JP3689487B2 - コークス炉溶射補修装置及び補修方法 - Google Patents

コークス炉溶射補修装置及び補修方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石炭を乾留してコークスを製造するコークス炉の炭化室炉壁れんがを補修する装置、及び補修方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、コークス炉は、炉令の経過と共に炭化室炉壁れんがの損耗部位は炉の中央部へと移行している。しかし、間口が狭く、奥行きの長いコークス炉では、補修装置の炉内挿入、損耗状況及び補修状況の確認等が困難なため、効果的な補修のできないことが課題となっている。このことは、耐火物製造、築炉工等のコークス炉を取り巻く諸問題から、リプレースしないで現状のコークス炉を延命せざるを得ない状況にあって深刻であり、効果的な補修方法が切望されている。
【0003】
コークス炉炭化室の補修については、特開平7−126638号公報に提案されている。すなわち、多段伸縮ランスを用いるコークス炉の炉壁補修装置において、前後、左右方向に移動可能で、かつこれらの方向軸を中心に回転可能な多段伸縮ランスと、該多段伸縮ランスを駆動するランス駆動システムを備え、前記多段伸縮ランスは、第1段ランスと、この第1段ランス内に軸方向に伸縮自在に組み付けられた第2段〜第N段のランスと前記第一段ランスをその内面に嵌合収納することにより前記第1段〜第N段のランスを支持する固定外筒からなり、前記ランス駆動システムは、前記固定外筒と第1段から第N段間に設けられたランス伸縮駆動機構と、前記固定外筒を垂直平面内で傾動させるための傾動機構と前記固定外筒を水平面内で旋回させるための旋回機構と、前記固定外筒をランス軸廻り回転させる回転機構とからなる補修装置である。
【0004】
また、特開平7−126637号公報には、補修材の吹付けノズルを有すランス先端に設けた撮像装置により炉壁面を走査してモニタに表示すると共にランス先端に設けた距離センサにより前記ランス先端と炉壁面との距離を測定して炉壁面の損耗量データを求めランスを駆動するランス駆動機構における駆動量から前記ランス先端に対する前記炉壁面の損耗部分の位置座標を求め、これらの壁面画像情報、損耗量データおよび損耗部分の位置座標データから、炉壁面の必要な補修範囲と補修パターンを指示、選択し、前記炉壁面の損耗部分を所定の補修パターンに従って、吹き付け補修するようにしたことを特徴とする補修方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の方法では間口の狭いコークス炉に装置を精度良く設置するには時間がかかり、ユーティリティーの着脱にも時間を要することから操業の空き時間での補修はできないか、あるいは補修範囲が制限される。また、補修部分を周囲の壁面れんがレベル以下となるように施工することは困難で、操業に支障を及ぼさないように補修するという点で問題がある。
本発明は、間口の狭いコークス炉炭化室の壁面れんがを全範囲に渡って、操業の空き時間に操業に影響を及ぼさない効果的な溶射補修を行うことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)室炉式コークス炉の炭化室へ出入自在なビームの先端にスライド駆動機が、さらに該スライド駆動機の先端に昇降駆動機が配設され、溶射バーナとコテとを有するランス駆動機が該昇降駆動機に取り付けられ、ビーム先端にアウトリガーが付設されているコークス炉溶射補修装置であって、前記スライド駆動機は、前記昇降駆動機をコークス炉炭化室長さ方向に前後移動する機構を有し、前記昇降駆動機は、ランス駆動機をコークス炉炭化室高さ方向に上下移動する機構を有し、前記溶射バーナは、その噴射面がコークス炉炭化室の炉壁面に対して平行で、かつ両炉壁面から一定の距離を隔てて、炉壁面に平行な面内で回転自在とし、また、前記コテは、水冷機能を有すると共に、該コテが溶射肉盛り部に対して押し付け圧力を作用させて、炉壁面に平行な面内で回転自在に、かつ半径方向に前後進する機構を有し、前記アウトリガーは炭化室の炉底に接地する機構を有する。
