JP5313682B2 - イソキノリン誘導体 - Google Patents

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Description

本発明は、イソキノリン誘導体に関し、これら誘導体を含む医薬組成物に関し、加えてROCK−Iに関連する障害の治療のための薬物の調製のためのこれら誘導体の使用に関する。
シグナル伝達経路の非常に多くは、タンパク質の可逆的リン酸化により制御されている。タンパク質のリン酸化に、従って細胞シグナル伝達事象の制御に関与するおおよそ500のタンパク質キナーゼが現在知られている。多くの疾患が、タンパク質キナーゼが介在する事象により誘発される異常な細胞の応答を伴い、治療薬として有効なタンパク質キナーゼ阻害剤を見いだす努力が、医薬品化学において大いになされてきた。このタンパク質キナーゼファミリーは、これらキナーゼがリン酸化するアミノ酸残基に基づいて、チロシンキナーゼとセリン/スレオニンキナーゼとに分類されている。最近、ヒスチジンキナーゼ(これは、ヒスチジン残基のイミダゾール窒素をリン酸化する。)がさらに発見された。
キナーゼのAGCサブファミリーは、キナーゼのセリンおよびスレオニンファミリーに属し、種々のシグナル伝達プロセスに関与している。このサブファミリーは、Rho関連コイルドコイル形成タンパク質キナーゼ(ROCK)を含む。二個のROCKアイソフォーム、ROCK−I/ROKβ/p160ROCKおよびROCK−II/ROKα/Rhoキナーゼ、が報告されている。これら二種のタンパク質は、アミノ酸レベルの類似度65%を有し、これらのキナーゼドメインにおいて類似度92%を有する。ROCK−IおよびROCK−IIは、Rhoファミリーの小GTPアーゼ(GTPase)の中で最初に発見されたエフェクターであった。このRho−ROCKシグナル伝達経路は、細胞形態接着、収縮性、細胞運動性および浸潤を制御する。第一世代の阻害剤Y−27632およびファスジル(Fasudil)が、種々の疾患および/または障害おいてROCK−IおよびROCK−IIの生物学的役割を解明するために広く用いられてきた。その結果、ROCK阻害剤は、気管支喘息、脳血管攣縮、冠動脈攣縮、勃起不全、緑内障、早産、血管平滑筋増殖、心筋肥大、悪性ガン、虚血再潅流誘発障害、内皮障害、クローン病および結腸炎、神経突起伸張、レイノー病、アンギナ、アルツハイマー病、前立腺肥大、ガン、神経因性疼痛、高血圧症および粥状動脈硬化症において治療的価値を有することが示唆された(Mueller B. K et al, Nature Reviews Drug Discovery , 387−398 (2005); Hirooka Y. and Shimokawa H. Am. J. Cardiovasc. Drug 5(1), 31−39 (2005); Hu E. and Lee D. Current Opinion Ther. Targets 9(4), 715−736 (2005))
5−置換イソキノリン誘導体が、国際特許出願WO2004/00955(EP1541559、Asahi Kasei Pharma Corporation)において、Rho/Rhoキナーゼ経路の阻害剤として開示されている。N−置換5−イソキノリルアミン誘導体類が、国際特許出願WO2004/024717(EP1550660、Kirin Brewery Kabushiki kaisha)においてRhoキナーゼ阻害剤として開示された。
この目的のために、本発明は、高血圧症、粥状動脈硬化症および緑内障などのRhoキナーゼが介在する疾患の治療に使用できる、一般式Iを有するイソキノリン誘導体または医薬として許容し得るその塩を提供する。
Figure 0005313682
[上記式において、
Xは、O、SまたはNHであり、
Yは、OHまたはNHであり、
mは、0、1または2であり、
nは、1または2であり、
は、YがNHの場合、Hであり、または、Rは、YがOHの場合、H、(C1−4)アルキルまたはハロゲンであり、
およびRは、独立に、H、(C1−4)アルキルまたはハロゲンであり、
Rは、Hまたは(C1−6)アルキル{この(C1−6)アルキルは、OH、(C1−4)アルキルオキシ、(C1−4)アルキルオキシカルボニル、(C3−7)シクロアルキル(この(C3−7)シクロアルキルは、OまたはSから選択されるヘテロ原子を場合により含み得る。)、(C6−10)アリール、(C6−10)アリールオキシまたは5員環もしくは6員環ヘテロアリール基(この5員環または6員環ヘテロアリール基は、O、NおよびSから独立に選択される1から3個のヘテロ原子を含み、各アリール基またはヘテロアリール基は、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルキルオキシ、(C1−4)アルキルスルホニルおよびハロゲンから独立に選択される1から3個の置換基により場合により置換される。)により場合により置換される。}である。]
式Iの定義において用いられている用語(C1−6)アルキルは、ヘキシル、ペンチル、ブチル、イソブチル、第3級ブチル、プロピル、イソプロピル、エチルおよびメチルのような、1から6個の炭素原子を有する分岐または非分岐アルキル基を意味する。
式Iの定義において用いられている用語(C1−4)アルキルは、ブチル、イソブチル、第3級ブチル、プロピル、イソプロピル、エチルおよびメチルのような、1から4個の炭素原子を有する分岐または非分岐アルキル基を意味する。
用語(C3−7)シクロアルキルは、シクロヘプチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロブチルおよびシクロプロピル等のような、3から7個の炭素原子を有するシクロアルキル基を意味する。この(C3−7)シクロアルキル基は、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオピラニルおよびテトラヒドロチエニルにて例示されるように、OおよびSから選択されるヘテロ原子を更に含み得る。
用語(C1−4)アルキルオキシ、(C1−4)アルキルオキシカルボニルおよび(C1−4)アルキルスルホニルにおいて、(C1−4)アルキルは、上に定義された意味を有する。
用語ハロゲンはフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を意味する。
用語(C6−10)アリールは、フェニルまたはナフチルを意味する。
式Iの定義において、O、NおよびSから独立に選択される1から3個のヘテロ原子を含む5員環または6員環ヘテロアリール基は、例示として、ピロリール、チエニル、フリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニルがある。特定の5員環または6員環ヘテロアリール基は、2−フリル、3−フリル、オキサゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル、オキサゾール−5−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、チアゾール−5−イル、イソオキサゾール−3−イル、イソオキサゾール−4−イル、イソオキサゾール−5−イル、1,2,3−オキサジアゾール−4−イル、1,2,3−オキサジアゾール−5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,3,4−オキサジアゾール−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イルおよび1,2,4−オキサジアゾール−5−イルがある。
この発明の一実施形態において、一般式1を有するイソキノリン誘導体または医薬として許容し得るその塩が提供される。
Figure 0005313682
[上記式において、
XはO、SまたはNHであり、
YはOHまたはNHであり、
およびRはHであり、
はHまたは(C1−4)アルキルであり、
mは0または1であり、
nは1または2であり、
RはHまたは(C1−4)アルキル{この(C1−4)アルキルは、(C3−7)シクロアルキル(この(C3−7)シクロアルキルは、OまたはSから選択されるヘテロ原子を場合により含み得る。)、(C6−10)アリールまたは5員環または6員環ヘテロアリール基(この5員環または6員環ヘテロアリール基はO、NおよびSから独立に選択される1から3個のヘテロ原子を含み、各アリール基またはヘテロアリール基は、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルキルオキシおよびハロゲンから独立に選択される1から3個の置換基により場合により置換される。)により場合により置換される。}である。]
YがOHである式Iのイソキノリン誘導体が好ましい。
XがOである式Iのイソキノリン誘導体が更に好ましい。
この発明の式Iのより好ましい化合物において、Rは独立にH、メチルまたはハロゲンであり、RおよびRは水素原子である。
この発明の式Iの更により好ましい化合物において、RはH、(C1−4)アルキル{この(C1−4)アルキルは、フェニル基または5員環または6員環ヘテロアリール基(この5員環または6員環ヘテロアリール基は、O、NおよびSから独立に選択される1から3個のヘテロ原子を含み、このフェニル基またはヘテロアリール基は、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルキルオキシおよび一つまたはそれ以上のハロゲンから選択される1から3個の置換基により場合により置換されている。)により場合により置換されている。}を表す。
もっとも好ましいのは、YがOHであり、mが1であり、nが1または2でありおよびRがHである式Iのイソキノリン誘導体である。
この発明の特に好ましいイソキノリン誘導体は、
(S)−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン、
(S)−7−メチル−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン、
6−(ペルヒドロアゼピン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン、
(S)−6−[1−(1H−ピロール−2−イルメチル)−ピペリジン−3−イルオキシ]−イソキノリン−1−イルアミン、
(S)−6−[1−(4−メチルベンジル)ピペリジン−3−イルオキシ]イソキノリン−1−イルアミン、
6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン、
(R)−6−(1−ベンジルピペリジン−3−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミン、
6−[1−(2−フェノキシエチル)ピペリジン−3−イルオキシ]イソキノリン−1−イルアミン、
(3S)−6−[1−(1−フェニルエチル)ピペリジン−3−イルオキシ]イソキノリン−1−イルアミン、
6−(ピペリジン−4−イルスルファニル)−2H−イソキノリン−1−オン、
6−(1−チオフェン−2−イルメチルピペリジン−3−イルオキシ)イソキノリ−1−イルアミン、
(S)−6−(1−ベンジルピペリジン−3−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミン、
(R)−6−[1−(2−フェノキシエチル)ピペリジン−3−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オン、
(S)−6−[1−(4−フルオロベンジル)−ピペリジン−3−イルオキシ]−イソキノリン−1−イルアミン、
(S)−4−ブロモ−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン、
6−[1−(1H−ピロール−2−イルメチル)ピペリジン−4−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オン、
6−[1−(4−メトキシベンジル)ピペリジン−3−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オン、
(S)−6−(1−フラン−3−イルメチルピペリジン−3−イルオキシ]イソキノリン−1−イルアミン、
6−(1−フェネチルピペリジン−3−イルオキシ]イソキノリン−1−イルアミン、
6−[1−(3−メトキシベンジル)ピペリジン−4−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オン、
(S)−6−[1−(1H−ピロール−3−イルメチル)ピペリジン−3−イルオキシ]イソキノリン−1−イルアミン、
(S)−6−[1−(2−オキソ−2−フェニルエチル)ピペリジン−3−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オン、
(S)−6−(ピロリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン、
6−(1−シクロヘキシルメチルピペリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン、
6−(ピペリジン−3−イルスルファニル)イソキノリン−1−イルアミン、
6−(1−フラン−2−イルメチルピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン、
(R)−6−(ピロリジン−3−イルスルファニル)イソキノリン−1−イルアミン、
(S)−4−メチル−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン、
(S)−6−(ピロリジン−3−イルスルファニル)イソキノリン−1−イルアミン、
6−(1−メチルピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン、
(S)−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−イソキノリン−1−イルアミン、
6−(ピペリジン−4−イルスルファニル)イソキノリン−1−イルアミン、
(R)−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン、
(S)−6−[1−(2−フェノキシエチル)ピペリジン−3−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オン、
6−(1−ベンジルピペリジン−3−イルオキシ)−7−メチルイソキノリン−1−イルアミン、
6−[1−(3−ヒドロキシプロピル)ピペリジン−4−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オン、
6−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−4−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オン、
(R)−6−(ピロリジン−3−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オン、
6−[1−(3−メチルベンジル)ピペリジン−4−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オン、
7−メチル−6−[1−(4−メチルベンジル)ピペリジン−3−イルオキシ]イソキノリン−1−イルアミン、
(S)−5−ブロモ−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン、
6−[1−(4−メトキシベンジル)ピペリジン−4−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オン、および
医薬として許容し得るこれらの塩がある。
式Iの化合物は、式II(Y、X、R、R、R、nおよびmは、前に定義した意味を有し、YおよびXにおけるいずれの反応性の基も場合により保護基を有してよく、PgはN−保護基である。)の化合物から、該N−保護基(Pg)の除去により、およびそれに続く式R−Halの適切なハロゲン化物によるN−アルキル化によりまたはR基由来の適切なアルデヒドによる還元アミノ化により、その後全ての残っている保護基を除去することにより、調製することができる。
Figure 0005313682
