JP5315341B2 - 溶射補修装置、及びコークス炉の溶射補修方法 - Google Patents

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Description

本発明は、溶射補修装置と、コークス炉の溶射補修方法とに関する。
本願は、2008年6月4日に、日本国に出願された特願2008−147282号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来のコークス炉は、鉄皮等の拘束物がなく、レンガのみで炭化室壁を形成しているため、経時劣化に伴う炉体膨張が起こる。この炉体膨張に伴い、炭化室壁レンガに縦亀裂の拡大が生じたり、目地部の損傷が顕著になったりするため、コークスを押し出す際に、このコークスと炭化室壁レンガとの間における摩擦が増大する。その結果、コークスの押出負荷の増大が生じたり、さらには目地部の損傷部や縦亀裂の部分から黒煙が漏れ出たりする虞がある。
炭化室壁レンガの損傷を補修する方法として、コークス炉の内圧を調整し、同コークス炉の頂部にある挿入孔から粉体を吹き込むドライシール法が一般的に採用されている。
また、下記特許文献1には、損耗部の凹凸の位置を、X軸及びY軸の平面座標で予め把握しておいた上で溶射補修する方法が提案されている。
さらに、下記特許文献2には、溶射補修に使用する装置として、同一平面内の直線方向に沿って粉末噴射口と火炎ガス放射孔とが多数並列され、なおかつ上記平面より前方に向かって150mm〜300mmの位置で粉末噴射軸と火炎放射軸とが交差する角形の溶射バーナが提案されている。
さらに、下記特許文献3には、中央部に粉末噴射用の噴射口を配置し、さらにこの噴射口を中心としてその周辺部に火炎口が同心円状に少なくとも2列以上並んで配置されている溶射バーナが開示されている。前記各噴射口の軸線は、前記溶射バーナの延長軸線上で交差している。
さらに、下記特許文献4には、耐火材料と固体燃料との混合粉を搬送ガスにより流動させるための内管と、支燃性ガスを流動させるための環状流路を前記内管との間に形成する外管とからなる同心二重管構造を備えた火炎溶射吹付け補修用ガンノズルが開示されている。この火炎溶射吹付け補修用ガンノズルの先端部では、前記環状流路からのガス噴射方向と、ノズル軸線とのなす角が、25度から60度の範囲内に設定されている。
さらに、下記特許文献5には:室炉式コークス炉の炉内で前進後退する台車と;炭化室壁面を撮像する撮像装置、前記炭化室壁面との距離を測定する距離計、前記炭化室壁面の温度を測定する温度計を有する観察診断装置と;前記炭化室壁面に対して局所的に酸素ガス又は酸素過剰燃料ガスを吹き付けて付着カーボンを燃焼除去するカーボン燃焼除去装置と;前記炭化室壁面であるレンガ表面及び/又は付着カーボンを機械的にハツリで除去する機械ハツリ除去装置と;前記炭化室壁面に耐火物を溶射して耐火物補修を行なう溶射装置と;前記台車の前部に設けられて、前記観察診断装置、前記カーボン燃焼除去装置、前記機械ハツリ除去装置、そして前記溶射装置を移動させるための駆動装置と;を備えたコークス炉の診断補修装置が開示されている。
特許第3689487号 実開昭54−78718号公報 実開昭63−167029号公報 実開昭61−13300号公報 実開昭63−167029号公報
ところで、コークス炉の炭化室壁レンガには種々の形状を有する損傷が存在しているため、これら損傷の状況に対応した補修が必要である。
しかしながら、従来のドライシール法による補修では、一種類の損傷に対する補修を行うことはできるが、その効果の維持時間が非常に短く、補修回数を増やさなければならないという問題がある。また、炭化室と燃焼室との圧力差を利用した方法であるため、優先順位の高い補修箇所を選択的に補修することはできず、かつ、幅の広い亀裂に対する補修の効果は小さいという問題がある。
また、特許文献1に記載の技術は、基本的に炭化室壁の凹部補修を対象としており、他の損傷である亀裂に対する補修方法については具体的に記載されていない。
さらに、特許文献2に記載の技術は、角型バーナを使用するため、溶融した溶射粉末の飛散範囲が広くなってしまう。その結果、炭化室壁レンガの凹状損傷部位の凹凸に対して倣い補修をすることができない。また、狭小亀裂の内部に溶射粉末の溶融物を浸入させることができず、逆に亀裂周囲の平坦性を損なってしまうという問題がある。
同様に、特許文献3から5に記載の技術も、一種類の損傷に対する補修を行うことを目的とするものであり、複数種類の損傷を伴う炭化室壁レンガの損傷状況に適応した補修を行えない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、コークス炉の炭化室壁の凹状損傷部位、目地損傷部位、さらには縦亀裂部位を、これら損傷部位の状況に対応して、損傷がない周囲のレンガのレベルから掛け離れることないレベルまで効率的に平坦化することができ、しかも耐用性の高い溶射補修を行うことができる溶射補修装置と、コークス炉の溶射補修方法とを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決して係る目的を達成するために以下の手段を採用した。すなわち、
