JP5316215B2 - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、中間転写体にインクジェット方式で画像を形成し記録媒体に転写することで記録媒体上に画像を形成する画像形成装置及び画像形成方法に関する。
インクジェット記録方式は、インクを吐出する方式としてピエゾ方式に代表される可動アクチュエータ方式やサーマル方式に代表される加熱膜沸騰方式などがあるが、いずれも微小ノズルを通してインクを液滴化し、画像情報に応じて紙等の記録媒体に付着させる方式である。
このようなインクジェット記録方式は、電子写真記録技術などに比べ構成の簡便さから、プリンタ、ファクシミリ、及び複写装置等への適用範囲が拡大しつつある。また、カタログや請求書などの印刷に使用させるプロダクションプリンティングや、電気回路形成、バイオテクノロジーへの応用など、新たな領域への発展が期待されている。
インクジェット記録方式では、作像エンジンの主要部分が記録ヘッド、インク、及び記録用紙のみから構成されるために非常に簡易な構成ではあるが、記録ヘッドに近接された領域での記録用紙搬送に伴い、紙粉や埃などがノズルに部付着し易い。
その結果、ノズルから吐出される液滴の飛翔方向が乱れたり、ノズル自体が閉塞したりすることで、画像品質や信頼性を著しく損ないやすい。また、複数色のインクを用いるカラーインクジェット記録方式においては、異なる色のインクが隣接して被記録材に付与されたときに、インク同士が境界部で混ざり合ってしまい、カラー画像の品位を低下させる現象(以下、「ブリーディング」という)が発生する。
ブリーディングを防ぐ方法として、インクの紙への浸透性を上げカラーインク同士が記録用紙表面で混ざり合うことを防止する方法(たとえば特許文献1参照)、黒色インクとカラーインクが触れた際に黒色インクの顔料が凝集する効果を持たせた方法(例えば特許文献2参照)、インク吐出の直前工程で記録用紙の表面に滲み防止剤を塗布する方法(たとえば特許文献3参照)などが知られている。
これらの手法では、ブリーディングによる影響を軽減させることが可能であるが、紙粉や埃などによるノズル部の汚染を防ぐことはできない。
このような手法に対して、ノズルの信頼性を向上させ、ブリーディングによる影響を軽減させるアプローチとして、中間転写方式のインクジェット技術が提案されている。
特許文献4では、インク吸収剤としての粉体を予め中間転写体に付与する方式が提案されている。この方式によれば転写時の記録用紙でのインク滲みの抑制効果が期待でき、且つ記録ヘッドへの紙粉や埃自体の混入を抑制することが可能である。
しかしながら一方で、粉体層へインクが着弾する際に吸収剤を巻き上げてしまい、記録ヘッドを汚染してしまうという問題があった。
特許文献5や特許文献6では、インクを凝集させる機能を有した液体を中間転写体上に予め付与する方法が提案されている。このような方法により、記録用紙上でのブリーディングの抑制効果と、紙粉や埃などによるノズル汚染の抑制する効果を得ることが可能である。
上述とは別の課題として、インクジェット記録方式における色再現性を高める課題が存在する。近年、インクジェット記録方式の用途が、写真印刷などのパーソナルな用途に加えカタログやダイレクトメールの印刷など多岐にわたるようになり、色再現性に対する要求が益々高まっている。
従来のインクジェット記録方式では、一般にシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色インクを基本として用い、各色の面積率を変えることによって様々な色を再現している。しかしながら、このような基本的なインクジェット記録方法では、インクの重なり面積の違いやインク吐出順序の違いによって再現される色が変化する問題がある。
インク吐出順序による色味の違いは特に往復運動によって印刷を行うシリアルスキャン方式のインクジェットにおいて顕著に現れ問題となる。
これに関して、図16を用いて説明する。往路では色1(例えばマゼンタ)を先に吐出し続いて色2(例えばシアン)を吐出すると、紙Sに浸透したインクは模式的に図16(a)のようになる。同図において、符号100は色1のインクが浸透した部分、101は色2のインクが浸透した部分であり、発色としては色1が支配的となる。
これに対して、復路では、色2が先に吐出され色1がその後に吐出される。この結果、図16(b)に示すように記録紙Sに浸透し、発色としては色2が支配的となる。
