JP5310950B2 - 衝撃吸収部材 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザ光により熱処理された衝撃吸収部材に関する。
本願は、2010年08月26日に、日本に出願された特願2010−189431号及び2010年08月26日に、日本に出願された特願2010−189477号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
自動車等の衝撃吸収部材として、多角形断面を有する管状のプレス成形品等が多く用いられている。この衝撃吸収部材は、大別すると二つの用途で用いられる。一つは、例えばエンジンコンパートメントやトランクルーム等を構成し、自動車等が衝突した際に圧潰して衝撃エネルギを吸収するように作用する衝撃吸収部材である。もう一つは、例えばキャビン等を構成し、自動車等が衝突した際にも乗員の生存空間確保の観点から変形が抑制されるような衝撃吸収部材である。
このうち自動車等の衝突時に衝撃エネルギを吸収するように作用する衝撃吸収部材では、その軸線方向に衝撃エネルギを受けると潰れ変形し、これにより衝撃エネルギを吸収する。潰れ変形するにあたって限られた変形量でより大きな衝撃エネルギを吸収するためには、衝撃吸収部材の断面寸法や肉厚を大きくすることが有効である。しかしながらこの場合、衝撃吸収部材の体積や重量の増加につながり、燃費の悪化を招くばかりでなく、車両同士の衝突時における相手車両に与えるダメージの増大を招いてしまうことになる。
一方、プレス成形品等である衝撃吸収部材に対して部分的にレーザ熱処理を施し、部分的に衝撃吸収部材の強度を高める手法が種々提案されている(例えば、特許文献1〜4)。ここで、レーザ熱処理とは、まずエネルギ密度の高いレーザビームを未処理の衝撃吸収部材に照射して、衝撃吸収部材を局所的に変態温度又は融点以上にまで加熱する。その後、自己冷却作用によって焼入れ硬化を行う。
例えば、特許文献1にはレーザによりプレス成形品に局所的な熱処理を行ってプレス成形品の強度上昇を図る手法が開示されている。具体的には、特許文献1では、鋼板を冷間成形後、レーザビームにより所定温度以上に縞状或いは格子状に急速加熱する。その後冷却することで、冷間成形されたプレス成形品を強化している。このような手法を採用することで、プレス成形品全体を一様に熱処理した場合に比べて熱処理後の歪みの発生が抑制されるとしている。特に、特許文献1に開示された手法では、プレス成形品の外面上に長手方向縞状に或いはプレス成形品の全外面上に格子状にレーザ熱処理を行っている。
また、特許文献2に開示された手法でも歪みの発生を抑制しつつプレス成形品の強度を高めることを目的としてプレス成形品に局所的な熱処理を行うことが開示されている。特に特許文献2に開示された手法では、プレス成形品の強度が必要とされる部位、例えば車両衝突試験、有限要素法等により解析される高応力部に熱処理を行う。具体的にはプレス成形品の長手方向全長に亘って延びるすじ状に或いは格子状にレーザ熱処理を行っている。
さらに、特許文献3には、レーザ熱処理を行う鋼板の含有成分を特定の成分とした上でレーザ熱処理を行う手法が開示されており、これにより鋼板の加工性を維持しつつレーザ熱処理された箇所の強度が高められるとしている。特許文献3に開示された手法においても、強度を上昇させる必要のある箇所に対してレーザ熱処理を行っており、具体的にはプレス成形品の長手方向全長に亘って延びる直線状にレーザ熱処理を行っている。
特許文献4には、プレス成形品の衝撃エネルギ吸収能力を高めることを目的として、プレス成形品の外周面に圧縮荷重の負荷方向に沿って線状にレーザ熱処理を行う手法が開示されている。この手法によれば、衝撃荷重の入力方向と同じ方向に向けてレーザ熱処理が行われる。これにより、変形に対する抵抗を大きくすることができると共に潰れモードを規則的にすることができるとしている。特に、特許文献4に開示された手法では、圧縮荷重の負荷方向に沿ってプレス成形品の長手方向全長に亘って連続的にレーザ光によって熱処理が行われている。
いずれにせよ、特許文献1〜4に開示された手法では、いずれにおいても、プレス成形品の外面のうち強度が必要な部分にレーザ熱処理を行っており、具体的にはプレス成形品の長手方向全長に亘って連続的に延びる線状にレーザ熱処理を行うか、或いはプレス成形品の外面全体に亘って格子状等にレーザ光によって熱処理を行っている。
日本国特開昭61−99629号公報 日本国特開平4−72010号公報 日本国特開平6−73439号公報 日本国特開2004−108541号公報
ところで、衝突時に衝撃エネルギを吸収するように作用する衝撃吸収部材では、潰れ変形における変形モードに応じて衝撃吸収部材によって吸収されるエネルギが大きく変化する。このような変形モードとしては、大別して、コンパクトモードとノンコンパクトモードの二つの変形モードが挙げられる。衝撃吸収部材に衝撃エネルギが加わった際の衝撃吸収部材の潰れ変形の様子を示している。
いわゆるコンパクトモードと呼ばれる変形モードでは、衝撃エネルギが衝撃吸収部材に加わった際に曲げ歪みが大きくなり、局所的な折れが生じない。その結果、全体が折り畳まれるように変形する。一方、いわゆるノンコンパクトモードと呼ばれる変形モードでは、衝撃エネルギが衝撃吸収部材に加わった際にこれに伴って座屈が発生すると、局所的な折れが生じると共に、これら折れが生じた部位間では衝撃吸収部材がほとんど変形せず、平板状のままとなる。
ここで、衝撃吸収部材による衝撃エネルギの吸収は衝撃吸収部材が塑性変形することによって行われる。このため、ノンコンパクトモードでは、平板状のままとなった部分によっては衝撃エネルギの吸収が行われておらず、衝撃エネルギの吸収が効率的に行われない。一方、コンパクトモードでは平板状のままとなった部位が存在しない。したがって、全ての部位で衝撃エネルギの吸収が行われるため、効率的に衝撃エネルギの吸収が行われる。したがって、衝撃エネルギの効率的な吸収という観点からは、潰れ変形がコンパクトモードで行われるようにすることが必要となる。
ここで、上述した特許文献1〜4に開示された手法では、プレス成形品の長手方向全長に亘って連続的に延びる線状にレーザ熱処理を行うか、或いはプレス成形品の外面全体に亘って格子状等にレーザ熱処理を行っている。このようなレーザ熱処理は潰れ変形の変形モードに対しては何ら寄与しない。したがって、レーザ熱処理が行われたプレス成形品の潰れ変形における変形モードがノンコンパクトモードとなってしまう場合もあり、その結果、衝撃エネルギを効率的に吸収することができない可能性がある。
そこで、上記問題に鑑みて、本発明の目的は、レーザ光により熱処理を適切な箇所に施すことで衝撃エネルギの吸収能力が高められた衝撃吸収部材の提供を目的とする。
本発明者は、複数の平板部とこれら平板部間に設けられたコーナ部とを有する管状体を具備する未処理の衝撃吸収材に対してレーザ光によって熱処理を行う箇所と、レーザ熱処理を施して完成した衝撃吸収部材の衝撃エネルギの吸収能力との関係について検討を行った。
その結果、衝撃吸収部材にコンパクトモードの変形が起こった際に外側に膨らむように変形する箇所に対して重点的にレーザ熱処理を行うことにより、衝撃エネルギの吸収能力を高め得ることを見出した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
(1)本発明の一態様に係る衝撃吸収部材は、複数の平板部と、これら平板部間に設けられた複数のコーナ部とを有し、長さ方向に垂直な断面形状が多角形である管状体を備え;前記管状体の前記長さ方向の端部における前記多角形を構成する全ての辺の平均辺長をLとし、前記端部からの前記長さ方向の距離をXとし、aを1以上の整数としたときに、少なくとも前記距離Xが下式(1)を満たす前記管状体の第1領域のコーナー部に、前記管状体の長手方向に沿って、レーザ光によって熱処理された線状の熱硬化領域が複数本設けられ;前記距離Xが下式(2)を満たす前記管状体の第2領域のコーナー部に、前記管状体の長手方向に沿って、前記レーザ光によって熱処理された線状の熱硬化領域が設けられており;前記第1領域の全外周面積に対する前記レーザ光によって熱処理された第1熱処理面積の比率が、前記第2領域の全外周面積に対する前記レーザ光によって熱処理された第2熱処理面積の比率よりも高い。
