメージインテンシファイアとエリアセンサを組み合わせた高感度なセンサなどを使用しても構わない。表面ラフネスから発生する散乱光は非常に微弱であるため、感度の高いセンサを用いることでより表面荒れの小さいウエハからのラフネス散乱光も検出することが可能になる点で有利である。またCCDカメラ51はXC−EU50である必要はなく、使用CCDの型番に制限はない。
図12には、照明領域観察光学系105と正反射光観察光学系106のいずれもが搭載されている構成が示されているが、実際には上記光学系の少なくとも一の光学系が搭載されていれば、図16に示した欠陥検査フローを実施することができる。
照明領域観察光学系105、または正反射光観察光学系106を用いて、ウエハ高さ変動の大きさと方向を検出する例で説明を行ったが、以下のようにラインセンサ13の変わりにエリアセンサを用いてウエハ高さ変動の大きさと方向を検出しても構わない。
検出光学系102の配置されている検出方位角φが概略90度であり、検出光学系102に光電変換素子にエリアセンサを使用した場合を考える。エリアセンサには浜松ホトニクス社のS8665-0909などを用いればよい。画素数は512×512画素であり、画素サイズは24×24μmである。
図17はウエハ面上での照明領域20とエリアセンサの検出範囲57の位置関係を示している。ウエハ高さ変動が発生し、ウエハ表面の高さがz=hの高さにずれた時、照明領域20は照明領域20’の位置にずれ、ウエハ表面の高さがz=−hの高さにある時、照明領域20は照明領域20’’の位置にずれることを示している。
ウエハ高さ変動により照明領域20がずれた時、照明領域から発生する散乱光を検出する画素がずれるため、その検出画素のずれに基づきウエハ高さ変動の大きさと方向を検出することができる。
具体的には以下のような例が考えられる。ガウス分布のように照明照度が1つ、または2つ以上のピーク値を有する照明を行った場合には、検出光量が最大になる画素の移動数に基づきウエハ高さ変動の大きさと方向を検出することができる。またはR2軸に関して、照明強度の重心を求め、それの移動画素数に基づきウエハ高さ変動の大きさと方向を検出しても構わない。
均一照度分布の照明を行った場合には、R2軸に関して、照明領域の中心画素の移動する画素数に基づいてウエハ高さ変動の大きさと方向を検出できる。
第二の実施例では、ウエハ高さ変動の大きさと方向に基づき画素ずれ大きさと画素ずれ方向を算出し、座標補正を行う例で説明を行ったが、第一の実施例に示すように、画素ずれ補正信号の代わりに、加算画素補正信号を生成し、それに基づき加算する画素の補正を行っても構わない。
本発明の第三の実施形態を図18で説明する。照明光学系101、検出光学系104、ウエハステージ103の詳細構成は図1に示すものと概略同様であるので、重複する部分については説明を省略する。
第一の実施例において、照明領域20の長手方向210と光軸211のなす角度が概略90度の関係にある検出光学系102aにおいては、ウエハ高さ変動が発生しても画素ずれが発生せず、照明領域の長手方向210と光軸212のなす角度が概略90度の関係でない検出光学系102bにおいては、ウエハ高さ変動が発生すると画素ずれが発生することを説明した。
しかし検出光学系の光軸を中心にラインセンサを回転させ、ウエハ高さ変動により発生する照明領域のずれる方向26と、画素高さ方向を概略一致させることで、画素ずれの発生を回避することが可能になる。図19(a)・(b)はウエハ面上における照明領域20aと検出光学系102bの検出範囲21c・21dの位置関係を示しており、ウエハ表面の高さがz方向に+h μmだけずれた場合、照明領域20aは照明領域20a’の位置にずれ、ウエハ表面の高さがz方向に−h μmだけずれた場合、照明領域20aは照明領域20a’’の位置にずれることを示している。ここで、照明の長手方向210をR3軸と定義する。
R3軸とウエハ高さ変動により照明のずれる方向26のなす角度をψとすると、
ψ==φ
の関係があり、検出仰角には依存しない。
