JP5317682B2 - 画像加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録材上の画像を加熱する画像加熱装置に関し、特に温度制御に関する。
このような画像加熱装置の形態の一つとして、特許文献1に示されるように、熱容量の小さな加熱ベルトを用い、加熱ベルトに接触する加圧ローラとの間に形成される加熱ニップ部で画像を加熱する方法がある。この方法では、加熱ベルトの熱容量が小さいために省エネに優れる。
特開平3−208076
しかしながら、加熱ベルトを用いる画像加熱装置では、加熱ベルトの温度を安定させることが難しい。図2は、加熱ベルトを用いる画像加熱装置の一例を示すものである。図2中、加熱ベルト3と加圧ローラ(加圧部材)3で形成される加熱ニップ部2に対向して、加熱ベルト3へ熱を供給するヒータ3が設けられる。
さて、画像加熱装置において、安定した加熱動作を行うためには、加熱ベルト3の温度を安定させることが最も重要である。特に、加熱後の画像の光沢は、加熱ベルト3の温度の影響を大きく受け、近年では写真印刷の需要が増えてきていることもあり、従来よりも加熱ベルト3の温度を安定して制御することが重要となっている。
加熱ベルトを用いる画像加熱装置において、加熱ベルト3温度を決める要因とは、ヒータ4の温度、ヒータ4と加熱ベルト3の間の熱抵抗、加熱ベルト3と加圧ローラ2の間の熱抵抗、加圧ローラ2の温度、が主なものである。
また、加熱ベルト3に摺擦されるヒータ4の磨耗を軽減し長寿命化するために、ヒータ4の表面に保護層5を設ける構成とした場合、ヒータ4と加熱ベルト3との間の熱抵抗が大きく、熱が伝わり難い。そのため、加熱ベルト3の温度は加圧ローラ2の影響を大きく受けることになる。
また、画像加熱装置の小型化を進める為に加圧ローラ2を小径にすると、加圧ローラ2の熱容量が小さくなり、加圧ローラ2の温度変動が速く、大きくなる。これらの結果として、加熱ベルト3の温度は加圧ローラ2の温度変化に伴って変化しやすくなってしまう。
従来の定着装置では、定着装置の立ち上げ(ウォームアープ)後、ヒータ4の温度を一定に保つように制御しているだけで、加熱ベルト3の温度も概ね安定していた。しかし、小型長寿命を追求した結果、従来の制御方法のままでは加熱ベルト3の温度を安定させることが困難となってきている。
このような課題を解決するためには、加圧ローラ2の状態に応じて、ヒータ3の温度制御を行う必要がある。ただし、上述のように加熱ベルト3の温度は加圧ローラ2の温度だけでなく加熱ベルト3と加圧ローラ2間の熱抵抗にも依存する。この熱抵抗は、加圧ローラ2のゴム硬度などによって変化してしまうため、単純に加圧ローラ2の温度を測定するだけでは不十分である。
上記課題を解決するために本発明は、記録材上のトナーニップ部にて加熱する加熱ベルトと、前記加熱ベルトとの間で前記ニップ部を形成するとともに前記加熱ベルトを回転駆動する駆動回転体と、前記加熱ベルトを介して前記駆動回転体に対向配置され前記加熱ベルトを加熱するヒータと、前記ヒータの温度を検知する第1のセンサと、画像加熱処理時において前記ヒータの温度が目標温度となるように前記第1のセンサ出力に基づいて前記ヒータへ供給る電力を調整する調整手段と、前記加熱ベルトの温度を検知する第2のセンサと、を有する画像加熱装置であって
前記調整手段は、前記加熱ベルトを所定温度に上昇させるまでのウォームアップ時に前記第1のセンサにより検知された温度Thと前記第2のセンサにより検知された温度Tsを用いて式1により前記ヒータの目標温度Thtgtを算出し、これをウォームアップ終了直後に行われる画像加熱時の前記ヒータの目標温度として設定することを特徴とする。

Tstgtは記録材の種類に応じて予め決められた前記加熱ベルトの目標温度
τsは定数
本発明によれば、加熱ベルトを用いる画像形成装置において、加圧部材の温度変化の影響を抑え、加熱ベルトの温度を安定させることができる。
〔画像形成装置の全体構成〕
