JP3573216B2 - 板ガラスの切断方法及び装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は板ガラスにカッタホイールを押圧し、押圧されたカッタホイールを移動して板ガラスに切線を加工する板ガラスの切断方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
板ガラスを所望の形状に切断する場合、先ず板ガラスに押圧したカッタホイール等のカッタ部材を切断方向に移動して板ガラスの表面に切線を加工し、切線加工後、切線で板ガラスを折って所望の形状に切断する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、板ガラスを切線で折る場合、板ガラス表面に切線が適正に加工されていないと、板ガラスの折り損じが生じたり、板ガラスの折面が不良になるという問題がある。
また、カッタ部材が切線加工開始位置に適正に位置決めされていない状態でカッタ部材を走行すると、カッタ部材が板ガラスの端部に衝突する等の切線加工開始時の不具合が生じるという問題がある。
【0004】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、切線の加工状態を最適に維持して板ガラスの折り損じを防止すると共に良好な折面を得ることができ、さらに、切線加工開始時の不具合をなくすことができる板ガラスの切断方法及び装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成する為に、板ガラスに押圧されたカッタ部材を移動して板ガラスの表面に切線を加工する板ガラスの切断方法において、前記カッタ部材を介して前記板ガラスから受ける反力の大きさと方向を検出し、該検出した反力の大きさと方向に基づいて前記切線の良否を判定することを特徴とする板ガラスの切断方法、及び、それを実施するための装置である。
【0006】
また、本発明は、前記目的を達成する為に、板ガラスに押圧されたカッタ部材を移動して板ガラスの表面に切線を加工する板ガラスの切断方法において、前記カッタ部材を前記板ガラスの切線加工位置まで下降した時の前記カッタ部材が受ける反力の大きさと方向を検出し、該検出した反力の大きさと方向に基づいて前記板ガラスの切線加工開始位置に前記カッタ部材が適正に位置決めされているか否かを判定することを特徴とする板ガラスの切断方法、及び、それを実施するための装置である。
【0007】
【作用】
本発明によれば、板ガラスの切断装置に検出部及び判定部を備え、検出部はカッタホイールを介して板ガラスから受ける反力を検出する。そして、判定部は、検出部が検出した反力に基づいて切線が板ガラスに適切に加工されているか否かを判定する。
【0008】
また、本発明によれば、検出部はカッタ部材を板ガラスの切線加工位置まで下降した時のカッタ部材が受ける反力の大きさと方向を検出する。そして、判定部は、検出部が検出した反力の大きさと方向に基づいて板ガラスの切線加工開始位置にカッタ部材が適正に位置決めされているか否かを判定する。
【0009】
【実施例】
実施例1、
以下添付図面に従って本発明に係る板ガラスの切断方法及び装置について詳説する。図1は本発明に係る板ガラスの切断装置の断面図、図2はそのブロック図である。図1に示すように板ガラスの切断装置10は加圧機構12を備え、加圧機構12にはシャフト16が支持されている。
【0010】
シャフト16の下端部には後述するセンサ28を介して支持部材30が固定され、支持部材30にはベアリング32を介してホルダ34の軸部34Aが回動自在に支持されている。ホルダ34の下端部にはピン35を介して前述したカッタホイール36が回動自在に支持され、ピン35の軸芯は軸部34Aの軸芯から後方にL1 だけオフセットされている。このように、ピン35の軸芯は軸部34Aの軸芯から後方にL1 だけオフセットされているので、板ガラスの切断装置10が切断方向(矢印A方向)に移動すると、カッタホイール36は切断方向に対して平行に保持される。カッタホイール36は円板状に形成され、板ガラス14の表面上を回転しながら移動して板ガラス14に切線を加工する。
【0011】
図2に示すように板ガラスの切断装置10は検出部41及び判定部42を備え、検出部41は前述したセンサ28、データ処理部40を有している。センサ28には1例として3成分の力センサが使用され、力センサ28にはカッタホイール36等を介して板ガラス14の反力が伝達される。この反力はX方向、Y方向及びZ方向の分力からなり、力センサ28は伝達されたX方向、Y方向及びZ方向の分力を電気信号に変換する。
