JP5356804B2 - ラマン散乱光測定装置 - Google Patents

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本発明は、試料が接触される試料面で全反射を起こすように試料面へ光を入射し、光の入射により発生した散乱光を高感度で検出することができるラマン散乱光測定装置に関する。
従来、試料を高分解能で観察する方法として、光を全反射することによって発生するエバネッセント光を利用する方法がある。特許文献1には、試料の表面に発生させたエバネッセント光に微小な探針を接近させて散乱光に変換することにより、試料の微小構造を観察することを可能にする近接場顕微鏡が開示されている。また特許文献2には、試料の表面近傍で入射光を全反射させ、エバネッセント光を試料に浸透させ、エバネッセント光が励起光となって試料から発生する蛍光を観察する全反射蛍光顕微鏡が開示されている。また蛍光分析と同様に、ラマン分光分析でも全反射を利用することができる。エバネッセント光が浸透する深さは非常に短いので、全反射を利用することにより、試料表面を選択的に分析することが可能となる。
図5は、全反射を起こすように光を入射する従来の入射光学系の一部を示す模式図である。入射光学系は、NA(開口数)が大きい集光レンズ61を備え、表面に試料Sが載置されているスライドガラス64と集光レンズ61との間にイマージョンオイル63が満たされている。更に入射光学系はダイクロイックミラー62を備え、レーザ光Lをダイクロイックミラー62で反射して集光レンズ61へ入射する構成となっている。レーザ光は、集光レンズ61の光軸に略平行に、集光レンズ61の周縁部分に入射され、集光レンズ61によって屈折され、スライドガラス64の内部でスライドガラス64の表面へ入射される。入射光学系は、スライドガラス64の表面への入射角が臨界角以上となるように構成されており、レーザ光Lはスライドガラス64の表面で内部全反射し、再び集光レンズ61の周縁部分を通って集光レンズ61外へ出射し、ダイクロイックミラー62で反射される。レーザ光Lが内部全反射することにより、スライドガラス64の表面でエバネッセント光が発生し、スライドガラス64の表面に載置された試料Sにエバネッセント光が浸透する。エバネッセント光と試料Sとの相互作用により、例えばラマン散乱光Rが発生する。発生したラマン散乱光Rは、集光レンズ61の光軸に沿って出射し、ダイクロイックミラー62を通過し、ミラー65で反射され、光検出器66で検出される。このような入射光学系を用いることにより、ラマン分光分析でも、試料Sの表面を選択的に分析することができる。
特開2004−101424号公報 特開2002−236258号公報
前述のように、全反射を起こすように光を入射してラマン分光分析を行うための入射光学系では、励起用のレーザ光Lをダイクロイックミラー62で反射させ、ラマン散乱光Rはダイクロイックミラー62を通過させることによって、ラマン散乱光Rを測定可能にしている。ところが、ダイクロイックミラー62で反射させるべき励起用のレーザ光Lと、ダイクロイックミラー62を通過させるべきラマン散乱光Rとでは、波長が近いので、両者を分離する効率が悪いという問題がある。またラマン散乱光Rは強度が微弱であり、ダイクロイックミラー62を通過することによって更にラマン散乱光Rが減衰するので、検出感度が低下するという問題がある。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ダイクロイックミラーを使わずに励起光と散乱光とを分離することによって、散乱光の検出感度を向上させることができるラマン散乱光測定装置を提供することにある。
