JP5320114B2 - 円筒状ワーク切断装置と、切断用刃具の欠損判定方法 - Google Patents

円筒状ワーク切断装置と、切断用刃具の欠損判定方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属製の円筒状ワークを切断用刃具の作用下に切断して複数個の金属リングを形成する際に前記切断用刃具に欠損が発生したか否かを容易且つ迅速に把握し得る円筒状ワーク切断装置と、切断用刃具の欠損判定方法に関する。
自動車の無段変速機に採用される動力伝達用ベルトとしては、複数の金属リングを積層した積層リングが用いられる。この種の積層リングを構成する前記金属リングは、先ず、矩形状の金属製薄板の両端縁を接合して円筒状のドラム(円筒状ワーク)を形成し、次に、前記ドラムを所定幅で輪切り状に切断することによって作製される。
ドラムを切断する切断手段としては、従来から、砥石や金属製切刃等の鋭利で高硬度な切断用刃具(以下、カッタとも表記する)が主に採用されている。この種のカッタを組み込んだ円筒状ワーク切断装置の好適な例としては、本出願人が特許文献1にて提案したものが挙げられる。
特開2005−297074号公報
ドラムに対して切断を行う最中に、カッタに欠損が発生することがある。上記したようにカッタは鋭利で高硬度であり、このため、比較的脆いからである。
欠損が発生した状態で切断を続行すると、切り出された金属リングの切断面が荒れる。この金属リングを積層リングの一部とすることはできないので、廃棄しなければならない。
その一方で、ドラムの切断面も荒れる。この切断面を含むようにして切り出された金属リングを積層リングの一部とすることはできないので、ドラムから所定の若干幅のリングを切り出し、新たな切断面を露呈させる必要がある。勿論、前記リングも廃棄しなければならない。
しかしながら、このように荒れた切断面を含む金属リングないしリングを廃棄することは、材料歩留まりの低下を招く。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、カッタ(切断用刃具)に欠損が発生したことを容易且つ迅速に把握することが可能であり、このためにドラムや金属リングの切断面が荒れることを回避し得、材料歩留まりを向上させることができる円筒状ワーク切断装置と、切断用刃具の欠損判定方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、回転動作可能な保持部材の外壁に保持された金属製の円筒状ワークを切断用刃具の作用下に切断することで金属リングを形成する円筒状ワーク切断装置であって、
前記切断用刃具が前記円筒状ワークを切断する際に前記切断用刃具に発生した振動を電気信号として検出する検出手段と、
前記切断用刃具に対して相対的に接近又は離間自在に設置されるとともに、前記切断用刃具に対して相対的に接近したときに該切断用刃具に当接する変位自在な接触子を有し、前記接触子の変位量を測定する接触式測定手段と、
を有し、
前記変位量から求められた前記切断用刃具の欠損の大きさが、予め設定された所定の許容範囲内であるときには前記円筒状ワークの切断を続行し、許容範囲外であるときには前記切断用刃具を新たなものに交換することを特徴とする。
このような構成においては、検出手段で検出した信号をモニタリングすることにより、切断用刃具に欠損が発生したか否かを検出することが可能となる。すなわち、欠損が発生していない場合では信号レベルが低いが、欠損が発生している場合には信号レベルが上昇する。このように、信号レベルを比較することで欠損が発生したか否かを容易に把握することができる。
また、切断用刃具に欠損が発生したときには接触子が変位する。この際の変位量を測定することにより、欠損の大きさを求めることができる。
以上のように、本発明によれば、欠損が発生したか否かを切断作業中に容易且つ迅速に判定することができる。のみならず、欠損が発生した場合には、その大きさも判断することが可能である。
従って、規模が大きく、このためにドラム等の円筒状ワークの切断面が荒れると判断される欠損が発生したと判定された場合、切断作業を中止し、新たな切断用刃具に交換して切断を再開することで、切断面が荒れることを回避することができる。このため、円筒状ワークの一部や金属リングを廃棄することがなくなるので、材料歩留まりが向上する。
