JP5310879B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP5310879B2
JP5310879B2 JP2012001992A JP2012001992A JP5310879B2 JP 5310879 B2 JP5310879 B2 JP 5310879B2 JP 2012001992 A JP2012001992 A JP 2012001992A JP 2012001992 A JP2012001992 A JP 2012001992A JP 5310879 B2 JP5310879 B2 JP 5310879B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
tire
splice portion
lap
pneumatic tire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012001992A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013141855A (ja
Inventor
佳史 小石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama Rubber Co Ltd filed Critical Yokohama Rubber Co Ltd
Priority to JP2012001992A priority Critical patent/JP5310879B2/ja
Priority to DE201310100120 priority patent/DE102013100120A1/de
Priority to CN201310007176.5A priority patent/CN103192667B/zh
Priority to US13/737,574 priority patent/US9004129B2/en
Publication of JP2013141855A publication Critical patent/JP2013141855A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5310879B2 publication Critical patent/JP5310879B2/ja
Priority to US14/560,655 priority patent/US9902214B2/en
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
更に詳しくは、カーカス層の内側にタイゴム層を介して、熱可塑性樹脂を主成分とするフィルムからなるインナーライナーをタイヤに内貼りし、前記フィルムのタイヤ周方向端部がタイヤ幅方向にわたってタイゴムを介して重なっている(オーバーラップしている)ラップスプライス部を有してなる空気入りタイヤにおいて、該空気入りタイヤの走行を開始した後、前記スプライスされたインナーライナーの該ラップスプライス部分付近においてクラックが発生することがなく、耐久性に優れた空気入りタイヤに関するものである。
近年、熱可塑性樹脂を主成分とするフィルムを空気入りタイヤのインナーライナーに使用するという提案がされ、検討されている(特許文献1)。
この熱可塑性樹脂を主成分とするフィルムを、実際に空気入りタイヤのインナーライナーに使用するにあたっては、通常、熱可塑性樹脂を主成分とするフィルムと該フィルムと加硫接着されるタイゴムシートを積層した積層体シートを、タイヤ成形ドラムに巻き付けてラップスプライスして、タイヤの加硫成形工程に供するという製造手法がとられる。
しかし、ロール状の巻き体をなして巻かれた、該熱可塑性樹脂を主成分とするフィルムとタイゴム層とからなる積層体シートを、該ロール状巻き体から所要の長さ分を引き出して切断し、タイヤ成形ドラムに巻き付けて該ドラム上などにおいてラップスプライスし、更に加硫成形をしてタイヤを製造したとき、タイヤ走行開始後にインナーライナーを構成している熱可塑性樹脂を主成分とするフィルムと、該フィルムと加硫接着されたタイゴム層とが剥離してしまう場合があった。
これを図で説明すると、図3(a)に示したように、熱可塑性樹脂を主成分とするフィルム2とタイゴム層3とからなる積層体シート1は、刃物などで所要サイズ(長さ)に切断されて、タイヤ成形ドラム上にて、その両端部にラップスプライス部Sを設けて環状を成すようにして重ね合わされ(オーバーラップされ)ラップスプライスされる。なお、該積層体シート1は、1枚の使用のときは、その両端部がラップスプライスされて環状を成すように形成され、あるいは複数枚の使用のときは、それら相互の端部同士がラップスプライスされて繋ぎ合わされ全体で一つの環状を成すように形成される場合などがある。
そして、更にタイヤの製造に必要なパーツ材(図示せず)が巻かれ、ブラダーで加硫成形される。加硫成形後においては、図3(b)にモデル図で示したように、熱可塑性樹脂を主体としたフィルム2がインナーライナー層10を成し、ラップスプライス部S付近では、熱可塑性樹脂を主成分とするフィルム2が、内腔側に露出している部分と、タイヤ外周側でタイゴム層3の中に埋設している部分とで、タイゴム3′を介して重なっていて該ラップスプライス部Sが形成されている。図3上、上の方がタイヤ内腔側であり、X−X方向がタイヤ周方向である。
