JP5316103B2 - 内燃機関の制御装置及び内燃機関の制御方法 - Google Patents

内燃機関の制御装置及び内燃機関の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関の制御装置及び内燃機関の制御方法に関する。
内燃機関の排気通路を通流する排気の温度に基づいて、各部の動作を制御する内燃機関が知られている(特許文献1参照)。特許文献1には、このような排気温度を、内燃機関の排気通路に設けられたA/Fセンサ(空燃比センサ)などのガスセンサの素子インピーダンスとヒータ発熱量に基づき推定する技術が開示されている。
特開2006−161625号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、ガスセンサの素子温度が高くなると、排気温度を精度良く推定したり適切に内燃機関の各部を制御したりできない問題があった。これは、ガスセンサが、素子温度が高くなるとセンサの出力値や応答性が低下してしまう温度特性を有するためである。
また、ガスセンサの素子温度を検出する場合には、ガスセンサに温度検出チップを内蔵させる又は素子インピーダンスモニタを用いるのが一般的である。しかしながら、このような温度検出チップ又は素子インピーダンスモニタを用いるとコストが高くなる問題があった。
本発明は、このような技術的課題を鑑みてなされたもので、精度良く且つ安価にガスセンサの素子温度を推定する内燃機関の制御装置及び内燃機関の制御方法を提供することを目的とする。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
本発明は、内燃機関(2)の排気通路(22)を通流する排気中の特定ガスの濃度を検出する検出素子(14a)と、前記検出素子(14a)を加熱するヒータ(13b)と、を備えたガスセンサ(14)の素子温度を推定する内燃機関の制御装置(10)であって、前記内燃機関(2)の運転状態を検出する運転状態検出手段(ステップS1)と、前記運転状態が所定運転状態になると、前記検出素子(14a)の検出値が、リッチ出力とリーン出力とを交互に出力するように、前記特定ガスの制御濃度を理論濃度領域内でパータベーションさせるガス濃度制御手段(ステップS2)と、前記運転状態が所定運転状態になると、前記ヒータ(14b)への通電に係るデューティ比を段階的に上昇させるデューティ制御を開始するヒータ制御手段(ステップS3)と、前記検出素子(14a)の検出値の振幅が所定幅より小さくなったときのデューティ比を記憶するデューティ比記憶手段(ステップS5)と、記憶したデューティ比に応じて、前記ガスセンサ(14)の素子温度を推定する素子温度推定手段(ステップS7)と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、ガスセンサの出力値や応答性が変化するときのヒータへの通電に係るデューティ比を検出している。ここで、ガスセンサの出力値や応答性が変化するときのガスセンサの素子温度は環境や固体ばらつきなどにより変化しないものであり、デューティ比はこのようなガスセンサの温度特性を反映した指標である。このようなデューティ比を用いるので、環境や固体ばらつきなどを排除して精度良くガスセンサの素子温度を推定することができる。また、ガスセンサに温度検出チップ等を内蔵させないので、安価にガスセンサの素子温度を推定することができる。さらに、温度検出チップや素子インピーダンスモニタなどを用いることなく既存の回路構成でガスセンサの素子温度を推定することができる。
本発明の一実施形態に係るシステム全体の構成を示す図である。 O2センサの素子温度推定に係る制御ロジックを示すフローチャートである。 図2のステップS1に係る所定運転状態を説明する図である。 図2のステップS2乃至5に係る処理を実行したときのタイムチャートである。 図2のステップS6に係る検索処理を説明する図である。 λの補正に係る制御ロジックを示すフローチャートである。 O2センサの素子温度毎のλ(空気過剰率)値とセンサ出力値との関係を説明する図である。 図6のステップS12に係るλの補正量の算出のためのマップである。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明においては本発明を、O2センサ14(図1参照)の素子温度の推定に適用した場合を例に説明する。
(システム全体構成)
図1は、本発明の一実施形態に係るシステム全体の構成を示す図である。図1に示すシステム1は、ECU(Engine Control Unit、内燃機関の制御装置)10、クランク角センサ11、アクセル開度センサ12、A/Fセンサ(空燃比センサ)13、O2センサ(酸素濃度センサ、ガスセンサ)14等により構成されるガスセンサ素子温度推定システムである。このシステム1は、自動車等の車両に搭載されている。
