JP5312303B2 - 蓋付側溝 - Google Patents
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Description
これは、図21に示すように、側溝1の蓋受け部に凸の曲面部分が形成され、これに対応して蓋2の接面部が傾斜した平面となっており、側溝1の蓋受け部と蓋2の接面部がほぼ線状に接触する。
蓋2に自重、通行人、自動車などの下方向の力が作用すると、蓋2の接面部が側溝1の蓋受け部の間に食い込むような、いわゆるクサビ効果が生じ、蓋2の接面部と側溝1の蓋受け部が馴染んでガタツキが防止され、消音効果を生じる。
他のタイプの多くの消音側溝も、このようなクサビ効果を利用している。
また、蓋の接面部と側溝の蓋受け部がほぼ線状の接触となり、接触面積が少ないので蓋ずれに対する摩擦抵抗が小さくなり、蓋の上を自動車が通過したときに側溝長手方向の蓋ずれが生じやすく、蓋と蓋の間に大きな隙間ができてしまうという問題がある。
本発明は、側壁上部の蓋受面に凹穴又は突起を設けた側溝と、該凹穴又は突起に対応して底面四隅部に突起又は凹穴を設けた蓋からなる蓋付側溝であって、
前記凹穴が底細りテーパ状、前記突起が先細りテーパ状をなし、
前記凹穴の水平面に対するテーパ角度αが前記突起の水平面に対するテーパ角度βよりも大きく形成され、
蓋を側溝に装着したときに、前記突起の外周面と前記凹穴の上端部が接触して前記突起と前記凹穴が係合し、蓋の底面が側溝の蓋受面に接触することなく、蓋が側溝に支持され、
蓋の四隅部の前記突起又は凹穴の少なくとも一つが、側溝の対応する凹穴又は突起の位置に対して、長手方向及び/又は幅方向にずれて形成されていることを特徴とする蓋付側溝である。
凹穴の底細りテーパ状とは、底に近づくにしたがって径が小さくなるように内周面が傾斜している形状である。突起の先細りテーパ状とは、先端に近づくにしたがって径が小さくなるように外周面が傾斜している形状である。
図8に示すように、蓋2を側溝に装着したときに、突起Pの外周面と凹穴Qの上端部が接触して突起Pと凹穴Qが係合し、蓋の底面21が側溝の蓋受面12に接触することなく、蓋2が側溝1に支持される。
また、突起Pと凹穴Qの係合により、蓋が水平方向にずれるのが防止される。蓋ずれは、自動車が蓋の上を通過しながらブレーキをかけたり急加速したとき蓋に水平方向の力が作用することで起きやすいが、本発明の場合、蓋の上を自動車が通過すると自動車の重量で突起と凹穴が強く係合し、クサビ効果が高まって水平方向の力に抵抗するので、蓋ずれが生じることがない。
凹穴の位置とは、凹穴の入口面における中心位置、突起の位置とは突起の先端面における中心位置である。凹穴の入口面における中心と底面における中心、及び突起の先端面における中心と基端面における中心は一致していることが望ましいが、多少ずれていてもかまわない。
図9は、図8の場合に比べて突起Pと凹穴Qの接触面積が少なく、したがってクサビ効果がきわめて大きいので、消音効果が非常に大きくなる。
蓋四隅の突起Pと凹穴Qの相対位置のずれは、一ヶ所であっても消音効果の大きな増加が認められるが、二ヶ所又は三ヶ所とすることがさらに望ましい。
なお、図8,9において、符号Cは凹穴Qの位置(中心)、符号cは突起Pの位置(中心)である。図9の符号Δは、突起Pと凹穴Qの(Cとcの)ずれ量である。
ずれ量Δは、凹穴Qの入口径D1(直径)と突起Pの先端径d2(直径)の差の10〜30%程度が適当である。
また本発明は、蓋の四隅部の前記突起又は凹穴の長手方向の間隔が、側溝の対応する前記凹穴又は突起の長手方向の間隔と異なることにより、蓋の突起又は凹穴のうちの二つが、側溝の対応する凹穴又は突起の位置に対して、長手方向にずれて形成されている請求項1の蓋付側溝である。
このときの側溝と蓋における凹穴Qと突起Pの相対的な位置関係を図17に示す。同図において、
S1+Δ=S2+Δ=s1=s2
W1=W2=w1=w2
であるので、Q1とP1、Q3とP3の相対位置が同じで、Q2とP2、Q4とP4の相対位置が長手方向にΔだけずれている。
