JP5319505B2 - レーザ共焦点顕微鏡、及び、試料表面検出方法 - Google Patents

レーザ共焦点顕微鏡、及び、試料表面検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、レーザ共焦点顕微鏡、及び、レーザ共焦点顕微鏡を用いた試料表面の検出方法に関する。
現在、非接触で微細な表面形状を測定する装置として、レーザ共焦点顕微鏡が普及している。図8は、従来のレーザ共焦点顕微鏡の構成を例示した図である。
図8に例示されるレーザ共焦点顕微鏡100では、レーザ光源101から射出された直線偏光であるレーザ光は、入射光を偏光特性に基づいて分離する偏光ビームスプリッタ102を透過し、2次元走査手段103で偏向され、レンズ104及びレンズ105からなるリレー光学系を介して、λ/4板106に入射する。λ/4板106に入射したレーザ光は、直線偏光から円偏光に変換され、対物レンズ107を介して試料108に照射される。
試料108を反射したレーザ光は、対物レンズ107を介して入射するλ/4板106で、円偏光から直線偏光に変換される。この直線偏光の偏光面は、レーザ光源101から射出されたレーザ光の偏光面と直交している。このため、リレー光学系及び2次元走査手段103を介して、偏光ビームスプリッタ102に入射したレーザ光は、偏光ビームスプリッタ102を反射し、結像レンズ109に入射する。
結像レンズ109は、レーザ光を、対物レンズ107の焦点位置と光学的に共役な位置に配置されたピンホールを有する共焦点絞り110上に集光させ、光検出器111は、共焦点絞り110を通過したレーザ光を検出する。このような構成では、対物レンズ107の焦点位置(つまり、レーザ光の集光位置)以外からのレーザ光は、共焦点絞り110により遮断されるため、試料108の位置を焦点位置に合わせることで、試料108に完全に焦点の合った画像が得られる。
なお、試料108に照射されるレーザ光は、対物レンズ107の焦点位置にスポット状に集光するが、焦点位置は、2次元走査手段103により、対物レンズ107の光軸と直交する面内で2次元に移動することができる。このため、レーザ共焦点顕微鏡100は、2次元走査手段103を用いて試料108を2次元に走査し、その走査と同期して、光検出器111の出力から画像を形成することで、光軸と直交する面により光学的にスライスされた試料108の画像を得ることができる。また、レーザ共焦点顕微鏡100は、試料108を保持する試料台113が配置されたステージ114が光軸方向に移動することにより、試料108を光軸方向に走査することもできる。このため、レーザ共焦点顕微鏡100は、任意の光軸方向の位置で、光学的にスライスされた試料108の画像を得ることができる。なお、2次元走査手段103、光検出器111、及び、ステージ114の動作は、制御部112により制御されていて、形成された試料108の画像は、表示部115に表示される。
落射照明を用いたレーザ共焦点顕微鏡では、図8に例示されるような偏光ビームスプリッタを用いた構成が一般的である。この構成は、レーザ光源が直線偏光を射出し得るという特性を踏まえると、照明光路の一部と検出光路の一部を共通化した場合であっても、偏光特性を利用することで、高い光の利用効率を実現できるためである。このような偏光ビームスプリッタを用いた構成のレーザ共焦点顕微鏡は、例えば、特許文献1で開示されている。
図9は、試料108の対物レンズ107に対する光軸方向の相対位置(以降、Z位置と記す。)と、光検出器111からの出力(I)の関係(以降、IZ特性と記す。)を例示した図である。なお、図9では、Z位置Z0は、試料108表面が対物レンズ107の焦点位置と一致するZ位置を示している。
図9で例示されるIZ特性を示す曲線Nでは、光検出器111からの出力は、Z位置Z0で最大となる。また、試料108表面が対物レンズ107の焦点位置から離れると、光検出器111からの出力は急激に低下する。
試料表面が対物レンズ107の焦点位置と一致したときに最大の出力が得られる、このようなIZ特性を利用することで、レーザ共焦点顕微鏡は、試料108表面の位置、つまり、試料108の高さに関する情報を得ることが可能であり、試料108の表面形状を測定することができる。
また、Z位置毎に得られた試料108の画像を合成することで、試料108の高さが光軸と直交する方向で異なっている場合であっても、試料108全体に完全に焦点が合った画像、いわゆるエクステンド画像を得ることもできる。
特開2001−100103号公報
しかしながら、レーザ共焦点顕微鏡は、すべての試料に対して、上記のようなIZ特性を示すわけではない。試料表面が対物レンズの焦点位置と一致したときに、光検出器の出力が最大とならない試料が存在することも知られている。そのような試料を観察する場合、従来のレーザ共焦点顕微鏡では、試料表面を正確に検出することが困難であるため、試料の形状を正確に測定することが困難である。
例えば、断面図において、図10に例示される表面形状を有する試料108aは、図11に例示される表面形状を有する試料108bとして認識されてしまい、正確な形状が測定されない。
これは、焦点位置を光軸(Z軸)方向に移動させて各Z位置で反射したレーザ光の光量を検出すると、焦点位置が表面SF1上の点P1と一致するZ位置Z1での光量よりも、焦点位置が表面SF1の点P1と一致せずに、焦点位置が点P2と一致するZ位置Z2での光量の方が、より多く検出されるからである。
より詳細には、Z位置Z1では、表面SF1と入射光Lが直交していないため、焦点位置、且つ、集光位置である点P1を反射し対物レンズに入射するレーザ光の光量が、表面と入射光が直交している場合に比べて少ない。このため、共焦点絞りを通過し検出されるレーザ光の光量も少ない。