用語N−保護基は、アロキシカルボニル(Alloc)基、第3級ブチルオキシカルボニル(Boc)基、ベンジルオキシカルボニル(Z)基、または9−フルオレニルメチル−オキシカルボニル(Fmoc)基のような、アミノ基の保護のために広く用いられている基を意味する。これらの保護基の除去は、これら保護基の性質により異なる形で起こりうる。アミノ保護基およびこれらの除去の方法に関する総説が、T.W. Green and P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 2nd edition, 1991, John Wiley & Sons, Inc.により与えられている。
XがOまたはSである式Iおよび式IIの化合物は、式III(Y,X、R,RおよびRは前に定義した意味を有する。)の化合物と式IV(n、mおよびRは前に定義した意味を有する。)または式V(n、mおよびPgは前に定義した意味を有し、これらにおいて、LはOHである。)の化合物との、標準Mitsunobu条件を用いるカップリング反応により調製することができる(R.L. Elliot, H. Kopecka, D.E. Gunn, H.N. Lin and D.S. Garvey, Bioorg. Med. Chem. Lett., , 2283 (1996); K. Wisniewski, A.S. Koidziejczyk and B. Falkiewicz, J. Pept. Sc. , 1 (1998))。
Figure 0005313682
あるいは、XがOまたはSである式IIIのフェノールまたはチオールおよび適切な塩基を用いて、式IVまたは式V(LはOMs、OTs、I、BrまたはClである。)の適切な脱離基のWilliamsonS2が介在する置換がもちろん使用できる。
XがSである式Iの化合物は、適切な塩基を用いて、式IVまたは式V(LはOMs、OTs、I、BrまたはClである。)の適切な脱離基のWilliamsonS2が介在する置換により調製できる。XがSである式IIIの化合物のチオールは、式III(XはOであり、YはOHであり、またはAlloc等のウレタン、フタロイルまたはアミド(例えばベンゾイル)として保護されたアミノ基である。)のフェノールを、ジメチルチオカルバモイルクロライドにより処理して、対応するO−エステルを得て調製された。O−エステルのS−エステルへのNewman−Karnes変換(Newman, M.S. and Karns, H.A. J. Org. Chem. 1966, 31, 3980)は、マイクロ波照射を用いて達成された。S−エステルの続く加水分解により、式III(ここにおいて、XはSであり、YはOHでありまたはAlloc等のウレタン、フタロイルまたはアミド(例えばベンゾイル)として保護されたアミノ基である。)のチオールが得られた。
XがNHである式Iの化合物は、式IIIの化合物のフェノール性OHを、対応する臭化物に変換し、次いでパラジウム触媒によるアミノ化反応により、式Vのアミン誘導体(Lはアミノ基である)とカップリング反応させて調製できる(Wolfe J. P., Tomori H, Sadighi J. P., Yin, J and Buchwald S. L. J. Org. Chem. 2000, 65, 1158−1174)。
YがOHまたはNHである式VIのメチルアリールエーテルの、XがOでありおよびYがOHまたはNHである式IIIの対応するフェノール化合物への脱メチルは、BBr[J.F. McOmie and D.E. West, Org. Synth., Collect. Vol. V, 412 (1973)]またはEtSNa[A.S. Kende and J.P. Rizzi, Tetrahedron Lett., 22, 1779 (1981)]またはHBrを用いる反応により達成でき得る。
Figure 0005313682
式VIIIの化合物は、式VIIの化合物を調製するために適した出発材料である。化合物VIIの塩素基は、加圧下にアンモニアを用い前者を加熱して直接アミノ基に変換できる。あるいは、化合物VIIの塩素基は、アルカリ条件下フェノールとの反応によりフェノキシ基に変換できる。このフェノキシ誘導体(YがOPhである化合物VI)を酢酸アンモニウムにより処理すると、YがNHである式VIのアミン誘導体を与える。YがNHである化合物VIはまた、化合物VIIをナトリウムアジドで処理し、次いでこのアリールアジドをPPhにより還元して得られる。
Figure 0005313682
化合物VIIは、化合物VIIIをオキシ塩化リンで処理して得られる。化合物VIIIはまた、6−メトキシイソキノリン(Hendrickson, J.B.; Rodriguez, C.; J. Org. Chem. 1983, 48, 3344−3346)を例えばm−クロロ過安息香酸のような過酸でそのN−オキサイドに変換し、続いてこのN−オキサイド塩を塩化ホスホリルのような塩素化剤と反応させることにより、得られる(J. Robinson, J. Am. Chem. Soc., 69, 1941, 1939)。
Figure 0005313682
XがNHであり、YがNHでありおよびR−RがHである式IIの化合物の調製において用いられる1−アミノ−6−ブロモイソキノリンは、3−ブロモベンズアルデヒドのKnoevenagel縮合によりその3―ブロモ桂皮酸を得て調製される。この酸は、その塩化アシルに変換され、次いでアシルアジドに変換され、加熱によりCurtius転移を受けて、イソシアネート中間体が与えられる。このイソシアネート中間体は、更に加熱されて、分子内閉環がもたらされ、6−ブロモイソキノリンが与えられる。1−アミノ−6−ブロモイソキノリンの形成は、6−ブロモイソキノリンをPOClで処理して生成する1−クロロ−6−ブロモイソキノリンを用いて、YがNHである化合物VIについの記載と同じ方法にて達成できる。
更に、XがOであり、YがNHでありおよびRがメチルである式IIの化合物の調製に、1−アミノ−6−ブロモイソキノリンプロトコールについての上記手順と類似の方法を用いて作成される6−メトオキシ−7−メチル−イソキノリン−1−イルアミンが必要である。YがOHである式VIの化合物一般は、式IXの対応する桂皮酸から作成できる。この酸は、塩化アシル類に変換され、次いで式Xのアシルアジドに変換され、加熱によりCurtius転移を受けてイソシアネート中間体が与えられ、更に加熱されて分子内閉環が生じ、式VIのイソキノリンが与えられる。
Figure 0005313682
更に、YがOHである式Iおよび式IIの化合物は、POClにより処理され、次いでアンモニアにてさらに処理されて、YがNHである式Iおよび式IIの化合物に変換され得る。
更に、YがOHであり、RおよびRがHでありおよびRがハロゲンである式IIの化合物は、適切なN−ハロサクシンアミドによるハロゲン化により作成できる。あるいは、YがOHであり、XがOであり、RおよびRがHであり、Rがハロゲンである式IIIの化合物は、酸性条件下にて適切なジハロゲン(例えばBr)によるハロゲン化により作成できる。
更に、YがHであり、RおよびRがHであり、RがBrである式VIの化合物は、P. Chan et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 13 (2003) 1345−1348に従って6−メトオキシイソキノリンから作成できる。対応する臭化物は、金属交換反応に処され、次いでヨードメタンのような適切な求電子物質との反応により、メチル誘導体に変換され得る。あるいは、フォルミルまたはケト誘導体が、適切な求電子物質から形成され得、次いで適切なアルキル誘導体に還元され得る。あるいは、有機スタンナンを用いるパラジウム触媒交差カップリングを用いることもできる。
YがOHであるこの発明の化合物は、互変異性型アミド−O−型が又生じ得、それ故、これらは2H−イソキノリン−1−オンとして記載できることが理解される。
Figure 0005313682
式Iのイソキノリン誘導体およびその塩は、少なくとも一つのキラル中心を含み、それ故、鏡像異性体とジアステレオマーを含む立体異性体が存在する。本発明は、その範囲内に、前述の立体異性体、ならびに、他の鏡像異性体を実質的に含まない、即ち、5%以下、好ましくは2%以下、特に1%以下を伴う式1の化合物およびその塩類の各RおよびS鏡像異性体の各々、ならびに、任意の割合のこれら鏡像異性体の混合物(これら二つの鏡像異性体を実質的に等量含有するラセミ混合物など)を含む。
純粋な立体異性体が得られる不斉合成法またはキラル分離法が、この分野においてよく知られており、例えば、キラル誘導による合成または市販のキラル基質からの出発または例えばキラル媒体上のクロマトグラフィの使用またはキラル対イオンとの結晶化による立体異性体分離がある。
この発明のイソキノリン誘導体の医薬として許容し得る塩は、式1の化合物の遊離塩基を、塩酸、臭化水素酸、リン酸および硫酸のような鉱酸にてまたは例えばアスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、フマール酸、グリコール酸、コハク酸、プロピオン酸、酢酸およびメタンスルホン酸のような有機酸にて処理することにより得られる。
この発明の化合物は、非溶媒和型として、加えて、医薬的として容認し得る溶剤(水、エタノールなど)との溶媒和型として存在できる。一般に、この発明の目的において、溶媒和型は非溶媒和型と同等であると考えられる。
本発明のイソキノリン誘導体は、生体外にて組換えヒトROCK−1に対し阻害活性を有することが見いだされ、高血圧症、粥状動脈硬化症および緑内障のようなROCK−1が介在する疾患の治療に有用であり得る。
本発明は、さらに、一般式Iのイソキノリン誘導体または医薬として許容し得るその塩、医薬として許容し得る補助剤および場合により他の治療薬が混合されている医薬組物を提供する。用語「医薬として許容し得る」は、この組成物の他の成分と相容性であることおよびその受容者に有害でないことを意味する。
これらの組成物は、全て投与のための単位用量形態において、例えば、経口投与、舌下投与、皮下投与、静脈内投与、硬膜外投与、くも膜下投与、筋肉内投与、経皮投与、肺投与、局所投与、直腸投与および同様の投与に適するものを含む。
投与の好ましい経路は経口ルートである。
経口投与のために、この活性成分は、錠剤、カプセル、粉末、顆粒、溶液、懸濁液および同様の物のような、個別の単位として提供し得る。
非経口投与のために、この発明の医薬組成物は、単一用量容器または多用量容器にて、例えば封入バイアルおよびアンプル中、例えば予め定められた量の注射液として提供され得、および、使用前に減菌液体担体(例えば水)の添加加だけ必要なフリーズドライ(凍結乾燥)条件にてもちろん貯蔵でき得る。
上記のような医薬として許容し得る補助剤と混合することにより、例えば基準文献、Gennaro, A.R. et al, Remington; The Science and Practice of Pharmacy (20th Edition, Lippincott Williams, 2000、特にPart 5、Pharmaceutical Manufacturingを参照)に述べられているように、この活性薬剤は、丸薬、錠剤のような固体用量単位に圧縮され得またはカプセル、坐薬またはパッチに加工され得る。医薬として許容し得る液体により、この活性薬剤は、液体組成物として、例えば、溶液、懸濁液、エマルジョンの形態の例えば注射調剤として、または噴霧剤(例えば鼻内噴霧)として投与され得る。
固体用量単位を作成するために、充填剤、着色剤、ポリマーバインダーおよび同様のものような、従来の添加物の使用が意図される。一般に、活性化合物を妨害しない医薬として許容し得るいずれの添加物も使用できる。この発明の活性薬剤が固体組成物として担体と共に投与し得る適切な担体として、乳酸、デンプン、セルロース誘導体類等またはこれらの混合物が挙げられ、適切な量が用いられる。非経口投与のために水性懸濁液、等張食塩溶液および減菌注入溶液が使用でき、これらはプロピレングリコールまたはブチレングリコールのような医薬として容認し得る分散剤および/または湿潤剤を含む。
この発明は、更に、先に述べたような医薬組成物に適した包装材と組み合わされた医薬組成物を含む。前記包装材は、先に述べたような使用のためのこの組成物の使用についての取り扱い説明書を含む。
この発明の化合物は、症状の軽減のために十分な量にておよび十分な時間、ヒトに投与され得る。一例として、ヒトへの用量レベルは、体重kg当たり0.001〜50mgの範囲、好ましくは体重kg当たり用量0.01〜20mgである。
この発明は以下の実施例により例示される。
一般
以下の略語が用いられる。
溶離液:溶媒B中の溶媒Ax−y%とは、溶媒B中の溶媒Ax%(v/v)から、溶媒B中の溶媒Ay%(v/v)への溶離液の勾配を用いることを意味する。
(S)−6−(1−ベンジルピロリジン−3−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミン
WO00/24718(Akzo Nobel N.V.)に記載のように調製された1−アミノ−6−ヒドロキシイソキノリン(50mg、0.312mmol)および(ポリスチレン上の)2−tert―ブチルイミノ−2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチルペルヒドロ−1,3,2−ジアザホスホリン(284mg,〜2.2mmol.g−1、〜0.624mmol)を、アセトニトリル(4ml)中室温にて15分間攪拌した。この混合物に(R)メタンスルホン酸1−ベンジルピロリジン−3−イルエステル(0.312mmol)を加え、この混合物を110°Cに加熱し、60時間攪拌した。この混合物をろ過し、沈殿物をアセトニトリルで洗浄した。濾液を濃縮し次いで分取高速クロマトグラフィ(HPLC)にて精製して、(S)−6−(1−ベンジルピロリジン−3−イルオキシ)−イソキノリン−1−イルアミン(40mg)を得た。EI−MS:m/z=320.3[M+H]
(R)−6−(1−ベンジルピロリジン−3−イルオキシ)−イソキノリン−1−イルアミン
この化合物は、(S)−メタンスルホン酸1−ベンジルピロリジン−3−イルエステルおよび1−アミノ−6−ヒドロキシイソキノリンから、実施例1に記載の方法にて調製され、(R)6−(1−ベンジルピロリジン−3−イルオキシ)−イソキノリン−1−イルアミン生成物が得られた。EI−MS:m/z=320.3[M+H]
(S)−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−イソキノリン−1−イルアミン
A:(R)−3−ヒドロキシ−ピペリジン−カルボン酸tert−ブチルエステル
ジ−tert−ブチルカルボナート(8.7g、11.6mmol)を、メタノール(70ml)中の(R)−3−ヒドロキシピペリジン塩酸塩(5.0g、40.0mmol)および炭酸水素ナトリウム(24.2g、29.0mmol)の懸濁液に加えた。この添加の後、反応物を室温にて1.5時間超音波処理し、この間に温度が40°Cに達した。溶媒を減圧下に除去し、粗製物を酢酸エチル(200ml)および水(200ml)に分配した。層分離の後、有機層を炭酸水素ナトリウム(100ml)、水(100ml)、塩水(100ml)および水(100ml)にて順次洗浄し、次に硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧下に蒸発乾固した。(R)−3−ヒドロキシ−ピペリジンカルボン酸tert−ブチルエステルが無色の油として得られ、放置すると固化した。
B:(R)−3−メタンスルホニルオキシ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
メタンスルホニルクロライド(1.73ml、22.5mmol)を、ジクロロメタン(30ml)中の(R)−3−ヒドロキシ−ピペリジンカルボン酸tert−ブチルエステル(3.0g、15mmol)およびトリエチルアミン(3.12ml、22.5mmol)の冷却(氷浴、0−4°C)攪拌溶液に加えた。この添加の後、反応物を、上記温度にて30分間攪拌し、放置して室温に暖めた。室温で2時間撹拌後、炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)を加え、次いで30分間激しく間攪拌した。反応物をジクロロメタン(300ml)および炭酸水素ナトリウム水溶液(300ml)にて希釈し、分配後、有機相を水(200ml)にて洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧下に蒸発乾固して、(R)−3−メタンスルホニルオキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを半結晶固体として得た。
C:(S)−3−(1−アミノ−イソキノリン−6−イルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
