JP5317173B2 - 異形断面条鋼の製造方法 - Google Patents
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Description
硬質な素材を圧延によって異形断面条に成形する場合には、軟質な素材の場合と比べて圧延荷重が増大してロール摩耗が多くなるとともに、厚肉部と薄肉部との板厚差(段差)が大きくなると1パスでの圧延成形が困難となり複数パスの圧延を余儀なくされている。これらの要因により、硬質な素材の異形断面条はコストが高くなり、大きな段差を付与できないという課題が出てきている。
そのため、被圧延材の加熱から圧延、冷却にいたるまでをある種の雰囲気中で行う必要があるが、そのような処置をする場合には、加熱装置と圧延機の全体が雰囲気ガスで覆われるようにシールドしなければならず、製造装置のコストが高くなるという問題がある。
また、特許文献2では、加熱した潤滑油内でコイル状の素材を加熱した後に圧延を行う方法が提案されている。
また、特許文献2で提案された方法では、潤滑油内から引き上げて圧延ラインの入側リールにコイルを設置する際に素材表面に酸化スケールが発生してしまう問題が出てくる。
本発明は、このような酸化スケールの発生を抑制して、連続的に被圧延材を加熱、圧延して異形断面条鋼を製造する方法を提供するものである。
Li珪酸塩連続均一皮膜の厚みは、Si付着量換算で0.05〜1g/m2とし、被圧延材の加熱温度は300〜650℃とすることが好ましい。なお、本発明で「均一」とは膜厚が略均等であることを意味する。素材被圧延材の表面状態によって「略均等」としたものである。
また、Li珪酸塩を含む水溶液を塗布する前段階で被圧延材の端面を潰しておいたり、被圧延材のC反りを矯正しておいたりすることが好ましい。
また、Li珪酸塩を含む水溶液をスプレー塗布した被圧延材の表面にゴムローラーを押し当てて前記Li珪酸塩を含む水溶液を被圧延材表面に均等に付着させた後に加熱して乾燥しているため、被圧延材の表面がフラットでない場合でもゴムの弾性変形により均一な厚みのLi珪酸塩皮膜を形成することができ、その皮膜厚のコントロールが容易なためLi珪酸塩を無駄に使用することがない。
その過程で、Li珪酸塩の皮膜が鋼に対する酸化スケール発生の抑制効果を有することを見出し、本発明に到達した。すなわち、Li珪酸塩の皮膜は、従来知られているように緻密な構造を有していることから大気中で加熱しても外部からの酸素の侵入を阻止する効果が高い。本発明でもこの効果を利用するものである。
一般的なアルカリ珪酸塩の中でもLi珪酸塩は、より低温での焼成が可能であり、しかも他のアルカリ珪酸塩と比べて溶融温度が高いので、より高温での耐酸素侵入防止効果が維持される。
焼成により形成されるLi珪酸塩皮膜は、一般式Li2O・nSiO2・xH2Oで表される物質を主体とした皮膜であり、吸着水や構造水の形で水分を多く保持している。この水分は焼成温度が高くなるにつれて抜けていき、皮膜の硬さも増大する。水分が多い状態の皮膜は硬さが低いので厳しい加工を施した場合に皮膜が凝集的に剥離してしまうことがある。したがって、厳しい加工が必要な場合には、皮膜中のH2O成分が焼成によりある程度以上に抜けた状態の皮膜であることが望ましい。
なお、圧延は300℃以上の温間で行われるため、上記焼成は、ライン内に特別に焼成工程を設けることなく、圧延の前の加熱時に行うことができる。
このように圧延速度が速い場合でも被圧延材の表面にLi珪酸塩皮膜を均一厚さで形成する必要がある。
このため、均一厚さのLi珪酸塩皮膜を形成する塗布法を工夫することが必要である。
Li珪酸塩皮膜の厚みを調整する方法としては、エアーなどを吹き付ける方法や、固定された板や冶具で被圧延材を挟む方法でも良い。前者ではエアーの圧力や吹き付ける方向などでLi珪酸塩皮膜の厚みを調整する。後者では固定された板や冶具の間隙などを変更することでLi珪酸塩皮膜の厚みを調整する。