すなわち、該フィルム2のタイヤ周方向端部がタイヤ幅方向にわたってタイゴム3′を介して重なっているラップスプライス部Sを有し、該ラップスプライス部Sはタイヤ幅方向E−Eにわたって存在して空気入りタイヤTが形成されている(図4)。
そして、上述した熱可塑性樹脂を主成分とするフィルム2と、該フィルム2と加硫接着されたタイゴム層3とが剥離してしまう現象は、特に、図3(b)で示した熱可塑性樹脂を主成分とするフィルム2が露出していてかつその先端部付近4などにおいて発生し、まずクラックが発生し、それがさらに進んでシートの剥離現象へと進行していく。
特開2009−241855号公報
本発明の目的は、上述したような点に鑑み、カーカス層の内側にタイゴム層を介して、熱可塑性樹脂を主成分とするフィルムからなるインナーライナーをタイヤに内貼りし、前記フィルムのタイヤ周方向端部がタイヤ幅方向にわたってタイゴムを介して重なっているラップスプライス部を有してなる空気入りタイヤにおいて、空気入りタイヤの走行を開始した後、インナーライナー層のラップスプライス部分付近においてクラックを発生することがなく耐久性に優れたタイヤを提供することにある。
上述した目的を達成する本発明の空気入りタイヤは、以下の(1)の構成を有する。
(1)カーカス層の内側にタイゴム層を介して、熱可塑性樹脂を主成分とするフィルムからなるインナーライナーをタイヤに内貼りし、前記フィルムのタイヤ周方向端部がタイヤ幅方向にわたってタイゴムを介して重なってスプライスされているラップスプライス部を有してなる空気入りタイヤにおいて、該ラップスプライス部におけるタイヤ内腔側の前記フィルムとタイヤ外周側の前記フィルムの少なくとも一方が、該ラップスプライス部でのフィルム厚さを該ラップスプライス部以外の該フィルム厚さよりも薄く形成され、該薄く形成された部分がタイゴムを介在させて他方フィルムと前記スプライスされていることを特徴とする空気入りタイヤ。
かかる本発明の空気入りタイヤにおいて、以下の(2)〜(5)のいずれかの構成からなることが好ましい。
(2)前記ラップスプライス部で該ラップスプライス部以外のフィルム厚さよりも薄く形成されている部分が階段状に薄くなる形状で形成され、かつ、該ラップスプライス部で薄く形成されている部分のフィルムの厚さが、ラップスプライス部以外の該フィルムの厚さの20〜80%であることを特徴とする上記(1)記載の空気入りタイヤ。
(3)前記ラップスプライス部の周方向のラップ長さが3〜30mmであることを特徴とする上記(1)または(2)記載の空気入りタイヤ。
(4)前記ラップスプライス部におけるタイヤ内腔側の前記フィルムとタイヤ外周側の前記フィルムの双方が、該ラップスプライス部でのフィルム厚さを該ラップスプライス部以外の該フィルム厚さよりも薄く形成されてなることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
(5)前記ラップスプライス部でラップスプライス部以外のフィルム厚さよりも薄く形成されている部分が、タイヤ子午線断面上で、少なくともベルト端部からビードフィラー部先端の間に存在していることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
請求項1にかかる本発明によれば、タイヤ走行開始後に、インナーライナーを成している熱可塑性樹脂を主成分とするフィルムと該熱可塑性樹脂を主成分とするフィルムと加硫接着されたタイゴムシートとが、相互間で剥離することがなく、優れた走行耐久性を有する空気入りタイヤが提供される。
請求項2〜請求項5のいずれかにかかる本発明の空気入りタイヤによれば、上記請求項1にかかる本発明の効果を有するとともに、その効果をより確実にかつより効果的に得ることができる。
本発明の空気入りタイヤの1実施例をモデル的に示したものであり、(a)はラップスプライス部付近の側面断面図、(b)はその平面図である。 (a)〜(c)は、いずれも、本発明の空気入りタイヤの他の実施例をモデル的に示したものであり、ラップスプライス部付近の側面断面図である。 (a)および(b)は、従来技術の問題点を説明するものであり、(a)は、熱可塑性樹脂を主成分とするフィルム2と、該熱可塑性樹脂を主成分とするフィルムと加硫接着するタイゴム3を積層した積層体シート1を所定長さで切断し、タイヤ成形ドラムに巻き付けて、該積層体シート1の両端部をラップスプライスした状態を示すモデル図であり、(b)は、(a)に示した状態で加硫成形した後の状態を示したモデル図である。 本発明にかかる空気入りタイヤの形態の1例を示した一部破砕斜視図である。 本発明にかかる空気入りタイヤを説明するタイヤ子午線方向の断面図であり、タイヤ幅方向E−Eにおいて全幅にわたりオーバーラップスプライス部が存在する中で、該ラップスプライス部におけるタイヤ内腔側のフィルムとタイヤ外周側のフィルムの少なくとも一方が、ラップスプライス部以外の該フィルム厚さよりも薄く形成されている部分を設けることが好ましい箇所をモデル的に示したものである。
