JP2001009587A - ろう材,ろう付け部材およびろう付け方法 - Google Patents

ろう材,ろう付け部材およびろう付け方法

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JP2001009587A
JP2001009587A JP2000057928A JP2000057928A JP2001009587A JP 2001009587 A JP2001009587 A JP 2001009587A JP 2000057928 A JP2000057928 A JP 2000057928A JP 2000057928 A JP2000057928 A JP 2000057928A JP 2001009587 A JP2001009587 A JP 2001009587A
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temperature
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liquidus temperature
alloy
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Akira Okuno
晃 奥野
Susumu Nishiwaki
進 西脇
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Renesas Semiconductor Manufacturing Co Ltd
Kansai Nippon Electric Co Ltd
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Renesas Semiconductor Manufacturing Co Ltd
Kansai Nippon Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 SnPb共晶はんだの代替Pbフリーろう材
のリフロー時の加熱で溶融しない比較的高融点のPbフ
リーろう材と,そのようなろう材層を形成したろう付け
部材およびそのろう付け方法を提供する。 【解決手段】 ろう付け部材の一例である気密端子Aの
金属外環1およびリード3,3にSnCu,SnZn,
SnAu,Zn,Biの群から選択されたいずれか一の
材料を単独またはそれを主材料とし、液相線温度が20
0℃以上のろう材層4,4をめっき形成し、そのリード
3,3に、ろう付け部材の他の例である水晶振動片5の
電極51,52を、リード3,3のろう材層4,4を溶
融させて接続固着した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ろう材,ろう付け
部材およびろう付け方法に関し、より詳細には、鉛フリ
ー(レス)の比較的高い液相線温度を有するろう材と、
そのろう材層を形成した電子部品や気密端子等のろう付
け部材と、そのろう付け部材のろう付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ろう付けはいろいろな分野で実施
されており、ろう材としては、錫(Sn)と鉛(Pb)
の共晶はんだ(以下SnPb共晶はんだ)が最もよく知
られている。このSnPb共晶はんだは、Sn61.9
wt%とPb38.1wt%の組成を有し、共晶点の溶
融温度が183℃のものである。また、このSnPb共
晶半田をリフロー半田として用いる電子部品のろう付け
においては、このリフロー温度で電子部品内部の電子素
子のろう付け部分のろう材が溶融して、電子素子が脱落
することがあってはならない。そのために、電子部品内
部の電子素子のろう付け部分のろう材としては、例えば
高温半田と称されるSn1〜10wt%−Pb90〜9
9wt%の組成のものが用いられている。この高温はん
だは、液相線温度が320℃で、固相線温度が310℃
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、最近、Pb