吐出順序による色味の違いを解決するために、カラーのインクジェットヘッドを2種類ずつ設ける方法(たとえば特許文献7参照)が提案されている。この方法ではインクジェットヘッドをより多く必要とするためコストアップにつながる問題がある。
これに対して、特許文献8では、異なるインクを吐出する複数のインクジェットヘッドを用い、各ヘッドから吐出されるインクを着弾前に衝突させて混合させる方式が提案されている。
この方式においては、異なるインクを着弾前に均一に混ぜることが可能であるため、吐出順序による色の違いやインクの重なり面積による色の違いが無く、色再現性に優れるインクジェットプリンタを提供することが可能となる。
しかしながら、着弾前にインクを衝突させるためには非常に高い精度でインクを吐出することが必要となる。インクの吐出状態はインクの乾燥、ノズルの形状、ノズル部撥水膜のダメージ、気泡の混入などによって大きな影響を受けるため、安定的に高い精度で吐出したインクを互いに衝突させることは非常に困難である。
特許文献3、特許文献5、特許文献6のように、ブリーディングを防止させるために凝集作用を利用する画像形成装置または画像形成方法においては、凝集量(色材が凝集している度合い)にムラが生じやすく、これが画像のベタ部などで色ムラとして現れる問題がある。
本発明は、上述のような現状に鑑みてなされたもので、紙粉や埃によるインクジェット記録ヘッドへのダメージを受けることが無い中間転写体を用いたインクジェット記録方式による画像形成装置において、ブリーディングによる色滲みの影響を抑えつつ、凝集ムラが無く色再現性の高い画像形成装置および画像形成方法を提供することを、その主な目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、インクを吐出するノズルを有し、
複数色の導電性インクを吐出する記録ヘッドと、前記ノズルとの間に前記導電性インクか
らなる液柱のブリッジを一時的に形成することが可能な間隔を有し、前記導電性インクの
吐出による画像形成が可能な導電性の表面を有する中間転写体と、前記導電性インクと前
記導電性の表面との間に、前記液柱のブリッジに含まれる水を電気分解することが可能な
電位を印加する電位印加手段と、前記中間転写体に形成されたインク画像を記録媒体に転
写する転写手段と、形成する画像に応じて前記電気分解量を制御する制御装置と、を有することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記制御装置は、前記電位印加手段の電位を、形成する画像に応じて制御する印加電位制御部を有することを特徴とする。
ここでは特に、電気分解量を簡単にかつ安定的に制御することを目的としている。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の画像形成装置において、前記制御装置は、前記ノズルから前記導電性インクを吐出するための駆動信号として、形成する画像に応じて複数の異なる駆動信号を生成する駆動信号生成部を有することを特徴とする。
ここでは特に、多数のノズルから成るインクジェット記録ヘッドを利用することを可能とし、且つ、印字速度を速くすることを目的とする。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像形成装置において、前記制御装置は、形成する画像の文字部、細線部、画像エッジ部のうち少なくとも1つを画像特徴点として抽出する画像抽出部を有することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、複数色の導電性インクを記録ヘッドのノズルから吐出して、導電性の表面を有する中間転写体上にインク画像を形成する工程と、前記中間転写体に形成されたインク画像を記録媒体に転写する工程とを有し、前記導電性インクと前記導電性の表面との間に電位が印加されている状態で、前記ノズルと前記中間転写体との間に前記導電性インクからなる液柱のブリッジを一時的に形成すると共に、前記液柱のブリッジに含まれる水を電気分解することにより、前記中間転写体にインク画像を形成する画像形成方法であり、形成する画像に応じて前記電気分解の量を制御することを特徴とする。
本発明によれば、形成する画像に応じてインク中に含まれる色材の凝集量を制御することが可能となる。これによって、ブリーディングを抑制したい印刷箇所においては凝集量を大きくすることでブリーディングを抑え、色再現性を高めたい箇所においては凝集量を小さくすることで色再現性を高め凝集ムラを減らすことが可能となる。