(1)本発明の一態様は、コークス炉の炭化室壁レンガを溶射によって補修する溶射補修装置であって、溶射粉末を噴射する粉末噴射口と、この粉末噴射口の周囲に配された複数の火炎放射口とを有する第1のバーナ及び第2のバーナを備え;前記第1のバーナの前記各火炎放射口それぞれの火炎放射軸線同士が交差する第1の交差位置が、この第1のバーナの前記粉末噴射口の粉末噴射軸線上にあり;前記第2のバーナの前記各火炎放射口それぞれの火炎放射軸線同士が交差する第2の交差位置が、この第2のバーナの前記粉末噴射口の粉末噴射軸線上にあり;前記第1のバーナの前記粉末噴射口から前記第1の交差位置までの距離が、前記第2のバーナの前記粉末噴射口から前記第2の交差位置までの距離よりも長い。
(2)上記(1)に記載の溶射補修装置では、前記第1のバーナ及び前記第2のバーナが択一的に取り付けられる第1のバーナ取付部をさらに備えてもよい。
(3)あるいは、上記(1)に記載の溶射補修装置では、前記第1のバーナ及び前記第2のバーナの双方が取り付けられる第2のバーナ取付部をさらに備えてもよい。
(4)上記(1)に記載の溶射補修装置では、前記第1のバーナが、凹部補修用のバーナであり;前記第2のバーナが、亀裂部補修用のバーナである;構成を採用してもよい。
(5)上記(1)に記載の溶射補修装置では、前記第1の交差位置が、前記第1のバーナの前記粉末噴射口から150mm以上かつ250mm以下の範囲内にあり;前記第2の交差位置が、前記第2のバーナの前記粉末噴射口から75mm以上かつ150mm未満の範囲内にある;構成を採用してもよい。
(6)上記(1)に記載の溶射補修装置では、前記第1のバーナで、前記各火炎放射口のうちの、前記粉末噴射口を間に挟む2つの前記各火炎放射軸線間に形成される交差角が10度以下であり;前記第2のバーナで、前記各火炎放射口のうちの、前記粉末噴射口を間に挟む2つの前記各火炎放射軸線間に形成される交差角が20度以下である;構成を採用してもよい。
(7)上記(1)に記載の溶射補修装置では、前記炭化室壁レンガの表面と、前記第1のバーナ及び前記第2のバーナの少なくとも一方との間の距離を計測する距離計をさらに備えてもよい。
(8)本発明の他の態様は、コークス炉の炭化室壁レンガを溶射によって補修するコークス炉の溶射補修方法であって、前記炭化室壁レンガの表面に対し、第1の距離を置いて、シリカを含む第1の溶射粉末を噴射するとともに複数の火炎を放射して溶射を行う第1の補修工程と;前記炭化室壁レンガの表面に対し、第2の距離を置いて、シリカを含む第2の溶射粉末を噴射するとともに複数の火炎を放射して溶射を行う第2の補修工程と;を有し、前記第2の溶射粉末における前記シリカの含有量が、前記第1の溶射粉末における前記シリカの含有量よりも少なく;前記第2の距離が前記第1の距離よりも短い。
(9)上記(8)に記載のコークス炉の溶射補修方法では、前記第1の補修工程が、前記炭化室壁レンガの前記表面に形成された凹部を補修する凹部補修工程であり;前記第2の補修工程が、前記炭化室壁レンガの前記表面に形成された亀裂部を補修する亀裂補修工程である;としてもよい。
(10)上記(8)に記載のコークス炉の溶射補修方法では、前記第1の距離が、150mm以上かつ250mm以下の範囲内にあり;前記第2の距離が、75mm以上かつ150mm未満の範囲内にある;としてもよい。
(11)上記(8)に記載のコークス炉の溶射補修方法では、前記第1の距離または前記第2の距離の少なくとも一方を、距離計を用いて予め計測する計測工程をさらに備え;この計測工程における前記計測の結果に基づいて、前記第1の補修工程及び前記第2の補修工程を行う;ようにしてもよい。
(12)上記(8)に記載のコークス炉の溶射補修方法では、前記炭化室壁レンガの前記表面へのカーボンの付着有無を判別するカーボン付着判別工程と;このカーボン付着判別工程で前記カーボンの付着が判別された場合に、このカーボンの付着箇所に酸素を吹き付けてこのカーボンを除去するカーボン除去工程と;を、前記第1の補修工程及び前記第2の補修工程の前に行うようにしてもよい。
上記(1)に記載の溶射補修装置では、第1のバーナの粉末噴射口から第1の交差位置までの距離が、第2のバーナの第2の交差位置までの距離よりも長い構成を採用している。このように、溶射粉末吹きつけ及び火炎放射の距離が相対的に異なる第1のバーナ及び第2のバーナを具備しているので、これらを使い分けることにより、炭化室壁レンガの表面の損傷状況に対応した補修を行うことができる。