本発明に係るラマン散乱光測定装置は、任意の試料が接触される平面状の試料面を有する透光部材を備え、前記試料面で全反射が行われるように前記試料面へ光を入射し、試料からのラマン散乱光を測定するラマン散乱光測定装置において、単波長の光束を発生させる発生手段と、環状に形成してあり、前記試料面の法線の内で全反射点を通る所定の法線である中心線が開口部分を通る位置に配置してあり、前記透光部材へ光束を入射させるために、前記発生手段が発生した光束を入射され、前記中心線から所定距離以上離して前記中心線に平行に光束を反射させる反射鏡と、該反射鏡へ入射される光束の光路を平行移動させる手段と、前記反射鏡が前記中心線に平行に反射させた光束の光路を屈曲させることにより、光束が前記全反射点で全反射するように光束を前記透光部材内に入射させる屈曲部材と、前記光束が全反射することにより発生したエバネッセント光が試料に作用することによって発生したラマン散乱光を検出する手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係るラマン散乱光測定装置は、前記屈曲部材は、前記反射鏡が前記中心線に平行に反射させた光束を前記全反射点へ集光させる集光レンズであり、該集光レンズは、光軸を前記中心線に一致させて配置してあることを特徴とする。
本発明においては、ラマン散乱光測定装置は、試料が接触する平面状の試料面を有する透光部材と、試料面に直交した中心線から所定距離以上離して中心線に平行に光束を反射させる反射鏡と、光束を屈曲させて、試料面で全反射するように透光部材内に光束を入射させる屈曲部材とを備える。反射鏡は、中心線に交差しない位置に配置してあり、中心線に沿って透光部材から放出されたラマン散乱光は反射鏡に妨げられない。
また本発明においては、ラマン散乱光測定装置は、環状の反射鏡を備え、反射鏡の開口部分を中心線が通るように反射鏡が配置されている。
また本発明においては、ラマン散乱光測定装置は、光軸が中心線に一致した集光レンズを屈曲部材として備え、集光レンズは、反射鏡が反射した光束を透光部材の被試料面に集光させる。
本発明にあっては、反射鏡が励起光である光束を反射させる一方で、試料から発生して中心線に沿って放出されたラマン散乱光は反射鏡で妨げられずに通過し、ラマン散乱光が測定可能になる。光束とラマン散乱光とは、光学部品を用いずに空間的に分離されるので、本発明では、両者を効率的に分離することが可能となる。また分離時には、ラマン散乱光は光学部品を通過しないので、本発明ではラマン散乱光の検出感度を向上させることが可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る本発明の入射光学系を含むラマン散乱光測定装置の構造を示す概略図である。本発明の入射光学系1は、試料Sを載置される透光部材11と、集光レンズ(屈曲部材)12と、環状ミラー(反射鏡)21とを備えている。透光部材11は、透光性の材料を平板状に形成してなり、試料Sが載置される平板状の試料面111を有する。集光レンズ12は、光軸に平行に入射された光を集光させる凸レンズであり、集光レンズ12は、試料面111を正面とした透光部材11の背面側に、光軸の延長線が試料面111に直交するように配置されている。また透光部材11と集光レンズ12との間の空間にはイマージョンオイル13が満たされている。透光部材11、集光レンズ12及びイマージョンオイル13の屈折率は略同一であり、開口数が1.4以上の値になるように屈折率及び集光レンズ12の形状が定められている。更に集光レンズ12は、光軸に平行に入射された光が集光する焦点が試料面111上に位置するような位置に配置されている。試料面111の法線の内、集光レンズ12の焦点を通る法線を中心線14とする。このように、集光レンズ12の光軸は中心線14に一致する。なお、本発明ではイマージョンオイル13に代えて他の液浸材を用いてもよい。また焦点が試料面111上に位置するように構成できるのであれば、集光レンズ12が透光部材11に接触し、イマージョンオイル13が省かれた構成であってもよい。