また本発明は、蓋の前記突起又は凹穴の幅方向の間隔が、側溝の対応する前記凹穴又は突起の幅方向の間隔と異なることにより、蓋の突起又は凹穴のうちの二つが、側溝の対応する凹穴又は突起の位置に対して、幅方向にずれて形成されている請求項1の蓋付側溝である。
このときの側溝と蓋における凹穴Qと突起Pの相対的な位置関係を図18に示す。同図において、
S1=S2=s1=s2
W1+Δ=W2+Δ=w1=w2
であるので、Q1とP1、Q2とP2の相対位置が同じで、Q3とP3、Q4とP4の相対位置がΔだけ幅方向にずれている。
また本発明は、蓋の四隅部の前記突起又は凹穴が平行四辺形の頂点となる位置に形成され、側溝の対応する凹穴又は突起が長方形又は正方形の頂点となる位置に形成されていることで、蓋の突起又は凹穴のうちの二つが、側溝の対応する凹穴又は突起の位置に対して、長手方向又は幅方向にずれて形成されている請求項1の蓋付側溝である。
このときの側溝と蓋における凹穴Qと突起Pの相対的な位置関係を図19,20に示す。
図19において、
S1=S2=s1=s2
W1=W2=w1=w2
であるが、側溝の凹穴Q1〜Q4は長方形の頂点に位置し、蓋の突起P1〜P4は長手方向にゆがんだ平行四辺形の頂点に位置するので、Q1とP1、Q2とP2の相対位置が同じで、Q3とP3、Q4とP4の相対位置がΔだけ長手方向にずれている。
S1=S2=s1=s2
W1=W2=w1=w2
であるが、側溝の凹穴Q1〜Q4は長方形の頂点に位置し、蓋の突起P1〜P4は幅方向にゆがんだ平行四辺形の頂点に位置するので、Q1とP1、Q3とP3の相対位置が同じで、Q2とP2、Q4とP4の相対位置がΔだけ幅方向にずれている。
また本発明は、蓋の四隅部の前記突起又は凹穴が長方形又は正方形の頂点となる位置に形成され、側溝の対応する凹穴又は突起が平行四辺形の頂点となる位置に形成されていることで、蓋の突起又は凹穴のうちの二つが、側溝の対応する凹穴又は突起の位置に対して、長手方向又は幅方向にずれて形成されている請求項1の蓋付側溝である。
このコンクリート製の側溝1は、いわゆる可変勾配型で、対向する2枚の側壁11,11の上部を連結部13,13で連結一体化したもので、長手方向両端が凸と凹の円弧状に形成されて、自由な角度で連結できるものである。中央部に蓋を装着する開口が形成され、その開口に側壁11,11の上部にあって上向きの蓋受面12,12が露出している。
一方の蓋受面12には凹穴Q1,Q2が形成され、他方の蓋受面12には凹穴Q3,Q4が形成されている。
S1は、Q1,Q2の長手方向間隔、S2は、Q3,Q4の長手方向間隔、W1はQ1,Q3の幅方向間隔、W2はQ2,Q4の幅方向間隔で、通常はS1=S2、W1=W2で、Q1〜Q4は長方形又は正方形の頂点に位置するようになっているが、必ずしもこのようにする必要はない。
蓋2はコンクリート製で平板状をなし、長手方向の一端に手掛部22が形成され、底面21の四隅部に突起P1,P2,P3,P4が形成されている。突起P1は凹穴Q1に、突起P2は凹穴Q2に、突起P3は凹穴Q3に、突起P4は凹穴Q4に対応しており、図5のように蓋2を側溝1に装着すると、それぞれの突起は対応する凹穴に係合する。
s1は、P1,P2の長手方向間隔、s2は、P3,P4の長手方向間隔、w1は、P1,P3の幅方向間隔、w2は、P2,P4の幅方向間隔である。側溝の凹穴と蓋の突起の位置関係において、S1=s1、S2=s2、W1=w1、W2=w2の関係が全て成り立ち、凹穴と突起が長方形又は正方形の頂点に位置するときは、全ての凹穴と突起の位置が一致し、図8に示すように全ての凹穴と突起が係合するが、本発明はこれらの関係が一つでもくずれることにより、蓋の四隅部の突起の少なくとも一つが、側溝の対応する凹穴の位置に対して、長手方向及び/又は幅方向にずれることになる。凹穴と突起の位置がずれると、その係合は図9に示すようになる。
突起Pの位置cは、その先端面の中心位置であり、この場合先端面と基端面の中心位置は一致している。
