JP5314215B1 - テストピースの製造システムおよびテストピースの製造方法 - Google Patents

テストピースの製造システムおよびテストピースの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】型枠内で作成されたテストピースを当該型枠から脱型容易とするテストピースの製造システムおよび製造方法を提供する。
【解決手段】
テストピースの製造システムは、型枠1内に段階的に投入された被覆材X1,X2および盛土材Y1〜Y3の上部を閉蓋する閉蓋ピストン170と、型枠1に着脱自在に支持されると共に、閉蓋ピストン170のピストンロッド171を押圧する押圧部材180とを備える。さらに、テストピースの製造システムは、閉蓋ピストン170を型枠1から取り外す際に型枠1を固定する固定テーブル500および、先端が閉蓋ピストン170のピストンロッド171に嵌合し、閉蓋ピストン170を型枠1から取り外す際に揺動可能な脱型棒600とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、無機廃棄物を含む盛土材を埋め立てた状態を再現するテストピースの製造システムおよびテストピースの製造方法に関する。
従来、この種のテストピースとしては、下記特許文献1および特許文献2に示すように、例えば石綿などの廃棄物とセメントに水と添加剤を加えて練り上げたCSG(Cement Sand and Gravel)材料を型枠に充填して成型させ、成型物の圧縮強度などを評価管理するCGS材料のテストピースを作製する方法が知られている。
ここで、本願発明者は、従来のテストピースがセメントを含むCSGの評価に留まるものであり、最終処分場において無機廃棄物を埋め立てた状態を再現することは困難であることに鑑み、鋭意の研究により、下記特許文献3および特許文献4に示すように、無機廃棄物を含む盛土材を埋め立てた状態を簡易に再現することができるテストピースの製造システムおよびテストピースの製造方法を確立している。
特開2008−200586号公報 特開2005−17171号公報 特許5135490号公報 特許5111673号公報
本発明は、本願発明者によるテストピースの製造システムおよびテストピースの製造方法の更なる研究の成果であり、特に、型枠内で作成されたテストピースを当該型枠から脱型容易とすることをその目的とする。
第1発明のテストピースの製造システムは、無機廃棄物を含む盛土材を埋め立てた状態を再現するテストピースの製造システムであって、
前記盛土材および該盛土材を被覆する被覆材をそれぞれ混練して製造する混練装置と、
着脱自在な上蓋を有する有底筒状の型枠と、
前記型枠が固定可能な支持台を有し、該型枠内に段階的に投入された前記被覆材および盛土材を下層から上層に向かう複数の階層において衝撃圧縮するプレス装置と、
先端が平板で後端にピストンロッドを有するピストンであって、前記型枠内に段階的に投入された前記被覆材および前記盛土材の上部を閉蓋する閉蓋ピストンと、
前記型枠に着脱自在に支持されると共に、前記閉蓋ピストンのピストンロッドを押圧する押圧部材と、
棒状の長尺物であって、先端が前記閉蓋ピストンのピストンロッドに嵌合し、該閉蓋ピストンを前記型枠から取り外す際に揺動可能な脱型棒と
を備えることを特徴とする。
第1発明のテストピースの製造システムによれば、型枠内に段階的に投入された被覆材および盛土材の上部を閉蓋ピストンで閉蓋する。ここで、型枠の上端全体を覆うように閉蓋した場合には、型枠の上端とその内容物とが蓋部と付着して密閉一体となり、蓋部を取り除くことが困難となる。一方で、第1発明のテストピースによれば、型枠内の上部に閉蓋ピストンを配置することができ、型枠と閉蓋ピストンとが密閉一体となることを防いで脱型を容易とすることができる。