一方、試料108aの溝が正三角形形状であるため、表面SF1を反射した入射光Lは、表面SF2に対して直角に入射する。また、表面SF1上の点P1と対物レンズ10の光軸上の点P2の間の距離は、表面SF1上の点P1と表面SF2上の点P3の間の距離に等しい。つまり、Z位置Z2では、点P2及び点P3はいずれも対物レンズ10の焦点位置であるが、集光位置は点P3となる。このため、Z位置Z2で焦点位置(点P3)を反射し対物レンズに入射するレーザ光の光量は、Z位置Z1で焦点位置(点P1)を反射し対物レンズに入射するレーザ光の光量よりも多くなる。したがって、共焦点絞りを通過し検出されるレーザ光の光量も多くなる。
その結果、光検出器で最も多くの光量が検出され、光検出器から最も大きな出力が得られるZ位置を試料表面として認識する一般的なレーザ共焦点顕微鏡では、Z位置Z2を試料表面として誤検出する。このため、一般的なレーザ共焦点顕微鏡は、図10に例示される試料108aを図11に例示される試料108bとして認識してしまう。
以上のような実情を踏まえ、本発明では、試料表面を正確に検出することができるレーザ共焦点顕微鏡、及び、表面検出方法を提供することを課題とする。
本発明の第1の態様は、照明光を射出するレーザ光源と、試料に照明光を照射する対物レンズと、対物レンズの焦点位置と試料の間の、対物レンズの光軸方向の相対距離を変化させる焦点位置変更手段と、レーザ光源と対物レンズの間の光路上に配置され、入射光を偏光特性に基づいて分離する偏光分離手段と、偏光分離手段と対物レンズの間の光路上に固定された第1のλ/4板と、偏光分離手段と対物レンズの間の光路に対して挿脱可能に配置された第2のλ/4板と、焦点位置と光学的に共役な位置に配置された共焦点絞りと、共焦点絞りを通過した試料からの検出光を検出し、検出光の強度に応じた信号を出力する光検出器と、を含み、第2のλ/4板は、対物レンズの光軸と直交する面に対して傾斜した表面を有する溝を含む、多重反射試料を観察する場合に、偏光分離手段と対物レンズの間の光路に対して挿入されるレーザ共焦点顕微鏡を提供する。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載のレーザ共焦点顕微鏡において、さらに、第2のλ/4板が光路から取り除かれた第1の状態と、第2のλ/4板が光路に対して挿入された第2の状態とで、レーザ光源から射出される照明光の量を変化させる光源制御手段を含むレーザ共焦点顕微鏡を提供する。
本発明の第3の態様は、第1の態様に記載のレーザ共焦点顕微鏡において、さらに、第2のλ/4板が光路から取り除かれた第1の状態と、第2のλ/4板が光路に対して挿入された第2の状態とで、光検出器の露光時間を変化させる露光時間制御手段を含むレーザ共焦点顕微鏡を提供する。
本発明の第4の態様は、第1の態様に記載のレーザ共焦点顕微鏡において、さらに、第2のλ/4板が光路から取り除かれた第1の状態と、第2のλ/4板が光路に対して挿入された第2の状態とで、光検出器の感度を変化させる検出感度制御手段を含むレーザ共焦点顕微鏡を提供する。
本発明の第5の態様は、第2の態様乃至第4の態様のいずれか1つに記載のレーザ共焦点顕微鏡において、さらに、第1の状態と第2の状態の間の状態変化を検知する状態変化検知手段を含むレーザ共焦点顕微鏡を提供する。
本発明の第6の態様は、第1の態様に記載のレーザ共焦点顕微鏡において、さらに、第2のλ/4板が光路から取り除かれた第1の状態で得られる相対位置と光検出器の出力との第1の関係に基づいて、第2のλ/4板の光路への挿入の要否を判断する判断手段を含むレーザ共焦点顕微鏡を提供する。
本発明の第7の態様は、第6の態様に記載のレーザ共焦点顕微鏡において、判断手段は、第1の関係が、所定の閾値以上の出力を持つ複数の出力のピークを有するか否かにより、第2のλ/4板の挿入の要否を判断するレーザ共焦点顕微鏡を提供する。
本発明の第8の態様は、第1の態様に記載のレーザ共焦点顕微鏡において、第2のλ/4板は、対物レンズと第1のλ/4板の間の光路に対して挿脱可能に配置されるレーザ共焦点顕微鏡を提供する。
本発明の第9の態様は、第8の態様に記載のレーザ共焦点顕微鏡において、さらに、対物レンズを保持するレボルバを含み、第2のλ/4板は、レボルバ内に配置されるレーザ共焦点顕微鏡を提供する。
本発明の第10の態様は、第1の態様に記載のレーザ共焦点顕微鏡において、第1のλ/4板、及び、光路に対して挿入された第2のλ/4板は、光軸と直交する面に対して、0.1°以上の角度を成すレーザ共焦点顕微鏡を提供する。
本発明の第11の態様は、レーザ共焦点顕微鏡を用いた、対物レンズの光軸と直交する面に対して傾斜した表面を有する溝を含む多重反射試料の表面検出方法であって、対物レンズの焦点位置からの反射光を検出し、試料の対物レンズに対する光軸方向の相対位置毎に、光検出器から出力を取得する反射光検出ステップと、反射光検出ステップで得られた相対位置と出力との関係から、試料が多重反射試料か否かを判断する試料判断ステップと、試料判断ステップで試料が多重反射試料であると判断された場合に、焦点位置からの散乱光を検出し、相対位置毎に、光検出器から出力を取得する散乱光検出ステップと、散乱光検出ステップで得られた相対位置と出力との関係から、試料の表面を検出する表面検出ステップと、を含む多重反射試料の表面検出方法を提供する。
本発明の第12の態様は、第11の態様または第12の態様に記載の多重反射試料の表面検出方法において、さらに、試料判断ステップと散乱光検出ステップの間に、レーザ光源から射出される照明光の光量を増加させる光源制御ステップを含む多重反射試料の表面検出方法を提供する。