本発明によれば、ノズルと中間転写体表面との間の印加電位量を形成する画像に応じて制御することが可能である。印加電位量は容易にかつ安定的に制御可能であるため、簡便で安定的に凝集量を制御可能な画像形成装置を実現できる。
本発明によれば、多数のノズルを有する記録ヘッドにおいても、各ノズルを駆動する波形は独立に制御可能であるため、それぞれの凝集量を独立に制御することが可能である。よって、上述した効果を有する画像形成装置において、印字速度を速くすることができる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概要構成図である。 記録ヘッドの構成及び中間転写体との位置関係を示す模式図である。 制御系統の一部を示すブロック図である。 インクドット形成のプロセスを示す模式図である。 印加電位量が高い状態で隣接する箇所に異なる色のインクが印字されたときの状態を示す模式図である。 印加電位量が低いもしくは無い状態で隣接する箇所に異なる色のインクが印字されたときの状態を示す模式図である。 制御装置の詳細を示すブロック図である。 電気分解量(凝集度)と画像との関係を説明するための図である。 電気分解量(凝集度)と画像との関係を説明するための図である。 記録ヘッドの変形例を示す図である。 記録ヘッドの圧電素子駆動波形と液の吐出状態との関係を示す図で、液柱が形成される駆動波形の場合を示す模式図である。 記録ヘッドの圧電素子駆動波形と液の吐出状態との関係を示す図で、液滴が形成される駆動波形の場合を示す模式図である。 記録ヘッドの圧電素子の駆動信号を示す図である。 圧電素子の駆動信号において維持時間を変えて液柱に通電する電荷量の変化を測定した結果を示す図である。 他の実施形態における制御装置の詳細を示すブロック図である。 インク吐出順序の違いによって再現される色が変化する問題を説明するための模式図である。
以下、本発明の実施形態を図を参照して説明する。
図1に本実施形態に係る画像形成装置の概要構成を示す。この画像形成装置は、導電性インクを吐出する記録ヘッド1、導電性の表面を有する中間転写体としての中間転写ドラム2、記録媒体としての記録用紙Sを加圧搬送して中間転写ドラム2上の画像を記録用紙Sに粘着転写する転写手段としての加圧ローラ3並びに中間転写ドラム2の表面を初期化する初期化手段4等を備えている。
記録ヘッド1は、YMCK各色のインクを吐出可能な4つのヘッド1Y(イエロー)、1M(マゼンタ)、1C(シアン)、1K(ブラック)から構成される。加圧ローラ3は図示しない金属製の芯金を有し、紙搬送力確保のために該芯金の表層に5mm厚のゴム層を設けている。
初期化手段4においては、転写後に中間転写ドラム2の表面に付着残留したインク成分等を除去するために、フッ素ゴム製のクリーニングブレード(不図示)が当接されている。
各記録ヘッド1のノズル板(後述)と中間転写ドラム2との間には、電位供給手段としての電源5によって電位差が維持されている。これによって、後に詳述するように、各記録ヘッド1から吐出されるインクが、記録ヘッド1ノズル面と中間転写ドラム2との間に液柱のブリッジを一時的に形成することによって通電を行うことが可能となっている。
中間転写体としてはドラム形態に限らず、無端ベルト状のものやシート状のものなどでも構わない。中間転写体の表面材料としては、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ニトリルブタジエンゴム、イソプレンゴムなどのゴム材料にカーボンブラックやカーボンナノチューブ、金や銀などの金属微粒子を混入させた導電性ゴムを用いることが可能である。
但し、導電性微粒子を増やすと導電性は向上するが、離型性が低下するトレードオフの関係であるので、適宜、調整が必要である。また、後述するように中間転写体とノズル面との間に電流を流すため、導電性ゴムの体積抵抗率は低いほど好ましく、10Ω・cm以下、望ましくは10Ω・cm以下としている。
本実施形態では、中間転写体として、アルミニウム基材の上に体積抵抗率が約5Ω・cmのシリコーンゴム層を0.2mmの厚みで形成したものを使用した。
本発明の画像形成装置もしくは画像形成方法では、電気分解によりイオンを発生させるため、インクの溶媒として導電性を有する水を用いることが必要である。また、着色剤として、アニオン性染料、無機顔料、有機顔料などを用いることが可能である。