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図1を用いて、本発明の実施形態について説明する。図1は、電子写真方式を用いた本実施形態の画像形成装置100の断面図である。図中の16から19は、画像形成カートリッジであり、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報に対応したトナー像(トナー画像)を形成する。画像形成カートリッジで形成されたトナー像は、20から23に示す一次転写部で順次中間転写体26へ転写されて、中間転写体26でフルカラーのトナー像となる。中間転写体26の上に形成されたトナー像は、中間転写体としての中間転写ベルト26の回転により二次転写部24へ運ばれる。二次転写部24では、給紙部25から搬送されてくる記録用紙(記録材)へトナー像を転写し、トナーを転写された記録用紙は定着装置1に運ばれトナーは記録用紙上に加熱定着される。以上の工程を経て、記録用紙上(記録材上)に可視化された画像が形成される。また、画像形成装置100には、画像形成される記録用紙の種類を設定するための操作パネル28が設けられる。
操作パネル28は図11に示すように、普通紙(坪量64g/m〜105g/m)、厚紙(坪量106g/m〜130g/m)、光沢紙、封筒を選択するためのボタンが設けられる。更に、図1に示す様に、画像形成装置100の外気温度を測定する外気温度センサ29が設けられる。
〔定着装置構成〕
本発明の画像加熱装置としての定着装置1についてより詳しく説明する。図2に本実施形態の定着装置1の断面図を示す。定着装置1は、ヒータ加圧部材9、ヒータ4、第1のセンサとしてのヒータ温度検知センサ6、第2のセンサとしての加熱ベルト温度検知センサ7、加熱ベルト3、駆動回転体としての加圧ローラ2、などからなる。加熱ベルト3を内側から加熱するヒータ4は、図3に示すようにセラミック基板10の上に抵抗体11を印刷形成したものである。抵抗体11が形成されている面の裏側には、保護層5が設けられ、ヒータ4と記録用紙加熱部材3の間の摩擦を低減している。つまり、ヒータ4の加圧ベルト3に対向する面に保護層5が設けられ、磨耗を軽減している。また、セラミック基板10、抵抗体11、保護層11によって、加熱部が形成される。本実施例では、保護層5は厚さ6μmのポリイミド樹脂である。なお、保護層5のポリイミド樹脂の厚さとしては、熱抵抗と対磨耗性を考慮して3μmから50μmとすると良い。また、熱抵抗を考慮して、保護層5の厚さは3μmから9μmが良い。ヒータ4の取り付け方向は、抵抗体11がヒータホルダー8に面する方向である。ヒータホルダー8とヒータ加圧部9はヒータ4を加圧ローラ2に向けて、つまり、加熱ベルト3と加圧ローラ2に挟まれた定着ニップ部(加熱ニップ部)Nに向けて付勢する部材である。図示されていないがヒータ加圧部材9の両端はバネにより支持されており、約300Nの力でヒータ4を加圧ローラ2に向けて加圧している。加熱ベルト3は、直径25mm、厚さ約35umの金属素管にシリコーンゴムを約300umの厚さで塗布したもので加圧ローラ2の回転につられて従動回転する。加圧ローラ2は、径20mmのアルミニウム製中空円筒の周りに約3mm厚のシリコーンゴムを塗布したものである。この加圧ローラ2にはヒータや温度検知センサは設けられておらず、加熱ベルト3を介してヒータ4からの熱伝導のみによって加熱される。また、加圧ローラ2はモータMにより、ギア列を介して駆動される。
定着装置1には温度検知センサとして、ヒータ4の温度を検知するヒータ温度センサ6と、加熱ベルト3の裏面の温度を測定する加熱ベルト温度検知センサと7の二つが設けられている。どちらも本実施形態の場合NTCサーミスタであり、長手方向の中央に設けられている。
なお、本明細書中、長手方向とは加熱ベルト3の回転軸方向である。ヒータ温度センサ6はヒータ4の表面に接するように取り付けられており、加熱ベルト温度センサ7は板バネによって加熱ベルト3の内側に接触するように設けられている。定着装置1の稼動中は、図2の矢印Aの方向に加圧ローラ2が回転し、二次転写部24でトナー像を転写された記録用紙Pは、図2の矢印B方向に向かって搬送される。記録用紙Pは、定着ニップ部Nで加熱及び加圧され、トナー像が記録用紙P上に定着される。なお、定着装置1は図2の状態から反時計回りに約90度回転した状態で画像形成装置100に取り付けられる。