本発明の第13の態様は、第11の態様に記載の多重反射試料の表面検出方法において、さらに、試料判断ステップと散乱光検出ステップの間に、光検出器の露光時間を増加させる露光時間制御ステップを含む多重反射試料の表面検出方法を提供する。
本発明の第14の態様は、第11の態様に記載の多重反射試料の表面検出方法において、さらに、試料判断ステップと散乱光検出ステップの間に、光検出器の光電変換効率を向上させる検出感度制御ステップを含む多重反射試料の表面検出方法を提供する。
本発明によれば、試料表面を正確に検出することができるレーザ共焦点顕微鏡、及び、表面検出方法を提供することができる。
実施例1に係るレーザ共焦点顕微鏡の構成を例示した図である。 図1に例示されるレーザ共焦点顕微鏡を用いて多重反射試料を観察した場合に得られるIZ特性を例示した図である。 図1に例示されるレーザ共焦点顕微鏡を用いて多重反射試料を観察した場合に得られる他のIZ特性を例示した図である。 実施例2に係るレーザ共焦点顕微鏡の構成を例示した図である。 図4に例示されるレーザ共焦点顕微鏡により、IZ特性が有する所定の閾値以上の出力のピークをカウントする方法の一例を説明するための図である。 図4に例示されるレーザ共焦点顕微鏡を用いた多重反射試料の表面検出方法の一例を説明するためのフローチャートである。 実施例3に係るレーザ共焦点顕微鏡の構成を例示した図である。 従来のレーザ共焦点顕微鏡の構成を例示した図である。 図8に例示されるレーザ共焦点顕微鏡を用いて試料を観察した場合に得られるIZ特性を例示した図である。 多重反射試料の断面図である。 図8に例示されるレーザ共焦点顕微鏡を用いて図10の多重反射試料を観察した場合に得られる多重反射試料の断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の各実施例について説明する。
図1は、本実施例に係るレーザ共焦点顕微鏡の構成を例示した図である。図1に例示されるレーザ共焦点顕微鏡1は、照明光を射出するレーザ光源2と、偏光ビームスプリッタ3と、2次元走査手段4と、レンズ5及びレンズ6からなるリレー光学系と、λ/4板7(第1のλ/4板)と、ホルダー9に格納されたλ/4板8(第2のλ/4板)と、試料11に照明光を照射する対物レンズ10と、結像レンズ12と、共焦点絞り13と、光検出器14と、制御部15と、試料11を保持する試料台16が配置されたステージ17と、表示部18とを含んで構成されている。
レーザ光源2は、P偏光である照明光を射出するレーザ光源である。偏光ビームスプリッタ3は、レーザ光源2と対物レンズ10の間の光路上に配置された、入射光を偏光特性に基づいて分離する偏光分離手段であり、P偏光を透過し、S偏光を反射する特性を有している。
2次元走査手段4は、対物レンズ10の光軸と直交する方向に試料11を走査する走査手段である。2次元走査手段4としては、例えば、ガルバノミラーなどを用いることができる。リレー光学系は、対物レンズ10の瞳を2次元走査手段4近傍にリレーする光学系である。
λ/4板7は、入射光の偏光特性を変換する波長板であり、偏光ビームスプリッタ3と対物レンズ10の間の光路上に固定されている。λ/4板8は、入射光の偏光特性を変換する波長板であり、偏光ビームスプリッタ3と対物レンズ10の間の光路に対して挿脱可能に配置されている。ここでは、光路に対して挿脱可能なλ/4板8は、対物レンズ10と光路に固定されたλ/4板7の間の光路上に配置されているが、λ/4板7とλ/4板8の位置関係は、特にこれに限られない。
λ/4板8は、より厳密には、ホルダー9内に固定されている。ホルダー9を光路に対して挿脱することで、λ/4板8は、ホルダー9とともに光路に対して挿脱される。ホルダー9は、観察者が手動でλ/4板8を挿脱することを容易にするために設けられている。
また、λ/4板7及び光路に挿入されたλ/4板8は、それぞれ光軸と直交する面に対して、所定の角度以上、例えば、0.1度以上、の角度を成すことが望ましい。λ/4板7及びλ/4板8が傾けて配置されることにより、λ/4板7及びλ/4板8を反射した照明光が検出光路から逸れた方向に反射されるため、光検出器14へ入射するフレア等のノイズ成分を抑制することができる。
共焦点絞り13は、ピンホールを有し、対物レンズ10の焦点位置と光学的に共役な位置に配置されている。光検出器14は、ピンホールを通って共焦点絞り13を通過した試料11からの光(以降、検出光)を検出し、検出光の強度に応じた信号を出力する光検出器である。光検出器14としては、例えば、PMT(Photo Multiplier Tube)を用いることができる。
ステージ17は、試料11及び試料台16を対物レンズ10の光軸方向に移動させることにより、対物レンズ10の光軸上の焦点位置と試料11の間の光軸方向の相対距離を変化させる焦点位置変更手段であり、試料11を光軸方向に走査する走査手段である。
制御部15は、2次元走査手段4と、光検出器14と、ステージ17と、表示部18と、を制御し、試料11の画像を表示部18に表示する。
以上のように構成されたレーザ共焦点顕微鏡1は、任意の試料を観察することができる。より詳細には後述するが、λ/4板8は、多重反射試料を観察する場合には、偏光ビームスプリッタ3と対物レンズ10の間の光路に対して挿入され、それ以外の場合には、光路から取り除かれる。このため、以降では、λ/4板8が光路上から取り除かれている状態(第1の状態)を通常測定モードと記し、λ/4板8が光路に対して挿入された状態(第2の状態)を多重反射試料測定モードと記す。