テトラヒドロフラン(THF)(4ml)およびジメチルフォルムアミド(DMF)(394μl)中の(R)−3−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(209mg、1.04mmol)、トリフェニルホスフィン(327mg、1.249mmol)および1−アミノ−イソキノリン−6−オール(200mg、1.249mmol)の溶液に、0°Cにてアルゴン下ジエチルアゾカルボキシラート(197ml)を5分間かけて滴下した。次いで混合物を室温に暖め、48時間攪拌した。次いで水を加え、混合物を稀NaOHで塩基性にした。この混合物を酢酸エチルで抽出し(×3)、乾燥(硫酸ナトリウム)し、ろ過し、減圧下に蒸発して残渣を得た。この残渣をシリカ上フラッシュクロマトグラフィ(溶離液:1%アンモニア水を有するジクロロメタン中の2−10%メタノール)に処し、(S)3−(1−アミノ−イソキノリン−6−イルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(72mg)を得た。EI−MS:m/z=344.1[M+H]
(S)−3−(1−アミノ−イソキノリン−6−イルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製のための別の方法として、アセトニトリル(10ml)中の1−アミノ−6−ヒドロキシイソキノリン(0.8g、5.0mmol)、(R)−3−メタンスルホニルオキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.76g)および(ポリスチレン上の)2−tert―ブチルイミノ−2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−ペルヒドロ−1,3,2−ジアザホスホリン(3.4g、〜2.2mmol/g装填)の懸濁液を、マイクロ波を用いて160°Cにて15分間加熱した。過剰の支持試薬をろ過により除去し、アセトニトリル、続いてメタノールで洗浄し、濾液を減圧下に蒸発乾固した。シリカ上クロマトグラフィ(溶離液:酢酸エチル中2−10%メタノール)により精製して、(S)3−(1−アミノ−イソキノリン−6−イルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(72mg)を得た。EI−MS:m/z=344.1[M+H]
D:(S)−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−イソキノリン−1−イルアミン
ジクロロメタン(2ml)およびトリフルオロ酢酸(1ml)中の(S)−3−(1−アミノ−イソキノリン−6−イルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(72mg)の混合物を室温にて1.5時間攪拌した。この混合物を真空下に濃縮し、次いで、残渣をフラッシュクロマトグラフィ(溶離液:1%アンモニア水を有するジクロロメタン中の2−10%メタノール)に処して、(S)−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−イソキノリン−1−イルアミンを得た。EI−MS:m/z=244.4[M+H]
6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−イソキノリン−1−イルアミン
この化合物は、4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(455mg、2.26mmol)および1−アミノ−6−ヒドロキシイソキノリン(435mg、2.71mmol)から、3Cに記載のMitsunobu方法により作成された。次いで3Dに記載の方法に従いBoc基が脱保護されて6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−イソキノリン−1−イルアミン(140mg)が得られた。EI−MS:m/z=244.6[M+H]
6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−イソキノリン−1−イルアミン
この化合物は、ラセミ3−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(207mg、1.02mmol)および1−アミノ−6−ヒドロキシイソキノリン(198mg、1.23mmol)から、3Cに記載のMitsunobu方法により調製され、次いで3Dに記載の方法に従いBoc基が脱保護され、ラセミ6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−イソキノリン−1−イルアミン(30mg)が得られた。EI−MS:m/z=244.4[M+H]
(S)−6−(ピロリジン−3−イルオキシ)−イソキノリン−1−イルアミン
この化合物は、(S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(195mg、1.04mmol)および1−アミノ−6−ヒドロキシイソキノリン(200mg、1.25mmol)から、3Cに記載のMitsunobu方法により調製され、次いで3Dに記載の方法に従いBoc基が脱保護され、(S)−6−(ピロリジン−3−イルオキシ)−イソキノリン−1−イルアミンが得られた。EI−MS:m/z=230.3[M+H]
代替方法
N,N−ジメチルフォルムアミド(2ml)中の(R)−3−メタンスルホニルオキシピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(2.95g)の溶液を、N,N−ジメチルフォルムアミド(10ml)中の1−アミノ−6−ヒドロキシイソキノリン(1.2g、7.4mmol)およびKCO(1.02g、7.4mmol)の攪拌溶液に100°Cにて滴下した。この混合物を一時間撹拌した後、冷却し、水を加えた。この混合物を氷酢酸で酸性にした後、メタノールにて希釈した。この混合物を、前もって酸性にしたSCXカラムにメタノールを用いて装填し、メタノール中2Mアンモニアにて溶出し、粗(S)−6−(ピロリジン−3−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミンを得、シリカ上フラッシュクロマトグラフィ(溶離液:1%水酸化アンモニウムを有するDCM中10%メタノール)にて精製した。EI−MS:m/z=230.3[M+H]
(S)−6−(1−ベンジルピペリジン−3−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミン
A:(S)−3−[1−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインド−ル−2−イル)イソキノリン−6−イルオキシ]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
無水テトラヒドロフラン(1.5ml)中の(S)−3−(1−アミノイソキノリン−6−イルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(380mg、1.11mmol)およびトリエチルアミン(1.5ml、11.1mmol)の溶液に、フタロイルジクロリド(170μl、1.16mmol)を加えた。この混合物は、室温にて2時間撹拌され、高速で攪拌されている水が加えられた。この混合物はジクロロメタン(3×50ml)で抽出され、真空下に濃縮されて残渣が得られた。この残渣をシリカ上フラッシュクロマトグラフィ(溶離液:0−100%酢酸エチルのヘプタン溶液)に処し、(S)−3−[1−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインド−ル−2−イル)イソキノリン−6−イルオキシ]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(390mg)を得た。EI−MS:m/z=474.3[M+H]
B:(S)−2−(6−ピペリジン−3−イルオキシ)イソキノリン−1−イル]イソインドール−1,3−ジオン
ジクロロメタン(14ml)およびトリフルオロ酢酸(2.8ml)中の(S)−3−[1−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインド−ル−2−イル)イソキノリン−6−イルオキシ]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(340mg)の混合物を、室温にて1時間攪拌した。この混合物を真空下に濃縮した後、残渣をシリカ上フラッシュクロマトグラフィ(溶離液:ジクロロメタン中2−10%メタノール)に処し、(S)−2−[(6−ピペリジン−3−イルオキシ)イソキノリン−1−イル]イソインドール−1,3−ジオン(310mg)を得た。EI−MS:m/z=374.3[M+H]
C:(S)−2−[6−(1−ベンジルピペリジン−3−イルオキシ)イソキノリン−1−イル]イソインドール−1,3−ジオン
DMF(3ml)中の(S)−2−[(6−ピペリジン−3−イルオキシ)イソキノリン−1−イル]イソインドール−1,3−ジオン(30mg、62μmol)の溶液に、炭酸カリウム(10mg、74μmol)および臭化ベンジル(9μl、74μmol)を加えた。この混合物を室温で4時間撹拌後、溶媒を真空下に除去し、水を加えた。この混合物をジクロロメタンにて抽出し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、真空下に濃縮して残渣を得た。この残渣をシリカ上フラッシュクロマトグラフィ(溶離液:ヘプタン中0−100%酢酸エチル)に処し、(S)−2−[6−(1−ベンジルピペリジン−3−イルオキシ)イソキノリン−1−イル]イソインドール−1,3−ジオンを得た。EI−MS:m/z=464.3[M+H]
D:(S)−6−(1−ベンジルピペリジン−3−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミン
エタノール(2ml)中の(S)−2−[6−(1−ベンジルピペリジン−3−イルオキシ)イソキノリン−1−イル]−イソインドール−1,3−ジオン(20mg、43μmol)の溶液にヒドラジン一水和物(〜3μl、43μmol)を加えた。混合物を50°Cにて2時間加熱後、真空下に濃縮して残渣を得た。この残渣を分取HPLCで精製して(S)−6−(1−ベンジルピペリジン−3−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミンを得た。EI−MS:m/z=334.3[M+H]
E:代替方法
アセトニトリル(2ml)中のラセミ6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−イソキノリン−1−イルアミン(52mg、0.214mmol)およびベンズアルデヒド(26ml、0.256mmol)の溶液に、氷酢酸二滴を加えた。この混合物を20分間撹拌後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(68mg、0.321mmol)を小分けに加えた。この混合物を室温にて20時間攪拌後、真空下に濃縮した。次いでこの混合物をジクロロメタンおよび炭酸水素ナトリウム飽和水溶液の間に分配した。有機層を分離後、この有機層を真空下に濃縮して残渣を得た。この残渣を分取HPLCで精製して6−(1−ベンジルピペリジン−3−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミン(73mg)を得た。EI−MS:m/z=334.3[M+H]
以下の化合物を、適切なアルデヒドおよびラセミまたは純粋エナンチオマー6−(ピペリジン−3−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミンまたは6−(ピロリジン−3−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミンを用いて、7Eに記載の方法にて調製した。
7F:6−[1−(1H−ピロール−2−イルメチル)ピペリジン−3−イルオキシ]イソキノリン−1−イルアミン
1H−ピロール−2−カルボアルデヒド経由:EI−MS:m/z=323.5[M+H]
7G:6−(1−チオフェン−2−イルメチルピペリジン−3−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミン
チオフェン−2−カルボアルデヒド経由:EI−MS:m/z=340.1[M+H]
7H:(S)−6−[1−(4−フルオロベンジル)ピペリジン−3−イルオキシ]イソキノリン−1−イルアミン
4−フルオロベンズアルデヒド経由:EI−MS:m/z=352.5[M+H]
7I:(S)−6−[1−フェネチルピペリジン−3−イルオキシ]イソキノリン−1−イルアミン
フェニルアセトアルデヒド経由:EI−MS:m/z=348.3[M+H]
7J:(S)−6−[1−フラン−3イルメチルピペリジン−3−イルオキシ]イソキノリン−1−イルアミン
フラン−3−カルボアルデヒド経由:EI−MS:m/z=324.5[M+H]
7K:(S)−6−[1−(1H−ピロール−2−イルメチル)ピペリジン−3−イルオキシ]イソキノリン−1−イルアミン
1H−ピロール−2−カルボアルデヒド経由:EI−MS:m/z=323.5[M+H]
7L:(S)−6−[1−(1H−ピロール−3−イルメチル)ピペリジン−3−イルオキシ]イソキノリン−1−イルアミン
1H−ピロール−3−カルボアルデヒド経由:EI−MS:m/z=323.5[M+H]
7M:(S)−6−[1−(3−メチルベンジル)ピロリジン−3−イルオキシ]イソキノリン−1−イルアミン
3−メチルベンズアルデヒド経由:EI−MS:m/z=334.5[M+H]
7N:(S)−6−[1−(3−フルオロベンジル)ピロリジン−3−イルオキシ]イソキノリン−1−イルアミン
3−フルオロベンズアルデヒド経由:EI−MS:m/z=338.4[M+H]
7O:(S)−6−[1−(4−メタンスルホニルベンジル)ピロリジン−3−イルオキシ]イソキノリン−1−イルアミン
4−メタンスルホニルベンズアルデヒド経由:EI−MS:m/z=398.4[M+H]
7P:(S)−6−[1−ベンジルピロリジン−3−イルオキシ]イソキノリン−1−イルアミン
1−ベンズアルデヒド経由:EI−MS:m/z=320.1[M+H]
7Q:(S)−6−[1−(3−メトキシベンジル)ピロリジン−3−イルオキシ]イソキノリン−1−イルアミン
3−メトキシベンズアルデヒド経由:EI−MS:m/z=350.5[M+H]
7R:(S)−6−[1−(1H−ピロール−3−イルメチル)ピロリジン−3−イルオキシ]イソキノリン−1−イルアミン
1H−ピロール−3−カルボアルデヒド経由;EI−MS:m/z=309.4[M+H]
7S:6−(1−フラン−2−イルメチルピペリジン−3−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミン
フラン−2−カルボアルデヒド経由:EI−MS:m/z=324.1[M+H]
7T:6−[1−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)ピペリジン−3−イルオキシ]イソキノリン−1−イルアミン
テトラヒドロピラン−4−カルボアルデヒド経由:EI−MS:m/z=341.9[M+H]
7U:6−[1−(4−tert−ブチルベンジル)ピペリジン−3−イルオキシ]イソキノリン−1−イルアミン
4−tert−ブチルベンズアルデヒド経由:EI−MS:m/z=390.4[M+H]
7V:(R)−6−(1−ベンジルピペリジン−3−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミン
1−ベンズアルデヒド経由:EI−MS:m/z=334.4[M+H]
以下の化合物は、適切な置換臭化ベンジルを用いて、7Cと7Dに記載の方法で作成された。
8A:(S)−6−[1−(3,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−3−イルオキシ]イソキノリン−1−イルアミン
3,4−ジクロルベンジルブロマイド経由:EI−MS:m/z=402.3[M+H]
8B:(S)−6−[1−(4−メチルベンジル)ピペリジン−3−イルオキシ]イソキノリン−1−イルアミン
4−メチルベンジルブロマイド経由:EI−MS:m/z=348.5[M+H]
6−[1−(3−フェニルプロピル)ピペリジン−3−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミン
この化合物は、3−フェニルプロピルブロマイドを用いて7Cおよび7Dに記載の方法により調製された。EI−MS:m/z=362.5[M+H]
10A:6−(1−メチルピペリジン−4−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミン
N,N−ジメチルフォルムアミド(1ml)中の6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−イソキノリン−1−イルアミン(35mg、0.14mmol)の溶液に、氷酢酸三滴を加え、次いでホルアルデヒド(37%水溶液、200ml)を加えた。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(150mg)をこの混合物に加え、72時間振盪した。この混合物に炭酸水素ナトリウム飽和水溶液を加えた後、この混合物を酢酸で酸性にした。この混合物を前もって酸性にしたSCXカラムに装填し、メタノールにて洗浄した後、メタノール中2Mアンモニアにて溶出した。粗生成物を、単離し、分取HPLCを用いて更に精製し、6−(1−メチルピペリジン−4−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミン(19mg)を得た。EI−MS:m/z=258.5[M+H]
10B:6−(1−エチルピペリジン−4−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミン
6−(1−エチルピペリジン−4−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミンを、アセトアルデヒドを用いて上記のように作成した。EI−MS:m/z=272.6[M+H]
6−(1−ベンジルピペリジン−4−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミン
N,N−ジメチルフォルムアミド(0.5ml)中の6−(ピペリジン−4−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミン(20mg、0.082mmol)の溶液に、氷酢酸一滴を加え、次いでベンゾアルデヒド(20ml)を加えた。この混合物を、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(50mg)で処理し、次いで2時間振盪した。この混合物に水(0.5ml)を加え、この混合物を、一夜撹拌した後、分取HPLCにて精製して、6−(1−ベンジルピペリジン−4−イルオキシ)−イソキノリン−1−イルアミン(28mg)を得た。EI−MS:m/z=334.3[M+H]
6−(ピペリジン−3−イルスルファニル)イソキノリン−1−イルアミン
A:N−(6−ヒドロキシイソキノリン−1−イル)−ベンズアミド
無水安息香酸(10.27g)をピリジン(53ml)中の1−アミノイソキノリン−6−オール(3.312g)の溶液に室温にて加えた。この混合物を125°Cにて1時間加熱し、減圧下にてピリジンを除去し、過剰のピリジンをトルエンとの共沸により除去した(×2)。この混合物に水を加え、この混合物をジクロロメタンにて抽出し(×3)、乾燥(硫酸ナトリウム)し、真空下に濃縮して固体沈殿物を得た。ジクロロメタンジエチルエーテルにて再結晶させ、安息香酸―1−ベンジルアミノイソキノリン−6−イルエステル(6g)を得た。EI−MS:m/z=369.1[M+H]
水HO(65ml)中のNaOH(981mg)の溶液を、メタノール(65ml)およびテトラヒドロフラン(65ml)中の安息香酸―1−ベンジルアミノイソキノリン−6−イルエステル(6g)の溶液に加えた。この混合物を室温にて1.5時間撹拌した後、有機物を真空下に除去した。この混合物を、水にて希釈した後、酢酸エチルで抽出した(×1)。次いで水相を希塩酸(pH〜3.5)にて酸性にした。酢酸エチルの添加により固体が沈殿し、この固体ろ過し、冷メタノール、次いでヘプタンにて洗浄した後、N−(6−ヒドロキシイソキノリン−1−イル)ベンズアミド(3.6g)を得た。EI−MS:m/z=265.1[M+H]
B:N−(6−メルカプトイソキノリン−1−イル)ベンズアミド
無水テトラヒドロフラン(2ml)中のN−(6−ヒドロキシイソキノリン−1−イル)ベンズアミド(100mg、0.379mmol)、トリエチルアミン(105ml、0.758mmol)およびピリジン(306ml、3.79mmol)の溶液に、N,N−ジメチルチオカルバモイルクロライド(70mg、0.568mmol)を、窒素下0°Cにて加えた。この混合物を65°Cに加熱し、48時間攪拌した。有機物を真空下に除去し、過剰のピリジンをトルエンとの共沸により除去した(×2)。この混合物に飽和NaHCO水溶液を加え、この混合物を、ジクロロメタンにて抽出し(×2)、乾燥(硫酸マグネシウム)し、真空下に濃縮して沈殿物を得た。残渣をフラッシュクロマトグラフィ(溶離液:ヘプタン中5−50%酢酸エチル)に処し、ジメチルチオカルバミン酸−O−(1−ベンゾイルアミノイソキノリン−6−イル)エステル(70mg)を得た。EI−MS:m/z=352.7[M+H]
o−ジクロルベンゼン(3ml)中のこのジメチルチオカルバミン酸−O−(1−ベンゾイルアミノイソキノリン−6−イル)エステル(70mg)をマイクロ波にて230°Cで30分間照射した。この混合物をフラッシュクロマトグラフィ(溶離液:ヘプタン中5−50%酢酸エチル)に処し、ジメチルチオカルバミン酸−S−(1−ベンゾイルアミノイソキノリン−6−イル)エステル(70mg)を得た。EI−MS:m/z=352.7[M+H]
水HO(1ml)中のNaOH(92mg)の溶液を、MeOH(1ml)およびTHF(1ml)中のジメチルチオカルバミン酸−S−(1−ベンゾイルアミノイソキノリン−6−イル)エステル(70mg)の溶液に加えた。この混合物を室温にて一時間、56°Cにて更に一時間撹拌した。有機物を真空下に除去した後、この混合物を水にて希釈し、希塩酸(pH〜3.5)にて酸性にした。この混合物を、酢酸エチルにて抽出し(×3)、乾燥(硫酸ナトリウム)し、真空下に濃縮して残渣を得た。残渣をフラッシュクロマトグラフィ(溶離液:ヘプタン中の1−5%酢酸エチル)に処し、N−(6−メルカプトイソキノリン−1−イル)ベンズアミドを黄色残渣として得た(30mg)。
C:6−(ピペリジン−3−イルスルファニル)イソキノリン−1−イルアミン
炭酸カリウム(44mg、0.32mmol)および3−メタンスルホニルオキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(70mg、0.264mmol)を、DMF(2ml)中のN−(6−メルカプトイソキノリン−1−イル)−ベンズアミド残渣の溶液に加えた。この混合物に160°Cにて600秒、マイクロ波を照射した後、この混合物を真空下に濃縮して残渣を得た。この残渣を分取HPLCにて精製して、3−(1−ベンゾイルアミノイソキノリン−6−イルスルファニル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(18mg)を得た。EI−MS:m/z=464.3[M+H]およびm/z=486.5[M+Na]
氷酢酸(2ml)および6M塩酸(4.25ml)を、3−(1−ベンゾイルアミノイソキノリン−6−イルスルファニル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(18mg、0.039mmol)に加え、この混合物を24時間還流した。次いでこの混合物を真空下に濃縮して残渣を得た。この残渣を、前もって酸性にしたSCXカラムにメタノールを用いて装填した後、メタノール中2Mアンモニアにて溶出して、6−(ピペリジン−3−イルスルファニル)イソキノリン−1−イルアミンを得、更に分取HPLCにて精製した。EI−MS:m/z=260.3[M+H]
13A:(S)−6−(ピロリジン−3−イルスルファニル)イソキノリン−1−イルアミン
この化合物は、(R)−3−メタンスルホニルオキシピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを用いて、12Cに記載の方法にて調製され、(S)−6−(ピロリジン−3−イルスルファニル)イソキノリン−1−イルアミンが得られた。EI−MS:m/z=246.4[M+H]
13B:(R)−6−(ピロリジン−3−イルスルファニル)イソキノリン−1−イルアミン
この化合物は、(S)−3−メタンスルフォニルピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを用いて、12Cに記載の方法にて調製され、(R)−6−(ピロリジン−3−イルスルファニル)イソキノリン−1−イルアミンが得られた。EI−MS:m/z=246.4[M+H]
13C:6−(ピペリジン−4−イルスルファニル)イソキノリン−1−イルアミン
この化合物は、4−メタンスルフォニルピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを用いて、12Cに記載の方法にて調製され、6−(ピペリジン−4−イルスルファニル)イソキノリン−1−イルアミンが得られた。EI−MS:m/z=260.3[M+H]
6−(ピペリジン−3−イルアミノ)イソキノリン−1−イルアミン
ジオキサン(10ml)中の、WO98/47876(Akzo Novel N.V.)に記載のように調製された1−アミノ−6−ブロモイソキノリン(554mg)、3−アミノピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(823mg)、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニルおよびt−ブトキシドナトリウム(367mg)の脱気溶液に、トリス(ジベンジリデン−アセトン)ジパラジウム(0)を加えた。この混合物を更にアルゴンにて脱気した後、120°Cにて90分間加熱した。この混合物を室温に冷却した後、メタノールにて希釈した。粗混合物を前もって酸性にしたSCXカラムに装填し、次いで塩基性生成物をメタノール中2Mアンモニアにて溶出して粗残渣(700mg)を得た。この残渣を分取HLPCで精製して、3−(1−アミノイソキノリン−6−イルアミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを得た。ジクロロメタン(6ml)およびトリフルオロ酢酸(3ml)中の、この3−(1−アミノイソキノリン−6−イルアミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの混合物を、室温にて3時間攪拌した。この混合物を濃縮した後、分取HPLCにて精製し、次いで前もって酸性にしたSCXカラムに装填し、遊離塩基をメタノール中2Mアンモニアで溶出して、6−(ピペリジン−3−イルアミノ)イソキノリン−1−イルアミンを得た。EI−MS:m/z=243.7[M+H]
7−メチル−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−イソキノリン−1−イルアミン
A:1−アミノ−7−メチルイソキノリン−6−オール臭化水素酸塩
トルエン(250ml)中の3−メトキシ−4−メチルベンズアルデヒド(19.3g、0.129mol)およびカルボメトキシメチレントリフェニルホスホラン(51g)の混合物を24時間還流した。この混合物を塩化アンモニウム水にてクエンチし、酢酸エチルにて抽出し、真空下に濃縮して残渣を得た。この残渣を酢酸エチル−ヘプタン(1:1)を用いて、フラッシュクロマトグラフィにより精製し、3−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)アクリル酸メチルエステル(27g,0.126mol)を得た。3−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)アクリル酸メチルエステル(27g)、苛性ソーダ(14g)、水(70ml)、メタノール(140ml)およびテトラヒドロフラン(70ml)の混合物を、50°Cにて1時間還流させた。この混合物を真空下にて濃縮した後、水を加えた。この混合物をろ過し、この混合物に5MHClを沈殿が起こるまで加えた。この混合物をろ過し、固体沈殿物を水で洗浄し、真空下に乾燥して3−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)アクリル酸(23.5g、0.122mol)を得た。次いでトルエン(750ml)および塩化チオニル(11ml)を3−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)アクリル酸(20g、0.104mol)に室温にて加えた。この懸濁液を激しく攪拌しながら2時間還流させ、透明な淡黄色溶液を得た。反応混合物を真空下に濃縮後、トルエンを加え、この混合物を真空下に再濃縮し、次段階に使用する3−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)アクロイルクロライドを得た。この3−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)アクロイルクロライドをアセトン(800ml)中に溶解した。得られた溶液に、水(100ml)およびアセトン(100ml)中のナトリウムアジド(13g)の混合物を0°Cにてゆっくり(15分間)加え、その間この混合物を激しく攪拌し、氷浴中にて冷却した。添加が完了した後、反応混合物を激しく攪拌しながら、0°Cにて90分間攪拌した。次いでこの反応混合物を氷水(300ml)に注いだ。この混合物を15分間撹拌した後、ろ過し、固体残渣を過剰の水で洗浄した。この残留固体残渣をジクロロメタン(45ml)に溶解した。遊離した水を分液ロートで除去した。ジクロロメタン層をNaSOにて乾燥し、ろ過し、次段階で直ちに使用する3−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)アクロイルアジドを得た。このアジドのジクロロメタン溶液を、滴下ロートを用いて、穏やかに攪拌しながらDean−Starkトラップを備えた三ツ口丸底フラスコ中の150°Cに予熱したジフェニルエーテル(50ml)に小分けに(注意深く!)添加した。この添加の間、窒素ガスの発生がイソシアネートを形成しながら起こった。添加されたジクロロメタンを蒸発させ、Dean−Starkトラップに回収された。添加が終了し(〜30分)、ガス発生が観察されなくなった後に、この混合物を攪拌しながら(〜200°Cにて、ジクロロメタンは最早蒸発しなくなり、Dean−Starkトラップを急いで取り外した。)加熱して還流(〜250°C)させた。この反応混合物を〜250°Cにて一時間保持した後、125°Cに冷却し、アセトンおよびヘプタン(1:10)の混合物に注いだ。固体が沈殿し、これをろ過し、真空下に乾燥して6−メトキシ−7−メチル−2H−イソキノリン−1−オン(12g、63.49mmol)を得た。6−メトキシ−7−メチル−2H−イソキノリン−1−オン(5g、26.45mmol)の懸濁液を、室温にてオキシ塩化リン(22ml)にて処理した。この混合物を攪拌しながら100°Cで一時間加熱した後、真空下に濃縮して残渣を得た。トルエンをこの残渣に加え、この残渣を更に真空下に濃縮して残渣を得、この残渣をトルエンに取り、徐々に炭酸ナトリウム水溶液に加えた。トルエン層を次いで分離した。水層を更に混合し、トルエンで抽出した。一緒にしたトルエン層を乾燥(MgSO)し、真空下に濃縮して残渣を得た。この残渣をジエチルエーテルで摩砕した後、ろ過し、真空下に乾燥して1−クロロ−6−メトキシ−7−メチルイソキノリン(4g、19.32mmol)を得た。1−クロロ−6−メトキシ−7−メチルイソキノリン(9g、43.48mol)、フェノール(16.3g)、水酸化カリウム(9.45g)およびキシレン(100ml)の混合物を4日間還流した。この反応混合物を苛性ソーダ水溶液(4M)に注ぎ、キシレン層を分離した。水層をトルエンで二回抽出した。一緒にした有機層を乾燥(NaSO)し、真空下に濃縮して残渣を得た。この残渣をジクロロメタンを用いてフラッシュクロマトグラフィにより精製し、6−メトキシ−7−メチル−1−フェノキシ−イソキノリン(9g、33.96mmol)を得た。粗6−メトキシ−7−メチル−1−フェノキシイソキノリン(9g、33.96mmol)および酢酸アンモニウム(26g)の混合物を、攪拌しながら170°Cで5時間溶融した。この混合物を苛性ソーダ水溶液(2M)および酢酸エチルの間に分配した。相を分離し、有機層を稀塩酸水溶液で抽出した。この酸性水溶液を苛性ソーダ(2M)を用いて中和してpH12にし、酢酸エチルで抽出し、乾燥(MgSO)した後、真空下に乾燥して、6−メトキシ−7−メチル−イソキノリン−1−イルアミン(5.11g、27.18mmol)を得た。6−メトキシ−7−メチル−イソキノリン−1−イルアミン(5.11g、27.18mmol)および48%臭化水素酸水溶液(150ml)の混合物を125°Cにて2日間加熱した。この混合物を真空下に濃縮し、ジエチルエーテルで摩砕し、真空下に乾燥して、1−アミノ−7−メチルイソキノリン−6−オール臭化水素酸塩(5g)を得た。EI−MS:m/z=175.1[M+H]
