JP2023128071A - ポリイソシアネート組成物およびコーティング剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】破断強度、破断伸度および耐溶剤性を兼ね備えるポリウレタン樹脂を得ることができる、ポリイソシアネート組成物およびコーティング剤を提供すること。【解決手段】ポリイソシアネート組成物はイソシアネート基末端プレポリマーを含む。イソシアネート基末端プレポリマーはポリイソシアネート成分とポリオール成分との反応生成物を含む。ポリイソシアネート成分はペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体を含む。ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体はアルコール成分により部分変性されたペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体を含む。ポリオール成分の水酸基に対する前記ポリイソシアネート成分のイソシアネート基の当量比(NCO/OH)は3~8である。アルコール成分の水酸基に対するペンタメチレンジイソシアネートのイソシアネート基の第2当量比(NCO/OH)は60~600である。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリイソシアネート組成物およびコーティング剤に関する。
ポリウレタン樹脂は、通常、ポリイソシアネートと活性水素基含有化合物との反応により製造される。ポリウレタン樹脂は、例えば、コーティング材料、接着材料、粘着材料、および、エラストマーとして、各種産業分野において広範に使用されている。例えば、ポリウレタン樹脂は、任意の被塗物に塗布され、塗膜を形成する。これにより、ポリウレタン樹脂は、被塗物に各種物性を付与する。
ポリイソシアネートとしては、例えば、以下の方法で得られるポリイソシアネート組成物が、提案されている。すなわち、まず、ヘキサメチレンジイソシアネートと1価アルコールとを反応させ、その後、イソシアヌレート化反応させる。次いで、イソシアヌレート化反応により得られる反応生成物と、ポリエステルポリオールとを反応させる(例えば、特許文献1(合成例2、実施例5)参照。)。
特開2020-139017号公報
一方、ポリウレタン樹脂には、用途に応じて、破断強度、破断伸度および耐溶剤性の両立が要求される。しかし、上記のポリイソシアネート組成物を用いると、ポリウレタン樹脂の破断強度および耐溶剤性が十分ではない場合がある。
本発明は、破断強度、破断伸度および耐溶剤性を兼ね備えるポリウレタン樹脂を得ることができる、ポリイソシアネート組成物およびコーティング剤である。
本発明[1]は、イソシアネート基末端プレポリマーを含むポリイソシアネート組成物であって、前記イソシアネート基末端プレポリマーは、ポリイソシアネート成分と、ポリオール成分との反応生成物を含み、ポリイソシアネート成分は、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体を含み、前記ペンタメチレンジイソシアネートの前記イソシアヌレート誘導体は、アルコール成分により部分変性されたペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体を含み、前記ポリオール成分の水酸基に対する、前記ポリイソシアネート成分のイソシアネート基の第1当量比(NCO/OH)が、3.0以上8.0以下であり、前記アルコール成分の水酸基に対する、前記ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアネート基の第2当量比(NCO/OH)が、60以上600以下である、ポリイソシアネート組成物を、含んでいる。
本発明[2]は、前記ペンタメチレンジイソシアネートの前記イソシアヌレート誘導体は、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート1核体を含み、前記ペンタメチレンジイソシアネートの前記イソシアヌレート1核体は、イソシアヌレート基を1つ含有し、3分子のペンタメチレンジイソシアネートを含む誘導体化合物であり、前記第ペンタメチレンジイソシアネートの前記イソシアヌレート誘導体をゲルパーミエーションクロマトグラフ測定したときのクロマトグラムにおいて、前記ペンタメチレンジイソシアネートの前記イソシアヌレート1核体に相当するピークの面積の、全ピークの面積に対する面積率が、40%以上である、上記[1]に記載のポリイソシアネート組成物を、含んでいる。
本発明[3]は、前記ポリオール成分の数平均分子量が、200以上1000以下である、上記[1]または[2]に記載のポリイソシアネート組成物を、含んでいる。
本発明[4]は、前記ポリオール成分の平均水酸基数が、2である、上記[1]~[3]のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物を、含んでいる。
本発明[5]は、主剤および硬化剤を含み、前記主剤が、マクロポリオールを含み、前記硬化剤が、上記[1]~[4]のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物を含む、コーティング剤を、含んでいる。
本発明のポリイソシアネート組成物において、イソシアネート基末端プレポリマーを得るためのポリイソシアネート成分が、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体を含んでいる。ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体は、アルコール成分により部分変性されたペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体を含んでいる。また、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体において、ペンタメチレンジイソシアネートとアルコール成分との比率(当量比)は、所定の範囲である。そして、イソシアネート基末端プレポリマーは、上記のポリイソシアネート成分と、ポリオール成分とを、所定の比率(当量比)で反応させた反応生成物を含む。
そのため、上記のポリイソシアネート組成物によれば、優れた破断強度、破断伸度および耐溶剤性を有するポリウレタン樹脂が、得られる。
また、本発明のコーティング剤は、上記のポリイソシアネート組成物を含む。そのため、このようなコーティング剤によれば、優れた破断強度、破断伸度および耐溶剤性を有するポリウレタン樹脂が、得られる。
図1は、合成例1のペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体をゲルパーミエーションクロマトグラフ測定したときのクロマトグラムである。
本発明のポリイソシアネート組成物は、イソシアネート基末端プレポリマーを含んでいる。ポリイソシアネート組成物は、好ましくは、イソシアネート基末端プレポリマーからなる。
イソシアネート基末端プレポリマーは、ポリイソシアネート成分と、ポリオール成分との反応生成物を含む。好ましくは、イソシアネート基末端プレポリマーは、ポリイソシアネート成分と、ポリオール成分との反応生成物からなる。
ポリイソシアネート成分は、ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)のイソシアヌレート誘導体を含んでいる。
ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体は、アルコール成分により部分変性されたペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体を含む。
ペンタメチレンジイソシアネートとしては、1,2-ペンタメチレンジイソシアネート(1,2-ペンタンジイソシアネート)、1,3-ペンタメチレンジイソシアネート(1,3-ペンタンジイソシアネート)、1,4-ペンタメチレンジイソシアネート(1,4-ペンタンジイソシアネート)、および、1,5-ペンタメチレンジイソシアネート(1,5-ペンタンジイソシアネート)が挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。ペンタメチレンジイソシアネートとして、好ましくは、1,5-ペンタメチレンジイソシアネート(1,5-ペンタンジイソシアネート)が挙げられる。
