JP5311968B2 - 気密端子のめっき方法 - Google Patents

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Description

本発明はガラス対金属封着構造(以下GTMSとも呼ぶ)の気密端子をステムベースに用い、これに筒状金属キャップのリッド部材を気密封止して水晶片を気密空間に収容したシリンダタイプパッケージ、特に、小形タイプの円筒状気密端子と円筒状金属キャップとを圧入して圧接封止した水晶振動子用パッケージおよびこのパッケージに使用する気密端子の製造方法に関する。
従来、気密端子はその用途に応じて各種の構造のものがあり、金属外環やリードの金属部材の露出部分には用途に応じた材質および厚さのめっき層が形成されている。たとえば、腕時計用水晶振動子に使用する円筒型気密端子は円筒状金属外環の内部にガラス絶縁材を介してリードが気密封着され、金属外環およびリードの露出表面には防錆およびはんだ付け性の良いNi,Au,はんだ等のめっき層が形成される。この気密端子の製造工程は、金属外環、ガラス微粉末を有機バインダとともに混練し造粒したものを所定形状に成形し仮焼きしたガラスタブレットおよび所定長さ寸法のリードを用意する準備工程、これらの原材料をグラファイト製封着治具の所定の位置に配置する組立工程、全体を中性または弱還元性雰囲気中で980〜1000℃で加熱してガラスタブレットを溶融させ、ガラスを介して金属外環とリードとを絶縁する気密封着する工程、および金属外環とリードの露出部分にめっき層を形成するバレルめっき工程を含む。このようにして製作された気密端子は次に水晶振動子をマウントして金属キャップが金属外環のめっき層を封止材として圧入され圧接封止されて水晶振動子用パッケージが構成される。特許文献1はこの種の電子部品についての改良方法を開示する。
一方、気密封止したパッケージ内に水晶片を実装する水晶振動子用パッケージとして、高い気密性と信頼性を要求される場合に円筒型気密端子と円筒型金属キャップで構成するシリンダタイプが多用されている。そして、円筒型気密端子と円筒型金属キャップははんだめっきの封止材でパッケージに対する気密性を確保している。特許文献2は環境上有害なSn−Pb共晶はんだに代えてSn−Ag系合金またはSn−Bi系合金のはんだめっきを使用して円筒型気密端子の金属外環やリードの表面にめっき層を形成して封止材としている。さらに、水晶振動子用パッケージとして高い気密性と信頼性の円筒型気密端子であるガラス対金属封着構造(GTMS)型気密端子と円筒型金属キャップのパッケージが特許文献3で開示される。
特開2001−267190号公報 特開2002−160089号公報 特開2003−152129号公報
ところで、腕時計用水晶振動子の円筒型気密端子を使用したパッケージには、金属外環の外径寸法d1が0.90〜0.95mm程度の通称φ1.2と呼ばれる市販品がある。このような非常に小さい品種は気密端子の金属外環およびリードの露出部分へのめっき層形成の作業能率を高めるために、バレル内に多数の端子部品を収容して一括してめっきする,いわゆるバレルめっき法が行なわれる。しかしながら、前述のように非常に小さい金属外環の場合、それに応じてリードの外径寸法d2も0.13〜0.17mm程度と小さくなり、しかもリード相互の間隔寸法gが0.10〜0.20mm程度と、リードの外径寸法d2とほぼ同等程度となるため、バレルめっき法を採用するとあるリードが他のリード間に嵌まり込み、その状態でめっき層が形成されてリード同士がめっき層によってくっ付く、いわゆるアベック不良が多発するという問題点があり、その解消のために複数個のリードに対し導電材や樹脂材でお互いに橋絡することが提案された(特許文献1参照)。また、前述のとおり、リードが細く腰が弱いためにリードが折れ曲り易いほかめっき層の厚さを管理することが難しいという問題点があった。