より具体的に言うと、例えば上記(4)に記載のように、凹部補修用のバーナとして第1のバーナを使用するとともに亀裂部補修用のバーナとして第2のバーナを使用するという使い分けを行うことができる。この場合、凹部補修の際には、凹部補修用のバーナを用いて、炭化室壁レンガの表面に対して遠距離から凹部を埋めるように厚く溶射粉末を吹き付けて凹部を平坦化することができ、その結果、凹凸のない炭化室壁レンガに補修することができる。一方、目地損傷部位又は亀裂損傷部位の補修に際しては、亀裂部補修用のバーナを用いて、炭化室壁レンガの表面に対して近距離から目地損傷部位又は亀裂損傷部位に溶射粉末を薄く吹き付ける。その結果、目地損傷部位又は亀裂損傷部位の周囲の平坦性を損なうことなく、補修をすることができる。
また、上記(8)に記載のコークス炉の溶射補修方法によれば、上記(1)に記載の溶射補修装置と同様の効果を得ることが出来る。すなわち、(8)に記載のコークス炉の溶射補修方法では、この第1の補修工程と第2の補修工程とに分けて補修を行えるので、炭化室壁レンガの表面の損傷状況に対応した補修を行うことができる。
本発明の第1実施形態に係る溶射補修装置の全体構成を表す側面図である。 同溶射補修装置の凹部補修用バーナを示す図であって、その軸線を含む断面で見た場合の断面図である。 同凹部補修用バーナの正面図である。 同溶射補修装置の亀裂部補修用バーナを示す図であって、その軸線を含む断面で見た場合の断面図である。 同亀裂部補修用バーナの正面図である。 コークス炉の炭化室壁における凹部損傷箇所の補修状況を示す平面図である。 コークス炉の炭化室壁における亀裂部損傷箇所の補修状況を示す平面図である。 本発明のコークス炉の溶射補修方法を説明するためのフローチャートである。 凹部補修用バーナの溶射施工により形成された施工体の形状を示す図であって、炭化室壁の壁面に垂直な断面で見た場合の断面図である。 亀裂部補修用バーナの溶射施工により形成された他の施工体の形状を示す図であって、炭化室壁の壁面に垂直な断面で見た場合の断面図である。 本発明の第2実施形態に係る溶射補修装置の全体構成を表す側面図である。
本発明の溶射補修装置は、コークス炉の炭化室壁レンガを溶射補修する装置であって、複数の交換可能なバーナを備える。このバーナは、溶射材料(溶射粉末)を噴射する粉末噴射口がその中央に形成され、この粉末噴射口を囲むように複数の火炎放射口が配列された放射口列が、粉末噴射口から外側に向かって少なくとも1列以上形成されている。
そして、上記バーナは、各火炎放射口の各火炎放射軸線同士の交差位置が粉末噴射口の粉末噴射軸線上にある第1のバーナと、各火炎放射口の各火炎放射軸線同士の交差位置が粉末噴射口の粉末噴射軸線上にある第2のバーナとを含む。そして、第1のバーナの粉末噴射口から各火炎放射口の各火炎放射軸線間の交差位置までの距離が、第2のバーナの粉末噴射口から各火炎放射口の各火炎放射軸線間の交差位置までの距離より長くなっている。第1のバーナが、凹部補修用のバーナとして用いられ、第2のバーナが、亀裂部補修用のバーナとして用いられるのが好ましい。
上述のように、凹部補修用のバーナは、粉末噴射口から各火炎放射口の各火炎放射軸線同士の交差位置までの距離が、亀裂部補修用のバーナのものよりも長く設定されている。そのため、炭化室壁レンガの表面に対して遠距離から狭い範囲に溶射材料を吹き付けることができ、厚く溶射材料の吹き付けを行って凹部損傷箇所の平坦化を行う補修に好適である。
一方、亀裂部補修用のバーナは、粉末噴射口から各火炎放射口の各火炎放射軸線同士の交差位置までの距離が凹部補修用のバーナのものよりも短く設定されている。そのため、炭化室壁レンガの表面に対して近距離から広い範囲に溶射材料を吹き付けることができ、薄く溶射材料の吹き付けを行って目地損傷部位や亀裂損傷部位等の狭小部位に溶射粉末の溶融物を浸入させることができる。しかも、同狭小部位の周囲の平坦性を損なうことがない。
このような本発明の溶射装置によれば、損傷部位の形状に応じて、複数種類のバーナを適宜使い分けることにより、コークス炉の炭化室壁レンガの平坦性を損なうことなく補修を行うことができる。しかも、溶射補修であるので、従来のドライシール法による補修に比較して、補修後の炭化室壁レンガの耐久性も向上させることができる。
本発明の溶射補修装置では、凹部補修用のバーナにおける、各火炎放射口の火炎放射軸線の交差位置が、この凹部補修用のバーナの粉末噴射口から150mm以上かつ250mm以下の離れた位置にあり;亀裂部補修用のバーナにおける、各火炎放射口の火炎放射軸線の交差位置が、この凹部補修用のバーナの粉末噴射口から75mm以上かつ150mm未満の離れた位置にあるのが好ましい。
コークス炉の炭化室の炉幅は例えば400mm程度であり、その中で炭化室壁レンガに対し、垂直方向に溶射補修しなければならない。凹部損傷部位の補修に際しては、微妙な凹凸に対する倣い(追随)性が必要であり、付着歩留まりが高く、壁面に沿った直線方向に凹部補修用のバーナを移動させた際に形成する施工体の形状が安定且つ狭幅の鋭角な三角形状を成すことが必要である。
