JP5313065B2 - 液状物含浸食材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、焼き菓子などの食材に調味用液状物を含浸させる液状物含浸食材の製造方法に関するものである。
米菓などの菓子製造の分野においては、多孔質構造を有する基食材に減圧処理を施し、その後大気圧に戻すことにより基食材の内部に調味用液状物を含浸させて味付けを行った含浸食品が従来から提案されており、このような含浸方法を用いれば、これまでの米菓にはなかったような変化に富んだ多種多様な味付けも可能になる。
例えば、特許第3343127号(特許文献1)では、10mmHg〜660mmHgの圧力範囲にて減圧処理することを開示している。
また、特開2008−5745号(特許文献2)では、基食材を液状含浸物に浸した状態で5000〜70000Paまで減圧処理を行い、その後に液状含浸物から取り出した後に、より深く含浸を行うために再度1000〜50000Paの圧力範囲にて減圧処理を行うことが開示されている。
また、特許第3766661号(特許文献3)では、圧力範囲として、10〜50000Pa好ましくは100〜10000Paにて減圧処理を行い、減圧状態に保ちながら溶融状態のチョコレートと接触し、次いで0.11MPa〜0.8MPaまで昇圧することを開示している。
また、特開2004−154007号(特許文献4)では、圧力範囲として40000Pa以下、好ましくは40000Pa〜1000Paにて減圧処理を行うことを開示している。
このように、これまでの含浸方法は、高い真空状態まで減圧を行って積極的に基食材に調味用液状物を浸透させており、さらに内部深く、均一に含浸を行うためにさまざまな処理法を工夫しているものも提案されている。
特許第3343127号公報 特開2008−5745号公報 特許第3766661号公報 特開2004−154007号公報
ところで、最近の菓子市場には、ソフトな食感を有し口溶けの良い多孔質構造の菓子等が多く見られ、これらが非常に好評となっている。
出願人は、このような多孔質構造の菓子にも、前記したような減圧処理による調味用液状物の含浸方法により変化に富んだ味付けができないかと考えた。
ところが、このような多孔質構造の菓子に減圧処理による調味用液状物の含浸方法を行うと、菓子内(多孔内)に調味用液状物が入り込みすぎて多孔質構造の良さ、即ちソフトな食感、口溶けの良さなどが損なわれてしまうことがわかった。
そこで本出願人は、多孔質構造の基食材に対して、ソフトな食感や口溶けの良さを損なうことなく、調味用液状物を含浸させることができないかと試行錯誤し鋭意研究を重ねた末に、この課題を達成でき尚且つ表面に焼き菓子のおいしそうな焼き目を表出させることができる本発明の液状物含浸食材の製造方法を完成させた。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
穀類を主成分とし焙焼して得た多孔質構造の膨化生地からなるソフトな食感と口溶けの良さを有する基食材1を、粘性を有するとともに温度によって粘性が変化する調味用液状物2に浸した状態で88000Paより大きく100000Pa以下の圧力範囲で減圧処理を施すか、若しくは前記基食材1に88000Paより大きく100000Pa以下の圧力範囲で減圧処理を施してこの減圧処理状態のまま基食材1を前記調味用液状物2に浸し、この圧力範囲の減圧下で前記調味用液状物2に浸した基食材1を、常圧に戻すことにより基食材1の奥深くまで調味用液状物2を含浸することなく基食材1の表面及びその付近に調味用液状物2を含浸させ、この調味用液状物2が含浸したこの基食材1に振切りを行うことにより、基食材1の表面に付着した調味用液状物2を適度に取り除いて、基食材1表面の焼き目3が表出するようにし、振切り後、冷却して基食材1表面の調味用液状物2を硬化させて前記基食材1のソフトな食感と口溶けの良さを維持したことを特徴とする液状物含浸食材の製造方法に係るものである。
また、前記基食材1は、米若しくは米粉を主原料とし焙焼して得た膨化生地であることを特徴とする請求項1記載の液状物含浸食材の製造方法に係るものである。
また、前記基食材1は、原料米を浸漬し、これを蒸して生地とした後冷却し、この冷却した生地を成形した後乾燥し、この乾燥生地を焙焼することで得た、比容積が5.0〜20.0の多孔質構造を有するものであることを特徴とする請求項1記載の液状物含浸食材の製造方法に係るものである。