アルコール成分としては、例えば、低分子量アルコールが挙げられる。低分子量アルコールは、1分子中に水酸基を1つ以上有し、比較的低分子量の有機化合物である。なお、比較的低分子量とは、分子量200未満を示す(以下同様)。
低分子量アルコールとしては、例えば、脂肪族低分子量アルコールおよび芳香族低分子量アルコールが挙げられ、好ましくは、脂肪族低分子量アルコールが挙げられる。脂肪族低分子量アルコールとしては、例えば、炭素数1~12の脂肪族低分子量アルコールが挙げられる。また、脂肪族低分子量アルコールとしては、脂肪族低分子量モノオール(1価アルコール)および脂肪族低分子量ポリオール(2価以上のアルコール)が挙げられる。
脂肪族低分子量モノオールは、1分子中に水酸基を1つ有し、比較的低分子量の脂肪族有機化合物である。脂肪族低分子量モノオールとしては、例えば、炭素数1~12の脂肪族低分子量1価アルコールが挙げられる。炭素数1~12の脂肪族低分子量1価アルコールとしては、例えば、炭素数1~12のアルキルアルコールが挙げられる。炭素数1~12のアルキルアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、s-ブタノール、t-ブタノール、2-エチルヘキシルアルコール、および、ラウリルアルコールが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
脂肪族低分子量ポリオールは、1分子中に水酸基を2つ以上有し、比較的低分子量の脂肪族有機化合物である。脂肪族低分子量ポリオールとしては、炭素数1~12の脂肪族低分子量ポリオールが挙げられる。また、脂肪族低分子量ポリオールとしては、例えば、脂肪族低分子量2価アルコール、脂肪族低分子量3価アルコール、および、脂肪族低分子量4価以上アルコールが挙げられる。
より具体的には、脂肪族低分子量ポリオールとしては、例えば、炭素数1~12の脂肪族低分子量2価アルコール、炭素数1~12の脂肪族低分子量3価アルコール、および、炭素数1~12の脂肪族低分子量4価以上アルコールが挙げられる。炭素数1~12の脂肪族低分子量2価アルコールとしては、例えば、炭素数1~12のアルキレンジオールが挙げられる。炭素数1~12アルキレンジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオールおよびネオペンチルグリコールが挙げられる。炭素数1~12の脂肪族低分子量3価アルコールとしては、例えば、グリセリンおよびトリメチロールプロパンが挙げられる。炭素数1~12の脂肪族低分子量4価以上のアルコールとしては、例えば、ペンタエリスリトールおよびジグリセリンが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
低分子量アルコールは、単独使用または2種類以上併用できる。低分子量アルコールの分子量(併用される場合には、平均分子量(以下同様))は、例えば、200未満、好ましくは、150未満である。また、低分子量アルコールの分子量は、例えば、40以上、好ましくは、50以上である。
アルコール成分の平均水酸基数は、破断伸度の観点から、例えば、1以上である。また、ポリオール成分の平均水酸基数は、例えば、3以下、好ましくは、2以下である。ポリオール成分の平均水酸基数は、とりわけ好ましくは、1である。
より具体的には、アルコール成分として、好ましくは、破断強度、破断伸度および耐溶剤性を兼ね備えるポリウレタン樹脂を得る観点から、炭素数1~12の脂肪族低分子量アルコールが挙げられ、より好ましくは、炭素数1~12の脂肪族低分子量1価アルコール、および、炭素数1~12の脂肪族低分子量2価アルコールが挙げられ、より好ましくは、炭素数1~8の脂肪族低分子量1価アルコールが挙げられ、さらに好ましくは、炭素数1~4の脂肪族低分子量1価アルコールが挙げられ、とりわけ好ましくは、イソブチルアルコールが挙げられる。
ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体は、例えば、以下の方法で得られる。この方法では、まず、ペンタメチレンジイソシアネートを、アルコール成分により部分変性(アルコール変性)する。次いで、部分変性されたペンタメチレンジイソシアネートを、イソシアヌレート化反応させる。
より具体的には、この方法では、まず、ペンタメチレンジイソシアネートとアルコール成分とを、所定の割合で配合し、ペンタメチレンジイソシアネートを、アルコール成分で部分的に変性する。
ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体において、ペンタメチレンジイソシアネートとアルコール成分との配合割合は、アルコール成分の水酸基に対する、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアネート基の当量比(第2当量比、NCO/OH)が、所定の範囲となるように、調整される。
より具体的には、アルコール成分の水酸基に対する、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアネート基の第2当量比(NCO/OH)は、60以上、好ましくは、65以上である。また、アルコール成分の水酸基に対する、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアネート基の第2当量比(NCO/OH)が、600以下、好ましくは、500以下、より好ましくは、400以下、さらに好ましくは、300以下、さらに好ましくは、200以下、とりわけ好ましくは、100以下である。
アルコール変性における変性条件(反応条件)は、特に制限されず、適宜設定される。例えば、反応方法としては、例えば、バルク重合および溶液重合が挙げられる。また、環境条件は、不活性ガス雰囲気下、および、常圧(大気圧)下である。また、反応温度が、例えば、20℃以上、好ましくは、50℃以上、より好ましくは、70℃以上である。また、反応温度が、例えば、100℃以下、好ましくは、90℃以下、より好ましくは、80℃以下である。また、反応時間が、例えば、30分以上、好ましくは、1時間以上である。また、反応時間が、例えば、12時間以下、好ましくは、6時間以下である。
また、アルコール変性では、必要に応じて、公知の有機溶剤を、適宜の割合で添加できる。また、アルコール変性では、必要に応じて、公知のウレタン化触媒を、適宜の割合で添加できる。さらに、アルコール変性では、必要に応じて、公知の添加剤を、適宜の割合で添加できる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐光安定剤および助触媒が挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
これにより、アルコール変性の反応生成液(以下、アルコール変性液)が得られる。アルコール変性液は、アルコール成分によるペンタメチレンジイソシアネートの部分変性体である。
より具体的には、上記のアルコール変性では、ペンタメチレンジイソシアネートの一部の分子が、アルコール変性される。つまり、アルコール変性液には、アルコール変性されたペンタメチレンジイソシアネート(アルコール変性PDI)が含まれる。
また、上記のアルコール変性では、ペンタメチレンジイソシアネートの残部(アルコール変性される上記一部に対する残部)の分子は、アルコール変性されずに残存する。つまり、アルコール変性液には、アルコール変性されていないペンタメチレンジイソシアネート(アルコール未変性PDI)が含まれる。
すなわち、アルコール変性液は、アルコール変性PDIとアルコール未変性PDIとを含むPDI組成物を含む。換言すると、PDI組成物は、アルコール成分によるペンタメチレンジイソシアネートの部分変性体であり、アルコール変性液に含有されている。
次いで、この方法では、上記のアルコール変性液に、イソシアヌレート化触媒を添加し、必要により加熱する。これにより、アルコール変性液に含まれるイソシアネート基(ペンタメチレンジイソシアネートのアルコール変性体のイソシアネート基、および、未変性のペンタメチレンジイソシアネートのイソアネート基)を、イソシアヌレート化反応させる。