なお、信号のモニタリングは、例えば、制御回路で自動的に行うようにしてもよいが、作業者も容易にモニタリングし得るように、電気信号を波形として表示する表示手段を設けるようにしてもよい。
さらに、検出手段は、非接触式AEセンサであることが好ましい。この場合、切断用刃具の回転抵抗が上昇することを回避することができるので、円筒状ワークの切断作業に支障を来すことが回避されるからである。
また、本発明は、回転動作可能な保持部材の外壁に保持された金属製の円筒状ワークを切断用刃具の作用下に切断することで金属リングを形成する際、前記切断用刃具に欠損が発生したか否かを判断する切断用刃具の欠損判定方法であって、
前記切断用刃具が前記円筒状ワークを切断する際に前記切断用刃具を伝播する振動を、検出手段によって電気信号として検出し、前記電気信号に異常が生じたときに前記切断用刃具に欠損が発生したと判断する工程と、
前記切断用刃具に欠損が発生したとき、接触式測定手段を構成して変位自在な接触子を切断用刃具に当接させてその変位量を測定し、前記変位量から欠損の大きさを求める工程と、
を有し、
前記変位量から求められた前記切断用刃具の欠損の大きさが、予め設定された所定の許容範囲内であるときには前記円筒状ワークの切断を続行し、許容範囲外であるときには前記切断用刃具を新たなものに交換することを特徴とする。
上記したように、このような過程を経ることによって切断用刃具に欠損が発生したか否か、発生した場合にはその規模は如何なる程度かを容易且つ迅速に把握することができる。従って、荒れた切断面が形成されることを回避することができ、このため、材料歩留まりが向上する。
そして、この場合、モニタリングは、主に制御回路によって行うようにしてもよいが、電気信号を波形として表示手段に表示させ、表示された波形に異常が生じているか否かをモニタリングするようにしてもよいことは勿論である。
加えて、検出手段として非接触式AEセンサを用いることにより、切断作業に支障を来すことなく、切断用刃具に欠損が発生したか否か、発生した場合にはその規模は如何なる程度かを容易に判定することができる。
本発明によれば、切断用刃具の振動を検出してモニタリングを行うことで切断用刃具に欠損が発生したか否かを検出するとともに、接触式測定手段の接触子の変位量で欠損の規模(大きさ)を求めるようにしている。これにより、切断用刃具に欠損が発生したか否か、欠損が発生した場合にはその大きさは如何なる程度であるかを、切断作業中に容易且つ迅速に判定することができる。
そして、規模が大きく、このためにドラム等の円筒状ワークの切断面が荒れると判断される欠損が発生したと判定された場合、切断作業を中止し、新たな切断用刃具に交換して切断を再開することで、切断面が荒れることを回避することができる。すなわち、円筒状ワークの一部や金属リングを廃棄することがなくなるので、材料歩留まりを向上させることができる。
さらに、接触式測定器22を可動自在に設けるようにしてもよい。
本実施の形態に係る円筒状ワーク切断装置の一部断面側面図である。 前記円筒状ワーク切断装置を構成する切断機構の一部断面側面図である。 欠損が発生していない切断用刃具において検出された信号と、欠損が発生した切断用刃具において検出された信号とを表示した波形である。 欠損が発生していない切断用刃具に接触子が当接した状態と、欠損が発生した切断用刃具に接触子が当接した状態とを併せて示す要部拡大正面図である。
以下、本発明に係る切断用刃具の欠損判定方法につき、それを実施する円筒状ワーク切断装置との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る円筒状ワーク切断装置10の一部断面側面図である。この円筒状ワーク切断装置10は、円筒状ワークWの貫通孔に通された保持部材としてのマンドレル12と、前記円筒状ワークWの所定位置に対して押接されるカッタ14(切断用刃具)を有する切断機構16と、前記カッタ14に発生してマンドレル12を伝播した振動を検出する非接触式AEセンサ18(検出手段)を有する。
ここで、切断機構16は、図1における矢印A1方向又は矢印A2方向に沿って移動させることが可能である。換言すれば、カッタ14は、円筒状ワークWに対して接近又は離間自在である。なお、切断機構16は、矢印B1方向又は矢印B2方向に沿って移動させることも可能である。
