JP2006341349A - 工作機械、及び異物検出方法 - Google Patents

工作機械、及び異物検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
ワークを加工する時に用いる工具を交換する時に、工具と工具保持部との当接面に異物を挟み込んだ否かを正確に検出できる工作機械を提供すること。
【解決手段】
フランジ部1bが形成された工具1と、工具1と嵌合する工具保持孔15が形成された工具保持部2と、を備え、工具保持部2に対して工具1の脱着による交換が可能な工作機械50において、工具保持孔15の開口部の周囲に、複数の圧力センサ27を配置し、工具1を工具保持部2に装着した時に、工具1のフランジ部1bが工具保持部2の端面13に与える圧力分布を、複数の圧力センサ27により測定し、その測定結果に基づいて、工具1と工具保持部2との当接面に異物を挟み込んだか否かを検出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、切削加工等に用いられる工作機械における、ワークを切削加工する工具とこの工具を保持する工具保持部との当接面に異物を挟み込んだ場合に、この異物の挟み込みを検出する機能を備えた工作機械、及び、その異物を挟み込んだことを検出する方法に関するものである。
ワークの加工に用いる工具を、工具保持部に対して脱着可能として工具を交換することが可能な工作機械が知られている。このような工作機械では、予め用意された多種類の工具の中から、必要な工具を選択し、ワークの加工を行っている。このとき、加工精度を良好に維持、あるいは、向上させるために、工具を工具保持部に対して正確に装着することが必要である。そのためには、工具を交換するときに、工具と工具保持部との当接面に異物を挟み込まないことが重要である。
ところが、ワークの加工に伴って発生した切削屑や切粉等の異物が、工具や工具保持部に付着し、工具を工具保持孔に装着するときに、工具と工具保持孔との当接面に異物を挟み込んでしまうことがある。工具と工具保持孔との当接面に異物を挟み込むと、工具を工具保持部に正確に装着することができないことがある。すると、ワークに対する工作機械の位置ずれに結びつくことがある。そこで、ワークに対する工作機械の位置ずれを解消するために、例えば、特許文献1によると、圧電素子に電圧を印加すると発生する伸縮現象を利用して、工作機械の位置調整を行う、工作機械の位置決め装置が開示されている。
特開平10−80840号公報
ところで、上述した、特許文献1で開示された工作機械において、圧電素子は、工作機械の位置調整を行うために配置されたものである。したがって、この圧電素子を用いて、工具と工具保持孔との当接面に挟み込んだ異物の検出を行うことはできない。また、工具と工具保持孔との当接面に異物を挟み込んだままの状態、すなわち、工具を工具保持部に正確に装着していない状態で工作機械の位置調整を行ったとしても、ワークに対する必要な加工精度が得られない可能性がある。
そこで、本発明は以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、切削加工等に用いられる工作機械における、工具とこの工具を保持する工具保持部との当接面に異物を挟み込んだか否かを検出できる機能を備えた工作機械、及び、異物検出方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に係る工作機械は、フランジ部が形成された工具と、工具と嵌合する工具保持孔が形成された工具保持部と、を備え、工具保持部に対して工具の脱着による交換が可能な工作機械において、工具保持孔の開口部の周囲に配置された複数の圧力センサを備え、工具を工具保持部に装着した時に、フランジ部が工具保持部の端面に与える圧力分布を、圧力センサにより測定することを特徴とする。
これにより、工具を工具保持孔に装着したとき、工具のフランジ部が工具保持部に与える圧力分布を測定できる。そして、この測定された圧力分布に基づいて、工具と工具保持部との当接面に異物を挟み込んだか否かを検出することができる。なお、圧力センサは、一般に市販されているものを使用することができるため、専用に設計する圧力センサに比べて安価、且つ、取り扱い容易に、異物を挟み込んだことを検出することができる。