イソシアヌレート化触媒としては、例えば、テトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド、トリアルキルヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド、これらの有機弱酸塩、アルキルカルボン酸の金属塩、β-ジケトンの金属キレート化合物、フリーデル・クラフツ触媒、有機金属化合物、および、アミノシリル基含有化合物が挙げられる。好ましくは、アルキルカルボン酸の金属塩が挙げられる。アルキルカルボン酸としては、例えば、酢酸、カプロン酸、オクチル酸、ミリスチン酸およびナフテン酸が挙げられる。金属塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、錫塩、亜鉛塩および鉛塩が挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
イソシアヌレート化触媒は、溶液および/または分散液として用いられていてもよい。イソシアヌレート化触媒の溶液および/または分散液は、上記のイソシアヌレート化触媒と、公知の有機溶剤とを含有する。有機溶剤としては、例えば、アルキルエステル類、アルコール類、エーテル類、ケトン類およびニトリル類が挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。溶液の固形分濃度(イソシアヌレート化触媒の含有割合)は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
なお、イソシアヌレート化触媒の溶液が、アルコール類を含有する場合、そのアルコール類は、触媒に対する溶媒である。溶媒としてのアルコール類は、上記したアルコール成分とは区別される。より具体的には、溶媒としてのアルコール類の量は、アルコール成分の量に比べて、僅かである。より具体的には、溶媒としてのアルコール類の量は、ペンタメチレンジイソシアネート100質量部に対して、例えば、1質量部以下、好ましくは、0.5質量部以下である。
イソシアヌレート化触媒(固形分換算)の添加割合は、ペンタメチレンジイソシアネート100質量部に対して、例えば、0.001質量部以上、好ましくは、0.01質量部以上である。また、イソシアヌレート化触媒(固形分換算)の添加割合は、ペンタメチレンジイソシアネート100質量部に対して、例えば、3.0質量部以下、好ましくは、1.0質量部以下である。なお、イソシアヌレート化触媒の添加方法は、一括添加であってもよく、分割添加であってもよい。
イソシアヌレート化反応の反応条件は、特に制限されず、適宜設定される。例えば、反応方法としては、例えば、バルク重合および溶液重合が挙げられる。また、環境条件は、不活性ガス雰囲気下、および、常圧(大気圧)下である。また、反応温度が、例えば、20℃以上、好ましくは、50℃以上、より好ましくは、70℃以上である。また、反応温度が、例えば、200℃以下、好ましくは、150℃以下、より好ましくは、130℃以下である。また、反応時間が、例えば、30分以上、好ましくは、1時間以上である。また、反応時間が、例えば、12時間以下、好ましくは、6時間以下である。
また、イソシアヌレート化反応では、必要に応じて、公知の有機溶剤を、適宜の割合で添加できる。また、イソシアヌレート化反応では、必要に応じて、公知の添加剤を、適宜の割合で添加できる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐光安定剤および助触媒が挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
そして、上記のイソシアヌレート化反応では、好ましくは、触媒失活剤を、任意のタイミングで添加する。これにより、イソシアヌレート化反応を、停止させる。触媒失活剤としては、例えば、リン酸、モノクロロ酢酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、オルトトルエンスルホン酸、ベンゾイルクロリド、p-トルエンスルホンアミド、および、o-トルエンスルホンアミドが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。触媒失活剤の配合割合は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
触媒失活剤を添加するタイミングは、例えば、イソシアネート基のイソシアヌレート転化率(以下、イソシアネート基転化率)が所定値に到達した時点である。イソシアネート基転化率は、例えば、2質量%以上、好ましくは、5質量%以上、より好ましくは、8質量%以上である。また、イソシアネート基転化率は、例えば、30質量%以下、好ましくは、25質量%以下、より好ましくは、15質量%以下である。なお、イソシアネート基の転化率は、公知の測定方法によって求めることができる。測定方法としては、例えば、ジ-n-ブチルアミンによる滴定法、および、FT-IR分析が挙げられる(以下同様)。
これにより、イソシアヌレート化反応の反応生成液(以下、イソシアヌレート化反応液)が得られる。
イソシアヌレート化反応液は、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体を含有する。
ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体は、上記のアルコール変性液(アルコール変性PDIと、アルコール未変性PDIとを含むPDI組成物)をイソシアヌレート化させて得られるイソシアヌレート組成物である。
つまり、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体は、アルコール成分により部分変性されたペンタメチレンジイソシアネートをイソシアヌレート化させて得られるイソシアヌレート組成物である。
言い換えると、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体は、アルコール変性されたペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレートと、アルコール変性されていないペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレートとを含む。
ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体は、好ましくは、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート1核体を、所定割合で含有する。イソシアヌレート1核体は、イソシアヌレート基を1つ含有し、3分子のペンタメチレンジイソシアネートを含む誘導体化合物である。すなわち、イソシアヌレート1核体は、3分子のペンタメチレンジイソシアネートを含むイソシアネート3分子体である。
なお、3分子のペンタメチレンジイソシアネートのそれぞれは、アルコール変性PDIであってもよく、アルコール未変性PDIであってもよい。
ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート1核体の含有割合は、破断強度および耐溶剤性の観点から、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体の総量に対して、例えば、20質量%以上、好ましくは、30質量%以上、より好ましくは、40質量%以上である。また、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート1核体の含有割合は、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体の総量に対して、例えば、70質量%以下、好ましくは、60質量%以下、より好ましくは、50質量%以下である。
なお、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート1核体の含有割合は、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体をゲルパーミエーションクロマトグラフにて測定(GPC測定)したときのクロマトグラムに基づいて、算出される。