〔温度制御〕
1.制御装置
次に、定着装置1を制御するための制御回路13について説明する。制御回路13は、図1では図示されていないが、図1にて画像形成装置100の背面に設置されている。図4に制御回路13の定着装置1の制御に関する部分を抜き出した概要図を示す。制御回路13は、制御プログラムが書き込まれているMPU14、ヒータ4への電力をon/offするためのTRIAC15などからなる。ヒータ温度センサ6と加熱ベルト温度センサ7は、MPU14に内蔵のAD変換器に接続されていて、ヒータ4や加熱ベルト温度センサ3の温度変化を抵抗変化として読み取る。詳しくは後で説明するが、MPU14では読み取った温度に応じてヒータ4へ通電する時間と通電しない時間との割合を調整する。通電割合に相当する電源交流波形の位相角の時に、TRIAC15をon/offすることで、ヒータ4に投入(供給)される電力を調整し、温度を制御している。
また、図10に本実施例で行われる制御に関するブロック図を示す。調整手段としての制御回路13は、ヒータ温度センサ6および加熱ベルト温度センサ7に検知された温度にもとづいて、モータMの駆動、電源Eからヒータ8への通電を制御する。
2.立ち上げ(ウォームアップ)制御
MPU14に組み込まれている制御について説明する。図5に示すフローが定着装置1の立ち上げ時に実施する立ち上げ(ウォームアップ)制御に関する処理を、図6に示すフローが立ち上げ後の定着動作時実施する定着制御に関する処理を表す。また、図8に、以下に説明する本実施形態の立ち上げ制御および後述する定着時制御を行った場合の定着装置1の各部の温度推移を示す。
まず、定着装置1の立ち上げ制御について概要を説明する。立ち上げ制御は、ヒータ4への通電が開始されてから、加熱ベルト3が後述の目標温度Tstgtに到達するまでに行われる制御である。
最初に画像形成装置100の外気温度と定着を行う記録用紙Pの種類から、表1を用いて記録用紙加熱部材3の目標温度Tstgtを決める(S01)。記録用紙の坪量によって熱容量や吸熱の良さが変わるため、目標温度Tstgtもそれにあわせて変化させる。本実施例の場合は、記録用紙の情報は利用者が用紙種類を選択する方法を取るため、図7のように画面上の表記に対応してTstgtを決めている。本実施形態では、「普通紙」とは坪量が64g/mから105g/mの記録用紙、「厚紙」とは坪量が106g/mから130g/mの記録用紙である。
stgtが決まったら、続いて図5に従って加圧ローラ2の回転と、ヒータ4へ通電を開始し(S02,S03)、加熱ベルト3の温度を目標とするTstgt付近まで加熱する。立ち上げ時のヒータ4への通電は、TRIAC15を完全にONとした状態で行う。実際のヒータ4での発熱量は、電源電圧の振れや抵抗体11の抵抗ばらつきによって振れ、本実施例の定着装置1では850Wから1140W程度である。この立ち上げ時の通電は、加熱ベルト3の温度TがTstgt−5℃未満の間続ける(S07)。この間は、ヒータ4の温度Tと加熱ベルト3の温度Tを一定間隔(所定の経過時間)で取得し(S04,S05)、MPU14の主記憶部に記録しておく(S06)。本実施例では、1秒間に15回の頻度で記録を行っている。加熱ベルト3の温度TがTstgt−5℃に達した時点で(S07)、記録してあるTとTからヒータ4の通紙中目標温度Thtgt(1)を決める演算を行い(S08)、続く定着動作へ移る(S09)。なお、本実施例で「立ち上げ」とは、S02の動作開始から、S07の加熱ベルト3の温度が目標温度Tstgtに達するまでの期間を言う。Thtgt(1)の1は、1枚目の意である。本発明では、発熱体4の目標温度Thtgt(1)を決定する方法に特徴があり、後の「(ii)定着制御の詳細」の項で詳しく説明する。
3.定着時制御
(i)定着時制御の概要