以下、更に詳しく本発明の空気入りタイヤについて、説明する。
本発明の空気入りタイヤは、図1に示したように、カーカス層(図1で図示せず。図4および図5で14)の内側にタイゴム層3を介して、熱可塑性樹脂を主成分とするフィルム2からなるインナーライナー10をタイヤに内貼りし、該フィルム2のタイヤ周方向端部がタイヤ幅方向にわたってタイゴム3′を介して重なってスプライスされているラップスプライス部Sを有してなる空気入りタイヤにおいて、該ラップスプライス部Sにおけるタイヤ内腔側の前記フィルム2Aとタイヤ外周側の前記フィルム2Bの少なくとも一方が、該ラップスプライス部でのフィルム厚さを該ラップスプライス部以外の該フィルム厚さよりも薄く形成され、該薄く形成された部分がタイゴムを介在させて他方フィルムと前記スプライスされていることを特徴とする。図1において、5は該薄く形成されているフィルムを示し、この態様では、タイヤ内腔側のフィルム2Aとタイヤ外周側のフィルム2Bの双方ともが、該フィルム厚さをラップスプライス部以外の該フィルム厚さよりも薄く形成されている。フィルム2Aとフィルム2Bの該薄く形成されている各部分は、タイゴム3′を介在させてラップスプライスされている。
本発明者らは、従来方法によるものの不都合点であるインナーライナー10を成している熱可塑性樹脂を主成分とするフィルム2と、該熱可塑性樹脂を主成分とするフィルムと加硫接着されたタイゴム層3とが相互間で剥離する原因について種々検討した結果、以下の知見を得た。
すなわち、上述の積層体シート1を、通常の方法で準備した場合、図3(a)、(b)に示した積層体シート1の両端のラップスプライス部S付近では、上下に存在する剛性の大きな熱可塑性樹脂を主成分とするフィルム2に上下を挟まれたタイゴム3′に大きな応力が発生し、そのため、熱可塑性樹脂を主成分とするフィルム2の先端部付近4などにおいてクラックの発生や、さらに該クラックが大きくなって剥離が発生すると考えられるものであった。
これに対して、本発明の空気入りタイヤにおいては、図1に示したように、ラップスプライス部Sにおいて、上下のフィルムのうち、少なくとも一方が薄く形成されているフィルム5であるため、ラップスプライス部S全体の剛性が小さくなり、ラップスプライス部Sが全体としてたわみやすくなり、フィルムやタイゴムのめくれ、剥がれの発生を著しく緩和することができ、耐久性に優れた空気入りタイヤを得ることができる。このことが、タイヤ使用の開始後に、該熱可塑性樹脂を主成分とするフィルム2と加硫接着されたタイゴム層3との間で互いの剥離現象を起こすことを防止するのに顕著な効果を発揮する。
ラップスプライス部Sで該ラップスプライス部以外のフィルム厚さよりも薄く形成されているフィルム5は、タイヤ周方向X−X断面形状が、図2(a)に示したように先端に向かって徐々に薄くなっていく形状、あるいは、図2(b)、(c)に示したように階段状に薄くなっている形状のいずれでもよい。さらに図2(b)、(c)に示した階段状の形状は、1段の階段状であるが、複数段のものであってもよい。
また、図2(b)に示したようにタイヤ内腔側のフィルム2Aのみが薄く形成されているものであってもよく、図2(c)に示したようにタイヤ外周側のフィルム2Bのみが薄く形成されているものであってもよい。中でも、本発明者らの知見によれば、一方のみを薄くする場合、図2(b)に示したようにタイヤ内腔側のフィルム2Aを薄くする方が好ましい。これは、表面に位置するフィルムを薄くする方が剛性の低下効果としてより大きく、めくれや剥がれが発生しにくいためと考えられる。
フィルムを薄くする加工は、タイゴムシートと積層する以前のフィルム単体の段階で、例えば、レーザー加工をタイヤ幅方向に行うことなどにより行うことができる。なお、該レーザー加工により、フィルム表面が改質されてタイゴムシートとの接着性が低下する場合があるので、その場合には、タイゴムシートとの非接合面側にレーザー加工を施して薄くすることがよい。すなわち、図2(b)に示した態様で説明すると、該図示の態様はタイヤ内腔側のフィルム2Aが薄くされているものであり、かつ、該図のものは該フィルム2Aのタイゴムシート側の面が薄く加工されているものであるが、該薄くする加工手法によって該加工面の接着性が低下する場合には、該面と反対側の内腔側面を薄くするのがよいものである。あるいは、該薄くする加工手法によって該加工面の接着性が向上する場合には、タイゴムシート側の面を薄くする被加工面とすることが、めくれ、剥がれの防止効果が大きくなるので好ましい。
上述したように階段状に薄くする場合、該ラップスプライス部で薄く形成されているフィルムの厚さtが、ラップスプライス部以外の該フィルムの厚さTの20〜80%であることが好ましい(図1(a)、図2(b)、(c))。あまり薄くするとインナーライナーとしての良好な空気透過防止性能を得ることができなくなり、成形作業性も悪化する。80%よりも厚い場合には、剛性の低下効果が小さくなり、本発明の所期の効果が得られ難くなるので好ましくない。