GPC測定において、GPC測定装置およびGPC測定方法は、特に制限されず、各ピークの各面積率を算出できる分解能を有する装置および方法が、適宜採用される。
また、各ピークの各面積率の算出方法は、特に制限されないが、通常、GPC測定で得られるクロマトグラムの各ピークを垂直分割し、垂直分割された各ピークの面積の比率を、面積百分率法によって算出する。
そして、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体のGPC測定により得られるクロマトグラムにおいて、イソシアヌレート1核体に由来するピークを同定することにより、そのピークの面積率を、イソシアヌレート1核体含有率とする。
より具体的には、イソシアヌレート1核体に由来するピークは、例えば、ポリスチレン換算分子量(平均分子量)に基づいて、同定される。例えば、ポリスチレン換算分子量(数平均分子量)400以上480未満の範囲にピークトップを有するピークを、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート1核体に由来するピークであると同定する。
そして、ポリスチレン換算分子量(数平均分子量)400以上480未満の範囲にピークトップを有するピークの面積の、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体に起因する全ピーク(未反応のペンタメチレンジイソシアネートに起因するピークを除く。)の面積に対する面積率(以下、Mn400-480面積率、または、イソシアヌレート1核体面積率と称する場合がある。)を、イソシアヌレート1核体含有率とする。
イソシアヌレート1核体面積率(例えば、Mn400-480面積率)は、例えば、20%以上、好ましくは、30%以上、より好ましくは、40%以上である。また、イソシアヌレート1核体面積率(例えば、Mn400-480面積率)は、例えば、70%以下、好ましくは、60%以下、より好ましくは、50%以下である。
また、イソシアヌレート化反応液(すなわち、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体)は、ペンタメチレンジイソシアネートのアロファネートを含むことができる。
より具体的には、上記イソシアヌレート化触媒は、アロファネート化触媒として兼用される場合がある。つまり、イソシアヌレート化反応により、ペンタメチレンジイソシアネートのアロファネートが、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレートとともに、生成する場合がある。このような場合、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体(アルコール変性されたペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート、および、アルコールに変性されていないペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレートを含む。)は、ペンタメチレンジイソシアネートのアロファネートを含有する。
換言すると、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体は、イソシアヌレートおよびアロファネートを含むイソシアヌレート誘導体組成物であってもよい。イソシアヌレート誘導体組成物において、アロファネート基の含有割合は、イソシアヌレート基とアロファネート基との総量に対して、例えば、50質量%未満、好ましくは、45質量%未満、より好ましくは、40質量%未満である(以下同様)。
また、イソシアヌレート化反応液は、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体の他、例えば、未反応のペンタメチレンジイソシアネートを含むことができる。
未反応のペンタメチレンジイソシアネートは、イソシアヌレート化されていないペンタメチレンジイソシアネートであり、アルコール変性PDIであってもよく、アルコール未変性PDIであってもよい。
イソシアヌレート化反応液が、未反応のペンタメチレンジイソシアネートを含む場合、必要に応じて、公知の方法で、イソシアヌレート化反応液から、未反応のペンタメチレンジイソシアネートを、分離できる。分離方法としては、例えば、蒸留法および抽出法が挙げられる。なお、分離条件は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
また、イソシアヌレート化反応液は、有機溶剤、ウレタン化触媒および/またはイソシアヌレート化触媒を含む場合がある。このような場合、必要に応じて、イソシアヌレート化反応液から、有機溶剤、ウレタン化触媒および/またはイソシアヌレート化触媒を、公知の方法で分離できる。分離方法としては、例えば、蒸留法および抽出法が挙げられる。なお、分離条件は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
好ましくは、イソシアヌレート化反応液から、未反応のペンタメチレンジイソシアネート、有機溶剤、ウレタン化触媒および/またはイソシアヌレート化触媒が分離される。これにより、好ましくは、イソシアヌレート化反応液は、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体からなる。
イソシアヌレート化反応液のイソシアネート基濃度は、例えば、5.0質量%以上、好ましくは、10.0質量%以上である。また、イソシアヌレート化反応液のイソシアネート基濃度は、例えば、40.0質量%以下、好ましくは、35.0質量%以下、より好ましくは、30.0質量%以下である。なお、イソシアネート基濃度は、公知の測定方法によって求めることができる。測定方法としては、例えば、ジ-n-ブチルアミンによる滴定法、および、FT-IR分析が挙げられる(以下同様)。
また、ポリイソシアネート成分は、上記のペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体を含有していれば、さらに、その他のポリイソシアネートを含有できる。
その他のポリイソシアネートは、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体を除くポリイソシアネートである。その他のポリイソシアネートとしては、例えば、公知のポリイソシアネート単量体および公知のポリイソシアネート誘導体が挙げられる。
ポリイソシアネート単量体としては、ペンタメチレンジイソシアネート単量体を除くポリイソシアネート単量体が挙げられ、より具体的には、例えば、公知の脂肪族ポリイソシアネート(ペンタメチレンジイソシアネートを除く。)、公知の脂環族ポリイソシアネート、公知の芳香脂肪族ポリイソシアネート、および、公知の芳香族ポリイソシアネートが挙げられる。
ポリイソシアネート誘導体としては、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体を除くポリイソシアネート誘導体が挙げられ、より具体的には、上記ポリイソシアネート単量体の誘導体が挙げられる。誘導体としては、例えば、多量体、イソシアヌレート誘導体、アロファネート誘導体、ビウレット誘導体、ウレトジオン誘導体、ポリオール付加体、ウレア誘導体、オキサジアジントリオン誘導体およびカルボジイミド誘導体が挙げられる。ポリイソシアネート誘導体は、単独使用または2種類以上併用できる。
その他のポリイソシアネートの含有割合は、本発明の優れた効果を阻害しない範囲において、適宜設定される。その他のポリイソシアネートの含有割合は、ポリイソシアネート成分の総量に対して、例えば、30質量%以下、好ましくは、20質量%以下、より好ましくは、10質量%以下、さらに好ましくは、5質量%以下、とりわけ好ましくは、0質量%である。
換言すると、ポリイソシアネート成分は、好ましくは、その他のポリイソシアネートを含まず、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体からなる。