の有害性がクローズアップされて、環境問題のために、
各国でPbの使用を規制する動きがあり、我が国の電子
部品業界でも有害物質であるPbの使用を制限する動き
がある。このため、Pbフリー(またはPbレス)と称
される代替半田が開発研究されている。このようなPb
フリーの代替半田は、専らSnPb共晶はんだの代替と
して開発研究されており、できるだけSnPb共晶はん
だの共晶点の溶融温度である183℃に近い溶融点のも
のが求められており、SnAg系やSnBi系が主流に
なっている。
【0004】このSnPb共晶半田の代替半田をリフロ
ー半田として用いる電子部品のプリント基板等へのろう
付けにおいては、このリフロー温度で電子部品内部の電
子素子のろう付け部分のろう材が溶融して、電子素子が
脱落することがあってはならない。そのために、電子部
品内部の電子素子のろう付け部分のろう材としては、そ
のリフロー温度で溶融しない高融点の代替半田が必要に
なる。
【0005】上記のリフロー温度に耐えるPbフリーの
高温はんだとしては、次のような諸特性を満足する必要
がある。 溶融によりろう付けが可能であること。(ろう付け
性) これは、ろう材としての基本的な要求特性である。 リフロー温度で溶融しないこと。(高融点性) これは、リフロー温度に耐えるPbフリーろう材として
所期の基本的な要求特性である。 後加工が可能であること。(後加工性) これは、例えばろう材をめっきしたリード線の折り曲げ
加工を行っても、ろう材が割れたりしないことの要求特
性である。 基板との接合信頼性があること。(接合信頼性) これは、世の中一般に広く出回っている基板に対する接
合性ばかりでなく、その信頼性に対する要求特性であ
る。 後銀めっきが可能であること。(めっき性) これは、ろう材の表面が露出したままでは、表面の光沢
性や美観性等の点で仕上げ銀めっきをする場合の、銀め
っきの析出性および固着性を確保するための要求特性で
ある。
【0006】そこで、本発明は、上記各種の要求特性を
満足する比較的高融点を有するPbフリーのろう材を提
供することを目的とする。本発明はまた、上記のPbフ
リーのろう材層を形成した電子部品等のろう付け部材を
提供することを目的とする。本発明はさらに、上記のP
bフリーのろう材層を形成したろう付け部材を用いたろ
う付け方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のろう材は、Sn
Cu,SnZn,SnAu,Zn,Biの群から選択さ
れた一の材料を単独またはそれを主材料とし、液相線温
度が200℃以上であることを特徴とするろう材であ
る。本発明のろう付け部材は、前記記載のいずれか一の
ろう材よりなるろう材層が形成されていることを特徴と
するろう付け部材である。本発明のろう付け方法は、前
記記載のいずれか一のろう材よりなるろう材層が形成さ
れているろう付け部材どうし、またはこのろう付け部材
と他のろう付け部材とを、前記ろう材層を利用してろう
付けすることを特徴とするろう付け方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明は、
SnCu,SnZn,SnAu,Zn,Biの群から選
択されたいずれか一の材料を単独またはそれを主材料と
し、液相線温度が200℃以上であることを特徴とする
ろう材である。ここで、液相線温度を200℃以上に限
定する理由は、SnPb共晶はんだの共晶温度である溶
融点183℃近傍の温度域におけるPbフリー代替ろう
材のリフロー温度で溶融しないからである。
【0009】本発明の請求項2記載の発明は、SnCu
合金よりなり、Cuが1〜10wt%の二元合金を単独
またはそれを主材料とし、液相線温度が227〜470
℃、固相線温度が227℃あることを特徴とするろう材
である。ここで、Cuを1〜10wt%に限定する理由
は、1wt%未満ではSiウィスカーが発生しやすくな
り、10wt%を超えると液相線温度が500℃を超え
てリフローが困難となるからである。
【0010】本発明の請求項3記載の発明は、SnZn
合金よりなり、Znが30〜90wt%の二元合金を単
独またはそれを主材料とし、液相線温度が232〜40