図2は、環状ミラー21の形状を示す模式図であり、図2(a)は環状ミラー21の正面図を示す。環状ミラー21は、平板環状に形成されており、反射面211を有し、開口部212が形成されている。反射面211と開口部212とは同心状になっている。環状ミラー21は、反射面211が集光レンズ12に対向し、開口部212の中心を中心線14が通る位置に配置されている。図2(b)は、環状ミラー21を集光レンズ12側から見た図を示す。ラマン散乱光測定装置は、レーザ光(光束)Lを発光するレーザ光源31を備えており、環状ミラー21は、レーザ光源31からのレーザ光Lを中心線14に平行に反射させるように、中心線14に対する傾きが定められている。
環状ミラー21により中心線14に平行に反射されたレーザ光Lは、まず集光レンズ12へ入射される。集光レンズ12の光軸に一致する中心線14が開口部212の中央を通るように環状ミラー21が配置されているので、レーザ光Lは、開口部212の半径に応じた所定の距離以上中心線14から離れて反射される。環状ミラー21で反射されたレーザ光Lは、光軸から離れた集光レンズ12の周縁部に入射される。レーザ光Lは、更に、集光レンズ12で屈折され、透光部材11内へ入射される。集光レンズ12の光軸に平行に入射された光が集光する焦点が試料面111上に位置しているので、透光部材11内へ入射されたレーザ光Lは透光部材11内において試料面111で反射する。レーザ光Lの試料面111に対する入射角が臨界角以上である場合は、レーザ光Lは試料面111で内部全反射する。臨界角は透光部材11の屈折率によって定まっている。本発明の入射光学系1は、レーザ光Lが試料面111で内部全反射するように構成されている。具体的には、集光レンズ12へのレーザ光Lの入射位置と試料面111上の焦点とを通る直線の試料面111に対する入射角が臨界角以上となるような位置に、透光部材11、集光レンズ12及び環状ミラー(反射鏡)21が配置されている。試料面111上の焦点はレーザ光Lが内部全反射する全反射点となり、中心線14は、試料面111の法線の内で全反射点を通る法線となる。
試料Sは、試料面111上の中心線14が通る位置に載置される。レーザ光Lが試料面111で内部全反射する際には、全反射点でエバネッセント光が発生する。発生したエバネッセント光は、試料面111に接触した試料S内に浸透し、エバネッセント光と試料Sとの相互作用によりラマン散乱光Rが発生する。エバネッセント光は全反射点で発生するので、試料面111上の全反射点に接触した試料Sの部分からラマン散乱光Rが発生する。
試料Sの試料面111に接した部分で発生したラマン散乱光Rは、試料面111から透光部材11内へ進入し、透光部材11、イマージョンオイル13及び集光レンズ12内を通過して集光レンズ12外へ放出される。ラマン散乱光Rは中心線14上にある全反射点の近傍で発生し、また集光レンズ12の光軸は中心線14に一致するので、ラマン散乱光Rは、中心線14に沿って集光レンズ12外へ放出される。中心線14に沿ったラマン散乱光Rは、環状ミラー21で反射されたレーザ光Lと平行になり、レーザ光Lの迷光が混ざり難い。中心線14は環状ミラー21の開口部212を通っているので、中心線14に沿ったラマン散乱光Rは、環状ミラー21の開口部212を通過する。
ラマン散乱光測定装置は、環状ミラー21の開口部212を通過したラマン散乱光Rを通過させるレイリーカットフィルタ32、レンズ33及び分光器34を備える。レイリーカットフィルタ32は、レーザ光源31が発光するレーザ光Lと同波長のレイリー散乱光をラマン散乱光Rから除去し、レンズ33は、ラマン散乱光Rを集光して分光器34へ入射させる。
またラマン散乱光測定装置は、CCD(Charge Coupled Device )光センサ又は光電子増倍管を用いてなる光検出器35を備える。分光器34は、入射したラマン散乱光Rを分光し、光検出器35は、分光器34が分光したラマン散乱光Rを検出する。ラマン散乱光測定装置は、更に、光検出器35が接続されたコンピュータ4を備える。光検出器35は、検出したラマン散乱光Rの光量に対応する電気信号をコンピュータ4へ入力する。なお、光検出器35は、その他の光センサを用いてなる構成であってもよい。