凹穴Qの位置Cは、その入口面の中心位置であり、この場合入口面と底面の中心位置は一致している。
α>βであるので、突起Pの外周面が凹穴Qの上端部に接触し、蓋2の底面21が側溝1の蓋受面12に接触することなく、蓋2が側溝1に支持される。
D1,D2,H,d1,d2,hの寸法は、α>βとなり、図8に示すように、蓋2の底面21が側溝1の蓋受面12に接触しないように適宜定めればよい。なお、突起Pと凹穴Qが図8のように係合するためには、当然にD1>d2であり、d1>D1である。また、α−βは10°〜20°程度が適当である。
ずれ量Δは、凹穴Qの入口径D1と突起Pの先端径d2の差の10〜30%程度が適当である。本実施例の場合、例えば、ずれ量Δ=1mmとすると、D1=20mm、d2=12mmであるので、D1とd2の差の12.5%になる。
この場合、突起Pの外周面の一部と凹穴Qの上端部の一部が接触し、図8の場合に比べて突起Pと凹穴Qの接触面積が少なく、したがってクサビ効果がきわめて大きいので、消音効果が非常に大きくなる。
図10,11は、凹穴Qの一部(破線部)を長穴状の変形部16に変形した例である。基本部15及び破線部は、前記図7の凹穴Qと全く同じ形状である。このような場合、凹穴の位置は、あくまでも基本部15の入口面の中心Cである。
図1の凹穴Q1〜Q4を、この変形した凹穴とすることで、蓋の取り外しが容易になる。
図12,13の側溝1は、断面がU字状のいわゆるU字溝で、図14に示されるように、1個の側溝ブロックに3個の蓋が装着されるものである。側溝1は対向する側壁11,11の底部を底板部14で連結一体化した形状を有し、両側壁11,11の上部内側に上向きの蓋受面12が形成されている。一方の蓋受面12に凹穴Q1,Q2の対が3組、他方の蓋受面12に凹穴Q3,Q4の対が3組形成されている。すなわち、4個の凹穴Q1〜Q4の組が3組あり、それぞれの組が1個の蓋に対応している。それぞれの組において凹穴の位置関係は図1のQ1〜Q4の位置関係と同じであり、蓋の突起の位置関係も図3の蓋と同様である。
このように、本発明は、1個の側溝ブロックに対して複数の蓋を装着する場合にも適用できる。
図15,16は、凹穴Qを形成するためのコマ3の例である。
図15のコマ3は、凹穴Qと同じ截頭円錐形の鉄塊で、雄ねじ部31を有し、型枠の鉄板のタップ孔に雄ねじ部31を螺着し、又は鉄板裏側からナットで固定して取り付けることで、当該部分のコンクリートに凹穴Qを容易に形成できる。
図16のコマ3は、凹穴Qと同じ截頭円錐形の鉄塊で、雌ねじ部32を有し、型枠の鉄板から突出させたボルトに雌ねじ部32を螺着することで型枠面に固定し、当該部分のコンクリートに凹穴を容易に形成できる。
突起Pを形成する場合は、当該部分の型枠鉄板に突起Pと同じ形状の穴加工を行えばよい。
したがって、現在使用中の通常の側溝や蓋の型枠に、上記の簡単な加工を行うことで、本発明の側溝及び蓋の型枠を容易に得ることもできる。
図17において、
S1+Δ=S2+Δ=s1=s2
W1=W2=w1=w2
であるので、Q1とP1、Q3とP3の相対位置が同じで、Q2とP2、Q4とP4の相対位置が長手方向にΔだけずれている。
したがって、Q1とP1、及びQ3とP3の中心位置が一致し、Q2とP2、及びQ4とP4の中心位置がずれるか、又はその反対となる。これにより、蓋四隅の突起Pと凹穴Qの相対位置は、二ヶ所において一致し、二ヶ所においてずれることになる。
S1=S2=s1=s2
W1+Δ=W2+Δ=w1=w2
であるので、Q1とP1、Q2とP2の相対位置が同じで、Q3とP3、Q4とP4の相対位置がΔだけ幅方向にずれている。
したがって、Q1とP1、及びQ2とP2の中心位置が一致し、Q3とP3、及びQ4とP4の中心位置がずれるか、又はその反対となる。これにより、蓋四隅の突起Pと凹穴Qの相対位置は、二ヶ所において一致し、二ヶ所においてずれることになる。
S1+Δ=S2+Δ=s1=s2
W1+Δ=W2+Δ=w1=w2