続いて、図6の定着制御について説明する。定着時制御とは、加熱ベルト3が目標温度Tstgtに到達した後であって、定着ニップ部Nで記録用紙Pに形成されたトナー像を加熱する際の温度制御である。二次転写部24から搬送されてくる記録用紙Pを通紙する間、加熱ベルト3の温度を一定に保つことがこの制御の主な目的である。まず、1枚目の記録用紙が定着装置1を通過する間であるが、ヒータ4の温度Tが図5の立ち上げ制御で決めたThtgtとなるように制御を行う。具体的には、ヒータ4の温度Tを取得し(S11)、TがThtgtよりも1℃低ければ(高ければ)、ヒータ4への投入電力を2.5%増やす(減らす)という動作を0.1秒毎に繰り返す(S12)。このようにすることで、ヒータ4の温度をThtgtに保つことができる。
記録用紙Pの後端が定着装置1から出た時に(S13)、加熱ベルト3の温度Tを測定する(S14)。TがTstgtと異なっていた場合、式(1)に示すようにずれ量
をヒータ4の目標温度Thtgtへ足し合わせる(S15)。
(1)
2枚目の記録用紙Pが定着装置1を通過する間は、ヒータ4の温度Tが式(1)のようにして決めたThtgt(2)となるようにヒータ4への投入電力を調節する。同様にして、n枚目通紙時のヒータ4の目標温度Thtgt(n)をn−1枚目の記録用紙後端通過時の加熱ベルト3の温度Tで決める。このようにすることで、定着通紙動作開始から、全ての記録用紙Pの定着が終わるまでの間、加熱ベルト3の温度Tをほぼ一定の温度に保つことができる。全ての記録用紙Pの定着が完了したら(S16)、ヒータ4への通電をoffとし(S17)、加圧ローラ2の回転も停止する(S18)。以上が定着制御の動作概要である。
前記のように、本発明に関わる定着装置1では、ヒータ温度センサ6と加熱ベルト温度センサ7を使い分けて制御を行っている。このように制御する理由を記す。まず、ヒータ4への通電の制御をヒータ4の温度Tを用いて行う理由であるが、電力により実際に発熱する抵抗体11からなるべく熱伝導のよい場所で温度を検知したいためである。本実施例の構成では、発熱する抵抗体11から加熱ベルト3の間の熱抵抗が比較的大きく、ヒータ4への通電を行ってから加熱ベルト温度センサ7で温度変化として検知できるまで1秒近くかかる。このような構成の場合、加熱ベルト温度センサ7で検知した温度でヒータ4への投入電力を決めると、数秒周期での大きな温度脈動が発生してしまい、記録用紙Pの光沢ムラとして現れてしまう。熱的に抵抗体11に近い場所にある、ヒータ温度センサ6を用いてヒータ4への通電の制御を行えば、このような温度脈動は発生しなくなる。
一方で、記録用紙上のトナーを溶かして記録用紙Pに定着させるという観点からは、加熱ベルト3の温度を管理することが重要である。「発明が解決しようとする課題」の欄で説明したように、本実施例の構成ではヒータ4から加熱ベルト3までの熱抵抗が大きいこと、また加圧ローラ2の熱容量が小さいという特徴から加熱ベルト3の温度を安定させることが難しい。
図9は、本実施例の立ち上げ制御および定着制御を行った場合のヒータ4および加熱ベルト3の温度変化を示す図である。縦軸は温度、横軸は時間を表し、ゼロ点(時刻ゼロ)は加熱ベルト3が表1に示される目標温度Tstgtよりも5℃低い温度に到達した時を示す。細線はヒータ4の温度、太線は加熱ベルト3の温度をそれぞれ示している。加熱ベルト3が目標温度Tstgtに到達するまでの立ち上げ制御では、ヒータ3には最大電力が投入され、ヒータ4および加熱ベルト3は昇温を続ける。加熱ベルト3が目標温度Tstgtに到達して定着制御に移行すると、ヒータ4の温度は下げられ、この温度に維持される。この結果、加熱ベルト3は目標温度Tstgtに維持される。なお、定着制御においてヒータ3が維持される温度(定着制御時のヒータの目標温度Thtgt)は、次項「(ii)定着時制御の詳細」で詳しく説明する。
また、図10は本実施例の定着制御を行わなかった場合の加熱ベルト3の温度変化を示す図である。図9と同様に、縦軸は温度、横軸は時間を表し、ゼロ点(時刻ゼロ)は加熱ベルト3が表1に示される目標温度Tstgtよりも5℃低い温度に到達した時を示す。細線はヒータ4の温度、太線は加熱ベルト3の温度をそれぞれ示している。この比較例では、時刻ゼロにおけるヒータ3の温度を、定着制御時に維持している。その結果、加熱ベルト3はヒータ4によって過剰に加熱され、目標温度Tstgtよりも温度が高くなってしまう。