B:7−メチル−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−イソキノリン−1−イルアミン
DMF(5ml)中の3−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(231mg、1.15mmol)、トリフェニルホスフィン(301mg、1.15mmol)および1−アミノ−7−メチルイソキノリン−6−オール(200mg,1.15mmol)の溶液に、ジエチルアゾジカルボキシラート(181μl,1.15mmol)を、0°Cにてアルゴン下に滴下した。次いでこの混合物を室温に暖め、24時間攪拌した。メタノールを加え、混合物を前もって酸性にしたSCXカラムに装填し、メタノールで洗浄し、メタノール中2Mアンモニアで溶出した。粗生成物を単離し、更に分取HPLCを用いて精製して3−(1−アミノ−7−メチルイソキノリン−6−イルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを得た。ジクロロメタン(10ml)およびトリフルオロ酢酸(3ml)中のこの3−(1−アミノ−7−メチルイソキノリン−6−イルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの混合物を、室温で一夜攪拌した。この混合物を真空下に濃縮して残渣を得た。この残渣を前もって酸性にしたSCXカラムに装填し、メタノールで洗浄後、メタノール中2Mアンモニアで溶出した。粗生成物を単離し、更に分取HPLCで精製し、7−メチル−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミンを得た。EI−MS:m/z=258.3[M+H]
7−メチル−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミン
無水N,N−ジメチルフォルムアミド(8ml)中の1−アミノ−7−メチルイソキノリン−6−オール(430mg,2.4mmol)、4−メタンスルホニルオキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.0g)およびKCO炭酸カリウム(510mg,3.7mmol)の懸濁液を、100°Cにて10分間マイクロ波にて照射した。N,N−ジメチルフォルムアミド(4ml)中の、等量の4−メタンスルホニルオキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの溶液をさらに加え、混合物を100°Cにてさらに10分間マイクロ波にて照射した。この混合物を水で希釈し、酢酸で酸性にし、更にメタノールで希釈した。この混合物を前もって酸性にしたSCXカラムに装填し、メタノールで洗浄し、2Mアンモニア性メタノールで溶出した。粗生成物を単離し、シリカ上フラッシュクロマトグラフィ(溶離液:ジクロロメタン:メタノール:水酸化アンモニウム=9:1:0.1)を用いてさらに精製し、4−(1−アミノ−7−メチルイソキノリン−6−イルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(327mg)を得た。この4−(1−アミノ−7−メチルイソキノリン−6−イルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルのジクロロメタン(5ml)およびトリフルオロ酢酸(2ml)の混合物を、室温で一夜攪拌した。この混合物を真空下に濃縮して残渣を得た。この残渣を前もって酸性にしたSCXカラムに装填し、メタノールで洗浄後、メタノール中2Mアンモニアにて溶出し、7−メチル−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミン(270mg)を得た。EI−MS:m/z=258.4[M+H]
以下の化合物は、(R)−または(S)−3−メタンスルホニルオキシピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを用いて、実施例16の方法で作成された。
17A:(R)−7−メチル−6−(ピロリジン−3−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミン
EI−MS:m/z=244.1[M+H]
17B:(S)−7−メチル−6−(ピロリジン−3−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミン
EI−MS:m/z=244.3[M+H]
18A:6−(1−ベンジルピペリジン−4−イルオキシ)−7−メチルイソキノリン−1−イルアミン
N,N−ジメチルフォルムアミド(1ml)中の7−メチル−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミン(30mg、0.117mmol)の溶液に、氷酢酸二滴を加え、次いでベンゾアルデヒド(50μL)を加えた。この混合物をトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(100mg)にて処理した後、2時間攪拌した。水(1ml)を加え、混合物を30分撹拌した後、分取HPLCで精製して6−(1−ベンジルピペリジン−4−イルオキシ)−7−メチルイソキノリン−1−イルアミン(24mg)を得た。EI−MS:m/z=348.3[M+H]
以下の化合物は、適切なアルデヒドを用いて上述の方法により作成された。
18B:7−メチル−6−(1−メチルピペリジン−4−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミン
ホルムアルデヒド経由:EI−MS:m/z=272.3[M+H]
18C:6−[1−(4−クロロベンジル)ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メチルイソキノリン−1−イルアミン
4−クロロベンズアルデヒド経由:EI−MS:m/z=381.9[M+H]
18D:7−メチル−6−[1−(4−メチルピペリジン−4−イルオキシ]イソキノリン−1−イルアミン
4−メチルベンズアルデヒド経由:EI−MS:m/z=362.3[M+H]
以下の化合物は、7−メチル−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミンおよび適切なアルデヒドを用いて、実施例18に記載の方法により作成された。
19A:6−(1−ベンジルピペリジン−3−イルオキシ)−7−メチルイソキノリン−1−イルアミン
1−ベンズアルデヒド経由:、EI−MS:m/z=348.0[M+H]
19B:7−メチル−6−[1−(4−メチルベンジル)ピペリジン−3−イルオキシ]イソキノリン−1−イルアミン
4−メチルベンズアルデヒド経由:、EI−MS:m/z=362.3[M+H]
以下の化合物は、(R)−または(S)−7−メチル−6−(ピロリジン−3−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミンとベンズアルデヒドを用いて、実施例18に記載の方法により作成された。
20A:(R)−6−(1−ベンジルピロリジン−3−イルオキシ)−7−メチルイソキノリン−1−イルアミン
EI−MS:m/z=334.0[M+H]
20B:(S)−6−(1−ベンジルピロリジン−3−イルオキシ)−7−メチルイソキノリン−1−イルアミン
EI−MS:m/z=334.3[M+H]
6−[1−(2−フェノキシエチル)ピペリジン−3−イルオキシ]イソキノリン−1−イルアミン
DMF(1ml)中の6−(ピペリジン−3−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミン)(30mg,123μmol)の溶液に、炭酸カリウム(18mg、129μmol)を加え、次いでアセトニトリル(0.5ml)中の(2−ブロモエトキシ)ベンゼン(26mg,129μmol)の溶液を加えた。この混合物を室温で16時間撹拌した後、溶媒を真空下に除去し、炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。この混合物をクロロホルム/イソプロパノール(3:1)にて抽出し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、真空下に濃縮して残渣を得た。この残渣を分取HPLCにて精製し、6−[1−(2−フェノキシエチル)ピペリジン−3−イルオキシ]イソキノリン−1−イルアミン(12.5mg)を得た。EI−MS:m/z=364.8[M+H]
以下の化合物は、適切な臭化物または塩化物および純粋エナンチマーまたはラセミ6−(ピペリジン−3−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミンまたは6−(ピロリジン−3−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミンを用いて、上述の方法により作成された。
21A:(S)−6−[1−(2−フェノキシエチル)ピペリジン−3−イルオキシ]イソキノリン−1−イルアミンは、(S)−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミンを用いて上述の方法で作成された。EI−MS:m/z=364.6[M+H]
21B:3−[3−(1−アミノイソキノリン−6−イルオキシ)ピペリジン−1−イル]プロパン−1−オール
3−ブロモ−プロパン−1−オール経由:EI−MS:m/z=302.5[M+H]
21C:6−[1−(2−メトキシエチル)ピペリジン−3−イルオキシ]イソキノリン−1−イルアミン
1−ブロモ−2−メトキシエタン経由:EI−MS:m/z=302.5[M+H]
21D:[3−(1−アミノイソキノリン−6−イルオキシ)ピペリジン−1−イル]酢酸メチルエステル
ブロモ−酢酸メチルエステル経由:EI−MS:m/z=316.3[M+H]
21E:2−[3−(1−アミノイソキノリン−6−イルオキシ)ピペリジン−1−イル]エタノール
2−ブロモエタノール経由:EI−MS:m/z=288.1[M+H]
21F:6−(1−チアゾール−4−イルメチルピペリジン−3−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミン
4−クロロメチルチアゾール経由:EI−MS:m/z=341.1[M+H]
21G:(S)−6−[1−(1−フェニルエチル)ピペリジン−3−イルオキシ]イソキノリン−1−イルアミン
(1−ブロモエチル)ベンゼン経由:EI−MS:m/z=348.1[M+H]
21H:(S)−2−[3−(1−アミノイソキノリン−6−イルオキシ]ピロリジン−1−イル)エタノール
2−ブロモエタノール経由:EI−MS:m/z=274.5[M+H]
6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン
Figure 0005313682
22A:3−(1−クロロイソキノリン−6−イルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
1−クロロ−6−メトキシイソキノリンはWO00/24718(Akzo Nobel N.V.)に記載のように作成された。あるいは、これは実施例15A(1−クロロ−6−メトキシ−7−メチルイソキノリンの合成に関する)と同じ方法を用いて3−メトキシベンズアルデヒドから作成され得る。この1−クロロ−6−メトキシ−イソキノリンを、WO00/24718の方法に従い脱メチルし、1−クロロ−6−ヒドロキシイソキノリンを得る。アセトニトリル(4ml)中の1−クロロ−6−ヒドロキシイソキノリン(0.18g、1mmol)、3−メタンスルホニルオキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(336mg、1.2mmol)および(ポリスチレン上の)2−tert−ブチルイミノ−2−ジエチアミノ−1,3−ジメチルペルヒドロ−1,3,2−ジアザホスホリン(500mg、〜2,2mmol/g装填)の懸濁液を、マイクロ波を用いて900秒間120°Cにて加熱した。過剰の支持試薬をろ過により除き、メタノールにて洗浄し、濾液を減圧下に蒸発乾固した。反応が完結していないので、上記の手順を繰り返した。粗生成物の精製は、シリカ上クロマトグラフィ(溶離液:ヘプタン中0−25%酢酸エチル)により行い、3−(1−クロロイソキノリン−6−イルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(106mg)を得た。EI−MS:m/z=363.7[M+H]
22B:6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン
3−(1−クロロイソキノリン−6−イルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(20mg、0.055mmol)を含むフラスコに、塩酸水溶液(5M、2ml)を加え、得られた溶液を室温で5時間攪拌した。この混合物を2日間還流し、次いで室温に冷却し、直接イオン交換カラム(SCX、500mg)に装填し、標準法を用いて所望生成物を遊離塩基として溶出した。生成物は取HPLCにてさらに精製され、6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン(15.5mg)が得られた。EI−MS:m/z=245.6[M+H]
6−(1−ベンジルピペリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン
23A:1−クロロ−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−イソキノリン
トリフルオロ酢酸(1ml)およびジクロロメタン(5ml)を3−(1−クロロイソキノリン−6−イルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(370mg)に加え、混合物を室温で48時間攪拌した。この混合物を真空下に濃縮した後、メタノールを用いて前もって酸性にしたSCXカラムに装填し、2Mアンモニア性メタノールにて溶出して、1−クロロ−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)イソキノリン(180mg)を得た。
23B:6−(1−ベンジルピペリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン
トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(100mg、3.9mol当量)を、N,N−ジメチルフォルムアミド(0.5ml)中の1−クロロ−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)イソキノリン(40mg)、酢酸(一滴)およびベンズアルデヒド(40μl)の溶液に加え、17時間振盪した。反応物を水(0.5ml)にてクエンチし、1時間振盪した後、メタノールを用いて前もって酸性にしたSCXカラムに装填し、メタノール中2Mアンモニアにて溶出した。生成物を真空下に濃縮し残渣を得、5M塩酸水溶液で処理し、マイクロ波にて180°Cにて60分間加熱した。この混合物を真空下に濃縮して残渣を得、分取HPLCで精製して6−(1−ベンジルピペリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オンを得た。EI−MS:m/z=335.7[M+H]
以下の化合物は、適切なアルデヒドを用いて上述の方法により作成された。
23C:6−[1−(4−フルオロベンジル)ピペリジン−3−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オン
4−フルオロベンズアルデヒド経由:EI−MS:m/z=353.5[M+H]
23D:6−[1−(4−メトキシベンジル)ピペリジン−3−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オン