また、前記調味用液状物2が含浸した前記基食材1に遠心力による振切りを行うことにより、基食材1の表面に付着した調味用液状物2を適度に取り除いて、基食材1とこの基食材1に含浸する調味用液状物2とを、重量比で1:2とすることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の液状物含浸食材の製造方法に係るものである。
また、粘度が10mPa・s以上10000mPa・s以下の前記調味用液状物2を採用することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の液状物含浸食材の製造方法に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、減圧処理によって変化に富んだ味付けが可能となり、しかも88000Paより大きく100000Pa以下の圧力範囲で減圧処理を施すから、多孔質構造特有のソフトな食感と口溶けの良さを有する液状物含浸食材を製造可能となり、その上、調味用液状物が含浸した基食材に振切りを行うから、表面に焙焼によるおいしそうな焼き目が表出する商品価値の高い液状物含浸食材を製造可能となるなど、極めて実用性に秀れた画期的な液状物含浸食材の製造方法となる。
また、請求項2,3記載の発明においては、多孔質構造を有する基食材を簡易に得ることができる一層実用性に秀れた液状物含浸食材の製造方法となる。
また、特に請求項記載の発明においては、ソフトな食感と口溶けの良さを有する多孔質構造を有する基食材を確実に且つ簡易に得ることができる一層実用性に秀れた液状物含浸食材の製造方法となる。
また、請求項記載の発明においては、基食材の振切りが確実に且つ簡易に行われると共に、基食材の表面に確実に焼き目が表出する商品価値の高い液状物含浸食材を製造可能となる一層実用性に秀れた液状物含浸食材の製造方法となる。
また、請求項記載の発明においては、確実に基食材の表面付近にだけ調味用液状物の含浸がなされることになる一層実用性に秀れた液状物含浸食材の製造方法となる。
本実施例により完成した液状物含浸食材を示す斜視図である。 本実施例の液状物含浸食材の製造装置を示す、カゴ体を浸漬状態とした状態の説明正断面図である。 本実施例の切り替え機構を示す説明部分拡大斜視図である。 本実施例の液状物含浸食材の製造装置を示す、カゴ体を被浸漬状態とした状態の説明正断面図である。 本実施例の遠心振り切り時のカゴ体と回転軸部との連結構造を示す部分拡大説明斜視図である。 本実施例の液状物含浸食材の製造装置のカゴ回転機構を示す説明正断面図である。
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
穀類を主成分とする生地を焙焼して多孔質構造の膨化生地からなるソフトな食感と口溶けの良さを有する基食材1を得る。
次いで、この基食材1を、粘性を有するとともに温度によって粘度が変化する調味用液状物2に浸した状態で88000Paより大きく100000Pa以下の圧力範囲の減圧処理を施すか、若しくは基食材1に88000Paより大きく100000Pa以下の圧力範囲の減圧処理を施してこの減圧処理状態のまま基食材1を前記調味用液状物2に浸し、この減圧処理後常圧に戻すことにより基食材1に調味用液状物2を含浸させる。
即ち、本発明の減圧処理は、大気圧(101325Pa)に近い低真空域での処理であるから、この減圧処理によって基食材1の多数の孔から抜ける空気は少なく、そのため、この減圧処理後常圧に戻した際にも、基食材1の奥深くまで調味用液状物2が含浸することはなく、基食材1の表面部及びその付近への含浸がなされるにとどまる。
従って、減圧処理によって調味用液状物2を基食材1に含浸させる方法でありながら、多孔質構造を有する基食材1の奥深くにまで調味用液状物2が含浸することがないので、多孔質構造特有のソフトな食感と口溶けの良さは損なわれない。
即ち、減圧処理によるバリエーションの豊富な味付けが可能で、且つソフトな食感と口溶けの良さを有する食材を製造可能となる。
次いで、この調味用液状物2が含浸した基食材1に振切りを行い、基食材1の表面に付着した調味用液状物2を適度に取り除いて、焙焼して得た基食材1表面の焼き目3が表出するようにする。