このような問題を解決するため、本実施例では、加熱ベルト温度センサ 7を設けて、直接、加熱ベルト3の温度を検知できるようにして、加熱ベルト温度センサ7で温度管理を行い、ヒータ温度センサ6で電力の制御を行うという方法を取っている。
以上のように、本発明に関わる定着装置では、ヒータ4への通電を制御するための温度センサと、加熱ベルト3の温度を管理するための温度センサを使い分けていることを大きな特徴とする。このように温度センサを使い分けるシステムにおいては、ヒータ4の目標温度Thtgtを適切に選ぶことが非常に重要となっている。特に、立ち上げ直後、1枚目を通紙する時のヒータ4の目標温度Thtgt(1)を適切に選ぶことが最大の課題であり、以下にThtgt(1)の決め方を説明する。
(ii)定着時制御の詳細
本実施例では、Thtgt(1)を次の式(2)に示す方法で決めている。
(2)
この演算は、ヒータ4に一定電力で通電して、加熱ベルト温度センサ7の検知温度TがTstgt−5℃に達した時点で行っている。T、T、dT/dtはこの時点での
ヒータ温度センサ6の検知温度、加熱ベルト温度センサ7の検知温度、加熱ベルト温度センサ7の検知温度の変化量を時間で微分したものである。また、τはあらかじめ決まっている定数、Tstgtは加熱ベルト3の目標温度である。dT/dtの演算は、「(
2)立ち上げ(ウォームアップ)制御」の項で説明した加熱ベルト3の温度記録を使えばよく、本実施例では単純に1秒前の加熱ベルト温度センサ7の検知温度と最新のものの差を取っている。
続いて、前出の式(2)のようにしてThtgt(1)を決めると良い理由を記す。まず、図に定着装置1の熱伝導をモデル化したものを示す。記号の意味は、それぞれ、TとCが発熱体4の、TとCが加熱ベルト3の、TとCが加圧ローラ2の温度と熱容量である。また、Pはヒータ4の発熱、Pはヒータ4から加熱ベルト3へ流入する熱流、Pは加熱ベルト3から加圧ローラ2への熱流である。そして、RとRがそれぞれヒータ4−加熱ベルト3間の熱抵抗と加熱ベルト3−加圧ローラ2間の熱抵抗である。なお、以下、T、T、Tの単位は〔℃〕、P、P、Pの単位は〔W〕、R、Rの単位は〔℃/W〕、C、C、Cの単位は〔J/℃〕である。この系において、熱伝導方程式は以下のとおりである。
(3)
(4)
(5)
(6)
加熱ベルト3の温度が一定になるようにするためには、次の式(7)の条件となればよい。
(7)
この式(7)の条件で、式(3)〜式(6)を解くと、ヒータ4の温度Tを次の式(8)のように推移させれば加熱ベルト3の温度Tが一定になることがわかる。
(8)
(9)
この結果から、1枚目のヒータ4の目標温度Thtgt(1)を決めるためには、T−T(0)を立ち上げ動作中に求めればよいことがわかる。加圧ローラ2に温度センサがついていれば、T−Tを測定結果から決めることができてしまうが、本実施例のように加圧ローラ2の温度を直接測れない場合は次のようにする。
式(5)から、一定電力をヒータ4に投入している立ち上げ動作中は式(11)の関係を満たしている。
(10)
(11)
とTは測定可能であるので、この結果を式(8)に代入すれば、1枚目の目標温度Thtgt(1)を決めることができる。
(12)
τ≡Cとすれば、式(2)が求まる。
ここで、τを決める方法について説明する。まず初めに、概算値を求める。τ=C
であるので、まずCとRの概算値を求める。Cは加熱ベルト3の熱容量であるので、加熱ベルト3の質量と比熱から求める。本実施例においては、C=20(J/K)程度である。一方の熱抵抗Rは、次のようにして求めることができる。まずヒータ4の温度を一定に保つように制御を行う。このときに、ヒータ4に投入されている電力Pと、ヒータ4と加熱ベルト3の温度差T−Tを測定する。R=(T-T)/P
であるので、Rをもとめることができる。本実施例では、T=210(℃)、T=150(℃)の時にP=250(W)程度であり、これらの実験結果から、概算値として、τ=4〜5(秒)を得ることができる。