図2は、切断機構16を矢印A2方向に沿って移動させて待機位置に配置した状態を示す一部断面側面図である。この図2に示すように、待機位置には、前記カッタ14に接触することが可能な接触子20を有する接触式測定器22(接触式測定手段)が位置決め固定されている。円筒状ワーク切断装置10は、この接触式測定器22を含んで構成される。
図1に示すように、マンドレル12を回転させるための図示しない回転駆動手段(例えば、モータ)には、回転支軸24が連結されている。前記マンドレル12は、この回転支軸24に連結されたマンドレルホルダ32の側壁に外嵌される。
マンドレルホルダ32の先端には、有底穴44が形成されている。この有底穴44には、テールセンタ46におけるテーパー状に縮径したテーパー状縮径部48の先端が嵌合される。この嵌合により、マンドレルホルダ32、ひいては円筒状ワークWの軸心と、カッタ14の回転中心とが平行となる位置に保たれる。なお、テールセンタ46は、図示しない支持機構によって有底穴44に対して嵌合・離脱自在に支持されている。
マンドレル12の側壁における円筒状ワークWの切断部位に対応する部位には、カッタ14が進入する逃げ溝50が周方向に沿って環状に形成されている。このため、カッタ14で円筒状ワークWを切断する際、マンドレル12がカッタ14に切り込むことはない。
マンドレルホルダ32におけるマンドレル12の近傍には、該マンドレル12の内部に設けられた図示しないドローバーが進退動作することに伴って開閉動作するクランプ爪56が複数個設けられている(図1においては、その中の1個が示されている)。これらクランプ爪56によって円筒状ワークWが把持、又は解放する。この点については前記特許文献1に詳述されていることから、ここでは詳細な説明を省略する。
切断機構16は、例えば、図示しないラック・ピニオン機構を介して図1及び図2における矢印A1方向又は矢印A2方向に沿って進退動作可能な可動盤58を備える。この可動盤58には、ボルト60を介してケーシングホルダ62が堅牢に連結されている。
切断機構16が待機位置に配置されたときには、図2に示すように、ケーシングホルダ62に対し、欠損の大きさを接触式測定器22で判定する際にカッタ14を回転動作させるための回転駆動用モータ64が近接する。この回転駆動用モータ64に隣接して該回転駆動用モータ64と電気的に接続された減速機66には、支持用ブラケット68が外嵌される。この支持用ブラケット68は、円筒状ワーク切断装置10を構成して前記回転駆動手段や回転支軸24(図1参照)等を支持する図示しない基台の所定箇所に対し、図示しないフレームを介して連結されている。この連結により、回転駆動用モータ64及び減速機66の双方が堅牢に支持される。なお、前記基台は、作業ステーションの床等に位置決め固定されている。
ケーシングホルダ62には図示しない挿入穴が形成されており、回転駆動用モータ64の回転軸70は、この挿入穴に遊びが生じた状態で挿入される。このため、回転軸70が挿入穴の内壁に摺接することはなく、従って、回転軸70に対する回転抵抗が生じることもない。
回転軸70の側壁には略円柱形状のスペーサ72が装着され、さらに、このスペーサ72の側壁には、略円盤形状のゴム製回転具74が装着されている。後述するように、このゴム製回転具74が回転することに伴い、カッタ14が回転する。
ケーシングホルダ62における回転駆動用モータ64に臨む側の端部には、凹部76が形成されている。この凹部76には、スピンドル78を収容したケーシング80が嵌合されるとともにボルト82を介して保持されている。
この場合、ケーシング80は、スピンドル78に密着したカラー部材84を、若干の環状クリアランス86を介して囲繞する第1ケーシング88と、ベアリング90を介してスピンドル78を支持する第2ケーシング92とを有する。この中、第2ケーシング92は、その外壁の中心と内壁の中心が偏心した形状をなしている。この第2ケーシング92が、前記ボルト82によってケーシングホルダ62に連結されている。
第2ケーシング92の開口した端部には、閉塞部材93、94がそれぞれ連結される。図1及び図2から諒解されるように、スピンドル78の各端部は閉塞部材93、94から露呈して突出している。
スピンドル78の一端部(図1及び図2における右方の端部)には、その直径方向外方に向かって突出するように拡径した大径部104が設けられ、一方、他端部(図1及び図2における左方の端部)には、スピンドル78に比して大径な円盤部材106が外嵌される。この円盤部材106により、スピンドル78のベアリング90からの抜け止めがなされている。