ポリオール成分としては、例えば、高分子量ポリオールは、1分子中に水酸基を2つ以上有し、比較的高分子量の有機化合物である。なお、比較的高分子量とは、数平均分子量200以上、好ましくは、数平均分子量300以上を示す(以下同様)。
高分子量ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール、エポキシポリオール、植物油ポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、フッ素ポリオールおよびビニルモノマー変性ポリオールが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。高分子量ポリオールとして、好ましくは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールが挙げられ、より好ましくは、ポリカーボネートポリオールが挙げられる。
高分子量ポリオールは、単独使用または2種類以上併用できる。高分子量ポリオールの数平均分子量は、例えば、200以上、好ましくは、300以上、より好ましくは、400以上である。また、高分子量ポリオールの数平均分子量は、例えば、5000以下、好ましくは、2000以下、より好ましくは、1000以下、さらに好ましくは、800以下、とりわけ好ましくは、600以下である。
また、ポリオール成分として、上記した低分子量ポリオールを用いることもできる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
ポリオール成分は、単独使用または2種類以上併用できる。ポリオール成分として、好ましくは、高分子量ポリオールが挙げられる。ポリオール成分は、好ましくは、高分子量ポリオールからなる。
換言すると、ポリオール成分の数平均分子量は、例えば、200以上、好ましくは、300以上、より好ましくは、400以上である。また、ポリオール成分の数平均分子量は、例えば、5000以下、好ましくは、2000以下、より好ましくは、1000以下、さらに好ましくは、800以下、とりわけ好ましくは、600以下である。
ポリオール成分の平均水酸基数は、破断伸度の観点から、例えば、2以上である。また、ポリオール成分の平均水酸基数は、例えば、4以下、好ましくは、3以下である。ポリオール成分の平均水酸基数は、とりわけ好ましくは、2である。
より具体的には、ポリオール成分として、好ましくは、破断強度、破断伸度および耐溶剤性を兼ね備えるポリウレタン樹脂を得る観点から、2価のポリエーテルポリオール、2価のポリエステルポリオール、および、2価のポリカーボネートポリオールが挙げられ、さらに好ましくは、2価のポリカーボネートポリオールが挙げられる。
ポリイソシアネート組成物において、イソシアネート基末端プレポリマーは、例えば、上記のポリイソシアネート成分と上記のポリオール成分との反応生成物として得られる。好ましくは、イソシアネート基末端プレポリマーは、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とがプレポリマー化反応した反応生成物である。ポリイソシアネート成分と、ポリオール成分とは、例えば、以下の方法でプレポリマー化反応する。
より具体的には、イソシアネート基末端プレポリマーの製造では、ポリイソシアネート成分と、ポリオール成分とを、所定の割合で配合し、プレポリマー化反応させる。プレポリマー化反応における配合割合は、ポリオール成分の水酸基に対する、ポリイソシアネート成分のイソシアネート基の当量比(第1当量比、NCO/OH)が、所定の範囲となるように、調整される。
より具体的には、ポリオール成分の水酸基に対する、ポリイソシアネート成分のイソシアネート基の第1当量比(NCO/OH)は、3.0以上、好ましくは、4.0以上、より好ましくは、5.0以上、さらに好ましくは、5.5以上である。また、ポリオール成分の水酸基に対する、ポリイソシアネート成分のイソシアネート基の第1当量比(NCO/OH)が、8.0以下、好ましくは、7.5以下、より好ましくは、7.0以下、さらに好ましくは、6.5以下である。
プレポリマー化反応の反応条件は、特に制限されず、適宜設定される。例えば、反応方法としては、例えば、バルク重合および溶液重合が挙げられる。また、環境条件は、不活性ガス雰囲気下、および、常圧(大気圧)下である。また、反応温度が、例えば、20℃以上、好ましくは、50℃以上、より好ましくは、70℃以上である。また、反応温度が、例えば、150℃以下、好ましくは、120℃以下、より好ましくは、100℃以下である。また、反応時間が、例えば、30分以上、好ましくは、1時間以上である。また、反応時間が、例えば、12時間以下、好ましくは、6時間以下である。
また、プレポリマー化反応では、必要に応じて、公知の有機溶剤を、適宜の割合で添加できる。また、プレポリマー化反応では、必要に応じて、公知のプレポリマー化触媒を、適宜の割合で添加できる。さらに、プレポリマー化反応では、必要に応じて、公知の添加剤を、適宜の割合で添加できる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐光安定剤および助触媒が挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
これにより、プレポリマー化反応の反応生成液(以下、プレポリマー化反応液)が得られる。プレポリマー化反応液は、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とのプレポリマー化反応生成物を含む。また、プレポリマー化反応液は、例えば、未反応のポリイソシアネート成分を含むことができる。
プレポリマー化反応液が、未反応のポリイソシアネート成分を含む場合、必要に応じて、公知の方法で、プレポリマー化反応液から、未反応のポリイソシアネート成分を、分離できる。分離方法としては、例えば、蒸留法および抽出法が挙げられる。なお、分離条件は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
また、プレポリマー化反応液は、有機溶剤および/またはウレタン化触媒を含む場合がある。このような場合、必要に応じて、プレポリマー化反応液から、有機溶剤および/またはウレタン化触媒を、公知の方法で分離できる。分離方法としては、例えば、蒸留法および抽出法が挙げられる。なお、分離条件は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
プレポリマー化反応液のイソシアネート基濃度は、例えば、3.0質量%以上、好ましくは、5.0質量%以上である。また、プレポリマー化反応液のイソシアネート基濃度は、例えば、20.0質量%以下、好ましくは、18.0質量%以下、より好ましくは、16.0質量%以下である。
ポリイソシアネート組成物は、上記のイソシアネート基末端プレポリマーを含む。また、ポリイソシアネート組成物は、添加剤を含むことができる。任意成分として、添加剤を含むことができる。添加剤としては、例えば、ウレタン化触媒、触媒活性調整剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐光安定剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤、離型剤、顔料、染料、滑剤、フィラー、加水分解防止剤、防錆剤およびブルーイング剤が挙げられる。なお、添加剤の添加量および添加タイミングは、目的および用途に応じて、適宜設定される。
また、ポリイソシアネート組成物は、有機溶剤を含んでいてもよく、また、有機溶剤を含んでいなくともよい。ポリイソシアネート組成物は、好ましくは、溶剤を含まない。ポリイソシアネート組成物の固形分濃度は、例えば、95質量%以上、好ましくは、99質量%以上である。また、ポリイソシアネート組成物の固形分濃度は、例えば、100質量%以下である。
また、ポリイソシアネート組成物(固形分(以下同じ))において、イソシアネートモノマー濃度(未反応のペンタメチレンジイソシアネートの濃度)は、例えば、5質量%以下、好ましくは、2質量%以下、より好ましくは、1質量%以下である。また、イソシアネートモノマー濃度(未反応のペンタメチレンジイソシアネートの濃度)は、通常、0質量%以上である。