実施例として、以下のものをインクとして用いた。
<ブラック色インク>
・スルホン酸基結合型カーボンブラック顔料分散液(CAB−O−JET−200、固形分20質量%、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク製):35.0質量%
・2−ピロリドン:10.0質量%
・グリセリン:14.0質量%
・プロピレングリコールモノブチルエーテル:0.9質量%
・デヒドロ酢酸ソーダ:0.1質量%
・蒸留水:残量
その後、水酸化リチウムの5質量%水溶液によりpH9.1に調整し、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターにて加圧濾過。
<イエロー色インク>
・スルホン酸基結合型イエロー顔料分散液(CAB−O−JET−270Y、固形分10質量%、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク製):40.0質量%
・トリエチレングリコール:15.0質量%
・グリセリン:25.0質量%
・プロピレングリコールモノブチルエーテル:6.0質量%
・デヒドロ酢酸ソーダ:0.1質量%
・蒸留水:残量
その後、水酸化リチウムの5質量%水溶液によりpH9.1に調整し、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターにて加圧濾過。
<マゼンタ色インク>
・スルホン酸基結合型マゼンタ顔料分散液(CAB−O−JET−260M、固形分10質量%、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク製):40.0質量%
・ジエチレングリコール:20.0質量%
・プロピレングリコールモノブチルエーテル:3.0質量%
・デヒドロ酢酸ソーダ:0.1質量%
・蒸留水:残量
その後、水酸化リチウムの5質量%水溶液によりpH9.1に調整し、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターにて加圧濾過。
<シアン色インク>
・スルホン酸基結合型シアン顔料分散液(CAB−O−JET−250C、固形分10質量%、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク製):40.0質量%
・エチレングリコール:4.0質量%
・トリエチレングリコール:14.0質量%
・プロピレングリコールモノブチルエーテル:6.0質量%
・デヒドロ酢酸ソーダ:0.1質量%
・蒸留水:残量
その後、水酸化リチウムの5質量%水溶液によりpH9.1に調整し、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターにて加圧濾過。
以下に記録ヘッド1および、記録ヘッド1と中間転写ドラム2の間をブリッジする液柱、および電位供給手段の詳細に関して図2を用いて説明する。
記録ヘッド1は、ノズル6を備えたノズル板7、インク室8、該インク室8に収容された導電性インク9、並びにインク吐出手段としての圧電素子14(図3参照)などから構成される。ノズル板7の吐出側の面は「ノズル面」である。
図3に示すように、記録ヘッド1はマイクロコンピュータとしての制御装置10によって制御される。制御装置10はヘッド駆動回路16を介して圧電素子14を制御する。電源5による電圧印加のON・OFFは電源スイッチ12を介してなされる。制御構成の詳細は後述する。
圧電素子14に印加される電圧パルスに応じてノズル6よりインクが吐出され、中間転写ドラム2上に飛翔させる。この時、ノズル6と中間転写ドラム2との間で一時的にブリッジ状態となる液柱を形成させる必要があるが、このような液柱状態形成の容易さから、ノズル板7のノズル面と中間転写ドラム2との間のギャップは近接していることが好ましい。
しかしながら、近接し過ぎると移動する中間転写ドラム2の表面とノズル板7のノズル面とのギャップを一定に維持することが困難となるため、ギャップ距離としては50μm〜200μm程度が好ましく、本実施形態では100μmとした。
ギャップ距離と同等に液柱形成を左右する因子は圧電素子14に印加される電圧パルスであり、前記電圧パルスは制御装置10によって生成、制御されている。制御装置10は必要に応じ圧電素子14に印加する電圧パルスを生成することが可能となっており、且つ、随意に液体吐出のオン・オフを制御可能となっており、これによって画像形成を行う。