一方、目地損傷部位または縦亀裂損傷部位の補修に際しては、より一層狭幅に溶融した粉末を衝突させる必要があり、壁面に沿った直線方向の移動では、逆に、壁面に衝突した溶融粉末の溶融物が周囲に飛散して安定な施工体形状をなさなかったり、または亀裂周囲のレンガの平板レベルから大幅にかけ離れた凸形状を形成したりしないように、平坦面に近い状態とすることが必要である。
従って、凹部補修用のバーナを、各火炎放射口の各火炎放射軸線同士の交差位置が、この凹部補修用のバーナの粉末噴射口から150mm以上かつ250mm以下の距離だけ離れた位置とすることにより、壁面に対して鋭角な三角形状をなす断面を持つ施工体を形成できすることができる。なお、凹部補修用のバーナに対して冷却構造を組み込むことも可能であり、1200℃というコークス炉の炭化室内の高温状況においても溶射補修を行うことができる。
尚、前記距離が150mm未満では、壁面に対して鋭角な三角形状の施工体を安定して形成しづらくなる。一方、前記距離が250mmを超えると、通常は補修対象となる炭化室壁と対向する他の炭化室壁に凹部補修用のバーナが接触してしまい、前記距離を確保することができない。しかも、壁面に対して広幅の施工を行うこととなり、微妙な凹凸に倣うことが困難となる虞がある。
また、亀裂部補修用のバーナを、各火炎放射口の火炎放射軸線の交差位置が、このバーナの粉末噴射口から75mm以上かつ150mm未満の距離だけ離れた位置としたのは、次の理由による。
前記距離が75mm未満の場合、炭化室内温度が1200℃以上の耐火温度を有する溶射材料を完全溶融させことが困難となる虞がある。一方、前記距離が150mm以上の場合、亀裂内部に選択的に溶射材料を充填して補修することが困難で、目地損傷部又は亀裂損傷部の最深部まで溶射材料の溶融物が届かなかったり、目地損傷部又は亀裂部の周囲が凸形状に盛り上がってコークスの押出し負荷増大につながったりすることが懸念される。
本発明の溶射補修装置では、凹部補修用のバーナが、任意の2つの火炎放射口の各火炎放射軸線同士がなす交差角が10度以下であり、亀裂部補修用のバーナが、任意の2つの火炎放射口の各火炎放射軸線同士がなす交差角が20度以下であることが好ましい。
凹部補修用のバーナの交差角が10度を超える場合、溶射材料の拡がりが大きくなり、壁面に対して垂直な断面における形状が鋭角な三角形状の施工体を安定して形成しづらくなる。
一方、亀裂部補修用のバーナの交差角が20度を超える場合、炭化室壁の壁面に対して溶射材料の吹きつけ角度がつきすぎて、亀裂内部に選択的に充填補修することが困難となり、目地損傷部又は亀裂損傷部の最深部まで溶射材料の溶融物が届かなかったり、目地損傷部又は亀裂部の周囲が凸形状に盛り上がってコークスの押出し負荷増大につながったりすることが懸念される。
本発明の溶射補修装置では、補修箇所の凹部深さを計測する距離計を備えているのが好ましい。距離計としては、例えばレーザプロフィールメータを用いることができる。
このレーザプロフィールメータは、粉末噴射口の近傍に設けることにより、被施工面までの粉末噴射距離を計測する測定装置として機能する。したがって、溶射補修装置にこのようなレーザプロフィールメータを備えた場合、各バーナと被施工面との間の距離を確実に把握して、凹部及び亀裂部の補修に際し、適切な条件で溶射材料の溶射を行うことができる。
本発明のコークス炉の溶射補修方法は、シリカを含む溶射材料を噴射しながら、放射された複数の火炎の各火炎放射軸線同士の交差位置が、溶射材料の噴射位置から噴射軸線上で150mm以上かつ250mm以下の距離における位置で溶射を行う凹部補修工程と;凹部を補修する溶射材料よりも、シリカ含有量の少ない溶射材料を噴射しながら、放射された複数の火炎の各火炎放射軸線同士の交差位置が、溶射材料の噴射位置から噴射軸線上で75mm以上かつ150mm未満の距離における位置で溶射を行う亀裂部補修工程と;を有する。なお、それぞれのバーナについて、任意の2つの火炎放射口の各火炎放射軸線同士がなす交差角は、それぞれ上記と同様の範囲に設定されていることが好ましい。
亀裂部を補修する材料は、凹部を補修する材料よりもシリカ含有量が少ないことが好ましい。
具体的には、例えば、凹部補修用の溶射材料としては、シリカ含有量が95質量%程度、耐火温度が1680℃、粒度が0.2mm未満の材料が、100〜67質量%のものを採用することができる。
一方、亀裂部補修用の溶射材料としては、シリカ含有量が80質量%、耐火温度が1450℃、粒度が0.2mm未満の材料が、100〜67質量%のものを採用することができる。
亀裂部補修用の溶射材料のシリカ含有量を、凹部補修用の溶射材料よりも少なくしている理由は、シリカ含有量が少なければ、その分、耐火温度が下がり、溶射材料が溶融化し易くなって、目地損傷部位や亀裂損傷部位のような幅狭の補修箇所に浸入し易くなり、かつ溶融により目地部損傷部位及び亀裂損傷部位の周辺の壁面に溶融した溶射材料が拡散して、平坦面を維持し易くなるからである。