また、ポリイソシアネート組成物のイソシアネート基濃度(固形分基準)は、例えば、10質量%以上、好ましくは、15質量%以上である。また、ポリイソシアネート組成物のイソシアネート基濃度は、例えば、30質量%以下、好ましくは、25質量%以下である。なお、イソシアネート基濃度は、公知の測定方法によって求めることができる。
そして、上記のポリイソシアネート組成物において、イソシアネート基末端プレポリマーを得るためのポリイソシアネート成分が、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体を含んでいる。ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体は、アルコール成分により部分変性されたペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレートを含んでいる。また、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体において、ペンタメチレンジイソシアネートとアルコール成分との比率(当量比)は、所定の範囲である。そして、イソシアネート基末端プレポリマーは、上記のポリイソシアネート成分と、ポリオール成分とを、所定の比率(当量比)で反応させた反応生成物を含む。
そのため、上記のポリイソシアネート組成物によれば、優れた破断強度、破断伸度および耐溶剤性を有するポリウレタン樹脂が、得られる。
このような上記ポリイソシアネート組成物は、ポリウレタン樹脂の原料成分として、好適に用いられる。ポリウレタン樹脂の形態としては、特に制限されないが、例えば、1液硬化型ポリウレタンおよび2液硬化型ポリウレタンが挙げられ、好ましくは、2液硬化型ポリウレタンが挙げられる。2液硬化型ポリウレタンとしては、例えば、塗料、接着剤、および、コーティング剤が挙げられ、好ましくは、コーティング剤が挙げられる。
コーティング剤は、主剤と硬化剤とを備える樹脂キットである。主剤および硬化剤は、それぞれ独立したパッケージとして調製され、それらが使用時に混合される。そして、混合物の塗布および硬化により、ポリウレタン樹脂が形成される。
主剤は、例えば、マクロポリオールを含有する。マクロポリオールとしては、例えば、上記した高分子量ポリオールが挙げられる。マクロポリオールとして、より具体的には、例えば、上記したポリエーテルポリオール、上記したポリエステルポリオール、上記したポリカーボネートポリオール、上記したポリウレタンポリオール、上記したエポキシポリオール、上記した植物油ポリオール、上記したポリオレフィンポリオール、上記したアクリルポリオール、上記したフッ素ポリオールおよび上記したビニルモノマー変性ポリオールが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。マクロポリオールとして、好ましくは、アクリルポリオールおよびフッ素ポリオールが挙げられ、より好ましくは、アクリルポリオールが挙げられる。
硬化剤は、上記のポリイソシアネート組成物を含む。なお、上記のポリイソシアネート組成物は、必要により、公知の溶剤に溶解される。
そして、主剤および硬化剤は、個別に準備され、使用時に配合される。主剤および硬化剤の配合割合は、例えば、主剤(マクロポリオール)中の水酸基に対する、硬化剤(ポリイソシアネート組成物)中のイソシアネート基の当量比(第3当量比、NCO/OH)に応じて、調整される。
より具体的には、主剤(マクロポリオール)中の水酸基に対する、硬化剤(ポリイソシアネート組成物)中のイソシアネート基の第3当量比(NCO/OH)が、例えば、0.5以上、好ましくは、0.8以上である。また、主剤(マクロポリオール)中の水酸基に対する、硬化剤(ポリイソシアネート組成物)中のイソシアネート基の第3当量比(NCO/OH)が、例えば、1.5以下、好ましくは、1.2以下である。
そして、主剤および硬化剤の混合物は、任意の塗布方法で、被塗物に塗布される。塗布方法としては、例えば、スプレー塗装、エアスプレー塗装、はけ塗り、浸漬法、ロールコート法、フローコート法、ドライラミネート法、ウェットラミネート法、および、ダイレクトコート法が挙げられる。被塗物としては、特に制限されないが、例えば、プラスチックフィルム、繊維強化プラスチック、金属箔、金属蒸着フィルムおよび鋼材などが挙げられる。なお、塗布量は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
そして、主剤および硬化剤の混合物が、乾燥および硬化する。これにより、硬化物として、ポリウレタン樹脂が得られる。
このようなコーティング剤は、硬化剤として上記のポリイソシアネート組成物を含む。そのため、上記のコーティング剤によれば、優れた破断強度、破断伸度および耐溶剤性を有するポリウレタン樹脂が、得られる。
そのため、上記のポリイソシアネート組成物および上記のコーティング剤は、各種産業分野において、好適に用いられる。上記のポリイソシアネート組成物および上記のコーティング剤の利用分野としては、例えば、自動車用塗料、電子機器用塗料および建築用塗料が挙げられる。
次に、本発明を、製造例、実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は、下記の実施例によって限定されるものではない。なお、「部」および「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
1.GPC
サンプルを、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)測定し、得られたクロマトグラム(チャート)における各ピークの面積の、全ピークの面積に対する面積率を求めた。
そして、ポリスチレン換算分子量400以上480未満の範囲にピークトップを有するピークの面積率(Mn400-480面積率)を、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体に含まれる1核体含有率とした。
なお、サンプル約0.03gを、テトラヒドロフラン10mLに溶解させた。そして、得られた溶液をGPC測定した。
<GPC測定>
・分析装置 :高速GPC装置 HLC-8320(東ソー社製)
・検出器 : 示差屈折検出器
・溶離液 : テトラヒドロフラン
・分離カラム:下記(1)~(4)を直列に接続
(1)TSKgel guardcolum HXL-L 6.0×40(東ソー社製)
(2)TSKgel G1000HXL 7.8×300(東ソー社製)
(3)TSKgel G2000HXL 7.8×300(東ソー社製)
(4)TSKgel G3000HXL 7.8×300(東ソー社製)
・測定温度 : 40℃
・流速 : 1mL/min
・注入量 : 100μL
・解析装置 : Eco SEC(東ソー社製)
<システム補正>
・標準物質名 : ポリスチレン
・検量線作成方法 : 分子量の異なるTOSOH社製 TSKstandard ポリスチレンを用い、リテンションタイムと分子量のグラフを作成。
・ポリスチレン注入量 : 100μL
・ポリスチレン注入濃度 : 1mg/mL
なお、合成例1のペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体をサンプルとし、ゲルパーミエーションクロマトグラフ測定したときのクロマトグラムを、図1に示す。
2.ポリイソシアネート成分
合成例1
撹拌機、温度計、還流管、および、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、下記成分を仕込み、80℃に昇温した。
1,5-ペンタメチレンジイソシアネート(PDI) 100質量部
イルガノックス1076(酸化防止剤、オクタデシル3-(3,5-ジ-tert-ブチ-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート、BASF社製、商品名)0.05質量部
JP-310(助触媒、トリデシルホスファイト、城北化学社製、商品名)0.1質量部