一方、本発明者等は円筒型気密端子に円筒型金属キャップを圧入して封止する水晶振動子用パッケージでは気密端子の金属外環とリードのめっき層の膜厚選定の重要性に着目してそれぞれのめっき層の厚さに関する適正かつ適合する厚さを調査した。実験的知見によれば、リードに水晶片をはんだ付けする場合の適正なめっき層の厚さは、圧接封止するに適合する金属外環のめっき層の厚さとは異なること、およびバレルめっき法によるそれぞれの表面のめっき層の厚さは相互に異なることを見出した。その結果、円筒型気密端子に円筒型金属キャップを装着するパッケージにおいては、気密端子の金属外環およびリードのそれぞれの表面に施すめっき層の膜厚比率をある範囲内に選定することが望ましく、リード側を外環側より厚いめっき層とすべきであることが判明した。さらに、バレルめっき法によるめっき層の形成においては、リード材の長さを事前に所定長より長くすることで、めっき層の厚さを調製でき、それにより所定長の貫通リードのめっき膜厚が得られることを見出した。
したがって、本発明の目的は上述するように気密端子の金属外環および貫通リードのそれぞれの表面めっき層を所望する比率範囲内に選定し、特に、小サイズの円筒型気密端子と、これを使用した水晶振動子用パッケージを提供するものである。好ましくは、バレルめっき法の利用による金属外環とリードとのめっき層の膜厚に関し、貫通リード側のめっき厚を金属外環側のめっき厚に比べて所定比率内で厚く調製することを提示するものである。
さらに別の目的は、金属外環のめっき層の厚さとリードのめっき層の厚さとの比率を所定の範囲内に調製するバレルめっき方法を利用した気密端子の製造方法を提案する。同時に、多数の端子部品をバレルめっき法によりその外環およびリードのそれぞれの表面にろう材層を形成する際、ある端子部品のリードに他の端子部品のリードが嵌まり込んでアベック不良を発生させたり、リードが折れ曲ったりせずに、所望するめっき層の厚さに調製することを特徴とする気密端子の製造方法の提案を目的とする。また、このような気密端子を用いて水晶振動子用パッケージを提供するものである。
本発明によれば、円筒状金属外環に気密封着されたガラス絶縁体に貫通リードを配置して貫通リードおよび金属外環を絶縁すると共にそれぞれの表面にめっき層を異なる厚さで形成した気密端子を提供する。また、この気密端子と、貫通リードの一端側でリードめっき層によりろう付けされる水晶片と、金属外環にそのめっき層を介在して圧入により封止した円筒状金属キャップとを具備し、この金属キャップが形成する空間を水晶片の収容空間とする水晶振動子において、貫通リードのめっき層の厚さを金属外環の表面めっき層の厚さに比べて1.6〜2.5倍の範囲内で厚くしたことを特徴とする水晶振動子用パッケージを提供する。ここで、めっき層ははんだ付け良好なろう材層であること、特に、金属外環はその外径寸法が0.90±0.05mm(通称φ1.2)であり、金属外環のめっき厚を4〜15μmの範囲内で設定することを特徴とする。
本発明の別の観点によれば、円筒状金属外環にガラス絶縁材を介し相互に離隔し気密封着して貫通させた所定長のリードを具備し、金属外環およびリードのそれぞれの表面にめっき層を形成する気密端子の製造方法において、所定サイズの金属外環、ガラスタブレットおよび前記所定長より長いリード材を封着治具に組み込む工程、前記ガラスタブレットを溶融し金属外環内にガラス絶縁材の介在により前記リード材を貫通配置させる端子部品の気密封着工程、多数の端子部品をバレルに収容して前記金属外環および前記リード材の表面にめっき層を一括して形成するバレルめっき工程、およびめっき層が形成された前記端子部品の前記リード材を所定長に切断する工程を含み、前記バレルめっきの際、前記リード材の長さに依存するめっき厚さを利用して、前記リードのめっき厚さ(t1)に対する前記金属外環のめっき厚さ(t2)の比率(t1/t2)を1.6〜2.5の範囲内に調製することを特徴とする気密端子の製造方法が提案される。さらに、前記バレルめっき工程の前後に前記端子部品のリード材の下端部同士を固着材により橋絡する工程および前記固着材を除去する工程を付加したことを特徴とする気密端子の製造方法が提案される。好ましくは、前記金属外環は外径寸法が0.90±0.05mmの低炭素鋼、Fe―Ni合金またはFe−Ni−Co合金からなり、前記リードは外径寸法が0.15±0.02mmのFe―Ni合金またはFe−Ni−Co合金からなる。