仮に、型枠の内面と閉蓋ピストンの外側面とが密閉一体となった場合でも、脱型棒をピストンロッドに嵌合させて揺動させることで、型枠の内面と閉蓋ピストンの外側面との間に僅かな間隙を形成して密閉を解くことができ、脱型を容易とすることができる。
このように、第1発明のテストピースの製造システムによれば、型枠内で作成されたテストピースを当該型枠から脱型容易とすることができる。
第2発明のテストピースの製造システムは、第1発明において、
前記型枠を着脱自在に固定する固定テーブルを備え、
前記固定テーブルに前記型枠が固定された状態で、前記脱型棒を用いて前記閉蓋ピストンが前記型枠から取り外されることを特徴とする。
第2発明のテストピースの製造システムによれば、脱型棒を用いて前記閉蓋ピストンが前記型枠から取り外す際に、型枠を固定テーブルに固定することができる。そのため、脱型棒を用いて容易に、型枠の内面と閉蓋ピストンの外側面との間に僅かな間隙を形成することができる。
このように、第2発明のテストピースの製造システムによれば、型枠内で作成されたテストピースをより脱型容易とすることができる。
第3発明のテストピースの製造方法は、無機廃棄物を含む盛土材を埋め立てた状態を再現するテストピースの製造方法であって、
有底筒状の型枠内の底部に被覆材を投入し該被覆材を圧縮することにより、該被覆材を締め固めた下部キャッピング層を再現する前処理工程と、
前記前処理工程により前記下部キャッピング層が再現された前記被覆材の上に、複数層の前記盛土材を積層させ、該盛土材を圧縮することにより複数層の圧密成形体を再現する圧密成形工程と、
前記圧密成形工程により再現された圧密成形体の上に、被覆材を投入し該被覆材を圧縮することにより、該被覆材を締め固めた上部キャッピング層を再現し、再現された上部キャッピング層の上部を閉蓋ピストンで閉蓋し、押圧部材により前記型枠に対して該閉蓋ピストンを押圧する後処理工程と、
前記後処理工程の後、前記型枠を固定テーブルに固定し、脱型棒の先端を前記閉蓋ピストンのピストンロッドに嵌合させて揺動させることにより、閉蓋ピストンを該型枠から取り外す脱型工程と
を備えることを特徴とする。
第3発明のテストピースの製造方法によれば、後処理工程において、型枠内に段階的に投入された被覆材および盛土材の上部を閉蓋ピストンで閉蓋する。ここで、型枠の上端全体を覆うように閉蓋した場合には、型枠の上端とその内容物とが蓋部と付着して密閉一体となり、蓋部を取り除くことが困難となる。一方で、第1発明のテストピースによれば、型枠内の上部に閉蓋ピストンを配置することができ、型枠と閉蓋ピストンとが密閉一体となることを防いで脱型を容易とすることができる。
仮に、型枠の内面と閉蓋ピストンの外側面とが密閉一体となった場合でも、脱型工程において、脱型棒をピストンロッドに嵌合させて揺動させることで、型枠の内面と閉蓋ピストンの外側面との間に僅かな間隙を形成して密閉を解くことができ、脱型を容易とすることができる。
このように、第3発明のテストピースの製造方法によれば、型枠内で作成されたテストピースを当該型枠から脱型容易とすることができる。
図1のテストピースの製造システムの構成の概要を示す全体構成図。 本実施形態のテストピースの製造方法に用いられる部材を示す分解斜視図。 本実施形態のテストピースの製造方法の工程を示すフローチャート。 図2の部材を組み立てた状態を示す斜視図。 図4のV−V線断面図。 テストピースを製造する様子を示す説明図。 図6に続くテストピースを製造する様子を示す説明図。 図7に続いて、テストピースを脱型する様子を示す説明図。
本発明の一実施形態としてのテストピースの製造システムについて説明する。