0℃、固相線温度が232℃であることを特徴とするろ
う材である。ここで、Znを30〜90wt%に限定す
る理由は、30wt%未満ではSiウィスカーが発生し
やすくなり、90wt%を超えると硬くなり加工性が悪
くなるからである。
【0011】本発明の請求項4記載の発明は、SnAu
合金よりなる次のいずれか一の二元合金を単独またはそ
れを主材料とし、Auが15〜38wt%、液相線温度
が280〜500℃、固相線温度が280℃ Auが38〜55wt%、液相線温度が360〜418
℃、固相線温度が305℃ Auが55〜70wt%、液相線温度が280〜340
℃、固相線温度が260℃ であることを特徴とするろう材である。ここで、Auを
15〜70wt%に限定する理由は、15wt%未満で
は溶融温度が高くなりすぎ、リフローが困難となり、7
0wt%を超えると溶融温度が低くなりすぎ、耐熱性が
確保できないからである。
【0012】本発明の請求項5記載の発明は、Zn10
0wt%よりなり、液相線温度および固相線温度が41
9℃であることを特徴とするろう材である。ここで、Z
n100wt%にする理由は、100wt%未満では、
低い温度の共晶線が現れたり、高い温度の液相線が現れ
たりするなどして、耐熱性やリフロー性が確保できない
からである。
【0013】本発明の請求項6記載の発明は、Bi10
0wt%よりなり、液相線温度および固相線温度が27
1℃であることを特徴とするろう材である。ここで、B
i100wt%にする理由は、100wt%未満では、
低い温度の共晶線や固相線が現れ耐熱性が確保できなく
なるからである。
【0014】本発明の請求項7記載の発明は、前記請求
項1〜6に記載のいずれかのろう材よりなるろう材層が
形成されていることを特徴とするろう付け部材である。
ろう材よりなるろう材層が形成されているろう付け部材
によれば、そのろう材層を利用して容易にろう付けがで
きる。
【0015】本発明の請求項8記載の発明は、前記請求
項1〜6に記載のいずれかのろう材よりなるろう材層が
形成され、このろう材層の表面を酸化防止膜で被覆して
いることを特徴とするろう付け部材である。ろう材層の
表面を酸化防止膜で被覆しておくことにより、酸化しや
すいろう材であっても、空気中での放置やろう付けの際
に、ろう材表面が酸化されることが防止できる。
【0016】本発明の請求項9記載の発明は、前記請求
項7に記載のろう付け部材どうし、またはこのろう付け
部材と他のろう付け部材とをろう付けすることを特徴と
するろう付け方法である。ろう材層を形成したろう付け
部材どうしは、それぞれに形成されたろう材層を溶融す
ることにより容易にろう付けできるし、ろう材層を形成
したろう付け部材はろう材層を溶融することによって他
のろう付け部材と容易にろう付けすることができる。
【0017】本発明の請求項10記載の発明は、前記請
求項8に記載のろう付け部材どうし、またはこのろう付
け部材と他のろう付け部材とをろう付けすることを特徴
とするろう付け方法である。ろう材よりなるろう材層が
形成され、このろう材層の表面を酸化防止膜で被覆して
いるろう付け部材は、そのろう材が酸化しやすいもので
あっても、その表面が酸化防止膜で被覆保護されている
ので、空気中におけるろう付けの際にろう材層が酸化さ
れることが防止でき、そのろう付け部材どうし、または
他のろう付け部材と確実にろう付けできる。
【0018】本発明の請求項11記載の発明は、前記請
求項7または8に記載のろう付け部材どうし、またはこ
のろう付け部材と他のろう付け部材とを、固相が残って
いる温度で、部分的に溶融した液相のみで最終的にろう
付けすることを特徴とするろう付け方法である。固相が
残っている温度で、部分的に溶融した液相のみで最終的
にろう付けすることにより、ろう材全体を溶融する場合
に比較して、ろう付け温度を低くすることができる。
【0019】
【実施例】本発明の実施例について、以下、図面を参照
して説明する。図1は本発明の実施例のろう付け部材で
ある円筒型水晶振動子用気密端子Aの斜視図を示す。図
において、1は円筒形の金属外環で、その内部にガラス
2を介して、2本のリード3,3が気密に封着されてい