本発明による水晶振動子用パッケージは、ガラス対金属封着構造の円筒型気密端子を用いるので機械的強度の強化に加え気密性と信頼性が確保され、金属外環およびリードのめっき層がバレルめっきであるのでその利点が得られる。すなわち、マウント部とシール部がそれぞれ所定の比率関係の膜厚のめっき層を設けることで品質向上と性能アップに寄与する。なお、バレルめっきのめっき層にPbフリーのめっき材を使用することで環境問題がなく気密確保と安全性に役立つなどの実用的効果を発揮できる。また、はんだ付け性の良好なSn合金のめっき層を比較的厚めにリード側に設けることで水晶片とのはんだ付けを確実にするほか、金属外環側のめっき厚を薄目に規制することで厚入時のめっき材のはみだしを防ぐことができる。なお、バレルめっきは比較的少量の液の中で大量の加工品の処理が可能であるほかに労力が省けめっき加工の機械化・自動化が容易であり、前処理からめっき・後処理・洗浄・乾燥など一貫加工が容易である。また、加工品の形状・寸法、まためっきの種類に拘らず広い範囲のめっき加工ができ、小物などひっかけではめっきの難しいものの加工ができる。特に、大量生産に適し、加工費、特に労務費の低減が期待でき、加工品相互は厚さの比較的均一なめっきができるなどの利点がある。さらに、絶えずめっき液が撹拌され、めっき液の条件を均一に保つことができ、緊密に積層され、薄くても耐食性に富んだめっき皮膜が得られる。したがって、作業上のトラブルや不具合の発生が減少でき、量産化と低コスト化に寄与する。
本発明による実施の形態は、円筒状外環内にガラスを貫通する一対のリードを配置してこの貫通リードと金属外環が絶縁される気密端子と、貫通リードの一端側ではんだ付けされる水晶片と、この水晶片を収容する空間を形成するように気密端子の金属外環に圧入封止により気密封着する円筒状金属キャップとを具備した水晶振動子用パッケージである。このパッケージにおいて、気密端子は、従来と同様な方法で金属外環およびリードの金属部材の全表面に、全体を電解液中に浸漬して電解Cuもしくは電解Niめっき層が形成さる。次いでリードのめっき層上にはんだ材のめっき層として、Sn合金めっき層が浸漬法により形成される。あるいは、リード金属部材上に直接Sn合金めっき層を形成してもよい。この後、このはんだ材のめっき層に水晶片がはんだ付けされる。一方、金属製のキャップはその全表面に電気Niめっき層が形成される。各めっき層の使用材料はその機能に合わせて選択される。ここで、金属キャップはその内周面にNiめっき層が形成され、気密端子の金属外環の表面に形成したSn系めっき層とで効果的なシール性が得られる。
次に、気密端子の金属外環のコバール材の外表面に施すSn合金めっき層として4〜15μmめっき層を形成することができる。また、リードのめっき層としてのろう材はSn合金めっき層が使用され、はんだ付け性確保のために14〜24μmの範囲で比較的厚く形成してはんだ付性を確保する。これらのめっき層の下限は圧接封止材またははんだ材としての機能確保であり、上限は作業性からの制限である。かくして、円筒型気密端子を使用し、それぞれの機能を発揮するめっき層により金属キャップが密着性の確保、シール性の向上、リフロー工程に対する耐熱性の向上、および難酸化性等の耐化学変化対応性のある金属パッケージが提供できる。