請求項2に係る工作機械は、工具保持部は、無線通信が可能な通信装置を備え、圧力分布の測定結果は、通信装置が外部に設置された通信端末に通知することを特徴とする。これにより、圧力分布の測定結果を通信端末により確認した工作機械の操作者は、工具交換時における工具と工具保持部との当接面に異物の挟み込みが発生した場合に、その対応を行えばよい。したがって、操作者は、工具交換作業を常に監視している必要がなく、人件費等のコスト削減が可能となる。
請求項3に係る工作機械の異物検出方法は、フランジ部が形成された工具を、工具保持孔が形成された工具保持部に装着したときに、工具と工具保持部との当接面に異物を挟み込んだことを検出する異物検出方法であって、フランジ部が工具保持部の端面に与える圧力分布を、工具保持孔の開口部の周囲に配置した複数の圧力センサにより測定する工程を有し、圧力分布の測定結果に基づいて、工具と工具保持部との当接面に異物を挟み込んだことを検出することを特徴とする。この異物検出方法により、工具保持部の端面に配置した圧力センサによりフランジ部が工具保持部端面に与える圧力分布を測定する。そして、測定した圧力分布の状態に基づいて、工具と工具保持部との当接面に異物を挟み込んだこと検出することができる。
請求項4に係る工作機械の異物検出方法は、圧力分布の測定結果は、工具保持部に備えた無線通信が可能な通信装置が、外部に設置された通信端末に通知することを特徴とする。この異物検出方法により、圧力分布の測定結果を通信端末で確認した工作機械の操作者は、工具交換時における工具と工具保持部との当接面に異物の挟み込みが発生した場合に、その対応を行えばよい。したがって、操作者は、工具交換作業を常に監視している必要がなく、人件費等のコスト削減が可能となる。
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態における工作機械50について、図1を用いて説明する。工具1は、工具保持部2の工具保持孔15に挿入される挿入部16を有し、後述するプルスタッド4が挿入部16の前端部12に連係している。挿入部16の後端部14には、ワーク(図示せず)を加工するための刃具9が装着されている。そして、挿入部16の後端部14は、つば状に張り出したフランジ部1bが設けられている。
工具1の挿入部16は、テーパー面1aを有し、工具保持孔15は挿入部16のテーパー面1aに対応する形状に形成されている。
工具1は、工具保持部2からの脱着が自在であり、交換が可能である。工具1の挿入部16を、挿入前端部12から工具保持孔15に挿入して、工具保持部2に装着すると、工具1のテーパー面1aと工具保持孔15とが当接する第1の当接面において、工具1は工具保持孔15で保持されている。このとき、フランジ部1bと工具保持部2の端面13との間には、数ミリメートルの隙間が形成されるようになっている。つまり、工具1は、いわゆる、1面拘束により工具保持部2に保持されている。
ここで、工具1の挿入部16を工具保持孔15に挿入して、実際に工作機械50が稼動するときには、引張手段10(例えば、油圧式シリンダ)により、工具1の挿入前端部12に連係したプルスタッド4を介して、工具1を工具保持孔15に引っ張り込む方向に、数百キログラム以上の引張圧力を加えて固定している。したがって、工具1は工具保持部2に対して強固に保持されているので、工作機械50の稼動時(高速回転時)に、工具1が工具保持孔15内でがたつくことを低減している。なお、工作機械50は、工具保持部2に保持された工具1を回転させるためのモータ等を含む駆動機構(図示せず)を備えている。
ところで、工具1を挿入前端部12より工具保持孔15に挿入し、引張圧力により固定するときに、工具1のテーパー面1aと工具保持孔15との当接面に、ワークの加工に伴って発生した切削屑や切粉等の異物30を挟み込んでしまうことがある。異物30を挟み込んだまま、工具1に対して、上述したような引張圧力を加えると、工具1の挿入部16が工具保持孔15に正確に挿入されていない状態で、工具1を工具保持部2に対して固定することになる。そして、このような状態で工作機械50を稼動させると、工具1と工具1を保持する工具保持部2は、本来の回転軸3から振れて回転してしまうことがあり、その結果、ワークの加工精度に影響を及ぼすことになる。
