JP2013185483A - 空燃比制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジンを制御する装置では、排気ガス中の酸素濃度に応じて出力電圧が変化するセンサ部を有した酸素センサの出力電圧を入力して該出力電圧を検出し、その出力電圧の検出値が理論空燃比に相当する目標電圧Vt(=基準値Vr)となるように、燃料噴射量を制御するが、上記センサ部の温度である素子温度が特定温度Ts(=700℃)以上の場合には(S230:YES)、目標電圧Vtを補正値αだけ小さい値(=Vr−α)に補正する(S250)。このため、素子温度が特定温度Ts以上になり、実際の空燃比が理論空燃比であるときの酸素センサの出力電圧が小さくなってしまう状況において、実際の空燃比がリッチ側になってしまうことを防止することができる。
【選択図】図5
Description
このことを防止するため、内燃機関の燃料噴射システムでは、排気経路の三元触媒よりも上流側に、排気ガス中の酸素濃度に応じて出力電圧が変化する酸素センサを設け、その酸素センサの出力電圧に基づいて、実際の空燃比が目標空燃比となるように(目標空燃比に近づくように)、燃料噴射量を調節する空燃比フィードバック制御を行っている。
一方、酸素センサのセンサ部は、例えば300℃以上の温度において活性状態となるため、一般に酸素センサには、センサ部を加熱するめのヒータが設けられる。そして、空燃比制御装置では、酸素センサのセンサ部の温度が、該センサ部を活性状態にするための目標温度となるように、ヒータに通電するヒータ制御も行っている。
このことは、実際の空燃比が理論空燃比になっているときの酸素センサの出力電圧が、制御上の目標電圧よりも小さくなる(低くなる)ということであり、言い換えると、実際の空燃比がリッチであるのに、酸素センサの出力電圧が、制御上の目標電圧と同じ値になってしまう、ということを意味する。
[第1実施形態]
図1に示すように、本実施形態のECU1が搭載される車両において、内燃機関であるエンジン3の吸気経路5には、エンジン3に吸入される空気量(吸気量)を検出する吸気量センサ7が取り付けられている。
更に、排気経路11において、三元触媒13よりも上流側には、空燃比フィードバック制御用の酸素センサ15が取り付けられている。
ECU1は、エンジン3を制御するための様々な処理を行うマイコン25と、吸気量センサ7からの信号をマイコン25に入力させる入力回路27と、マイコン25からの制御信号に応じてインジェクタ9を駆動するインジェクタ駆動回路29と、マイコン25からのPWM(パルス幅変調)信号に応じてヒータ19に通電するヒータ駆動回路31と、を備えている。
そして、ECU1では、マイナス信号線23の電位を基準にしたプラス信号線21の電圧(即ち、両信号線21,23の電位差)を、酸素センサ出力電圧Vsとして検出する。
(2)次に、スイッチ43をオンして、抵抗41のプラス信号線21側とは反対側に電圧Vcを印加する。
(5)そして、上記(1),(3)の処理で記憶したV1off,V2off,V1on,V2onを、下記の式1〜式3に代入して、センサ部17のインピーダンスZを算出する。
ΔI={(V1on−V1off)−(V2on−V2off)}/Rs…式2
Z=ΔV/ΔI…式3
尚、式2におけるRsは、抵抗41の抵抗値である。そして、式1のΔVは、スイッチ43をオンした後のセンサ部17のプラス側電圧と、スイッチ43をオンする直前のセンサ部17のプラス側電圧との差分であり、式2のΔIは、スイッチ43をオンした後のセンサ電流と、スイッチ43をオンする直前のセンサ電流との差分である。
一方、図示は省略しているが、ECU1には、クランクセンサからの回転信号や、エンジン3の冷却水の温度(以下、冷却水温という)を検出する水温センサからの信号など、エンジン3を制御するために必要な他の信号も入力されている。そして、それらの信号もマイコン25に入力されるようになっている。
次にS130にて、上記S120で検出した酸素センサ出力電圧Vsが目標電圧Vtよりも大きい(「Vs>Vt」)か否かを判定し、「Vs>Vt」であると判定した場合には、S140に進む。尚、目標電圧Vtについては後述する。
図5に示すように、マイコン25は、ヒータ制御処理の実行を開始すると、まずS210にて、酸素センサ15の素子インピーダンス(センサ部17のインピーダンス)を、前述した(1)〜(6)の手順で検出する。
具体的に説明すると、マイコン25内のROM(図示省略)には、素子インピーダンスの値と、その値に対応する素子温度とを、複数組記録した素子温度算出用マップが記憶されている。その素子温度算出用マップは、素子インピーダンスと素子温度との図3の如き関係を記録したデータマップである。そして、S220では、その素子温度算出用マップから、S210で算出した素子インピーダンスに対応する素子温度を、補間演算などによって算出する。
これに対し、上記S230にて、素子温度が特定温度Ts以上であると判定した場合には、S250に移行して、目標電圧Vtを、基準値Vrよりも補正値αだけ小さい値(Vr−α)に設定し、その後、S260に進む。
次に、第2実施形態について説明するが、第1実施形態と同一または類似の構成要素などについては、その第1実施形態で用いた符号と同じ符号を用いるため、詳細な説明は省略する。また、このことは、後述する他の実施形態についても同様である。