る。前記金属外環1は、例えば低炭素鋼やFe−Ni合
金やFe−Ni−Co合金等よりなり、外径寸法が1〜
3mmのものである。前記ガラス2は、ソーダライムガ
ラスやソーダバリウムガラスやホウケイ酸ガラス等より
なる。前記リード3,3は、Fe−Ni合金やFe−N
i−Co合金等よりなり、外径寸法が0.15〜0.3
mmのものである。
【0020】図2は、ろう付け部材である前記気密端子
Aの金属部,すなわち金属外環1およびリード2,2
に、ろう材層4,4がめっき形成された状態の斜視図で
ある。前記ろう材層4,4は、例えば、めっきにより厚
さ5〜30μm程度に形成されている。前記ろう材層
4,4は、次の群から選択されたいずれか一のものであ
る。 SnCu:Sn95〜99wt%−Cu 1〜10w
t% 液相線温度/固相線温度=227〜470/227℃ SnZn:Sn10〜70wt%−Zn30〜90w
t% 液相線温度/固相線温度=232〜400/232℃ SnAu:Sn65〜80wt%−Au20〜35w
t% 液相線温度/固相線温度=280〜480/280℃ Zn:100wt% 液相線温度/固相線温度=419/419℃ Bi:100wt% 液相線温度/固相線温度=271/271℃
【0021】上記各種のろう材の、前述した各種要求特
性に対する評価結果を次に示す。
【表1】
【0022】図3は、前記気密端子Aに電子素子の一例
としての矩形状の水晶振動片5を固着した斜視図を示
す。水晶振動片5は、水晶片50の両面に電極51,5
2を形成したものである。そして、前記電極51,52
を、リード3,3に被着されているろう材層4,4に当
接させて、例えばレーザまたは熱風を局所的に照射する
方法等により、リード3,3に被着されているろう材層
4,4を溶融させることによって、リード3,3に電気
的に接続するとともに機械的に固着されている。
【0023】図4は、前記リード3,3に水晶振動片5
が固着された気密端子Aを、有底円筒状の金属キャップ
6に圧入して固着封止する前の状態を示した断面図、図
5は、気密端子Aを金属キャップ6に圧入して固着封止
する途中の状態を示した断面図、図6は、気密端子Aを
金属キャップ6に圧入して固着封止し終わった状態の水
晶振動子7の断面図である。
【0024】金属キャップ6は、例えば洋白と称せられ
るCu(45〜65wt%)−Ni(6〜35wt%)
−Zn(15〜35wt%)合金よりなり、その内径寸
法は、気密端子Aの金属外環1の外径寸法1.6mmよ
りも若干小径の例えば1.55mmに形成されている。
そして、金属キャップ6の開口端に気密端子Aを圧入す
ることにより、封止されている。したがって、図4の状
態から金属キャップ6の開口部への金属外環1の最初の
挿入を容易にするために、金属外環1の上端肩部は、図
示するように、丸みを帯びたなだらかな曲面に形成して
おくことが望ましい。そのような形状は、例えば、金属
外環1を板状材料から絞りプレス成形およびプレス打ち
抜きにより製造することにより得られる。
【0025】このような圧入封止は、金属キャップ6の
開口端が徐々に拡開されることによる金属外環1との強
い密着と、金属外環1の外周に被着されているろう材層
4が両者間を埋めていることと相俟って、十分な気密性
が得られる。なお、もし必要ならば、金属キャップ6の
内面にも、ろう材層を形成しておいてもよい。この圧入
封止時に、金属外環1の外径寸法と金属キャップ6の内
径寸法との関係から、ガラス2は強い圧縮応力を受ける
が、ガラスは圧縮応力には強いので、圧縮応力によって
破壊されることはない。このように、圧入封止は、溶融
ろう材による封止や低融点ガラスによる封止に比較し
て、封止時に加熱を必要としないので、設備的に有利で
あるのみならず、加熱によって水晶振動片5が劣化して
特性変動を生じるといったことがない。しかも、樹脂封
止に比較して、封止時または封止後に発生ガスによっ
て、水晶振動片5が劣化して特性変動を生じるといった
ことがない。
【0026】図7は、前記の水晶振動子7を、プリント
基板等の取付基板8の導電層9にろう材10によりろう
付けした状態を示す一部断面正面図である。すなわち、