【0007】
(2)ビームが、溶射に係わるユーテイリテイ及び制御機器を搭載して、コークス炉炉外のプッシャー機軌条を自走する溶射台車上に設置されたビーム駆動機の、フレーム内を摺動してコークス炉炭化室長さ方向に出入自在のビームとする。
【0008】
(3)コークス炉炭化室炉壁の損耗部の凹凸を測定し、そのデータから補修部位を決定して、炉壁長さ方向をX軸、高さ方向をY軸とする平面座標によって位置を特定し、予め把握している粉体噴射時間、粉給量、溶射肉盛りの厚さ及び面積の関係に基づいて、請求項1記載のコークス炉溶射補修装置のアウトリガーを炭化室の炉底に接地した後、スライド駆動機、昇降駆動機及びランス駆動機を制御し、コークス炉炭化室の炉壁損耗部を補修する。」
【0009】
本発明の溶射補修装置は、コークス炉のプシャー機の軌条上を自走する溶射台車に溶射に係わるユーテイリテイ、制御機器を溶射台車に搭載することで溶射補修の事前準備、事後片づけに要する時間を大幅に短縮する。
また、溶射台車をコークス炉炭化室のプッシャーサイドに設置した状態で炭化室炉壁れんがの全域を補修することができるため、補修部位による溶射台車の位置替えを不要とすることができることからコークス炉操業の空き時間に補修の必要な範囲の補修を完了することが可能となる。
【0010】
予め損耗状況に適した溶射条件を制御機器に入力しておき、溶射補修に当たって、事前に損耗状況を把握して決定した補修範囲を前記制御機器に入力することで、補修範囲を自動的に、かつ、適正に補修できることからバラツキの少ない効果的な補修を可能とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説明する。
本発明の溶射補修装置の一実施例を図1に示す。図1において、溶射ランス2は溶射バーナ1を接合して支持すると共に他端のランス基部はランス駆動機5に、溶射バーナ1の噴射面がコークス炉炭化室の炉壁面に対して平行で、かつ両炉壁面から一定の距離を隔てて、炉壁面に平行な面内で回転自在に取り付けられている。
【0012】
また、コテ3はコテランス4を接合して支持すると共に他端のランス基部はランス駆動機5に、コテ3が溶射肉盛り部に対して押し付け圧力を作用させるよう炉壁面方向に傾動し、かつ炉壁面に平行な面内で回転自在に、またコテランス4の軸方向に前後進するように取り付けられている。
なお、コテ3は溶射施工直後の溶融、あるいは半溶融状態にある溶射肉盛り部と接しても、コテ3が変形、損傷しないよう水冷されている。
【0013】
溶射ランス2、及びコテランス4が取り付けられたランス駆動機5は、コークス炉炭化室の高さ方向に上下駆動させる昇降駆動機6に付設され、さらに、昇降駆動機6はコークス炉炭化室の長さ方向に前後駆動させるスライド駆動機7に付設されている。
スライド駆動機7はコークス炉の炉外に設置された溶射台車10に搭載されたビーム駆動機(図示せず)でフレーム9上を摺動して移動するビーム8の先端に付設されている。
【0014】
また、ビーム8先端にはビーム8がフレーム9上を摺動移動して、その繰り出し長さが長くなるに従ってビーム8先端の付設物の重量でたわみが生じることに対してそのたわみを防止するためのアウトリガー13が付設されている。
ビーム駆動機(図示せず)はコークス炉の炉外にあるプッシャー機の軌条11を自走して移動する溶射台車10に溶射に係わるユーテイ リテイ の制御機器、ランス駆動機5、昇降駆動機6、スライド駆動機7、ビーム駆動機(図示せず)、溶射台車10の走行等の制御機器と一括して搭載されている。
【0015】
図1に示す本発明の溶射補修装置において、補修時にコークス炉の炭化室に設置される機器の詳細を図2に示す。