次いで、フラスコにイソブタノール(IBA、アルコール成分)を添加し、80℃で3時間加熱し、PDIをIBAで部分変性した。なお、IBAの水酸基に対するPDIのイソシアネート基の当量比(第2当量比、NCO/OH)が70になるように、IBAの量を調整した。
次いで、N-(2-ヒドロキシプロピル)-N,N,N-トリメチルアンモニウム-2-エチルヘキサノエート0.01質量部を、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート0.03質量部に溶解させ、触媒溶液を調製した。そして触媒溶液を、フラスコに添加した。
その後、反応熱を利用してフラスコ内を昇温した。これにより、PDIのIBAによる部分変性体を、イソシアヌレート化した。そして、下記の反応停止条件を満たしたタイミングで、フラスコにo-トルエンスルホンアミド(反応停止剤)0.01質量部を添加し、反応を停止させた。
・反応停止条件
フラスコ内温度:120℃
イソシアネート基転化率:10.7質量%
フラスコ内の反応生成液を、薄膜蒸留(真空度50Pa、温度150℃)して、未反応のPDIを除去した。これにより、ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体を得た。
合成例2~5
第2当量比(IBAの水酸基に対するPDIのイソシアネート基の当量比)が表1~表5に示す値となるように、イソブタノールの配合量を変更した。これ以外は、合成例1と同じ方法で、ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体を得た。
合成例6
PDIに代えて、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)を用いた。これ以外は、合成例1と同じ方法で、ヘキサメチレンジイソシアネートの誘導体を得た。
合成例7~9
第2当量比(IBAの水酸基に対するHDIのイソシアネート基の当量比)が表1~表5に示す値となるように、イソブタノールの配合量を変更した。これ以外は、合成例6と同じ方法で、ヘキサメチレンジイソシアネートの誘導体を得た。
合成例10
反応停止条件を、以下の通りに変更した。これ以外は、合成例1と同じ方法で、ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体を得た。
・反応停止条件
フラスコ内温度:100℃
イソシアネート基転化率:5.0質量%
参考合成例1
特開2020-139017号公報の合成例2と同じ方法で、ヘキサメチレンジイソシアネートの誘導体を得た。
すなわち、撹拌機、温度計、還流管、および、窒素導入管を備えた4つ口フラスコ内で、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート1000質量部と、2-エチルヘキサノール(2-EH)30質量部とを、90℃で1時間、アルコール変性させた。
次いで、カプリン酸テトラメチルアンモニウムをイソブタノールで5質量%に希釈した触媒溶液を調製した。そして触媒溶液1質量部を、フラスコに添加し、イソシアヌレート化反応させた。次いで、所定のタイミングでフラスコ内にリン酸を添加し、反応を停止させた。その後、反応生成液を濾過および薄膜蒸留によって精製した。これにより、ヘキサメチレンジイソシアネートの誘導体を得た。
参考合成例2
国際公開2016/098771号(特許6386085号)の実施例1と同じ方法で、ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体を得た。
すなわち、撹拌機、温度計、還流管、および、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、下記成分を仕込み、80℃で2時間、プレポリマー化反応させた。
1,5-ペンタメチレンジイソシアネート(PDI) 1000質量部
PCD500(ポリカーボネートジオール、商品名ETERNACOLL UH-50、宇部興産製、官能基数2、数平均分子量500) 129.7質量部
2,6-ジ(tert-ブチル)-4-メチルフェノール0.6質量部
トリス(トリデシル)ホスファイト0.6質量部
次いで、フラスコ内を冷却し、60℃に調整した。次いで、フラスコに、イソシアヌレート化触媒(N-(2-ヒドロキシプロピル)-N,N,N-トリメチルアンモニウム-2-エチルヘキサノエート)0.15質量部を添加し、約40分、イソシアヌレート化反応させた。その後、フラスコに、o-トルエンスルホンアミドを0.15質量部添加した。なお、イソシアネート基転化率は、20質量%であった。
次いで、得られた反応生成液を、薄膜蒸留(真空度0.093KPa、温度150℃)により精製した。さらに、精製物100質量部に対し、o-トルエンスルホンアミドを0.02質量部添加した。これにより、ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体を得た。
参考合成例3
国際公開2016/098771号(特許6386085号)の実施例12と同じ方法で、ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体を得た。
すなわち、撹拌機、温度計、還流管、および、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、下記成分を仕込み、85℃で3時間、プレポリマー化反応させた。
1,5-ペンタメチレンジイソシアネート(PDI) 1000質量部
PCD500(ポリカーボネートジオール、商品名ETERNACOLL UH-50、宇部興産製、官能基数2、数平均分子量500) 162.2質量部
2,6-ジ(tert-ブチル)-4-メチルフェノール0.6質量部
トリス(トリデシル)ホスファイト0.6質量部
次いで、フラスコ内を加熱し、100℃に調整した。次いで、フラスコに、アロファネート化触媒(オクチル酸鉛)0.05質量部を添加し、アロファネート化反応させた。その後、フラスコに、o-トルエンスルホンアミドを0.15質量部添加した。
次いで、得られた反応生成液を、薄膜蒸留(真空度0.093KPa、温度150℃)により精製した。さらに、精製物100質量部に対し、o-トルエンスルホンアミドを0.02質量部添加した。これにより、ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体を得た。
3.ポリイソシアネート組成物
実施例1~15、比較例1~10および参考例1
表1~表5に記載の処方で、撹拌機、温度計、還流管、および、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、ポリイソシアネート成分と、ポリオール成分とを仕込んだ。
なお、ポリオール成分の水酸基に対する、ポリイソシアネート成分のイソシアネート基の当量比(第1当量比、NCO/OH)が表1~表5に記載の値になるように、ポリイソシアネート成分の量と、ポリオール成分の量とを、調整した。
次いで、ポリイソシアネート成分と、ポリオール成分とを、90℃で3時間、プレポリマー化反応させた。そして、反応液のイソシアネート基濃度が、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分の配合比率から算出されるイソシアネート基濃度以下になっていることを、確認した。つまり、全ての水酸基が反応したことを確認した。これにより、イソシアネート基末端プレポリマーを含むポリイソシアネート組成物を得た。
参考例2~3
参考合成例2~3で得られたペンタメチレンジイソシアネートの誘導体を、ポリイソシアネート組成物とした。
4.評価
(1)ポリウレタン樹脂組成物の外観
(a)濁り
ポリイソシアネート組成物の合成終了時に、反応生成液の濁りを目視で確認し、以下の基準で評価した。
〇:濁り(ミクロゲルの浮遊物)が確認されなかった。
×:濁り(ミクロゲルの浮遊物)が確認された。
(2)ポリウレタン樹脂の物性
(a)塗膜の形成
各ポリイソシアネート組成物を、硬化剤として準備した。また、アクリルポリオールを、主剤として準備した。なお、アクリルポリオールは、オレスターQ182(商品名、三井化学社製、水酸基価45mgKOH/g、固形分濃度50%)であった。