図1は本発明に係る実施例を示す水晶振動子用パッケージを示し、(a)はその分解斜視図および(b)は部分切欠き斜視図を示している。水晶振動子用パッケージ10は、直径略1.2mmの円筒体からなり、φ1.2円筒型気密端子20と、円筒型金属キャップ30と、気密端子20上で貫通リード23の上端であるパッケージ内部側23aにはんだ付けされた水晶片40とを具備して構成される。気密端子20と金属キャップ30は圧接封止材の介在により気密封着される。気密端子20のめっき層は材料コストの安いSn−Pb合金の高温はんだを使用する場合の実施例であり、はんだ用めっき層は気密端子の貫通リードには膜厚の厚いめっき層が形成され、金属キャップには少なくとも内面シール部位にNiめっき層31が比較的薄く形成される。拡大部分断面図に示すように、気密端子20は、金属外環21、この金属外環21の内側に貫通配置した一対の貫通リード23、および貫通リード23を金属外環21から絶縁して気密封着する絶縁ガラス22からなるガラス対金属封着構造である。
気密端子20は周知の方法で予め加熱用組立治具に外環と貫通リードと共にガラスタブレットのガラス材を組み込み、加熱炉を通炉することによりガラス材を軟化・溶融して気密封着される。金属外環21および一対の貫通リード23は互いに絶縁ガラス22と熱膨張率が近似する材料が選択されて使用される。気密端子20の金属外環21と貫通リード23および金属キャップ30の金属表面部分にはそれぞれめっき層24,25,31が設けられている。金属外環21および一対の貫通リード23の金属表面部分は下地めっき層としての電解Cuめっき層およびはんだめっき層24,25が電解液に浸漬して形成される。一方、金属キャップ30にはNiめっき層が電気めっきにより形成される。この金属キャップ30は、水晶片40が気密端子20の貫通リード23の内側端子部にはんだめっき層25ではんだ付けされた後、金属外環21のNiめっき層24上に圧入され、圧接封止用めっき層と圧接して気密封止される。後述するように、それぞれのめっき層はめっき用金属材料とめっき層の膜厚が特定され、所望する作用効果を満足させるように選定される。すなわち、図に示す気密端子20の貫通リード23に水晶片40を350℃〜400℃のはんだ付け工程で接合するに好都合な高温はんだめっき層25が設けられている。この気密端子20はパッケージ10の金属ベースとなって、これにパッケージ10の水晶片40がはんだ付けにより装着される。そして、水晶片40が装着された気密端子20には金属キャップ30が被せられて金属外環21のめっき層24と金属キャップ30の内面側のNiめっき層31にて圧着により気密封止される。なお、金属キャップ30は洋白材から成り、その内周面に電気Niめっき層が形成され、金属外環21のめっき層24と効果的なシール性を発揮し、圧入結合の作業性を容易にするなど実用的効果を奏する。
次に、本発明に係るパッケージに使用する気密端子の構造について図面を参照しつつ詳述する。腕時計向け水晶振動子に使用する円筒型気密端子は直径略1.2mm、通称φ1.2と呼ばれる品種が多用されており、以下この品種Aについて説明する。図2において、金属外環21の内部にガラス22を介して、2本の貫通リード23が気密に封着されている。金属外環21は、例えば、低炭素鋼、Fe−Ni合金またはFe−Ni−Co合金からなり、外径寸法d1が0.90〜0.95mm、高さ寸法が0.75〜0.85mmである。ガラス22は、ソーダライムガラスやソーダバリウムガラスやホウケイ酸ガラス等よりなる。貫通リード23は、Fe−Ni合金やFe−Ni−Co合金等よりなり、外径寸法d3が0.13〜0.17mm、長さlが7.0〜8.0mmのもので、2本の貫通リード3の間隔寸法gは0.10〜0.20mmのものである。金属外環21および貫通リード23の露出部分には、めっき層24および25が形成されている。金属外環21および貫通リード23の露出部分には、例えばろう材めっき層24および25としてSn−90wt%Pb層を形成している。一方金属外環21の露出部分のろう材めっき層24は、後述するように金属キャップの圧入封止時に、金属外環21と金属キャップ間の封止材として作用して気密封止に役立つ。