前記大径部104よりも左方には、さらに、該大径部104に比して小径な円柱形状の受部108と、該受部108に比してさらに小径な嵌合部(図示せず)が形成される。受部108には前記ゴム製回転具74が押接するとともに、嵌合部がカッタ14の右端面の嵌合部挿入用段部(図示せず)に嵌合される。この嵌合部の先端面には、ネジ部が形成された有底ボルト穴(ともに図示せず)が形成される。
カッタ14の左端面には、押さえ部材挿入用段部(図示せず)が形成される。この押さえ部材挿入用段部に押さえ部材110の小径部(図示せず)が嵌合されるとともに、押さえ部材110、カッタ14の各々に貫通形成されたボルト孔を通されたボルト112が、スピンドル78を構成する嵌合部の前記有底ボルト穴に螺合されることに伴い、カッタ14がスピンドル78の先端に固定される。
カッタ14は、円筒状ワークWを切断可能なものであれば如何なるものであってもよい。この種のカッタ14としては、砥石や金属製切刃等の公知のものが挙げられる。この場合、カッタ14は、厚み方向中腹部が最も大径となるように、側壁に傾斜面が設けられている。この最も大径な厚み方向中腹部が、円筒状ワークWに押接される。
可動盤58、ひいては切断機構16が上記したようなラック・ピニオン機構等によって待機位置に移動された際、カッタ14には、前記接触式測定器22が近接する。この際、延伸した状態にある接触子20がカッタ14の厚み方向中腹部に当接する。この当接に際して接触子20が突出又は後退するように変位した場合、その変位量が図示しない表示器に表示される。
円盤部材106の貫通孔から突出したスピンドル78の小径な右端部には、前記非接触式AEセンサ18を構成するロータ114が嵌合される。このロータ114は、該非接触式AEセンサ18を構成し、支持具116によってケーシングホルダ62に支持されたステータ118に対向する。周知のように、非接触式AEセンサ18は、振動を音響信号として検出し、この音響信号を電気信号に変換して、ロータ114とステータ118の間の間隙から出力する。
出力された電気信号は、図示しない表示モニタ(表示手段)に波形として常時表示される。
本実施の形態に係る円筒状ワーク切断装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その作用効果につき、カッタ14(切断用刃具)に欠損が発生したか否かを判定する欠損判定方法との関係で説明する。
円筒状ワークWを切断するに際しては、はじめに、切断機構16が前記待機位置等の所定位置に配置されるとともに、円筒状ワークWがクランプ爪56で把持される。なお、上記したように、この動作については前記特許文献1に詳述されている。
次に、マンドレルホルダ32の先端面の有底穴44に対してテールセンタ46のテーパー状縮径部48が嵌合され、これにより、マンドレルホルダ32、マンドレル12及び円筒状ワークWの芯出しがなされる。
次に、前記回転駆動手段が駆動され、これに伴って回転支軸24が回転を開始する。これに追従して、マンドレルホルダ32、マンドレル12及び円筒状ワークWが回転する。
この状態で、ラック・ピニオン機構等を介して可動盤58、ひいては切断機構16が円筒状ワークW側に接近するように矢印A1方向に沿って移動され、さらに、矢印B1方向又は矢印B2方向に沿って移動される。最終的に、カッタ14の最も大径な中腹部が円筒状ワークWの所定部位に押接し、これにより該部位の切断が開始される。
マンドレル12が回転しているため、該マンドレル12に支持された円筒状ワークWに押接したカッタ14及びスピンドル78も相対的に回転する。このスピンドル78の回転に追従し、非接触式AEセンサ18において、スピンドル78の小径な右端部に嵌合されたロータ114がスピンドル78とともに回転する。
円筒状ワークWが切断される際には、カッタ14が振動する。この振動は、音響信号としてスピンドル78の内部を伝播し、上記のようにして回転したロータ114を介して、ケーシングホルダ62に位置決め固定されたステータ118に送られるとともに電気信号に変換される。すなわち、カッタ14の振動は、非接触式AEセンサ18に検出されて電気信号に変換される。この電気信号は、図4に示すように、前記表示モニタに波形として表示される。