図1に示すように、テストピースの製造システムは、例えば、貨物自動車であるトラックの荷台Zに設置されるシステムであって、材料が投入される型枠1(図2を参照して後述する)と、型枠1内に投入された材料を衝撃圧縮するエアープレス装置100と、型枠1内に投入される材料を混練して製造する混練装置200と、エアープレス装置100の作動用のエアーコンプレッサー300(駆動用のエンジン310を含む)と、これらに付帯して用いられる付帯設備である漏斗420および材料格納容器430などを載置収納する収納スペース400と、テストピースを型枠1から脱型する際に用いられる固定テーブル500および脱型棒600とを備える。
ここで、混練装置200とエアーコンプレッサー300とがエアープレス装置100に対して左右方向に隣接して配置される。さらに収納スペース400がエアープレス装置100の前後方向に作業スペースを空けて配置される。
収納スペース400には、エアープレス装置100に着脱自在に装着される各種圧縮具も配置されている。
具体的には、先端面が平板のピストンであって、型枠1内に導入された第1階層の盛土材を衝撃圧縮するピストンロッドの長い第1ピストン110と、先端面が平板のピストンであって、第2階層の盛土材を衝撃圧縮するピストンロッドが第1ピストン110の次に長い第2ピストン120と、先端面が平板のピストンであって、第3階層の盛土材を衝撃圧縮するピストンロッドが第2ピストン120より短い第3ピストン130とが収納スペース400に配置される。
さらに、先端が階段状に錐形となっており先端面が縮径した平板のピストンであって、第1階層と第2階層との間の境界を衝撃圧縮して形成する第1境界用ピストン150と、先端が階段状に錐形となっており先端面が縮径した平板のピストンであって、第2階層と第3階層との間の境界を衝撃圧縮して形成する第2境界用ピストン160と、第3階層の上に上部キャッピング層を再現した被覆材(図5参照)の上部を閉蓋して加圧する閉蓋ピストン170と、型枠1に着脱自在に支持されると共に、閉蓋ピストン170を押圧する押圧部材180とが収納スペース400に配置される。
固定テーブル500は、型枠1を着脱自在に固定するテーブルであって、型枠1の台座部分が側面方向から挿入可能な一対の鍔部510,510を備え、鍔部510,510には台座固定のボルト511およびナット512が設けられている。
脱型棒600は、棒状の長尺物であって、先端に、閉蓋ピストン170のピストンロッド171に嵌合する嵌合部601を備える。
以上が本実施形態のテストピースの製造システムの全体構成である。
次に、各構成部材の詳細について説明する。
図2に示すように、テストピースを製造するためには、型枠1と、底面樹脂材2と、側面樹脂材3と、天面樹脂材4と、上蓋としての閉蓋ピストン170および押圧部材180とを備える型枠部材が用いられる。
型枠1は、有底筒状の形状であって、2つの鋼鉄製の半円筒体1A,1Bを連結させることより構成される。2つの半円筒体1A,1Bは、同一長さ、同一内径、同一肉厚(長さ300mm、内径115.8mm、肉厚12mm)の半円筒体であって、2つの半円筒体1A,1Bを組み合わせて円筒形状となる位置で、互いの両端縁が連結される。
より具体的には、2つの半円筒体1A,1Bは、両端縁に形成された鍔部11A,11Aおよび11B,11Bを各々対面させた状態で、鍔部11A,11Aおよび11B,11Bに形成された貫通孔12にボルトおよびナットを用いることで連結される(図4参照)。
底面樹脂材2と側面樹脂材3と天面樹脂材4とは、型枠1および閉蓋ピストン170の内面に配置される剥離用の樹脂材であって、本実施形態では、ポリカーボネイト樹脂が用いられる。
すなわち、底面樹脂材2は、型枠1の底面13の形状に対応した円形のフィルムであって、側面樹脂材3は、型枠1の内側面14を展開した長方形のフィルムを円筒状に丸めたものであり、天面樹脂材4は、閉蓋ピストン170の底面の形状に対応した円形のフィルムとなっている。
なお、底面樹脂材2と側面樹脂材3と天面樹脂材4の一部または全部を省略してもよい。
