JP5314380B2 - 照明光通信システム用の送信装置 - Google Patents

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本発明は、照明光を利用してデータを伝送する照明光通信システムおよびこの照明光通信用システムに好適に適用可能な送信装置に関する。
高速通信技術の進展とともに、光を伝送媒体として用いた屋内無線通信技術が利用されるようになってきた。特に、伝送媒体として赤外線を用いたLAN(Local Area Network)が、オフィスや家庭に普及してきている。
しかしながら、赤外線を用いた無線データ通信では、送信装置と受信装置との間に存在する遮蔽物によって通信に支障が生じるという問題がある。また、信号電力が小さいため、データ通信、すなわち信号の送受信が不安定になり易いという問題がある。
前述した無線データ通信にかかる問題を解決する通信方式として、照明用光源からの光をデータの伝送媒体に用いた通信方式(照明光通信)が考えられている。照明光の光源としては、化合物半導体系の白色発光ダイオード(以下、白色LED(LED:Light Emitting Diode)という場合がある)が用いられている。白色LEDを用いた照明は、蛍光灯といった従来の照明と比較して、長寿命、小型、低消費電力といった優れた特長を有している。非特許文献1および特許文献1には、このような白色LEDの特長に着目した照明光通信システムが開示されている。
「可視光通信に適した変調方式の実験的検討」(信学技報IEICE Technical Report OCS2005-19(2005-5)第43〜48頁 社団法人 電子情報通信学会) 特開2003−318836号公報
しかしながら、上記従来の白色LEDを用いた照明光通信技術では、大容量のデータの高速での伝送に限界がある。白色LEDの応答速度が、例えば半導体レーザと比較して低いためである。また、従来、照明に利用される白色LEDとしては、蛍光体を使用するタイプが主に用いられているが、蛍光体を使用するタイプは、蛍光体不使用の白色LEDと比較すると応答速度が低くなってしまう。
また、本出願人は照明用光源に有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子という場合がある)を用いた照明光通信システムを考案し、さらに検討を加えたところ、従来の有機EL素子は応答速度には優れるものの、発光効率が低く、印加される電圧の変化に対して出射光の色味が変動する、すなわち明るさに応じて色味が変動するため、照明用の光源としても使用される照明光通信システムの光源には不向きであることを見出した。
そこで、本発明の目的は、照明としての性能が高く、かつ通信速度が速い新規な照明光通信システムおよびこの照明光通信用システムに好適に適用可能な送信装置を提供することにある。
前述した課題を解決するために、本発明では、下記の構成を採用した。
〔1〕 送信データに基づいて変調された変調光を出射する照明用光源を備える送信装置であって、前記照明用光源は、陽極と、陰極と、前記陽極および前記陰極間に配置され、互いに異なるピーク波長で発光する複数の発光層とを含んで構成される有機エレクトロルミネッセンス素子を備え、該有機エレクトロルミネッセンス素子が、前記ピーク波長が長い前記発光層ほど前記陽極寄りに配置されてなる、照明光通信システム用の送信装置。
〔2〕 前記有機エレクトロルミネッセンス素子が、赤色の光を発光する発光層と、緑色の光を発光する発光層と、青色の光を発光する発光層とを含む〔1〕に記載の前記送信装置。
〔3〕 前記照明用光源は、それぞれの発光面積が10−8cmから10−1cmである複数の有機エレクトロルミネッセンス素子を備える、〔1〕または〔2〕に記載の前記送信装置。
〔4〕 前記照明用光源が、前記変調光を出射する通信用の有機エレクトロルミネッセンス素子と、非変調光を出射する照明用の有機エレクトロルミネッセンス素子とを備える、〔1〕から〔3〕のいずれかに記載の前記送信装置。
〔5〕 前記通信用の有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層が、蛍光を発光する発光材料を用いて形成され、かつ前記照明用の有機エレクトロルミネッセンス素子の前記発光層が、リン光を発光する発光材料を用いて形成されてなる〔4〕に記載の前記送信装置。
〔6〕 前記発光層が、エネルギーを加えることによって架橋する成分を含有する材料で形成されてなる〔1〕から〔5〕のいずれかに記載の送信装置。
〔7〕 前記陽極と前記陰極との間に印加する電圧レベルを変化させたときの前記有機エレクトロルミネッセンス素子の出射光の色度座標における座標値xおよび座標値yそれぞれの変化の幅が、最大でも0.05である〔1〕から〔6〕のいずれかに記載の前記送信装置。
〔8〕 前記有機エレクトロルミネッセンス素子に接続され、該有機エレクトロルミネッセンス素子の動作を制御する制御回路をさらに備える〔1〕から〔7〕のいずれかに記載の前記送信装置。
〔9〕 複数の有機エレクトロルミネッセンス素子を1つの構成単位とする素子群にグループ分けされた有機エレクトロルミネッセンス素子それぞれを、素子群ごとに駆動する駆動回路をさらに備える〔1〕から〔8〕のいずれかに記載の前記送信装置。
〔10〕 変調光を出射する照明用光源を備える前記〔1〕から〔9〕の前記送信装置と、前記照明用光源から出射された前記変調光を受光して電気信号に変換し、当該電気信号を復調して受信データを生成する受信装置とを具備する照明光通信システム。
本発明の照明光通信システム用の送信装置においては、照明用光源として、高速応答性を特長とする有機EL素子を用いる。特に発光する光のピーク波長が長い発光層ほど、陽極寄りに配置した複数層の発光層を備える有機EL素子を用いることにより、電極に印加する電圧の変化に対して、色味の変化が少なく、かつ発光効率の高い光源を実現することができるので、照明としての性能が高く、かつ従来の白色LEDを用いる場合と比較して、大容量のデータをより高速に伝送することが可能な送信装置を実現することができる。さらにこのような送信装置と受信装置とを備える照明光通信システムにより、高速通信が可能となる。
以下、図を参照して、本発明の実施形態につき説明する。なお、各図は、発明が理解できる程度に、構成要素の形状、大きさおよび配置が概略的に示されているに過ぎない。本発明は以下の記述によって限定されるものではなく、各構成要素は本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。なお、以下の説明に用いる各図において、同様の構成要素については同一の符号を付して示し、重複する説明を省略する場合がある。また、有機EL素子を備える装置においては電極のリード線等の部材も存在するが、本発明の説明にあっては直接的に要しないため記載を省略している。層構造等の説明の便宜上、下記に示す例においては基板を下に配置した図と共に説明がなされるが、本発明の有機EL素子およびこれを搭載した有機EL装置は、必ずしもこの配置で、製造または使用等がなされるわけではない。なお以下の説明において基板の厚み方向の一方を上または上方といい、厚み方向の他方を下または下方という場合がある。
〈照明光通信システムの構成例(1)〉
図1を参照して、本発明の照明光通信システムの構成例につき説明する。図1は、照明通信システムの構成を概略的に説明するブロック図である。
図1に示すように、照明通信システム10は、送信装置20と受信装置30とを備えている。送信装置20は、照明用光源22を備えている。照明用光源22は、送信されるべき送信データに基づいて変調された変調光を出射する。変調光とは、点滅制御された光または光量制御された光をいい、変調方式としては、アナログ変調方式(AM、FMなど)、デジタル変調方式、パルス変調方式、およびスペクトラム拡散方式などが用いられる。
送信装置20は、有機EL素子26を備え、また該有機EL素子26に接続され、かつ当該有機EL素子26の動作を制御する制御回路28をさらに備える。以下有機EL素子26と制御回路28とを含む構成を発光ユニット24という。図示例は、照明用光源22が、1つの発光ユニット24からなる例である。制御回路28と有機EL素子26とは電気的に接続されている。
有機EL素子26は、照明光のみ、または照明光および信号光の双方を生成して出射する。有機EL素子26および制御回路28の具体的な構成については後述する。
受信装置30は、受光部32と復調部34とを備える。受信装置30は、照明用光源22から出射された変調光を受光して、受信データを生成する。
受光部32は、図示しない光電変換装置を内蔵しており、受光した変調光を電気信号に変換する。復調部34は、受光部32によって光電変換された電気信号から、元のデータ(送信データ)を復調して受信データを生成する。
送信装置20がデータを送信する場合には、送信すべきデータ、すなわち送信データが制御回路28に供給される。送信データの供給を受けた制御回路28は、供給されたデータに基づいて有機EL素子26の動作を制御する。
こうして、送信データに対応して変調された変調光が有機EL素子26、すなわち発光ユニット24から出射される。前述したように有機EL素子26は、高速応答性を有するので、高速に点滅させたり、高速に光量を変化させたりしても、視覚的には感知されず、ほぼ一定の光量で光っているように見える。したがって、有機EL素子26から出射された変調光は、人に違和感を与えることなく、そのまま照明光としても利用することができる。
〈照明光通信システムの構成例(2)〉
図2および図3を参照して、本発明の照明光通信システムの他の構成例につき説明する。
1Gbps程度以上の大容量の伝送を行なうためには、送信装置20において多数の発光ユニット24を二次元的に配列し、これらを互いに並列的に動作させればよい。このような並列システムを従来のLEDを用いて実現するためには、多数のLEDを二次元的に配列し、分割器との配線接続を行なう必要があり、システムとして大型にならざるを得なかった。
白色LEDに代えて有機EL素子を用いると、完成した個々の発光ユニット24を配線ボード上に後付けして配列するのではなく、例えば制御回路28が形成されたTFT(Thin Film Transistor)基板上に複数の有機EL素子26を直接的に作りこむことができ、発光ユニット24を二次元的に配置した集積デバイスとして基板上に最初から製造できるので、分割器などの他の素子を加えても非常にコンパクトな送信装置20を実現できる。
図2および図3は、本発明の照明通信システムの構成例を概略的に説明するブロック図である。
図2に示すように、この照明光通信システム10は、図1を参照して既に説明した構成を基本として、有機EL素子26および制御回路28からなる発光ユニット24並びに受光部32の組を複数組備えている。送信装置20の照明用光源22において、複数の発光ユニット24は、二次元的に配置されている。また、制御回路28は、直列/並列変換回路29をさらに含み、受信装置30は、レンズ36と並列/直列変換回路38とをさらに含んでいる。
なお、図示例の送信装置20および受信装置30において、直列/並列変換回路29を制御回路28に組み込む構成としたが、直列/並列変換回路29を、制御回路28の外部に設ける構成とすることもできる。この場合、直列/並列変換回路29から生成されるパラレル信号に基づいて、制御回路28が各有機EL素子26を制御してもよい。