(a−1/2)L≦X≦aL・・・式(1)
(a−1)L≦X≦(a−1/2)L・・・式(2)
(2)上記(1)に記載の衝撃吸収部材は、前記第1領域のみが、レーザ光によって熱処理されていることが好ましい。
)上記(1)または(2)に記載の衝撃吸収部材は、前記距離Xが下式(3)を満たす位置に、その周辺部分よりも強度の低い脆弱部が形成されていることが好ましい。
X=(a−3/4)L・・・式(3)
)本発明の一態様に係る衝撃吸収部材は、複数の平板部と、これら平板部間に設けられた複数のコーナ部とを有し、長さ方向に垂直な断面形状が多角形である管状体を備え;前記管状体の前記長さ方向の端部における前記多角形を構成する辺の平均辺長をLとし、前記端部からの前記長さ方向の距離をXとし、aを1以上の整数としたときに、少なくとも前記距離Xが下式(4)を満たす前記管状体の第3領域のコーナー部及び前記端部からL/4である前記管状体の領域のコーナー部に、前記管状体の長手方向に沿って、レーザ光によって熱処理された線状の熱硬化領域が複数本設けられ;前記距離Xが下式(5)を満たす前記管状体の第4領域のコーナー部に、前記管状体の長手方向に沿って、前記レーザ光によって熱処理された線状の熱硬化領域が設けられており;前記第3領域の全外周面積に対する前記レーザ光によって熱処理された第3熱処理外周面積の比率が、前記第4領域の全外周面積に対する前記レーザ光によって熱処理された第4熱処理面積の比率よりも高い。
(a−1/4)L≦X≦(a+1/4)L・・・式(4)
(a−3/4)L≦X≦(a−1/4)L・・・式(5)
)上記()に記載の衝撃吸収部材は、前記距離Xが下式(6)を満たす位置に、その周辺部分よりも強度の低い脆弱部が形成されていることが好ましい。
X=(a−1/2)L・・・式(6)。
)上記(1)から()のいずれかに記載の衝撃吸収部材は、前記複数のコーナ部の延在方向に沿って、前記レーザ光による熱硬化領域が形成され;前記複数のコーナ部のそれぞれの体積に対する前記熱硬化領域の体積の割合が80%未満であることが好ましい。
)上記(1)から()のいずれかに記載の衝撃吸収部材は、前記熱硬化領域が、前記コーナ部の表面から前記コーナ部の板厚の3/4の深さまで形成されていることが好ましい。
)上記(1)から()のいずれか1項に記載の衝撃吸収部材は、前記複数の平板部が、前記レーザ光によって熱処理されていることが好ましい。
)上記(1)から()のいずれか1項に記載の衝撃吸収部材は、前記複数の平板部が、互いに対向する一対の側壁部と、これら一対の側壁部の上端同士をつなぐ上壁部と、前記各側壁部の各下端より互いに離れる方向に形成されたフランジ部と、を備え;前記断面形状が、開断面で構成され;前記複数のコーナ部が、前記側壁部と前記上壁部と前記フランジ部とのそれぞれの間に設けられている;ことが好ましい。
10)上記(1)から()のいずれか1項に記載の衝撃吸収部材は、前記管状体の前記長さ方向に垂直な断面で見た場合に、前記複数の平板部と前記複数のコーナ部とにより、閉断面が構成されていることが好ましい。
本発明によれば、レーザ熱処理を適切な箇所に施すことで構造材の衝撃エネルギの吸収能力を高めることができる。
本発明の第1実施形態に係る衝撃吸収部材の一つの実施形態を示す斜視図である。 同衝撃吸収部材の断面図を示す。 第1実施形態の変形例に係る衝撃吸収部材の断面図を示す。 第1実施形態の他の変形例に係る衝撃吸収部材の断面図を示す。 変形モードを説明するための図である。 変形モードを説明するための図である。 図1に示した衝撃吸収部材がコンパクトモードで変形する様子を示す図である。 各コーナ部へのレーザ熱処理の施行態様を示す図である。 図1に示した実施形態の衝撃吸収部材のレーザ熱処理部に加えて、これとは異なる箇所にもレーザ熱処理を行う変形例を示す図である。 図1に示した実施形態の衝撃吸収部材のレーザ熱処理部に加えて、これとは異なる箇所にレーザ熱処理を行う変形例を示す図である。 図1の衝撃吸収部材と異なる構造を持つ、変形例の衝撃吸収部材を示す斜視図である。 図1の衝撃吸収部材の全体像の一つの例を示す図である。 同衝撃吸収部材の長手端部が自由端となっている場合の衝撃吸収部材がコンパクトモードで変形する様子を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る衝撃吸収部材の一つの実施形態を示す斜視図である。 実施例で用いた衝撃吸収部材等の製造過程を示す図である。 実施例で用いた衝撃吸収部材等の製造過程を示す図である。 実施例で用いた衝撃吸収部材等の製造過程を示す図である。 実施例で用いた衝撃吸収部材等の製造過程を示す図である。 実施例で用いた構造材組立体等の側面図である。 実施例で用いた構造材組立体等の側面図である。 実施例1の構造材組立体を示す斜視図である。 比較例2の構造材組立体を示す斜視図である。 実施例2の構造材組立体を示す斜視図である。 実施例3の構造材組立体を示す斜視図である。 実施例4の構造材組立体を示す斜視図である。 比較例7の構造材組立体を示す斜視図である。 実施例8の構造材組立体を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態の衝撃吸収部材の一例を示す斜視図である。 同衝撃吸収部材の端面図である。 同衝撃吸収部材のコーナ部の拡大断面図である。 同衝撃吸収部材のコーナ部の拡大断面図である。 コンパクトモードによる衝撃吸収部材の圧潰を示す写真である。 ノンコンパクトモードによる衝撃吸収部材の圧潰を示す写真である。 衝撃試験結果を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
[第1実施形態]
図1は、本発明に係る構造材の第一実施形態を示す斜視図である。図1に示すように、衝撃吸収部材10は、部分管状体(管状体)11とフランジ部15とを具備する。部分管状体11は、平板状である複数の平板部12と、これら平板部12間に設けられた複数のコーナ部13とを有する。図1に示した例では、部分管状体11は、三つの平板部12a〜12cと、これら平板部12a〜12c間に設けられた二つのコーナ部13a及び13bとを有する。
図2Aは、図1に示した構造材組立体1の長さ方向(延在方向)に対して垂直な面における断面図である。図1及び図2Aから分かるように、衝撃吸収部材10の部分管状体11は、その長さ方向に対して垂直な面における断面(以下、「垂直断面」という)において、一辺の開いた開断面で構成された四角形状(多角形状)である。すなわち、部分管状体11の三つの平板部12a〜12cは、部分管状体11の断面における四角形の三つの辺に対応する。
衝撃吸収部材10のフランジ部15は、部分管状体11の断面における両縁から延びる二つの平板部16a及び16bを有する。フランジ部15は、これら二つの平板部16a及び16bはコーナ部17a及び17bによって部分管状体11に連結されている。フランジ部15の二つの平板部16a及び16bは、部分管状体11の一辺の開いた四角形状の両縁から、この四角形における開いている一辺が位置する平面上で、外側に向かって延びるように形成される。すなわち、本実施形態において複数の平板部が、互いに対向する一対の平板部(側壁部)12a,12cと、これら一対の平板部12a,12cの上端同士をつなぐ平板部(上壁部)12bと、各側壁部12a,12cの各下端より互いに離れる方向に形成されたフランジ部15とを備えている。
また、図1に示すように、衝撃吸収部材10のフランジ部15に対向し、且つ部分管状体11の四角形断面における開いている一辺を閉じるように配置される平板状の追加構造材20が配置される。追加構造材20は、衝撃吸収部材10のフランジ部15とこれに対面する追加構造材20の部分とを溶接することによって、衝撃吸収部材10に結合される。これら衝撃吸収部材10及び追加構造材20は、互いに結合された状態で構造材組立体1として、車両のフレーム等に用いられる。