コンピュータ4は、パーソナルコンピュータ(PC)等の汎用コンピュータを用いて構成されている。コンピュータ4は、分光器34が接続されており、分光器34へ必要な制御信号を送信することにより、分光器34が入射されたラマン散乱光Rの中から取り出すラマン散乱光Rの波長を制御する処理を行う。光検出器35は、分光器34が取り出したラマン散乱光Rを検出し、検出したラマン散乱光Rの光量を示す電気信号をコンピュータ4へ入力する。コンピュータ4は、光検出器35からの電気信号を受け付け、分光器34が取り出したラマン散乱光Rの波長をラマンシフトに変換し、ラマンシフトと光検出器35が検出したラマン散乱光Rの光量とを関連付けて記憶する。またコンピュータ4は、分光器34が取り出すラマン散乱光Rの波長を変化させながら光検出器35からの電気信号を順次受け付け、各ラマンシフトに対応するラマン散乱光Rの光量を記憶することにより、ラマンスペクトルを取得する処理を行う。
本発明では、光軸が中心線14に一致した高NAの集光レンズ12を用いることにより、中心線14から離れた周縁部に中心線14に平行に入射されたレーザ光Lを集光して透光部材11の試料面111で内部全反射させ、更に中心線14に沿ったラマン散乱光Rを通過させる。また環状ミラー21を利用することにより、レーザ光Lを反射面211で中心線14に平行に反射する一方で、中心線14に沿ったラマン散乱光Rは開口部212を通過させる。このように、本発明では、環状ミラー21が励起光であるレーザ光Lを反射させる一方でラマン散乱光Rを通過させることにより、ラマン散乱光Rを測定可能にしている。レーザ光Lとラマン散乱光Rとは、ダイクロイックミラー等の光学部品によって波長の違いに応じて分離されるのではなく、空間的に分離されるので、本発明では、両者を効率的に分離することが可能である。また分離時には、ラマン散乱光Rは開口部212内の空間を通過するだけであり、光学部品を通過しないので、本発明では、分離によってラマン散乱光Rが減衰することがなく、ラマン散乱光Rの検出感度を向上させることができる。
なお、本実施の形態のラマン散乱光測定装置は、環状ミラー21で反射されるレーザ光Lが中心線14に平行である状態を保ちながら、環状ミラー21へ入射されるレーザ光Lの光路を移動させる機構を備えた形態であってもよい。この形態では、ラマン散乱光測定装置は、環状ミラー21へ入射されるレーザ光Lの光路を平行移動させる構成となっている。環状ミラー21へ入射されるレーザ光Lの光路が平行移動したとしても、環状ミラー21で反射されたレーザ光Lは、中心線14に平行であり、集光レンズ12で集光されて透光部材11内へ入射され、試料面111で反射する。ラマン散乱光測定装置は、環状ミラー21へ入射されるレーザ光Lの光路が移動可能な範囲を、レーザ光Lの試料面111に対する入射角が臨界角以上になる範囲内に限定する構成となっている。従って、透光部材11へ入射されたレーザ光Lは試料面111で全反射する。環状ミラー21へ入射されるレーザ光Lの光路が平行移動することにより、レーザ光Lが集光レンズ12へ入射される位置が変化するので、レーザ光Lの試料面111に対する入射角が臨界角以上の範囲内で変化する。レーザ光Lの入射角が変化することにより、全反射により発生するエバネッセント光が試料Sに浸透する深さが変化し、試料S内でラマン散乱光Rが発生する部分の深さが変化する。従って、試料Sの表面からの深さが異なった部分からのラマン散乱光Rを測定することができ、試料S内の深さ方向の物質分布等、試料Sを深さ方向に分析することが可能となる。
(実施の形態2)