多重反射試料とは、対物レンズ10側に、光軸と直交する面に対して傾斜した表面を有する溝を含む試料のことであり、断面図において、例えば、図10に例示される試料108aは多重反射試料である。なお、多重反射試料の溝の形状は、図10に例示されるような断面図において、試料108aの溝の形状のような、正三角形状に限られない。断面図において、溝は、対物レンズ10側から入射する入射光の光路上に複数の反射面を有し、そのうち少なくとも1つの反射面が対物レンズ10の光軸外に存在すれば、任意の形状を有してもよい。
多重反射試料を観察する場合、入射光が最初に入射する反射面(第1の反射面)に焦点位置(且つ集光位置)が一致した状態よりも、第1の反射面に焦点位置が一致せずに、第1の反射面を反射した光が入射する他の反射面に焦点位置(且つ集光位置)が一致した状態の方が、光検出器14で検出される検出光の光量が多いことがある。この場合、従来のレーザ共焦点顕微鏡では、試料表面を誤検出してしまう。このため、本実施例に係るレーザ共焦点顕微鏡1は、後に詳述する多重反射試料測定モードで、多重反射試料を観察する。
また、本実施例に係るレーザ共焦点顕微鏡1は、光軸の方向に複数の層を含み、最も対物レンズ10側の層の屈折率よりも大きな屈折率を有する層を含む試料の観察にも好適である。このような試料でも、試料表面に対物レンズ10の焦点位置が一致した状態よりも層間の境界面に対物レンズ10の焦点位置が一致した状態の方が、光検出器で検出される検出光の光量が多いことがあるためである。
次に、レーザ共焦点顕微鏡1の作用について説明する。
まず、λ/4板8が光路上から取り除かれている通常測定モード(第1の状態)では、レーザ光源2から射出されるP偏光である照明光は、偏光ビームスプリッタ3を透過する。偏光ビームスプリッタ3を透過した照明光は、2次元走査手段4で偏向され、レンズ5及びレンズ6からなるリレー光学系を介して、λ/4板7に入射する。λ/4板7に入射した照明光は、P偏光から円偏光に変換され、対物レンズ10を介して試料11に照射される。
試料11を反射した反射光は、円偏光として対物レンズ10に入射し、対物レンズ10を介して入射するλ/4板7で、円偏光からS偏光に変換される。このため、リレー光学系及び2次元走査手段4を介して、偏光ビームスプリッタ3に入射した反射光は、偏光ビームスプリッタ3を反射し、結像レンズ12に入射する。結像レンズ12は、対物レンズ10の焦点位置と光学的に共役な位置に配置された共焦点絞り13上に反射光を集光させる。これにより、対物レンズ10の焦点位置からの反射光のみが、ピンホールを通って共焦点絞り13を通過し光検出器14で検出される。光検出器14で検出された反射光は、電気信号に変換されて、制御部15へ出力される。この通常測定モードでは、反射光が光検出器で検出される検出光である。
制御部15が、対物レンズ10の焦点位置を、2次元走査手段4によりXY方向へ、ステージ17によりZ方向へ移動させることにより、試料11を走査する。これにより、試料11の画像は、各焦点位置からの検出光(反射光)が変換された電気信号から形成され、表示部18に表示される。
なお、多くの試料は、試料表面に焦点位置が一致した状態で最大の出力が得られるIZ特性を示す。このため、本実施例に係るレーザ共焦点顕微鏡1は、反射光を検出して得られるIZ特性に基づいて、多くの試料の試料表面を正確に検出することができる。従って、レーザ共焦点顕微鏡1の通常測定モードは、多重反射試料を除く、さまざまな種類の試料を対象とした測定モードとして使用可能であり、レーザ共焦点顕微鏡1は、基本的には通常測定モードで動作する。
一方、λ/4板8が光路に挿入されている多重反射試料測定モード(第2の状態)では、レーザ光源2から射出されるP偏光である照明光は、偏光ビームスプリッタ3を透過する。偏光ビームスプリッタ3を透過した照明光は、2次元走査手段4で偏向され、レンズ5及びレンズ6からなるリレー光学系を介して、λ/4板7及びλ/4板8に入射する。照明光は、λ/4板7によりP偏光から円偏光に変換され、λ/4板8により円偏光からS偏光に変換されて、対物レンズ10を介して試料11に照射される。
試料11を反射した反射光は、S偏光として対物レンズ10に入射し、対物レンズ10を介して、λ/4板8及びλ/4板7に入射する。反射光は、λ/4板8によりS偏光から円偏光に変換され、λ/4板7により円偏光からP偏光に変換され、リレー光学系及び2次元走査手段4を介して、偏光ビームスプリッタ3に入射する。多重反射試料測定モードでは、偏光ビームスプリッタ3に入射する反射光は、P偏光であるため、偏光ビームスプリッタ3を透過し、光検出器14では検出されない。このため、多重反射試料測定モードでは、反射光は光検出器で検出される検出光ではない。
ところで、試料11に照射された照明光の一部は、試料11の表面で散乱し、散乱光が生じる。このうち、試料11での散乱により偏光方向が乱れ、P偏光として対物レンズ10に入射した散乱光は、λ/4板8及びλ/4板7によりS偏光に変換される。より具体的には、λ/4板8によりP偏光から円偏光に変換され、λ/4板7により円偏光からS偏光に変換される。S偏光に変換された散乱光は、リレー光学系及び2次元走査手段4を介して入射した偏光ビームスプリッタ3を反射する。散乱光を検出する場合も反射光と同様に、焦点位置からの散乱光のみが、ピンホールを通って共焦点絞り13を通過し光検出器14で検出される。光検出器14で検出された散乱光は、電気信号に変換されて、制御部15へ出力される。このため、多重反射試料測定モードでは、散乱光が光検出器で検出される検出光である。
多重反射試料測定モードでも、制御部15が、対物レンズ10の焦点位置を、2次元走査手段4によりXY方向へ、ステージ17によりZ方向へ移動させることにより、試料11を走査する。これにより、試料11の画像は、各焦点位置からの検出光(散乱光)が変換された電気信号から形成され、表示部18に表示される。