本発明の空気入りタイヤにおいて、図1に示したラップスプライス部Sのタイヤ周方向のオーバーラップ長さLは、好ましくは3〜30mmである。ラップスプライス部Sの周方向オーバーラップ長さLが3mmよりも小さいと、スプライス部としての繋ぎ効果を発揮することが難しく、また該周方向オーバーラップ長さLが30mmよりも大きいとタイヤのユニフォミティが悪化する懸念があり、好ましくない。
また、フィルム2の薄くなっているフィルム部分5のタイヤ周方向長さは、該オーバーラップ長さLとほぼ等しい長さにして形成することが好ましく、具体的には該長さLの±15%以内とすることが好ましく、より好ましくは長さLの±10%以内とすることが好ましい。
図4は、本発明にかかる空気入りタイヤの形態の1例を示した一部破砕斜視図である。
空気入りタイヤTは、トレッド部11の左右にサイドウォール部12とビード部13を連接するように設けている。そのタイヤ内側には、タイヤの骨格たるカーカス層14が、タイヤ幅方向には左右のビード13、13間に跨るように設けられている。トレッド部11に対応するカーカス層4の外周側にはスチールコードからなる2層のベルト層15が設けられている。矢印Eはタイヤ幅方向を示し、矢印Xはタイヤ周方向を示している。カーカス層14の内側には、インナーライナー層10が配され、そのラップスプライス部Sがタイヤ幅方向に延びて存在している。
本発明にかかる空気入りタイヤでは、タイヤ内周面上でこのラップスプライス部S付近で従来は生じやすかったクラックの発生、インナーライナー10を形成している熱可塑性樹脂を主体とするシート2とタイゴム層3の間のクラックの発生、剥離の発生が抑制されて耐久性が著しく向上するものである。
オーバーラップによるスプライス部Sは、タイヤ全幅にわたり存在するが、そのスプライス部の全幅にわたりフィルム2の薄くなっている部分5が設けられている必要はなく、タイヤ幅方向で、少なくとも、図5において領域Zで示した、「幅がより大きいベルト15bの端部からビードフィラー16の先端部までの間の領域」には、少なくとも存在していることが好ましい。特に、ショルダー部付近は走行中、変形が大きく、そのためフィルムやタイゴムのクラックや剥がれが生じやすく、サイドウォール部も含めて、少なくとも上記領域Z内に設けられることが好ましいのである。
本発明でインナーライナーを成す「熱可塑性樹脂を主成分とするフィルム」とは、代表的には、「熱可塑性樹脂」からなるか、あるいは「熱可塑性樹脂を主成分として維持しつつ、該樹脂にエラストマーをブレンドした熱可塑性樹脂組成物」からなるフィルムをいう。後者の場合であっても主成分は熱可塑性樹脂とするものであり、熱可塑性樹脂を主成分とするフィルムは、ゴム100%のシートなどと比較して、一般に剛性が大きいという特質を有するものである。それ故に、上述した本発明の構成として、インナーライナーのスプライス部付近を保護することが、空気入りタイヤの寿命を長くする上で重要なものである。
本発明で用いることのできる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂〔例えば、ナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6(MXD6)、ナイロン6T、ナイロン9T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体〕及びそれらのN−アルコキシアルキル化物、例えば、ナイロン6のメトキシメチル化物、ナイロン6/610共重合体のメトキシメチル化物、ナイロン612のメトキシメチル化物、ポリエステル系樹脂〔例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸/ポリブチレンテレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル〕、ポリニトリル系樹脂〔例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、(メタ)アクリロニトリル/スチレン共重合体、(メタ)アクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体〕、ポリメタクリレート系樹脂〔例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル〕、ポリビニル系樹脂〔例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体(ETFE)〕、セルロース系樹脂〔例えば、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース〕、フッ素系樹脂〔例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフロロエチレン/エチレン共重合体〕、イミド系樹脂〔例えば、芳香族ポリイミド(PI)〕等を好ましく用いることができる。