水晶振動子7のリード3,3を、取付基板8の貫通孔8
a,8aに挿入して、取付基板8の下方からSnPb共
晶はんだの代替Pbフリーろう材を溶融させた溶融ろう
材10をリフローして、リード3,3を取付基板8の導
電層9にろう付けしたものである。このリフローに用い
るろう材10は、SnPb共晶はんだの代替品である、
例えばSnAg系やSnBi系の比較的低融点,すなわ
ち液相線温度が200℃未満のろう材が用いられる。こ
のリフロー用のろう材10の溶融点は、例えば気密端子
Aのリード3,3に被着されているろう材層4,4の液
相線温度に対して、30℃以上,より好ましくは50℃
以上の差があるものを使用する。そのような場合、水晶
振動子7の取付基板8の導電層9へのリフロー固着作業
時の加熱温度で、水晶振動片5を固着しているろう材層
4が溶融して、水晶振動片5がリード3,3から脱落す
ることがない。なお、リフロー時のピーク温度は約22
0〜260℃程度であり、ろう材層4の固相線温度を超
えても、そのピーク温度の実現時間が短時間、例えば1
0秒以内であれば、液相が出現することがなく、リフロ
ー時の耐熱性は確保される。
【0027】図8は、本発明の第2実施例のろう付け部
材およびろう付け方法について説明するための、ろう付
け前の状態を示す要部拡大断面図である。本実施例は、
ろう材が酸化しやすい場合の実施例である。すなわち、
例えばZnは、簡単にめっき形成できる利点があるが、
酸化しやすく空気中での放置またはろう付けが困難であ
る。そのため、ろう付け部材11,12の表面にZnよ
りなる厚さ5〜30μm程度のろう材よりなるろう材層
13,14を形成し、そのろう材層13,14の表面を
酸化防止膜の一例であるフラッシュSnめっきにより形
成した厚さが100〜1000オングストローム程度の
Sn膜15,16により被覆して、空気中における放置
時またはろう付け時の酸化を防止するものである。この
酸化防止用のSn膜15,16は、ろう付け時の加熱に
より比較的低温の198℃でろう材層13,14を構成
するZnと共晶を起こし、ろう材層13,14の表面の
みを溶融させて、ろう材層13,14どうしを仮固着状
態にした後、Znの溶融温度である419℃よりも高温
の,例えば450℃に加熱することによって溶融したろ
う材層13,14中に取り込まれてしまうので、何ら問
題になるものではない。
【0028】本発明のろう付け方法は、上記で説明した
SnCu,SnZn,ZnAuのいずれかの二元合金単
独またはそれを主材料とするろう材を、液相線温度以上
の温度で加熱することにより、完全に溶融してろう付け
する方法はもちろんのこと、固相がなお残っている温
度,すなわち、固相線温度と液相線温度との間の温度で
加熱し、固相および液相が混在した状態で凝固させるこ
とにより、溶融した液相のみで最終的なろう付けを完了
するようなろう付け方法をも含むものである。そのよう
なろう付け方法は、液相線温度以上の温度で加熱して、
ろう材を完全に溶融させるろう付け方法に比較して、ろ
う付け温度を低く設定できるため、ろう付け炉が安価に
なると共に、維持費が安くなるのみならず、ろう付け温
度を固相線温度と液相線温度との中間の任意の温度に設
定できるという利点がある。
【0029】なお、上記実施例は、ろう付け部材とし
て、直円筒型水晶振動子用の気密端子Aについて説明し
たが、図7に示すように、水晶振動子7をプリント基板
等の取付基板8の面に平行に取り付ける場合は、気密端
子および金属キャップを楕円形または長円形等の偏平形
にして、その偏平面を取付基板8の面に平行に取り付け
るようにしてもよい。そのようにすると組み付け高さを
低くすることができる。
【0030】また、図7に示したように水晶振動子7を
プリント基板等の取付基板8の透孔8aに挿通して低融
点ろう材10により組み付けるのに代えて、表面実装型
にしてもよい。図9は、一実施例の表面実装型水晶振動
子20の斜視図を示す。図9において、21は円筒型ま
たは偏平型の水晶振動子をエポキシ樹脂等の絶縁体21
で封止するとともに、そのリードと電気的に接続された
端子22,22を、絶縁体21の長手方向の一方または
両方から導出したものである。前記端子22,22は、