図2は、図1に例示されるレーザ共焦点顕微鏡を用いて多重反射試料を観察した場合の、IZ特性を例示した図である。横軸は、試料11の対物レンズ10に対する相対位置であるZ位置(Z)を示し、縦軸は、光検出器14からの出力(I)を示している。曲線Nは、通常測定モードでのIZ特性を示し、曲線Mは、多重反射試料測定モードでのIZ特性を示している。なお、試料11は、図10に例示される多重反射試料である。
図2に例示されるように、図10に例示される多重反射試料のIZ特性を算出すると、通常測定モード(曲線N)では、焦点位置が表面SF1(点P1)に一致するZ位置Z1で得られる出力よりも、焦点位置が表面SF2(点P3)に一致するZ位置Z2で得られる出力の方が大きくなる。一方、多重反射試料測定モード(曲線M)では、焦点位置が表面SF1(点P1)に一致するZ位置Z1で得られる出力の方が、焦点位置が表面SF2(点P3)に一致するZ位置Z2で得られる出力よりも大きくなる。
このような通常測定モードと多重反射試料測定モードのIZ特性の違いは、さまざまな要因が考えられる。多重反射試料測定モードは、通常測定モードと比べて、散乱光を検出対象としているため、[1]全体的に光量が少ないこと、[2]光路長差が減衰量に及ぼす影響が大きいこと、[3]反射回数の違いが減衰量に及ぼす影響が大きいこと、などが要因として考えられる。
つまり、多重反射試料測定モードでは、反射光を検出する通常測定モードと比べて、Z位置Z1とZ位置Z2から生じる光量の差が小さく、Z位置Z2から生じる散乱光の方が、Z位置Z1から生じる散乱光よりも、それらの光量の差以上に、多く減衰することがある。このため、表面SF2(点P3)からの検出光は、表面SF1(点P1)からの検出光よりも少なくなり得る。
このように、多重反射試料では、反射光を検出して得られるIZ特性(曲線N)は、試料表面に光軸上の焦点位置が一致した状態で最大の出力を示されないが、散乱光を検出して得られるIZ特性(曲線M)は、試料表面に光軸上の焦点位置が一致した状態で最大の出力を示す。このため、本実施例に係るレーザ共焦点顕微鏡1は、散乱光を検出して得られるIZ特性に基づいて、試料表面を正確に検出することができる。従って、多重反射試料を観察する場合には、レーザ共焦点顕微鏡1は、多重反射試料測定モードで動作する。
以上、本実施例に係るレーザ共焦点顕微鏡1によれば、任意の試料の表面を正確に検出することができる。このため、試料の形状を正確に測定することができる。より詳細には、多重反射試料を観察する場合には、λ/4板8を光路上に挿入した多重反射試料測定モードでレーザ共焦点顕微鏡1を動作させることにより、試料の表面を正確に検出することができる。また、多重反射試料以外の試料を観察する場合には、λ/4板8を光路から取り除いた通常測定モードでレーザ共焦点顕微鏡1を動作させることにより、試料の表面を正確に検出することができる。
なお、本実施例に係るレーザ共焦点顕微鏡1の構成は、従来のレーザ共焦点顕微鏡の構成に、光路に対して挿脱可能なλ/4板8を追加した構成である。従って、レーザ共焦点顕微鏡1は、従来のレーザ共焦点顕微鏡を利用することができるため、容易に構成することができる。
また、一般に、λ/4板を光路に対して挿脱可能に配置する場合、λ/4板を常に同じ姿勢で光路上に配置することは非常に困難であり、λ/4板の姿勢が変化することがある。λ/4板の姿勢が変化すると、λ/4板を通過した光の偏光特性が変化するため、偏光ビームスプリッタにより分離されて光検出器に入射する検出光の光量が変化してしまう。しかしながら、本実施例に係るレーザ共焦点顕微鏡1は、光路上に固定されたλ/4板7と、光路に対して挿脱可能なλ/4板8と、を含んで構成されているため、図1に例示されるように、姿勢が変化し得るλ/4板8が光路上から取り除かれる通常測定モードでは、λ/4板7と偏光ビームスプリッタ3の間の偏光関係は常に一定の関係となる。従って、本実施例に係るレーザ共焦点顕微鏡1は、λ/4板8を挿脱が繰り返し行われても、通常使用される通常測定モードでは、常に安定した検出光の光量を得ることができる。
また、図2に例示されるように、散乱光を検出する多重反射試料測定モードでは、反射光を検出する通常測定モードと比べて、全体的に出力が小さくなる。このため、観察者がλ/4板8を手動で光路上に挿入し、レーザ共焦点顕微鏡1の測定モードが通常測定モードから多重反射試料測定モードに変化したときに、制御部15は、レーザ光源2から射出される照明光の光量を増加させてもよい。これにより、図3に例示されるように、発生する散乱光の光量が増加するため、検出される散乱光の光量が増加し、光検出器14からの出力が増加する。従って、得られるIZ特性も曲線Maで示されるIZ特性から曲線Mbで示されるIZ特性に変化し、レーザ共焦点顕微鏡1により試料表面の判定精度を向上させることができる。この場合、制御部15は、通常測定モード(第1の状態)と多重反射試料測定モード(第2の状態)とで、レーザ光源2から射出される照明光の光量を変化させる光源制御手段としても機能する。
また、レーザ共焦点顕微鏡1の測定モードが通常測定モードから多重反射試料測定モードに変化したときに、制御部15は、光検出器14の露光時間を増加させることにより、光検出器14からの出力を増加させてもよい。また、複数回試料を走査することにより、露光時間を増加させてもよい。この場合、制御部15は、通常測定モード(第1の状態)と多重反射試料測定モード(第2の状態)とで、光検出器14の露光時間を変化させる露光時間制御手段としても機能する。
また、レーザ共焦点顕微鏡1の測定モードが通常測定モードから多重反射試料測定モードに変化したときに、制御部15は、光検出器14の光電変換効率、つまり、光検出器14の検出感度を向上させることにより、光検出器14からの出力を増加させてもよい。この場合、制御部15は、通常測定モード(第1の状態)と多重反射試料測定モード(第2の状態)とで、光検出器14の感度を変化させる検出感度制御手段としても機能する。