また、本発明で使用できる「熱可塑性樹脂を主体とする熱可塑性樹脂組成物」の例を構成できる熱可塑性樹脂とエラストマーは、熱可塑性樹脂については上述のものを使用できる。エラストマーとしては、例えば、ジエン系ゴム及びその水添物〔例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、エポキシ化天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR、高シスBR及び低シスBR)、ニトリルゴム(NBR)、水素化NBR、水素化SBR〕、オレフィン系ゴム〔例えば、エチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)、ブチルゴム(IIR)、イソブチレンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー〕、含ハロゲンゴム〔例えば、Br−IIR、CI−IIR、臭素化イソブチレン−p−メチルスチレン共重合体(BIMS)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(CHR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、塩素化ポリエチレンゴム(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレンゴム(M−CM)〕、シリコンゴム〔例えば、メチルビニルシリコンゴム、ジメチルシリコンゴム、メチルフェニルビニルシリコンゴム〕、含イオウゴム〔例えば、ポリスルフィドゴム〕、フッ素ゴム〔例えば、ビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム〕、熱可塑性エラストマー〔例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ボリアミド系エラストマー〕等を好ましく使用することができる。
また、前記した特定の熱可塑性樹脂と前記した特定のエラストマーとの組合せでブレンドをするに際して、相溶性が異なる場合は、第3成分として適当な相溶化剤を用いて両者を相溶化させることができる。ブレンド系に相溶化剤を混合することにより、熱可塑性樹脂とエラストマーとの界面張力が低下し、その結果、分散層を形成しているエラストマーの粒子径が微細になることから両成分の特性はより有効に発現されることになる。そのような相溶化剤としては、一般的に熱可塑性樹脂及びエラストマーの両方または片方の構造を有する共重合体、あるいは熱可塑性樹脂又はエラストマーと反応可能なエポキシ基、カルボニル基、ハロゲン基、アミノ基、オキサゾリン基、水酸基等を有した共重合体の構造をとるものとすることができる。これらはブレンドされる熱可塑性樹脂とエラストマーの種類によって選定すればよいが、通常使用されるものには、スチレン/エチレン・ブチレンブロック共重合体(SEBS)及びそのマレイン酸変性物、EPDM、EPM、EPDM/スチレン又はEPDM/アクリロニトリルグラフト共重合体及びそのマレイン酸変性物、スチレン/マレイン酸共重合体、反応性フェノキシン等を挙げることができる。かかる相溶化剤の配合量には特に限定されないが、好ましくは、ポリマー成分(熱可塑性樹脂とエラストマーとの合計)100重量部に対して、0.5〜10重量部がよい。
また、熱可塑性樹脂とエラストマーをブレンドした熱可塑性樹脂組成物においては、特定の熱可塑性樹脂とエラストマーとの組成比は、特に限定されず、熱可塑性樹脂が主たる成分を成し、そのマトリクス中にエラストマーが不連続相として分散した構造をとるように適宜決めればよい。
本発明において、熱可塑性樹脂を主成分とするフィルムには、インナーライナーとしての必要特性を損なわれない範囲で相溶化剤などの他のポリマーを混合することができる。他のポリマーを混合する目的は、熱可塑性樹脂とエラストマーとの相溶性を改良するため、材料の成型加工性を良くするため、耐熱性向上のため、コストダウンのため等がある。これに用いられる材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ABS、SBS、ポリカーボネート(PC)等を例示することができる。また、一般的にポリマー配合物に配合される充填剤(炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ等)、カーボンブラック、ホワイトカーボン等の補強剤、軟化剤、可塑剤、加工助剤、顔料、染料、老化防止剤等をインナーライナーとしての必要特性を損なわない限り任意に配合することもできる。該熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂のマトリクス中にエラストマーが不連続相として分散した構造をとる。かかる構造をとることにより、インナーライナーに十分な柔軟性と連続相としての樹脂層の効果により十分な剛性を併せ付与することができると共に、エラストマーの多少によらず、成形に際し、熱可塑性樹脂と同等の成形加工性を得ることができるものである。
本発明で使用できる熱可塑性樹脂、エラストマーのヤング率は、特に限定されるものではないが、いずれも、好ましくは1〜500MPa、より好ましくは50〜500MPaにするとよい。
以下、実施例などにより、本発明の空気入りタイヤについて具体的に説明する。
なお、各評価特性の測定方法は、以下に記載の方法による。
(1)スプライス部の耐剥がれ性の評価:
ドラム試験機にて内圧120kPa、荷重7.24kN、速度81km/hで80時間の走行試験をして後、各試験タイヤ(各実施例、従来例で、各10本)の内腔のインナーライナー層のスプライス部付近でのタイゴムの剥がれ、クラックの発生の有無の状況(発生本数、大きさ)を観察して評価を行った。
評価は、従来例1のものを指数100として行い、数値が大きいほど優れている。
(2)ユニフォミティの評価:
JASO C−607−87に従いRFVを測定して評価をした。n数は10とし、従来例1のタイヤを100として指数で表示した。数値が大きいほどユニフォミティが優れていることを示している。数値は、2%以上で「優位さあり」と判断し、5%以上で「顕著な優位さあり」と判断した。
実施例1〜7、従来例1
試験タイヤとして、ベルト2層、カーカス2層のタイヤ構造を有するタイヤサイズ195/65R15 91H(15x6J)の試験タイヤを、各実施例1〜7、従来例1ごとに各10本を作製した。
各試験タイヤにおいて、インナーライナーを形成する熱可塑性樹脂を主成分とするフィルムは、熱可塑性樹脂としてN6/N66の厚さ130μmのフィルムを用いた。
実施例1〜7のフィルムは、それぞれ所要の長さ×幅に切断したものを、タイヤ周方向の両端部でタイヤ幅方向に沿ってレーザー光を繰り返し当てる処理により、表1に示したとおりの仕様で薄くした。従来例1のものは、特に薄い部分を設けていないものである。
それぞれのラップスプライス部Sについて、そのラップスフライス長さ(Lmm)、ラップスプライス部付近の側面断面形状と、該薄くされた部分の厚さtをフィルムの厚さT(130μm)に対する百分率(%)で表1に示した。
それぞれの試験タイヤについて、スプライス部の耐剥がれ性の評価をした結果と、ユニフォミティの評価をした結果を表1に記載した。
Figure 0005310879
1:積層体シート
2:熱可塑性樹脂を主成分とするフィルム
3:タイゴム層
3′:タイゴム
4:熱可塑性樹脂を主成分とするフィルム2の先端部付近
5:薄くなっているフィルム部
10:インナーライナー
11:トレッド部
12:サイドウォール部
13:ビード
14:カーカス層
15:ベルト層
16:ビードフィラー
E−E:タイヤ幅方向
L:ラップスプライス部の周方向オーバーラップ長さ
S:ラップスプライス部
X−X:タイヤ周方向

Claims (5)

  1. カーカス層の内側にタイゴムを介して、熱可塑性樹脂を主成分とするフィルムからなるインナーライナーをタイヤに内貼りし、前記フィルムのタイヤ周方向端部がタイヤ幅方向にわたってタイゴムを介して重なってスプライスされているラップスプライス部を有してなる空気入りタイヤにおいて、該ラップスプライス部におけるタイヤ内腔側の前記フィルムとタイヤ外周側の前記フィルムの少なくとも一方が、該ラップスプライス部でのフィルム厚さを該ラップスプライス部以外の該フィルム厚さよりも薄く形成され、該薄く形成された部分がタイゴムを介在させて他方フィルムと前記スプライスされていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ラップスプライス部で該ラップスプライス部以外のフィルム厚さよりも薄く形成されている部分が階段状に薄くなる形状で形成され、かつ、該ラップスプライス部で薄く形成されている部分のフィルムの厚さが、ラップスプライス部以外の該フィルムの厚さの20〜80%であることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ラップスプライス部の周方向のラップ長さが3〜30mmであることを特徴とする請求項1または2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ラップスプライス部におけるタイヤ内腔側の前記フィルムとタイヤ外周側の前記フィルムの双方が、該ラップスプライス部でのフィルム厚さを該ラップスプライス部以外の該フィルム厚さよりも薄く形成されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ラップスプライス部でラップスプライス部以外のフィルム厚さよりも薄く形成されている部分が、タイヤ子午線断面上で、少なくともベルト端部からビードフィラー部先端の間に存在していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
JP2012001992A 2012-01-10 2012-01-10 空気入りタイヤ Expired - Fee Related JP5310879B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012001992A JP5310879B2 (ja) 2012-01-10 2012-01-10 空気入りタイヤ
DE201310100120 DE102013100120A1 (de) 2012-01-10 2013-01-08 Luftreifen
CN201310007176.5A CN103192667B (zh) 2012-01-10 2013-01-08 充气轮胎
US13/737,574 US9004129B2 (en) 2012-01-10 2013-01-09 Pneumatic tire