これら衝撃吸収部材10及び追加構造材20は、例えば鋼材等、レーザ熱処理によって局所的な焼入れ硬化を得ることができる材料で構成される。レーザ熱処理とは、まず、エネルギ密度の高いレーザビームを未処理の衝撃吸収部材に照射して、未処理の衝撃吸収部材を局所的に変態温度又は融点以上にまで加熱する。その後、自己冷却作用によって焼入れ硬化を行う。また、衝撃吸収部材10及び追加構造材20の上述したような形状への成形は、プレス成形等、一般的な成形方法によって行われる。
上記実施形態では、衝撃吸収部材10の部分管状体11の垂直断面における断面形状は一辺の開いた四角形状であるが、一辺の開いた多角形状であれば如何なる形状であってもよい。したがって、例えば、図2Bに示したような一辺の開いた三角形状でもよいし、図2Cに示したような一辺の開いた五角形状でもよい。部分管状体の垂直断面における断面形状が図2Bに示したような一辺の開いた三角形状である場合、衝撃吸収部材110は二つの平板部及び一つのコーナ部を有する部分管状体111と、二つのコーナ部によってこの部分管状体111に連結された二つの平板部を有するフランジ部115とを具備する。一方、部分管状体の垂直断面における断面形状が図2Cに示したような一辺の開いた五角形状である場合、衝撃吸収部材210は四つの平板部及び三つのコーナ部を有する部分管状体211と、二つのコーナ部によってこの部分管状体211に連結された二つの平板部を有するフランジ部215とを具備する。
本発明の実施形態では、上述したような形状に形成された未処理の衝撃吸収部材10の特定部位にレーザ熱処理が行われる。以下では、レーザ熱処理が行われる部位について説明する。
本実施形態では、衝撃吸収部材10の長さ方向における一方の端部(以下、「長手端部」という)14の多角形断面における平均辺長Lに基づいてレーザ熱処理が行われる部位が決定される。特に、本実施形態では、上記一方の長手端部14は、構造材組立体1を実際に用いた場合に衝撃エネルギが加わると想定される側の端部とされるのが好ましい。したがって、例えば、構造材組立体1が自動車のエンジンコンパートメント用のサイドフレーム(車両の前後方向に延びるフレーム)として用いられる場合には、このサイドフレームの車両の前側に位置する端部が上記一方の長手端部に該当する。構造材組立体1が自動車のトランクルーム用のサイドフレームとして用いられる場合には、このサイドフレームの車両の後ろ側に位置する端部が上記一方の長手端部に該当する。本実施形態ではこのように平均辺長Lに基づいてレーザ熱処理が行われる部位が決定されることから、まず、平均辺長Lについて説明する。
図1に示した衝撃吸収部材10の部分管状体11は、その一方の長手端部14において、図2Aに示したような一辺の開いた四角形断面を有する。そこで、この四角形断面を構成する各辺(開いている一辺を含む)の長さをl1〜l4とする。すなわち衝撃吸収部材10の部分管状体11が閉じた四角形断面を有すると仮定した場合の各辺の長さをl1〜l4とする。具体的には、衝撃吸収部材10を断面視したときの、平板部12aの辺の長さをl1とし、平板部12bの辺の長さをl2とし、平板部12cの辺の長さをl3とし、コーナ部17aからコーナ部17bまでの長さをl4とする。この場合の各辺の長さl1〜l4の平均の長さが平均辺長Lとされる(L=(l1+l2+l3+l4)/4)。
したがって、例えば衝撃吸収部材110の断面形状が図2Bに示したような形状である場合、衝撃吸収部材110を断面視したときの、部分管状体111の平板部112aの辺の長さをl1とし、平板部112bの辺の長さをl2とし、コーナ部117aからコーナ部117bまでの長さをl3とすると、平均辺長Lは三つの辺の長さl1〜l3の平均の長さLは、(l1+l2+l3)/3である。
また、衝撃吸収部材210の断面形状が図2Cに示したような形状である場合、衝撃吸収部材210を断面視したときの、部分管状体211の、平板部212aの辺の長さをl1とし、平板部212bの辺の長さをl2とし、平板部212cの辺の長さをl3とし、平板部212dの辺の長さをl4とし、コーナ部217aからコーナ部217bまでの長さをl5とすると、平均辺長Lは五つの辺の長さl1〜l5の平均の長さLは、(l1+l2+l3+l4+l5)/5である。
したがって、これらをまとめて表現すると、平均辺長Lは、一辺の開いた多角形状断面を有する衝撃吸収部材の部分管状体の一方の長手端部14において、多角形断面形状を構成する全ての辺の平均の長さを意味する。
そして、本実施形態では、衝撃吸収部材10の一方の長手端部14からの長さ方向の距離Xに応じて、レーザ熱処理が行われる箇所が決定される。図1においてハッチングで示された第1熱処理部Aにレーザ光が照射され熱処理が行われる。本実施形態でのレーザ光による熱処理には、YAGレーザまたはファイバレーザが用いられる。
具体的には、aを1以上の整数とすると、長手端部14からの長さ方向(延在方向)の距離をXとすると、少なくとも距離Xが下記の式(1)を満たす部分管状体11の第1熱処理部Aがレーザ光によって熱処理されている。
(a−1/2)L≦X≦aL・・・式(1)
すなわち、上式(1)を満たす衝撃吸収部材10のコーナ部13及び17において、衝撃吸収部材10の外周面上にレーザ熱処理が行われる。したがって、コーナ部13及び17以外の領域、すなわち平板部12、16にはレーザ熱処理が行われず、また長さ方向の距離Xが(a−1)L〜(a−1/2)Lである衝撃吸収部材10の領域においてはコーナ部13及び17にもレーザ熱処理が行われない。
すなわち、衝撃吸収部材10を長さ方向にL/2間隔で区切って、区切られた衝撃吸収部材10を一方の長手端部14の側から順に部分構造材10a、10b、10c、10d...とすると、部分構造材10b、10d(第1領域)のコーナ部13および17にレーザ熱処理が行われる。衝撃吸収部材10の部分構造材10b、10d(第2領域)の平板部12、16と、衝撃吸収部材10の部分構造材10a、10cのコーナ部13、17と、平板部12、16とにはレーザ熱処理が行われない。
したがって、本実施形態では、衝撃吸収部材10のコーナ部13及び17には、長手端部14から長さ方向に向かってL/2間隔でレーザ熱処理が行われていない箇所とレーザ熱処理が行われた箇所とが交互に配置されることになる。
また、レーザ光による第1熱処理部Aの幅は、0.4tmm〜1.6tmmが好ましく、第1熱処理部Aの深さは、厚み方向に少なくとも0.2tmm〜0.8tmm(tは衝撃吸収部材10の厚みである)であることが好ましく、第1熱処理部Aの硬度は、ビッカース硬度で、母鋼板の硬度の1.5〜2.5倍であることが好ましい。
この結果、本実施形態の衝撃吸収部材10では、レーザ光が照射された長さ方向の距離Xが(a−1/2)L〜aLとなっている衝撃吸収部材10の部分構造材10d,10d…におけるコーナ部13及び17の強度が高められる。以下では、このように衝撃吸収部材10を部分的に強化することの効果について説明する。
未処理の衝撃吸収部材に対してレーザ熱処理を行うと、レーザ熱処理が行われた箇所の強度が上昇する。したがって、未処理の衝撃吸収部材に対して広範囲に亘ってレーザ熱処理を行えば、衝撃吸収部材の強度をより高めることができる。したがって、衝撃吸収部材が衝撃エネルギを吸収し易くなる。その一方で、レーザ熱処理を行う範囲を広げれば、その分レーザ熱処理に必要なコストが高くなる。したがって、レーザ熱処理を行う箇所を適切に選択することで、レーザ熱処理を行う領域を小さく抑えつつ衝撃エネルギの吸収能力を高めることが必要となる。
ところで、上述したように、衝撃吸収部材の長さ方向に衝撃エネルギが加わった際に、衝撃エネルギを吸収するように作用する衝撃吸収部材の変形モードとしては、図3Aに示すようなコンパクトモードと、図3Bに示すようなノンコンパクトモードとが挙げられる。このうち衝撃エネルギの効率的な吸収という観点からは潰れ変形がコンパクトモードで行われるようにすることが必要となる。