【0012】
この場合、図2に示すようにY方向の分力はカッタホイール36の進行方向に対して反対方向に作用し、Z方向の分力はカッタホイール36を上方に押し上げるように作用する。また、X方向の分力はカッタホイール36の進行方向に対して直交する方向に作用する。データ処理部40には力センサ28で電気信号に変換されたX方向、Y方向及びZ方向の分力信号が伝達され、データ処理部40は伝達されたX方向、Y方向及びZ方向の分力信号に基づいてX方向、Y方向及びZ方向の分力を求める。
【0013】
ここで、進行方向反力又はみかけの摩擦係数μ(=Y/Z)、X方向分力(又はX/Z)及びZ方向分力に基づいて切線加工状態を判定する場合について説明する。みかけの摩擦係数μはカッタホイール36の回転状態等の判定に使用される。すなわち、みかけの摩擦係数μが大きいときはカッタホイール36が回転しなくなって、板ガラス14の表面上を滑っている様なときである。これに対し、みかけの摩擦係数μが小さいときはカッタホイール36が良好に回転し、カッタホイール36が板ガラス14の表面に適正な切線を加工しているときである。
【0014】
従って、切線が適正に加工される場合と適正に加工されない場合とを区分けするみかけの摩擦係数μのしきい値をデータとして求めておけば、判定部42は、データ処理部40で求めたみかけの摩擦係数μとしきい値とを比較してカッタホイール36の回転の良否を判定することができる。
また、X方向分力又はX/Zによって進行方向に対するカッタホイール36の傾きを検知することができる。カッタホイール36に傾きが生じる原因としては、次に示すもの等が種々あげられる。
【0015】
(1)装置の角度調整不足
(2)ベアリング32(図1、図2参照)の回転不良
(3)カッタホイール36の摩耗等で板ガラス14に対するカッタホイール36の食い込み不足等が生じ、キャスタ効果が充分に発揮されない場合
(4)カッタホイール36の稜線36A(図1参照)のズレ不良
さらに、図3に示すようにカッタホイール36の傾きθが0のときX方向分力又はX/Zがほぼ0であり、カッタホイール36の傾きθが大きくなるに従ってX方向分力又はX/Zの絶対値が増大してくる。そして、カッタホイール36の傾きθが大きくなると切線不良が発生するので、X方向分力又はX/Zのしきい値を設定し、設定したしきい値とX方向分力又はX/Zの絶対値とを比較判定することによって、カッタホイール36の傾きによる切線不良を防止することが可能である。
【0016】
次いで、Z方向分力について説明する。Z方向分力は、例えばシャフト16と軸受(図示せず)との摩擦が増大して切圧が不安定の場合や、カッタホイール36の加圧機構に異常が発生した場合等に不安定になる。この場合、カッタホイール36の板ガラス14に対する押圧力が不安定になるので、板ガラス14に適切な切線を加工することができない。従って、切線が適正に加工される場合と適正に加工されない場合とを区分けするZ方向分力の不安定度のしきい値を設定することにより、判定部42は、データ処理部40で求めたZ方向分力のデータとしきい値とを比較して板ガラス14の切線状態の良否を判定する。
【0017】
また、Z方向分力が一定周期で変動する場合、カッタホイール36の形状異常の判定が可能である。例えば図4に示すようにカッタホイール36がe偏心している場合、カッタホイール36が1回転すると図2、図4の測定長Lは破線で示すような最大変位2eの山形の曲線で変化する。従って、偏心しているカッタホイール36で切線を加工するとZ方向分力(すなわち、真の押付力)は図5の(2)に示すように山形の部分が一定の周期で表れ、板ガラス14に適正な切線を加工することができない。
【0018】
従って、切線が適正に加工される場合と適正に加工されない場合とを区分けするZ方向分力の変動しきい値をデータとして求めることにより、判定部42は、データ処理部40で求めた一定周期で変化するデータと変動しきい値とを比較してカッタホイール36の同心度の良否を判定して、切線が不安定にならないようにする。また、この方法を採用してカッタホイール36の真円度の良否を判定することも可能である。なお、図4において実線のグラフは偏心等がなく正常なカッタホイール36のデータを示し、この場合、図5の(1)に示すようにZ方向分力に一定の周期的変動が少なく、安定したZ方向分力になる。
【0019】