また、観察者は、λ/4板8を手動で光路上に挿入するときに、表示部18に表示されるGUIアプリケーションを使用して、制御部15にモードの変更を通知してもよい。この場合、制御部15及び表示部18は、通常測定モード(第1の状態)と多重反射試料測定モード(第2の状態)の間の状態変化を検出する状態変化検出手段としても機能する。
また、レーザ共焦点顕微鏡1が、さらに、λ/4板8及びホルダー9の位置を検出する不図示のフォトインタラプタを含み、フォトインタラプタの検出結果を制御部15に通知してもよい。これにより、状態変化を自動的に検出し、検出結果に基づいて、上述した光源制御手段、露光時間制御手段、または、検出感度制御手段を動作させてもよい。この場合、制御部15及び不図示のフォトインタラプタは、通常測定モード(第1の状態)と多重反射試料測定モード(第2の状態)の間の状態変化を検出する状態変化検出手段としても機能する。
図4は、本実施例に係るレーザ共焦点顕微鏡の構成を例示した図である。図4に例示される本実施例に係るレーザ共焦点顕微鏡19は、ホルダー9の代わりにホルダー20を含む点と、制御部15の代わりにモード演算部21aを有する制御部21を含む点が、レーザ共焦点顕微鏡1と異なっている。また、制御部21が、レーザ光源2、2次元走査手段4、光検出器14、及び、ステージ17に加えて、ホルダー20を制御する点も、レーザ共焦点顕微鏡1と異なっている。レーザ共焦点顕微鏡19のその他の構成は、レーザ共焦点顕微鏡1の構成と同様であるので、同一の符号を付して、説明を省略する。
実施例1に係るレーザ共焦点顕微鏡1のホルダー9は、λ/4板8を内部に固定し、手動でλ/4板8毎、光路に対して挿脱されるのに対して、本実施例に係るレーザ共焦点顕微鏡19のホルダー20は、λ/4板8を移動可能に収納し、制御部15の制御により自動でλ/4板8のみを光路に対して挿脱する。より具体的には、例えば、ホルダー20は、モータを内蔵していて、制御部15がモータを駆動させることにより、λ/4板8を光路に対して挿脱する。
モード演算部21aは、λ/4板8が光路から取り除かれた通常測定モード(第1の状態)で得られる、Z位置と光検出器14からの出力の関係であるIZ特性(第1の関係)から、試料11が多重反射試料か否かを判断する。つまり、モード演算部21aは、多重反射試料か否かを判断することで、λ/4板8の光路への挿入の要否を判断する判断手段である。
モード演算部21aは、例えば、通常測定モードでのIZ特性が、所定の閾値以上の出力を持つ複数の出力のピークを有するか否かにより、λ/4板8の挿入の要否を判断してもよい。レーザ共焦点顕微鏡19は、モード演算部21aの判断に基づいて、自動的に測定モードを切替えてもよい。
以下、図5及び図6を参照しながら、レーザ共焦点顕微鏡を用いた多重反射試料の表面検出方法の一例について、具体的に説明する。本方法は、自動的に測定モードを切替える方法を含んでいる。
図5は、IZ特性が有する所定の閾値以上の出力のピークをカウントする方法の一例を説明するための図である。図6は、本実施例に係るレーザ共焦点顕微鏡を用いた多重反射試料の表面検出方法を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS1では、レーザ共焦点顕微鏡19は、λ/4板8が光路から取り除かれた通常測定モードで、Z位置毎に光検出器14からの出力データ(以降、IZデータと記す)を取得する。すなわち、対物レンズ10の焦点位置からの反射光を検出し、試料11の対物レンズ10に対する相対位置(Z位置)毎に、光検出器14から出力を取得する(反射光検出ステップ)。
次に、ステップS2からステップS6では、試料11が多重反射試料か否かを判断する試料判断ステップであり、ステップS1で得られた、Z位置と光検出器14からの出力との関係であるIZ特性から、試料11が多重反射試料か否かを判断する。
具体的には、ステップS2では、モード演算部21aは、得られたIZデータを多項式近似し、図5に例示される、通常測定モードでのIZ特性を示す曲線Nを算出する。
ステップS3では、モード演算部21aは、出力(I値)の所定の閾値THと曲線Nとの交点を算出する。その結果、図5に例示される4つの交点(交点n1、交点n2、交点n3、交点n4)が得られる。なお、所定の閾値THは、レーザ光源2からの出力などのレーザ共焦点顕微鏡19の設定に応じて、予め適切な値が選択されている。
ステップS4では、モード演算部21aは、各交点に対して、交点を中心として予め設定されているZ方向の幅wの範囲を求める。さらに、各交点に対して定められた範囲の両端における出力(I値)に基づいて、各交点(交点n1、交点n2、交点n3、交点n4)における曲線Nの傾き(傾きg1、傾きg2、傾きg3、傾きg4)を算出する。
ステップS5では、モード演算部21aは、ステップS4で得られた傾きから閾値TH以上のピークの数をカウントする。具体的には、Z位置の昇順または降順に傾きを確認し、傾きがプラスからマイナスに変化する毎にピークの数をインクリメントすることで、ピークの数をカウントする。図5に例示される曲線Nの場合、傾きg1はプラス、傾きg2はマイナス、傾きg3はプラス、傾きg4はマイナスであるので、閾値TH以上のピークの数は2となる。