また、貫通リード23に関しては、リード上方部分のろう材めっき層25が水晶片の電子部品素子のろう付け用に役立ち、貫通リード23の下方部分のろう材めっき層25が貫通リード23をプリント基板等へろう付けするときのろう付け性を確保するのに役立つ。ここで、貫通リード23の下方部分のろう材めっき層25は、貫通リード23の周面部のみに形成されており、後述する理由でその下端面23bには形成されない。また、このように貫通リード23の下端面23bにめっき層25がなくても、一般に気密端子20の貫通リード23の下端部は、プリント基板等の透孔に挿入されてろう付けされた後に切断除去されるので、何ら問題になることはない。
以下、前述した本発明の気密端子20の製造方法について、図面を参照して説明する。図3は、本発明の製造方法の第1実施態様の製造工程ブロック図を示す。まず、所定厚さの鉄・ニッケル合金等の金属板を押し出しプレス後に打ち抜いて金属外環21を製作する。また、ホウケイ酸ガラス等のガラス微粉末と有機バインダとを混練し、所定の粒度に造粒した後に、所定形状にプレス成形し、仮焼きしてガラス粒同士を結着させるとともに有機バインダを焼き飛ばしてガラスタブレット22aを製作する。さらに、所定の外径寸法のFe−Ni−Co合金等の金属線を端子部品Aのリード材23の長さlよりも長い適宜の長さ寸法lc(=l+Δl)に切断して、リード材23cを製作する(a工程)。そして、これら金属外環1,ガラスタブレット22aおよびリード23cを、グラファイト製の封着治具(図示省略)を用いて所定の関係位置に組み立て(b工程)、中性ないし弱還元性の雰囲気中で約980〜1000℃で加熱して、前記ガラスタブレット22aを溶融させて、ガラスによりリード材23cを気密に封着する(c工程)。図3の(a)ないし(c)工程によって、気密端子20の原形となる端子部品Aが製造される。
バレルめっきする場合、好ましくは、図4に示すように、この端子部品Aのリード材23cの外方端を、リード間隔寸法gを保持したまま固着材50で橋絡する(d工程)。この端子部品Aのリード材23cの下端部を固着材で橋絡する工程は必ずしも必要でなく省略することもできる。しかし、バレルめっき処理にはリードの絡み防止のために固着材による橋絡が好ましい。次に、リード材23cの下端部を固着した多数の端子部品Aをバレル(図示省略)に収容し、このバレルをめっき浴中に浸漬して回転させる,いわゆるバレルめっき法によって、金属外環21およびリード材23cの露出部分にろう材のめっき層24および25を形成する(e工程)。次に、このめっき層24、25が形成された端子部品Aのリード23cの下方部分を、その上端側の所定位置60で切断して固着材50を除去する(f工程)。その結果、図2に示すような所定長lの寸法としてのリード23を有する気密端子20が製作完了する。このようにして得られた気密端子20の金属外環21およびリード23の露出表面にはめっき層24、25が形成されているが、先に説明したように、貫通リード23の下端面23bにはめっき層25がない。
この種の水晶振動子用気密端子20は、貫通リード23の上端部に水晶振動片(図示省略)を固着するが、このとき貫通リード23の上方部分のろう材めっき層25は、水晶片のろう付け性を高くして、確実にろう付けするのに役立つ。また、図1に示すように、水晶片40を固着した後、金属キャップ30を圧入により封止して水晶振動子用パッケージとするが、このとき金属外環21のろう材めっき層24は、金属外環21と金属キャップ30との間に圧着状態で満たされ、気密封止を確実にするのに役立つ。また、気密端子20を用いた水晶振動子パッケージ10は、その下方側に伸びたリードをプリント基板の透孔に挿通し、噴流式めっき装置によりろう付けするなどして組み付けられる。このとき、リードの周面部のろう材めっき層は、ろう材によるろう付け性の確保に役立つ。なお、気密端子20のリード23の下端面には、めっき層がないが、ほとんどの場合何ら問題はない。すなわち、この水晶振動子用パッケージ10の接続用のリード23をプリント基板にろう付けした後、余分なリード部分としてろう付け部分から切断される。依って、リード下端面には、ろう材めっき層がなくても、実用上何ら問題は生じない。ただし、リード下端面にもろう材層が必要な場合は、リードの切断(f工程)後に、リード下端面へのめっき工程を付加してもよい。