とすると、Q1とP1だけ中心位置が一致し、Q2とP2、Q3とP3、及びQ4とP4の中心位置がずれる。これにより、蓋四隅の突起Pと凹穴Qの相対位置は、一ヶ所において一致し、三ヶ所においてずれることになる。
S1=S2=s1=s1
W1=W2=w1=w2
であるが、側溝の凹穴Q1〜Q4は長方形の頂点に位置し、蓋の突起P1〜P4は長手方向にゆがんだ平行四辺形の頂点に位置するので、Q1とP1、Q2とP2の相対位置が同じで、Q3とP3、Q4とP4の相対位置がΔだけ長手方向にずれている。
したがって、Q1とP1、及びQ2とP2の中心位置が一致し、Q3とP3、及びQ4とP4の中心位置がずれるか、又はその反対となる。これにより、蓋四隅の突起Pと凹穴Qの相対位置は、二ヶ所において一致し、二ヶ所においてずれることになる。
S1=S2=s1=s1
W1=W2=w1=w2
であるが、側溝の凹穴Q1〜Q4は長方形の頂点に位置し、蓋の突起P1〜P4は幅方向にゆがんだ平行四辺形の頂点に位置するので、Q1とP1、Q3とP3の相対位置が同じで、Q2とP2、Q4とP4の相対位置がΔだけ幅方向にずれている。
したがって、Q1とP1、及びQ3とP3の中心位置が一致し、Q2とP2、及びQ4とP4の中心位置がずれるか、又はその反対となる。これにより、蓋四隅の突起Pと凹穴Qの相対位置は、二ヶ所において一致し、二ヶ所においてずれることになる。
また、蓋はコンクリート製に限らず、鋳鉄製や鋼鉄製のグレーチングにも適用できる。
11 側壁
12 蓋受面
13 連結部
14 底板部
15 基本部
16 変形部
2 蓋
21 底面
22 手掛部
3 コマ
31 雄ねじ部
32 雌ねじ部
P,P1,P2,P3,P4 突起
Q,Q1,Q2,Q3,Q4 凹穴
S1 Q1,Q2の長手方向間隔
S2 Q3,Q4の長手方向間隔
W1 Q1,Q3の幅方向間隔
W2 Q2,Q4の幅方向間隔
s1 P1,P2の長手方向間隔
s2 P3,P4の長手方向間隔
w1 P1,P3の幅方向間隔
w2 P2,P4の幅方向間隔
Δ 突起と凹穴のずれ量
Claims (5)
- 側壁上部の蓋受面に凹穴又は突起を設けた側溝と、該凹穴又は突起に対応して底面四隅部に突起又は凹穴を設けた蓋からなる蓋付側溝であって、
前記凹穴が底細りテーパ状、前記突起が先細りテーパ状をなし、
前記凹穴の水平面に対するテーパ角度αが前記突起の水平面に対するテーパ角度βよりも大きく形成され、
蓋を側溝に装着したときに、前記突起の外周面と前記凹穴の上端部が接触して前記突起と前記凹穴が係合し、蓋の底面が側溝の蓋受面に接触することなく、蓋が側溝に支持され、
蓋の四隅部の前記突起又は凹穴の少なくとも一つが、側溝の対応する凹穴又は突起の位置に対して、長手方向及び/又は幅方向にずれて形成されていることを特徴とする蓋付側溝。 - 蓋の四隅部の前記突起又は凹穴の長手方向の間隔が、側溝の対応する前記凹穴又は突起の長手方向の間隔と異なることにより、蓋の突起又は凹穴のうちの二つが、側溝の対応する凹穴又は突起の位置に対して、長手方向にずれて形成されている請求項1の蓋付側溝。
- 蓋の前記突起又は凹穴の幅方向の間隔が、側溝の対応する前記凹穴又は突起の幅方向の間隔と異なることにより、蓋の突起又は凹穴のうちの二つが、側溝の対応する凹穴又は突起の位置に対して、幅方向にずれて形成されている請求項1の蓋付側溝。
- 蓋の四隅部の前記突起又は凹穴が平行四辺形の頂点となる位置に形成され、側溝の対応する凹穴又は突起が長方形又は正方形の頂点となる位置に形成されていることで、蓋の突起又は凹穴のうちの二つが、側溝の対応する凹穴又は突起の位置に対して、長手方向又は幅方向にずれて形成されている請求項1の蓋付側溝。
- 蓋の四隅部の前記突起又は凹穴が長方形又は正方形の頂点となる位置に形成され、側溝の対応する凹穴又は突起が平行四辺形の頂点となる位置に形成されていることで、蓋の突起又は凹穴のうちの二つが、側溝の対応する凹穴又は突起の位置に対して、長手方向又は幅方向にずれて形成されている請求項1の蓋付側溝。
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