図2において、溶射ランス2には溶射補修部の状況を外部から観察できるように監視カメラ14を設置している。
図1、図2を参照しつつ、溶射補修の一連の作業を手順に従って説明する。炭化室炉壁れんがの損傷状況を、コークス炉炭化室炉壁の長手方向をX軸、高さ方向をY軸とする平面座標と関連付けて損耗部の凹凸を予め測定し、前記測定データに基づいて補修部位を予め決定しておく。
ここで決定された補修部位の座標データ及び損耗の凹凸データを補修する炭化室の窯番号と共に溶射台車10上の運転室(図示せず)内に設置した操作盤(図示せず)で設定しておく。
【0016】
前述の炭化室炉壁れんがの損耗状況を予め操作盤(図示せず)に設定しておくのは、測定機器を溶射補修装置の炭化室内設置部分に付設することに制約があり、また、機動性の低下と共に測定に時間を要することが考えられることから、コークス炉操業間の限られた空き時間を溶射補修に専用するためである。
なお、測定機器及び装置、測定方法については特に限定するものではない。
【0017】
溶射台車10は、操作盤(図示せず)で設定された窯番号までプッシャー機の軌条11上を自走して、設定された炭化室前で自動的に停止する。この時、炭化室前の正規の停止位置に予め合いマークを付けておき、この合いマークと溶射台車10の停止位置を溶射台車10上に設置した運転室(図示せず)から目視確認して位置ずれのあった場合、溶射台車10上の運転室(図示せず)内に設置した操作盤(図示せず)を操作して溶射台車10を合いマークにあわせるように移動させる。
【0018】
次いで、ビーム駆動機(図示せず)が摺動移動して設定された補修位置に到達するとアウトリガー13を炭化室の炉底に接地させ、ビーム8にたわみが生じないように固定する。
なお、ビーム駆動機(図示せず)にて炭化室内に装置を挿入するに際して、既設のプッシャー機に搭載されている炉蓋着脱装置を使用して事前に炉蓋を開放しておく必要があるが、炉蓋の解放から溶射補修までの時間が長い場合、炭化室内の温度低下から炉壁れんがの損耗が懸念されるため、溶射補修の直前に炉蓋を解放することが重要である。あるいは、溶射補修装置の溶射台車10に炉蓋着脱装置を搭載することで、溶射補修までの炉蓋解放の時間を短縮できる。
【0019】
また、鋼管フレームに断熱ウールを張った防熱板を炉蓋解放後に設置することで炭化室内の炉壁温度の低下を軽減でき、時間短縮のため、この防熱板の着脱装置を溶射台車10に付設することでさらに温度低下を軽減できる。
アウトリガー13を接地した後、溶射台車10上の運転室(図示せず)内に接地した操作盤(図示せず)を操作して、溶射バーナ1からプロパンを噴射させて炭化室内の炉壁れんがの温度で着火した後、酸素を噴射してプロパンー酸素炎を形成する。
次いで操作盤(図示せず)を操作して、溶射台車10上に設置している粉給機(図示せず)から粉体を切り出して溶射バーナ1から噴射させ溶射施工を開始する。これと同時に補修範囲内を溶射バーナ1が移動するよう、スライド駆動機7、昇降駆動機6、ランス駆動機5のひとつあるいは組み合わせて駆動させる。
この時、予め溶射バーナ1の補修範囲内での移動方法を所定の溶射距離を確保することも含めて、前記のスライド駆動機7、昇降駆動機6、ランス駆動機5のひとつあるいは組み合わせての駆動及びその駆動量に置き換えて設定しておくことで、補修範囲内の溶射バーナ1の移動を自動的に行うことができる。
【0020】
さらに、予め溶射バーナ1の施行における肉盛り厚さ及び範囲を把握しておけば、損耗部の凹部状況のデータに基づいて、肉盛り厚さを考慮した溶射バーナ1の移動が簡易な演算プログラムを付与することで自動で行うことができる。
また、溶射バーナ1の移動に追従してランス駆動機5でコテランス4を駆動することで溶射肉盛りした部分にコテを押し付けると同時にコテを移動することで溶射施工体の表面を平滑にすることができる。コテランス4の移動パターンを溶射バーナ1の移動パターンと関連付けて把握し、予め設定しておくことで、溶射施工体の表面を自動的に平滑仕上げができる。このように、溶射バーナ1とコテランス4を移動することで補修範囲内を溶射補修できる。