ここで、潰れ変形がコンパクトモードで行われる際には、衝撃吸収部材が内側に凹むように変形する箇所と外側に膨らむように変形する箇所とが交互に存在する。そして、衝撃吸収部材が一回内側に凹んでから外側に膨らんで元に戻るまでの長さ周期は、衝撃吸収部材の端部における平均辺長をLとほぼ一致することを本発明者らは見出した。このことについて、図4を用いて説明する。
図4は、図1に示した衝撃吸収部材10の一方の長手端部14が何らかの別の部材に固定されている場合にこの衝撃吸収部材10がコンパクトモードで変形する様子を示している。特に図中の一点鎖線が平板部12bの中央及びコーナ部17bの変形態様を示している。図4から分かるように、衝撃吸収部材10がコンパクトモードで変形する際には、一方の長手端部14からの距離が0〜L/2の領域では衝撃吸収部材10が内側に凹んでおり、L/2〜Lの領域では衝撃吸収部材10が外側に膨らんでいる。そして、L〜3L/2の領域では衝撃吸収部材10が内側に凹んでおり、3L/2〜2Lの領域では衝撃吸収部材10が外側に膨らんでおり、それ以降は同様に凹凸を繰り返す。したがって、衝撃吸収部材10がコンパクトモードで変形する際には、周期Lで内側への凹みと外側への膨らみを繰り返すといえる。
したがって、上述したように潰れ変形がコンパクトモードで行われるようにするためには、一方の長手端部14からの距離が0〜L/2の領域及びL〜3L/2の領域等では衝撃吸収部材10が内側に凹み易くすることが必要となり、一方、L/2〜L及び3L/2〜2Lの領域等では衝撃吸収部材10が外側に膨らみ易くすることが必要となる。
ここで、本発明者らは、コンパクトモードで潰れ変形させるには、外側に膨らむ変形よりも内側に凹む変形の方が適切に行われにくいことを発見した。逆に言うと、適切な箇所で内側に凹むようにしておくことにより、それに伴って外側へ膨らむ変形も適切に行われることを発見した。
そこで、本実施形態では、一方の長手端部14からの距離が0〜L/2の領域及びL〜3L/2の領域等においては、すなわちコンパクトモードで潰れ変形が行われる際に、内側に凹む変形が行われる領域においてはレーザ熱処理を行わない。一方、長手端部14からの距離がL/2〜L及び3L/2〜2Lの領域等において、すなわちコンパクトモードで潰れ変形が行われる際に、外側に膨らむ変形が行われる領域においてレーザ熱処理が行うようにしている。
したがって、内側に凹む変形が行われる領域においては、レーザ熱処理が行われないため、この領域では衝撃吸収部材10の強度が高められていない。したがって、比較的容易に内側へ凹む変形が行われるようになり、衝撃吸収部材10は適切にコンパクトモードで潰れ変形するようになる。一方、外側に膨らむ変形が行われる領域においてはレーザ熱処理が行われているので、この領域では衝撃吸収部材10の強度が高められている。したがって、この領域ではより大きな衝撃エネルギを吸収するようになる。
したがって、本実施形態によれば、レーザ熱処理を行う箇所を適切に選択することで、衝撃吸収部材10に衝撃エネルギが加わった際に、衝撃吸収部材10をコンパクトモードで潰れ変形させつつ外側に膨らむ変形が行われる領域において大きな衝撃エネルギを吸収することができるようになる。したがって、本実施形態によれば、レーザ熱処理を行う領域を小さな領域としつつより大きな衝撃エネルギを吸収することができるようになる。
未処理の衝撃吸収部材10に対するレーザ熱処理は、レーザ光線の照射箇所を長さ方向に移動させることによって行われる。したがって、レーザ熱処理は衝撃吸収部材10の長さ方向に線状に行われることになる。そして、各コーナ部13、17へのレーザ光線の照射本数は、一本以上であれば何本でも良い。例えば、図1に斜線で示したように、レーザ光により熱処理された第1熱処理部Aの幅P(すなわち、長さ方向に対して垂直な方向における長さ)が広い場合には、図5に示したように複数本(図示例では3本)のレーザ光線の照射が行われる。
本発明では上記実施形態に対して様々な変更が可能である。例えば、上記実施形態では、コーナ部13、17のみにしかレーザ熱処理が行われていない。しかしながら、レーザ熱処理を、コーナ部13、17のみでなく、例えば、図6に示すように、コーナ部13、17(ハッチング箇所A)に加えて平板部12、16(ハッチング箇所B)に行うようにしてもよいし、或いはコーナ部13、17には行わずに平板部12、16のみに行うようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、部分管状体11の部分構造材10a,10c(第2領域)がレーザ光によって熱処理されていない。すなわち、部分管状体11の部分構造材10b,10d(第1領域)のみがレーザ光によって熱処理されている。しかしながら、衝撃吸収部材10の下式(2)を満たす第1熱処理部Aにおいても、レーザ熱処理が行われていてもよい。ただしこの場合、例えば図7に示したように、上式(1)を満たす衝撃吸収部材10の部分構造材10bの全外周面積のうちレーザ光によって熱処理された第1熱処理部(ハッチング箇所)Aの第1熱処理面積の比率が、上式(2)を満たす衝撃吸収部材10の部分構造材10aの全外周面積のうちレーザ光によって熱処理された第2熱処理部(ハッチング箇所)Cの第2熱処理面積の比率よりも高いことが好ましい。
(a−1)L≦X≦(a−1/2)L・・・式(2)
また、上記実施形態では、平板状の追加構造材20に対してはレーザ熱処理が行われていないが、平板状の追加構造材20に対しても同様に熱処理を行っても良い。この場合も、追加構造材20の一方の長手端部14からの長さ方向の距離Xが(a−1/2)L〜aLである追加構造材20の領域の全外周面積のうちレーザ熱処理が行われた外面積の比率が、距離Xが(a−1)L〜(a−1/2)Lである追加構造材20の部分の全外周面積のうちレーザ熱処理が行われた外面積の比率よりも高くなるように、追加構造材20の長さ方向にレーザ熱処理が行われる。ここで、全外周面積とは、追加構造材20の表面のうち衝撃吸収部材10とは反対側を向いた面の面積である。
また、図1に示すように、衝撃吸収部材10の一方の長手端部14からの長さ方向の距離Xが、下式(3)を満たす位置に、その周辺部分よりも強度の低い圧潰ビード(脆弱部)19が形成されていても良い。この圧潰ビード19は、衝撃吸収部材10の周方向(すなわち、衝撃吸収部材10の長さ方向と垂直な方向)に延びる方向に形成されている。
圧潰ビード19は、衝撃吸収部材10に長さ方向の衝撃エネルギが加わった際に、距離Xが下式(3)を満たす位置を中心として内側に凹む変形が生じることを促すように形成されるビードであり、例えば、衝撃吸収部材10の内側に向かって湾曲する凹部として形成される。
X=(a−3/4)L・・・式(3)
さらに、上記実施形態では、衝撃吸収部材10の部分管状体の断面形状が一辺の開いた多角形状となっているが、図8に示したように、断面形状が閉じた(閉断面)多角形状である衝撃吸収部材310であっても同様にレーザ光による熱処理が行われる。すなわち、衝撃吸収部材310は、上記実施形態における部分管状体11に加えて、この部分管状体11の多角形断面形状の開いた一辺を閉じる平板部26と、この平板部26と部分管状体11を構成する平板部12aとの間に設けられたコーナ部27aと、平板部26と部分管状体11を構成する平板部12cとの間に設けられたコーナ部27bとを具備する。この衝撃吸収部材310も上述した衝撃吸収部材10と同様にレーザ光により熱処理が行われる。例えば、衝撃吸収部材310は、図8にハッチングで示したような第1熱処理部Aにレーザ熱処理が行われる。
また、上記実施形態では、衝撃吸収部材は長さ方向においてほぼ同一の断面形状を有している。しかしながら、衝撃吸収部材は必ずしも長さ方向においてほぼ同一の断面形状を有していなくても良い。例えば、一方の長手端部14から徐々に断面形状が大きくなるような、すなわち、長手端部14から離れるにつれて外側に広がっていくような衝撃吸収部材にも適用可能である。また、一方の長手端部14から徐々に断面形状が小さくなるような、すなわち、長手端部14から離れるにつれて内側に収縮していくような衝撃吸収部材にも適用可能である。