ノズル6と中間転写ドラム2間をブリッジする液柱が形成される際にこの液柱内に電流を流せるように電源5が接続されており、本実施形態においては中間転写ドラム2の表面がアノードとなる様に電位が設定されている。また、効果的に電流を流すためには、ノズル板7は高い導電性を有するものが好ましく、本実施形態においてはノズル板7が金属で構成される記録ヘッド(市販インクジェットプリンタGX5000、リコー製)を使用した。
記録ヘッドとしては印刷幅以上の幅を有するフルライン型のヘッドや、メディアの主走査方向を往復動作することで印刷幅を印字するシリアルスキャン方式のヘッドを用いることができる。
次に、インクドット形成プロセスに関して図2及び図4を用いて説明する。
図2は初期状態を示しており、ノズル6部にはインクのメニスカスが形成されている。電源5は所定の電位が印加状態となっており、ノズル板7と中間転写ドラム2との間に所定量の電位を形成している。印加電位は制御装置10によって制御可能となっている。
図4(a)は圧電素子14への適当なパルス電圧印加によって液柱が形成されつつある状態の模式図である。この時、荷電した液柱の先端の移動に伴い、電源5の内部には極微量な誘導電流が流れるが、この電流は本発明のプロセスの効果には寄与しない。
図4(b)は、液柱先端が中間転写ドラム2の表面に着液し、ブリッジ状の液柱LPを形成している状態の模式図である。液柱先端の中間転写ドラム2の表面への着液と同時に大きな電流が流れ始める。
非常に初期的には中間転写ドラム2の表面と液体との界面における電気二重層形成のための充電電流が流れると想定され、電気二重層が十分に形成された後には界面にて酸化反応が開始する。
本実施形態での酸化は主に水分子に対して行われる、いわゆる電気分解であり、界面近傍の局所的なインク領域には多くの水素イオンが生成する。その結果、インクの凝集現象が発現し凝集体20が形成される。
その後、図4(c)に示すように、液柱は分断され、中間転写ドラム2の表面には凝集体20が主体となるインクドット21が形成される。
このとき、インクの凝集量は、中間転写ドラム2の表面とインク液との界面における電気分解量によって決定され、本実施形態では電源5の印加電位量によって制御可能であり、印加電位量は形成する画像に応じて制御装置10によって制御される。
印加電位量が高い状態で、隣接する箇所に異なる色のインクが形成されたきの状態を図5に模式的に示した。図5(a)では図示していない第一の記録ヘッドから吐出された第一のインク(例えばマゼンタ)による第一のドット22が、前記印加電位量が高い状態で形成されている。
前述の凝集効果によって、第一のドット22はマゼンタ色材の凝集体が主体となるインクドットとなっている。その近辺に、第二の記録ヘッド1Cから第二のインク(例えばシアン)が吐出される。このとき、形成されるインクドットは前述と同様に電気分解に基づく凝集を生じるため凝集体を含む第二のインクドットを形成する。
第一のインクドット22と第二のインクドットはインクの表面張力によって合一し新たなドット23を形成するが、凝集体を含むインクは粘度が高くなっており、かつ凝集体は凝集前に比べ移動度が低くなっているため色剤は混ざりにくくなっている。
よって、インクドット23はマゼンタ発色部とシアン発色部を含む、混色の少ないドットが形成される。このようにして、画像の色境界面においてブリーディングを抑えることが可能である。
これに対して印加電位量が低いもしくは無い状態で、隣接する箇所に異なる色のインクが印字したときに生じる現象に関して、図6を用いて説明する。
図6(a)では、図5と同様に、マゼンタインクから成る第一のドット24が形成されている。第一のドット24は印加電位量が低いもしくは無い状態で形成されているため、色剤の凝集量は図5で示したインクドット22に比べ少ない。
前述と同様に第一のドット24近辺に印加電位量が低いもしくは無い状態で第二のインクドットが形成されるとき、図6(b)に示すように、第一のインクドット24と第二のインクドットは拡散およびインク着弾時の運動エネルギーによって混合され混色したインクドット25を形成することとなる。
通常の紙上でインクドットを順次形成したときと異なり、中間転写ドラム上へはインクの浸透がほぼ無いため、効果的にインクが混ざり合う。これによって、ベタ画像部では凝集効果を抑え、色ムラが少なく色再現性の高い画像を形成することが可能である。