次いで、主剤中の水酸基に対する硬化剤中のイソシアネート基の当量比(NCO/OH)が1.0となるように、主剤および硬化剤を混合した。さらに、混合物に、混合溶剤を添加し、23℃で5分間混合して、固形分濃度を50質量%に調整した。なお、混合溶剤は、酢酸エチル100質量部と、酢酸ブチル100質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100質量部との混合物であった。
その後、10分間、混合物を超音波処理し、脱泡した。これにより、塗工液を得た。次いで、塗工液を、ポリプロピレン板および鋼板(SPCC鋼板、PBN-144処理品)に塗工し、塗膜を得た。なお、塗工においては、4milアプリケーターを用いた。その後、塗膜を、80℃のオーブンで60分加熱し、硬化塗膜(ポリウレタン樹脂)を得た。さらに、硬化塗膜を、23℃および湿度55%の恒温室で、7日間エージングした。
(b)引張試験
ポリプロピレン板に形成された硬化塗膜を用いて、横1cm×縦10cmの評価サンプルを形成した。サンプルの中央付近の3点の膜厚を、膜厚計(デュアルタイプ膜厚計LZ990、ケツト科学研究所製)にて測定し、これらの平均値を、サンプルの膜厚とした。そして、各サンプルの膜厚が同程度(約40μm)であることを確認した。
その後、各サンプルの破断強度および破断伸度を、以下の条件で、5回測定した。そして、これらの平均値を算出した。平均値を表1~表5に示す。
引張試験機:Model 201B(インテスコ社製)
チャック間隔:5cm
引張速度:50mm/min
温度:23℃
湿度:55%
破断強度の評価基準を下記する。
◎:35MPa以上
〇:30MPa以上35MPa未満
△:25MPa以上30MPa未満
×:25MPa未満
破断伸度の評価基準を下記する。
◎:45%以上
〇:30%以上45%未満
△:10%以上30%未満
×:10%未満
(c)耐溶剤性
鋼板に形成された硬化塗膜を、ラビングテスタ(IMC-0717型 井本製作所社製)にセットした。また、荷重2kgのおもりの先に、メチルエチルケトンで湿らせた脱脂綿を設置した。そして、硬化塗膜をラビングした。その後、硬化塗膜が破れて鋼板が露出した時点のラビング往復数を、測定した。
耐溶剤性の評価基準を下記する。
◎:往復数50回以上
〇:往復数40回以上50回未満
△:往復数30回以上40回未満
×:往復数30回未満
(3)考察
(a)第1当量比
実施例1~3および比較例1~2が参照されるように、ペンタメチレンジイソシアネートが用いられる場合には、第1当量比を変更することにより、ポリウレタン樹脂の物性に大きな変化が確認された。より具体的には、第1当量比を所定範囲に調整することにより、破断強度、破断伸度および耐溶剤性を兼ね備えるポリウレタン樹脂が得られた。
一方、比較例1~3が参照されるように、ペンタメチレンジイソシアネートに代えてヘキサメチレンジイソシアネートが用いられる場合には、第1当量比を変更しても、ポリウレタン樹脂の物性の大きな変化は確認されなかった。
(b)第2当量比
実施例16~17および比較例6~7が参照されるように、ペンタメチレンジイソシアネートが用いられる場合には、第2当量比を変更することにより、ポリウレタン樹脂の物性に大きな変化が確認された。より具体的には、第2当量比を所定範囲に調整することにより、破断強度、破断伸度および耐溶剤性を兼ね備えるポリウレタン樹脂が得られた。
一方、比較例8~10が参照されるように、ペンタメチレンジイソシアネートに代えてヘキサメチレンジイソシアネートが用いられる場合には、第2当量比を変更しても、ポリウレタン樹脂の物性の大きな変化は確認されなかった。
表中の略称の詳細を下記する。
PDI:ペンタメチレンジイソシアネート
HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
1,3BG:1,3-ブタンジオール
IBA:イソブチルアルコール
2-EH:2-エチルヘキサノール
PCD(数平均分子量500):ポリカーボネートジオール 宇部興産社製 ETERNACOLL UH-50
PCD(数平均分子量1000):ポリカーボネートジオール 宇部興産社製 ETERNACOLL UH-100
PCD(数平均分子量2000):ポリカーボネートジオール 宇部興産社製 ETERNACOLL UH-200
PCL(2官能、数平均分子量530):ポリカプロラクトンジオール(ポリエステルジオール) ダイセル社製 プラクセル 205
PCL(3官能、数平均分子量550):ポリカプロラクトンジオール(ポリエステルトリオール) ダイセル社製 プラクセル 305
PCL(2官能、数平均分子量1000):ポリカプロラクトンジオール(ポリエステルジオール) ダイセル社製 プラクセル 210
PCL(2官能、数平均分子量1250):ポリカプロラクトンジオール(ポリエステルジオール) ダイセル社製 プラクセル 212
PCL(2官能、数平均分子量2000):ポリカプロラクトンジオール(ポリエステルジオール) ダイセル社製 プラクセル 220
PTMG(数平均分子量225):ポリテトラメチレンエーテルグリコール 三菱ケミカル社製 PTMG250
PTMG(数平均分子量650):ポリテトラメチレンエーテルグリコール 三菱ケミカル社製 PTMG650
PTMG(数平均分子量1000):ポリテトラメチレンエーテルグリコール 三菱ケミカル社製 PTMG1000
PTMG(数平均分子量2000):ポリテトラメチレンエーテルグリコール 三菱ケミカル社製 PTMG2000

Claims (5)

  1. イソシアネート基末端プレポリマーを含むポリイソシアネート組成物であって、
    前記イソシアネート基末端プレポリマーは、ポリイソシアネート成分と、ポリオール成分との反応生成物を含み、
    ポリイソシアネート成分は、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体を含み、
    前記ペンタメチレンジイソシアネートの前記イソシアヌレート誘導体は、アルコール成分により部分変性されたペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体を含み、
    前記イソシアネート基末端プレポリマーにおいて、前記ポリオール成分の水酸基に対する、前記ポリイソシアネート成分のイソシアネート基の第1当量比(NCO/OH)が、3.0以上8.0以下であり、
    前記ペンタメチレンジイソシアネートの前記イソシアヌレート誘導体において、前記アルコール成分の水酸基に対する、前記ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアネート基の第2当量比(NCO/OH)が、60以上600以下である、ポリイソシアネート組成物。
  2. 前記ペンタメチレンジイソシアネートの前記イソシアヌレート誘導体は、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート1核体を含み、
    前記ペンタメチレンジイソシアネートの前記イソシアヌレート1核体は、イソシアヌレート基を1つ含有し、3分子のペンタメチレンジイソシアネートを含む誘導体化合物であり、
    前記第ペンタメチレンジイソシアネートの前記イソシアヌレート誘導体をゲルパーミエーションクロマトグラフ測定したときのクロマトグラムにおいて、
    前記ペンタメチレンジイソシアネートの前記イソシアヌレート1核体に相当するピークの面積の、全ピークの面積に対する面積率が、40%以上である、請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。
  3. 前記ポリオール成分の数平均分子量が、200以上1000以下である、請求項1または2に記載のポリイソシアネート組成物。
  4. 前記ポリオール成分の平均水酸基数が、2である、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物。
  5. 主剤および硬化剤を含み、
    前記主剤が、マクロポリオールを含み、
    前記硬化剤が、請求項1~4のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物を含む、コーティング剤。
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