従って、調味用液状物2が含浸して調味がなされた液状物含浸食材Aでありながら、おいしそうな焼き目3が表面に表出する商品価値の高い液状物含浸食材Aができあがる。
また、例えば、前記基食材1は、米若しくは米粉を主原料とし焙焼して得た膨化生地とすれば、多孔質構造を有する基食材1を簡易に得ることができる。
また、例えば、前記基食材1は、原料米を浸漬し、これを蒸して生地とした後冷却し、この冷却した生地を成形した後乾燥し、この乾燥生地を焙焼することで得た、比容積が5.0〜20.0の多孔質構造を有するものとすれば、多孔質構造を有し且つソフトな食感と口溶けの良さを有する基食材1を簡易に得ることができる。
また、例えば、前記調味用液状物2が含浸した前記基食材1に遠心力による振切りを行うことにより、基食材1の表面に付着した調味用液状物2を適度に取り除いて、基食材1とこの基食材1に含浸する調味用液状物2とを、重量比で1:2とすれば、基食材1から調味用液状物2を遠心力によって簡単に且つ確実に振切りできると共に、基食材1の表面に付着する調味用液状物2の層が薄く、基食材1の表面においしそうな焼き目3が確実に表出する商品価値の高い液状物含浸食材Aを製造可能となる。
また、例えば、粘度が10mPa・s以上10000mPa・s以下の前記調味用液状物2を採用すれば、基食材1の奥深くまで調味用液状物2が含浸してしまうことなく、確実に基食材1の表面付近への含浸がなされることになる。
また、本発明の液状物含浸食材の製造方法は、例えば、調味用液状物2を収容する密閉可能な容体4に、密閉状態としたこの容体4内を減圧する減圧機5を設け、この容体4内に、基食材1を収納可能なカゴ体6を上下動自在に設けると共に、この容体4若しくはカゴ体6に、このカゴ体6を下降して容体4内に収容した前記調味用液状物2に浸漬させる浸漬状態と、カゴ体6を上昇して調味用液状物2に浸漬させない脱浸漬状態とに切り替えする切り替え機構7を設け、少なくともこのカゴ体6を上昇して前記脱浸漬状態とした際に、このカゴ体6を駆動源8により回転せしめるカゴ回転機構9を備えた液状物含浸食材の製造装置(以下、本装置と称す。)を用いて行うことができる。
具体的には、例えば、予め切り替え機構7によりカゴ体6を脱浸漬状態に切り替えてカゴ体6を容体4内で上昇させておくと共に、この上昇したカゴ体6より下方位置まで容体4内に調味用液状物2を収容しておく。
次いで、カゴ体6内に基食材1を収納し、切り替え機構7によりカゴ体6を浸漬状態に切り替えると、カゴ体6が容体4内で下降してこのカゴ体6と共に基食材1が容体4内の調味用液状物2に浸漬することになり、この際、容体4を密閉して減圧機5で容体4内を減圧することにより、88000Paより大きく100000Pa以下の圧力範囲の前記減圧処理を行うことができる。尚、予め容体4を密閉して減圧機5による減圧処理を施してから、切り替え機構7によりカゴ体6を浸漬状態に切り替えて、カゴ体6と共に基食材1を容体4内の調味用液状物2に浸漬するようにしても良い。
次いで、減圧処理後常圧に戻すと、調味用液状物2に浸漬している基食材1の表面全面に調味用液状物2がまんべんなく含浸することになる。
また、基食材1に調味用液状物2を含浸させた後は、切り替え機構7によりカゴ体6を脱浸漬状態に切り替えると、カゴ体6が容体4内で上昇してこのカゴ体6と共に基食材1が調味用液状物2に浸漬しない状態になる。
そして、この際、カゴ回転機構9によりカゴ体6を駆動源8により回転させて、この回転遠心力によりカゴ体6内の基食材1に対して前記振切りを行うことができる。
従って、本装置を用いることにより、基食材1の調味用液状物2への浸漬と、基食材1への減圧処理とに加えて、調味用液状物2の振切りまでもが一連の装置動作で行われるので、本発明の液状物含浸食材の製造方法が短時間で確実に行われて、減圧処理によるバリエーションの豊富な味付けが可能であると共に、ソフトな食感と口溶けの良さを有し表面においしそうな焼き目3が表出する液状物含浸食材Aを容易に量産可能となる。
また、例えば、前記容体4内の中心部にガイド軸10を立設し、このガイド軸10に沿って前記カゴ体6を容体4内で上下動自在に設けると共に、このガイド軸10を支点にカゴ体6を回転自在に設ければ、容体4内に、カゴ体6を上下動自在であって且つ回転自在に設ける構成を簡易に設計実現可能となる。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