さらに、Z方向分力の一定周期の変動は、カッタホイール36の真円度及び同心度の良否の判定の他に、カッタホイール36の稜線の局部欠陥や局部摩耗の判定、さらに、カレット等の異物のかみ込みや異物のひっかかり等のカッタホイール36の回転系の異常の判定に使用することが可能である。すなわち、判定部42は、データ処理部40で求めた一定周期で変化するデータとしきい値とを比較してこれらの不具合が発生しているか否かを判定することが可能である。また、Z方向分力が一定周期で変動する場合、約5 kHz〜50kHzの高周波域のデータをデータ処理部40で求めて、判定部42がデータ処理部40で求めた高周波域のデータを判定して切線に発生する微細クラックの進行状態を判定することも可能である。
【0020】
このように、判定部42は、X方向、Y方向及びZ方向の分力やみかけの摩擦係数μ更にはX/Zの各々のしきい値と検出部41で求めた各々の値とを比較して切線の良否を判定する。そして、判定部42の判定結果に基づいてカッタホイール36やピン35等を交換する。また、判定部42で判定した結果、加工条件(カッタホイール36の切圧、切速度、旋回角度等)の変更や補正で対応できる場合には、カッタホイール36やピン35等を交換しないで加工条件の変更や補正で対応する。
【0021】
例えば、検出部41で検出したX方向分力又はX/Zの値がしきい値の近傍にある場合、検出した値がしきい値を越えないように、板ガラスの切断装置10のカッタ部の旋回角度を変更する。また、検出部41で検出したみかけの摩擦係数μの値がしきい値の近傍にある場合、検出したみかけの摩擦係数μの値がしきい値を越えないように、板ガラスの切断装置10の切圧を高く変更することにより、カッタホイール36が板ガラス14に強く食い込むので板ガラス14に適正な切線を加工することができる。
【0022】
このように、判定部42が判定した判定結果に基づいて、カッタホイール36やピン35等を交換したり、加工条件を変更、補正することにより、板ガラスの切断装置10は、最適な切線が板ガラス14に加工されるように管理することができる。なお、図2上で46は増幅部、48は板ガラス14が載置されるテーブルである。
【0023】
さらに、カッタホイール36の反力、すなわち、X方向、Y方向及びZ方向の分力を求めることにより、前述した判定の他に板ガラスの切断装置10の調整事項を定量化して管理することも可能である。例えば、X方向、Y方向及びZ方向の分力に基づいてカッタホイール36の下降時の衝撃力を適正に設定してタッチハマ等の発生を防止することができ、また、高圧状態から切圧状態への切替ポイントを最適に設定して機械系遅れに無関係な真の切替ポイントを得ることができる。さらに、カッタホイール36の首振り角度と進行方向との合致を判定することができ、これにより、例えば操作ミスでカッタホイール36を障害物又はガラスエッジ等に衝突させて、首振り角度がズレた場合の角度調整が容易になりまた、切線加工中に、例えばX方向の切りが適正で、Y方向の切りが不適正であるという判定が可能になる。
【0024】
実施例2、
実施例1では板ガラスの切断装置10に判定部42を備えて、X方向、Y方向及びZ方向の分力やみかけの摩擦係数μ又はX/Zの各々のしきい値と、検出部41で求めた各々の値とを比較して、求めた値がしきい値を越えた時切線状態が悪いと判定する場合について説明したが、さらに表示部を設けて検出部41で求めた各々の値を常時表示するようにしてもよい。なお、判定部42を使用せずに表示部のみを使用してもよい。
【0025】
実施例3、
実施例1、2では検出部41で求めたX方向、Y方向及びZ方向の分力やみかけの摩擦係数μ又はX/Zの値に基づいて切線状態の良否を判定する場合について説明したが、これに限らず、カッタホイール36に発生する振動成分を検知して切線の良否を判定することも可能である。すなわち、板ガラスの表面に切線を加工する場合、カッタホイール36を板ガラスの表面に沿って走行させて板ガラスの表面をカッタホイール36で砕いて板ガラスの表面に切線を加工するが、カッタホイール36で板ガラスの表面を砕く場合にカッタホイール36に上下方向の振動が発生する。
【0026】
従って、1成分又は多成分方向の反力センサや加速度センサ等を使用して、切線の加工中にカッタホイール36に発生する高周波域(5kHz〜50kHz)振動成分を検知して、検知したカッタホイール36の振動成分を音に変換し、この音に基づいて切線の良否を判定することが可能である。また、1成分又は多成分方向の反力センサや加速度センサに代えて、マイクロホンを使用して板ガラスの表面に切線を加工する際の音を直接検知して、検知した音に基づいて切線の良否を判定することも可能である。