送信装置20の直列/並列変換回路29は、送信データであるシリアルデータを複数のパラレルデータに分割し、分割されたパラレルデータを個々の有機EL素子26にそれぞれに供給する。この送信装置20の直列/並列変換回路29の動作を含めた制御回路28の制御によって、各有機EL素子26は、各々に与えられるパラレルデータに応じて、変調された変調光を出射する。出射された変調光は、レンズ36によって空間的に分離され、対応する各受光部32の光電変換装置において光電変換され、さらに変換された電子信号は図示しないA/Dコンバータによってデジタル化され、受信装置30の並列/直列変換回路38によってシリアルデータに変換される。復調部34は、このシリアルデータを復調することにより受信データを生成して出力する。
このように、複数の有機EL素子26を並列的に駆動することによって、大容量のデータを高速で伝送することができる。
図2に示した送信装置20において、有機EL素子26の制御(変調制御を含む)は、外部駆動回路としてのドライバICを用いて行ってもよい。図2に示した送信装置20においては、複数の有機EL素子26を単一の制御回路28で動作制御している。
図3に示すように、複数の有機EL素子26それぞれを個別に制御する複数の制御回路28それぞれに対応させて接続する構成とすることもできる。この場合には、照明用光源22は、1つの有機EL素子26および1つの制御回路28を1組として一体的に形成した発光ユニット24を複数組備える。なお、複数の有機EL素子26を1つの構成単位とする素子群に、各有機EL素子26をグループ分けしたときに、同じ素子群に含まれる複数の有機EL素子26と該有機EL素子26に接続される制御回路28とからなる発光ユニット24群を、サブ光源23という場合がある。後述するように、サブ光源23ごとに発光を制御することにより、各有機EL素子26を素子群ごとに駆動することができる。このように1つの素子群に含まれる複数の有機EL素子26を単位として駆動することにより、素子群単位としての光強度(信号強度)が大きくなるので、例えばノイズの多い環境で使用する場合や各有機EL素子26の光量が少ない場合であっても、正確に信号を伝送することができ、エラービットレートの小さい照明用光通信システムを実現することができる。
有機EL素子26と一体的に作り込まれる制御回路28の構成要素の一例としていわゆる薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)を用いることができる。薄膜トランジスタとしては、ポリシリコントランジスタ、アモルファスシリコントランジスタ、有機半導体材料を用いた有機トランジスタ等が知られている。こうした薄膜トランジスタから構成される制御回路28と有機EL素子26とを一体的に形成することで、送信装置20の一層の小型化が可能になる。
次に、図4を参照して、前述した照明光通信システム10の送信装置20の構成例として、いわゆるアクティブマトリクス型として構成された照明用光源22について説明する。
アクティブマトリクス型とは、有機EL素子26および制御回路28を一体的に構成した発光ユニット24をマトリクス状に配列し、複数の有機EL素子26それぞれの駆動制御を有機EL素子26の近傍にそれぞれ作り込まれた制御回路28によって行うタイプをいう。
有機EL素子26を用いてアクティブマトリクス型の照明用光源22を構成した場合には、有機EL素子の駆動方法は、電流プログラム方式および電圧プログラム方式の二種類に大別される。「電流プログラム方式」とは、データ線に対するデータの供給を電流レベルで行う方式をいい、「電圧プログラム方式」とは、データ線に対するデータの供給を電圧レベルで行う方法をいう。
図4は、本発明のアクティブマトリクス型の照明用光源を用いた照明光通信システムの概略的な説明図である。
送信装置20が備える照明用光源22は、前述したように例えばTFTを構成要素とする制御回路28により有機EL素子26を駆動する、いわゆるアクティブマトリクス型の装置である。
この照明用光源22には、m×n(記号「m」、「n」はそれぞれ自然数を表す)個の発光ユニット24が平面上においてm行n列のマトリクス状に配列される。すなわち格子縞の交点上に各発光ユニット24がそれぞれ配置される。
照明用光源22は、それぞれが図4において行方向に延在するとともに、互いに列方向に間隔をあけて配置されるn本の走査線Yからなる走査線群Y1〜Ynを有する。
また、照明用光源22は、列方向に延在するとともに、互いに行方向に間隔をあけて配置されるm本のデータ線Xからなるデータ線群X1〜Xmを有する。走査線群Y1〜Ynとデータ線群X1〜Xmとは、基板の厚み方向の一方から見て、格子縞を形成している。
走査線Yおよびデータ線Xを基板の厚み方向の一方から見たときの複数の交点にマトリクス状に設定される複数の画素領域51それぞれに1つの発光ユニット24が配置されている。換言すると、複数の発光ユニット24が、画素領域51ごとにマトリクス状に配置されている。
図4においては、それぞれの有機EL素子26に対して所定の電圧Vdd,Vssを供給する電源線等が省略されている。
図5および図6を参照して、発光ユニット24が備える制御回路28の好適な構成例につき説明する。
図5は電流プログラム方式における発光ユニット24が備える制御回路28を示す回路図である。図6は電圧プログラム方式における発光ユニット24が備える制御回路28を示す回路図である。
図5および図6に示すように、発光ユニット24は、有機EL素子26およびこの有機EL素子26を除く回路部分である制御回路28を備えている。
〈電流プログラム方式〉
図5に示すように、制御回路28は、4つのトランジスタT1、T2、T3およびT4、送信データを保持するデータ保持手段であるキャパシタC、電源電圧(供給手段)Vdd、基準電圧(供給手段)Vss並びにこれらを互いに接続する信号線を含んでいる。
図5では、トランジスタT1、T2、およびT4をnチャネル型トランジスタとし、トランジスタT3をpチャネル型トランジスタとした例を示してある。
トランジスタT1のゲート電極は、走査信号SELが供給される所定の1本の走査線Yに電気的に接続されている。トランジスタT1のソース電極は、データ電流Idataが供給される所定の1本のデータ線Xに電気的に接続されている。トランジスタT1のドレイン電極は、トランジスタT2のソース電極に電気的に接続されている。
トランジスタT1のドレイン電極およびトランジスタT2のソース電極は、プログラミングトランジスタであるトランジスタT3のドレイン電極およびトランジスタT4のドレイン電極に電気的に共通接続されている。
トランジスタT2のゲート電極は、トランジスタT1のゲート電極と同じく、走査信号SELが供給される走査線Yに電気的に共通接続されている。トランジスタT2のドレイン電極は、キャパシタCの一方の電極と、トランジスタT3のゲート電極とに電気的に共通接続されている。
キャパシタCの他方の電極には電源電圧Vddが印加される。また、トランジスタT3のソース電極には、電源電圧Vddが印加される。キャパシタCの他方の電極とトランジスタT3のソース電極とには、電源電圧Vddが印加されている。
トランジスタT4のゲート電極には駆動信号GPが入力される。トランジスタT4のドレイン電極には有機EL素子26のアノード(陽極)が電気的に接続されている。また、有機EL素子26のカソード(陰極)には、電源電圧Vddよりも低電圧である基準電圧Vssが電気的に接続されている。
〈電圧プログラム方式〉
電圧プログラム方式についても、送信装置の全体的な構成については既に説明した通りである。しかしながら、この場合には、データ電圧(信号)Vdataをデータ線Xにそのまま出力するため、データ線Xに電気的に接続されているデータ線駆動回路44(図4)の可変電流源が不要になる。ここでは、いわゆるCC(Conductance Control)法と称される構成例につき説明する。
図6に示すように、発光ユニット24は、有機EL素子26、トランジスタT1、T4およびT5、データ保持手段であるキャパシタC、電源電圧(供給手段)Vdd、基準電圧(供給手段)Vss並びにこれらを互いに接続する信号線を含んでいる。図6にはトランジスタT1、T4およびT5を、すべてnチャネル型とした例を示してある。
いわゆるスイッチングトランジスタであるトランジスタT1のゲート電極は、走査信号SELを供給する所定の走査線Yに電気的に接続されている。トランジスタT1のドレイン電極は、データ電圧(信号)Vdataを供給する所定のデータ線Xに電気的に接続されている。トランジスタT1のソース電極は、データ保持手段であるキャパシタCの一方の電極に電気的に接続されている。
トランジスタT1のソース電極とキャパシタCの一方の電極とは、いわゆる駆動トランジスタであるトランジスタT4のゲート電極に、電気的に共通接続されている。
キャパシタCの他方の電極には基準電位Vssが印加されている。また、トランジスタT4のドレイン電極には電源電圧Vddが印加されている。トランジスタT4のソース電極は、いわゆる制御トランジスタであるトランジスタT5のドレイン電極に電気的に接続されている。
トランジスタT5には、駆動信号GPが入力される。トランジスタT5は、駆動信号GPによって導通制御される。トランジスタT5のソース電極は、有機EL素子26のアノードに電気的に接続されている。この有機EL素子26のカソードには、基準電圧Vssが印加されている。
前述した構成例では、データを保持する回路要素、すなわちデータ保持手段の好適例として、キャパシタを用いる例を説明したが、キャパシタの代わりに、多ビットのデータを記憶可能なメモリ装置(SRAM等)を用いることもできる。
図7を参照して、図5および図6を参照して説明した発光ユニット24の動作につき説明する。図7は、発光ユニット24の動作タイミングチャートである。
ここで、走査線駆動回路42(図4)による走査線Y1から走査線Ynの線順次走査によって、所定の発光ユニット24の選択が開始されるタイミングをt0とする。また、発光ユニット24の選択が次に開始されるタイミングをt2とする。期間t0〜t2は、前半のプログラミング期間t0〜t1と、後半の駆動期間t1〜t2とに分けられる。
〈電流プログラム方式(図5に示した回路構成)における動作〉
前半のプログラミング期間t0〜t1では、キャパシタCに対する送信データの書き込みが行われる。まず、タイミングt0において、走査信号SELが走査線Yに入力される。これにより、走査線Yが高レベル(以下、Hレベルという場合がある)に立ち上がる。スイッチング素子として機能するトランジスタT1およびT2が共にオン(導通)する。すると、データ線XとトランジスタT3のドレイン電極とが電気的に接続される。これにより、トランジスタT3は、自己のゲート電極と自己のドレイン電極とが電気的に接続されたダイオード接続となる。
トランジスタT3は、データ線Xより供給されたデータ電流Idataを自己のチャネルに流す。これにより、データ電流Idataに応じた電圧がゲート電圧Vgとして発生する。トランジスタT3のゲート電極に接続されたキャパシタCには、発生したゲート電圧Vgに応じた電荷が蓄積される。これにより、キャパシタCには、蓄積された電荷量に相当するデータ(送信データ)が書き込まれる。
プログラミング期間t0〜t1において、トランジスタT3は、自己のチャネルを流れるデータ信号に基づいて、キャパシタCに対するデータの書き込みを行うプログラミングトランジスタとして機能する。また、この期間中、駆動信号GPが低レベル(以下、Lレベルという場合がある)に維持されているため、トランジスタT4はオフ(非導通)のままである。したがって、有機EL素子26に対する駆動電流の経路はトランジスタT4により遮断される。よって、有機EL素子26は発光しない。
続く駆動期間t1〜t2では、駆動電流が有機EL素子26を流れ、有機EL素子26の輝度の設定が行われる。まず、タイミングt1において、走査信号SELがLレベルに立ち下がり、トランジスタT1およびT2がいずれもオフする。これにより、データ電流Idataが供給されるデータ線XとトランジスタT3のドレイン電極とが電気的に分離され、トランジスタT3のゲート電極とドレイン電極との間も電気的に分離される。