ステップS6では、モード演算部21aは、ステップS5で得られたピークの数が2以上あるかどうかを判定する。ピークの数が2以上である場合、モード演算部21aは、試料11が多重反射試料であり、通常測定モードでは試料11の表面を誤検出する可能性が高いと判断し、制御部21に多重反射試料測定モードへの移行するためのモード移行信号を送信する。一方、ピークの数が2未満である場合、モード演算部21aは、試料11は、多重反射試料でなく通常測定モードであり、試料11の表面を誤検出する可能性が低いと判断し、制御部21に通常測定モードを維持するためのモード維持信号を送信する。
制御部21は、モード演算部21aからのモード移行信号を受信した場合は、ホルダー20を制御してλ/4板8を光路に挿入することで、レーザ共焦点顕微鏡19の測定モードを通常測定モードから多重反射試料測定モードへ切替える(ステップS7)。
ステップS8では、測定モードの切替えに伴って、光検出器からの出力を増加させるための調整が実施されることが望ましい。レーザ光源2から射出される照明光の光量を増加させてもよく(光源制御ステップ)、光検出器14の露光時間を増加させてもよい(露光時間制御ステップ)。または、光検出器14の光電変換効率を向上させてもよい(検出感度制御ステップ)。なお、ステップS8は省略してもよい。
ステップS9では、多重反射試料測定モードに切替えられたレーザ共焦点顕微鏡19は、再度試料11を走査することで、多重反射試料測定モードでのIZ特性を取得する。すなわち、対物レンズ10の焦点位置からの散乱光を検出し、試料11の対物レンズ10に対する相対位置(Z位置)毎に、光検出器14から出力を取得する(散乱光検出ステップ)。
ステップS10では、多重反射試料測定モードでのIZ特性の最大出力が得られるZ位置を試料11の表面として認識することで、多重反射試料である試料11の表面を正確に検出することができる(表面検出ステップ)。
また、制御部21は、モード演算部21aからのモード維持信号を受信した制御部21は、通常測定モードを維持する(ステップS11)。
ステップS12では、通常測定モードでのIZ特性の最大出力が得られるZ位置を試料11の表面として認識することで、多重反射試料ではない試料11の表面を正確に検出することができる。
なお、IZ特性のピークの数のカウント方法は、図5及び図6で例示される方法に限定されない。他の方法によりピークの数をカウントしてもよい。
以上、本実施例に係るレーザ共焦点顕微鏡19によれば、任意の試料の表面を正確に検出することを含む、実施例1に係るレーザ共焦点顕微鏡1と同様の効果を得ることができる。
さらに、本実施例に係るレーザ共焦点顕微鏡19は、試料が多重反射試料か否かを自動的に判断して、レーザ共焦点顕微鏡19の測定モードを自動的に切替える。このため、レーザ共焦点顕微鏡19は、観察者の作業負担を軽減することができる。また、レーザ共焦点顕微鏡19では、使用に当たり専門的な知識を必要としないため、すべての観察者が容易に試料表面を検出することができる。
また、本実施例に係るレーザ共焦点顕微鏡19は、自動的に測定モードを切替える代わりに、通常測定モードでのIZ特性や、演算部21aによる測定モードの切替えの要否に関する判断結果を、表示部18に表示してもよい。そして、観察者が、表示部18を確認し、測定モードの切替えを指示してもよい。
図7は、本実施例に係るレーザ共焦点顕微鏡の構成を例示した図である。図7に例示される本実施例に係るレーザ共焦点顕微鏡22は、対物レンズを保持するレボルバ23を含む点と、対物レンズ10の代わりに、レボルバ23に装着された複数の対物レンズ(対物レンズ10a、対物レンズ10b、対物レンズ10c)を含む点と、λ/4板8及びホルダー20がレボルバ23内に配置される点が、実施例2に係るレーザ共焦点顕微鏡19と異なっている。また、制御部21が、レーザ光源2、2次元走査手段4、光検出器14、ステージ17、及び、ホルダー20に加えて、レボルバ23を制御する点も、レーザ共焦点顕微鏡19と異なっている。レーザ共焦点顕微鏡22のその他の構成は、レーザ共焦点顕微鏡19の構成と同様であるので、同一の符号を付して、説明を省略する。
レボルバ23は、制御部21によって制御されることで、任意の対物レンズを光路上に選択的に挿入することができる。より具体的には、レボルバ23は、モータを内蔵していて、モータを駆動させることにより任意の対物レンズを光路に対して挿入する。
また、レボルバ23は、ホルダー20を装着するために設けられた凹部を有している。図7では、ホルダー20がレボルバ23の凹部に装着されている状態が示されているが、ホルダー20は、容易にレボルバ23から取り外すことができる。
以上、本実施例に係るレーザ共焦点顕微鏡22によれば、任意の試料の表面を正確に検出することを含む、実施例2に係るレーザ共焦点顕微鏡19と同様の効果を得ることができる。
さらに、レーザ共焦点顕微鏡22には、レボルバ23にホルダー20を装着するための凹部が設けられているため、レーザ共焦点顕微鏡19に比べて、容易に機能を拡張することができる。具体的には、当初、多重反射試料測定モードが不要であったため、ホルダー20をはずした状態で提供されたレーザ共焦点顕微鏡22のレボルバ23の凹部に、ホルダー20を装着するだけで、容易に多重反射試料測定モードの利用が可能となる。
1、19、22、100・・・レーザ共焦点顕微鏡、2、101・・・レーザ光源、3、102・・・偏光ビームスプリッタ、4、103・・・2次元走査手段、5、6、104、105・・・レンズ、7、8、106・・・λ/4板、10、10a、10b、10c、107・・・対物レンズ、11、108、108a、108b・・・試料、12、109・・・結像レンズ、13、110・・・共焦点絞り、14、111・・・光検出器、15、21、112・・・制御部、16、113・・・試料台、17、114・・・ステージ、18、115・・・表示部、9、20・・・ホルダー、21a・・・モード演算部、23・・・レボルバ、N、M、Ma,Mb・・・曲線、g1、g2、g3、g4・・・傾き、n1、n2、n3、n4・・・交点、TH・・・閾値、w・・・幅、SF1、SF2・・・表面、P1、P2・・・点、Z0、Z1、Z2・・・Z位置