このことから諒解されるように、非接触式AEセンサ18がスピンドル78の回転を妨げることはない。このため、非接触式AEセンサ18を取り付けたことに伴ってスピンドル78の回転抵抗が大きくなることが回避される。
カッタ14に欠損が発生していない状態では、図3にX領域として示されるように、波形の信号レベルが略一定となる。作業者は、この波形が表示されることにより、カッタ14に欠損が発生していないことを認識することができる。
一方、カッタ14に欠損が発生した場合、図3にY領域として示されるように、信号レベルが急激に上昇した後、急激にX領域の信号レベルに戻る。従って、作業者は、表示モニタから信号レベルが上昇したことを知覚することにより、円筒状ワークWを切断する最中であっても、カッタ14に欠損が発生したことを迅速に認識することができる。
このようにして、1本の金属リングが切り出される最中にY領域が出現したことが確認された場合、切断作業の終了後、切断機構16が図1における矢印A2方向に沿って前記待機位置まで移動される。さらに、可動盤58が矢印B1方向に沿って移動されることにより、ケーシングホルダ62に形成された前記挿入穴に回転駆動用モータ64の回転軸70が挿入されるとともに、接触式測定器22の接触子20がカッタ14に当接する。
接触子20がカッタ14における欠損が生じていない位置に当接したとき、図4に(a)として示すように、該接触子20の突出量が最小となる。前記表示器には、このときの接触子20の突出量L1が表示される。
次に、回転駆動用モータ64が駆動される。これにより、回転軸70、及び該回転軸70にスペーサ72を介して装着されたゴム製回転具74が回転を開始する。上記したようにゴム製回転具74がスピンドル78の受部108に押接することにより、スピンドル78が押し出されて回転する。これに追従し、スピンドル78の先端に押さえ部材110を介して固定されたカッタ14も回転する。
このようにしてカッタ14が回転している最中、図4に(b)として示すように、欠損120が発生した箇所が接触子20の位置に対応する位置となる。すなわち、接触子20が、欠損120が発生した箇所に当接する。
この際、接触子20は、カッタ14に当接するまで延伸する。すなわち、接触子20は、図4に(b)として示されるように、カッタ14に欠損120が発生した場合、該欠損120の大きさに対応する量で突出するように変位する。前記表示器には、このときの突出量L2が表示される。
従って、突出量L2から突出量L1を差し引けば、欠損120が発生したことに伴う接触子20の変位量Dを容易に求めることができる。表示器には、この変位量Dも併せて表示される。勿論、突出量L1が零点となるように予め補正を行い、表示器には、突出量L2と突出量L1との差(変位量D)のみを表示させるようにしてもよい。
接触子20の変位量Dは、欠損120の大きさ(寸法)に対応する。すなわち、本実施の形態によれば、カッタ14に欠損120が発生したことのみならず、その欠損120の大きさをも即座に把握することができる。
このようにしてカッタ14に欠損120が発生していることが確認された場合、作業者は、その欠損120の規模が、円筒状ワークWの切断に支障を来す程度に大きいか否かを判断する。規模が大きいときには、カッタ14を新品に交換した後、切断を再開することにより、円筒状ワークWや切り出された金属リングの切断面に荒れが生じることを回避することができる。
一方、欠損120が発生した場合であっても該欠損120の規模が小さいときには、円筒状ワークWや切り出された金属リングの切断面に荒れが生じない。このことから諒解されるように、欠損120の大きさには許容範囲がある。従って、非接触式AEセンサ18による波形測定で欠損120が発生していることが把握された場合であっても、接触式測定器22によって測定された欠損120の大きさ(変位量D)が許容範囲内であるときには、円筒状ワークWの切断を続行するようにしてもよい。
このように、本実施の形態によれば、カッタ14に欠損120が発生したか否か、発生したときにはその欠損120の規模は如何なる程度であるかを容易且つ迅速に把握することができる。従って、円筒状ワークWや切り出された金属リングの切断面に荒れが生じることを回避することができる。
このため、円筒状ワークWの一部や、切り出された金属リングを廃棄する必要もない。すなわち、本実施の形態によれば、材料歩留まりを向上させることもできる。