また、凹部又は亀裂部の補修工程の前に、レーザプロフィールメータを用いて、溶射材料の被施工面と凹部補修用のバーナ又は亀裂部補修用のバーナとの距離を計測する計測工程を実施し、計測結果に基づいて溶射補修を行うのが好ましい。さらには、その際に、炭化室壁にカーボンが付着しているか否かを計測し、カーボンが付着していると判定されたら、各補修工程の前に、この部位に酸素を吹き付けてカーボンを除去する工程を実施するのが好ましい。
カーボンの付着の有無は、溶射補修装置にCCDカメラ、CMOSセンサ等のエリアセンサを搭載することにより確認することができる。
カーボンが付着している場合、溶射材料を溶射して補修を行っても、溶射材料が炭化室壁に強固に固着せず、脱落しやすい。そこで、カーボン付着部位には、酸素を吹き付けてカーボンを前もって除去しておくことにより、溶射材料を炭化室壁に確実に付着させて、強固に補修することができる。
本発明のコークス炉の溶射補修方法は、コークス炉の操業中に、コークスを押し出した後の炭化室で実施することができる。
コークス炉は、幅狭の炭化室が多数並列配置された構造を有し、各炭化室に上部装入口から石炭を順次装入して、炭化室内部で乾留してコークスを得る。従って、各炭化室で装入のタイミングが異なるため、コークスを押し出すタイミングも異なっている。
本発明によれば、乾留後のコークスを押し出した後、炭化室の補修を短時間で行うことができるため、従来の人的作業で補修していた場合のように、コークス炉の操業を停止して補修を行う必要がなくなり、コークス炉の稼働率を大幅に向上させることができる。
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本実施形態の溶射補修装置1が示されている。この溶射補修装置1は、コークス炉2の炭化室壁3に生じたレンガの破損を溶射により補修する装置である。
炭化室内部は、400mm程度の幅狭の細長い空間であるため、炭化室壁3を補修するために、溶射補修装置1は、炭化室内部に装入され、遠隔操作で溶射補修が行える機構を備えている。
尚、炭化室壁3における損傷としては、凹部損傷箇所4や、縦目地部の損傷やレンガの亀裂により生じる亀裂部損傷箇所5等がある。これらを放置すると、炭化室壁3の平坦度の悪化により、コークスを押し出す際の負荷が増大したり、亀裂部損傷箇所から黒鉛が漏れ出す等の問題が生じたりする。
溶射補修装置1は、図1に示されるように、進退方向移動機構11と、上下方向旋回機構12と、左右方向旋回機構13と、冷却装置14と、CCDカメラ15と、レーザプロフィールメータ16と、はつり機17と、コントローラ18と、溶射装置19と、複数種類のバーナ20とを備える。
進退方向移動機構11は、溶射補修装置1を炭化室内部でその奥行き方向に移動させる機構である。上下方向旋回機構12は、進退方向移動機構11の先端部分に設けられ、CCDカメラ15、レーザプロフィールメータ16、はつり機17、及びバーナ20を上下方向に旋回させる機構である。左右方向旋回機構13は、上下方向旋回機構12のさらに先端に設けられ、CCDカメラ15、レーザプロフィールメータ16、はつり機17、及びバーナ20を左右方向に旋回させる機構である。
そして、これら進退方向移動機構11、上下方向旋回機構12、及び左右方向旋回機構13により、溶射補修装置1は、CCDカメラ15、レーザプロフィールメータ16、はつり機17、及びバーナ20を、炭化室壁3に接近させたり、離間させたり、さらには、炭化室壁3の壁面方向に沿って上下左右方向に移動させることができる。
冷却装置14は、溶射補修装置1を外部から冷却する装置であり、配管を介して溶射補修装置1に冷却水を供給し、さらには循環させることで、溶射補修装置1が高温にならないようにしている。
CCDカメラ15は、炭化室壁3の状態を観察するための装置であり、炭化室壁3の壁面に沿った上下左右方向のX位置及びY位置における損傷状態、及び炭化室壁3のカーボンの付着状態も、コークス炉2の外から観察することができる。
レーザプロフィールメータ16は、溶射補修装置1のバーナ20と、被施工面となる炭化室壁3の壁面との間の距離を測定する装置であり、凹部損傷箇所4における損傷の深さや、亀裂部損傷箇所5における亀裂深さ等を測定することができる。
そして、CCDカメラ15、レーザプロフィールメータ16から出力されるイメージシグナル、プロフィールシグナルは、炉外に配置されるコントローラ18上で解析され、解析結果に基づいて、溶射補修装置1の駆動制御が行われる。
はつり機17は、炭化室壁3の壁面をはつる(削り取る)装置であり、炭化室壁3の損傷状況に応じて、壁面上のレンガ屑や、異付着物を除去するのに用いられる。
溶射装置19は、ガスボンベ、粉体供給装置、ガス供給装置等を備え、バーナ20に溶射材料と火炎放射用の燃料とを供給する装置である。