銅またはニッケルめっき銅等の板状導電体よりなり、絶
縁体21の厚さ方向の中途から水平方向に導出され、絶
縁体21の端面21aに沿って下方に折り曲げられた
後、絶縁体21の下端21bで再び水平方向に折り曲げ
られて絶縁体21の下面に沿う形状を有する。したがっ
て、前記表面実装型水晶振動子20をプリント基板等の
取付基板上面の導電体上に、クリームはんだ等を介して
配置し、クリームはんだ等の融点以上に加熱すれば、水
晶振動子20を表面実装することができる。
【0031】上記実施例の表面実装型水晶振動子20で
は、端子22,22を絶縁体21の長手方向の一方また
は両方から導出したものについて説明したが、絶縁体2
1の短手方向の一方または両方から導出するようにして
もよい。
【0032】なお、本発明の上記実施例は、特定のろう
付け部材およびろう付け方法について説明したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の精
神を逸脱しない範囲で、各種の変形が可能であることは
いうまでもない。
【0033】例えば、上記実施例においては、ろう付け
部材として、金属外環の形状が直円筒形状の圧入型水晶
振動子用の気密端子におけるリードと水晶振動片とのろ
う付けについて説明したが、もし、必要ならば、金属外
環1の形状を、高さ寸法の中途部から上方部を上部に行
くほど小径になるような傾斜面に形成するとともに、中
途部から下方を円筒状に形成してもよい。このような形
状によっても、金属外環の金属キャップへの最初の挿入
作業および圧入作業が容易になる。
【0034】また、上記実施例では、圧入封止型の水晶
振動子用の気密端子について説明したが、抵抗溶接封止
型や冷間圧接封止型の水晶振動子用の気密端子について
も、同様に実施できるものである。
【0035】さらにまた、上記実施例においては、水晶
振動子用の気密端子について説明したが、水晶振動子用
の気密端子以外の他の用途の電子部品用気密端子や半導
体装置等についても同様に実施できるものである。
【0036】また、電子部品や半導体装置以外のあらゆ
るろう付けの用途においても、同様に実施できる。
【0037】さらに、ろう材層の厚さも、実施例に記載
した範囲に限定されるものではなく、用途に応じて適宜
設定すればよい。
【0038】
【発明の効果】本発明のろう材は、SnCu,SnZ
n,SnAu,Zn,Biの群から選択されたいずれか
一の材料を単独またはそれを主材料とし、液相線温度が
200℃以上であることを特徴とするろう材であるか
ら、従来のような有害物質のPbを含まない,いわゆる
Pbフリーの比較的高融点のろう材が提供でき、環境問
題をクリアできるという作用効果を奏する。また、本発
明のろう付け部材は、前記記載のいずれか一のろう材を
単独またはそれを主材料とするろう材層が形成されてい
ることを特徴とするろう付け部材であるから、このろう
付け部材どうしを、または他のろう付け部材とを、その
ろう材層を利用して、簡単にろう付けできるろう付け部
材を提供できるという特有の作用効果を奏する。さらに
また、本発明のろう付け方法は、前記記載のろう材層を
形成したろう付け部材どうし、またはこのろう付け部材
と他のろう付け部材とを、そのろう材層を利用してろう
付けすることを特徴とするろう付け方法であるから、ろ
う付け部に別のろう材を供給することなく、簡単にろう
付けできるろう付け方法が提供できるという特有の作用
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用するろう付け部材の第1実施例
である円筒型水晶振動子用気密端子Aの斜視図
【図2】 本発明の第1実施例のろう材層を形成したろ
う付け部材である円筒型水晶振動子用気密端子Aの斜視
【図3】 本発明の第1実施例のろう付け部材である円
筒型水晶振動子用気密端子Aのリードに他のろう付け部
材の一例である水晶振動片を接続固着した斜視図
【図4】 本発明の第1実施例の水晶振動子用気密端子
Aを金属キャップの開口部に圧入する前の状態を示す断
面図
【図5】 本発明の第1実施例の水晶振動子用気密端子
