JP5311171B2 - 有機ポリイソシアネート組成物、並びにそれを用いた塗料組成物及び接着剤組成物 - Google Patents
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Description
前記有機ポリイソシアネート(a1)の含有量が前記有機ポリイソシアネート組成物の全質量に対して50〜90質量%であり、前記親水性ポリオール(a2)の含有量が前記有機ポリイソシアネート組成物の全質量に対して5〜30質量%であり、前記希釈剤(B)の含有量が前記有機ポリイソシアネート組成物の全質量に対して5〜25質量%であること、
を特徴とするものである。
MR−200:NCO含有量が31.1%であるポリメリックMDI、日本ポリウレタン工業社製
MDI−1:MDIの含有量が100%で、MDI中の4,4’−MDIの含有量が82%のピュアMDI、日本ポリウレタン工業社製
HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート、日本ポリウレタン工業社製
80DE−40U:EO,POランダム重合体、EO含量80%、公称官能基数2、数平均分子量2000、日本油脂社製
MPEG−400:メトキシポリエチレングリコール、数平均分子量400、公称官能基数1、東邦化学社製
IPA:イソプロパノール、協栄溶剤社製
EH−P:パルミチン酸2−エチルヘキシル、花王社製、商品名「エキセパールEH−P」
CL−M:カプリン酸メチル、ライオン社製、商品名「パステルM−10」
2H−08:カプリル酸2−エチルヘキシル、ライオン社製、商品名「パステル2H−08」
DOM:マレイン酸ジ2−エチルヘキシル、大八化学社製
BA:酢酸ブチル、ゴードー溶剤社製
DBM:マレイン酸ジブチル、大八化学社製
DEM:マレイン酸ジメチル、大八化学社製
(実施例1〜8及び比較例1〜7)
<有機ポリイソシアネート組成物の調製>
実施例1においては、以下のようにして有機ポリイソシアネート組成物(A−1)を調製した。すなわち、攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応器を窒素置換した後、MDI−1を382.5部仕込み、80℃に加温した。その後、80DE−40Uを135部仕込み、攪拌しながら80℃にて3時間反応させて、反応生成物を得た。次に、得られた反応生成物に、ジラウリン酸ジオクチルスズ(DOTDL)を50ppm及びMR−200を382.5部仕込み、40℃にて1時間攪拌して、イソシアネート基末端プレポリマーを得た。
(I)評価方法
以下の方法によって、有機ポリイソシアネート組成物の樹脂粘度、浸透性、曲げ強さ、硬化性及び接着性を評価又は測定した。
B型回転粘度計を用いて、25℃における有機ポリイソシアネート組成物の樹脂粘度を測定した。
パーティクルボード(18Mタイプ市販品、密度:0.7g/cm3、含水率:8%、曲げ強さ18N/mm2、厚み:15mm)に、実施例及び比較例で得られた有機ポリイソシアネート組成物をフローコーターにて塗布量が100g/m2となるように均一に塗布した。そして、塗布面に有機ポリイソシアネート組成物が完全に浸透するまでの時間(浸透時間)を測定した。なお、有機ポリイソシアネート組成物の浸透性については、浸透時間が1000秒以下の場合を「○」と判定し、それ以外の場合を「×」と判定した。
パーティクルボード(18Mタイプ市販品、密度:0.7g/cm3、含水率:8%、曲げ強さ18N/mm2、厚み:15mm)の片面に、実施例及び比較例で得られた有機ポリイソシアネート組成物をフローコーターにて塗布量が100g/m2となるように均一に塗布した。その後、25℃の恒温室にて3日間放置して試料を得た。そして、得られた試料をJIS−A5908に記載の方法に準拠して曲げ試験を行い、試料の塗布面を下にした場合の曲げ強さを測定した。なお、有機ポリイソシアネート組成物の曲げ強さについては、有機ポリイソシアネート組成物が塗布されていない場合のパーティクルボードの曲げ強さ(18N/mm2)と比較して3N/mm2以上高い場合、すなわち21N/mm2以上の場合を「○」と判定し、18N/mm2以下の場合を「×」と判定し、それ以外の場合を「△」と判定した。
ガラス板に、実施例及び比較例で得られた有機ポリイソシアネート組成物をフローコーターにて塗布量が100g/m2となるように均一に塗布した。そして、塗布された有機ポリイソシアネート組成物が乾燥し、タック(ベタツキ)がなくなるまでの時間(硬化時間)を測定した。なお、有機ポリイソシアネート組成物の硬化性については、硬化時間が24時間以下の場合を「○」と判定し、それ以外の場合を「×」と判定した。
パーティクルボード(18Mタイプ市販品、密度:0.7g/cm3、含水率:8%、曲げ強さ18N/mm2、厚み:15mm)に、実施例及び比較例で得られた有機ポリイソシアネート組成物をフローコーターにて塗布量が100g/m2となるように均一に塗布した。その後、25℃の恒温室にて3日間放置してものを50mm×50mmの大きさに切断した。次に、切断したものを2枚準備し、それらの塗布面同士を酢酸ビニルエマルジョン系接着剤(コニシ社製、製品名「ボンド木工用」)を用いて接着し、その後、25℃の恒温室にて7日間放置して試料を得た。そして、得られた試料をJIS−A5908に記載の方法に準拠して剥離試験を行い、試料の接着面における接着強度を測定した。なお、試料の接着面がはがれずパーティクルボードが破壊された場合を「○」と判定し、また、試料の接着面がはがれ接着強度を測定することができた場合を「×」と判定した。