4−メトキシベンズアルデヒド経由:EI−MS:m/z=365.3[M+H]
(S)−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン
24A:6−ヒドロキシ−2H−イソキノリン−1−オン
1−クロロイソキノリン−6−オール(5g,27.84mmol)を塩酸(5M、40ml)と混合し、マイクロ波条件下にて180°Cにて40分間加熱した。この混合物を冷却した後、ろ過した。褐色の固体をジエチルエーテルで洗浄し、真空下に50°Cにて乾燥して、6−ヒドロキシ−2H−イソキノリン−1−オン、4.45g(98%)を得た。EI−MS:m/z=162.4[M+H]
24B:(R)−3−メタンスルホニルオキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
ジクロロメタン(70ml)中の(R)−3−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(6.51g,32.3mmol)およびとトリエチルアミン(6.8ml,1.5mol当量)の溶液に、ジクロロメタン(30ml)中のメタンスルホニルクロライド(3.73ml、1.5mol)の0°Cの溶液を30分間かけて加えた。反応物を0°Cにて2時間攪拌した。炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(100ml)を徐々に加えた。有機相を分離し、塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥した。減圧下に蒸発させて、(R)−3−メタンスルホニルオキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル9.03g(100%)を得た。NMR(CDCl 7.27d)、m4.73d(1H)、m3.63d(2H)、m3.44d(1H)、m3.32d(1H)、s3.05d(3H)、m1.95d(2H)、m1.83d(1H)、m1.54d(1H)、s1.46d(9H)。
24C:(S)−3−(オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−イルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
6−ヒドロキシ−2H−イソキノリン−1−オン(2g,12.41mmol)および炭酸カリウム(3.43g、2mol)を、N,N−ジメチルフォルムアミド(40ml)と100°Cにて混合した。ジメチルフォルムアミド(50ml)中の(R)−3−メタンスルホニルオキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(5.2g、1.5mol)の溶液を、15分間かけて滴下した。この混合物を100°Cにて3.5時間撹拌し、放置して冷却した。粗製物を酢酸エチルおよび水との間に分配した。酢酸エチル層を分離し、苛性ソーダ(2M)、次いで塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。残渣をシリカ上フラッシュクロマトグラフィ(溶離液:0−100%ヘプタン/酢酸エチルに続いてメタノール/酢酸エチル中5%2Mアンモニア)により精製し、(S)−3−(オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−イルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.25g,29%)を得た。EI−MS:m/z=345.3[M+H]
24D:(S)−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン
(S)−3−(オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−イルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.25g,3.6mmol)を、ジクロロメタン(30ml)およびトリフルオロ酢酸(10ml)と室温にて15分間混合した。揮発性物を減圧下に除去し、過剰のトリフルオロ酢酸をトルエンと共沸させた。残渣をメタノールに溶解し、SCXカートリッジを用いて精製した。濃縮して(S)−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン(450mg,51%)を得た。EI−MS:m/z=245.4[M+H]
以下の化合物は、適切に合成したメシラートを用いて上述の方法により作成された。
24E:(R)−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン
(S)−3−メタンスルホニルオキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル経由:EI−MS:m/z=245.3.3[M+H]
24F:6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン
4−メタンスルホニルオキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル経由:EI−MS:m/z=245.3[M+H]
24G:(R)−6−(ピロリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン
(S)−3−メタンスルホニルオキシピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル経由:EI−MS:m/z=231.1[M+H]
24H:(S)−6−(ピロリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン
(R)−3−メタンスルホニルオキシピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル−エステル経由:EI−MS:m/z=231.1[M+H]
24I:6−(ペルヒドロアゼピン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン
4−メタンスルホニルオキシペルヒドロアゼピン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル経由:EI−MS:m/z=259.1[M+H]
6−(ピペリジン−4−イルスルファニル)−2H−イソキノリン−1−オン
A:6−メルカプト−2H−イソキノリン−1−オン
無水テトラヒドロフラン(16ml)中の6−ヒドロキシ−2H−イソキノリン−1−オン(500mg、3.10mmol)、トリエチルアミン(860μl、6.2mmol)およびピリジン(2.5ml、31mmol)の溶液に、N,N−ジメチルチオカルバモイルクロライド(573mg、4.65 mmol)を、0°Cにて加えた。混合物を65°Cに加熱し、24時間攪拌した。この混合物にトルエンを添加して真空下に濃縮した。飽和NaHCO水溶液を残渣に加え、混合物を酢酸エチルで抽出し(×3)、乾燥し(NaSO)し、真空下に濃縮して残渣を得た。酢酸エチル−ヘプタン(5%から100%酢酸エチル)を用いて、残渣のフラッシュクロマトグラフィにより、不要副生物(280mg)を与え、次いでジメチルチオカルボン酸1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−イルエステル(300mg)を得た。o−ジクロルベンゼン(2.5ml)中のこのジメチルチオカルバミン酸1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−イルエステルの溶液を、マイクロ波条件下に230°Cにて60分間加熱した。この混合物を直接カラムに装填し、酢酸エチル:ヘプタン(1:9から99:1)を用いるフラッシュクロマトグラフィにより、ジメチル−チオカルバミン酸S−(1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−イル)エステル(140mg)を得た。メタノール(7ml)および水酸化カリウム(86mg)を、このジメチル−チオカルバミン酸S−(1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−イル)エステル(140mg)に加え、この混合物を窒素下に80°Cで2時間還流させた。次いでこの混合物を冷却した後、真空下に濃縮し残渣を得た。この混合物に水を加え、この混合物を酢酸エチルにて抽出した(×2)。水相を稀塩酸を用いて酸性にし(pH〜2)、この混合物を酢酸エチルにて抽出した(×3)。一緒にした有機物を乾燥し(NaSO)、真空下に濃縮し、粗6−メルカプト−2H−イソキノリン−1−オン(104mg)を得た。
B:6−(ピペリジン−4−イルスルファニル)−2H−イソキノリン−1−オン
N,N−ジメチルフォルムアミド(1.5ml)中の6−メルカプト−2H−イソキノリン−1−オン(50mg、0.28mmol)、4−メタンスルホニルオキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(117mg,0.42mmol)およびKCO(64mg、0.46mmol)の混合物を、50°Cにて加熱した後、一夜室温に放置した。炭酸水素ナトリウム飽和水溶液をこの混合物に加え、この混合物を酢酸エチルで抽出した(×3)。一緒にした有機物を乾燥し(NaSO)、真空下に濃縮して残渣を得た。酢酸エチル:ヘプタン(1:9から99:1)を用いてこの残渣をフラッシュクロマトグラフィにかけ、4−(1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−イルスルファニル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(15mg)を得た。ジクロロメタン:トリフルオロ酢酸(7:3、5ml)を、この4−(1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−イルスルファニル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルに加え、この混合物を2時間撹拌した後、真空下に濃縮し残渣を得た。この残渣を、メタノールを用いて、前もって酸性にしたSCXカラムに装填し、メタノール中2Mアンモニアにて溶出し、粗6−(ピペリジン−4−イルスルファニル)−2H−イソキノリン−1−オンを得、これを分取HPLCにて精製して2mgを得た。EI−MS:m/z=261.1[M+H]
(S)−7−メチル−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン
26A:6−ヒドロキシ−7−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
トルエン(250ml)中の3−メトキシ−4−メチルベンズアルデヒド(19.3g、0.129mol)およびカルボメトキシメチレントリフェニルホスホラン(51g)の溶液を24時間還流した。混合物を塩化アンモニウム水溶液にてクエンチし、酢酸エチルにて抽出し、真空下に濃縮して残渣を得た。この残渣を酢酸エチル:ヘプタン(1:1)を用いて、フラッシュクロマトグラフィにかけ、3−(3−メトキシ−4−メチル−フェニル)アクリル酸メチルエステル(27g,0.126mol)を得た。3−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)アクリル酸メチルエステル(27g)、苛性ソーダ(14g)、水(70ml)、メタノール(140ml)およびテトラヒドロフラン(70ml)の混合物を50°Cにて1時間還流させた。この混合物を真空下に濃縮した後、この混合物に水を加えた。この混合物をろ過し、この混合物に5M塩酸を沈殿が起こるまで加えた。この混合物をろ過し、固体沈殿物を水にて洗浄し、真空下に濃縮して3−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)アクリル酸(23.5g、0.122mol)を得た。
トルエン(750ml)および塩化チオニル(11ml)を順次3−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)アクリル酸(20g、0.104mol)に室温にて加えた。懸濁液を激しく攪拌しながら2時間還流し、透明な淡黄色溶液を得た。反応混合物を真空下に濃縮した後、トルエンを加え、この混合物を真空下に再濃縮して次段階に用いる3−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)アクリロイルクロライドを得た。
この3−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)アクリロイルクロライドをアセトン(800ml)に溶解した。得られた溶液を、水(100ml)およびアセトン(100ml)中のナトリウムアジド(13g)の混合物に、激しく攪拌しながらおよび氷浴にて冷却しながら、0°Cにて徐々に加えた(15分)。添加が完了した後、反応混合物を激しく攪拌しながら、0°Cにて90分間攪拌した。次いでこの反応混合物を氷水(300ml)に注いだ。15分間撹拌した後、混合物をろ過し、固体残渣を過剰な水にて洗浄した。残留固体残渣をジクロロメタン(45ml)に溶解した。遊離した水を分液ロートで除いた。ジクロロメタン層をNaSOで乾燥し、濾過して次段階で直ちに用いる3−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)アクリロイルアジドのジクロロメタン溶液を得た。
ジクロロメタンアジド溶液を、滴下ロートを用いて小分けに(注意深く!)、穏やかに攪拌しながら、Dean−Starkトラップを備えた三ツ口丸底フラスコ中の150°Cに予熱したジフェニルエーテル(50ml)に滴下した。この添加の間、窒素ガスの発生がイソシアネートを形成しながら起こった。添加したジクロロメタンが蒸発され、Dean−Starkトラップに回収される。添加が完了し(〜30分)、ガスの発生が認められなくなった後、混合物を撹拌しながら加熱還流(〜250°C)した(〜200°Cで最早ジクロロメタンが蒸発せず、Dean−Starkトラップを素早く取り外した。)。反応混合物を〜250°Cにて1時間保持した後、125°Cに冷却し、アセトンおよびヘプタン(1:10)の混合物に注いだ。固体が沈殿し、これをろ過し、真空下に乾燥して6−メトキシ−7−メチル−2H−イソキノリン−1−オン(12g、63.49mmol)を得た。
三臭化ホウ素(2.9ml、2.91mmol)の1M溶液を、ジクロロメタン1ml中の6−メトキシ−7−メチル−2H−イソキノリン−1−オン(100mg、0.53mmol)の攪拌懸濁液に0−4°C(氷浴)にて滴下した。混合物を室温で1日撹拌した後、氷に注ぎ、濃アンモニア水溶液を加えて、pHを9に調整した。沈殿物をろ過により集め、水洗し、真空下に乾燥して6−ヒドロキシ−7−メチル−2H−イソキノリン−1−オン(51mg、55%)を得た。EI−MS:176.6[M+H]
26B:(S)−7−メチル−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン
Figure 0005313682
(R)−3−メタンスルホニルオキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルおよび6−ヒドロキシ−7−メチル−2H−イソキノリン−1−オンを用いて、実施例24Cと24Dに従い7−メチル−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オンを得た。EI−MS:m/z=259.1[M+H]
(S)−4−ブロモ−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン
Figure 0005313682