溶射装置19及び冷却装置14における溶射仕様を下表1に示す。
Figure 0005315341
本実施形態のバーナ20は、凹部補修用バーナと亀裂部補修用バーナとを含み、これらを、左右方向旋回機構13における第1のバーナ取付部13aに対して択一的に交換・取り付けて使用することができる。尚、本実施形態では、この2種類しか準備していないが、これに限らず、損傷の状態に応じて、より多くの種類のバーナを用意してこれらを択一的に第1のバーナ取付部13aに取り付けて使用することもできる。以下、凹部補修用バーナ及び亀裂部補修用バーナについて詳述する。
図2A及び図2Bに、凹部補修用バーナ21Aの断面図及び正面図をそれぞれ示す。
凹部補修用バーナ21Aは、図2A及び図2Bに示されるように、円板状体から構成され、同円板状体の略中央に、粉末噴射軸線A1がこの円板状体の面外法線方向に向いた粉末噴射口22が形成されている。この粉末噴射口22の周りには、粉末噴射口22を囲むように複数の火炎放射口23を円形状に配列した放射口列24が複数列形成されている。本実施形態では、放射口列24は、粉末噴射口22の中心から外側に向かって3列形成されている。
各火炎放射口23の各火炎放射軸線A2は、粉末噴射軸線A1上の距離D1の位置で交差しており、粉末噴射軸線A1を間に挟む任意の2つの火炎放射軸線A2は、交差角θ1で交差している。
凹部補修用バーナ21Aにおける距離D1の値は、本実施形態では、200mmに設定されている。また、交差角θ1は、10度以下に設定されている。また、粉末噴射軸線A1と、任意の火炎放射軸線A2とのなす角は、例えば、5度以下である。
図3A及び図3Bに、亀裂部補修用バーナ21Bの断面図及び正面図をそれぞれ示す。
亀裂部補修用バーナ21Bも、図3A及び図3Bに示されるように、凹部補修用バーナ21Aと略同様の構造を有し、その中央に粉末噴射口22が形成され、この粉末噴射口22を囲むように複数の火炎放射口23を円形状に配列した放射口列24が複数列形成されている。本実施形態では、放射口列24は、粉末噴射口22の中心から外側に向かって3列形成されている。
但し、各火炎放射口23の各火炎放射軸線A3の粉末噴射軸線A1に対する角度が凹部補修用バーナ21Aとは異なっている。各火炎放射軸線A3同士の交差位置となる距離D2の位置は、本実施形態では100mmであり、凹部補修用バーナ21Aよりも短く設定されている。また、任意の2つの火炎放射軸線A3がなす交差角θ2は、例えば、20度以下とされている。また、粉末噴射軸線A1と、任意の火炎放射軸線A3とのなす角は、例えば、10度以下である。
このような凹部補修用バーナ21A及び亀裂部補修用バーナ21Bのその他の詳細仕様は、下表2に示す通りである。
Figure 0005315341
このような凹部補修用バーナ21A及び亀裂部補修用バーナ21Bは、炭化室壁3の壁面の損傷状況に応じて使い分けられる。
例えば、凹部補修用バーナ21Aは、図4に示されるように、炭化室壁3の主に凹部損傷箇所4を補修するために使用され、前述した距離D1を維持した状態で溶射が行われる。
この凹部補修用バーナ21Aで使用する溶射材料としては、シリカ含有量が95質量%程度、耐火温度が1680℃、粒度が0.2mm未満の材料が100〜67質量%のものを採用することが好ましい。
一方、亀裂部補修用バーナ21Bは、図5に示されるように、炭化室壁3の主に亀裂部損傷箇所5を補修するために使用され、前述した距離D2を維持した状態で溶射が行われる。
この亀裂部補修用バーナ21Bで使用する溶射材料としては、シリカ含有量が80質量%、耐火温度が1450℃、粒度が0.2mm未満の材料が100〜67質量%のものを採用することが好ましい。
次に、前述した溶射補修装置1を用いた本実施形態のコークス炉の溶射補修方法を、図6に示されるフローチャートに基づいて説明する。
まず、予め凹部補修用バーナ21Aを装着した溶射補修装置1をコークス炉2の炭化室内に挿入する(工程S1)。
次に、CCDカメラ15による炭化室壁3内の状態を確認する(工程S2)。
溶射補修装置1を操作する作業者が、炭化室壁3に損傷があるか否かを確認し(工程S3)、損傷が認められた場合には、CCDカメラ15で撮像した画像に基づいて炭化室壁3上の損傷位置を把握する。
続けて、作業者は、撮像画像に基づいて、損傷位置にカーボンが付着しているか否かを確認し(工程S4)、カーボンが付着していると判断したら、酸素吹き付けを行ってカーボンを除去する(工程S5)。
さらに、作業者は、炭化室壁3に凹部損傷箇所4があるか否かを確認し(工程S6)、凹部損傷が認められた場合には、溶射補修装置1を凹部損傷箇所4の付近に移動させる。そして、レーザプロフィールメータ16により、凹部損傷箇所4の深さを計測し(工程S7)、計測結果に基づいて溶射補修を行う(工程S8)。