また、上述したように、工具1を工具保持孔15に装着する時には、工具1に対して、引張手段10により、工具1の挿入前端部12に連係したプルスタッド4を介して、挿入前端部12を工具保持孔15に引っ張り込む方向に、数百キログラム以上の引張圧力を加えている。このため、工具1のテーパー面1aと工具保持孔15との当接面に異物30を挟み込んでいると、工具1のテーパー面1aにキズが発生したり、工具1に歪みが発生したりするおそれがある。すると、工具1の形状バランスや重量バランスが崩れ、工作機械50の稼動時に、工具1と工具1を保持する工具保持部2は、本来の回転軸3から振れて回転してしまうことがあり、その結果、ワークの加工精度に影響を及ぼすことになる。
そこで、本実施形態における工作機械50は、工具保持孔15の開口部の周囲に、工具1のフランジ部1bと工具保持部2の端面13との間の隙間の埋める程度の厚さを有する複数の圧力センサ27(例えば、圧電素子)を配置し、工具1の挿入部16を工具保持孔15に挿入したときに、工具1のフランジ部1bが工具保持部2の端面13にかける圧力を、複数の圧力センサ27がそれぞれ測定する。すると、圧力センサ27が測定したそれぞれの測定結果に基づいて、工具1のフランジ部1bが工具保持部2の端面13にかける圧力分布が得られる。そして、この圧力分布に基づいて、工具1のテーパー面1aと工具保持孔15との当接面に異物30を挟み込んだか否かを検出する。
工具1のテーパー面1aと工具保持孔15との当接面に異物30を挟み込んでいない場合、複数の圧力センサ27のそれぞれが測定する圧力はほぼ一定となり、工具1のフランジ部1bが工具保持部2の端面13にかける圧力分布がほぼ均一となる。これは、工具1の挿入部16が工具保持孔15に正確に挿入され、工具1は所定の位置で正確に工具保持部2に装着され、固定されるためである。
これに対して、工具1のテーパー面1aと工具保持孔15との当接面に異物30を挟み込んでいる場合、複数の圧力センサ27のそれぞれが測定する圧力は一定とはならず、工具1のフランジ部1bが工具保持部2の端面13にかける圧力分布が不均一となる。これは、異物30が障害となり、工具1の挿入部16は工具保持孔15に正確に挿入されないので、工具1は工具保持部15に所定の位置で正確に装着することができないためである。
複数の圧力センサ27により測定された圧力に基づく圧力分布は、工具保持部2に設置された無線通信が可能な通信装置5によって、外部に設置された通信端末に通知される。ここで、外部に設置された通信端末としては、工作機械50の操作者が保有する携帯端末や工作機械を制御する制御装置等である。通知する方法としては、工作機械50の操作者が認知可能な形式、例えば、携帯端末の振動や制御装置に付随する画面表示の変更、警告灯の点滅、音声等である。
このようにして、通信装置5によって、圧力分布がほぼ均一であるという結果が、上述した形式で通知された場合、作業者は、工作機械50に対して特別な作業を行う必要がない。一方、通信装置5によって、圧力分布が不均一であるという結果が、上述した形式で通知された場合、作業者が手動、又は自動で、工具1を工具保持部2から取り外し、工具1のテーパー面1aや工具保持孔15を洗浄し、挟み込んだ異物を除去した後に、再度、工具1を工具保持部2へ装着する。
ところで、圧力センサ27は、その数を多くするほど、より正確に異物30を検出することができる。これは、圧力センサ27の数を増やすことで、工具保持部2の端面13にかかる圧力を測定できる箇所が増え、より綿密な圧力分布を得ることができるためである。図1には、工具保持孔15の開口部の周囲に一重に圧力センサ27を配置した例を示したが、これに限らず、工具保持孔15の開口部の周囲に二重となるように圧力センサ27を配置すれば、より正確に異物30を検出することができる。