閉蓋ピストン170は、型枠1の上部を閉蓋するピストン状の部材であって、先端が平板で他端に短いピストンロッド171が設けられている。また、閉蓋ピストン170に先端は、その径が型枠1の内径よりも若干小さな径となっている。
押圧部材180は、鋼鉄製の天板181と、天板の対向する両端部を貫通するボルト182,182と、ボルト182,182の一端にそれぞれ連結された係止片183,183と、他端に軸着されたナット184,184とを備える。
係止片183,183は、型枠1の外側面に設けられた係合部15,15に係合可能となっており、係止片183,183を型枠1の係合部15,15に係合させた状態で、ナット184,184を締めることで、天板181が型枠1側に接近し、天板181の下面が閉蓋ピストン170を押圧する。
次に、図3〜図8を参照して、本実施形態のテストピースの製造方法について説明する。
まず、被覆材および盛土材などの材料を製造する(図3/STEP1・・材料製造工程)。
かかる材料製造工程では、混練装置200Aを被覆材製造用として、セメントに砂と水などを加えて練り上げたセメント混練物を被覆材として製造する。また、混練装置200Bを盛土材製造用として、無機廃棄物にセメントと水とを加えて練り上げて試験用の盛土材を製造する。
なお、かかる材料製造工程の具体的な作業において、混練装置200A,200Bは、いずれも蓋部210を開けて内部にセメント等が投入され、蓋部210を閉じて一定時間混練した後、蓋部210を開けて製造された内容物が取り出される。そして、取り出された内容物は、材料格納容器430に移される。
ここで、無機廃棄物は、例えば、最終処分場のおいて埋め立てられる焼却灰であって、焼却灰の種類によって、盛土材は、放射性物質や毒性のある焼却灰を含まないA種盛土材と、放射性物質や毒性のある焼却灰であるB種盛土材とに分けられる。
次に、作業者は、予め2つの半円筒体1A,1Bをボルトナットにより連結させて型枠1を組み立てた上で、型枠1の内面に剥離用の樹脂材を配置する。具体的には、型枠1の底面13に底面樹脂材2を載置し、型枠1の内側面14に側面樹脂材3を円筒状に丸めて配置する。この状態を図4(a)に示す。
この図4(a)の状態において、作業者は、型枠1内に被覆材を投入しこれを圧縮する(図3/STEP2・・前処理工程)。
かかる前処理工程では、図5に模式的に示すように、型枠1内の底部に被覆材X1が投入され、これが衝撃圧縮されることにより、被覆材X1を締め固めた下部キャッピング層が再現される。
被覆材X1は、材料格納容器430から、漏斗420を用いることで漏れなく型枠1内へ投入される(以下、材料の型枠1内への投入は、同様に、材料格納容器430から漏斗420を用いることにより行われる)。
被覆材X1の圧縮には、エアープレス装置100が用いられる。そのため、少なくとも前処理工程、第1工程〜第3工程は、エアープレス装置100の支持台101(図1参照)に型枠1を固定することにより行われる。
エアープレス装置100は、エアーコンプレッサー300から供給チューブ320を介して供給される圧縮空気により、ハンドル102(図1参照)の上下動に対応して加圧部103(図1参照)が上下動する。
このとき、加圧部103のストロークには限界があるため、型枠1の底部の被覆材X1を圧縮するためには、まず、ピストンロッドの長い第1ピストン110が用いられる。
ここで、エアープレス装置100を用いることにより、加圧部103が動作速度が速く、継続的な加圧を行う場合と異なり、打ち付けるような衝撃的な加圧が可能となる。これにより、被覆材X1に対して、1回当たり25tの圧力を複数回に亘って加圧することができ、最終処分場において下部キャッピング層として打設された状態を再現することができる。
なお、ここで再現される下部キャッピング層は、実際の最終処分場では、複数階層化されているため、1層下側の階層の上部キャッピング層に相当するものである。