【0027】
さらに、1成分又は多成分方向の反力センサや加速度センサ等を使用して検知したカッタホイール36の振動成分を周波数解析して、この解析結果に基づいて切線の良否を判定することも可能である。また、マイクロホンを使用して検知した切欠加工音を周波数解析して、この解析結果に基づいて切線の良否を判定することも可能である。
【0028】
実施例4、
実施例1〜3では反力センサ等で検知した値に基づいて切線の良否を判定する場合について説明したが、これに限らず、反力センサを使用することによりカッタホイール36が板ガラスの切線加工開始位置に適正に位置決めされているか否かを判定することをができる。以下図6〜図10により実施例4について説明する。なお、図6〜図8上で実施例1と同一類似部材については同一符号を付して説明を省略する。
【0029】
図6はカッタホイール36を板ガラス14の切線加工開始位置に適正に位置決めする動作を説明する図であり、同図に示すようにカッタホイール36は、下降して板ガラス14の表面を押圧し、この状態で矢印方向に走行して板ガラス14の表面に切線を加工する。そして、カッタホイール36が下降して切線加工開始位置に適正に位置決めされると、カッタホイール36は板ガラス14から一定の大きさのZ成分反力を受ける。このZ成分反力は図2に示す検出部41で検知される。
【0030】
一方、図7に示すようにカッタホイール36が板ガラス14から外れた位置に位置決めされた場合、カッタホイール36を図6の場合と同様に下降させると、カッタホイール36は板ガラス14の表面を押圧しないで、板ガラス14の表面下側まで下降する。従って、この状態でカッタホイール36を矢印方向に走行させると、カッタホイール36が板ガラス14の端部に衝突し、この衝突による衝撃で次の不具合が生じる場合がある。
【0031】
(1)力センサ28の破損
(2)カッタホイール36の破損
(3)カッタホイール36の傾き角度のズレ発生
(4)カッタホイール36の局所欠損
(5)カッタヘッド全体の損傷
これらの不具合を解消するために、検出部41でカッタホイール36を切線加工開始位置まで下降したときのカッタホイール36に作用するZ成分反力を検知し、検知したZ成分反力がしきい値より小さい場合に判定部42(図2参照)でカッタホイール36を矢印方向に走行しないように制御する。
【0032】
また、図8に示すように板ガラス14の端部が傾斜面状に折られている場合、切線加工開始位置まで下降したカッタホイール36が傾斜面に当接した状態で矢印方向に走行すると、板ガラス14にハマ欠けが発生する場合がある。この場合、カッタホイール36が切線加工開始位置まで下降して傾斜面に当接すると、カッタホイール36は板ガラス14の傾斜面からZ成分反力及びY成分反力を受ける。従って、これらの不具合を解消するために、検出部41でカッタホイール36が切線加工開始位置まで下降したときのZ成分反力及びY成分反力を検知し、検知したZ成分反力及びY成分反力に基づいてY/Z値を求め、判定部42で求められたY/Z値としきい値とを比較して、求められたY/Z値がしきい値を越えた場合にカッタホイール36を矢印方向に走行しないように制御する。また、Yだけに着目しても同様の制御は可能である。
【0033】
以下図9、図10のフローチャートに基づいてカッタホイール36が板ガラス14の切線加工開始位置に適正に位置決めされているか否かを判定する方法について説明する。先ず、図9に基づいて入力ミス、データ転送ミス等により切りデータが正確に入力されないときのカッタホイール36の制御について説明する。切線加工を開始する際に、切りデータを入力又は転送してスタート信号を出力する。これにより、カッタホイール36が原点位置に位置決めされ、切線加工開始位置まで下降される(ステップ70)。次に、検出部41でカッタホイール36に作用するZ成分反力を検知し、検知したZ成分反力としきい値とを比較する(ステップ72)。
【0034】
比較した結果Z成分反力がしきい値以下の場合、カッタホイール36を上昇する(ステップ74)。次いで、カッタホイール36を原点位置まで走行して待機させる(ステップ76)。続いて、切りデータを補正して切線加工を再スタートさせる(ステップ78)。一方、比較した結果Z成分反力がしきい値を越えた場合、カッタホイール36を走行させて板ガラス14の表面に切線を加工する(ステップ80)。これにより、カッタヘッドと板ガラス14の端部との衝突を阻止することができる。