さらに、衝撃吸収部材10は一方の長手端部14側の領域で上述したような形状を有していればよい。衝撃吸収部材410の、一方の長手端部14側の領域以外の領域は、例えば図9に示した例のような形状等、如何なる形状を有していてもよい。
また、複数のコーナ部13a,13b,17がレーザ光によって熱処理されているが、少なくともいずれか1つのコーナ部がレーザ光によって熱処理されていれば良い。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図4に示した変形の様子は、衝撃吸収部材10の一方の長手端部14が、すなわち構造材組立体1の長手端部14が何らかの別の部材に固定されている場合を示している。しかしながら、衝撃吸収部材10の一方の長手端部14が別の部材に固定されておらず、自由端となっている場合には、衝撃吸収部材10がコンパクトモードで変形する際のモード形が異なる。この様子を図10に示す。
図10から分かるように、衝撃吸収部材10の一方の長手端部14が自由端となっている場合に、衝撃吸収部材10がコンパクトモードで変形する際には、一方の長手端部14からの距離Xが0〜L/4の領域では衝撃吸収部材10が外側に膨らんでおり、距離XがL/4〜3L/4の領域では衝撃吸収部材10が内側に凹んでいる。そして、距離Xが3L/4〜5L/4の領域では衝撃吸収部材10が外側に膨らんでおり、距離Xが5L/4〜7L/4の領域では衝撃吸収部材が内側に凹んでおり、それ以降は同様に周期Lで凹凸を繰り返す。
そこで、本実施形態では、aを1以上の整数とし、長手端部14からの長さ方向の距離をXとすると、少なくとも距離Xが下記の式(4)を満たす部分管状体11の第3熱処理部Dがレーザ光によって熱処理されている。
(a−1/4)L≦X≦(a+1/4)L・・・式(4)
すなわち、上式(4)を満たす衝撃吸収部材510のコーナ部13及び17において、衝撃吸収部材10の外周面上にレーザ熱処理が行われる。したがって、コーナ部13及び17以外の領域、すなわち平板部12、16にはレーザ熱処理が行われず、また長さ方向の距離Xが(a−3/4)L〜(a−1/4)Lである衝撃吸収部材510の領域においてはコーナ部13及び17にもレーザ熱処理が行われない。
すなわち、図11に示すように、衝撃吸収部材510を、長さ方向(延在方向)に沿って一方の長手端部14から、まずL/4で一回区切って、その残り部分を、L/2間隔で複数回区切る。このように、区切られた衝撃吸収部材510を一方の長手端部14の側から順に部分構造材510a、510b、510c、510d...とすると、部分構造材510a、510c(第3領域)のコーナ部13および17にレーザ熱処理が行われる。衝撃吸収部材10の部分構造材510a、510cの平板部12、16並びに衝撃吸収部材10の部分構造材510b、510d(第4熱処理部)のコーナ部13、17と平板部12、16とにはレーザ熱処理が行われない。
本実施形態においても、上記第一実施形態と同様に様々な変更が可能である。例えば、衝撃吸収部材510の下式(5)を満たす領域においても、レーザ熱処理が行われていてもよい。ただし、この場合、例えば、上式(4)を満たす衝撃吸収部材510の部分構造材510cの全外周面積のうちレーザ光によって熱処理された第3熱処理部(ハッチング箇所)Dの第1熱処理面積の比率が、下記式(5)を満たす衝撃吸収部材510の衝撃吸収部材510bの全外周面積のうちレーザ光によって熱処理された第4熱処理部(図示略)の第4熱処理面積の比率よりも高くなるようにレーザ熱処理が行われる。
(a−3/4)L≦X≦(a−1/4)L・・・式(5)
また、本実施形態では、圧潰ビード19は、衝撃吸収部材510の一方の長手端部14からの長さ方向の距離Xが下式(6)を満たす位置に形成される。
X=(a−1/2)L・・・式(6)
〈比較例1〉
比較例1の衝撃吸収部材63は、図12Aに示すような、一枚の780MPa級鋼板BPである。この鋼板BPは、厚さが1.6mmであり、降伏応力が493MPaであり、引張強度が844MPaであり、伸びが27%であり、炭素含有率が0.19%であり、シリコン含有率が1.20%であり、マンガン含有率が1.84%である。この鋼板BPを曲げ加工して、図12Bに示すような形状の未処理の衝撃吸収部材63を作成した。未処理の衝撃吸収部材63は一辺の開いた四角形断面を有する部分管状体61を具備し、部分管状体61を構成する三つの平板部の垂直断面における辺長は、図13Aに示したように、平板部62aの長さが50mmであり、平板部62bの長さが70mmであり、平板部62cの長さが50mmであり、衝撃吸収部材63の開いている一辺は70mmである。したがって、未処理の衝撃吸収部材63の平均辺長Lは60mmである。また、部分管状体61の延在方向の長さは300mmとした。
このように作成した未処理の衝撃吸収部材63のフランジ部65に対して平板状の追加構造材62をスポット溶接して、図12Cに示したような構造材組立体60を作成した。スポット溶接Sはフランジ部65を構成する平板部の幅方向中央に、長さ方向の間隔30mmで行った。また、長さ方向の端部64a(衝撃を加える側の端部。以下、「衝撃付加側端部」という)からの最初のスポット溶接までは15mmとした。したがって、各フランジ部65には10箇所でスポット溶接されていることになる(図12Cでは6箇所のみ図示)。
このように製作した構造材組立体1の他方の端部64b(衝撃を加える側とは反対側の端部。以下、「衝撃非付加側端部」という)には、厚さ1.6mm、一辺の長さが250mmの鋼板SPをミグ溶接した。構造材組立体60と鋼板SPとの溶接は、構造材組立体1の端面全面とではなく、構造材組立体60の端面のうち上述した四角形断面を構成する各辺の中央付近で行った。辺長が50mmである平板部62a,62cに対してはこの平板部62a,62cの端面の中央20mmでミグ溶接を行い、辺長が70mmである平板部62b及び追加構造材20に対してはこの平板部62bの端面の中央30mm及び追加構造材の端面の中央30mmでミグ溶接を行った(図12Dの構造材組立体の側面図を示す図13Bにおける黒塗り部)。
また、本比較例1では、構造材組立体60の衝撃付加側端部にも同様に鋼板をミグ溶接した。
このように作成した構造材組立体60の長さ方向が鉛直方向となるように、且つその衝撃付加側端部が上向きになるように構造材組立体60を設置し、その真上に位置する300kgの落錘を高さ2mから落下させて衝撃試験を行った。このとき落錘によって構造材組立体60に投入されるエネルギは5880Jとなる。
衝撃試験を行う際に、構造材組立体60の直下に荷重計(ロードセル)を設置して、落錘が構造材組立体60に接触した後の荷重履歴を計測した。また同時に、レーザ変位計によって落錘が構造材組立体60に接触した後の落錘の変位履歴(落錘が構造材組立体1に接触してからの落錘の下降量の時間履歴)も計測した。このように計測した荷重履歴及び変位履歴に基づいて、落錘が構造材組立体60に接触してから鉛直方向下方に50mm変位するまでの荷重−変位線図を積分して、構造材組立体1による吸収エネルギを算出した。このときの吸収エネルギは4296Jであった。
〈実施例1〉
上述した比較例1の衝撃吸収部材63に対して、炭酸ガスレーザによりレーザ熱処理を行った。レーザ出力は5kWとし、熱処理速度は15m/minとした。レーザ熱処理におけるレーザ出力及び熱処理速度は以下の実施例及び比較例においても同一とした。本実施例では、レーザ熱処理は、図14に第1熱処理部Aで示した位置に、すなわち長さ方向の距離Xが(a−1/2)L〜aLである衝撃吸収部材73の各コーナ部13,17に行った。具体的には、各コーナ部13,17には、長さ方向に延びる5本の直線状にレーザ熱処理を行った。