Claims (14)

  1. 照明光を射出するレーザ光源と、
    試料に前記照明光を照射する対物レンズと、
    前記対物レンズの焦点位置と前記試料の間の、前記対物レンズの光軸方向の相対距離を変化させる焦点位置変更手段と、
    前記レーザ光源と前記対物レンズの間の光路上に配置され、入射光を偏光特性に基づいて分離する偏光分離手段と、
    前記偏光分離手段と前記対物レンズの間の光路上に固定された第1のλ/4板と、
    前記偏光分離手段と前記対物レンズの間の光路に対して挿脱可能に配置された第2のλ/4板と、
    前記焦点位置と光学的に共役な位置に配置された共焦点絞りと、
    前記共焦点絞りを通過した前記試料からの検出光を検出し、前記検出光の強度に応じた信号を出力する光検出器と、を含み、
    前記第2のλ/4板は、前記対物レンズの光軸と直交する面に対して傾斜した表面を有する溝を含む多重反射試料を観察する場合に、前記偏光分離手段と前記対物レンズの間の光路に対して挿入されることを特徴とするレーザ共焦点顕微鏡。
  2. 請求項1に記載のレーザ共焦点顕微鏡において、さらに、
    前記第2のλ/4板が光路から取り除かれた第1の状態と、前記第2のλ/4板が光路に対して挿入された第2の状態とで、前記レーザ光源から射出される前記照明光の量を変化させる光源制御手段を含むことを特徴とするレーザ共焦点顕微鏡。
  3. 請求項1に記載のレーザ共焦点顕微鏡において、さらに、
    前記第2のλ/4板が光路から取り除かれた第1の状態と、前記第2のλ/4板が光路に対して挿入された第2の状態とで、前記光検出器の露光時間を変化させる露光時間制御手段を含むことを特徴とするレーザ共焦点顕微鏡。
  4. 請求項1に記載のレーザ共焦点顕微鏡において、さらに、
    前記第2のλ/4板が光路から取り除かれた第1の状態と、前記第2のλ/4板が光路に対して挿入された第2の状態とで、前記光検出器の感度を変化させる検出感度制御手段を含むことを特徴とするレーザ共焦点顕微鏡。
  5. 請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載のレーザ共焦点顕微鏡において、さらに、
    前記第1の状態と前記第2の状態の間の状態変化を検知する状態変化検知手段を含むことを特徴とするレーザ共焦点顕微鏡。
  6. 請求項1に記載のレーザ共焦点顕微鏡において、さらに、
    前記第2のλ/4板が光路から取り除かれた第1の状態で得られる前記相対位置と前記光検出器の出力との第1の関係に基づいて、前記第2のλ/4板の光路への挿入の要否を判断する判断手段を含むことを特徴とするレーザ共焦点顕微鏡。
  7. 請求項6に記載のレーザ共焦点顕微鏡において、
    前記判断手段は、前記第1の関係が、所定の閾値以上の出力を持つ複数の出力のピークを有するか否かにより、前記第2のλ/4板の挿入の要否を判断することを特徴とするレーザ共焦点顕微鏡。
  8. 請求項1に記載のレーザ共焦点顕微鏡において、
    前記第2のλ/4板は、前記対物レンズと前記第1のλ/4板の間の光路に対して挿脱可能に配置されることを特徴とするレーザ共焦点顕微鏡。
  9. 請求項8に記載のレーザ共焦点顕微鏡において、さらに、
    前記対物レンズを保持するレボルバを含み、
    前記第2のλ/4板は、前記レボルバ内に配置されることを特徴とするレーザ共焦点顕微鏡。
  10. 請求項1に記載のレーザ共焦点顕微鏡において、
    前記第1のλ/4板、及び、光路に対して挿入された前記第2のλ/4板は、前記光軸と直交する面に対して、0.1°以上の角度を成すことを特徴とするレーザ共焦点顕微鏡。
  11. レーザ共焦点顕微鏡を用いた、対物レンズの光軸と直交する面に対して傾斜した表面を有する溝を含む多重反射試料の表面検出方法であって、
    前記対物レンズの焦点位置からの反射光を検出し、試料の前記対物レンズに対する光軸方向の相対位置毎に、光検出器から出力を取得する反射光検出ステップと、
    前記反射光検出ステップで得られた前記相対位置と前記出力との関係から、前記試料が前記多重反射試料か否かを判断する試料判断ステップと、
    前記試料判断ステップで前記試料が前記多重反射試料であると判断された場合に、前記焦点位置からの散乱光を検出し、前記相対位置毎に、前記光検出器から出力を取得する散乱光検出ステップと、
    前記散乱光検出ステップで得られた前記相対位置と前記出力との関係から、前記試料の表面を検出する表面検出ステップと、を含むことを特徴とする多重反射試料の表面検出方法。
  12. 請求項11に記載の多重反射試料の表面検出方法において、さらに、
    前記試料判断ステップと前記散乱光検出ステップの間に、レーザ光源から射出される照明光の光量を増加させる光源制御ステップを含むことを特徴とする多重反射試料の表面検出方法。
  13. 請求項11に記載の多重反射試料の表面検出方法において、さらに、
    前記試料判断ステップと前記散乱光検出ステップの間に、前記光検出器の露光時間を増加させる露光時間制御ステップを含むことを特徴とする多重反射試料の表面検出方法。
  14. 請求項11に記載の多重反射試料の表面検出方法において、さらに、
    前記試料判断ステップと前記散乱光検出ステップの間に、前記光検出器の光電変換効率を向上させる検出感度制御ステップを含むことを特徴とする多重反射試料の表面検出方法。
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