【0021】
コテ3の押し付けはランス駆動機5の炭化室壁面方向の駆動で行い、コテ3の押し付け力は駆動量で行うが、駆動量は予め溶射施工した部分をコテ3で押し付けて溶射肉盛り部を押し広げられる最小量を把握しておく。また、肉盛り量と押し広げられる範囲を予め把握しておくことで、ランス駆動機5の回転駆動の駆動量の適正値を把握しておく。
【0022】
溶射ランス2に取り付けた監視カメラ14は、溶射バーナ1により損傷部に溶融した粉体が吹き付けられる部位に焦点が合うように設置され、損傷部の状況や補修状況を常時運転室(図示せず)から観察できる。監視カメラ14の観察により、予め操作盤(図示せず)で設定したデータを修正、あるいは変更することで、より的確な溶射補修が可能となる。
【0023】
また、例えば昇降駆動機6やスライド駆動機7等の炭化室内に挿入される装置に監視カメラを別に設置することで、損耗部を含む広範囲の炉損耗部に付着するカーボンや、れんがの脆弱層を除去することは、溶射施工体と炉壁れんがを強固に接着させるだけでなく、溶射施工体の耐用性を向上する上でも重要であるため、溶射補修に先立って除去しておく必要がある。
カーボンやれんがの脆弱層の除去は、溶射補修装置を設置する前に行っても良いが、例えば、コテランス4を除去治具の一つであるスケーリングハンマーと付け替えて行っても良い。この場合、スケーリングハンマーとの付け替えを炭化室外で行う必要があるため、所要時間を考慮して補修時間を決める必要がある。
【0024】
補修範囲が、他にある場合は、アウトリガー13を収納してビーム駆動機(図示せず)を操作して別の補修範囲まで移動し、アウトリガー13を炭化室の炉底に接地して溶射補修を行う。また、別の補修範囲が対面する炉壁となる場合は、溶射バーナ1の噴射面やコテの接触面を対面する炉壁面に向くように溶射バーナ1やコテを溶射ランス2、コテランス4の接合部で脱着する、あるいは、ランス駆動機5に取り付けられるランス基部で脱着して変更する。
所定の溶射補修が終了すると、粉体の供給停止から順次溶射補修の開始と逆の手順で溶射装置を炭化室から脱出して溶射台車10を待機位置に移動する。
【0025】
前記の溶射補修を全て自動制御により行う場合の、制御フローを図3に示す。図3で補修作業の確実性を高めるため、操作者が監視カメラ14、別に設置した監視カメラや目視により視覚的に作業の状況を把握、確認して行う場合は、操作者が操作盤(図示せず)にて次の作業に進むことを指示することで行える。
図1、図2に示した溶射補修装置で図3の制御フローに従って、コークス炉炭化室の窯口から7mの中央部を1m2 溶射補修した場合の所要時間を、従来のコークス炉プラットホームを自走して移動する溶射台車に溶射バーナ・ランスの駆動機を搭載した溶射補修装置での補修の場合と比較して表1に示す。また、溶射バーナは燃料ガスにプロパン、支燃ガスに酸素を使用し、溶射バーナ内でプロパンと酸素を予混合するタイプで、火炎温度は2200℃〜2300℃の範囲であった。
【0026】
【表1】
Figure 0003689487
【0027】
表1から、本発明による方法では従来の方法に比し、所要時間では60%以上の短縮が、また、作業要員では80%の省力化が図れた。さらに、溶射補修後の溶射施工体の表面は、補修部周辺の炉壁れんがのレベルと同等であり、コークス排出時の押し詰まりも皆無であった。
なお、燃料ガスとしてプロパンに限定するものでなく、粉体を火炎通過時に溶融できる高温火炎を形成する、例えばアセチレン、コークス炉発生ガス、水素等であっても良く、液体燃料として例えば灯油を、固体燃料として例えば微粉炭、金属アルミ、金属シリコンを使用しても良い。支燃ガスも前記の燃料ガスと混合して高温火炎が得られるなら酸素濃度を限定するものでない。これらの燃料の違いによって火炎温度も異なってくる。
【0028】