凹部損傷箇所4の溶射補修が終了したら、溶射補修装置1を移動させ(工程S9)、すべての凹部損傷箇所4の溶射補修が終了するまで、溶射補修、装置移動を繰り返す(工程S10)。
すべての凹部損傷箇所4の溶射補修が終了したら、作業者は、亀裂部損傷箇所5の有無を確認し(工程S11)、亀裂部損傷箇所5が存在すると判断した場合には、溶射補修装置1を炭化室内から引き出し、装着していた凹部補修用バーナ21Aを亀裂部補修用バーナ21Bに交換し(工程S12)、凹部補修の場合と同様に、レーザプロフィールメータ16による計測(工程S13)と、溶射補修(工程S14)と、装置移動(工程S15)とを、全ての亀裂部損傷箇所5に対して完了するまで繰り返す(工程S16)。
このような溶射補修装置1による炭化室壁3の補修作業は、コークス炉2の実操業中に実施することができる。
すなわち、まず、並列配置された炭化室にコークスの原料となる石炭を上部に形成された装入口から順次装入し、装入された炭化室から順次加熱を開始し、乾留が終了したらコークスとなった炭化室内のコークスを順次押し出しし、押し出しが終了した炭化室の内部を点検し、必要に応じて補修を行う。
このようにすれば、コークス炉2の操業を停止することなく、コークス炉2の操業中に炭化室壁3の補修を適宜行うことができる。
以上のような溶射補修装置1を用いた溶射補修方法によって、実際のコークス炉2の炭化室壁3の溶射補修を行って確認した。その際の条件等を下表3に示す。
Figure 0005315341
凹部補修用バーナ21Aにより凹部損傷箇所4を補修したところ、周囲のレンガの平坦面に対して0mm〜−5mmの範囲内で平坦に修復できることが確認された。
また、亀裂部補修用バーナ21Bにより亀裂部損傷箇所5を補修したところ、周囲のレンガの平坦面が突出することなく、亀裂部損傷箇所5の亀裂内部を密に充填できることが確認された。周囲のレンガの平坦面に対して、凸状の盛り上がりは、+2mm〜+5mmの範囲内であり、コークス押し出しの際に押し出し負荷が増大しないことが確認された。
また、凹部補修用バーナ21A及び亀裂部補修用バーナ21Bを使用して、図7及び図8に示されるように、それぞれの溶射材料を用いて平板H上に溶射を行った。溶射の条件は、いずれも、平板Hに沿った直線方向往復5回、5層を施工したものであり、バーナの送り速度は、1m/minである。
凹部補修用バーナ21Aの場合、図7に示されるように、溶射施工体Y1は山状の断面に盛り上がり、高さ方向H1=50mm、拡がり方向L1=45mmとなった。
一方、亀裂部補修用バーナ21Bの場合、図8に示すように、平板Hの表面に薄く拡がるような溶射施工体Y2が形成され、高さ方向H2=8mm、拡がり方向L2=110mmとなった。
これらのことからも、凹部補修用バーナ21A及び亀裂部補修用バーナ21Bを用いて溶射補修を行うことにより、損傷箇所の形態に応じて適切な溶射補修を行えることが確認できた。
次に、種々の溶射材料を用いて溶射を行った場合の溶射補修結果を表4に示す。
Figure 0005315341
表4から、溶射材料2が亀裂部補修用に適しており、溶射材料5が凹部補修用に最適であることが分かる。
[第2の実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態を図面に基づいて説明する。
上記第1の実施形態では、複数の交換可能なバーナ20を択一的に用いていたのに対して、本実施形態では、溶射補修装置1が、予め複数種類のバーナ、すなわち、凹部補修用バーナ21Aと亀裂部補修用バーナ21Bとの双方を第2のバーナ取付部13bに取り付けて使用している。凹部補修用バーナ21Aと亀裂部補修用バーナ21Bは、図9に示すように垂直方向に平行に配置されているが、これらのバーナは、その機能が発揮される限りどのように配置されてもよい。
本実施形態では、凹部補修工程から亀裂部補修工程に移行する際に凹部補修用バーナ21A及び亀裂部補修用バーナ21Bを交換する必要がないため、より作業効率を高めることが可能である。
本発明によれば、コークス炉の炭化室壁の凹状損傷部位、目地損傷部位、さらには縦亀裂部位を、これら損傷部位の状況に対応して、損傷がない周囲のレンガのレベルから掛け離れることないレベルまで効率的に平坦化することができ、しかも耐用性の高い溶射補修を行うことができる溶射補修装置と、コークス炉の溶射補修方法とを提供することができる。
1 溶射補修装置
2 コークス炉
3 炭化室壁
4 凹部損傷箇所
5 亀裂部損傷箇所
11 進退方向移動機構
12 上下方向旋回機構
13 左右方向旋回機構
13a 第1のバーナ取付部
13b 第2のバーナ取付部
14 冷却装置
15 CCDカメラ
16 レーザプロフィールメータ
17 はつり機
18 コントローラ
19 溶射装置
20 バーナ
21A 凹部補修用バーナ
21B 亀裂部補修用バーナ
22 粉末噴射口
23 火炎放射口
24 放射口列
A1 粉末噴射軸線
A2 火炎放射軸線
A3 火炎放射軸線
D1 距離