レーザ熱処理を行った箇所についてビッカース硬度の測定を行った。未処理の衝撃吸収部材のビッカース硬度は230であったのに対して、レーザ熱処理後は468となっており、十分に焼き入れ硬化されていることを確認した。
このようにして製作された構造材組立体70に対して上記比較例1と同様に衝撃試験を行った結果、吸収エネルギは5063Jであった。
〈比較例2〉
上述した比較例1の衝撃吸収部材に対して、レーザ熱処理を、図15に第2熱処理部Cで示した位置に、すなわち長さ方向の距離Xが(a−1)L〜(a−1/2)Lである衝撃吸収部材83の各コーナ部13,17に行った。具体的には、各コーナ部13,17には、長さ方向に延びる5本の直線状に熱処理を行った。このようにして製作された構造材組立体80に対して上記衝撃試験を行った結果、吸収エネルギは2799Jであった。
〈実施例2〉
上述した比較例1の衝撃吸収部材63に対して、各コーナ部13,17に端94aから端94bまで長さ方向に延びる1本の直線状にレーザ熱処理を行った。加えて、長さ方向の距離Xが(a−1/2)L〜aLである衝撃吸収部材93の各コーナ部13,17に、上記1本の直線状のレーザ熱処理部の両側に2本ずつ長手方向に延びる直線状にレーザ熱処理を行った。
換言すると、図16に第1熱処理部Aで示した位置に、すなわち長さ方向の距離Xが(a−1/2)L〜aLである衝撃吸収部材93の各コーナ部13,17に長さ方向に延びる5本の直線状にレーザ熱処理を行うと共に、図16に第2熱処理部Bで示した位置に、すなわち長さ方向の距離Xが(a−1)L〜(a−1/2)Lである衝撃吸収部材93の各コーナ部13,17に長さ方向に延びる1本の直線状にレーザ熱処理を行った。このようにして製作された構造材組立体90に対して上記衝撃試験を行った結果、吸収エネルギは5334Jであった。
〈比較例3〉
上記実施例2と同様に、上述した比較例1の衝撃吸収部材63に対して、各コーナ部に端から端まで長さ方向に延びる1本の直線状にレーザ熱処理を行った。加えて、長さ方向の距離Xが(a−1)L〜(a−1/2)Lである衝撃吸収部材の各コーナ部に、上記1本の直線状のレーザ熱処理部の両側に2本ずつ長さ方向に延びる直線状にレーザ熱処理を行った。
換言すると、比較例3では、長さ方向の距離Xが(a−1)L〜(a−1/2)Lである衝撃吸収部材の各コーナ部に長さ方向に延びる5本の直線状にレーザ熱処理を行うと共に、長さ方向の距離Xが(a−1/2)L〜aLである衝撃吸収部材の各コーナ部に長さ方向に延びる1本の直線状にレーザ熱処理を行った。このようにして製作された構造材組立体に対して上記衝撃試験を行った結果、吸収エネルギは2585Jであった。
〈実施例3〉
上述した実施例1の衝撃吸収部材73に対して、Xが(a−3/4)Lとなる位置に圧潰ビード29を形成した。圧潰ビード29は、図17に示したように、外側に向かって凸状のコーナ部に形成し、且つ内側に凹むような形状とした。このようにして製作された構造材組立体1に対して上記衝撃試験を行った結果、吸収エネルギは4988Jであった。
〈比較例4〉
上記比較例1では、構造材組立体60の衝撃付加側端部にも鋼板をミグ溶接しているが、比較例5では構造材組立体60の衝撃付加側端部には鋼板を溶接せずに自由端とした。このようにして製作された構造材組立体に対して上記衝撃試験を行った結果、吸収エネルギは4280Jであった。
〈実施例4〉
上述した比較例4の衝撃吸収部材に対して、レーザ熱処理を行った。レーザ熱処理は、図18に第3熱処理部Dで示した位置に、すなわち長さ方向の距離Xが(a−1/4)L〜(a+1/4)Lである衝撃吸収部材96の各コーナ部13,17に行った。具体的には、各コーナ部13,17には、長さ方向に延びる5本の直線状にレーザ熱処理を行った。このようにして製作された構造材組立体95に対して上記衝撃試験を行った結果、吸収エネルギは5051Jであった。
〈比較例5〉
上述した比較例4の衝撃吸収部材に対して、レーザ熱処理を、長さ方向の距離Xが(a−3/4)L〜(a−1/4)Lである衝撃吸収部材の各コーナ部に行った。具体的には、各コーナ部には、長さ方向に延びる5本の直線状に熱処理を行った。このようにして製作された構造材組立体に対して上記衝撃試験を行った結果、吸収エネルギは2811Jであった。
〈実施例5〉
上述した比較例4の衝撃吸収部材に対して、各コーナ部に端から端まで長さ方向に延びる1本の直線状にレーザ熱処理を行った。加えて、長さ方向の距離Xが(a−1/4)L〜(a+1/4)Lである衝撃吸収部材の各コーナ部には、上記1本の直線状のレーザ熱処理部の両側に2本ずつ長さ方向に延びる直線状にレーザ熱処理を行った。すなわち、実施例5では、長さ方向の距離Xが(a−1/4)L〜(a+1/4)Lである衝撃吸収部材の各コーナ部に長さ方向に延びる5本の直線状に熱処理を行うと共に、長さ方向の距離Xが(a−3/4)L〜(a−1/4)Lである衝撃吸収部材の各コーナ部に長さ方向に延びる1本の直線状に熱処理を行った。このようにして製作された構造材組立体に対して上記衝撃試験を行った結果、吸収エネルギは5317Jであった。
〈比較例6〉
上記実施例5と同様に、上述した比較例4の衝撃吸収部材に対して、各コーナ部に端から端まで長さ方向に延びる1本の直線状にレーザ熱処理を行った。加えて、長さ方向の距離Xが(a−3/4)L〜(a−1/4)Lである衝撃吸収部材の各コーナ部には、上記1本の直線状のレーザ熱処理部の両側に2本ずつ長さ方向に延びる直線状にレーザ熱処理を行った。すなわち、比較例6では、長さ方向の距離Xが(a−3/4)L〜(a−1/4)Lである衝撃吸収部材の各コーナ部に長さ方向に延びる5本の直線状に熱処理を行うと共に、長さ方向の距離Xが(a−1/4)L〜(a+1/4)Lである衝撃吸収部材の各コーナ部に長さ方向に延びる1本の直線状に熱処理を行った。このようにして製作された衝撃吸収部材に対して上記衝撃試験を行った結果、吸収エネルギは2566Jであった。
〈実施例6〉
上述した実施例4の衝撃吸収部材に対して、Xが(a−1/2)Lとなる位置に圧潰ビード19を形成した。圧潰ビード19は、実施例3と同様に、外側に向かって凸状のコーナ部に形成し、且つ内側に凹むような形状とした。このようにして製作された構造材組立体1に対して上記衝撃試験を行った結果、吸収エネルギは5058Jであった。
〈比較例7〉
上述した比較例1の衝撃吸収部材63に対して、図19に熱処理部Eで示した位置に、すなわち衝撃吸収部材98の部分管状体97を構成する各平板部98a,98b,98cの幅方向中央に、端94aから端94bまで長さ方向に延びる3本の直線状にレーザ熱処理を行った。このようにして製作された構造材組立体に対して上記衝撃試験を行った結果、吸収エネルギは4692Jであった。
〈実施例7〉
上述した実施例1の衝撃吸収部材に対して、比較例7と同様な位置にさらにレーザ熱処理を行った。したがって、実施例7では、レーザ熱処理を、部分管状体11を構成する各平板部の幅方向中央と、長さ方向の距離Xが(a−1/2)L〜aLである衝撃吸収部材の各コーナ部とに行った。具体的には、平板部の幅方向中央には長さ方向に端から端まで延びる3本の直線状に熱処理を行い、各コーナ部には長さ方向に延びる5本の直線状にレーザ熱処理を行った。このようにして製作された構造材組立体1に対して上記衝撃試験を行った結果、吸収エネルギは5367Jであった。
〈実施例8〉
上述した比較例1の衝撃吸収部材に対して、図20に示した位置に、すなわち衝撃吸収部材100の部分管状体99を構成する各平板部100a,100b、100cの幅方向中央であって長さ方向の距離Xが(a−1/2)L〜aLである位置にレーザ熱処理を行った。具体的には、各平板部100a,100b、100cの幅方向中央には長さ方向に延びる5本の直線状にレーザ熱処理を行った。このようにして製作された構造材組立体1に対して上記衝撃試験を行った結果、吸収エネルギは4876Jであった。
〈比較例8〉
上述した比較例1の衝撃吸収部材に対して、衝撃吸収部材の部分管状体11を構成する各平板部の幅方向中央であって長さ方向の距離Xが(a−1)L〜(a−・BR>P/2)Lである位置にレーザ熱処理を行った。具体的には、各平板部の幅方向中央には長さ方向に延びる5本の直線状にレーザ熱処理を行った。このようにして製作された構造材組立体1に対して上記衝撃試験を行った結果、吸収エネルギは4852Jであった。