次に、制御装置10の詳細に関して述べる。図7は制御装置10内の代表的な処理部を模式的に示したものである。制御装置10は形成する画像の入力を受け、画像処理部30によって画像形成に適した画像とするため色変換、2値化、ディザ処理などの一般的な画像処理を適宜行う。
その後画像処理結果をもとに、インク吐出量算出部31においてインクの吐出量、吐出タイミングを決定する。
また、画像処理結果をもとに、電気分解量算出部32において凝集効果をどの程度発現させるかを決定し、電気分解量を算出する。
例えば、図8に示すような画像においては、文字部や細線部、画像のエッジ部はブリーディング現象を抑えるために強く凝集しており、その他の部分は凝集量が少なくなっていることが好ましい。よって前述の画像処理部30には、形成する画像の文字部、細線部、画像エッジ部などの画像特徴点を抽出する画像抽出部30aを有することが望ましい。
また、図9に示すように、例えば色1および色2との境界である画像境界部においては段階的に電気分解量を変えるように電気分解量の算出を行う。
インク吐出量算出部の結果を元に、記録ヘッド駆動信号生成部33によって記録ヘッドの駆動信号が生成されインク吐出が行われる。また、それに同期して、電気分解量算出部32の結果を元に印加電位制御部としての印加電圧制御部34によって、電源5の印加電位を変調することとなる。
機構制御部35においてはドラム(中間転写ドラム)や加圧ローラ、シリアルスキャン方式においては記録ヘッドなどの機械的な駆動の制御を、記録ヘッド駆動信号生成部33や印加電圧制御部34の図示しない印加電位信号生成部と同期して行っている。
機構制御部35は、必要ならばドラム搬送速度または位置、記録ヘッドの位置などをセンシングするセンサーからの出力をフィードバックさせることが可能となっている。
以上のような制御装置10の動作によって画像形成が行われ、形成している画像の部位に応じて印加電位量を制御することによって、形成されるインクドット中の凝集量を制御することを可能としている。
形成する画像に応じて凝集量を制御することによって、画像の色境界部ではブリーディングを抑え、ベタ画像部では色ムラを抑え色再現性の良い画像を得ることができる。
以上の説明では、インク吐出に同期して電源5の印加電位を変調する構成例を示したが、この構成においては図10に示すような多数のノズル6を有する記録ヘッド1を用いることが困難である。
図10で示した記録ヘッド1では、多数のノズル6が共通の金属板としてのノズル板40上に形成されており、また液室41は各ノズルに対して共通となっている。
このため、複数のノズル6から同時にインクを吐出する際には、それぞれのノズル6と中間転写ドラム2との間に印加する電位は一定となり、互いに独立に変調することはできない。
このような問題を解決し、多数の吐出ノズルを持つ記録ヘッドを使用することが可能な別の実施形態を以下に述べる。
図11及び図12は、記録ヘッドの圧電素子駆動波形の違いによる、液吐出状態の違いを模式的に表したものである。
図11及び図12ではノズルが一つしか記載されていないが、実際には図10で示したような多数の吐出ノズル6を有する記録ヘッドであり、その一部を記載している。
図11(a)の駆動波形によってインクの吐出を行えば、図11(b)のように液柱LPが形成されるが、図12(a)の駆動波形によってインクの吐出を行えば、図12(b)のように液滴LDが形成される。
よって、電源5によってノズル6と中間転写ドラム2との間に一定の電位が印加された状態において、図11(b)では液柱LPを通じて電流が流れ、その結果インクの電気分解およびそれに伴う色剤の凝集作用が生じるが、図12(b)では、そのような作用は生じない。
このように、電源5の印加電位は同じであっても、記録ヘッドの圧電素子駆動波形によって液柱形成の有無を変え、電気分解量を変えることが可能である。
さらに、記録ヘッドの圧電素子駆動信号を変えることによって、電気分解量を微量変えることも可能である。
図13に示す信号を圧電素子14の駆動信号として、図中の維持時間Tを変えて液柱を通電する電荷量を測定した結果を図14に示す。電源5の印加電圧は30Vとし、記録ヘッドとしてはクラスターテクノロジー社製のインクジェットヘッドを、インクとして前述のものを使用した。