【0035】
次に、図10に基づいて端部が傾斜面状に折られた板ガラス14に切線を加工するときのカッタホイール36の制御について説明する。切線加工を開始する際に、切りデータを入力又は転送してスタート信号を出力する。これにより、カッタホイール36が原点位置に位置決めされ、切線加工開始位置まで下降される(ステップ84)。次に、検出部41でカッタホイール36に作用するZ成分反力及びY成分反力を検知し、検知したZ成分反力及びY成分反力に基づいてY/Z値を求め、Y/Z値としきい値とを比較する(ステップ86)。
【0036】
比較した結果Y/Z値がしきい値以上の場合、カッタホイール36を上昇する(ステップ88)。次いで、カッタホイール36を数mm前進させて(ステップ90)、切線加工を再スタートさせる。一方、比較した結果Y/Z値がしきい値以下の場合、カッタホイール36を走行させて板ガラス14の表面に切線を加工する(ステップ92)。これにより、傾斜面状に折られた板ガラス14の端部にカッタホイール36が当接した状態で切線を加工しないようにすることができる。
【0037】
実施例5、
実施例1〜4では本願発明をエアシリンダ式の加圧機構部を備えた板ガラスの切断装置10に適用した場合について説明したが、これに限らず、本願発明を送りねじを駆動モータで回転する等のその他の加圧機構部を備えた板ガラスの切断装置に適用することも可能である。
【0038】
実施例6、
実施例1〜4ではカッタホイール36で板ガラス14に切線を加工する場合について説明したが、これに限らず、本発明に係る板ガラスの切断装置はガラススクライバー等のその他のカッタ部材で板ガラス14に切線を加工する場合にも適用することも可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る板ガラスの切断方法及び装置によれば、板ガラスの切断装置に検出部及び判定部を備え、検出部はカッタホイールを介して板ガラスから受ける反力を検出する。そして、判定部は、検出部が検出した反力に基づいて切線が板ガラスに適切に加工されているか否かを判定する。このように、切線が適切に加工されているか否かを判定することにより、切線の加工状態を最適に維持して板ガラスの折り損じを防止すると共に良好な折面を得ることができる。
【0040】
また、本発明によれば、検出部はカッタ部材を板ガラスの切線加工位置まで下降した時のカッタ部材が受ける反力の大きさと方向を検出する。そして、判定部は、検出部が検出した反力の大きさと方向に基づいて板ガラスの切線加工開始位置にカッタ部材が適正に位置決めされているか否かを判定する。従って、切線加工開始時の不具合の発生をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る板ガラスの切断装置の断面図
【図2】本発明に係る板ガラスの切断装置のブロック図
【図3】カッタホイールが進行方向に対する傾きとX方向分力又はX/Zを示すグラフ
【図4】カッタホイールが偏心している場合や偏心していない場合のカッタ先端までの測定長を示すグラフ
【図5】図4の(1)、(2)の場合のZ成分力の周期的変動を示すグラフ
【図6】切線加工開始時のカッタホイール動作を説明する説明図
【図7】切線加工開始時のカッタホイール動作を説明する説明図
【図8】切線加工開始時のカッタホイール動作を説明する説明図
【図9】切線加工開始時のカッタホイール動作を説明するフローチャート
【図10】切線加工開始時のカッタホイール動作を説明するフローチャート
【符号の説明】
10…板ガラスの切断装置
14…板ガラス
28…力センサ
36…カッタホイール
40…データ処理部
41…検出部
42…判定部
Claims (13)
- 板ガラスに押圧されたカッタ部材を移動して板ガラスの表面に切線を加工する板ガラスの切断方法において、
前記カッタ部材を介して前記板ガラスから受ける反力の大きさと方向を検出し、該検出した反力の大きさと方向に基づいて前記切線の良否を判定することを特徴とする板ガラスの切断方法。 - 前記カッタ部材にカッタホイールを使用し、前記反力の大きさと方向に基づいて前記カッタホイールの板ガラスに対する進行方向反力又はみかけの摩擦係数を求め、該求められた進行方向反力又はみかけの摩擦係数に基づいて前記カッタホイールの回転状態の良否を判定することを特徴とする請求項1記載の板ガラスの切断方法。