以上の結果を下記表1にまとめた。
表1から、衝撃付加側端部に鋼板が溶接されている場合、すなわち衝撃付加側端部が固定端である場合、長さ方向の距離Xが(a−1/2)L〜aLである部分にのみレーザ熱処理を行った衝撃吸収部材の方が、長さ方向の距離Xが(a−1)L〜(a−1/2)Lである部分にのみレーザ熱処理を行った衝撃吸収部材よりも衝撃付加時の吸収エネルギが高いことが分かる(実施例1及び比較例2)。また、この場合、長さ方向の距離Xが(a−1/2)L〜aLである部分へのレーザ熱処理比率を高くした衝撃吸収部材の方が、長さ方向の距離Xが(a−1)L〜(a−1/2)Lである部分へのレーザ熱処理比率を高くした衝撃吸収部材よりも衝撃付加時の吸収エネルギが高いことが分かる(実施例2及び比較例3)。
さらに、衝撃付加側端部に鋼板が溶接されていない場合、すなわち衝撃付加側端部が自由端である場合、長さ方向の距離Xが(a−1/4)L〜(a+1/4)Lである部分にのみレーザ熱処理を行った衝撃吸収部材の方が、長さ方向の距離Xが(a−3/4)L〜(a−1/4)Lである部分にのみレーザ熱処理を行った衝撃吸収部材よりも衝撃付加時の吸収エネルギが高いことが分かる(実施例4及び比較例5)。また、この場合、長さ方向の距離Xが(a−1/4)L〜(a+1/4)Lである部分へのレーザ熱処理比率を高くした衝撃吸収部材の方が、長さ方向の距離Xが(a−3/4)L〜(a−1/4)Lである部分へのレーザ熱処理比率を高くした衝撃吸収部材よりも衝撃付加時の吸収エネルギが高いことが分かる(実施例5及び比較例6)。
加えて、上述したような傾向は、圧潰ビードを設けた場合でも同様である(実施例3、6)と共に、レーザ熱処理をコーナ部に換えて平板部に行った場合でも同様である(実施例7、8及び比較例7、8)ことが分かる。
[第3実施形態]
以下、添付図面を参照して、本発明の第3実施形態を説明する。
先ず、図21、図22を参照すると、本発明の実施形態を適用すべき成形品として、乗用車のフロントサイドメンバまたはリアサイドメンバに利用可能な衝撃吸収部材610が図示されている。衝撃吸収部材610は、第1の鋼板(部分管状体)612と、フランジ部615とを有している。第1の鋼板612は、プレス加工またはロールフォーミングにより、図21、図22において上方に矩形状に突き出た膨出部となっている。フランジ部615は、第1の鋼板612から側方へ貼り出したフランジ部615a,615bを有しており、衝撃吸収部材610の延在方向に垂直な断面で見た場合、ハット形断面形状に成形されている。
また、図21に示すように、衝撃吸収部材610のフランジ部615に対向し、且つ第1の鋼板612の四角形断面における開いている一辺を閉じるように配置される平板状の第2の鋼板(追加構造材)614が配置される。
また、第1の鋼板612は、フランジ部615において、第2の鋼板614にスポット溶接されている。
本実施形態では、第1の鋼板612は、平板状である複数の平板部612a〜612cと、これら平板部612a〜612c間に設けられた複数のコーナ部(稜線部)613とを有する。図21に示した例では、第1の鋼板612は、三つの平板部612a〜612cと、これら平板部612a〜612c間に設けられた二つのコーナ部613a及び613bとを有する。さらに、平板部612aとフランジ部615とは、コーナ部617aによって連結され、平板部612cとフランジ部615とは、コーナ部617bによって連結されている。
図23Aに示すように、複数のコーナ部613の延在方向に沿って、レーザー光によって焼入れされた熱硬化領域618が形成されている。衝撃吸収部材610の熱硬化領域618は、コーナ部613に加えて、コーナ部617に沿って形成してもよい。レーザー光線による熱処理部は、コーナ部613またはコーナ部617に沿って長さ方向に延在する1本の熱硬化領域によって形成することもできる。好ましくは、図23A、図23Bに示すように、複数本の熱硬化領域618を含んでいる。また、レーザー光線は、好ましくは、熱硬化領域618がコーナ部の表面613cから板厚の3/4の深さまで形成されるように、レーザー光線の強度および照射時間を決定する。なお、熱硬化領域618は、以下の式(7)で決定される基準硬度よりも高い高度を有した領域と定義する。
0.8×(884C(1−0.3C)+294)・・・式(7)
ここで、Cは炭素含有量(重量%)である。
更に、熱処理部に複数本の熱硬化領域618を形成する場合、1本の熱硬化領域618を形成した後に、これとは隣接しない熱硬化領域618を形成する。更に、この新たに形成された熱硬化領域618とは隣接しない領域に熱硬化領域618を順次形成するようにし、既に焼入れされた熱硬化領域618が焼鈍されないようにする。
以下、こうして形成された衝撃吸収部材610を用いた圧潰試験結果を説明する。
試験材料としては、厚さ1.6mmの440MPa級鋼板を用い、図21、図22に示すようなハット形断面形状を有した衝撃吸収部材610を形成した。この衝撃吸収部材610は、高さtが50mmであり、幅wが70mmであり、長さL1が300mmである。
衝撃吸収部材610に用いた鋼板の材料特性を表2に示す。
また、コーナ部613に加えて、コーナ部617に沿ってレーザー光線を照射して、図23A,図23Bに示すような熱硬化領域618を形成した。このときのレーザー光線の照射条件は、出力5kWで、処理速度、つまり、衝撃吸収部材610上のレーザー光線のスポットの移動速度12m/minである。
次に、レーザー光線によって焼入れした熱処理部についてビッカース硬度の測定を行った。焼入れ前の鋼板のビッカース硬度が140であったに対して、焼入れ後のビッカース硬度306となっており、十分に焼入れ硬化されている。
こうして形成した衝撃吸収部材610を長さ方向が鉛直となるように配向して、衝撃吸収部材610の上方から衝突部材(図示せず)を落下させて、該衝撃吸収部材610の上端に衝突させ、衝撃吸収部材610の変形を観察した。より詳細には、300kgの落錘を高さ2mから落下させて構造部材の上端に衝突させ(このとき落錘によって構造体に投入されるエネルギーは5.88kJ)、構造部材の変形を観察する。さらに、落錘が構造体に接触してから30mm変位するまでの荷重-変位線図を積分して、吸収エネルギーを算出し、衝撃吸収能の評価値とした。なお、N数(サンプリング数)15で試験を行い、再現性を評価した。
図24、図25は、衝撃試験による衝撃吸収部材610の変形を示す写真である。図4では、衝撃吸収部材610は、局所的な折れ込みが生じず全体がひだ状に規則正しく折り畳まれるように変形しており、このような圧潰態様をコンパクトモード(compact mode)と称する。一方、図25では、衝撃吸収部材610において座屈が発生した部位に、局所的な折れこみによって、変形に寄与しない平板部分が生じており、このような変形態様をノンコンパクトモード(non-compact mode)と称する。ノンコンパクトモードでは、変形に寄与しない直線部分では衝突エネルギーが吸収されないために、コンパクトモードに比べて吸収エネルギーが著しく小さくなる。
図26は、熱硬化領域の体積(体積分率fm)に対して、左の縦軸が吸収エネルギーであり、右の縦軸がノンコンパクトモード(右の縦軸)の発生率の変化である。すなわち、横軸は、複数のコーナ部613,617のそれぞれの体積に対する熱硬化領域618の体積の割合、つまり、図21〜図23Bに示す実施形態では、衝撃吸収部材610のコーナ部613およびコーナ部617のR部分、より詳細には、図23A、図23Bにおける中心O回りの中心角が90°となる円弧部分の体積に対する熱硬化領域の体積の割合である。
本実施形態では、熱硬化領域の体積分率fmは以下の式(8)から演算される。
fm=ΣSi/(t×a)・・・式(8)
ここで、
ΣSi:熱処理部の断面における熱硬化領域の断面積の合計(mm2