ECU10は、クランク角センサ11、アクセル開度センサ12からエンジン2の運転状態を示す情報を、A/Fセンサ13やO2センサ14から排気通路22を通流する排気に関する情報を入力し、入力した情報に基づいてエンジン本体21の動作を制御するマイクロコントローラである。エンジン本体21の動作制御とは、例えば燃料噴射弁(不図示)の燃料噴射量を調整することで、燃焼室(不図示)で燃焼される混合気の空燃比を理論空燃比に近づけるような制御である。具体的な制御内容については後述する。
クランク角センサ11は、エンジン2のクランクシャフト(不図示)の回転角度を検知するセンサである。ECU10は、このクランク角センサ11を用いてエンジン2の機関回転速度を検出する。
アクセル開度センサ12は、エンジン2のアクセルペダル(不図示)の踏込量を検知するセンサである。ECU10は、このアクセル開度センサ12を用いてエンジン2の機関負荷を検出する。
A/Fセンサ13は、エンジン2の排気通路22において触媒23よりも上流側に設けられたガスセンサである。このA/Fセンサ13は、排気通路22を通流する排気の空燃比を検出する。ECU10は、このA/Fセンサ13を用いて排気通路22を通流する排気の空燃比を検出する。
O2センサ14は、エンジン2の排気通路22において触媒23よりも下流側に設けられたガスセンサである。このO2センサ14は、検出素子14aとヒータ(ヒータ素子)14bとを備える。検出素子14aとは、排気通路22を通流する排気中の酸素ガスの濃度を検出する素子である。ECU10は、この検出素子14aを用いて排気中の酸素ガスの濃度に応じた起電力出力を検出する。ヒータ14bとは、かかる検出素子14aを加熱する加熱素子である。ECU10は、このヒータ14bへの通電を制御することで検出素子14aを加熱する。また本実施形態によればECU10は、これら検出素子14aやヒータ14bなどを用いてO2センサ14の素子温度を推定する。加えて、推定した素子温度に基づき排気通路22を通流する排気の温度を推定するとともに、この排気温度に基づき燃料噴射弁(不図示)の燃料噴射量を調整する。
(ECU10の制御ロジック(素子温度の推定)について)
図2は、O2センサ14の素子温度推定に係る制御ロジックを示すフローチャートである。ECU10は、毎走行時に図2に示す制御ロジックを実行することにより、O2センサ14の素子温度を推定する。
まずステップS1においてECU10は、運転状態が所定運転状態か否かを判定する(S1)。ここではECU10は、エンジン2の運転状態がO2センサ14の素子温度を推定すべき運転状態であるか否かを判定する。具体的な内容は後述する。
ステップS1においてYESの場合には(S1、YES)、ステップS2へ進む。また、ステップS1においてNOの場合には(S1、NO)、ステップS1へ戻って再び処理を繰り返す。
ステップS2に進んだ場合にはECU10は、O2センサ14の出力モニタを開始する(S2)。ここではまずECU10は、O2センサ14(詳しくは検出素子14a)がリッチ信号とリーン信号とを交互に出力するように、制御空燃比をパータベーションさせる。この制御空燃比のパータベーションは、λ(ラムダ)ウインドウ(理論空燃比領域)内で実施する。エミッションの悪化を防ぐためである。続いてECU10は、O2センサ14の出力値をモニタリングする。具体的な内容は後述する。
続いてステップS3に進んでECU10は、ヒータ14bのデューティ制御(加熱制御)を開始する(S3)。ここではECU10は、ヒータ14bへの通電を開始するとともにこの通電に係るデューティ比(デューティ値)を0から段階的に上昇させるデューティ制御を開始する。具体的な内容は後述する。
続いてステップS4に進んでECU10は、O2センサ14の出力振幅が所定幅以内か否かを判定する(S4)。ここではECU10は、ステップS2でモニタリングを開始したO2センサ14の出力値の出力振幅(リッチ側の出力値とリーン側の出力値との幅)が所定幅より小さくなったか否かを判定する。具体的な内容は後述する。
ステップS4においてYESの場合には(S4、YES)、ステップS5へ進む。また、ステップS4においてNOの場合には(S4、NO)、ステップS4へ戻って再び処理を繰り返す。
ステップS5に進んだ場合にはECU10は、そのときのデューティ比を記憶する(S5)。ここではECU10は、ステップS4においてYESと判定された際のデューティ比を記憶する。加えて、エンジン2の機関回転速度及び機関負荷に係る情報も記憶する。