ここで、ラインセンサの画素の高さ方向をR4軸と定義し、R3とR4のなす角度がψになるまでラインセンサを回転させることで、ウエハ高さ変動により発生する照明領域のずれる方向26と、画素の高さ方向が概略一致し、画素ずれが発生しないようにできる。検出光学系の配置されている方位角φによって、ψの大きさも変化するため、検出光学系毎にラインセンサを回転させる角度を設定する。
しかし、図19(a)の状態では、領域60a・60bを欠陥が通過し散乱光が発生しても、領域60a・60bとラインセンサの検出範囲21cには交わっている領域が存在しないため、散乱光を検出できず、欠陥の見逃しが発生する。欠陥見逃し回避のためには、より画素の高さが大きいラインセンサを用いる、または画素の高さ方向だけ光学倍率を小さくすることが必要であり、いずれかの手段を用いることで図18(b)記載のラインセンサでの検出範囲21dを生成可能である。こうすることにより、欠陥が領域60a・60bを通過しても散乱光を検出することが可能であり、ウエハ高さ変動による画素ずれ回避と欠陥見逃しの回避を両立させることができる。
画素高さ方向だけ光学倍率を変化させるためにはアナモフィック光学系などを用いればよい。
図20(a)は、ウエハ上における照明領域20、検出光学系102aの検出範囲21e、および検出光学系102bの検出範囲21dの位置関係を示している。ただし、検出光学系102a・102bともに、画素高さ方向に関して同じ倍率だけ光学的に縮小し、図18のように検出光学系102bのラインセンサをψだけ回転させ、画素ずれが発生しないように調整した場合の位置関係となっている。
これにより、検出光学系102a・102bともに画素ずれは発生しないが、ウエハ面上における検出範囲21dと検出範囲21eの大きさが異なっているのがわかる。検出範囲21eに対して、検出範囲21dのほうが1画素あたりの検出面積が「1/sinψ」倍になっており、概略同一の領域から発生した散乱光同士を加算することが困難になる。これに対しては、検出光学系102aの倍率を検出光学系102bに対して、「sinψ」倍にすることで、検出範囲を概略一致させればよい。図20(b)では、検出光学系102aの倍率を「sinψ」倍に縮小し、検出光学系102bの検出範囲21dと一致させ、画素ずれと欠陥見逃しを回避可能な条件となっている。
検出範囲21eと検出範囲21fの検出範囲を一致させるために、検出光学系102bの光学倍率を「1/sinψ」倍にすることで一致させても構わない。
信号処理系104について、本実施例では、画素ずれ検出部と画素ずれ補正部とを有さない構成となっている。これは、検出光学系の光軸を中心にラインセンサを回転させることで、画素ずれの発生を回避することが可能となるため、信号処理系で画素ずれに対する対応する必要がなくなるためである。
図18では異なる方位角方向φに6つの検出光学系が存在する実施例を説明したが、6つである必要はない。また検出器間の方位角の大きさも制限はない。照明仰角や検出光学系の配置される仰角方向に関しても、同様に制限はない。
以上の通り、本発明の実施の形態によれば、各検出光学系で検出したHaze信号を利用したパターンマッチングを行うことで、画素ずれ大きさと画素ずれ方向を検出し、画素ずれ大きさと画素ずれ方向に基づき検出信号の座標を補正することにより、概略同一の領域から発生した散乱光信号を精度良く加算可能とする。
また、照明領域の位置ずれをモニタリングすることや、ウエハに照射されたレーザビームの正反射光をモニタリングすることでウエハ高さ変動の大きさと方向を検出し、その信号に基づき検出信号の座標を補正することにより、概略同一の領域から発生した散乱光信号を精度良く加算可能とする。
また、検出光学系の配置されている方位角φに応じて、光軸を中心としてラインセンサを回転させて配置し、かつ検出光学系の光学倍率を方位角φに応じて調整することにより、ウエハ高さ変動による画素ずれの発生を回避可能とする。
上記実施形態では、被検査対象物としてウエハを例に挙げて説明したが、半導体基板や薄膜基板等の試料であればウエハ以外のものでもよい。また、検出光学系として複数画素を検出可能なラインセンサを例に挙げて説明したが、エリアセンサ等、複数の画素を検出可能な検出器であれば問題ない。