さらに、本発明の溶射台車はプッシャー機の軌条を自走することとしているが、溶射に係るコーティリティや粉給機等を別に設けて、溶射台車に脱着するようにして、溶射台車がプラットホームを自走して移動する方式としても差し支えない。 しかし、この方式では、ユーティリティの着脱に時間がかかると共に作業者が必要となる。また、溶射台車と周辺機器との取り合いから、溶射ランスの長さに制約があり、炭化室の全域にわたっての補修が困難となる等の補修作業に制約が生じる。なお、ユーティリティを溶射台車と着脱する作業時間、労力を軽減するため、炭化室プラットホームの近辺にユーティリティの取り出しを多数配置しても良い。
【0029】
【発明の効果】
本発明により、炭化室中央部の炉壁れんがの溶射補修を操業の空き時間に行うことができる。また、溶射体表面を周辺れんがと同一レベル以下に平滑施工できるため、押し詰まり等による操業トラブル、炉壁損傷を回避できることからコークス炉延命が図れる。さらに、プロパン−酸素炎を用いる溶射方法では、シリカ成分を主体とした溶射材料を溶融して施工体を作成することから、施工体表面がガラスコーティングした状態となることから操業過程においてカーボンの付着が少ないか或いは付着カーボンが剥離し易い状況となり、カーボン付着に伴う様々な悪影響を緩和、抑制することができるため、コークス炉の延命を図る上で一層効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る溶射補修装置及び補修方法の一例を示す模式説明図。
【図2】図1に示す溶射補修装置で補修時にコークス炉の炭化室に設置される機器の詳細を示す模式説明図。
【図3】本発明の溶射補修方法の一実施例の作業フローを示すフローチャート図。
【符号の説明】
1 溶射バーナー
2 溶射ランス
3 コテ
4 コテランス
5 ランス駆動機
6 昇降駆動機
7 スライド駆動機
8 ビーム
9 フレーム
10 溶射台車
11 軌条
12 車輪
13 アウトリガー
14 監視カメラ

Claims (3)

  1. 室炉式コークス炉の炭化室へ出入自在なビームの先端にスライド駆動機が、さらに該スライド駆動機の先端に昇降駆動機が配設され、溶射バーナとコテとを有するランス駆動機が該昇降駆動機に取り付けられ、ビーム先端にアウトリガーが付設されているコークス炉溶射補修装置であって、前記スライド駆動機は、前記昇降駆動機をコークス炉炭化室長さ方向に前後移動する機構を有し、前記昇降駆動機は、ランス駆動機をコークス炉炭化室高さ方向に上下移動する機構を有し、前記溶射バーナは、その噴射面がコークス炉炭化室の炉壁面に対して平行で、かつ両炉壁面から一定の距離を隔てて、炉壁面に平行な面内で回転自在とし、また、前記コテは、水冷機能を有すると共に、該コテが溶射肉盛り部に対して押し付け圧力を作用させて、炉壁面に平行な面内で回転自在に、かつ半径方向に前後進する機構を有し、前記アウトリガーは炭化室の炉底に接地する機構を有することを特徴とするコークス炉溶射補修装置。
  2. ビームが、溶射に係わるーティリティ及び制御機器を搭載して、コークス炉炉外のプッシャー機軌条を自走する溶射台車上に設定されたビーム駆動機の、フレーム内を摺動してコークス炉炭化室長さ方向に出入自在のビームであることを特徴とする請求項1記載のコークス炉溶射補修装置。
  3. コークス炉炭化室炉壁の損耗部の凹凸を測定し、そのデータから補修部位を決定して、炉壁長さ方向をX軸、高さ方向をY軸とする平面座標によって位置を特定し、予め把握している粉体噴射時間、粉給量、溶射肉盛りの厚さ及び面積の関係に基づいて、請求項1記載のコークス炉溶射補修装置のアウトリガーを炭化室の炉底に接地した後、スライド駆動機、昇降駆動機及びランス駆動機を制御し、コークス炉炭化室の炉壁損耗部を補修することを特徴とするコークス炉溶射補修方法。
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