続いてステップS6に進んでECU10は、記憶したデューティ比を基にマップから温度推定値を検索する(S6)。ここではECU10は、予めデューティ比とO2センサ14の素子温度とが対応付けられたマップから、ステップS5で記憶したデューティ比に対応する素子温度を検索する。具体的な内容は後述する。
続いてステップS7に進んでECU10は、O2センサ14の素子温度を推定する(S7)。ここではECU10は、ステップS6で検索した温度推定値をO2センサ14の素子温度として推定する。
以上のように本実施形態に係るECU10は、毎走行時に図2に示す制御ロジックを実行することにより、O2センサ14の素子温度を推定する。続いて、ステップS1乃至S6の具体的な内容について説明する。
(ステップS1について)
図3は、図2のステップS1に係る所定運転状態を説明する図である。図3における領域Aが、図2のステップS1に係る所定運転状態を示す領域である。
図3に示す領域Aは、高負荷且つ高回転速度の運転状態である。このように高負荷且つ高回転速度の運転状態にしたのは、運転安定性を維持するためである。すなわち、例えばアイドル運転時のように低負荷の運転状態ではエンジン2の回転変動が大きくなり運転安定性が低下するとともにO2センサ14の素子温度の推定に係る精度が低下してしまうから、かかる低負荷の運転状態を除いている。
またこの領域Aは、エンジン2の回転速度がヒータカット回転速度より大きい運転状態である。このヒータカット回転速度とは、エンジン2の回転速度がこのヒータカット回転速度より大きくなると、ヒータ14bへの通電が自動的に停止されるような回転速度を示す。このように通電が停止されるのは、O2センサ14の素子温度の上昇に伴う故障を防止するためである。
領域Aの機関回転速度をこのヒータカット回転速度よりも大きくすることで、のちのステップS3の処理でヒータ14bへの通電を制御する際の制御安定性を高めることができる。かかるヒータカット回転速度の回転速度値はO2センサ14の特性に応じて決定される。
またこの領域Aは、車速が例えば60km/hより速い高車速域である。これは、エンジン2が十分に冷機風を受けることができるようにすることでエンジン2の部品故障を保証するためである。
以上のように図3を用いてステップS1に係る所定運転状態について説明してきたが、ステップS1においてECU10は、クランク角センサ11及びアクセル開度センサ12を用いて検出したエンジン2の機関回転速度及び機関負荷が図3の領域Aに含まれるか否かを判定する。
(ステップS2乃至S5について)
図4は、図2のステップS2乃至S5に係る処理を実行したときのタイムチャートである。図4(a)はO2センサ14(詳しくは検出素子14a)の出力値を示す。図4(b)はヒータ14bへの通電に係るデューティ比を示す。なお、以下ではフローチャートとの対応が分かりやすくするために、フローチャートのステップ番号にSを付して記載する。
ステップS2においてO2センサ14の出力モニタを開始する(S2)。このとき図4(a)のように、O2センサ14はリッチ信号(λ=1よりも出力値が大)とリーン信号(λ=1よりも出力値が小)とを交互に出力する。そして、時刻t0でヒータ14bのデューティ制御を開始する(S3)。
そうすると、時刻t0〜t1において、図4(b)のように、ヒータ14bへの通電に係るデューティ比が0から段階的に上昇する(S3)。
時刻t1では、O2センサ14の出力値や応答性が低下して出力振幅が所定幅以内になる(S4、YES、図4(a)参照)。そうすると、そのときのデューティ比(図では40パーセント)を記憶する(S5)。
より具体的に説明する。時刻t0〜t1ではデューティ比の上昇に伴ってO2センサ14の素子温度が高くなる。ここで前述のようにO2センサ14は、素子温度が高くなるとセンサの出力値や応答性が低下してしまう温度特性を有している。そのため、素子温度が一定温度を超えると出力振幅が所定幅以内に小さくなる。つまり、検出素子14aの検出値(出力値)の極大値から極小値を引いた値が所定量(単位mv)より小さくなる又は検出素子14aの検出値(出力値)の周波数が所定周波数(単位Hz)より小さくなる。このときのデューティ比が記憶される。
以上のように図4を用いてステップS2乃至S5に係る処理について説明してきたが、ステップS2乃至S5に係る処理によりECU10は、O2センサ14の出力値や応答性が変化するときのデューティ比を検出している。
なお、ステップS2について補足する。ステップS2ではECU10は、O2センサ14がリッチ信号とリーン信号とを交互に出力するようにさせている。これは、O2センサ14の素子温度が高くなると上記温度特性のためにセンサ出力値がリーン側にシフトするが、このシフトがシステム1の誤学習によるものなのかくMR変化(混合比)によるものなのかが特定できないのを考慮したものである。