実施の形態2では、環状ミラー以外のミラーを用いた形態を示す。図3は、実施の形態2に係る本発明の入射光学系を含むラマン散乱光測定装置の構造を示す概略図である。本実施の形態に係る入射光学系1は、環状ミラーの代わりに二つのエッジミラー(反射鏡)22,23を備えてなる。エッジミラー22,23は、部材を切断した切断面に反射膜を蒸着した構造であり、反射面の面積は集光レンズ12の投影面積よりも小さくなっている。エッジミラー22は、レーザ光源31からのレーザ光Lを中心線14に平行に反射させて集光レンズ12に入射させる位置に配置されている。エッジミラー23は、試料面111での全反射後に集光レンズ12から出射された中心線14に平行なレーザ光Lを反射させる位置に配置されている。またエッジミラー22,23は、中心線14が通る位置を避けて配置されている。エッジミラー22で反射されるレーザ光Lは、エッジミラー22の中心線14からの距離に応じた所定の距離以上中心線14から離れて反射される。ラマン散乱光測定装置のその他の構成は実施の形態1と同様であり、対応する部分に同符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態でも、エッジミラー22,23を用いて、集光レンズ12の周縁部に中心線14に平行にレーザ光Lを入射させ、レーザ光Lを透光部材11の試料面111で内部全反射させ、試料面111に載置された試料Sからラマン散乱光Rを発生させることができる。レーザ光Lはエッジミラー22で中心線14に平行に反射される一方で、中心線14に沿ったラマン散乱光Rは、エッジミラー22,23が存在していない空間を通過する。このように、本実施の形態では、エッジミラー22が励起光であるレーザ光Lを反射させる一方で、ラマン散乱光Rを通過させることにより、ラマン散乱光Rを測定可能にしている。レーザ光Lとラマン散乱光Rとは、空間的に分離されるので、本発明では、両者を効率的に分離することが可能である。また分離時には、ラマン散乱光Rは光学部品を通過しないので、本発明ではラマン散乱光Rの検出感度を向上させることができる。
なお、本発明の構成は、エッジミラー22,23を用いた構成に限るものではなく、中心線14が通る位置を避けた構成であれば、エッジミラー22,23の位置にその他のミラーを配置した構成であってもよい。
(実施の形態3)
実施の形態3では、集光レンズを用いない形態を示す。図4は、実施の形態3に係る本発明の入射光学系を含むラマン散乱光測定装置の構造を示す概略図である。本実施の形態に係る入射光学系1は、集光レンズを備えておらず、角錐台の形状に形成された透光部材51を備えてなる。透光部材51は、角錐台の底面を試料面511とし、試料面511に平行な頂面512と、試料面511に対して鋭角に傾いた側面513とを有する形状になっている。環状ミラー21は、試料面511及び頂面512の法線に平行にレーザ光Lを反射させるように配置されている。また入射光学系1は、環状ミラー21が反射させたレーザ光Lを、側面513に直交するように反射させ、透光部材51内へ入射させるミラー(屈曲部材)52を備える。試料面511の法線の内、透光部材51内へ入射されたレーザ光Lが試料面511で反射する反射点を通る法線を中心線14とする。即ち、環状ミラー21は、中心線14に平行にレーザ光Lを反射させる。更に入射光学系1は、側面513に直交して透光部材51から出射したレーザ光Lを中心線14に平行に反射させるミラー53を備える。
透光部材51は、側面513に直交して内部に入射されたレーザ光Lが試料面511で全反射するように構成されている。具体的には、側面513に直交する直線の試料面511に対する入射角が臨界角以上となるように、透光部材51が形成されている。即ち、中心線14は、試料面511の法線の内、試料面511でレーザ光Lが内部全反射する全反射点を通る法線である。ラマン散乱光測定装置のその他の構成は実施の形態1と同様であり、対応する部分に同符号を付してその説明を省略する。レーザ光Lが試料面511で内部全反射することにより、試料面511でエバネッセント光が発生し、試料面511に載置された試料Sでラマン散乱光Rが発生する。発生したラマン散乱光Rは、試料面511から透光部材51内へ進入し、中心線14に沿って頂面512から放出され、環状ミラー21の開口部212を通過し、分光器34及び光検出器35で検出される。