通常の圧延ラインにスプレーとゴムローラーを付設した態様を図2に例示する。図2中、6がスプレー8とゴムローラー9からなるLi珪酸塩皮膜形成装置であり、その下流に加熱装置7を備えている。
また、Li珪酸塩は、被圧延材に塗布した後に焼成させた際に素材とLi珪酸塩皮膜との間にSi−Li−O系反応層を形成してFeの拡散を阻害して酸化スケール発生の抑制に寄与している。炭素鋼の場合は、この反応層にFe成分も含まれているが、このような状態で650℃を超えた温度下に曝すと逆に酸化物層が成長して酸化スケールが発生する事態となる。つまり、異形断面圧延時での材料変形抵抗を低下させるために被圧延材を加熱する温度は650℃以下にしなければならない。しかし、被圧延材を650℃まで加熱すれば材料変形抵抗は常温の場合の約1/2まで低下するため、常温の場合と比べて同じ圧延荷重で約2倍の段差を与えることができ、硬質な材料であっても高段差な異形断面条を製造することが可能となる。
そこで、Li珪酸塩含有水溶液を付着させる前段階で、例えば図5に示す方法で被圧延材の端面を潰す、あるいは例えば図6に示す方法でC反りを矯正することが好ましい。
なお、被圧延材表面に前工程の冷間圧延等で使用したミルオイル等が付着している場合など、板幅全体に均一にLi珪酸塩含有水溶液を付着させることが困難な場合には、必要に応じて塗布前にアルカリ脱脂等を行うことが得策である。
被圧延材の加熱温度は、加熱によってテンパーカラーの発生する温度として300℃、400℃、600℃、800℃とし、比較として常温での圧延も行った。
各種条件で圧延を行った結果のまとめを表1に示す。
これに対して、Li珪酸塩の付着量が0.05g/m2未満の場合、いずれの加熱温度においてもテンパーカラーが着色していた。すなわち酸化皮膜が形成されていた。またLi珪酸塩を塗布した後、ゴムローラーで押しこまないで付着量を調整しない場合(No.11、21、31、41)は、被圧延材の板幅方向で0.1〜2g/m2と付着量にバラツキが発生しており、付着量が1g/m2を超える部分については、テンパーカラーが着色しており、圧延時に皮膜が剥離したことによって鋼素地が露出したものと推測された。一方、加熱温度が800℃の場合は、Li珪酸塩の付着量によらず全てテンパーカラーが着色していた。
以上の結果より、本発明の加熱温度300〜650℃においてテンパーカラーの発生しないLi珪酸塩の付着量は0.05〜1.0g/m2であることが判明した。
5:ワークロール 6:Li珪酸塩皮膜形成装置 7:加熱装置
8:スプレー 9:ゴムローラー 10:ピンチロール
11:端面矯正ロール 12:C反り矯正ロール
Claims (5)
- 幅方向に関して異なる板厚を有した異形断面条鋼を前記厚肉部に対応した位置に凹部を有する溝付きロールを少なくとも上下ワークロールの一方に設置して圧延によって製造する際に、被圧延材表面にLi珪酸塩の連続均一皮膜を形成した後、当該連続均一皮膜を有する被圧延材を加熱して圧延することを特徴とする異形断面条鋼の製造方法。
- Li珪酸塩連続均一皮膜の厚みをSi付着量換算で0.05〜1g/m2とし、被圧延材の加熱温度を300〜650℃とする請求項1に記載の異形断面条鋼の製造方法。
- Li珪酸塩連続均一皮膜を、Li珪酸塩を含む水溶液をスプレー塗布した被圧延材の表面にゴムローラーを押し当てて前記Li珪酸塩を含む水溶液を被圧延材表面に均等に付着させた後に加熱して乾燥することによって形成する請求項1または2に記載の異形断面条鋼の製造方法。
- Li珪酸塩を含む水溶液を塗布する前段階で被圧延材の端面を潰す請求項3に記載の異形断面条鋼の製造方法。
- Li珪酸塩を含む水溶液を塗布する前段階で被圧延材のC反りを矯正する請求項3に記載の異形断面条鋼の製造方法。
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