(ステップS6について)
図5は、図2のステップS6に係る検索処理について説明する図である。図5は、デューティ比が所定値(ここでは30パーセント)のときの各運転状態とO2センサ14の素子温度(カッコ内の数値は考慮しない)とが対応付けられたマップを示している。ECU10は、予め図5のようなマップを保持している。
ECU10が予めこのようなマップを保持している場合に、1ステップ前のステップS5において記憶したデューティ比が30パーセント且つ運転状態が運転状態Aであったとする。そうすると、ステップS6においてECU10は、この記憶したデューティ比(30パーセント)とそのときの運転状態Aに対応するO2センサ14の素子温度を図5に示すマップ上から検索する。運転状態Aは素子温度500度を示す曲線上にあるため、ECU10は、素子温度(500度)を検索結果として取得する。
一方、ECU10が同様にこのようなマップを保持している場合に、1ステップ前のステップS5において記憶したデューティ比が40パーセント且つ運転状態が運転状態Aであったとする。そうすると、ステップS6においてECU10は、この記憶したデューティ比(40パーセント)とそのときの運転状態Aに対応するO2センサ14の素子温度を図5に示すマップ上から検索する。ここで、運転状態Aは素子温度500度を示す曲線上にある。
しかしながら、図5に示すマップはデューティ比が30パーセントのときのものであり、当回はデューティ比が40パーセントである。このようにデューティ比が異なる場合にはECU10は、図5に示すマップ上の温度推定値を、デューティ比の差分(40パーセント−30パーセント=10パーセント分)だけオフセットさせる。具体的には、各曲線が示すO2センサ14の素子温度を図5のカッコ内の数値に変換する。その後、デューティ比(40パーセント)とそのときの運転状態Aに対応するO2センサ14の素子温度を図5に示すマップ上から検索する。運転状態Aは素子温度400度を示す曲線上にあるため、ECU10は、素子温度(400度)を検索結果として取得する。
以上のように図5を用いてステップS6に係る検索処理について説明してきたが、ステップS6によりECU10は、ステップS5で記憶したデューティ比と運転状態を示す情報とを用いてO2センサ14の素子温度を検索する。なお、このようにデューティ比を用いて素子温度を検索することで、環境や固体ばらつきなどを排除して精度良くO2センサ14の素子温度を推定することができる。
なお、ステップS5で記憶したデューティ比に対応するマップがない場合には新たにこれを作成する。すなわち上記の例であれば、デューティ比40パーセントとO2センサ14の素子温度とが対応付けられたマップを新たに作成する。このようにして、デューティ比毎に運転状態とO2センサ14の素子温度とが対応付けられたマップを設定する。これにより、予め全てのデューティ比毎のマップを設定することなく、毎走行時に必要に応じてマップを追加して設定することができる。その後、次回以降のO2センサ14の素子温度の推定の際に利用することが可能になる。
(ECU10の制御ロジック(λ(空気過剰率)の補正)について)
図6は、λ(空気過剰率)の補正に係る制御ロジックを示すフローチャートである。ECU10は、図2に示す制御ロジックでO2センサ14の素子温度を推定した後に図6に示す制御ロジックを実行することにより、λを補正する。
まずステップS11においてECU10は、補正実行条件が成立したか否かを判定する(S11)。補正実行条件とは、図2に示す制御ロジックが終了したこと、及び、運転状態がλを補正させる運転状態であることの2つの条件を満たすことである。λを補正させる運転状態とは、O2センサ14の素子温度が高い運転状態、すなわち図5の高負荷且つ高回転速度の状態である。O2センサ14の素子温度が高くなると、前述のようにセンサ出力値がリーン側にシフトするため誤学習が発生してしまうからこれを防止するためである。
ステップS11においてYESの場合には(S11、YES)、ステップS12へ進む。また、ステップS11においてNOの場合には(S11、NO)、ステップS11へ戻って再び処理を繰り返す。
ステップS12に進んだ場合にはECU10は、推定温度に応じてλの補正量を算出する(S12)。ここではECU10は、既に推定したO2センサ14の素子温度に応じてλの補正量を算出する。具体的な内容は後述する。
続いてステップS13に進んでECU10は、現在の運転状態がλの補正を反映すべき運転状態か否かを判定する(S13)。ここでλの補正を反映すべき運転状態とは、ステップS11のλを補正させる運転状態と同様であるとして、ここでは説明を省略する。