先ず、本実施例の液状物含浸食材の製造装置について説明すると、調味用液状物2を収容する密閉可能な容体4に、密閉状態としたこの容体4内を減圧する減圧機5を設けている。
具体的には、容体4は上部開口型の円筒体とし、この上部開口部を着脱自在な蓋体11によって密閉閉塞し得るように構成している。図中符号19は容体4の上部開口周縁部に設けた密閉用のパッキンである。
また、この容体4の外部に、前記減圧機5としての真空ポンプ5を設けると共に、この真空ポンプ5は容体4内と連通状態に設けている。
また、本実施例では、容体4内に、基食材1を収納可能なカゴ体6を上下動自在に設けると共に、この容体4とカゴ体6に、このカゴ体6を下降して容体4内に収容した前記調味用液状物2に浸漬させる浸漬状態と、カゴ体6を上昇して調味用液状物2に浸漬させない脱浸漬状態とに切り替えする切り替え機構7を設けている。
具体的には、カゴ体6は、容体4の筒形寸法よりやや径小な筒形寸法を有する上部開口型の円筒状カゴ体6に形成すると共に、容体4の高さ寸法の1/2より低い高さ寸法を有する構成として、このカゴ体6が容体4内で水平状態を保持したまま上下動可能となるようにしている。
容体4内でのカゴ体6の上下動構造は、容体4内底部の中心部にガイド軸10を立設状態に設ける一方、カゴ体6の底部中心部に前記ガイド軸10に被嵌するガイド筒部12を立設状態に設けて、ガイド軸10にガイド筒部12を上方から被嵌することで容体4内にカゴ体6を設けると共に、ガイド軸10の外径寸法よりガイド筒部12の筒内径寸法をやや径大に設定して、ガイド軸10に対しガイド筒部12をこのガイド軸10の長さ方向(上下方向)にスライド自在に被嵌する(容体4内でカゴ体6がガイド軸10に沿って上下動自在となる)構造としている。
また、カゴ体6は、ガイド軸10に沿って上方へスライド移動させると、そのまま容体4から取り外しでき、再びガイド軸10にガイド筒部12を上方から被嵌することで容体4内にカゴ体6を取り付けできる構成としている。
前記切り替え機構7について説明すると、容体4内に、前記カゴ体6を載置し得る棒状の昇降台座16をこの容体4の直径方向に沿って配設すると共に、この昇降台座16は、その長さ方向の中間位置に前記ガイド軸10が挿通するガイド孔21を有する構成として、このガイド孔21を介して前記ガイド軸10に沿って上下動自在に設けている。また、図示していないが、カゴ体6の底部には昇降台座16に着脱自在に掛止するフックを設けていて、このフックによりカゴ体6を簡単に昇降台座16に対して位置決めできるように構成している。即ち、フックの位置決め作用によりカゴ体6の昇降移動が安定的に行われるように構成している。
また、この昇降台座16の両端部に昇降用アーム13を立設状態に突設し、この各昇降用アーム13の上端部を前記容体4の対向側面部より容体4外部へ突出状態に設けると共に、この各昇降用アーム13の上端部には複数のリンク体から成るリンク部17を連結している。
また、この各リンク部17には、各リンク部17に連結した前記各昇降用アーム13(昇降台座16)を昇降移動制御する昇降手段14(図面ではピストン・シリンダ装置14を採用した場合を示している。)を設けて、この昇降手段14を動作制御することにより、昇降台座16に載置したカゴ体6を下降して容体4内に収容した前記調味用液状物2に浸漬させる浸漬状態と、昇降台座6に載置したカゴ体6を上昇して調味用液状物2に浸漬させない脱浸漬状態とに切り替えする前記切り替え機構7を構成している。
また、本実施例では、このカゴ体6を前記切り替え機構7により上昇して前記脱浸漬状態とした際に、このカゴ体6を駆動源8により回転させるカゴ回転機構9を備えている。
具体的には、前記ガイド軸10は、容体4内底部の中心部に立設する外筒部22と、この外筒部22内で回転自在に軸支される回転軸部23とから成る構成とし、一方、前記カゴ体6のガイド筒部12の筒内径寸法を、前記ガイド軸10の外筒部22の外径寸法よりやや径大に設定して、カゴ体6が、ガイド軸10の外筒部22に沿って上下動自在となり且つこの外筒部22を支軸としてガイド筒部12を介し水平方向に回転自在となる構成としている。
また、回転軸部23の上端部を、外筒部22の上端部より上方へ突出状態に設けると共に、この回転軸部23の上端部を細長い立直板状に形成してこの板状上端部を連結部24としている。