次に、作業者は、下部キャッピング層が再現された被覆材X1の上に、予めSTEP1で製造しておいた盛土材Yを積層させ、第1ピストン110により該盛土材Yを圧縮して第1階層の圧密成形体を形成する(図3/STEP10・・第1工程(圧密成形工程))。
かかる第1工程では、図6(a)に示すように、型枠1内で下部キャッピング層が再現された被覆材X1の上に、盛土材Yを積層させ、盛土材Yを圧縮することにより、最終処分場における第1階層の圧密成形体Y1が再現される。
盛土材Yは、図6(a)〜(d)および図7(a)〜(e)に順番に示すように、型枠1内への投入とエアープレス装置100による衝撃圧縮とが繰り返されることにより、複数層に圧密成形される。このとき、盛土材Yの積層状態(積層高さ)および積層境界に応じて、複数の圧縮具が選択して用いられる。
具体的には、第1工程に続く、第1後処理工程において、第1階層の圧密成形体Y1の表面を第1境界用ピストン150で衝撃圧縮する(図3/STEP11・・第1後処理工程(圧密成形工程))。
かかる第1後処理工程では、図6(b)に示すように、先端が階段状に錐形となっており先端面が縮径した平板の第1境界用ピストン150を用いることで、第1階層の圧密成形体Y1とこれに隣接する第2階層の圧密成形体Y2との境界面を大きくすることができる。
さらに、第1後処理工程において、図6(c)に示すように、第1境界用ピストン150により階段状となった第1階層の圧密成形体Y1の表面を刃体(図示省略)で複数の切れ込みWを入れ、さらに、図6(d)に示すように、第2階層の盛土材Yを投入して第1境界用ピストン150により打設を行うことで部分的に階層間に混合中間層を形成することができる。これにより、第1階層の圧密成形体Y1と第2階層の圧密成形体Y2との一体性を高めることができる。
以下同様に、作業者は、図7(a)に示すように、第1階層の圧密成形体Y1の上に、第2階層の盛土材Yを積層させ、第2ピストン120により該盛土材Yを圧縮して第2階層の圧密成形体Y2を形成する(図3/STEP20・・第2工程(圧密成形工程))。
第2工程に続く、第2後処理工程においては、第2階層の圧密成形体Y2の表面を第2境界用ピストン160で衝撃圧縮する(図3/STEP21・・第2後処理工程(圧密成形工程))。
かかる第2後処理工程では、図7(b)に示すように、先端が階段状に錐形となっており先端面が縮径した平板の第2境界用ピストン160を用いることで、第2階層の圧密成形体Y2とこれに隣接する第3階層の圧密成形体Y3との境界面を大きくすることができる。
さらに、第2後処理工程において、図7(c)に示すように、第2境界用ピストン160により階段状となった第1階層の圧密成形体Y2の表面を刃体(図示省略)で複数の切れ込みWを入れ、さらに、図7(d)に示すように、第3階層の盛土材Yを投入して第2境界用ピストン160により打設を行うことで部分的に階層間に混合中間層を形成することができる。これにより、第2階層の圧密成形体Y2と第3階層の圧密成形体Y3との一体性を高めることができる。
さらに、作業者は、図7(e)に示すように、第2階層の圧密成形体Y2の上に、第3階層の盛土材Yを積層させ、第3ピストン130により該盛土材Yを圧縮して第3階層の圧密成形体Y3を形成する(図3/STEP30・・第3工程(圧密成形工程))。
このようにして形成された複数階層の圧密成形体Y1〜Y3は、第1階層の圧密成形体Y1と第2階層の圧密成形体Y2との一体性を高めることができると共に、第2階層の圧密成形体Y2と第3階層の圧密成形体Y3との一体性を高めることができ、型枠1内に段階的に投入された盛土材Yの一体性を向上させることができる。
なお、盛土材Yは、同一のものを用いて圧密成形状態を再現してもよいが、最終処分場での処分状況に合わせて、図6において、盛土材Y1,Y2,Y3の一部を異なる種類の盛土材としてもよい。