トランジスタT3のゲート電極には、キャパシタCの蓄積電荷に応じたゲート電圧Vgが印加され続ける。タイミングt1における走査信号SELの立ち下がりと同期(同一タイミングであるとは限らない)して、それ以前はLレベルだった駆動信号GPがHレベルに立ち上がる。
これにより、電源電圧Vddから基準電圧Vssに向かって、トランジスタT3およびT4と有機EL素子26とに連なる駆動電流の経路が形成される。有機EL素子26を流れる駆動電流は、トランジスタT3のチャネル電流に相当し、その電流レベルは、キャパシタCの蓄積電荷に基づくゲート電圧Vgによって制御される。
駆動期間t1〜t2において、トランジスタT3は、有機EL素子26に駆動電流を供給する駆動トランジスタとして機能する。結果として、有機EL素子26は、この駆動電流に応じて、換言すれば、キャパシタCに保持されたデータに応じて変調された発光強度で発光する。
〈電圧プログラム方式(図6に示した回路構成)における動作〉
まず、タイミングt0において、所定の走査線Yに、走査線信号SELが入力される。すると、走査線Yは、Hレベルに立ち上がり、トランジスタT1がオンする。よって、データ線Xに供給されたデータ電圧Vdataが、トランジスタT1を介して、キャパシタCの一方の電極に印加される。
これにより、データ電圧Vdata相当の電荷がキャパシタCに蓄積される(送信データが書き込まれる。)。なお、タイミングt0からタイミングt1までの期間において、駆動信号GPはLレベルに維持される。よって、制御トランジスタT5はオフのままである。したがって、有機EL素子26に対する駆動電流の電流経路が遮断されるため、前半の期間t0〜t1において、有機EL素子26は発光しない。
前半の期間t0〜t1に続く後半の期間t1〜t2では、キャパシタCに蓄積された電荷に応じた駆動電流が有機EL素子26を流れる。これにより、有機EL素子26が発光する。タイミングt1では、走査信号SELがLレベルに立ち下がる。
これにより、トランジスタT1がオフする。よって、キャパシタCの一方の電極に対するデータ電圧Vdataの印加が停止するが、キャパシタCの蓄積電荷によって、トランジスタT4のゲート電極にはゲート電圧Vg相当が印加される。タイミングt1における走査信号SELの立ち下がりと同期して、それ以前はLレベルだった駆動信号GPは、Hレベルに立ち上がる。
これにより、発光ユニット24の選択が開始されるタイミングt2に至るまでHレベルが維持される。よって、駆動電流の電流経路が形成される。これにより、有機EL素子26は、キャパシタCに保持されたデータに応じて変調された発光強度で発光する。
図4を参照して既に説明したように、照明用光源22を駆動するための駆動回路は、走査線駆動回路42とデータ線駆動回路44とによって構成されており、両者は、図示しない上位装置による同期制御下、互いに協働して動作する。
走査線駆動回路42は、シフトレジスタ、出力回路等を主体に構成されており、走査線Y1〜Ynに走査信号SELを出力することによって、走査線Y1〜Ynを所定の選択順序で順番に選択する線順次走査を行う。走査信号SELは、HレベルまたはLレベルの2値的な信号レベルをとり、データの書込対象となる行(走査線Yの1ラインに接続される複数の発光ユニット24)に対応する走査線YはHレベルとされ、これ以外の走査線YそれぞれはLレベルとされる。
そして、1垂直走査期間(1F)において、所定の選択順序で、それぞれの行が順番に選択されていく。なお、走査線駆動回路42は、走査信号SEL以外に、トランジスタを導通制御する駆動信号GP(またはそのベース信号)も出力する。この駆動信号GPによって、駆動期間、すなわち、発光ユニット24に含まれる有機EL素子26の輝度設定を行う期間が設定される。
データ線駆動回路44は、走査線駆動回路42による線順次走査と同期して、データ線X1〜Xmそれぞれに対するデータ信号の供給を電流ベースで行う。前述した電流プログラム方式の場合には、データ線駆動回路44は、発光ユニット24より出射される変調光の変調度合いを規定するデータ(データ電圧Vdata)をデータ電流Idataへと変換する可変電流源を含む。データ線駆動回路44は、1水平走査期間(1H)において、今回データを書き込む行に対するデータ電流Idataの一斉出力と、次の水平走査期間で書き込みを行う行に関するデータの点順次的なラッチとを同時に行う。
ある水平走査期間において、データ線Xの本数に相当するm個のデータが順次ラッチされる。そして、次の水平走査期間において、ラッチされたm個のデータは、データ電流Idataに変換された上で、それぞれのデータ線X1〜Xmに対して一斉に出力される。
図8を参照して、サブ光源23の構成につき説明する。図8は、サブ光源の構成例を説明する照明光通信システムの概略的な説明図である。
送信装置20のサブ光源23は、照明用光源22に含まれる複数の発光ユニット24が複数のグループに区分けされることにより規定される。図示例では、複数の発光ユニット24が4つに区分けされて、第1サブ光源23A、第2サブ光源23B、第3サブ光源23Cおよび第4サブ光源23D(以下、それぞれサブ光源A、サブ光源B、サブ光源Cおよびサブ光源Dという場合がある)とされている。なお、iおよびjは1以上の任意の正数であり、かつmおよびnは2以上の任意の正数である。第1サブ光源23A、第2サブ光源23B、第3サブ光源23Cおよび第4サブ光源24Dに含まれる発光ユニット24の数は、互いに同一であっても、互いに異なっていてもよい。また、サブ光源23同士の発光ユニット24の数が同数である場合において、発光ユニット24の配置形態は、サブ光源23単位で同一であっても、異なっていてもよい。また離散的に離れて配置されている発光ユニット24を同一の発光ユニット24に属する発光ユニット24とするグループ分けをしてもよく、このようなグループ分けを行うことにより、たとえサブ光源23単位で明滅などしたとしても、局所的な光量の低下を抑制することができ、照明としての性能の低下を抑えることができる。
第1サブ光源23A、第2サブ光源23B、第3サブ光源23Cおよび第4サブ光源24Dに含まれる発光ユニット24の数を、ここではi=j=4かつm=n=8、すなわち互いに同数である16とした例を説明する。第1サブ光源23A、第2サブ光源23B、第3サブ光源23Cおよび第4サブ光源23Dそれぞれが含む発光ユニット24は、この例では4×4のマトリクス状に配置されている。
第1サブ光源23Aおよび第2サブ光源23Bの発光ユニット24は、走査線Y1〜Yj(Y4)(走査線群Yabという場合がある)に電気的に接続される。また、第3サブ光源23Cおよび第4サブ光源23Dの発光ユニット24は、走査線Yj+1〜Yn(Y5〜Y8)(走査線群Ycdという場合がある)に電気的に接続される。
また、第1サブ光源23Aおよび第3サブ光源23Cの発光ユニット24は、データ線X1〜Xi(X4)(データ線群Xacという場合がある)に電気的に接続される。また、第2サブ光源23Bおよび第4サブ光源23Dの発光ユニット24は、データ線Xi+1〜Xm(X5〜X8)(データ線群Xbdという場合がある)に電気的に接続される。
次に、図4、図8および図9を参照して、複数のサブ光源にグループ分けされた照明用光源を備える照明光通信システムの動作につき説明する。
走査線駆動回路42およびデータ線駆動回路44(図4)は、照明用光源22に設定された第1サブ光源23A、第2サブ光源23B、第3サブ光源23Cおよび第4サブ光源23Dにおいて、各サブ光源23単位で、複数のサブ光源23を独立的に駆動する。
同一のサブ光源23に属する複数の発光ユニット24は、本実施形態では、すべて同一の発光状態になるように制御される。異なるサブ光源23同士については互いに独立的に制御され得る。よって、この場合には、照明用光源22に、4つの独立した伝送チャネルが形成されることになる。
走査線Y1〜Yj、すなわち走査線群Yabが選択されている状態でデータ線X1〜Xi、すなわちデータ線群Xacに供給されたデータ(すべて同一の電流レベルである)は、第1サブ光源23Aの各発光ユニット24に共通して供給される。
これによって、第1サブ光源23Aの発光状態が制御される。また、この状態でデータ線Xi+1〜Xm、すなわちデータ線群Xbdに供給されたデータは、第2サブ光源23Bの各発光ユニット24に共通に供給される。これによって、第2サブ光源23Bの発光状態が制御される。
走査線Yj+1〜Yn、すなわち走査線群Ycdが選択されている状態でデータ線X1〜Xi、すなわちデータ線群Xacに供給されたデータは、第3サブ光源23Cの各発光ユニット24に共通に供給される。
これによって、第3サブ光源23Cの発光状態が制御される。また、この状態でデータ線Xi+1〜Xm、すなわちデータ線群Xbdに供給されたデータは、第4サブ光源23Dの各発光ユニット24に共通に供給される。これによって、第4サブ光源23Dの発光状態が制御される。
図9は、照明光通信システムの動作を説明するタイミングチャートである。
図8に示す構成において、最上段に配置されている走査線Y1から最下段に配置されている走査線Ynに向かって、n本の走査線Yが順次選択されていくものとする。
この場合には、照明用光源22全体に対して、送信データのデータ書き込みを行うのに要する1フレーム期間t0〜t2は、前半の第1サブ光源23Aおよび第2サブ光源23Bの選択期間t0〜t1と、後半の第3サブ光源23Cおよび第4サブ光源23Dの選択期間t1〜t2とに分けられる。
第1サブ光源23Aおよび第2サブ光源23Bの選択期間t0〜t1は、走査線群Yabに属する走査線Y1の選択が開始されてから走査線Yjの選択が終了するまでの期間に相当する。
この期間t0〜t1において、データ線群Xacには第1サブ光源23A用の送信データDaが共通して供給され、この送信データDaに応じたレベルにデータ線群Xacが維持される。
データ線群Xacには、第1サブ光源23Aのみならず第3サブ光源23Cも接続されているが、走査線群Ycdが非選択のため、第3サブ光源23Cは電気的に分離されている。したがって、データ線群Xacに供給された送信データDaは、第1サブ光源23Aにのみ供給され、これに応じた書き込みが第1サブ光源23Aにおいて行われる。
また、この期間t0〜t1において、データ線群Xbdには第2サブ光源23B用の送信データDbが共通して供給され、この送信データDbに応じたレベルにデータ線群Xbdが維持される。
データ線群Xbdには、第2サブ光源23Bのみならず第4サブ光源23Dも接続されているが、走査線群Ycdが非選択のため、第4サブ光源23Dは電気的に分離されている。したがって、データ線群Xbdに供給された送信データDbは、第2サブ光源23Bにのみ供給され、これに応じた書き込みが第2サブ光源23Bにおいて行われる。
第3サブ光源23Cおよび第4サブ光源23Dの選択期間t1〜t2は、走査線群Ycdに属する走査線Yj+1の選択が開始されてから走査線Ynの選択が終了するまでの期間に相当する。この期間t1〜t2において、データ線群Xacには第3サブ光源23C用の送信データDcが共通して供給され、この送信データDcに応じたレベルにデータ線群Xacが維持される。
ここで、データ線群Xacに接続された第1サブ光源23Aは、走査線群Yabが非選択のため電気的に分離されている。したがって、データ線群Xacに供給された送信データDcは、第3サブ光源23Cにのみ供給され、これに応じた書き込みが第3サブ光源23Cにおいて行われる。