(1−1)マイコン25は、図5のヒータ制御処理に代えて、図6のヒータ制御処理を実行する。
そして、図7の空燃比フィードバック制御処理は、図4の空燃比フィードバック制御処理と比較すると、S120とS130との間に、S123とS125が追加されている。
[第3実施形態]
第3実施形態のECU1は、第1実施形態のECU1と比較すると、マイコン25が、補正値αを変更する処理として、図8の補正値変更処理を実行する点が異なっている。
尚、素子温度を推定可能な状況は、例えば、素子温度が外気温と同じになっていると推定できる状況であり、例えば、エンジン3が停止してから一定時間が経過しているとか、エンジン3の冷却水温が所定範囲の値であるとか、エンジンオイルの温度が所定範囲の値である、といった状況である。
(b)次に、推定した素子温度から、素子インピーダンスを推定する。具体的には、前述した温度算出用マップ(図3参照)から、上記(a)で推定した素子温度に対応する素子インピーダンスを、補間演算などによって算出する。そして、その算出した素子インピーダンスを、インピーダンス基準値として記憶する。
(d)上記(c)で検出した素子インピーダンスと上記(b)で記憶したインピーダンス基準値との差分ΔZを算出し、その差分ΔZから素子の劣化度合を判定する。
例えば、本実施形態では、差分ΔZの絶対値の範囲として、最も小さい第1範囲から最も大きい第n範囲(但しnは2以上の整数)までの、n個の範囲を設けており、更に、そのn個の各範囲に対応して、素子の劣化度合を示す劣化レベル値(1〜n)を設けている。そして、算出した差分ΔZの絶対値が所属する範囲に対応した劣化レベル値を、素子の劣化度合を示す劣化レベル値として決定する。
本実施形態の酸素センサ15では、素子の劣化度合が大きくなると、素子の出力電圧が低下する。このため、S320では、上記S310で決定した劣化レベル値に応じて、その劣化レベル値が大きい場合ほど、補正値αを大きい値に変更する。例えば、劣化レベル値が0ならば、補正値αを標準値の0.2Vにし、劣化レベル値が1ならば、補正値αを0.2Vよりも大きい0.22Vに変更し、劣化レベル値が2ならば、補正値αを0.24Vに変更する。
以上のような第3実施形態のECU1によれば、酸素センサ15の素子が劣化しても、空燃比の良好な制御精度を維持することができる。そして、この第3実施形態の内容は、第2実施形態に対しても同様に適用することができる。
また、上記各実施形態では、酸素センサ15の素子温度(センサ部17の温度)を、素子インピーダンスから推定して検出するようになっていたが、例えば、温度センサを設けて直接検出しても良い。
Claims (5)
- 内燃機関(3)の吸入混合気の空燃比によって変化する排気ガス中の酸素濃度に応じて出力電圧が変化するセンサ部(17)を有した酸素センサ(15)から、前記出力電圧を入力して該出力電圧を検出し、その出力電圧の検出値が目標空燃比に相当する目標電圧となるように、前記内燃機関への燃料噴射量を制御するフィードバック制御手段(25,S120,S130〜S160)と、
前記センサ部の温度を検出する温度検出手段(25,S210,S220)と、
前記温度検出手段により検出された前記センサ部の温度が特定温度以上の場合には、前記フィードバック制御手段に、前記出力電圧の検出値が前記目標電圧よりも所定の補正値だけ小さい値となるように前記燃料噴射量を制御させる制御変更手段(25,S230,S240,S250,S245,S255,S123,S125)と、
を備えることを特徴とする空燃比制御装置。 - 請求項1に記載の空燃比制御装置において、
前記制御変更手段(25,S230,S240,S250)は、
前記センサ部の温度が前記特定温度以上の場合には、前記フィードバック制御手段が前記燃料噴射量を制御するのに用いる前記目標電圧を、前記補正値だけ小さい値に補正すること、
を特徴とする空燃比制御装置。 - 請求項1に記載の空燃比制御装置において、
前記制御変更手段(25,S230,S245,S255,S123,S125)は、
前記センサ部の温度が前記特定温度以上の場合には、前記フィードバック制御手段が前記燃料噴射量を制御するのに用いる前記出力電圧の検出値を、前記補正値だけ大きい値に補正すること、
を特徴とする空燃比制御装置。 - 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の空燃比制御装置において、
前記センサ部の劣化度合を判定する劣化判定手段(25,S310)と、
前記劣化判定手段により判定された劣化度合に応じて、前記補正値を変更する補正値変更手段(25,S320)と、
を備えることを特徴とする空燃比制御装置。 - 請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の空燃比制御装置において、
前記目標電圧よりも前記補正値だけ小さい値は、
前記センサ部の温度が前記特定温度以上で、且つ、前記空燃比が前記目標空燃比である場合に、前記センサ部が出力する電圧の値であること、
を特徴とする空燃比制御装置。
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