例えば、盛土材Y1およびY2を、放射性物質や毒性のある焼却灰であるB種盛土材とし、盛土材Y3を、放射性物質や毒性のある焼却灰を含まないA種盛土材としてもよい。これにより、B種盛土材をA種盛土材で覆う最終処分場での処分状況をテストピースに反映させることができる。
次に、作業者は、第3工程により再現された第3階層の圧密成形体Y3の上に被覆材X2を投入してこれを圧縮することにより、被覆材X2を締め固めた上部キャッピング層を再現し、再現された上部キャッピング層の上部を天面樹脂材4を介して閉蓋ピストン170で閉蓋し、押圧部材180により型枠1に対して閉蓋ピストン170を押圧する(図3/STEP40・・後処理工程)。
具体的に、後処理工程では、図5に模式的に示すように、圧密成形が再現された盛土材Yの上に、被覆材X1と同じ被覆材X2を投入しこれを圧縮することで、最終処分場において盛土材Yをシールドする上部キャッピング層が再現される。なお、ここでも、被覆材X2の圧縮にはエアープレス装置100が用いられる。
さらに、閉蓋ピストン170を被覆材X2の上部を配置し、図4(b)に示すように、押圧部材180の係止片183,183を、型枠1の係合部15,15に係合させ、ナット184,184を締めることで、天板181が型枠1側に接近させて、天板181の下面で閉蓋ピストン170を押圧させる。
かかる後処理工程により、最終処分場において膨張抑制用の重しが設置された状態が再現される。
そして、作業者は、閉蓋ピストン170を押圧部材180により押圧させた状態で一定期間養生させた後、閉蓋ピストン170および押圧部材180を取り外す(図3/STEP50・・脱型工程)。
脱型時には、図8(a)に示すように、型枠1を固定テーブル500に固定する。このとき、鍔部510のボルト511およびナット512で型枠1の台座部分を十分に固定する。
次いで、脱型棒600の先端の嵌合部601を、閉蓋ピストン170のピストンロッド171に嵌合させた上で、作業者は、脱型棒600の他端側を把持して揺動させる。
これにより、図8(b)に示すように、型枠1の内面と閉蓋ピストン170の外側面とが密閉一体となった場合でも、型枠1の内面と閉蓋ピストン170の外側面との間に僅かな間隙を形成して密閉を解くことができ、脱型を容易とすることができる。
そして、型枠1を2つの半円筒体1A,1Bに分解することで、脱型を完了する。
以上が、本実施形態のテストピースの製造方法であり、かかるテストピースの製造方法によれば、最終処分場において無機廃棄物を含む盛土材Yを埋め立てた状態を再現することができる。
そのため、作業者は、STEP50の脱型工程を経て得られたテストピースを用いて、溶出試験などの各種試験や評価を行うことができる(図3/STEP60)。これにより、当該無機廃棄物を受け入れて最終処分場に埋め立てた場合の影響を予め評価することが可能となる。
このように、本実施形態のテストピースの製造システムによれば、最終処分場において無機廃棄物を含む盛土材を埋め立てた状態を簡易に再現することができる。
なお、本実施形態において、第1境界用ピストン150は、第1階層の圧密成形体Y1と第2階層の圧密成形体Y2との境界を形成する際に用いたが、これに限定されるものではなく、下部の被覆層X1と第1階層の圧密成形体Y1との境界を形成する際にも用いることが好ましい。これにより、かかる被覆材X1と第1階層の圧密成形体Y1との接触面積を大きくすることができ、これら一体性を高めることができる。
さらに、この場合には、下部の被覆層X1を第1境界用ピストン150で衝撃圧縮した後、その表面に刃体(図示省略)で切り込みを形成することが好ましい。これにより、被覆層X1と第1階層の圧密成形体Y1との混合層を形成することができ、これらの一体性を向上させることができる。