また、期間t1〜t2において、データ線群Xbdには第4サブ光源23D用の送信データDdが共通して供給され、この送信データDdに応じたレベルにデータ線群Xbdが維持される。このとき、データ線群Xbdに接続された第2サブ光源23Bは、走査線群Yabが非選択のため電気的に分離されている。したがって、データ線群Xbdに供給された送信データDdは、第4サブ光源23Dにのみ供給され、これに応じた書き込みが第4サブ光源23Dにおいて行われる。
なお、図9においては、同一のサブ光源23に対応する走査線群を順次走査するケースを例示したが、駆動回路の駆動能力を十分に確保できることを条件として、サブ光源23ごとに対応する走査線群を同時に一括選択することもできる。
ここで、前述した図5および図6に示すように制御回路28を構成しておけば、電流プログラム方式および電圧プログラム方式のいずれにおいても、第1サブ光源23A、第2サブ光源23B、第3サブ光源23Cおよび第4サブ光源23Dの独立的な駆動を実現することができる。
〈有機EL素子の構成例〉
有機EL素子は、自由なサイズ設計が可能、超小型化が可能、高速応答が可能といった優れた特長を有する。有機EL素子を、照明光通信に利用する場合には、個々の素子面積はより小さいものが好適である。有機EL素子の静電容量は、面積が小さいほど小さくなる傾向にあるので、応答速度を規定する素子のRC時定数も同様に有機EL素子の面積が小さいほど小さくなり、有機EL素子の面積が小さくなるほど応答速度が速くなるからである。
素子面積(発光面積)は、好ましくは10-8cm2以上1cm2以下とするのがよく、より好ましくは10-8cm2以上10-1cm2以下とするのがよく、さらに好ましくは10-8cm2以上10-2cm2以下とするのがよい。
従来のLEDでは、半導体基板にLEDを形成した後、半導体基板を分割して個々のチップとし、配線形成された回路基板にチップを取り付けて使用する。半導体基板を分割してチップ化するので、チップの小型化には自ずと限界がある。
また、高価な半導体結晶を有効に利用するためには、個々のチップに占める半導体結晶部分の大きさを最大に、すなわちチップ全体の大きさに近いものにせざるを得ない。そのため、従来のLEDでは、チップを含む素子の小型化が困難であった。
これに対して、有機EL素子の場合には、例えば素子の動作を制御する制御回路といった配線を形成した基板上に素子を直接的かつ配線と一体的に形成することができる。そして、基板に作り込まれた有機EL素子をそのまま動作させて利用できるので、設計上の自由度が高く、素子の小型化が比較的容易である。以上のような理由から、有機EL素子は、照明光通信用の発光素子として極めて好適である。
大容量データの高速通信を可能にするためには、複数の発光ユニットからデータを並列的に送信することが好ましく、そのためには、複数の発光ユニットを配列する必要がある。
従来のLEDでは、個々のLEDチップ、または、チップに台座と樹脂レンズとからなる素子を配列する必要があるために、実際に発光する部分よりも大きな面積が必要であった。
これに対して、有機EL素子では、配線および制御回路などを形成した基板上に素子を直接形成し、素子をそのまま動作させて利用できるので、発光ユニットの高集積化が容易であり、全体として小さな通信向け照明用光源(送信装置)が実現できる。
また、従来のLEDの場合には、送信装置における照明用光源の強度変調は、ドライバIC(IC:Integrated Circuit)といった外部制御回路を用いて行う必要があった。そのため、送信装置を構成するユニットの小型化が困難であった。
これに対して、有機EL素子の場合には、発光層を含む発光部の近傍に薄膜トランジスタ等の変調素子からなる制御回路を一体的に形成することができる。制御回路と有機EL素子とを、例えば積層して一体化すれば、発光ユニットの小型化が容易である。
このように、有機EL素子を用いることにより、発光ユニットのさらなる小型化や集積化が可能であり、有機EL素子と制御回路との積層構造も容易に製造できるので、高速大容量の照明光通信に対応した送信装置の小型化を実現することができる。
有機EL素子としては、蛍光発光型(一重項遷移)とリン光発光型(三重項遷移)が知られているが、本実施形態では、どちらを使用してもよい。有機EL素子を小さくし、RC時定数を小さくして応答速度を上げても、発光の減衰時間で規定される速度以上に応答速度を上げることはできない。
有機EL素子は、その発光のメカニズムによって、蛍光発光(一重項励起状態からの発光)型とリン光発光(三重項励起状態からの発光)型とに分けられる。一般に、蛍光発光型はリン光発光型よりも発光の減衰時間が短く、室温(20℃程度)では蛍光発光型で約10ns程度、リン光発光型で約1μs程度である。したがって、どちらを用いても、素子単体で1Mbps程度の伝送速度までの信号通信に対応可能である。
また、本発明の実施形態において、蛍光発光型の有機EL素子およびリン光発光型の有機EL素子の双方を混載した集積デバイスを照明用光源として用いてもよい。蛍光発光型は、リン光発光型よりも応答速度をより速くできるので、高速な通信用途に適しているといえる。リン光発光型は、蛍光発光型よりも発光効率をより高くできるので、照明用途に適している。
有機EL素子は発光層材料を素子ごとに選択的に分けて形成できる。よって、照明用光源において、例えば照明用の有機EL素子をリン光発光型とし、通信用の有機EL素子を蛍光発光型とするというように、照明用光源が、送信データに基づいて変調された変調光を出射する通信用の有機EL素子と、非変調光を出射する照明用の有機EL素子とを含んで構成されてもよい。
この場合には、蛍光発光型の有機EL素子には、照明機能および通信機能の双方を担わせて、送信データに基づいて変調された変調光を出射する通信用の有機EL素子としてこれを用いるのがよい。また、リン光発光型の有機EL素子には、照明機能のみを担わせて、一定の非変調光を出射する照明用の有機EL素子としてこれを用いるのがよい。
これら照明用の有機EL素子および通信用の有機EL素子は、前述したサブ光源ごとにいずれかの有機EL素子を選択して設ける構成としてもよい。また、単一のサブ光源内に照明用の有機EL素子および通信用の有機EL素子を混在させてもよい。
これにより、照明効率の向上と通信の高速化とを両立した照明システムが構築できる。ただし、このような構成では、照明からの全光量に対して、通信情報が重畳された光、すなわち信号光の割合が小さくなる。したがって、受信装置として、光の強度変化に敏感なシステムが必要になる。全光量に対する蛍光、すなわち信号光の割合としては、1%以上50%以下であることが望ましい。
一般照明を用いて照明光通信を行う場合には、照明用光源は白色であることが望ましい。有機EL素子で白色光を得るためには、1つの素子内部にR素子、G素子、およびB素子の発光層を積層する方法がある。
これらの白色光を発光する有機EL素子は、従来の蛍光体を用いた、いわゆる白色LEDのような電流注入による青色発光→蛍光体励起→黄色発光というプロセス非経由で、電流注入直接再結合により複数の波長の発光を出射する。そのため、従来の蛍光体を用いた白色LEDよりも応答速度がより速いという特長があり、照明光通信システムに好適である。
図10を参照して、送信装置に好適に適用可能な有機EL素子26の構成例につき説明する。
図10は、有機EL素子の概略的な断面図である。本実施形態の有機EL素子は、TFT基板50上に設けられている。ここでは、いわゆるアクティブマトリクス方式の面光源としてTFT基板50上に形成された1つの有機EL素子26の構成を説明する。
有機EL素子26は、画素領域51内に設けられる(図4参照)。有機EL素子26は、陽極52と、陰極58と、該電極間に配置され、かつ互いに異なるピーク波長で発光する複数の発光層とを有している。有機EL素子26をTFT基板50に設ける場合には、通常、基板側に陽極が形成されるが、基板側に陰極を設ける構成としてもよい。
陽極52および陰極58は、対向して配置され、該電極間には、本実施形態では正孔注入層54がさらに設けられる。本実施の形態では、有機EL素子26は、陽極52、正孔注入層54、発光部56、および陰極58がこの順に積層されて構成されている。
発光部56は、TFT基板50の厚み方向にその厚み方向を一致させて配置される複数の発光層が積層されて構成され、少なくとも3層の発光層を備えることが好ましい。なお発光部56には、発光層だけでなく、発光層間に所定の層が必要に応じて設けられる場合もありうる。
本実施形態では、発光部56は、正孔注入層54上に設けられる第1発光層56Aと、第1発光層56A上に積層されて設けられる第2発光層56Bと、第2発光層56B上に積層されている第3発光層56Cとからなる3層の積層層としてある。
なお、これら第1発光層56A、第2発光層56Bおよび第3発光層56Cは、互いに異なるピーク波長の光を発光する発光層である。ここで、発光層の発光するピーク波長とは、電圧が印加されたときに発光する光を波長領域で見たとき、最も強い光強度となる波長をいう。
これら第1発光層56A、第2発光層56Bおよび第3発光層56Cは、ピーク波長がより長いものから順に、陽極52寄り、すなわち陽極52に対して距離的に近い配置となるように位置させて積層される。
本実施形態では第1発光層56Aを、最もピーク波長が長い赤色を発光する発光層として、最も陽極52側、すなわち正孔注入層54上に配置してある(以下、第1発光層56Aを赤色発光層56Aという場合がある)。
また、本実施形態では赤色発光層56Aに次いでピーク波長が長い緑色を発光する発光層を第2発光層56Bとして赤色発光層56A上に配置してある(以下、第2発光層56Bを緑色発光層56Bという場合がある)。
さらに、本実施形態では緑色発光層56Bに次いでピーク波長が長い、すなわち最もピーク波長が短い青色を発光する発光層を第3発光層56Cとして、最も陰極である陰極58寄り、すなわち陽極52から最も遠い位置である第2発光層56B上に配置してある(以下、第3発光層56Cを青色発光層56Cという場合がある)。
本実施形態の有機EL素子26に好適に適用可能な赤色発光層56Aは、例えば580nmから660nm、好ましくは600から640nmのピーク波長の出射光を有する。
また、緑色発光層56Bは、例えば500nmから560nm、好ましくは520nmから540nmのピーク波長の出射光を有する。
さらに、青色発光層56Cは、例えば400nmから500nm、好ましくは420nmから480nmのピーク波長の出射光を有する。
このようなピーク波長で発光する赤色発光層56A、緑色発光層56B、および青色発光層56Cからそれぞれ発光される光を重ね合わせると白色光となる。すなわち、本発明に好適に適用可能な有機EL素子26は、白色光を発する。
TFT基板50としては、有機EL素子26の形成工程において変形等の不具合が発生しないことを条件として、従来公知の任意好適な基板を適用することができる。TFT基板50は、いわゆるリジッド基板であっても、フレキシブル基板であってもよい。
第1主表面50aおよび第1主表面50aと対向する第2主表面50bを含むTFT基板50は、好ましくは例えばガラス板、プラスチック板、高分子フィルムおよびシリコン板、並びにこれらを積層した積層板上に、トランジスタといった機能素子、および配線等を含む制御回路28が形成されたものとするのがよい。有機EL素子26を、発光部56からの発光光がTFT基板50側から取り出されるいわゆるボトムエミッション型とする場合には、例えば可視光領域の光の透過率がより高いものを選択するのがよい。
なお、発光部56からの光が陰極58側から取り出されるいわゆるトップエミッション型の有機EL素子26とする場合には、TFT基板50は、透明であっても、不透明であってもよい。