一方、カゴ体6の上部開口周縁部の対向位置に、帯板状で可撓性を有する連結片26を夫々の対向内側(カゴ体6の中心方向)に向けて突設すると共に、この各連結片26の突出先端部には、前記連結部24を回り止め状態に嵌め込み可能な角形の連結孔27を貫通形成しており、各連結片26の先端部を重ねて各連結孔27を連通させた上で、この連通させた各連結孔27に連結部24を挿通して嵌め込みすると、この各連結片27を介して回転軸部23とカゴ体6とが連結されて、回転軸部23の回転に伴ってカゴ体6も連動回転する構成としている(図5参照。)。
カゴ回転機構9について説明すると、前記蓋体11を取り外した前記容体4の上部開口部に、その直径方向に沿って配設装着可能な棒状の支持体18を備えている。
また、この支持体18の長さ方向の中間位置には、この支持体18を容体4の上部開口部に装着した際に、前記回転軸部23上端部の連結部24を下方から回り止め状態に嵌め込み可能な軸支筒部25を設けると共に、この軸支筒部25は、支持体18の長さ方向と直交する方向を回転軸として支持体18に対し回転自在に設けている。
更に、この軸支筒部25の上部には、プーリー15を採用した伝達部材15を付設して、支持体18の中間位置の上部に(軸支筒部25を介して)プーリー15を回転自在に設けている。
即ち、軸支筒部25に連結部24を嵌着すると、プーリー15と回転軸部23とが連動回転するように構成している。また、前記連結片26の連結孔27に連結部24を嵌め込みした状態で、軸支筒部25に連結部24を嵌着すると、軸支筒部25によって連結部24から連結孔27(連結片26)が抜け止め状態となる構成としている。
また、容体4の外部にモータ8を採用した駆動源8を備え、この駆動源8の動力伝達部と前記プーリー15とをベルトなどの回転伝達部材20で連結することで、駆動源8により脱浸漬状態のカゴ体6を回転させて遠心力により基食材1を振切りできるように構成している。
また、本実施例では、容体4に、この容体4内に収容した調味用液状物2を温めるヒーター機構28を設けている。
具体的には、ヒーター機構28は、容体4の中程より下方の外壁面の全周にわたって水槽29を付設すると共に、この水槽29に水槽29と連通状態にして循環ポンプ30を備えた循環水路31を設け、この循環水路31にヒーター32を設けた構成としている。
即ち、水槽29と循環水路31に水を収容し、循環水路31の水をヒーター32で一定温度に加温しつつ温水を循環ポンプ30により水槽29に循環させ、この水槽29内の温水熱を容体4の壁面を通して熱伝導させて容体4内の調味用液状物2を一定温度に保温し、調味用液状物2の温度低下による硬化を防止できる構成としている。また、このヒーター機構28を備えた本製造装置によれば、固めておいた調味用液状物2を溶解させることも可能である。
次に、この本実施例の液状物含浸食材の製造装置を用いた、液状物含浸食材の製造方法を説明する。
本実施例で使用する基食材1は、原料米を浸漬した後蒸練し、次いで冷却した後成型し、次いで乾燥した後焙焼するという工程を経て得られた、比容積が5.0〜20.0の多孔質構造を有する膨化生地(米菓生地)を採用している。即ち、本実施例では、液状物含浸米菓(焼菓子)の製造方法に適用している。
また、本実施例で使用する調味用液状物2は、粘性を有する油脂性液状物2を採用している。水分を多く含む液状物を採用すると、膨化生地(基食材1)がふやけてソフトな食感と口溶けの良さが損なわれる可能性があるので、油脂性液状物を採用することが好ましい。
具体的には、含浸時の温度条件においてJIS Z 8803に記載の単一円筒型回転粘度計にて測定した粘度が10mPa・s以上10000mPa・s以下、より好ましくは10mPa・s以上1000mPa・s以下のものを採用している。
更に詳しくは、本実施例では、植物油脂49.5%程度で、10mPa・s以上500mPa・s以下のチョコレート2を調味用液状物2として採用している。
また、チョコレート2のような調味用液状物2は、温度によって粘性が変化するが、本実施例の液状物含浸食材の製造装置によれば、前記ヒーター機構28によって粘性を一定に保つことが可能である。
先ず、容体4内に、その下半分位までチョコレート2を収容すると共に、容体4から取り外してあったカゴ体6に基食材1を多数収納する。