ステップS13においてYESの場合には(S13、YES)、ステップS14へ進む。また、ステップS13においてNOの場合には(S13、NO)、ステップS11へ戻って再び処理を繰り返す。
続いてステップS14に進んでECU10は、λの補正量を用いて補正する(S14)。ここではECU10は、ステップS12で算出されたλの補正量を用いてA/Fセンサ13により検出される空燃比検出値(AFSAF)を補正する。具体的には、空燃比検出値(AFSAF)=理論空燃比(AFS)+補正量学習値(AFSHOS)+温度特性補正値(AFTMPHS)を計算することで補正する。補正量学習値とは、A/Fセンサ13や触媒23の劣化や環境に依存した補正量の学習値である。温度特性補正値とは、ステップS12で算出したλの補正量である。
以上のように本実施形態に係るECU10は、図6に示す制御ロジックを実行することにより、λの補正を実現する。続いて、ステップS12の具体的な内容について以下説明する。
(ステップS12について)
図7は、O2センサ14の素子温度毎のλ値とセンサ出力値との関係を説明する図である。図7には、横軸にλ値を、縦軸にO2センサ14の出力値を示している。図8は、図6のステップS12に係るλの補正量の算出のためのテーブルである。
図7のように、λ=1付近ではO2センサ14の素子温度が高くなるほどセンサ出力が低下すなわちリーン側に移行していることが分かる。これは、前述のようにO2センサ14は、素子温度が高くなるとセンサの出力値や応答性が低下してしまう温度特性を有するためである。そのため、O2センサ14の素子温度が高い場合にはこのセンサ出力の低下を補正する必要がある。
そこでECU10は、図8に示すテーブルを用いてλの補正量を算出する。図8に示すテーブルでは、O2センサ14の素子温度が高いほどλの補正量すなわちO2センサ14のセンサ出力をリッチ側に補正する量、を大きくしている。ステップS12ではECU10は、このようなO2センサ14の素子温度とλの補正量が対応付けられたテーブルを用いて、O2センサ14の素子温度に対応するλの補正量を算出する。なお、素子温度が図8に示す各素子温度の間の値(例えば650度)をとる場合には前後のλの補正量を補間して算出する(例えば1と1.02との間の1.01)。
以上のように図7及び図8を用いてステップS12について説明してきたが、ステップS12によりECU10は、O2センサ14の素子温度に応じたλの補正量を算出している。このλの補正量とは、素子温度が高くなると出力値がリーン側に移行するO2センサ14の温度特性に起因する空気過剰率のずれに相当する。
(まとめ)
以上のように、本実施形態によればECU10は、O2センサ14の出力値や応答性が変化するときのデューティ比を検出している。ここで、O2センサ14の出力値や応答性が変化するときのO2センサ14の素子温度は環境や固体ばらつきなどにより変化しないものであり、デューティ比はこのようなO2センサ14の温度特性を反映した指標である。このようなデューティ比を用いるので、環境や固体ばらつきなどを排除して精度良くO2センサ14の素子温度を推定することができる。また、O2センサ14に温度検出チップ等を内蔵させないので、安価にO2センサ14の素子温度を推定することができる。さらに、温度検出チップや素子インピーダンスモニタなどを用いることなく既存の回路構成でO2センサ14の素子温度を推定することができる。
また、本実施形態によればECU10は、エンジン2の機関回転速度がヒータ14bへの通電が停止されるヒータカット回転速度よりも大きい運転状態になったときに、ヒータ14bへのデューティ制御を開始している。そのため、ヒータ14bへの通電に係る制御安定性を高めることができる。
また、本実施形態によればECU10は、デューティ比毎にO2センサ14の素子温度が対応付けられたマップを有し、図2のステップS5で記憶したデューティ比に対応するマップからO2センサ14の素子温度を検索する。そのため、デューティ比とO2センサ14の素子温度とが対応付けられたマップを用いてO2センサ14の素子温度を推定することができる。
また、本実施形態によればECU10は、図2のステップS5で記憶したデューティ比に対応するマップがないときには、所定のデューティ比に対応するマップに基づき、図2のステップS5で記憶したデューティ比に対応するマップを作成する。そのため、予め全てのデューティ比毎のマップを設定することなく、毎走行時にマップを必要に応じて追加して設定することができる。その後、次回以降のO2センサ14の素子温度の推定の際に利用することが可能になる。