一般に、有機EL素子においては、陽極および陰極のいずれか一方または双方とも、透明または半透明とされる。有機EL素子26を例えばボトムエミッション型とする場合には、陽極52は、透明または半透明とされる。透明または半透明とする場合には、陽極52として、可視光領域の光の透過率がより高いものを用いるのが好適である。
陽極52の材料としては、例えば導電性を有する金属酸化物膜、半透明の金属薄膜を用いることができる。陽極52としては、例えば電気抵抗のより低いものを用いることができる。
具体的には、陽極52は、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide:略称ITO)およびインジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide:略称IZO)などからなる薄膜、あるいは金、白金、銀、銅などからなる薄膜が用いられる。これらの中でも、陽極52は、ITO、IZO、および酸化スズからなる薄膜が好適に用いられる。
有機EL素子26をトップエミッション型とする場合には、陽極52は、発光部56からの出射光を陰極側に反射する材料によって形成されることが好ましく、例えば光を反射する程度の膜厚の金属薄膜を用いてもよい。
陽極52の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等を挙げることができる。また、陽極52として、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体などの有機材料により形成される透明導電膜を用いてもよい。
正孔注入層54は、陽極52からの正孔注入効率を改善する機能を有する層である。正孔注入層54を構成する正孔注入材料としては、フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム等の酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、ポリチオフェン誘導体などを挙げることができる。
正孔注入層54は、例えば前述の正孔注入材料を溶媒に溶解した塗布液を塗布する塗布法によって成膜することができる。溶媒としては、正孔注入層の形成材料が溶解することを条件として任意好適なものを用いることができる。
溶媒としては、例えば、水、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒を挙げることができる。
正孔注入層54は、塗布法により形成するのがよい。塗布法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、およびインクジェットプリント法などを挙げることができる。これらの塗布法のうちの1つを用いて、陽極52が形成されたTFT基板50上に、前述した塗布液を塗布することによって、正孔注入層54を形成することができる。
正孔注入層54の層厚は、用いる材料によって最適値が異なる。よって正孔注入層54の層厚は、少なくともピンホールが非発生となり、駆動電圧と発光効率が適度な値となることを条件として任意好適な厚さとすることができる。
正孔注入層54の層厚は、厚すぎると素子の駆動電圧が高くなってしまう。よって、正孔注入層54の膜厚は、例えば1nmから1μm、好ましくは2nmから500nm、さらに好ましくは例えば5nmから200nmである。
発光部56を構成する第1、第2および第3発光層56A、56Bおよび56Cそれぞれは、例えば塗布法によって形成するのがよい。
各発光層を形成するにあたり、形成される発光層を構成する材料を含む塗布液を塗布する前に、既に形成された発光層を塗布される塗布液に対して不溶化する。
具体的には、緑色発光層56Bを塗布法によって形成する前に、赤色発光層56Aを塗布液に対して不溶化しておく。さらに、青色発光層56Cを塗布法によって形成する前に、緑色発光層56Bを塗布液に対して不溶化しておく。
本実施形態では、不溶化される発光層を構成する材料の少なくとも一部は、エネルギーを加えることによって架橋する材料とする。このような材料を含む塗布液を塗布した後に、エネルギーとして、例えば光または熱を加えて、架橋させることによって塗布膜を不溶化することができる。
なお、不溶化される発光層を主に構成する材料が、エネルギーを加えることによって架橋するものであってもよく、また、不溶化される発光層を構成する材料のうち、発光層を主に構成する材料を除く残余の材料の少なくとも一部が、エネルギーを加えることによって架橋するものであってもよい。
後者の場合には、塗布液には、発光層を主に構成する材料の他に、エネルギーを加えることによって架橋する架橋剤がさらに加えられる。
なお、発光層を主に構成する材料が、エネルギーを加えることによって架橋するものであれば、塗布液に対する架橋剤の添加は不要である。本実施形態では、発光層を主に構成する材料は、発光層において質量濃度の最も高い材料であり、発光層を構成する材料のうちで、蛍光、および/またはリン光を発光する材料(以下、発光材料という場合がある)に相当する。
発光層を主に構成する材料として、エネルギーを加えることによって架橋するものを用いる場合には、好ましくは例えばエネルギーを加えることによって架橋する基(以下、架橋基という場合がある)を含む高分子化合物を用いるのがよい。
なお、本明細書でいう高分子とは、ポリスチレン換算の数平均分子量が、10以上であり、通常、ポリスチレン換算の数平均分子量が10以下である。
架橋基としては、ビニル基などを挙げることができる。具体的には、発光層を主に構成する材料として、ベンゾシクロブタン(BCB)から少なくとも1つの水素原子を除いた残基を主鎖および/または側鎖に含む高分子化合物を用いたものを挙げることができる。
また、発光層を主に構成する材料の他に、塗布液に加える架橋剤としては、ビニル基、アセチル基、ブテニル基、アクリル基、アクリルアミド基、メタクリル基、メタクリルアミド基、ビニルエーテル基、ビニルアミノ基、シラノール基、シクロプロピル基、シクロブチル基、エポキシ基、オキセタン基、ジケテン基、エピスルフィド基、ラクトン基、およびラクタム基からなる群から選ばれる重合可能な置換基を有する化合物を挙げることができる。
架橋剤としては、例えば多官能アクリレートが好ましく、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)およびトリスペンタエリスリトールオクタアクリレート(TPEA)などがさらに好ましい。
次に、有機EL素子の発光層の材料について説明する。発光層の材料としては、いわゆる低分子系材料および高分子系材料のどちらも利用可能であり、特に高分子系材料が好ましい。
各発光層56A、56Bおよび56Cは、蛍光および/またはリン光を発光する有機物、若しくは該有機物と、ドーパントとを含んで構成される。ドーパントは、例えば発光効率の向上や発光波長を変化させるなどの目的で付加される。各発光層56A、56Bおよび56Cを主に構成する発光材料としては、例えば以下のものが挙げられる。
色素系の発光材料としては、例えば、シクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体化合物、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、オキサジアゾールダイマー、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、およびピラゾリンダイマーなどを高分子化したものを挙げることができる。
金属錯体系の発光材料としては、中心金属に、Al、Zn、Beなど、またはTb、Eu、Dyなどの希土類金属を有し、配位子に、オキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造などを有する金属錯体を高分子化したものを挙げることができる。
金属錯体系の発光材料としては、イリジウム錯体、白金錯体等の三重項励起状態からの発光を有する金属錯体、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体などを高分子化したものを挙げることができる。
高分子系の発光材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、およびポリビニルカルバゾール誘導体などを挙げることができる。
赤色発光層56Aを主に構成する発光材料としては、前述の発光材料のうち、クマリン誘導体、チオフェン環化合物、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも赤色発光層56Aを主に構成する発光材料として、高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
緑色発光層56Bを主に構成する材料としては、前述の発光材料のうち、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、チオフェン環化合物およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも緑色発光層56Bを主に構成する材料として、高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
青色発光層56Cを主に構成する材料としては、前述の発光材料のうち、ジスチリルアリーレン誘導体、および/またはオキサジアゾール誘導体の重合体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも青色発光層56Cを主に構成する材料として、高分子材料のポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体やポリフルオレン誘導体などが好ましい。
各発光層を主に構成する発光材料としては、前述の発光材料の他に、例えば発光効率の向上や発光波長を変化させるなどの目的でドーパント材料をさらに含んでいてもよい。このようなドーパント材料としては、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾロン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾンなどを挙げることができる。
各発光層は、前述した正孔注入層54を成膜する方法と同様の方法によって形成することができる。各発光層は、具体的には、正孔注入層材料を溶解する溶媒と同様の溶媒に、発光層を構成する材料を溶解した塗布液を、前述した塗布法によって塗布することで成膜することができる。
次に、発光層の形成方法につき説明する。まず、赤色発光層56Aを形成する。具体的には前述した赤色発光層56Aを構成する材料を溶解した塗布液を、前述した塗布法によって陽極52の表面上に塗布する。
次に、塗布した膜を加熱または光照射することによって架橋して、不可逆的に固化することにより次に塗布される塗布液に対して不溶化した赤色発光層56Aを得る。このように架橋した赤色発光層56Aは、緑色発光層56Bを形成するために塗布液を塗布したとしても、溶出しない。
次に、緑色発光層56Bを形成する。具体的には前述した緑色発光層56Bを構成する材料を溶解した塗布液を、前述した塗布法によって赤色発光層56Aの表面上に塗布する。次に、塗布膜を加熱または光照射することによって、架橋した緑色発光層56Bを得る。このように架橋した緑色発光層56Bは、青色発光層56Cを形成するために塗布液を塗布したとしても、溶出しない。
次に、青色発光層56Cを形成する。具体的には前述した青色発光層56Cを構成する材料を溶解した塗布液を、前述した塗布法によって緑色発光層56Cの表面上に塗布して、乾燥させることによって青色発光層56Cを得る。