図14からわかるように、維持時間Tを変えることによって通電される電荷量は倍程度変化する。通電される電荷量は、印加電位、インクの物性、記録ヘッドの状態などによって変化するため、図14で示した関係が常に成り立つとは限らないが、記録ヘッドの駆動波形によって電気分解量を制御することが可能であることが示されている。
図15は制御装置の異なる実施形態を示したものであり、図7で示した制御装置に対して印加電位制御部を有していない。前述のように、記録ヘッドの圧電素子駆動波形を制御することによって、インクの吐出量のみならず、電気分解量を制御することも可能であるため、図15に示した制御装置の駆動信号生成部33では電気分解量算出部32によって算出された電気分解量に応じて記録ヘッド駆動波形を生成する。
以上の実施形態では、図10で示したような多数のノズルを有する記録ヘッドにおいても、各ノズルを駆動する波形は独立に制御可能であるため、それぞれの凝集量を制御することが可能である。
上記各実施形態では、中間転写体として板状及びドラム状のものを例示したが、これに限らず、無端ベルト状のものやシート状のものなどでも構わない。
記録ヘッドに関しても、固定式のフルライン型に限定されず、記録媒体上の主走査方向を移動可能なシャトル方式のものでも構わない。
また、インクの吐出の方式は圧電素子以外の形状変形素子方式でも良く、加熱ヒータ方式などの他の手段でも構わない。
1Y、1M、1C、1K 記録ヘッド
2 中間転写体としての中間転写ドラム
3 転写手段としての加圧ローラ
5 電位印加手段としての電源
6 ノズル
9 導電性インク
10 制御装置
30a 画像抽出部
33 駆動信号生成部としての記録ヘッド駆動信号生成部
34 印加電位制御部としての印加電圧制御部
S 記録媒体としての記録用紙
特開昭55−065269号公報 特第3204761号公報 特開昭58−128862号公報 特開平11−188858号公報 特開2008−62397号公報 特開2008−132669号公報 特開平8−295034号公報 特開2008−188803号公報

Claims (5)

  1. インクを吐出するノズルを有し、複数色の導電性インクを吐出する記録ヘッドと、
    前記ノズルとの間に前記導電性インクからなる液柱のブリッジを一時的に形成すること
    が可能な間隔を有し、前記導電性インクの吐出による画像形成が可能な導電性の表面を有
    する中間転写体と、
    前記導電性インクと前記導電性の表面との間に、前記液柱のブリッジに含まれる水を電
    気分解することが可能な電位を印加する電位印加手段と、
    前記中間転写体に形成されたインク画像を記録媒体に転写する転写手段と、
    形成する画像に応じて前記電気分解量を制御する制御装置と、を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1記載の画像形成装置において、
    前記制御装置は、前記電位印加手段の電位を、形成する画像に応じて制御する印加電位
    制御部を有することを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2記載の画像形成装置において、
    前記制御装置は、前記ノズルから前記導電性インクを吐出するための駆動信号として、
    形成する画像に応じて複数の異なる駆動信号を生成する駆動信号生成部を有することを特
    徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
    前記制御装置は、形成する画像の文字部、細線部、画像エッジ部のうち少なくとも1つ
    を画像特徴点として抽出する画像抽出部を有することを特徴とする画像形成装置。
  5. 複数色の導電性インクを記録ヘッドのノズルから吐出して、導電性の表面を有する中間
    転写体上にインク画像を形成する工程と、
    前記中間転写体に形成されたインク画像を記録媒体に転写する工程とを有し、
    前記導電性インクと前記導電性の表面との間に電位が印加されている状態で、前記ノズ
    ルと前記中間転写体との間に前記導電性インクからなる液柱のブリッジを一時的に形成す
    ると共に、前記液柱のブリッジに含まれる水を電気分解することにより、前記中間転写体
    にインク画像を形成する画像形成方法であり、
    形成する画像に応じて前記電気分解の量を制御することを特徴とする画像形成方法。
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