- 前記カッタ部材にカッタホイールを使用し、前記反力の大きさと方向に基づいて前記カッタホイールの進行方向に対して直交する方向に作用する分力を求め、該求められた分力に基づいて前記カッタホイールの進行方向に対するカッタホイールの傾き状態を判定することを特徴とする請求項1記載の板ガラスの切断方法。
- 前記カッタ部材にカッタホイールを使用し、前記反力の大きさと方向に基づいて前記カッタホイールの板ガラスに対する真の押付力を求め、該求められた真の押付力の周期的変動に基づいて前記カッタホイール形状の異常、異物かみ込みによる前記カッタホイールの回転異常を判定することを特徴とする請求項1記載の板ガラスの切断方法。
- 板ガラスに押圧されたカッタ部材を移動して板ガラスの表面に切線を加工する板ガラスの切断方法において、
前記板ガラスの表面に前記カッタ部材で切線を加工しながら前記カッタ部材の力又は加速度又は変位又は速度の振動成分を検知し、該検知された振動成分に基づいて前記切線の良否を判定することを特徴とする板ガラスの切断方法。 - 板ガラスに押圧されたカッタ部材を移動して板ガラスの表面に切線を加工する板ガラスの切断方法において、
前記カッタ部材を前記板ガラスの切線加工位置まで下降した時の前記カッタ部材が受ける反力の大きさと方向を検出し、該検出した反力の大きさと方向に基づいて前記カッタ部材が前記板ガラスの切線加工開始位置に適正に位置決めされているか否を判定することを特徴とする板ガラスの切断方法。 - 板ガラスに押圧されたカッタ部材を移動して板ガラスに切線を加工する板ガラスの切断装置において、
前記カッタ部材を介して前記板ガラスから受ける反力の大きさと方向を検出する検出部を備えたことを特徴とする板ガラスの切断装置。 - 板ガラスに押圧されたカッタ部材を移動して板ガラスに切線を加工する板ガラスの切断装置において、
前記カッタ部材を介して前記板ガラスから受ける反力の大きさと方向を検出する検出部と、
該検出部が検出した反力の大きさと方向に基づいて前記切線の良否を判定する判定部と、
を備えたことを特徴とする板ガラスの切断装置。 - 前記カッタ部材にカッタホイールを使用し、前記検出部で求めた前記反力の大きさと方向に基づいて前記カッタホイールの板ガラスに対する進行方向反力又はみかけの摩擦係数を求め、該求められたみかけの摩擦係数に基づいて前記カッタホイールの回転状態の良否を前記判定部で判定することを特徴とする請求項8記載の板ガラスの切断装置。
- 前記カッタ部材にカッタホイールを使用し、前記検出部で求めた前記反力の大きさと方向に基づいて前記カッタホイールの進行方向に対して直交する方向に作用する分力を求め、該求められた分力に基づいて前記カッタホイールの進行方向に対するカッタホイールの傾き状態を前記判定部で判定することを特徴とする請求項8記載の板ガラスの切断装置。
- 前記カッタ部材にカッタホイールを使用し、前記検出部で求めた前記反力の大きさと方向に基づいて前記カッタホイールの板ガラスに対する真の押付力を求め、該求められた分力の周期的変動に基づいて前記カッタホイール形状の異常、異物かみ込みによる前記カッタホイールの回転異常を前記判定部で判定することを特徴とする請求項8記載の板ガラスの切断装置。
- 板ガラスに押圧されたカッタ部材を移動して板ガラスの表面に切線を加工する板ガラスの切断装置において、
前記カッタ部材で前記板ガラスの表面に切線を加工する際に前記カッタ部材に発生する力又は加速度又は変位又は速度の振動成分を検知する検出部と、
該検出部が検出した前記カッタ部材の振動成分に基づいて前記切線の良否を判定する判定部と、
を備えたことを特徴とする板ガラスの切断装置。 - 板ガラスに押圧されたカッタ部材を移動して板ガラスの表面に切線を加工する板ガラスの切断装置において、
前記カッタ部材を前記板ガラスの切線加工位置まで下降した時に前記カッタ部材が受ける反力の大きさと方向を検出する検出部と、
該検出部が検出した反力の大きさと方向に基づいて前記カッタ部材が前記板ガラスの切線加工開始位置に適正に位置決めされているか否を判定する判定部と、
を備えたことを特徴とする板ガラスの切断装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05068694A JP3573216B2 (ja) | 1994-03-22 | 1994-03-22 | 板ガラスの切断方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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