なお、上記した実施の形態においては、表示モニタで波形をモニタリングするようにしているが、制御回路を付設するようにしてもよい。この制御回路に、カッタ14に欠損120が発生していないときの波形、ないしは欠損120が発生したときの波形を予め入力しておき、円筒状ワークWを切断する際には、この入力された波形と、実際に得られる波形(実測波形)とを常時比較させる。そして、実測波形が入力された正常時の波形と相違するとき、ないしは入力された異常時の波形と略合致するとき、制御回路に「欠損120が発生した」と判断させればよい。
この場合、接触式測定器22によって測定される欠損120の大きさ(変位量D)の情報も制御回路に入力するようにしてもよい。そして、制御回路に、上記の波形比較によって欠損120が発生したことが認識されるとともに、欠損120の大きさが許容範囲を超えたときにカッタ14を円筒状ワークWから離間させる制御を行わせればよい。
このようにして、欠損判定、及び円筒状ワークWの切断停止を自動的に行うこともできる。勿論、制御回路によるモニタリングと、表示モニタによるモニタリングとを併用するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、非接触式AEセンサ18を用いるようにしているが、カッタ14に伝達された振動を検出し得るものであれば如何なるものであってもよい。
10…円筒状ワーク切断装置 12…マンドレル
14…カッタ 16…切断機構
18…非接触式AEセンサ 20…接触子
22…接触式測定器 24…回転支軸
32…マンドレルホルダ 46…テールセンタ
56…クランプ爪 64…回転駆動用モータ
66…減速機 74…ゴム製回転具
86…環状クリアランス 110…押さえ部材
114…ロータ 118…ステータ
120…欠損 W…円筒状ワーク

Claims (6)

  1. 回転動作可能な保持部材の外壁に保持された金属製の円筒状ワークを切断用刃具の作用下に切断することで金属リングを形成する円筒状ワーク切断装置であって、
    前記切断用刃具が前記円筒状ワークを切断する際に前記切断用刃具に発生した振動を電気信号として検出する検出手段と、
    前記切断用刃具に対して相対的に接近又は離間自在に設置されるとともに、前記切断用刃具に対して相対的に接近したときに該切断用刃具に当接する変位自在な接触子を有し、前記接触子の変位量を測定する接触式測定手段と、
    を有し、
    前記変位量から求められた前記切断用刃具の欠損の大きさが、予め設定された所定の許容範囲内であるときには前記円筒状ワークの切断を続行し、許容範囲外であるときには前記切断用刃具を新たなものに交換することを特徴とする円筒状ワーク切断装置。
  2. 請求項1記載の装置において、前記電気信号を波形として表示する表示手段をさらに有することを特徴とする円筒状ワーク切断装置。
  3. 請求項1又は2記載の装置において、前記検出手段が非接触式AEセンサであることを特徴とする円筒状ワーク切断装置。
  4. 回転動作可能な保持部材の外壁に保持された金属製の円筒状ワークを切断用刃具の作用下に切断することで金属リングを形成する際、前記切断用刃具に欠損が発生したか否かを判断する切断用刃具の欠損判定方法であって、
    前記切断用刃具が前記円筒状ワークを切断する際に前記切断用刃具を伝播する振動を、検出手段によって電気信号として検出し、前記電気信号に異常が生じたときに前記切断用刃具に欠損が発生したと判断する工程と、
    前記切断用刃具に欠損が発生したとき、接触式測定手段を構成して変位自在な接触子を切断用刃具に当接させてその変位量を測定し、前記変位量から欠損の大きさを求める工程と、
    を有し、
    前記変位量から求められた前記切断用刃具の欠損の大きさが、予め設定された所定の許容範囲内であるときには前記円筒状ワークの切断を続行し、許容範囲外であるときには前記切断用刃具を新たなものに交換することを特徴とする切断用刃具の欠損判定方法。
  5. 請求項4記載の欠損判定方法において、前記電気信号を波形として表示手段に表示させ、表示された波形に異常が生じているか否かをモニタリングすることを特徴とする切断用刃具の欠損判定方法。
  6. 請求項4又は5記載の欠損判定方法において、前記検出手段として非接触式AEセンサを用いることを特徴とする切断用刃具の欠損判定方法。
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