同様に、第2境界用ピストン160は、第2階層の圧密成形体Y2と第3階層の圧密成形体Y3との境界を形成する際に用いたが、これに限定されるものではなく、第3階層の圧密成形体Y3と上部の被覆層X2との境界を形成する際にも用いることが好ましい。これにより、かかる第3階層の圧密成形体Y3と被覆層X2の接触面積を大きくすることができ、これら一体性を高めることができる。
さらに、この場合には、第3階層の圧密成形体Y3を第2境界用ピストン160で衝撃圧縮した後、その表面に刃体(図示省略)で切り込みを形成することが好ましい。これにより、第3階層の圧密成形体Y3と被覆層X3との混合層を形成することができ、これらの一体性を向上させることができる。
1…型枠、1A,1B…半円筒体、2…底面樹脂材、3…側面樹脂材、4…天面樹脂材、5…上蓋、X1,X2…被覆材、Y…盛土材、Y1…第1階層の圧密成形体、Y2…第2階層の圧密成形体、Y3…第3階層の圧密成形体、100…エアープレス装置、110…第1ピストン、120…第2ピストン、130…第3ピストン、150…第1境界用ピストン、160…第2境界用ピストン、170…閉蓋ピストン、180…押圧部材、200A,200B…混練装置、300…エアーコンプレッサー、400…収納スペース、500…固定テーブル、600…脱型棒、X1,X2…被覆材、Y…盛土材、Y1…第1階層の圧密成形体、Y2…第2階層の圧密成形体、Y3…第3階層の圧密成形体、W…切り込み。

Claims (3)

  1. 無機廃棄物を含む盛土材を埋め立てた状態を再現するテストピースの製造システムであって、
    前記盛土材および該盛土材を被覆する被覆材をそれぞれ混練して製造する混練装置と、
    着脱自在な上蓋を有する有底筒状の型枠と、
    前記型枠が固定可能な支持台を有し、該型枠内に段階的に投入された前記被覆材および盛土材を下層から上層に向かう複数の階層において衝撃圧縮するプレス装置と、
    先端が平板で後端にピストンロッドを有するピストンであって、前記型枠内に段階的に投入された前記被覆材および前記盛土材の上部を閉蓋する閉蓋ピストンと、
    前記型枠に着脱自在に支持されると共に、前記閉蓋ピストンのピストンロッドを押圧する押圧部材と、
    棒状の長尺物であって、先端が前記閉蓋ピストンのピストンロッドに嵌合し、該閉蓋ピストンを前記型枠から取り外す際に揺動可能な脱型棒と
    を備えることを特徴とするテストピースの製造システム。
  2. 請求項1記載のテストピースの製造システムにおいて、
    前記型枠を着脱自在に固定する固定テーブルを備え、
    前記固定テーブルに前記型枠が固定された状態で、前記脱型棒を用いて前記閉蓋ピストンが前記型枠から取り外されることを特徴とするテストピースの製造システム。
  3. 無機廃棄物を含む盛土材を埋め立てた状態を再現するテストピースの製造方法であって、
    有底筒状の型枠内の底部に被覆材を投入し該被覆材を圧縮することにより、該被覆材を締め固めた下部キャッピング層を再現する前処理工程と、
    前記前処理工程により前記下部キャッピング層が再現された前記被覆材の上に、複数層の前記盛土材を積層させ、該盛土材を圧縮することにより複数層の圧密成形体を再現する圧密成形工程と、
    前記圧密成形工程により再現された圧密成形体の上に、被覆材を投入し該被覆材を圧縮することにより、該被覆材を締め固めた上部キャッピング層を再現し、再現された上部キャッピング層の上部を閉蓋ピストンで閉蓋し、押圧部材により前記型枠に対して該閉蓋ピストンを押圧する後処理工程と、
    前記後処理工程の後、前記型枠を固定テーブルに固定し、脱型棒の先端を前記閉蓋ピストンのピストンロッドに嵌合させて揺動させることにより、閉蓋ピストンを該型枠から取り外す脱型工程と
    を備えることを特徴とするテストピースの製造方法。
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