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
1 ウエハ、2 レーザ光源、3 ビームエキスパンダ、4 偏光素子、m ミラー、
5 集光レンズ、6 回転ステージ、7 並進ステージ、10 対物レンズ、11 偏光素子、12 結像素子、13 ラインセンサ、15・16 像面、20・20’・20’ ’ ・55・56 照明領域、17・21a〜21f ウエハ面でのラインセンサの検出範囲、25・26・27 ウエハ高さ変動により照明領域が移動する方向、30a・30b Haze信号、40 複屈折素子、41 照度分布、42・45 Haze信号、43 マスク、44 変形照明領域、50 顕微鏡ユニット、51 CCDカメラ、52 PSD、57 ウエハ面でのエリアセンサの検出範囲、60a・60b 検査領域、101 照明光学系、102・102a〜102h 検出光学系、103 ウエハステージ、104 信号処理系、105 照明領域観察光学系、106 正反射光観察光学系、150 アナログ回路、151 A/D変換部、152 画素ずれ検出部、153 画素ずれ補正部、154 信号加算・欠陥判定部、155 CPU、156 マップ出力部、157 入力部、160 欠陥マップ、161 Hazeマップ、170〜189 検査フロー、200〜203 レーザビーム、204 正反射光、210 照明の長手方向、211・212 検出光学系の光軸、213 ラインセンサの画素が並んでいる方向

Claims (17)

  1. 試料の表面の欠陥を検査する欠陥検査方法であって、
    前記試料の表面に楕円形状の照明領域を有する照明光を照射する工程と、
    前記試料の表面からの散乱光を、前記照明領域に対応して配置された複数画素の散乱光を検出可能な検出器により受光する工程と、
    前記検出器により受光した散乱光を検出信号に変換する工程と、
    前記検出信号から、前記試料の表面の凹凸から発生する散乱光から得られるHaze信号を抽出する工程と、
    前記Haze信号の分布に基づき画素ずれ量を算出する工程と、
    前記画素ずれ量を用いて前記検出信号を補正して欠陥を検出する工程と、
    を有することを特徴とする欠陥検査方法。
  2. 試料の表面の欠陥を検査する欠陥検査方法であって、
    前記試料の表面の所定の領域に楕円形状の照明領域を有する照明光を複数回照射する工程と、
    各回ごとの前記試料の表面からの散乱光を、前記照明領域に対応して配置された複数画素の散乱光を検出可能な検出器により受光する工程と、
    前記各回ごとの前記試料の表面からの散乱光を、各回ごとに検出信号に変換する工程と、
    前記変換する工程で変換された複数の検出信号のそれぞれから、前記試料の表面の凹凸から発生する散乱光から得られるHaze信号を抽出する工程と、
    前記抽出する工程で抽出された複数のHaze信号の分布と予め定めた光量分布とを比較して、前記複数の検出信号のそれぞれについて画素ずれ量を算出する工程と、
    前記複数の検出信号のそれぞれについて算出した画素ずれ量を用いて前記複数の検出信号を補正する工程と、
    前記補正する工程で補正された複数の検出信号を加算処理して欠陥を検出する工程と、
    を有することを特徴とする欠陥検査方法。
  3. 請求項2記載の欠陥検査方法であって、
    前記画素ずれ量を算出する工程では、前記複数のHaze信号の分布と、前記試料の表面に対して垂直方向への変動がないと仮定した状態で照明光を照射した場合に得られるHaze信号の分布である基準光量分布とを比較することを特徴とする欠陥検査方法。
  4. 請求項2または3に記載の欠陥検査方法であって、
    前記受光する工程では、前記試料の表面に対して複数の方位角方向に配置された複数の検出器により受光することを特徴とする欠陥検査方法。
  5. 請求項4記載の欠陥検査方法であって、