以上、説明したように、本実施形態における工作機械50によれば、工作機械50の稼動前に異物30を挟み込んだか否かを検出することができる。このため、異物30を挟み込んだままの状態で工作機械50を稼動させることを避けることができる。したがって、挟み込んだ異物を原因とするワークの加工精度の低下を避けることができ、このことは、製造コストの削減につながる。さらに、作業者は工作機械50における工具1の交換作業を常に監視している必要がなく、人件費等の削減も可能となる。
(その他の実施形態)
第1の実施形態の工作機械50においては、工具1のテーパー面1aと工具保持孔15とが当接することで、工具1は工具保持部2に固定される一面拘束型の工具1を用いている。しかしながら、さらに、工具1のフランジ部1bと工具保持部2の端面13とが当接することで、工具1が工具保持部2に固定される、2面拘束型の工具に対しても、本発明は有効である。
例えば、工具1のフランジ部1bと工具保持部2の端面13との当接面に異物を挟み込んだとしても、第1の実施形態と同様に、工具1のフランジ部1bと工具保持部2の端面13との間に複数の圧力センサ27(例えば、圧電素子)を配置し、工具1の挿入部16を工具保持孔15に挿入したときに、工具1のフランジ部1bが工具保持部2の端面13にかける圧力の分布を、圧力センサ27により測定する。そして、その測定結果に基づいて、工具1のフランジ部1bと工具保持部2の端面13との当接面に異物を挟み込んだか否かを検出することができる。
以上、本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明は上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、数々の変形実施が可能である。また、本発明のうち従属請求項に係る発明においては、従属先の請求項の構成要件の一部を省略する構成とすることもできる。
本発明の第1の実施形態に係る工作機械の断面図
符号の説明
1…工具、1a…テーパー面、1b…フランジ部、2…工具保持部、3…回転軸、4…プルスタッド、5…通信装置、9…刃具、10…引張手段、12…挿入前端部、13…工具保持部端面、14…挿入後端部、15…工具保持穴、27…圧力センサ、30…異物、50…工作機械

Claims (4)

  1. フランジ部が形成された工具と、
    前記工具と嵌合する工具保持孔が形成された工具保持部と、を備え、
    前記工具保持部に対して前記工具の脱着による交換が可能な工作機械において、
    前記工具保持孔の開口部の周囲に配置された複数の圧力センサを備え、
    前記工具を前記工具保持部に装着した時に、前記フランジ部が前記工具保持部の端面に与える圧力分布を、前記圧力センサにより測定することを特徴とする工作機械。
  2. 前記工具保持部は、無線通信が可能な通信装置を備え、
    前記圧力分布の測定結果は、前記通信装置が外部に設置された通信端末に通知することを特徴とする請求項1に記載の工作機械。
  3. フランジ部が形成された工具を、工具保持孔が形成された工具保持部に装着した時に、前記工具と前記工具保持部との当接面に異物を挟み込んだことを検出する異物検出方法であって、
    前記フランジ部が前記工具保持部の端面に与える圧力分布を、前記工具保持孔の開口部の周囲に配置した複数の圧力センサにより測定する工程を有し、
    前記圧力分布の測定結果に基づいて、前記工具と前記工具保持部との当接面に異物を挟み込んだことを検出することを特徴とする異物検出方法。
  4. 前記圧力分布の測定結果は、前記工具保持部に備えた無線通信が可能な通信装置が、外部に設置された通信端末に通知することを特徴とする請求項3に記載の異物検出方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100450711C (zh) * 2007-05-29 2009-01-14 北京联合大学 机床单向寻边装置
WO2020082415A1 (zh) * 2018-10-26 2020-04-30 大连理工大学 一种无线传输压电式四分量测力仪装置
CN113296471A (zh) * 2021-06-07 2021-08-24 重庆三峡学院 一种具有预警机构的数控机床及其控制系统

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