つづいて、得られた概算値から、τの正確な値を求める。τ=5(秒)という概算値で図5、図6に示す制御をおこない、τを微調整する。制御を行った結果、S14で温度を取得したときに、目標温度Tstgtよりも加熱ベルト3の温度Tが高くなるようであれば、τをやや大きな値に調整する。逆に目標温度よりも低くなるのであれば、τをやや小さく調整する。何度かを調整することで、加熱ベルト3の温度が目標温度に合うτを決めることができる。このようにして調整した結果、本実施例においては、τ=4.35(秒)と決定した。
ヒータ温度センサ6を用いてヒータ4へ通電する電力を制御し、定着装置1の温度管理は加熱ベルト温度センサ7を用いて行う方法を取ることで、加熱ベルト3の温度を安定して制御することが可能となった。また本発明の特徴として、ヒータ4の目標温度Thtgtを、ヒータ4とは別部材である加熱ベルト3の温度変化を時間で微分した値を用いて決めることに大きな特徴がある。このように制御を行うことで、図8に示すように加熱ベルト3の温度を定着装置立ち上げ直後から安定して制御することが可能となった。
(実施例2)
実施例1の「(ii)定着時制御の詳細」で示した式(2)の方法でヒータ4の目標温度Thtgt(1)を決めると加熱ベルト3の温度を安定して制御できることを示した。しかしながら、式(2)では記録用紙によって奪われる熱量を考慮していない。そのため、式(2)の方法では、薄紙や普通紙といった記録用紙の場合は加熱ベルト3の温度を安定して制御することができたが、厚紙など吸熱の大きな記録用紙の場合には加熱ベルト3の温度が下がってしまう。
本実施例では、この問題を解決するために、式(13)に示す方法でヒータ4の目標温度Thtgt(1)を決める。
(13)
は、記録用紙が加熱ベルト3から奪う熱量に相当し、表2に示すように記録用紙の種類ごとに異なる。また、式(13)中のTp以外の値は、実施例1で説明した方法で取得する。本実施例では、ヒータ4の目標温度Thtgt(1)を決定するための式が異なる以外は、全て実施例1と同じである。
このようにすることで、記録用紙の種類に応じて適切なヒータ4の目標温度が選ばれ、どのような紙種であっても加熱ベルト3の温度を安定して制御することができる。
画像形成装置の断面を示す図である。 定着装置の断面を示す図である。 ヒータの構成を示す図である。 制御回路の概要を示す図である。 立ち上げ制御を説明するためのフローチャートである。 定着時制御を説明するためのフローチャートである。 定着装置の各構成部品間の熱伝導モデルを説明する図である。 本発明を実施した場合の定着装置の各構成部品の温度推移を示す図である。 本発明の比較例の定着装置の各構成部品の温度推移を示す図である。 本発明の制御回路のブロック図である。 記録用紙の種類を設定するための操作パネルを示す図である。
符号の説明
1 定着装置
2 加圧ローラ
3 加熱ベルト
4 ヒータ
5 保護層
6 ヒータ温度センサ
7 加熱ベルト温度センサ
13 制御部
E 電源
M モータ

Claims (1)

  1. 記録材上のトナーニップ部にて加熱する加熱ベルトと、前記加熱ベルトとの間で前記ニップ部を形成するとともに前記加熱ベルトを回転駆動する駆動回転体と、前記加熱ベルトを介して前記駆動回転体に対向配置され前記加熱ベルトを加熱するヒータと、前記ヒータの温度を検知する第1のセンサと、画像加熱処理時において前記ヒータの温度が目標温度となるように前記第1のセンサ出力に基づいて前記ヒータへ供給る電力を調整する調整手段と、前記加熱ベルトの温度を検知する第2のセンサと、を有する画像加熱装置であって
    前記調整手段は、前記加熱ベルトを所定温度に上昇させるまでのウォームアップ時に前記第1のセンサにより検知された温度Thと前記第2のセンサにより検知された温度Tsを用いて式1により前記ヒータの目標温度Thtgtを算出し、これをウォームアップ終了直後に行われる画像加熱時の前記ヒータの目標温度として設定することを特徴とする画像加熱装置。

    Tstgtは記録材の種類に応じて予め決められた前記加熱ベルトの目標温度
    τsは定数
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