このように、次層を形成するための塗布液が塗布される発光層を、塗布液に対して予め不溶化しておくことによって、形成された発光層の表面に塗布液を塗布したときに、発光層が溶解してしまうことを防ぐことができる。これによって、各発光層の層厚の制御が容易になり、意図した層厚の発光層を容易に形成することができる。
発光部56を構成する各発光層の層厚は、陽極52側に配置される発光層ほど、層厚が薄い方が好ましい。具体的には、赤色発光層56Aの層厚h1よりも、緑色発光層56Bの層厚h2が厚くなるのが好ましい。また、緑色発光層56Bの層厚h2よりも、青色発光層56Cの層厚h3が厚い方が好ましい。
さらに具体的には、赤色発光層56Aの層厚h1は、好ましくは5nmから20nmであり、さらに好ましくは10nmから15nmである。また緑色発光層56Bの層厚h2は、好ましくは10nmから30nmであり、さらに好ましくは15nmから25nmである。また青色発光層56Cの層厚h3は、好ましくは40nmから70nmであり、さらに好ましくは50nmから65nmである。
このように各発光層の層厚を設定することによって、電極に印加する電圧の変化に対して、色味の変化が少なく、かつ駆動電圧の低い、高効率で発光する有機EL素子26を実現することができる。
また、発光部56を構成する各発光層が、発光光のピーク波長が長い発光層を構成する化合物ほど、陽極52側に配置されるので、各発光層の層厚を前述のように適切に設定することによって、電極に印加する電圧の変化に対して、色味の変化が少なく、かつ駆動電圧の低い有機EL素子26を実現することができる。
なお、発光する光のピーク波長が長いほど、化合物の最高占有分子軌道(Highest Occupied Molecular Orbital:略称HOMO)および最低非占有分子軌道(Lowest Unoccupied Molecular Orbital:略称LUMO)がそれぞれ低い傾向にある。よって、本実施形態では、HOMOおよびLUMOが低い化合物で形成される発光層ほど、陽極52側に配置される。よって、陽極52から離間する発光層ほど、その層を構成する化合物のHOMOおよびLUMOが順次高くなる配置となるので、発光部56に正孔および電子を効率的に輸送することができる。したがって、電極に印加する電圧の変化に対して、色味の変化の少なく、かつ駆動電圧の低い有機EL素子26を実現することができるものと推測される。
陰極58の材料としては、仕事関数が小さく、発光層への電子注入が容易な材料が好ましい。また陰極58の材料としては、電気伝導度の高い材料が好ましい。
また、陽極52側から光を取り出す場合には、発光部56からの光を陽極52側に反射するために、陰極58の材料としては可視光反射率の高いものが好ましい。
陰極58の材料としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属および周期表第13族金属などの金属を用いることができる。具体的には、陰極58の材料として、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウムなどの金属、または上記金属のうち2つ以上の合金、またはこれらのうち1つまたは2つ以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1つまたは2つ以上との合金、またはグラファイト若しくはグラファイト層間化合物などが用いられる。
合金の例としては、好ましくはマグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金などを挙げることができる。
また、陰極58としては、透明導電性電極を用いることができる。陰極58としては、例えば導電性金属酸化物や導電性有機物などを用いることができる。具体的には、陰極58としては、導電性金属酸化物として酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、およびそれらの複合体であるインジウムスズ酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)、導電性有機物としてポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体などの有機材料により形成される透明導電膜を用いてもよい。なお、陰極58を2層以上の多層の積層構造としてもよい。
以上説明した本実施形態の有機EL素子26では、発光部56を構成する3つの発光層56A、56Bおよび56Cを、発光する光のピーク波長が長い発光層ほど、陽極52寄りに配置することによって、電極に印加する電圧の変化に対して、色味の変化の少なく、かつ高効率で発光する有機EL素子26とすることができる。
このような構成の有機EL素子26では、陽極52と陰極58との間に印加する電圧を変化させたときの、外に取出される光の色度座標における座標値xと、座標値yとの変化の幅が、それぞれ0.05以下、すなわち最大でも0.05である有機EL素子を実現することができる。なお、印加する電圧を変化させるときの範囲は、通常、輝度が100cd/m〜10000cd/mとなる範囲であり、少なくとも4000cd/m〜6000cd/mとなる範囲である。
ここで、外に取り出される光は、各発光層56A、56Bおよび56Cからの光が重ねあわされた光のことであり、本実施形態における色度座標とは、国際照明委員会(CIE)の定めるCIE1931のことである。
以上説明した本実施形態の有機EL素子26は、陽極52と、陰極58と、陽極52および陰極58の間に配置される発光層56とを必須の構成要件として有している。本実施形態では、発光部56が、3層の発光層56A、56Bおよび56Cが積層されて構成され、全体として白色光を発光する構成例を説明した。
しかしながら、陽極52と陰極58との間には、各発光層56A、56Bおよび56Cの発光する波長とは異なる波長の光を発する発光層をそれぞれ設けて、例えば白色光とは異なる波長の光を発する発光部56を構成してもよい。
また、発光部56を、2層、または4層以上の発光層で構成してもよい。各発光層が発光する光の色は、それぞれの有機EL素子から取り出される光の色に応じて、所望により適宜選択される。
なお、有機EL素子から取り出される光の色が、白色であっても、白とは異なる色であっても、また発光層56の層数が2層または4層以上であったとしても、各発光層を、発光する光のピーク波長が長い発光層ほど、陽極52寄りに配置することによって、電極に印加する電圧の変化に対して、色味の変化の少なく、かつ高効率で発光する有機EL素子を実現することができる。
本実施形態の有機EL素子26では、陽極52と陰極58との間に、発光部56と正孔注入層54とが設けられる構成例を説明した。しかしながら、陽極52と陰極58との間に設けられる層の構成は、図10を参照して説明した構成には限られない。陽極52と陰極58との間には、少なくとも発光部56が設けられていればよく、発光部56のみが設けられていてもよい。
また、発光部56と陽極52との間、および/または発光部56と陰極58との間には、本実施形態の正孔注入層とは異なる1層または複数層の他の層を設けてもよい。
以下に、陽極52と陰極58との間に設けられる層の例について説明する。なお、以下の説明において、既に説明した陽極52、陰極58、発光部56および正孔注入層54については、重複する説明を省略する場合がある。
陰極58と発光部56との間に設けられる層としては、好ましくは電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層などを挙げることができる。陰極58と発光部56との間に、電子注入層と電子輸送層との両方の層が設けられる場合には、陰極58に近い側に位置する(接する)層を電子注入層といい、発光部56に近い側に位置する(電子注入層を除く)層を電子輸送層という。
陽極52と発光部56との間に設けられる層としては、前述した正孔注入層54、正孔輸送層、電子ブロック層等を挙げることができる。陽極52と発光部56との間に、正孔注入層と正孔輸送層との両方が設けられる場合には、陽極52に近い側に位置する(接する)層を正孔注入層といい、発光部56に近い側に位置する(正孔注入層を除く)層を正孔輸送層という。
なお、電子注入層および正孔注入層を総称して電荷注入層ということがある。また、電子輸送層および正孔輸送層を総称して電荷輸送層ということがある。
本実施形態の有機EL素子のとりうる層構成の具体的な例を以下に示す。
a)陽極/発光部/陰極
b)陽極/正孔注入層/発光部/陰極
c)陽極/正孔注入層/発光部/電子注入層/陰極
d)陽極/正孔注入層/発光部/電子輸送層/電子注入層/陰極
e)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光部/陰極
f)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光部/電子注入層/陰極
g)陽極/発光部/電子注入層/陰極
h)陽極/発光部/電子輸送層/電子注入層/陰極
(ここで、記号「/」は、記号「/」を挟む2つの層が隣接して積層されることを示す。以下同じ)
有機EL素子26を、TFT基板50側から光を取り出すいわゆるボトムエミッション型とする場合には、発光部56に対して、TFT基板50側に配置される層を、全て透明な層で構成する。また、有機EL素子26を、陰極58側から光を取り出すいわゆるトップエミッション型とする場合には、発光部56に対して、陰極58側に配置される層を、全て透明な層により構成する。
本実施形態の有機EL素子26は、さらに電極との密着性向上や、電極からの電荷注入の改善のために、電極に隣接して膜厚が最大でも2nm程度の絶縁層を設けてもよく、また、界面の密着性向上や混合の防止等のために、互いに隣接する前述した各層間、すなわち各層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。
以下、各層の具体的な構成について説明する。
<正孔輸送層>
正孔輸送層は、陽極または正孔注入層、若しくは陽極により近い正孔輸送層からの正孔注入を改善する機能を有する。正孔輸送層を構成する正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリアリールアミン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体などを挙げることができる。
これらの正孔輸送材料の中で、正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミン化合物基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリアリールアミン若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体等の高分子の正孔輸送材料を用いるのがよい。正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体などがさらに好ましい。低分子の正孔輸送材料の場合には、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
正孔輸送層の形成方法としては、低分子の正孔輸送材料の場合には、高分子バインダーとの混合溶液からの成膜による方法を挙げることができる。また、高分子の正孔輸送性材料を用いる場合には、溶液からの成膜による方法を挙げることができる。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、正孔輸送材料を溶解させるものであればよく、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒を挙げることができる。