t:衝撃吸収部材の板厚(mm)
a:コーナ部(R部)における板厚中心部の周長(mm)
である。
なお、本実施形態では、中心角90°の円弧の場合を例示したが、本発明がこれに限定されず、衝撃吸収部材610の形態に応じて、中心角は適宜選択される。
図26から分かるように、熱硬化領域618の体積分率fmが高くなる、つまり熱硬化領域618が増えると、概ねそれに比例して吸収エネルギーも増加している。一般的に、吸収エネルギーは材料の降伏応力と相関性があり、降伏応力の大きい材料は吸収エネルギーも高くなる。熱硬化領域618の体積分率fmが小さいと、降伏現象は、熱硬化領域618に比して降伏応力の小さい母材部分の特性が支配的となり、全体としての降伏応力は母材の降伏応力に近い値となり、吸収エネルギーはあまり高くならない。しかしながら、母材体積に対する熱硬化領域618の体積の比率fmが「特定の値」以上となると、降伏時に熱硬化領域の特性の影響が顕在化して降伏応力が高まり吸収エネルギーが高くなる。図26のグラフでは、熱硬化領域618の体積分率fmが約8.8%付近で吸収エネルギーが不連続に増加しているのが分かる。
その一方で、熱硬化領域618の体積分率fmが80%以上になると、ノンコンパクトモードで座屈する発生率が急激に高まる。これは、(1)熱硬化領域80%以上を硬化させようとすると、レーザー光線の照射部が近接してしまう。レーザー光線で硬化させた領域のすぐ隣にレーザー光線を照射すると、その入熱によって、硬化した領域が焼きなまされてしまう(硬度が下がる)。(2)硬さ分布の再現性が低くなる(ばらつく)ため、座屈のきっかけとなる初期不整が存在しやすくなる。その結果、ノンコンパクトモードの発生率が高まるためであると考えられる。ノンコンパクトモードでは吸収エネルギーは熱硬化領域の体積分率fm=0%の条件より悪くなるので、硬化領域の体積分率fmは80%未満とする必要がある。より好ましくは、硬化領域の体積分率fmは75%未満である。
本実施形態によれば、衝撃吸収部材610のコーナ部613,617のみをレーザー光線によって焼入れしたので、低コスト、短時間で衝撃吸収部材の吸収エネルギーを増大させることが可能となり、鋼板を薄くすることが可能となる。
また、熱硬化領域618を80%未満とすることによって、ノンコンパクトモードによる圧潰の発生を低減することが可能となる。
本発明の技術範囲は上述した第1〜第3実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各実施形態に種々の変更を加えた構成を含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な構造や形状などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
1 構造材組立体
10 衝撃吸収部材
11 部分管状体
12 平板部
13 コーナ部
14 長手端部
15 フランジ部
16 平板部
17 コーナ部
19 圧潰ビード
20 追加構造材
610 衝撃吸収部材
612 第1の鋼板
613 コーナ部
614 第2の鋼板
615 フランジ部
617 コーナ部
618 熱硬化領域

Claims (10)

  1. 複数の平板部と、これら平板部間に設けられた複数のコーナ部とを有し、長さ方向に垂直な断面形状が多角形である管状体を備え;
    前記管状体の前記長さ方向の端部における前記多角形を構成する全ての辺の平均辺長をLとし、前記端部からの前記長さ方向の距離をXとし、aを1以上の整数としたときに、
    少なくとも前記距離Xが下式(1)を満たす前記管状体の第1領域のコーナー部に、前記管状体の長手方向に沿って、レーザ光によって熱処理された線状の熱硬化領域が複数本設けら
    前記距離Xが下式(2)を満たす前記管状体の第2領域のコーナー部に、前記管状体の長手方向に沿って、前記レーザ光によって熱処理された線状の熱硬化領域が設けられており;
    前記第1領域の全外周面積に対する前記レーザ光によって熱処理された第1熱処理面積の比率が、前記第2領域の全外周面積に対する前記レーザ光によって熱処理された第2熱処理面積の比率よりも高い;
    ことを特徴とする衝撃吸収部材。
    (a−1/2)L≦X≦aL・・・式(1)
    (a−1)L≦X≦(a−1/2)L・・・式(2)
  2. 前記第1領域のみが、レーザ光によって熱処理されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の衝撃吸収部材。
  3. 前記距離Xが下式(3)を満たす位置に、その周辺部分よりも強度の低い脆弱部が形成されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の衝撃吸収部材。
    X=(a−3/4)L・・・式(3)
  4. 複数の平板部と、これら平板部間に設けられた複数のコーナ部とを有し、長さ方向に垂直な断面形状が多角形である管状体を備え;
    前記管状体の前記長さ方向の端部における前記多角形を構成する辺の平均辺長をLとし、前記端部からの前記長さ方向の距離をXとし、aを1以上の整数としたときに、
    少なくとも前記距離Xが下式(4)を満たす前記管状体の第3領域のコーナー部及び前記端部からL/4である前記管状体の領域のコーナー部に、前記管状体の長手方向に沿って、レーザ光によって熱処理された線状の熱硬化領域が複数本設けら
    前記距離Xが下式(5)を満たす前記管状体の第4領域のコーナー部に、前記管状体の長手方向に沿って、前記レーザ光によって熱処理された線状の熱硬化領域が設けられており;
    前記第3領域の全外周面積に対する前記レーザ光によって熱処理された第3熱処理外周面積の比率が、前記第4領域の全外周面積に対する前記レーザ光によって熱処理された第4熱処理面積の比率よりも高い;
    ことを特徴とする衝撃吸収部材。
    (a−1/4)L≦X≦(a+1/4)L・・・式(4)
    (a−3/4)L≦X≦(a−1/4)L・・・式(5)
  5. 前記距離Xが下式(6)を満たす位置に、その周辺部分よりも強度の低い脆弱部が形成されている
    ことを特徴とする請求項に記載の衝撃吸収部材。
    X=(a−1/2)L・・・式(6)
  6. 前記複数のコーナ部の延在方向に沿って、前記レーザ光による熱硬化領域が形成され;
    前記複数のコーナ部のそれぞれの体積に対する前記熱硬化領域の体積の割合が80%未満である;
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項の何れか一項に記載の衝撃吸収部材。
  7. 前記熱硬化領域が、前記コーナ部の表面から前記コーナ部の板厚の3/4の深さまで形成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項の何れか一項に記載の衝撃吸収部材。
  8. 前記複数の平板部が、前記レーザ光によって熱処理されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の衝撃吸収部材。
  9. 前記複数の平板部が、互いに対向する一対の側壁部と、これら一対の側壁部の上端同士をつなぐ上壁部と、前記各側壁部の各下端より互いに離れる方向に形成されたフランジ部と、を備え;
    前記断面形状が、開断面で構成され;
    前記複数のコーナ部が、前記側壁部と前記上壁部と前記フランジ部とのそれぞれの間に設けられている;
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の衝撃吸収部材。
  10. 前記管状体の前記長さ方向に垂直な断面で見た場合に、前記複数の平板部と前記複数のコーナ部とにより、閉断面が構成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の衝撃吸収部材。
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