次に、上記のように、リード材23cが固着材50で橋絡された多数の端子部品Aをバレル(図示省略)に収容し、このバレルをめっき浴中に浸漬して回転させる,いわゆるバレルめっき法によって、金属外環21およびリード材23cの露出部分にろう材めっき層24、25を形成する。このとき、前述のとおり、固着材50の外径寸法が、リードの間隔寸法gよりも大きいと、めっき工程中にリードの絡みが防止できる。したがって、リード同士がめっき層によってくっ付いてしまう,いわゆるアベック不良が発生しにくくなる。また、固着材50によってリード23cが固着されていると、各リード単独の場合に比較して、見かけ上リードの強度が増大してリードの折れ曲り不良も発生しにくくなる。なお、固着材には低融点金属材や合成樹脂材が使用され、処理方法に応じては紫外線硬化樹脂や熱効果樹脂が使用される。
ここで、品種名φ1.2として呼称の気密端子の具体例について本発明の特徴事項について詳述する。この場合、先ず図4に示す端子部品Aの構成部品材料とその寸法を挙げる。金属外環1は、材質:Fe−Ni合金、寸法:外径0.92mm×高さ0.8mm×厚さ0.1mmであり、ガラス22は、材質:ホウケイ酸ガラスであり、リード材23cは、材質:Fe−Ni−Co合金、寸法:外径0.15mm×長さ7.20+αmm(所定長の7.20mmより長尺の長さである)、リード間隔:0.15mmである。この端子部品Aのリード材の下端部には、たとえば、直径:0.5mm、材質:Sn−60wt%Pb合金のボール状固着材を橋絡した。次に、多数の端子部品Aを、バレルに収容し、めっき浴中に浸漬するバレルめっき法によりめっきして、ろう材めっき層24、25を、材質:Sn−90wt%Pb合金でリードの表面に厚さ18μmのめっき層を形成した。同時に、金属外環の表面には9μmのめっき層24が形成された。この結果、ろう材めっき層24をバレルめっき法により形成する工程でリード対金属外環(ハトメ)のめっき厚さの比率は2.0となった。気密端子の製造工程の最後にリードは所定長に切断され同時に橋絡用固着材が取り除かれた。製作された気密端子はそのリードの上端側に水晶片がはんだ付けされ、また、気密端子の金属外環に金属キャップが圧入して圧接封止されて水晶振動子用パッケージを完成した。ここで、金属外環とリードの相互間のろう材めっき層の厚さは組立て作業性を考慮してめっき層の厚さの比率は1.6〜2.5の範囲が実用的であることを確認した。その場合に金属外環の適正めっき厚は4〜15μmであり、リードの適正めっき厚は14〜25μmであることが判明した。なお、上記めっき層の膜厚適正値は通称φ1.2の気密端子によるものであるが、別の品種たとえばφ3、φ2およびφ1.5についても確認実験され、結果的にめっき層の厚さ比率はリード対金属外環が1.6〜2.5の範囲が適用できる。
比較例
これに対して、上記のめっき層の膜厚比が前記所定の比率以外である場合に次のような欠点が生ずることが判明した。たとえば、金属外環のめっき厚が適正めっき厚の上限を超える場合、圧入時のはんだのはみだしが生ずる。また、リードのめっき厚が適正めっき厚の上限を超えるとはんだの流れ過ぎが起こり、余分のはんだろう材によるショートの危険を伴う。一方、それぞれのめっき厚が適正値の範囲の下限以下では接合不足により気密性や接続性の欠陥となり気密不良や接触不良となり実用性を欠くことが判明した。