溶液からの成膜方法としては、正孔注入層を形成する方法として挙げた方法と同様の塗布法を挙げることができる。
混合する高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また可視光に対する吸収が弱いものが好適に用いられる。該高分子バインダーとしては、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサンなどを挙げることができる。
正孔輸送層の層厚は、用いる材料によって最適値が異なる。よって、少なくともピンホールが非発生となる厚さが必要であり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択される。正孔輸送層の層厚が厚すぎると、素子の駆動電圧が高くなってしまうおそれがある。従って、正孔輸送層の層厚としては、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nmから500nmであり、さらに好ましくは5nmから200nmである。
<電子輸送層>
電子輸送層は、陰極58、または電子注入層、若しくは陰極58により近い電子輸送層からの電子注入を改善する機能を有する層である。電子輸送層を構成する電子輸送性材料としては、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、または8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体等を挙げることができる。
これらのうち、電子輸送材料としては、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、または8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリキノリンがさらに好ましい。
電子輸送層の形成法として、低分子の電子輸送材料を用いる場合には、粉末からの真空蒸着法、若しくは溶液または溶融状態からの成膜による方法を挙げることができ、高分子の電子輸送材料を用いる場合には、溶液または溶融状態からの成膜による方法を挙げることができる。溶液または溶融状態からの成膜では、高分子バインダーをさらに併用してもよい。溶液から電子輸送層を成膜する方法としては、前述の溶液から正孔輸送層を成膜する方法と同様の成膜法を挙げることができる。
電子輸送層の層厚は、用いる材料によって最適値が異なる。よって、少なくともピンホールが非発生となる厚さが必要であり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよい。電子輸送層の層厚が厚すぎると素子の駆動電圧が高くなってしまうおそれがある。従って、電子輸送層の層厚としては、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nmから500nmであり、さらに好ましくは5nmから200nmである。
<電子注入層>
電子注入層は、陰極58からの電子注入効率を改善する機能を有する層である。電子注入層を構成する電子注入材料としては、発光部の種類に応じて、アルカリ金属、アルカリ土類金属、または前記金属を1種類以上含む合金、または前記金属の酸化物、ハロゲン化物および炭酸化物、または前記物質の混合物などを挙げることができる。
アルカリ金属またはその酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、酸化リチウム、フッ化リチウム、酸化ナトリウム、フッ化ナトリウム、酸化カリウム、フッ化カリウム、酸化ルビジウム、フッ化ルビジウム、酸化セシウム、フッ化セシウム、炭酸リチウム等を挙げることができる。
また、アルカリ土類金属またはその酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物の例としては、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、酸化カルシウム、フッ化カルシウム、酸化バリウム、フッ化バリウム、酸化ストロンチウム、フッ化ストロンチウム、炭酸マグネシウム等を挙げることができる。
電子注入層は、2層以上を積層した積層体であってもよい。積層体の具体例としては、LiF/Caなどを挙げることができる。電子注入層は、蒸着法、スパッタリング法、印刷法等によって形成される。電子注入層の層厚としては、例えば1nmから1μm程度である。
なお、本実施形態における発光部56は、複数の発光層のみによって構成される例を説明した。しかしながら、他の実施形態として、発光層と発光層との間に、非発光の層が挿入されてもよい。このような発光層と発光層との間に挿入される層としては、例えば、前述した電子ブロック層、正孔ブロック層などを挙げることができる。
電子ブロック層は、電子の輸送を堰き止める機能を有する層である。なお、正孔注入層および/または正孔輸送層が電子の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの層が電子ブロック層を兼ねることがある。電子ブロック層が電子の輸送を堰き止める機能を有することは、例えばホール電流のみを流す素子を作製して、その電流値の減少により堰き止める効果を確認することができる。
正孔ブロック層は、正孔の輸送を堰き止める機能を有する層である。なお、電子注入層および/または電子輸送層が正孔の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの層が正孔ブロック層を兼ねる場合がある。正孔ブロック層が正孔の輸送を堰き止める機能を有することは、例えばホール電流のみを流す素子を作製して、その電流値の減少により堰き止める効果を確認することができる。
また、本実施形態における発光部56は、発光する光の波長の長い発光層から順に成膜する例を説明した。しかしながら、積層順はこれに限定されず、例えば発光する光の波長の短い発光層から順に成膜していってもよい。また、本実施形態ではTFT基板50を備える例を説明したが、基板を除いた構成としてもよい。
また、本実施形態において、照明用光源22をアクティブマトリクス型とする例を説明したが、いわゆるパッシブマトリクス型とすることもできる。パッシブマトリクス型の照明用光源22を構成する場合、前述した各発光ユニット24の構成から制御回路28を省略し、さらに同一の列に属する有機EL素子の陰極を電気的に接続するとともに駆動回路に接続される配線と、同一の行に属する有機EL素子の陽極を電気的に接続するとともに駆動回路に接続される配線とを設ければよい。このような構成にすることで、各電極に接続される配線を介して駆動回路から入力される電力に応じて各有機EL素子を駆動することができる。
本発明の照明光通信システムにおいては、照明として高性能であり、かつ応答速度が速い有機EL素子を実現かつ適用することで、より高性能な照明光通信システムを提供することができる。
本発明の照明光通信システムにおいては、照明用光源として、高速応答性を特長とする有機EL素子を用いる。これにより、従来の白色LEDと比較して、単位時間当たりのデータ送信量をより増加させることができるので、大容量のデータをより高速で伝送することができる。
本発明の送信装置においては、照明用光源を複数のサブ光源に分割し、複数のサブ光源を並列的に駆動させる。よって、送信データを並列的に伝送できるので、大容量のデータをより高速に伝送することができる。
また、サブ光源を複数の発光ユニットで構成することにより、照明光通信を行うのに必要な光量を確保するのがより容易になる。さらに、照明用光源を構成するすべての発光ユニットに対する送信データの書き込みを、走査線の選択による部分的な書き込みを繰り返すことによって順次行う。
こうすることで、駆動能力の高い駆動回路が要求されないため、走査線の選択やデータ線へのデータ出力をより高速化できる。結果として、発光ユニットに対する送信データの書き込みのさらなる高速化を図ることが可能になる。
加えて、本発明の照明光通信システム、およびこの照明光通信システムに好適に適用可能な送信装置の発光ユニットは、有機EL素子を備えている。有機EL素子は、自由度の大きなサイズ設計が可能であり、サイズのさらなる小型化が可能であり、かつ応答速度のさらなる高速化が可能であるといった優れた特長を有している。
本発明の発光ユニットに好適に適用可能な有機EL素子は、陽極と、陰極と、陽極および陰極間に配置され、互いに異なるピーク波長で発光する複数の発光層とを含んで構成され、かつ前記ピーク波長が長い前記発光層ほど前記陽極寄りに配置されてなる。
このように、有機EL素子の発光部を構成する各発光層を、発光する光のピーク波長が長い発光層ほど、陽極となる電極寄りに配置するので、電極に印加する電圧の変化に対して、色味の変化の少なく、かつ駆動電圧の低い照明光通信システムおよび送信装置を提供することができる。
本発明の照明光通信システムおよび送信装置に好適に適用可能な有機EL素子は、発光層を複数層積層した積層型とするため、いわゆるRC時定数がより小さくなる。よって、応答速度のさらなる高速化を実現することができる。
本発明の照明光通信システムおよび送信装置では、発光層を複数層積層するにあたり、陽極からより遠い位置に離間して配置される発光層ほど最高占有分子軌道(Highest Occupied Molecular Orbital:略称HOMO)および最低非占有分子軌道(Lowest Unoccupied Molecular Orbital:略称LUMO)が順次に高くなる材料を用いる。よって、発光部には正孔および電子がより効率的に輸送される。結果として、電極に印加する電圧の変化に対する色味の変化を減少させ、かつ駆動電圧をより低下させることができる。
<有機EL素子の作製例>
本発明の照明光通信システムおよび送信装置に好適に適用可能な有機EL素子の作製例につき説明する。基板としては、ガラス基板を用い、このガラス基板上にスパッタリング法によって成膜され、所定の形状にパターニングされたITO膜を陽極として用いた。陽極は、厚みを150nmとした。陽極が形成された基板を、アルカリ洗剤および超純水で洗浄し、乾燥させた後に、UV−O3装置(テクノビジョン株式会社製、商品名「モデル312 UV−O3クリーニングシステム」)を用いてUV−O3処理を行った。
次に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(HC スタルクヴィテック社製、商品名「BaytronP TP AI4083」)の懸濁液を、孔径が0.2μmのメンブランフィルターで濾過した。濾過して得られた液体を、スピンコートすることによって、陽極上に薄膜として塗布した。次に、ホットプレート上において200℃で10分間加熱する処理を行い、層厚が70nmの正孔注入層を得た。
次に、赤色発光層を正孔注入層上に積層した。まず、溶媒としてキシレンを用い、赤色発光層を主に構成する材料として、発光材料(サメイション社製、商品名「PR158」)を用い、架橋剤として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製、商品名「KAYARADDPHA」)を用いて塗布液を調合した。発光材料と架橋剤との重量比を4:1とし、発光材料と架橋剤とを合わせた材料の塗布液における割合を1.0質量%とした。