また、本実施形態によればECU10は、推定したO2センサ14の素子温度に応じて、O2センサ14(詳しくは検出素子14a)の検出値を補正している。具体的には、素子温度が高くなるほど検出値をリッチ側に補正する。そのため、O2センサ14の素子温度に応じて生じる空気過剰率のずれを補正することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一つを示したものであり、本発明の技術的範囲を上記各実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば、上記説明においては本発明に係るガスセンサがエンジン2の排気通路22に設けられたO2センサ14である場合を例に説明してきたが、この場合には限らない。例えばその他の酸素濃度センサであってもよい。
10 ECU(内燃機関の制御装置)
11 クランク角センサ
12 アクセル開度センサ
13 A/Fセンサ
14 O2センサ(ガスセンサ)
14a 検出素子
14b ヒータ
ステップS1 運転状態検出手段
ステップS2、S4 ガスセンサ出力値検出手段
ステップS3 ヒータ制御手段
ステップS5 デューティ比記憶手段
ステップS6、S7 素子温度推定手段
ステップS11〜S14 補正手段

Claims (7)

  1. 内燃機関の排気通路を通流する排気中の特定ガスの濃度を検出する検出素子と、前記検出素子を加熱するヒータと、を備えたガスセンサの素子温度を推定する内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    前記運転状態が所定運転状態になると、前記検出素子の検出値が、リッチ出力とリーン出力とを交互に出力するように、前記特定ガスの制御濃度を理論濃度領域内でパータベーションさせるガス濃度制御手段と、
    前記運転状態が所定運転状態になると、前記ヒータへの通電に係るデューティ比を段階的に上昇させるデューティ制御を開始するヒータ制御手段と、
    前記検出素子の検出値の振幅が所定幅より小さくなったときのデューティ比を記憶するデューティ比記憶手段と、
    記憶したデューティ比に応じて、前記ガスセンサの素子温度を推定する素子温度推定手段と、
    を有することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記所定運転状態とは、前記内燃機関の機関回転速度が前記ヒータへの通電が停止されるヒータカット回転速度よりも大きい運転状態であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. デューティ比毎にガスセンサの素子温度が対応付けられたマップを有し、
    前記素子温度推定手段は、前記記憶したデューティ比に対応するマップからガスセンサの素子温度を検索することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記素子温度推定手段は、前記記憶したデューティ比に対応するマップがないときには、所定のデューティ比に対応するマップに基づき、前記記憶したデューティ比に対応するマップを作成することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記素子温度推定手段により推定したガスセンサの素子温度に応じて、前記検出素子の検出値を補正する補正手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記補正手段は、前記ガスセンサの素子温度が高くなるほど前記検出素子の検出値をリッチ側に補正することを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 内燃機関の排気通路を通流する排気中の特定ガスの濃度を検出する検出素子と、前記検出素子を加熱するヒータと、を備えたガスセンサの素子温度を推定する内燃機関の制御方法であって、
    前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出工程と、
    前記運転状態が所定運転状態になると、前記検出素子の検出値が、リッチ出力とリーン出力とを交互に出力するように、前記特定ガスの制御濃度を理論濃度領域内でパータベーションさせるガス濃度制御工程と、
    前記運転状態が所定運転状態になると、前記ヒータへの通電に係るデューティ比を段階的に上昇させるデューティ制御を開始するヒータ制御工程と、
    前記検出素子の検出値の振幅が所定幅より小さくなったときのデューティ比を記憶するデューティ比記憶工程と、
    記憶したデューティ比に応じて、前記ガスセンサの素子温度を推定する素子温度推定工程と、
    を有することを特徴とする内燃機関の制御方法。
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