US14/560,655 US9902214B2 (en) 2012-01-10 2014-12-04 Pneumatic tire

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012001992A JP5310879B2 (ja) 2012-01-10 2012-01-10 空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013141855A JP2013141855A (ja) 2013-07-22
JP5310879B2 true JP5310879B2 (ja) 2013-10-09

Family

ID=49038676

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012001992A Expired - Fee Related JP5310879B2 (ja) 2012-01-10 2012-01-10 空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5310879B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10040263B2 (en) * 2015-01-14 2018-08-07 The Yokohama Rubber Co., Ltd. Pneumatic tire

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010167829A (ja) * 2009-01-20 2010-08-05 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ及びその製造方法
JP5369894B2 (ja) * 2009-05-22 2013-12-18 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10040263B2 (en) * 2015-01-14 2018-08-07 The Yokohama Rubber Co., Ltd. Pneumatic tire

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013141855A (ja) 2013-07-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5423732B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5218711B2 (ja) 空気入りタイヤの製造方法
JP5071187B2 (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法
JP5807409B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5870975B2 (ja) 空気入りタイヤおよび空気入りタイヤの製造方法
JPWO2016060128A1 (ja) 空気入りタイヤ
JP5146591B1 (ja) 空気入りタイヤの製造方法
JP5760722B2 (ja) 空気入りタイヤおよびその製造方法
JP6065924B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6010883B2 (ja) 空気入りタイヤの製造方法
JP5810646B2 (ja) 空気入りタイヤ
US9902214B2 (en) Pneumatic tire
JP5310879B2 (ja) 空気入りタイヤ
US9227466B2 (en) Pneumatic tire
JP7091664B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6233449B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5252096B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5834616B2 (ja) 空気入りタイヤの製造方法
WO2016063785A1 (ja) 空気入りタイヤ
JP2018122497A (ja) 空気入りタイヤの製造方法および空気入りタイヤ
JP5169350B2 (ja) 空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130515

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130604

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130617

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5310879

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees