JPH055931U - デツキプレートのハンガーボルト取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造が簡単で製作が容易で安価な、しかも取
付操作の簡単なデッキプレートのハンガーボルト取付構
造を提供する。 【構成】 波状鋼板からなるデッキプレートの下フラン
ジの下面におけるデッキプレートの長手方向に、下向き
に開口されその開口縁の開口幅より上面の幅が大きい開
口部幅狭の下向き凹条が設けられ、該下向き凹条内に中
央に雌ねじを有するナットが複数個摺動自在に嵌入され
てなるデッキプレートのハンガーボルト取付構造。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、コンクリートと鋼製デッキプレートとからなる建築物の合成床の下 面に、天井板や器具を吊り下げる為のハンガーボルトの取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、合成床の下面に、天井板や器具を吊り下げるハンガー構造としては、図 １０に示すように波状鋼板からなるデッキプレート１の下フランジの下面におけ るデッキプレート１の長手方向に、下向きに開口して設けられ、その開口縁３の 開口幅より上面４の幅が大きい開口部幅狭の下向き凹条２と、該下向きの凹条２ 内に挿入係止する係止金具１５と、該係止金具１５に螺通するハンガーボルト１ １とよりなり、前記係止金具１５は底板２０と該底板２０の左右両側端から上方 に延びる左右両側板１６とからなる二又の金具であって、左右両側板１６が内側 寄りに対称に傾斜せしめられた上、その上部が外側斜上方に対称に屈曲され、さ らにその上端部が内方にほぼ水平に屈曲されて、前記下向き凹条２に挿入される 一対の鉤状係止部１７が形成された了の字形とされ、左右両側板１６の内側寄り の傾斜部内面中央には、夫々縦に円弧状凹部１８が設けられて傾斜部外面中央に ビード１９が形成され、前記一対の鉤状係止部１７の基端の屈曲部の幅方向外側 端には外方に拡開するリブ２３が形成され、左右両側板１６間の底板２０には透 孔が貫通穿設されて該透孔と同心に前記ハンガーボルト１１を螺通するナット２ １が固定されてなるハンガー構造がある。

【０００３】 このハンガー構造は、天井板等の吊り下げ時、先ず係止金具１５のナット２１ にハンガーボルト１１の先端を螺合する。次にハンガーボルト１１の先端に螺合 された係止金具１５の一対の鉤状係止部１７をデッキプレート１の下向き凹条２ に垂直に挿入する。次いでこの鉤状係止部１７を上面４に当接した上、ハンガー ボルト１１を回転してナット２１より先端を貫通させ、係止金具１５の左右両側 板１６の相対向する円弧状凹部１８間にハンガーボルト１１の先端部を押し入れ て、左右両側板１６の内側寄りの傾斜部を押し拡げると共に、その上端の鉤状係 止部１７を押し拡げ、ハンガーボルト１１の先端を一対の鉤状係止部１７の間を 通して下向き凹条２の上面に当接する。そしてさらにハンガーボルト１１を回転 することにより係止金具１５を下方に引き寄せて、デッキプレート１の下向き凹 条の左右両側内面５に鉤状係止部１７を密着し、固定するものである。（先行技 術文献として特開昭６３−１３８０３８号公報がある。）

【０００４】 ところで、かかるハンガー構造は、係止金具１５の形状が複雑な為、高い寸法 精度が要求され、製作が厄介であった。また天井板等を吊り下げるのに多数の係 止金具１５及びハンガーボルト１１を必要とするので、せめて高価な係止金具１ ５に代替できる安価なものが要求されていた。しかもデッキプレート１に対する 取付操作が面倒であった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

そこで本考案は、構造が簡単で製作が容易で安価な、しかも取付操作の簡単な デッキプレートのハンガーボルト取付構造を提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため本考案のデッキプレートのハンガーボルト取付構造は 、波状鋼板からなるデッキプレートの下フランジの下面におけるデッキプレート の長手方向に、下向きに開口されその開口縁の開口幅より上面の幅が大きい開口 部幅狭の下向き凹状が設けられ、該下向き凹条内に中央に雌ねじを有するナット が複数個摺動自在に嵌入されてなるものである。

【０００７】

【作用】

上記のように構成された本考案のデッキプレートのハンガーボルト取付構造は 、下向き凹条内に挿入された複数個のナットが外れないように下向き凹条の両端 にストッパーを圧入固定する。そして梁間にデッキプレートを配列接続し、デッ キプレートの上側に鉄筋を配筋し、コンクリートを打設して合成床を築造した後 、天井板等を吊り下げる為に、下向き凹条内のナットを所要の位置に移動して、 下方からハンガーボルトをナットの雌ねじに螺通し、上端を下向き凹条内の上面 に当接して締付けることにより、ナットが下向き凹条の内側面に密着して固定さ れ、従ってハンガーボルトは所要の位置でデッキプレートに取付けられる。

【０００８】

【実施例】

本考案のデッキプレートのハンガーボルト取付構造の一実施例を図によって説 明すると、図１に示すように波状鋼板からなるデッキプレート１の下フランジの 下面におけるデッキプレート１の長手方向に、下向きに開口して設けられその開 口縁３の開口幅より上面４の幅が大きい開口部幅狭の断面蟻溝形の下向き凹条２ が設けられ、この下向き凹条２内に図２に示すように中央に雌ねじ２５を有する 平面方形，断面逆台形のナット２６が複数個図３に示すように摺動自在に嵌入さ れている。

【０００９】 このように構成された実施例のハンガーボルト取付構造は、断面蟻溝形の下向 き凹条２内に嵌入された複数個の平面方形，断面逆台形のナット２６が外れない ように下向き凹条２の両端に図４に示すようにストッパー２７を圧入固定する。 そして梁間にデッキプレート１を配列接続し、デッキプレート１の上側に図５に 示すように鉄筋２８を格子状に配筋し、コンクリート２９を打設して合成床３０ を築造した後、天井板等を吊り下げる為に、下向き凹条２内の前記ナット２６を 所要の位置に移動して、下方から図６に示すようにハンガーボルト１１をナット ２６を雌ねじ２５に螺通し、上端を下向き凹条２内の上面４に当接して締付ける ことにより、ナット２６が下向き凹条２の内側面に密着して固定され、従ってハ ンガーボルト１１は所要の位置でデッキプレート１の下向き凹条２に取付ける。

【００１０】 尚、上記実施例のハンガーボルト取付構造における下向き凹条２は、断面蟻溝 形であるが、これに限るものではなく、開口部幅狭の下向き凹条ならば、例えば 図７，８，９，に示すような断面形状でも良い。 これに応じてナット２６の断面形状も同形状になされる。

【００１１】

【考案の効果】

以上の通り本考案のデッキプレートのハンガーボルト取付構造によれば、デッ キプレートへのハンガーボルトの取付けが、デッキプレートの下向き凹条内のナ ットへのハンガーボルトの螺通のみで良いので、取付操作が極めて簡単で位置調 整も容易である。また、本考案のハンガーボルト取付構造は、下向き凹条内にナ ットを嵌入しただけの簡単な構成であるので、容易に且つ安価に製作できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】デッキプレートを示す断面図である。

【図２】デッキプレートの下向き凹条に嵌入するナット
を示す斜視図である。

【図３】本考案のデッキプレートのハンガーボルト取付
構造を示す断面図である。

【図４】本考案のデッキプレートのハンガーボルト取付
構造において下向き凹条の両端にストッパーを圧入固定
した状態を示す側断面図である。

【図５】デッキプレート上に鉄筋を配筋し、コンクリー
トを打設して合成床を築造した状態を示す一部断面図で
ある。

【図６】本考案のデッキプレートのハンガーボルト取付
構造にハンガーボルトを取付けた状態を示す断面図であ
る。

【図７〜図９】夫々本考案のハンガーボルト取付構造に
おける下向き凹条の断面形状の変更例を示す図である。

【図１０】従来のデッキプレートのハンガー構造を示す
断面図である。

【符号の説明】

１ デッキプレート ２ 開口部幅狭の下向き凹条 ３ 開口縁 ４ 上面 １１ ハンガーボルト ２５ 雌ねじ ２６ ナット

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 波状鋼板からなるデッキプレートの下フ
   ランジの下面におけるデッキプレートの長手方向に、下
   向きに開口されその開口縁の開口幅より上面の幅が大き
   い開口部幅狭の下向き凹条が設けられ、該下向き凹条内
   に中央に雌ねじを有するナットが複数個摺動自在に嵌入
   されてなるデッキプレートのハンガーボルト取付構造。