実施例1〜8及び比較例1〜7で得られた有機ポリイソシアネート組成物を用いて、有機ポリイソシアネート組成物の樹脂粘度、浸透性、曲げ強さ、硬化性及び接着性を評価又は測定した。なお、曲げ強さ及び接着性については、有機ポリイソシアネート組成物が塗布されていないパーティクルボード(比較例8)の評価も併せて行った。得られた結果を表3に示す。
<農産廃棄物ボードの作製>
麦藁を粉砕機にて3cm程度の長さに粉砕したチップを1kgブレンダーに投入した後に、攪拌しながら、実施例7で得られた有機ポリイソシアネート組成物(A−7)100gと水30gとを噴霧した。その後、噴霧されたチップをフォーミングした後に、プレス温度180℃、プレス圧力3.5MPa、プレス時間170秒の条件で、加熱圧縮して農産廃棄物ボードを得た(実施例9)。なお、得られた農産廃棄物ボードは、大きさが40cm×40cmであり、厚みが10mmであり、且つ密度が0.7g/cm3であるものであった。
実施例9及び比較例9で得られた農産廃棄物ボードを試料として、JIS−A5908に記載の方法に準拠して曲げ試験を行い曲げ強さを測定した。その結果、実施例9で得られた農産廃棄物ボードの曲げ強さは20N/mm2であり、比較例9で得られた農産廃棄物ボードの曲げ強さは15N/mm2であった。得られた結果からも明らかなように、本発明の有機ポリイソシアネート組成物を用いて農産廃棄物ボードを作製した場合(実施例9)には、十分な曲げ強さを有する農産廃棄物ボードが得られることが確認された。したがって、本発明の有機ポリイソシアネート組成物は、リグノセルロース系材料の熱圧成形体用の接着剤組成物として特に好適に用いることができることが確認された。
<オープンポア塗装用塗料組成物の調製>
実施例10においては、以下のようにして有機ポリイソシアネート組成物を調製した。すなわち、攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応器を窒素置換した後、HDIを870.8部仕込み、90℃に加温した。その後、MPEG−400を100部及びIPA29.2部仕込み、攪拌しながら90℃にて2時間反応させて、反応生成物を得た。次に、得られた反応生成物に、2−エチルへキサン酸ジルコニウムを0.1部仕込み、90℃にて3時間反応させ、さらに、リン酸を0.05部仕込み、50℃にて1時間の停止反応を行った。その後、温度130℃、圧力0.04kPaの条件にて減圧蒸留をして、イソシアネート基末端プレポリマー(A−16)を得た。なお、得られたイソシアネート基末端プレポリマーの収率、NCO含有量及び樹脂粘度、並びにイソシアネート基末端プレポリマー中におけるポリオール又はモノオールの含有量は表4に示すとおりであった。
(I)評価方法
以下の方法によって、有機ポリイソシアネート組成物をオイルフィニッシュとして用いた場合における、浸透性及び硬化性を評価又は測定した。
ベイツガの単板(長さ:10cm、幅:10cm、厚み1cm)に、実施例及び比較例で得られた有機ポリイソシアネート組成物を刷毛にて塗布量が80g/m2となるように均一に塗布した。そして、5分経過後に塗布面の有機ポリイソシアネート組成物を拭き取り、塗布面に浸透した有機ポリイソシアネート組成物の量(塗料浸透量)を測定した。なお、塗料組成物の浸透性については、塗料浸透量が40g/m2以上の場合を「○」と判定し、それ以外の場合を「×」と判定した。
ベイツガの単板(長さ:10cm、幅:10cm、厚み1cm)に、実施例及び比較例で得られた有機ポリイソシアネート組成物を刷毛にて塗布量が80g/m2となるように均一に塗布した。そして、5分経過後に塗布面の有機ポリイソシアネート組成物を拭き取り、その後、塗布面にタック(ベタツキ)がなくなるまでの時間(硬化時間)を測定した。なお、塗料組成物の硬化性については、硬化時間が10時間以下の場合を「○」と判定し、それ以外の場合を「×」と判定した。
実施例10及び比較例10、11で得られた有機ポリイソシアネート組成物を用いて、塗料組成物の浸透性及び硬化性を評価又は測定した。得られた結果を表6に示す。
Claims (4)
- 有機ポリイソシアネート(a1)と、公称平均官能基数が2〜4であり、オキシエチレン基含有量が30質量%以上であり、且つ数平均分子量が200〜6000のポリエーテルポリオールである親水性ポリオール(a2)とを反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマー(A)、並びに、パルミチン酸2−エチルヘキシル、カプリン酸メチル、カプリル酸2−エチルヘキシル及びマレイン酸ジ2−エチルヘキシルからなる群から選択される希釈剤(B)を含有する有機ポリイソシアネート組成物であり、
前記有機ポリイソシアネート(a1)の含有量が前記有機ポリイソシアネート組成物の全質量に対して50〜90質量%であり、前記親水性ポリオール(a2)の含有量が前記有機ポリイソシアネート組成物の全質量に対して5〜30質量%であり、前記希釈剤(B)の含有量が前記有機ポリイソシアネート組成物の全質量に対して5〜25質量%であること、
を特徴とする有機ポリイソシアネート組成物。 - 請求項1に記載の有機ポリイソシアネート組成物を含有することを特徴とする塗料組成物。
- 請求項1に記載の有機ポリイソシアネート組成物を含有することを特徴とする接着剤組成物。
- 請求項1に記載の有機ポリイソシアネート組成物を含有することを特徴とするリグノセルロース系材料の熱圧成形体用の接着剤組成物。
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