本実施の形態においても、中心線14に平行なレーザ光Lをミラー52で反射させて透光部材51内へ入射させ、レーザ光Lを透光部材51の試料面511で内部全反射させ、試料面511に載置された試料Sからラマン散乱光Rを発生させることができる。中心線14に沿って透光部材51の頂面512から放出されたラマン散乱光Rは、環状ミラー21の開口部212を通過する。このように、本実施の形態でも、環状ミラー21が励起光であるレーザ光Lを反射させる一方でラマン散乱光Rを通過させることにより、ラマン散乱光Rを測定可能にしている。レーザ光Lとラマン散乱光Rとは、空間的に分離されるので、本発明では、両者を効率的に分離することが可能である。また分離時には、ラマン散乱光Rは光学部品を通過しないので、本発明ではラマン散乱光Rの検出感度を向上させることができる。
なお、本実施の形態においては、環状ミラー21を用いた形態を示したが、これに限るものではなく、本発明は、環状ミラー21の代わりにエッジミラーを備えた形態であってもよい。
また以上の実施の形態1〜3においては、試料Sを透光部材の試料面に載置する形態を示したが、本発明の構成は、透光部材の試料面が天側になる構成に限るものではない。本発明の構成は、透光部材の試料面で発生するエバネッセント光が試料Sに浸透できるように試料Sが試料面に接触する構成であればよい。例えば、本発明の入射光学系は、透光部材の試料面を天側以外の方向に向け、試料Sを試料面に面着させる構成であってもよい。
また以上の実施の形態1〜3においては、本発明の入射光学系1はラマン散乱光測定装置を構成する構成物であるとしたが、これに限るものではない。本発明の入射光学系は、光が試料面で全反射することによって試料Sを分析できる方法であれば、ラマン効果以外の現象を測定する測定装置で利用してもよい。例えば、フォトルミネセンス又は蛍光を測定する装置に本発明の入射光学系1を組み込んでもよい。
実施の形態1に係る本発明の入射光学系を含むラマン散乱光測定装置の構造を示す概略図である。 環状ミラーの形状を示す模式図である。 実施の形態2に係る本発明の入射光学系を含むラマン散乱光測定装置の構造を示す概略図である。 実施の形態3に係る本発明の入射光学系を含むラマン散乱光測定装置の構造を示す概略図である。 全反射を起こすように光を入射する従来の入射光学系の一部を示す模式図である。
符号の説明
11、51 透光部材
111、511 試料面
12 集光レンズ
14 中心線
21 環状ミラー(反射鏡)
212 開口部
22、23 エッジミラー(反射鏡)
31 レーザ光源
34 分光器
35 光検出器
4 コンピュータ
52 ミラー(屈曲部材)
L レーザ光
R ラマン散乱光
S 試料

Claims (2)

  1. 任意の試料が接触される平面状の試料面を有する透光部材を備え、前記試料面で全反射が行われるように前記試料面へ光を入射し、試料からのラマン散乱光を測定するラマン散乱光測定装置において、
    単波長の光束を発生させる発生手段と、
    環状に形成してあり、前記試料面の法線の内で全反射点を通る所定の法線である中心線が開口部分を通る位置に配置してあり、前記透光部材へ光束を入射させるために、前記発生手段が発生した光束を入射され、前記中心線から所定距離以上離して前記中心線に平行に光束を反射させる反射鏡と、
    該反射鏡へ入射される光束の光路を平行移動させる手段と、
    前記反射鏡が前記中心線に平行に反射させた光束の光路を屈曲させることにより、光束が前記全反射点で全反射するように光束を前記透光部材内に入射させる屈曲部材と
    前記光束が全反射することにより発生したエバネッセント光が試料に作用することによって発生したラマン散乱光を検出する手段と
    を備えることを特徴とするラマン散乱光測定装置
  2. 前記屈曲部材は、前記反射鏡が前記中心線に平行に反射させた光束を前記全反射点へ集光させる集光レンズであり、
    該集光レンズは、光軸を前記中心線に一致させて配置してあること
    を特徴とする請求項1に記載のラマン散乱光測定装置
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