この基食材1を収納したカゴ体6を容体4にセットし、容体4の上部開口部を蓋体11で閉塞する。
次いで、切り替え機構7によりカゴ体6を下降させチョコレート2に浸漬状態とする。
次いで、真空ポンプ5を起動し、容体4内の減圧を行い、基食材1をチョコレート2に浸した状態で88000Paより大きく100000Pa以下の圧力範囲で減圧処理を施す。
この減圧処理は、大気圧(常圧)に近い低真空域での処理であるから、この減圧処理によって基食材1の多数の孔から抜ける空気は少ない。
次いで、真空ポンプ5を停止し減圧を解除して容体4内を大気圧に戻すことにより、基食材1にチョコレート2を含浸させる。
この際、減圧処理により多数の孔から抜ける空気が少なかったため、大気圧に戻した際にも、基食材1の奥深くまでチョコレート2が含浸することはなく、わずかに基食材1の表面付近への含浸がなされるにとどまる。
次いで、切り替え機構7によりカゴ体6を脱浸漬状態とし、蓋体11を取り外して前記ガイド軸10の連結部24に連結片26を連結した後、容体4の上部開口部に前記支持体18を装着して連結部24を軸支筒部25に嵌着し、更に伝達部材15を駆動源8と連結し、前記昇降台座16を下降させ、駆動源8によりカゴ体6を回転させて遠心力により基食材1を振切りすることで、基食材1の表面に付着したチョコレート2を適度に取り除く。
この際、基食材1とこの基食材1に含浸するチョコレート2とを、重量比で1:2となるように振り切りする。このような重量比となるように振切りすると、基食材1の表面にあるチョコレート2の層が非常に薄くなり、これにより基食材1の表面にある焼き米菓特有の焼き目3がチョコレート2を通して(透かして)表出して、おいしそうな外観を有する米菓(液状物含浸食材A)ができあがる。
遠心振り切り後、容体4内からカゴ体6を取り外し、できあがった液状物含浸食材Aが、チョコレート2の硬化によりくっついてしまわないように、一つ一つ離した状態で冷却し、完成となる。
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
1 基食材
2 調味用液状物
3 焼き目

Claims (5)

  1. 穀類を主成分とし焙焼して得た多孔質構造の膨化生地からなるソフトな食感と口溶けの良さを有する基食材を、粘性を有するとともに温度によって粘性が変化する調味用液状物に浸した状態で88000Paより大きく100000Pa以下の圧力範囲で減圧処理を施すか、若しくは前記基食材に88000Paより大きく100000Pa以下の圧力範囲で減圧処理を施してこの減圧処理状態のまま基食材を前記調味用液状物に浸し、この圧力範囲の減圧下で前記調味用液状物に浸した基食材を、常圧に戻すことにより基食材の奥深くまで調味用液状物を含浸することなく基食材の表面及びその付近に調味用液状物を含浸させ、この調味用液状物が含浸したこの基食材に振切りを行うことにより、基食材の表面に付着した調味用液状物を適度に取り除いて、基食材表面の焼き目が表出するようにし、振切り後、冷却して基食材表面の調味用液状物を硬化させて前記基食材のソフトな食感と口溶けの良さを維持したことを特徴とする液状物含浸食材の製造方法。
  2. 前記基食材は、米若しくは米粉を主原料とし焙焼して得た膨化生地であることを特徴とする請求項1記載の液状物含浸食材の製造方法。
  3. 前記基食材は、原料米を浸漬し、これを蒸して生地とした後冷却し、この冷却した生地を成形した後乾燥し、この乾燥生地を焙焼することで得た、比容積が5.0〜20.0の多孔質構造を有するものであることを特徴とする請求項1記載の液状物含浸食材の製造方法。
  4. 前記調味用液状物が含浸した前記基食材に遠心力による振切りを行うことにより、基食材の表面に付着した調味用液状物を適度に取り除いて、基食材とこの基食材に含浸する調味用液状物とを、重量比で1:2とすることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の液状物含浸食材の製造方法。
  5. 粘度が10mPa・s以上10000mPa・s以下の前記調味用液状物を採用することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の液状物含浸食材の製造方法。
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