アセトニトリル中の(S)−3−(オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−イルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1g,2.9mmol)およびN−ブロモサクシイミド(516mg、2.9mmol)の溶液を、室温にて一夜攪拌した。この混合物をシリカに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィ(溶離液:酢酸エチル)により(S)−3−(4−ブロモ−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−イルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(700mg)を得た。ジクロロメタンおよびトリフルオロ酢酸(3:1、20ml)を、(S)−3−(4−ブロモ−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−イルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルに加え、混合物を2時間撹拌した後、真空下に濃縮して残渣を得た。この残渣を、メタノールを用いて、前もって酸性にしたSCXカラムに装填し、メタノール中2Mアンモニアにて溶出して、粗(S)−4−ブロモ−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン(530mg)を得、分取HPLCにて精製した。EI−MS:m/z=325.5[M+H]
以下の化合物は、適切な構築ブロックを用いて上述の方法により作成された。
27A:(R)−4−ブロモ−6−(ピロリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン
EI−MS:m/z=309.3および311.0[M+H]
27B:(S)−4−ブロモ−6−(ピロリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン
EI−MS:m/z=309.3および311.0[M+H]
(S)−4−メチル−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン
A:3−(3−メトキシフェニル)−2−ブテン酸メチルエステル
トルエン(75ml)中の1−(3−メトキシフェニル)エタノン(15g、0.1mmol)およびメチル(トリフェニルホスホラニリデン)アセタート(62g、0.186mmol)を100°Cにて2日間加熱した。放置により室温に冷却した後、溶媒を減圧下に除去し粗生成物を得た。酢酸エチルおよびヘプタンを用いて沈殿させた後、濃縮母液をシリカ上でフラッシュクロマトグラフィ(溶離液:ヘプタン中20%酢酸エチル)にかけ、幾何異性体混合物として生成物を得た(21.8g、86%)。
B:3−(3−メトキシフェニル)−2−ブテン酸
3−(3−メトキシフェニル)−2−ブテン酸メチルエステル(2g、7.9mmol)および苛性ソーダ(0.78g、19.4mmol)を、水(50ml)、メタノール(50ml)およびTHF(50ml)の混合物に溶解した。この混合物を室温にて16時間攪拌した後、減圧下に濃縮した。残留水溶液を水にて希釈し、EtOAcにて2回抽出した。水溶液を集め、pH4の酸性にし、EtOAcにて3回抽出した。有機物を一緒にし、乾燥し(硫酸マグネシウム)、真空下に濃縮して3−(3−メトキシフェニル)−2−ブテン酸を白色結晶固体(1g、55%)として得た。
C:6−ヒドロキシ−4−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
トルエン中の3−(3−メトキシフェニル)−2−ブテン酸(1.54g、7.8mmol)、ジフェニルホスホリルアジド(2.15g)およびトリエチルアン(triethylane)(1.1ml)の溶液を、室温にて1時間攪拌した。この混合物をシリカ詰め物に通してろ過し、トルエンで洗浄し、濾液を減圧下に濃縮した。残渣をジフェニルメタン(6ml)に溶解し、200°Cにて3時間加熱した。放置して室温に冷却後、固体沈殿物をろ過により集め、トルエンで洗浄後、乾燥して6−メトキシ−4−メチル−2H−イソキノリン−1−オンを(0.22g)固体として得た。
5N塩酸(1ml)中の6−ヒドロキシ−4−メチル−2H−イソキノリン−1−オン(215mg、1.1mmol)の懸濁液を180°Cにて40分マイクロ波で照射した。溶媒を真空下に除去後、粗残渣をシリカ上フラッシュクロマトグラフィ(溶離液:ジクロロメタン中1%メタノール)で精製して、6−ヒドロキシ−4−メチル−2H−イソキノリン−1−オン(130mg、67%)を得た。EI−MS:m/z=174.3[M+H]
D:(S)−4−メチル−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン
DMF(2.5ml)中の6−ヒドロキシ−4−メチル−2H−イソキノリン−1−オン(60mg、0.34mmol)および炭酸カリウム(70mg、0.51mmol)の懸濁液を110°Cに加熱し、これに、DMF(1.5ml)中の(R)−3−メタンスルホニルオキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(138mg、0.51mmol)の溶液を滴下した。加熱を110°Cにて16時間継続し、溶媒を真空下に除去した。残渣をクロロホルム/イソプロパノール(3:1)に取り、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機物を疎水性フリットでろ過し、濃縮して、粗(S)−3−(4−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−イルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを得た。
この粗(S)−3−(4−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−イルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを、クロロメタン2mlに溶解し、過剰のTFA(0.2ml)を加えた。2時間撹拌した後、溶媒を減圧下に除去し、残渣をメタノールに溶解し、イオン交換クロマトグラフィにて部分的に精製した。分取HLPCによる更なる精製により、(S)−4−メチル−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オンを得た。EI−MS:m/z=259.1[M+H]
(S)−5−ブロモ−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン
A:5−ブロモ−6−ヒドロキシ−2H−イソキノリン−1−オン
ジクロロメタン(55ml)中の6−メトキシイソキノリン(2.38g、14.9mmol)の溶液に、AlCl(4.4g、33mmol)を窒素下に室温にて加えた。混合物を30分撹拌後、Br(0.92ml,18mmol)を0°Cにて加えた。混合物を2時間撹拌した後、水に注ぎ、固体NaCOにて中和した。混合物をセライトに通してろ過し、濾液をジクロロメタンおよびクロロホルムにて抽出した。一緒にした有機物を塩水で洗浄し、乾燥(NaSO)し、真空下に濃縮して残渣を得た。残渣のシリカ上フラッシュクロマトグラフィ(溶離液:ヘプタン中50−100%酢酸エチル)により、5−ブロモ−6−メトキシイソキノリン(1.2g,収率34%)を得た。
m−クロロ過安息香酸(1.4g、75%)を、ジクロロメタン(12ml)中の5−ブロモ−6−メトキシイソキノリン(1.2g、5.04mmol)の攪拌溶液に小分けにして加えた。混合物を1時間攪拌した後、更にジクロロメタン(10ml)を加え、この混合物を2時間攪拌した。メタノール(12ml)を加え、混合物を真空下に〜9mlに濃縮した後、ジエチルエーテル(10ml)中1M塩酸を加えた。この混合物をエーテルにて希釈し、ろ過し、沈殿した固体をジエチルエーテルにて洗浄し、真空下に乾燥して、粗5−ブロモ−6−メトキシイソキノリン−N−オキシド塩酸塩(1.22g)を得た。
POCl(6.5ml)をこの5−ブロモ−6−メトキシイソキノリン−N−オキシド塩酸塩(1.22g)に加え、混合物を90°Cにて6時間加熱した。過剰のPOClを真空下に除去し、残留固体を水洗し、ろ過し、真空下に乾燥して5−ブロモ−1−クロロ−6−メトキシイソキノリン(1.26g)を得た。
ジクロロメタン(25.5ml)中1M BBrの溶液を、ジクロロメタン中の5−ブロモ−1−クロロ−6−メトキシイソキノリン(1.26g)の攪拌溶液に、10°Cにて滴下した。混合物を室温で48時間撹拌した後、氷水に注ぎ、濃アンモニア水溶液を加えてpHを8に調整した。混合物を酢酸エチルで抽出し(×2)後、水相を稀塩酸を用いてpH〜4の酸性にした。この水相を酢酸エチルにて抽出し(×2)、一緒にした有機物を乾燥し(NaSO)、真空下に濃縮して5−ブロモ−1−クロロ−6−ヒドロキシイソキノリン(1.1g)を得た。EI−MS:m/z=257.9、260.0および261.6[M+H]
B:(S)−5−ブロモ−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン
5−ブロモ−1−クロロ−6−ヒドロキシイソキノリン(108mg、0.42mmol)を塩酸(5M、2ml)と混合し、マイクロ波条件下に150°Cにて40分間加熱した。冷却した残渣をメタノールと混合し、減圧下に共沸乾燥して、5−ブロモ−6−ヒドロキシ−2H−イソキノリン−1−オンを得た。EI−MS:m/z=240と242[M+H]
この粗5−ブロモ−6−ヒドロキシ−2H−イソキノリン−1−オン(93mg)を、(R)−3−メタンスルホニルオキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(500mg、4.3mol当量)、炭酸カリウム(700mg、12mol当量)およびN,N−ジメチルフォルムアミド(2ml)と混合した。混合物を150°Cにてで20分間マイクロ波照射した。この混合物に水を加え、粗生成物を酢酸エチルで抽出した。有機相を塩水で洗浄し、乾燥した(MgSO)。有機物を真空下に濃縮した後、分取HLPCにより精製した。この混合物にジクロロメタンおよびトリフルオロ酢酸(3:1、2ml)を加え、この混合物を1時間攪拌した後、真空下に濃縮して残渣を得た。残渣を、メタノールを用いて、前もって酸性にしたSCXカラムに装填し、メタノール中2Mアンモニアにて溶出して、(S)−5−ブロモ−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オンを得た。残渣を分取HPCLで精製した(1.8mg)。EI−MS:m/z=323.5と323.5[M+H]
30A:6−[1−(4−メチルベンジル)ピペリジン−4−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オン
トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(100mg、3.9mmol当量)を、N,N−ジメチルフォルムアミド(700μl)中の6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン(30mg、0.12mmol)、酢酸(二滴)および4−メチルベンズアルデヒド(50μlまたは50mg)の溶液に加え、17時間振盪した。反応物を水とメタノールにてクエンチし、生成物をSCXカートリッジを用いて半精製した。生成物を更に分取HPLCにて精製して、6−[1−(4−メチルベンジル)ピペリジン−4−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オンを得た。EI−MS:m/z=349.4[M+H]
以下の化合物は、適切なアルデヒドを用いて上述の方法により作成された。
30B:6−[1−(3−メチルベンジル)ピペリジン−4−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オン
3−メチルベンズアルデヒド経由:EI−MS:m/z=349.4[M+H]
30C:6−[1−(4−メトキシベンジル)ピペリジン−4−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オン
4−メトキシベンズアルデヒド経由:EI−MS:m/z=365.1[M+H]
30D:3−[4−(1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−イルオキシ)ピペリジン−1−イルメチル]ベンゾニトリル
3−シアノベンズアルデヒド経由:EI−MS:m/z=360.5[M+H]
30E:6−[1−フラン−2−イルメチルピペリジン−4−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オン
1−フラン−2−カルボアルデヒド経由:EI−MS:m/z=325.5[M+H]
30F:6−[1−フラン−3−イルメチルピペリジン−4−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オン
1−フラン−3−カルボアルデヒド経由:EI−MS:m/z=325.5[M+H]
30G:6−(1−メチルピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン
ホルムアルデヒドアルデヒド経由:EI−MS:m/z=259.1[M+H]
30H:6−[1−(1H−ピロール−3−イルメチル)ピペリジン−4−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オン
1H−ピロール−3−カルボアルデヒド経由:EI−MS:m/z=324.6[M+H]
30I:6−(1−ベンジルピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン
ベンズアルデヒド経由:EI−MS:m/z=335.5[M+H]
31A:6−[1−(2−フェノキシエチル)ピペリジン−4−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オン
2−フェノキシエチルブロマイド(1mol等量)を、N,N−ジメチルフォルムアミド(1ml)中の6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン(30mg、0.12mmol)および炭酸カリウム(50mg、3mol)の懸濁液に加え、17時間振盪した。反応物を塩酸(2M)およびメタノールにてクエンチし、SCXカートリッジに通過させた。生成物を塩基性条件下にて分取HPLCで精製した。精製生成物を、減圧下で濃縮して単離し、6−[1−(2−フェノキシエチル)ピペリジン−4−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オンを得た。EI−MS:m/z=365.1[M+H]
以下の化合物は、適切な臭化物を用いて上述の方法により作成された。
31B:6−[1−(2−メトキシエチル)ピペリジン−4−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オン
2−メトキシエチルブロマイド経由:EI−MS:m/z=303.1[M+H]
31C:6−[1−(3−ヒドロキシプロピル)ピペリジン−4−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オン
3−ヒドロキシプロピルブロマイド経由:EI−MS:m/z=303.1[M+H]
31D:6−(1−シクロプロピルメチルピペリジン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン
(ブロモメチル)シクロプロピル経由:EI−MS:m/z=299.5[M+H]
31E:6−[1−(2−ヒドロキエチル)ピペリジン−4−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オン
2−ブロモエタノール経由:EI−MS:m/z=289.3[M+H]
31F:6−[1−(3−メトキシベンジル)ピペリジン−4−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オン
3−メトキシベンズアルデヒド経由:EI−MS:m/z=365.5[M+H]
31G:6−[1−(1H−ピロール−2−イルメチル)ピペリジン−4−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オン
1H−ピロール−2−カルボアルデヒド経由:EI−MS:m/z=324.5[M+H]
32A:(S)−6−[1−(2−ベンジルオキシエチル)ピペリジン−3−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オン