    前記画素ずれ量を算出する工程では、前記複数のHaze信号の分布と、前記複数の検出器のうち選択した一の検出器により受光した散乱光から得られたHaze信号の分布とを比較することを特徴とする欠陥検査方法。
  6. 請求項5記載の欠陥検査方法であって、
    前記選択した一の検出器は、前記一の検出器により検出可能な散乱光の光軸が、前記照明領域の長手方向と略直交する方向となるように配置された検出器であることを特徴とする欠陥検査方法。
  7. 請求項4乃至6のいずれかに記載の欠陥検査方法であって、
    前記欠陥を検出する工程では、前記複数の検出器による検出信号を全て加算処理して欠陥を検出することを特徴とする欠陥検査方法。
  8. 請求項4乃至6のいずれかに記載の欠陥検査方法であって、
    前記欠陥を検出する工程では、前記複数の検出器のうち選択した一部の検出器による検出信号を用いて欠陥を検出することを特徴とする欠陥検査方法。
  9. 請求項2乃至8のいずれかに記載の欠陥検査方法であって、
    前記画素ずれ量を算出する工程では、前記複数のHaze信号の分布についてそれぞれ最大値をとる画素と、予め定めた光量分布の最大値をとる画素とを比較して、前記複数の検出信号のそれぞれについて画素ずれ量を算出することを特徴とする欠陥検査方法。
  10. 試料の表面の欠陥を検査する欠陥検査装置であって、
    前記試料の表面の所定の領域に楕円形状の照明領域を有する照明光を照射する照明光学系と、
    前記照明光学系の照明光による前記試料の表面からの複数画素の散乱光を検出可能な検出器と、
    前記検出器で検出した散乱光を検出信号に変換する変換回路と、を備えた検出光学系と、
    前記検出信号から、前記試料の表面の凹凸から発生する散乱光から得られるHaze信号を抽出し、前記Haze信号の分布と予め定めた光量分布とを比較して、前記検出信号の画素ずれ量を算出する画素ずれ検出部と、前記画素ずれ量に基づき前記検出信号を補正して欠陥を検出する欠陥判定部と、を備えた信号処理系と、
    を有することを特徴とする欠陥検査装置。
  11. 請求項1記載の欠陥検査装置であって、
    前記予め定めた光量分布として、前記試料の表面に対して垂直方向への変動がないと仮定した状態で照明光を照射した場合に得られるHaze信号の分布である基準光量分布を用いることを特徴とする欠陥検査装置。
  12. 請求項1または1に記載の欠陥検査装置であって、
    前記検出光学系は、前記試料の表面に対して複数の方位角方向に配置された複数の検出器を有することを特徴とする欠陥検査装置。
  13. 請求項1記載の欠陥検査装置であって、
    前記予め定めた光量分布は、前記複数の検出器のうち選択した一の検出器により受光した散乱光から得られたHaze信号の分布であることを特徴とする欠陥検査装置。
  14. 請求項1記載の欠陥検査装置であって、
    前記選択した一の検出器は、前記一の検出器により検出可能な散乱光の光軸が、前記照明領域の長手方向と略直交する方向となるように配置された検出器であることを特徴とする欠陥検査装置。
  15. 請求項1乃至1のいずれかに記載の欠陥検査装置であって、
    前記欠陥判定部では、前記画素ずれ量に基づき補正した前記複数の検出器による検出信号を全て加算処理して欠陥を検出することを特徴とする欠陥検査装置。
  16. 請求項1乃至1のいずれかに記載の欠陥検査装置であって、
    前記欠陥判定部では、前記画素ずれ量に基づき補正した前記複数の検出器のうち選択した一部の検出器による検出信号を用いて欠陥を検出することを特徴とする欠陥検査装置。
  17. 請求項1乃至1のいずれかに記載の欠陥検査装置であって、
    前記画素ずれ検出部では、前記複数のHaze信号の分布についてそれぞれ最大値をとる画素と、予め定めた光量分布の最大値をとる画素とを比較して、前記複数の検出信号のそれぞれについて画素ずれ量を算出することを特徴とする欠陥検査装置。
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