JP3940522B2 - 側溝の防音構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓋板を備えた道路の側溝の防音構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
側溝は道路の側部に設けられて、雨水が道路面に降った場合に側方に流して道路の表面に水が溜まらないようにしている。この側溝は断面U字状の側溝本体とその上の蓋板からなっているが、双方ともコンクリート製で比較的ラフに製造されているので、側溝本体の蓋載置部と蓋板との間に部分的に少しの隙間が形成され、この上に人や自動車等が乗り降りした場合に音がするという問題があった。
従来この音の発生を防止するため、側溝本体の蓋載置部にゴム板を接着剤で貼着する等の対策を講じていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ゴム板を側溝本体の蓋載置部に接合するという従来技術は、施工にコストがかかるという問題があった。
また、貼着するゴム板が余りに薄いと部分荷重によってゴム板が切れる可能性があるので、通常は3mm以上の厚みを必要とし、このため、蓋板の表面が側溝より突出する場合があるという問題もあった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、比較的安価に施工が可能で、蓋板の突出も少ない側溝の防音構造を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係る側溝の防音構造は、両側に側壁を有する断面U字状の側溝本体と、該側溝本体に被さる蓋板とを有する側溝の防音構造であって、
前記側壁上部の蓋載置部に上向き凹部が形成され、該上向き凹部にはその嵌入部分が該上向き凹部に対応する形状のクッション材が装着され、しかも該クッション材は該上向き凹部から突き出ており、
前記上向き凹部は両側の前記側壁上部の蓋載置部にそれぞれ複数形成され、しかも、前記上向き凹部に対向する下向き凹部が前記蓋板の裏側に形成され、前記上向き凹部から突出するクッション材の上部が該下向き凹部に嵌入し、しかも、該クッション材が対向する前記上向き凹部及び下向き凹部に嵌入した状態で、前記蓋載置部の上面と前記蓋板との間に は少しの隙間を有する。
ここで、本発明に係る側溝の防音構造において、更に以下の構成とすることも可能である。
【0005】
請求項1記載の側溝の防音構造において、前記下向き凹部は円錐台形状又は円錐形状に形成されていることを特徴とする側溝の防音構造。下向き凹部を円錐台形状又は円錐形状に形成することによってその製造が容易となる。
請求項1及び2記載の側溝の防音構造において前記上向き凹部は、円錐又は円錐台状に形成されていることを特徴とする側溝の防音構造。上向き凹部を円錐台形状又は円錐形状にすることによってその製造が容易となる。
【0006】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の第1の実施の形態に係る側溝の防音構造の断面図、図2は同部分拡大図、図3は同平面図、図4は他の実施の形態に係る側溝の防音構造の要部拡大断面図、図5は第2の実施の形態に係る側溝の防音構造の断面図である。
【0007】
図1〜図3に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る側溝の防音構造10は、断面U字形状の側溝本体11と、側溝本体の両側上部の蓋載置部12、13に 跨がって被さる複数枚の蓋板14と、蓋載置部12、13と蓋板14との間に配置されるクッション材15とを有している。以下、これらについて詳しく説明する。
【0008】
前記側溝本体11は鉄筋コンクリート製で底板16及びこれに一体的に連接される側壁17、18を有し、中央に内側に水を通す通水部19が形成されている。側壁17、18の上部内側には段となって、蓋載置部12、13が設けられている。この蓋載置部12、13には図3に示すように複数の上向き凹部の一例である円錐状窪み20が形成されている。なお、この実施の形態では円錐状窪み20は二重円錐になっているが、多重円錐状窪みも円錐状窪みに含まれるし、円錐状窪み20の代わりに円錐台状窪みであってもよい。
【0009】
図2に示すように、この円錐状窪み20には嵌入部分が円錐状窪み20に対応する円錐台形状でゴム製のクッション材15が配置されている。このクッション材15はこれを円錐状窪み20に装着した場合、上部の円柱部21が1〜3mm(好ましくは、1.2〜2mm)の範囲で突出するようになって、この部分が弾性的に上部の蓋板14を支持するようになっている。ここで、この実施の形態においては、クッション材15としてゴムを使用したが、弾力性を有するプラスチック等であっても使用可能である。
【0010】
従って、側溝本体11を所定場所に施工した後、蓋板14を蓋載置部12、13に跨がって被せることになるが、蓋載置部12、13からクッション材15が少しの高さを有して突出しているので、蓋板14はこのクッション材15を押圧しながら装着されることになる。従って、蓋板14の上に重量物や人が乗り降りした場合、蓋板14は少しの範囲で上下するが、クッション材15が入っているので、蓋板14が蓋載置部12、13に直接当たって音を発生することが極めて少なくなる。
【0011】
ここで、図4に示すように、蓋板14の底部(裏側)にも、下向き凹部の一例である円錐状窪み(円錐穴)22を形成し、クッション材23を円錐状窪み24、22に合わせて算盤玉状とすることもできる。側溝本体11の蓋載置部12、13に形成されている上向き凹部の一例である円錐状窪み24と前記した下向きの円錐状窪み22はその位置が完全に符合し、算盤玉のクッション材23が双方の円錐状窪み22、24に嵌入するようになっている。この場合クッション材23は、その上部及び下部がそれぞれ円錐状窪み22、24に嵌入した場合でも、中間部に1〜3mm(より好ましくは1.2〜2mm)の隙間が形成されるようになって、この部分がクッションとして働く。これによって、蓋板14に重量物や人が乗り降りした場合の音の発生を無くすことができる。また、蓋板14の移動(特に、側溝に沿った移動)の防止を図ることができる。
【0012】
図5には本発明の第2の実施の形態に係る側溝の防音構造30を示すが、側溝本体31の側壁32、33の頂部が蓋載置部34、35となっている。この部分に図4に示すような上向き凹部の一例である円錐状窪み24が形成され、これに被さる蓋板36の所定位置に下向き凹部の一例である円錐状窪み22が形成されている。円錐状窪み22と円錐状窪み24と符合してその内部に算盤玉状のクッション材23が配置されている。これによって、蓋板36の縦横の移動を防止できる。
なお、この実施の形態の変形例としてクッション材の取付け部分を図2に示すように、蓋載置部34、35のみに形成し、蓋板36のクッション材が当接する部分を平面状に形成することも可能である。この場合、蓋板36の内側に段を設けて、側溝本体31からの横移動を防止するようにするのが好ましい。
また、以上のそれぞれの実施の形態において、クッション材の大きさは、蓋載置部の上に蓋板が載り、更にその上に人が載っても突出部分が完全に撓まないことが望ましく、従って、一枚の蓋板に4箇所のクッション材を使用するとして、その最大直径部分が例えば18〜30mm程度となる。
【0013】
前記実施の形態においては、上向き凹部及び下向き凹部は、円錐状又は円錐台状の窪みであったが、円柱状、角錐状、角柱状となることも可能であり、この場合、クッション材はこれらに嵌入する形状になる。
【0014】
【発明の効果】
請求項1〜3記載の側溝の防音構造においては、側壁上部の蓋載置部に上向き凹部が形成され、上向き凹部にはその嵌入部分が上向き凹部に対応する形状のクッション材が装着され、しかもクッション材は上向き凹部から突き出ているので、突き出した部分がクッションとなり、蓋板の上に物や人が乗り降りする場合の音を消すことができる。これによって側溝の蓋体からの騒音が著しく減少する。
また、クッション材は単に上向き凹部に入れるのみで固定されるので、従来のような接着剤を省略することも可能であり、これによって施工工事が簡略化し、比較的安価に施工できる。また、クッションの厚み(即ち、蓋載置部と蓋板との隙間)を小さくしても、クッション材は傷むことがないので、蓋板が浮き上がらない適当な高さに設定できる。
そして、上向き凹部は両側の側壁上部の蓋載置部にそれぞれ複数形成されているので、蓋板全体をクッション材が支持することが可能となり、より確実に音の発生を防止できる。
また、蓋板にも上向き凹部に対向する下向き凹部を形成し、双方にクッション材を嵌入させているので、蓋板の横移動を確実に防止できる。
請求項記載の側溝の防音構造においては、下向き凹部は円錐台形状又は円錐形状に形成されているので、下向き窪みを形成する型枠が抜けやすく施工が容易となる。
請求項記載の側溝の防音構造においては、上向き凹部は、円錐又は円錐台状に形成されているので、上向き窪みを形成する型枠が抜けやすく施工が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る側溝の防音構造の断面図である。
【図2】同部分拡大図である。
【図3】同平面図である。
【図4】他の実施の形態に係る側溝の防音構造の要部拡大断面図である。
【図5】第2の実施の形態に係る側溝の防音構造の断面図である。
【符号の説明】
10:側溝の防音構造、11:側溝本体、12、13:蓋載置部、14:蓋板、15:クッション材、16:底板、17、18:側壁、19:通水部、20円錐状窪み、21:円柱部、22:円錐状窪み、23:クッション材、24:円錐状窪み、30:側溝の防音構造、31:側溝本体、32、33:側壁、34、35:蓋載置部、36:蓋板

Claims (3)

  1. 両側に側壁を有する断面U字状の側溝本体と、該側溝本体に被さる蓋板とを有する側溝の防音構造であって、
    前記側壁上部の蓋載置部に上向き凹部が形成され、該上向き凹部にはその嵌入部分が該上向き凹部に対応する形状のクッション材が装着され、しかも該クッション材は該上向き凹部から突き出ており、
    前記上向き凹部は両側の前記側壁上部の蓋載置部にそれぞれ複数形成され、しかも、前記上向き凹部に対向する下向き凹部が前記蓋板の裏側に形成され、前記上向き凹部から突出するクッション材の上部が該下向き凹部に嵌入し、しかも、該クッション材が対向する前記上向き凹部及び下向き凹部に嵌入した状態で、前記蓋載置部の上面と前記蓋板との間には少しの隙間を有することを特徴とする側溝の防音構造。
  2. 請求項記載の側溝の防音構造において、前記下向き凹部は円錐台形状又は円錐形状に形成されていることを特徴とする側溝の防音構造。
  3. 請求項1及び2のいずれか1項に記載の側溝の防音構造において、前記上向き凹部は、円錐又は円錐台状に形成されていることを特徴とする側溝の防音構造。
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