Aを金属キャップの開口部に圧入しつつある状態を示す
断面図
【図6】 本発明の第1実施例の水晶振動子用気密端子
Aを金属キャップの開口部に圧入し終わった状態の水晶
振動子を示す断面図
【図7】 本発明の水晶振動子をプリント基板等の取付
基板にろう付けした状態を示す一部を断面で示す側面図
【図8】 本発明の第2実施例のろう付け部材およびろ
う付け方法について説明するための要部拡大断面図
【図9】 本発明のろう付け部材の他の例である表面実
装型水晶振動子の斜視図
【符号の説明】
A 気密端子 1 金属外環 2 ガラス 3 リード(ろう付け部材) 4 ろう材層 5 水晶振動片(他のろう付け部材) 6 金属キャップ 7 水晶振動子 8 取付基板(プリント基板) 9 導電層 10 低融点ろう材 11、12 ろう付け部材 13、14 ろう材層 15、16 酸化防止膜(Sn膜) 20 表面実装型水晶振動子 21 絶縁体 21a 端面 21b 下端 22 端子
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C22C 5/02 C22C 5/02 12/00 12/00 13/00 13/00 13/02 13/02 18/00 18/00 H03H 9/02 H03H 9/02 B H05K 3/34 512 H05K 3/34 512C B23K 101:42

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SnCu,SnZn,SnAu,Zn,B
    iの群から選択されたいずれか一の材料を単独またはそ
    れを主材料とし、液相線温度が200℃以上であること
    を特徴とするろう材。
  2. 【請求項2】SnCu合金よりなり、Cuが1〜10w
    t%の二元合金単独またはそれを主材料とし、液相線温
    度が227〜470℃、固相線温度が227℃であるこ
    とを特徴とするろう材。
  3. 【請求項3】SnZn合金よりなり、Znが30〜90
    wt%の二元合金単独またはそれを主材料とし、液相線
    温度が232〜400℃、固相線温度が232℃である
    ことを特徴とするろう材。
  4. 【請求項4】SnAu合金よりなり、次のいずれかの二
    元合金単独またはそれを主材料とし、 Auが15〜38wt% 液相線温度が280〜500
    ℃、固相線温度が280℃ Auが38〜55wt% 液相線温度が360〜418
    ℃、固相線温度が305℃ Auが55〜70wt% 液相線温度が280〜340
    ℃、固相線温度が260℃ であることを特徴とするろう材。
  5. 【請求項5】Zn100wt%よりなり、液相線温度お
    よび固相線温度が419℃であることを特徴とするろう
    材。
  6. 【請求項6】Bi100wt%よりなり、液相線温度お
    よび固相線温度が271℃であることを特徴とするろう
    材。
  7. 【請求項7】前記請求項1〜6に記載のいずれかのろう
    材よりなるろう材層が形成されていることを特徴とする
    ろう付け部材。
  8. 【請求項8】前記請求項1〜6に記載のいずれかのろう
    材よりなるろう材層が形成され、このろう材層の表面を
    酸化防止膜で被覆していることを特徴とするろう付け部
    材。
  9. 【請求項9】前記請求項7に記載のろう付け部材どう
    し、またはこのろう付け部材と他のろう付け部材とをろ
    う付けすることを特徴とするろう付け方法。
  10. 【請求項10】前記請求項8に記載のろう付け部材どう
    し、またはこのろう付け部材と他のろう付け部材とをろ
    う付けすることを特徴とするろう付け方法。
  11. 【請求項11】前記請求項7または8に記載のろう付け
    部材どうし、またはこのろう付け部材と他のろう付け部
    材とを、固相が残っている温度で、部分的に溶融した液
    相のみで最終的にろう付けすることを特徴とするろう付
    け方法。
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