上記本発明の実施例および比較例の結果から、本発明に係る気密端子の製造方法は、特に、小さな円筒型気密端子をベースに用い、これに金属キャップを圧入して圧接封止する水晶振動子用パッケージを構成する場合、気密端子のハトメおよびリードのめっき厚を適正化するものとして、それぞれの膜厚に関し、両者の関係を規制するものとしてリード対ハトメ膜厚の比率を見出したものである。また、この特定された比率の範囲内で選定するためのバレルめっき方法を利用した新規かつ改良された調製法を気密端子の製造方法として提案するものである。本発明の気密端子の製造方法によれば、第1に端子部品Aのリードと金属外環(いわゆるハトメ)の露出表面をバレルめっきするに際し、リード材の長さを完成後の気密端子の所定の貫通リード長より長めにして用意しておき、それによりバレルめっき特有のめっき処理で部位により異なる比率でめっき層の厚みを調製する方法が提案される。同時に固着材によってリード端を橋絡することによって、リード間の絡まり防止とそれによるめっき不良を回避するものである。すなわち、パッケージの気密性とはんだ付け性を良好にする。また、第2に気密端子のリード間のアベック不良の防止やリードが単独の場合に比べて見かけ上の強度を増大して、リード曲がり不良が発生しにくくすること、第3にガラスによって絶縁されている貫通リードのめっき条件を調製することでパッケージ組立ての作業性を向上する等の効果を得る。
本発明に係る実施例の水晶振動子用パッケージの概要図であり、図1(a)は分解斜視図、図1(b)は組立後の主要部を示す部分切欠き斜視図である。 図1のパッケージに使用する気密端子の要部断面図を示す拡大断面図である。 同じく図2の気密端子の製造方法を説明するブロックダイヤグラムである。 同じく図3の気密端子の製造過程における端子部品状態の要部拡大断面図である。
符号の説明
10…水晶振動子用パッケージ、 20…気密端子、 21 …金属外環、
22…絶縁ガラス、22a…ガラスタブレット(溶融前絶縁ガラス)、
23…貫通リード、 23a…リード(パッケージ内部)、
23b …リード(下端面)、 23c…リード(切断前)、
24…電解Cuめっき層及びはんだめっき層(外環部)、
25…電解Cuめっき層及びはんだめっき層(リード部)、30…金属キャップ、
31…電解Niめっき層(金属キャップ部)、40…水晶片、 50…固着材、
60…リード切断位置、

Claims (3)

  1. 円筒状金属外環にガラス絶縁材を介し相互に離隔配置した一対の所定長の貫通リードを気密封着し、前記金属外環および前記貫通リードのそれぞれの露呈する表面にはんだ付け良好なろう材めっき層を設けた気密端子の製造方法において、所定サイズの金属外環にガラスタブレットおよび所定長より長いリード材を封着治具に組み込み、前記ガラスタブレットを加熱溶融して前記金属外環にガラス絶縁材を介してリード材を貫通させた端子部品とする気密封着工程、多数の前記端子部品をバレルに収容して前記金属外環および前記リード材の表面にめっき層を形成するバレルめっき工程、および前記端子部品の前記リード材を所定長の貫通リードに切断する工程を備え、気密封着後のバレルめっきにより前記金属外環および前記リード材の表面に同時にめっき層を形成し、前記貫通リードのめっき厚さ(t1)と前記金属外環のめっき厚さ(t2)との比率(t1/t2)を1.6〜2.5の範囲内に選定するよう、前記リード材の長さを調製したことを特徴とする気密端子の製造方法。
  2. 前記バレルめっき工程は端子部品のリード材の下端部同士を橋絡するめっき処理前の固着結合工程および橋絡を切離するめっき処理後の固着解除工程を備えることを特徴とする請求項1に記載の気密端子の製造方法。
  3. 前記金属外環は外径寸法が0.90±0.05mmに成形加工された低炭素鋼、Fe―Ni合金またはFe−Ni−Co合金のいずれかの材質からなり、前記リードは外径寸法が0.15±0.02mmのFe―Ni合金またはFe−Ni−Co合金のいづれかからなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の気密端子の製造方法。
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