2−ベンジルオキシエチルブロマイド(1mol)を、N,N−ジメチルフォルムアミド(500μl)中の(S)−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン(30mg、0.12mmol)および炭酸カリウム(70mg、4.2mol)の懸濁液に加え、17時間振盪した。反応物を塩酸(2M)およびメタノールにてクエンチし、SCXカートリッジを通過させた。生成物を塩基性条件下にて分取HPLCにて精製した。精製生成物を、減圧下に蒸発濃縮して単離し、(S)−6−[1−(2−ベンジルオキシエチル)ピペリジン−3−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オンを得た。EI−MS:m/z=379.4[M+H]
以下の化合物は、適切な臭化物、(R)−または(S)−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オンおよび(R)−6−(ピロリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オンを用いて、上述の方法により作成された。
32B:(S)−6−[1−(2−オキソ−2−フェニルエチル)ピペリジン−3−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オン
2−ブロミドセトフェノン(2−bromideacetophenone)経由:EI−MS:m/z=363.5[M+H]
32C:(S)−6−[1−(2−フェノキシエチル)ピペリジン−3−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オン
β―ブロモフェネトール経由:EI−MS:m/z=365.1[M+H]
32D:(R)−6−[1−(3−ヒドロキシプロピル)ピロリジン−3−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オン
3−ヒドロキシルプロピブロマイド経由:EI−MS:m/z=289.3[M+H]
32E:(R)−6−[1−(2−フェノキシエチル)ピペリジン−3−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オン
β―ブロモフェネトール経由:m/z=365.5[M+H]
33A:6−(1−エチルピペリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン
トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(45mg、1.8mol)を、N,N−ジメチルフォルムアミド(500μl)中の6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン(30mg、0.12mmol)、酢酸(100μl)およびアセトアルデヒド(50μlまたは50mg)の溶液に加え、17時間振盪した。反応物を水およびメタノールにてクエンチし、生成物をSCXカートリッジを通過させた。生成物を塩基性条件下に分取HPLCで精製した。精製生成物を減圧下に蒸発濃縮して単離し、6−(1−エチルピペリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オンを得た。EI−MS:m/z=273.5[M+H]
以下の化合物は、適切なアルデヒド、ラセミまたは(R)−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オンおよび(R)−6−(ピロリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オンを用いて、上述の方法により作成された。
33B:6−[1−(2−エチルブチル)ピペリジン−3−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オン
2−エチルブチルアルデヒド経由:EI−MS:m/z=329.5[M+H]
33C:6−(1−シクロヘキシルメチルピペリジン−3−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オン
シクロヘキサンカルボアルデヒド経由:EI−MS:m/z=341.1[M+H]
33D:(R)−6−(1−ベンジルピペリジン−3−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オン
ベンズアルデヒド経由:EI−MS:m/z=335.5[M+H]
33E:(R)−6−(1−メチルピロリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン
ホルムアルデヒド経由:EI−MS:m/z=245.6[M+H]
発明の化合物類の組換え型ヒトROCK−1に対する阻害活性のインビトロ測定
4%ジメチルスルホキシド(DMSO)を有するアッセイ緩衝液(20mMHepes、pH7.4、0.01%Tween)中のテスト化合物250μM溶液の5μlプラス5μl混合物(100nM蛍光標識ペプチド(Peptide Institute、日本からのAKRRRLSSLRAK−蛍光色素)、20μMATP、(2mMジチオスレイトール含有のアッセイ緩衝液で希釈された)10mM塩化マグネシウムを含有している。)を、384個のウエルマイクロタイタープレートに加える。次いで、2mMジチオスレイトールを含有するアッセイ緩衝液中の組換え型ヒトROCK−1の0.1ng/μl溶液の10μlを各ウエルに加え、10μMの最終テスト化合物濃度を得る。室温にて暗所で1時間温置した後、IMAP結合試薬(Molecular Devices)60μlを各ウエルに加えて酵素活性を検出する。プレートを更に室温にて暗所で30分間温置し、蛍光偏光の変化を、Analyst HT(Molecular Device)により、励起波長485nM、発光波長530nMにて測定した。パーセント酵素活性を、この活性とTocrisからの30μMY−27632(ROCK−1活性の最大阻害を生成する。)の活性と比較して計算する。次いで活性化合物に関する50%抑制濃度(IC50)を決定するために、化合物を用量曲線分析に付す(IC50は酵素活性の50%を阻害するテスト化合物の濃度である。)。全ての例示化合物は5.0以上のpIC50値を有する。この発明の好ましい化合物はpIC50>6.0により特性づけられる。表1はこの発明の幾つかの代表的化合物につて得られたpIC50値を示す。
Figure 0005313682
Figure 0005313682
Figure 0005313682
Figure 0005313682
この発明の化合物による単球の遊走阻止活性のインビボ測定
ヒト単球細胞(THP−1)を、阻害性テスト化合物の存在下および非存在下に、濃度2x10細胞/mlにて、遊走培地(0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)を含有するRPMI1640)に懸濁した。次いで、この細胞懸濁液を37°Cにて30分間温置した。次いで、遊走培地中10ng/mlの濃度のヒトMonocyte Chemototactic Protein 1(MCP−1)の溶液を、QCMTM Chemotaxis5μM96ウエルCell Migration Kit(ECM512、Chemicon International)の下チャンバーに加えた。遊走インサートの導入および10分間の予備平衡化に続いて、細胞懸濁液100μlを上チャンバーに加え、このキットを5%炭酸ガス下に、37°Cにて4時間温置した。それぞれ細胞を含有しない空ウエルと、MCP−1を含有しない基底ウエルも又含めた。遊走細胞数を、溶解緩衝液および核酸感知蛍光染料(CyQuant GR 染料、Molecular Probes)により測定した。次いで蛍光をFlexStation Plate Reader を用いて測定した。パーセント遊走阻止を以下の式を用いて計算した。
比遊走阻止(%)=(1−{(テスト化合物存在下での遊走細胞―基底遊走細胞)/(テスト化合物非存在下での遊走細胞―基底遊走細胞)})x100

Claims (10)

  1. 一般式Iを有するイソキノリン誘導体または医薬として許容し得るその塩
    Figure 0005313682

    [上記式において、
    Xは、O、SまたはNHであり、
    Yは、OHまたはNHであり、
    mは、0、1または2であり、
    nは、1または2であり、
    は、YがNHの場合、Hであり、または、Rは、YがOHの場合、H、(C1−
    )アルキルまたはハロゲンであり、
    およびRは、独立に、H、(C1−4)アルキルまたはハロゲンであり、
    Rは、Hまたは(C1−6)アルキル{この(C1−6)アルキルは、OH、(C1−4
    )アルキルオキシ、(C1−4)アルキルオキシカルボニル、(C3−7)シクロアルキ
    ル(この(C3−7)シクロアルキルは、OまたはSから選択されるヘテロ原子を場合に
    より含み得る。)、(C6−10)アリール、(C6−10)アリールオキシまたは5員
    環もしくは6員環ヘテロアリール基(この5員環または6員環ヘテロアリール基は、O、
    NおよびSから独立に選択される1から3個のヘテロ原子を含み、各アリール基またはヘ
    テロアリール基は、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルキルオキシ、(C1−4
    アルキルスルホニルおよびハロゲンから独立に選択される1から3個の置換基により場合
    により置換される。)により場合により置換される。}である。]
    であって、但し、
    Xが、Oであり、
    Yが、OHであり、
    mが0であり、かつ、nが2であるか、あるいは、mが1であり、かつ、nが1であり、
    が、H、(C1−4)アルキル又はハロゲンであり、
    及びRが、独立してH、(C1−4)アルキル又はハロゲンであり、
    Rが、Hであるか、あるいは、(C1−4)アルキルオキシ、O及びSから選択されるヘ
    テロ原子を含んでいてもよい(C3−7)シクロアルキル、(C6−10)アリール、(
    6−10)アリールオキシ又はO、N及びSから独立して選択される1〜3個のヘテロ
    原子を含む5又は6員環ヘテロアリール基で置換されていてもよい(C1−6)アルキル
    であって、各アリール又はヘテロアリール基は、(C1−4)アルキル、(C1−4)ア
    ルキルオキシ、(C1−4)アルキルスルホニル及びハロゲンから独立して選択される1
    〜3個の置換基で置換されていてもよい、式Iのイソキノリン誘導体を除く、
    前記イソキノリン誘導体または医薬として許容されるその塩。
  2. XがO、SまたはNHであり、
    Yが水酸基またはアミノ基であり、
    およびRが水素原子であり、
    が水素原子または(C1−4)アルキルであり、
    mが0または1であり、
    nが1または2であり、
    RがHまたは(C1−4)アルキル{この(C1−4)アルキルは、(C3−7)シク
    ロアルキル(この(C3−7)シクロアルキルは、OまたはSから選択されるヘテロ原子
    を場合により含み得る。)、(C6−10)アリールまたは5員環もしくは6員環ヘテロ
    アリール基(この5員環または6員環ヘテロアリール基は、O、NおよびSから独立に選
    択される1から3個のヘテロ原子を含み、各アリール基またはヘテロアリール基は、(C
    1−4)アルキル、(C1−4)アルキルオキシおよびハロゲンから独立に選択される1
    から3個の置換基により場合により置換される。)により場合により置換される。}であ
    る、請求項1に記載のイソキノリン誘導体または医薬として許容し得るその塩。
  3. YがOHである、請求項1または2に記載のイソキノリン誘導体。
  4. XがOである、請求項1から3のいずれか一項に記載のイソキノリン誘導体。
  5. が独立にH、メチルまたはハロゲンであり、RおよびRがHであり、RがH、
    (C1−4)アルキル{この(C1−4)アルキルは、フェニルまたは5員環もしくは6
    員環(C2−5)ヘテロアリール基(この5員環または6員環(C2−5)ヘテロアリー
    ル基はO、NおよびSから独立に選択される1から3個のヘテロ原子を含み、このフェニ
    ル基またはヘテロアリール基は、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルキルオキシお
    よび1またはそれ以上のハロゲンから選択される1から3個の置換基により場合により置
    換されている。)により場合により置換されている。}である、請求項1に記載のイソキ
    ノリン誘導体。
  6. YがOHであり、mが1でありnが1または2でありおよびRが水素原子である、請求
    項1から5のいずれか一項に記載のイソキノリン誘導体。
  7. 以下から選択されるイソキノリン誘導体または医薬として許容し得るその塩、
    6−(ペルヒドロアゼピン−4−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン、
    (S)−6−[1−(1H−ピロール−2−イルメチル)−ピペリジン−3−イルオキシ
    ]−イソキノリン−1−イルアミン、
    (S)−6−[1−(4−メチルベンジル)ピペリジン−3−イルオキシ]イソキノリン
    −1−イルアミン、
    (R)−6−(1−ベンジルピペリジン−3−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミ
    ン、
    6−[1−(2−フェノキシエチル)ピペリジン−3−イルオキシ]イソキノリン−1−
    イルアミン、
    (3S)−6−[1−(1−フェニルエチル)ピペリジン−3−イルオキシ]イソキノリ
    ン−1−イルアミン、
    6−(ピペリジン−4−イルスルファニル)−2H−イソキノリン−1−オン、
    6−(1−チオフェン−2−イルメチルピペリジン−3−イルオキシ)イソキノリ−1−
    イルアミン、
    (S)−6−(1−ベンジルピペリジン−3−イルオキシ)イソキノリン−1−イルアミ
    ン、
    (S)−6−[1−(4−フルオロベンジル)ピペリジン−3−イルオキシ]イソキノリ
    ン−1−イルアミン、
    (S)−6−(1−フラン−3−イルメチルピペリジン−3−イルオキシ]イソキノリン
    −1−イルアミン、
    6−(1−フェネチルピペリジン−3−イルオキシ]イソキノリン−1−イルアミン、
    (S)−6−[1−(1H−ピロール−3−イルメチル)ピペリジン−3−イルオキシ]
    イソキノリン−1−イルアミン、
    (S)−6−[1−(2−オキソ−2−フェニルエチル)ピペリジン−3−イルオキシ]
    −2H−イソキノリン−1−オン、
    (S)−6−(ピロリジン−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン、
    6−(ピペリジン−3−イルスルファニル)イソキノリン−1−イルアミン、
    (R)−6−(ピロリジン−3−イルスルファニル)イソキノリン−1−イルアミン、
    (S)−6−(ピロリジン−3−イルスルファニル)イソキノリン−1−イルアミン、
    (S)−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−イソキノリン−1−イルアミン、
    6−(ピペリジン−4−イルスルファニル)イソキノリン−1−イルアミン、
    6−(1−ベンジルピペリジン−3−イルオキシ)−7−メチルイソキノリン−1−イル
    アミン、
    6−[1−(3−ヒドロキシプロピル)ピペリジン−4−イルオキシ]−2H−イソキノ
    リン−1−オン、
    6−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−4−イルオキシ]−2H−イソキノリ
    ン−1−オン、
    (R)−6−(ピロリジン−3−イルオキシ]−2H−イソキノリン−1−オン、
    7−メチル−6−[1−(4−メチルベンジル)ピペリジン−3−イルオキシ]イソキノ
    リン−1−イルアミン。
  8. 治療において使用するための、請求項1から7のいずれか一項に記載のイソキノリン誘
    導体。
  9. 医薬として許容し得る補助剤と混合されている請求項1から7のいずれか一項に記載の
    イソキノリン誘導体または医薬として許容し得るその塩を含む医薬組成物。
  10. 高血圧症、粥状動脈硬化症および緑内障の治療のための薬物を調製するための、請求項
    1から7のいずれか一項に記載のイソキノリン誘導体の使用。
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