このようにして得られた塗布液を、スピンコートすることによって、正孔注入層上に薄膜として塗布した。次に、窒素雰囲気において200℃で20分間加熱して、層厚が10nmの赤色発光層を得た。このような加熱処理を行うことによって、薄膜を乾燥させて溶媒を除去するとともに、架橋剤を架橋させて、次に塗布される塗布液に対して赤色発光層を不溶化した。
次に緑色発光層を赤色発光層上に積層した。まず、溶媒としてキシレンを用い、緑色発光層を主に構成する材料として、発光材料(サメイション社製、製品名「Green1300」)を用い、架橋剤として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製、商品名「KAYARADDPHA」)を用いて塗布液を調合した。発光材料と架橋剤との重量比を、4:1とし、発光材料と架橋剤とを合わせた材料の塗布液における割合を1.0質量%とした。
このようにして得られた塗布液を、スピンコートすることによって、赤色発光層上に薄膜として塗布した。次に、窒素雰囲気において200℃で20分間加熱して、層厚が15nmの緑色発光層を得た。このような加熱処理を行うことによって、薄膜を乾燥させて溶媒を除去するとともに、架橋剤を架橋させて、次に塗布される塗布液に対して緑色発光層を不溶化した。
次に青色発光層を緑色発光層上に積層した。まず、溶媒としてキシレンを用い、青色発光層を主に構成する材料として、発光材料(サメイション社製、商品名「BP361」)を用いて塗布液を調合した。塗布液における青色発光材料の割合を、1.5質量%とした。このようにして得られた塗布液を、スピンコートすることによって、緑色発光層上に薄膜を形成した。
次に、窒素雰囲気において130℃で20分間加熱して、層厚が55nmの青色発光層を得た。なお、各発光層の厚み方向に垂直な平面で切った断面の形状は、2mm×2mmの正方形とした。
次に、青色発光層を成膜した基板を、真空蒸着装置に導入して、バリウムを青色発光層上に蒸着させて、膜厚が約5nmのバリウムからなる薄膜を形成し、さらにバリウムからなる薄膜上にアルミニウムを蒸着させて、膜厚が約80nmのアルミニウムからなる薄膜を形成して、バリウムからなる薄膜と、アルミニウムからなる薄膜との積層体によって構成される陰極を形成した。なお、真空度が5×10-5Pa(パスカル)以下に達してから、バリウムおよびアルミニウムの蒸着を開始した。
<比較例1にかかる有機EL素子の作製>
比較例1として、白色の波長領域で発光する一層の発光層(以下、白色発光層という場合がある)のみからなる発光部を備える有機EL素子を作製した。白色発光層以外の製造工程は、作製例の有機EL素子の製造工程と同じなので、重複する説明を省略して、白色発光層の製造工程についてのみ説明する。
まず、溶媒としてキシレンを用い、白色発光層を主に構成する材料として、発光材料(サメイション社製、商品名「WP1330」)を用いて塗布液を調合した。塗布液における発光材料の割合は、1.0質量%とした。このようにして得られた塗布液を、正孔注入層が形成された基板上にスピンコートすることによって、正孔注入層上に薄膜として塗布した。次に、窒素雰囲気において130℃で20分間加熱して、層厚が80nmの白色発光層を得た。
<比較例2にかかる有機EL素子の作製>
比較例2として、赤色発光層、緑色発光層、および青色発光層の3層の積層順のみが、作製例の有機EL素子とは異なる有機EL素子を作製した。陽極に最も近い層に、青色発光層を配置し、真中の層に、緑色発光層を配置し、陰極に最も近い層に赤色発光層を配置した。赤色発光層、緑色発光層、および青色発光層以外の製造工程は、作製例の有機EL素子の製造工程と同じなので、赤色発光層、緑色発光層、および青色発光層の製造工程についてのみ説明する。
まず青色発光層を正孔注入層上に積層した。塗布液の溶媒としてキシレンを用い、青色発光層を主に構成する材料として、発光材料(サメイション社製、商品名「BP361」)を用い、架橋剤として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製、商品名「KAYARADDPHA」)を用いて塗布液を調合した。発光材料と架橋剤との重量比を、4:1とし、発光材料と架橋剤とを合わせた材料の塗布液における割合を1.0質量%とした。このようにして得られた塗布液を、スピンコートすることによって、正孔注入層上に薄膜として塗布した。
次に、窒素雰囲気において130℃で20分間加熱して、層厚が55nmの青色発光層を得た。このような加熱処理を行うことによって、薄膜を乾燥させて溶媒を除去するとともに、架橋剤を架橋させて、次に塗布される塗布液に対して青色発光層を不溶化した。
次に緑色発光層を青色発光層上に積層した。まず、溶媒としてキシレンを用い、緑色発光層を主に構成する材料として、発光材料(サメイション社製、製品名「Green1300」)を用い、架橋剤として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製、商品名「KAYARADDPHA」)を用いて塗布液を調合した。発光材料と架橋剤との重量比を、4:1とし、発光材料と架橋剤とを合わせた材料の塗布液における割合を1.0質量%とした。
このようにして得られた塗布液を、スピンコートすることによって、青色発光層上に薄膜として塗布した。次に、窒素雰囲気において200℃で20分間加熱して、層厚が15nmの緑色発光層を得た。このような加熱処理を行うことによって、薄膜を乾燥させて溶媒を除去するとともに、架橋剤を架橋させて、次に塗布される塗布液に対して緑色発光層を不溶化した。
次に赤色発光層を緑色発光層上に積層した。まず、溶媒としてキシレンを用い、赤色発光層を主に構成する材料として、発光材料(サメイション社製、商品名「PR158」)を用いて塗布液を調合した。塗布液における発光材料の割合を1.0質量%とした。
このようにして得られた塗布液を、スピンコートすることによって、緑色発光層上に薄膜として塗布した。次に、窒素雰囲気において200℃で20分間加熱して、層厚が10nmの赤色発光層を得た。
作製例、比較例1、比較例2の各有機EL素子にそれぞれ電圧を印加して、輝度および色度を測定した。測定では、印加する電圧を段階的に変化させ、印加する電圧ごとに輝度および色度を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 0005314380
印加する電圧を変えて輝度を100cd/m2〜10000cd/m2まで変化させたときの、作製例、比較例1、比較例2の各有機EL素子のCIE色度座標における座標値x,yのそれぞれの変化幅を表2に示す。
Figure 0005314380
表1および表2に示すように、作製例の有機EL素子は、印加する電圧を変えて輝度を100cd/m2〜10000cd/m2まで変化させたときの、取り出される光の色度座標における座標値xと、座標値yとの変化の幅が、それぞれ0.016以下であった。
表1に示すように、作製例の有機EL素子は、3層の発光層を設けることによって、1層の発光層のみからなる比較例1の有機EL素子よりも電流効率の最大値が向上した。また、作製例の有機EL素子は、3層の発光層を所定の配置にすることによって、比較例2の有機EL素子よりも電流効率の最大値が向上した。
また、表2に示すように、作製例の有機EL素子は、3層の発光層を設けることによって、1層の発光層のみからなる比較例1の有機EL素子よりも、電圧の変化に対する色味の変化が少なかった。また、作製例の有機EL素子は、3層の発光層を所定の配置にすることによって、比較例2の有機EL素子よりも、電圧の変化に対する色味の変化が少なかった。
照明光通信システムの概略的説明図(1)である。 照明光通信システムの概略的説明図(2)である。 照明光通信システムの概略的説明図(3)である。 照明光通信システムの概略的説明図(4)である。 電流プログラム方式の発光ユニットの回路図である。 電圧プログラム方式の発光素子の回路図である。 発光ユニットの動作説明図である。 照明光通信システムの概略的説明図(5)である。 照明用光源の動作説明図である。 有機EL素子の概略的な断面図である。
符号の説明
10:照明光通信システム
20:送信装置
22:照明用光源
24:発光ユニット
23:サブ光源
23A:第1サブ光源
23B:第2サブ光源
23C:第3サブ光源
23D:第4サブ光源
26:有機EL素子
28:制御回路
29:直列/並列変換回路
30:受信装置
32:受光部
34:復調部
36:レンズ
38:並列/直列変換回路
42:走査線駆動回路
44:データ線駆動回路
50:TFT基板
50a:第1主表面
50b:第2主表面
51:画素領域
52:陽極
54:正孔注入層
56:発光部
56A:第1発光層(赤色発光層)
56B:第2発光層(緑色発光層)
56C:第3発光層(青色発光層)
58:陰極
X:データ線
Y:走査線

Claims (10)

  1. 送信データに基づいて変調された変調光を出射する照明用光源を備える送信装置であって、
    前記照明用光源は、陽極と、陰極と、前記陽極および前記陰極間に配置され、互いに異なるピーク波長で発光する3層の発光層とを含んで構成される有機エレクトロルミネッセンス素子を備え、
    該有機エレクトロルミネッセンス素子が、前記ピーク波長が長い前記発光層ほど前記陽極寄りに配置され、
    陽極側から陰極に向けて、HOMOの絶対値に負号を付した値およびLUMOの絶対値に負号を付した値が順次高くなるように各発光層が配置されてなる、照明光通信システム用の送信装置。
  2. 前記有機エレクトロルミネッセンス素子が、赤色の光を発光する発光層と、緑色の光を発光する発光層と、青色の光を発光する発光層とを含む請求項1に記載の送信装置。
  3. 前記照明用光源は、それぞれの発光面積が10−8cmから10−1cmである複数の有機エレクトロルミネッセンス素子を備える、請求項1または2に記載の送信装置。
  4. 前記照明用光源が、前記変調光を出射する通信用の有機エレクトロルミネッセンス素子と、非変調光を出射する照明用の有機エレクトロルミネッセンス素子とを備える請求項1から3のいずれか一項に記載の送信装置。
  5. 前記通信用の有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層が、蛍光を発光する発光材料を用いて形成され、かつ前記照明用の有機エレクトロルミネッセンス素子の前記発光層が、リン光を発光する発光材料を用いて形成されてなる請求項4に記載の送信装置。
  6. 前記発光層が、エネルギーを加えることによって架橋する成分を含有する材料で形成されてなる請求項1から5のいずれか一項に記載の送信装置。
  7. 前記陽極と前記陰極との間に印加する電圧レベルを変化させたときの前記有機エレクトロルミネッセンス素子の出射光の色度座標における座標値xおよび座標値yそれぞれの変化の幅が、最大でも0.05である請求項1から6のいずれか一項に記載の送信装置。
  8. 前記有機エレクトロルミネッセンス素子に接続され、該有機エレクトロルミネッセンス素子の動作を制御する制御回路をさらに備える請求項1から7のいずれか一項に記載の送信装置。
  9. 複数の有機エレクトロルミネッセンス素子を1つの構成単位とする素子群にグループ分けされた有機エレクトロルミネッセンス素子それぞれを、素子群ごとに駆動する駆動回路をさらに備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の送信装置。
  10. 変調光を出射する照明用光源を備える請求項1から9のいずれか一項に記載の送信装置と、前記照明用光源から出射された前記変調光を受光して電気信号に変換し、該電気信号を復調して受信データを生成する受信装置とを具備する照明光通信システム。
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