D2 距離
H 平板
H1 高さ方向
H2 高さ方向
L1 拡がり方向
L2 拡がり方向
Y1 溶射施工体
Y2 溶射施工体
θ1 交差角
θ2 交差角

Claims (12)

  1. コークス炉の炭化室壁レンガを溶射によって補修する溶射補修装置であって、
    溶射粉末を噴射する粉末噴射口と、この粉末噴射口の周囲に配された複数の火炎放射口とを有する第1のバーナ及び第2のバーナを備え;
    前記第1のバーナの前記各火炎放射口それぞれの火炎放射軸線同士が交差する第1の交差位置が、この第1のバーナの前記粉末噴射口の粉末噴射軸線上にあり;
    前記第2のバーナの前記各火炎放射口それぞれの火炎放射軸線同士が交差する第2の交差位置が、この第2のバーナの前記粉末噴射口の粉末噴射軸線上にあり;
    前記第1のバーナの前記粉末噴射口から前記第1の交差位置までの距離が、前記第2のバーナの前記粉末噴射口から前記第2の交差位置までの距離よりも長い;
    ことを特徴とする溶射補修装置。
  2. 前記第1のバーナ及び前記第2のバーナが択一的に取り付けられる第1のバーナ取付部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の溶射補修装置。
  3. 前記第1のバーナ及び前記第2のバーナの双方が取り付けられる第2のバーナ取付部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の溶射補修装置。
  4. 前記第1のバーナが、凹部補修用のバーナであり;
    前記第2のバーナが、亀裂部補修用のバーナである;
    ことを特徴とする請求項1に記載の溶射補修装置。
  5. 前記第1の交差位置が、前記第1のバーナの前記粉末噴射口から150mm以上かつ250mm以下の範囲内にあり;
    前記第2の交差位置が、前記第2のバーナの前記粉末噴射口から75mm以上かつ150mm未満の範囲内にある;
    ことを特徴とする請求項1に記載の溶射補修装置。
  6. 前記第1のバーナで、前記各火炎放射口のうちの、前記粉末噴射口を間に挟む2つの前記各火炎放射軸線間に形成される交差角が10度以下であり;
    前記第2のバーナで、前記各火炎放射口のうちの、前記粉末噴射口を間に挟む2つの前記各火炎放射軸線間に形成される交差角が20度以下である;
    ことを特徴とする請求項1に記載の溶射補修装置。
  7. 前記炭化室壁レンガの表面と、前記第1のバーナ及び前記第2のバーナの少なくとも一方との間の距離を計測する距離計をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の溶射補修装置。
  8. コークス炉の炭化室壁レンガを溶射によって補修するコークス炉の溶射補修方法であって、
    前記炭化室壁レンガの表面に対し、第1の距離を置いて、シリカを含む第1の溶射粉末を噴射するとともに複数の火炎を放射して溶射を行う第1の補修工程と;
    前記炭化室壁レンガの表面に対し、第2の距離を置いて、シリカを含む第2の溶射粉末を噴射するとともに複数の火炎を放射して溶射を行う第2の補修工程と;
    を有し、
    前記第2の溶射粉末における前記シリカの含有量が、前記第1の溶射粉末における前記シリカの含有量よりも少なく;
    前記第2の距離が前記第1の距離よりも短い;
    ことを特徴とするコークス炉の溶射補修方法。
  9. 前記第1の補修工程が、前記炭化室壁レンガの前記表面に形成された凹部を補修する凹部補修工程であり;
    前記第2の補修工程が、前記炭化室壁レンガの前記表面に形成された亀裂部を補修する亀裂補修工程である;
    ことを特徴とする請求項8に記載のコークス炉の溶射補修方法。
  10. 前記第1の距離が、150mm以上かつ250mm以下の範囲内にあり;
    前記第2の距離が、75mm以上かつ150mm未満の範囲内にある;
    ことを特徴とする請求項8に記載のコークス炉の溶射補修方法。
  11. 前記第1の距離または前記第2の距離の少なくとも一方を、距離計を用いて予め計測する計測工程をさらに備え;
    この計測工程における前記計測の結果に基づいて、前記第1の補修工程及び前記第2の補修工程を行う;
    ことを特徴とする請求項8に記載のコークス炉の溶射補修方法。
  12. 前記炭化室壁レンガの前記表面へのカーボンの付着有無を判別するカーボン付着判別工程と;
    このカーボン付着判別工程で前記カーボンの付着が判別された場合に、このカーボンの付着箇所に酸素を吹き付けてこのカーボンを除去するカーボン除去工程と;
    を、前記第1の補修工程及び前記第2の補修工程の前に行うことを特徴とする請求項8に記載のコークス炉の溶射補修方法。
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