JP5310478B2 - Ndフィルターの製造方法 - Google Patents
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Description
及びその製造方法を提供することを課題としている。
0nmにおける光線透過率の最大値T(max)(400-700)が1.08×T(ave)(400-700)(%)以下であり、かつ同最小値T(min)(400-700)が0.92×T(ave
)(400-700)(%)以上であることを示す)と、加えて成形体の高度な面内厚み制御によ
り、同一基体上において、その透過光の位置を変更することで、任意の減光特性を有するNDフィルターが得られることを見出した。
るNDフィルター。
1.08×T(ave)(400-700)≧T(max)(400-700) ・・・(2)
本発明のNDフィルターは前記金属酸化物および/または金属窒化物(B)と、前記赤外線吸収剤(C)とが、前記熱可塑性樹脂(A)に分散または相溶していることが好ましい。
本発明のNDフィルターは、厚みが均一であってもよい。
。
前記成形体、シートまたはフィルムを積層する工程とを、
有することを特徴とするNDフィルターの製造方法。
前記成形体、シートまたはフィルムをホットスタンプする工程とを、
有することを特徴とするNDフィルターの製造方法。
T(min)(400-700)と最大値T(max)(400-700)が下記式(1)および式(2)を満たすことが好ましい。
1.08×T(ave)(400-700)≧T(max)(400-700) ・・・(2)
(i)〜(iv)の製造方法に用いられる熱可塑性樹脂(A)は、下記式(I)で表される化合物から導かれる単位を有する環状オレフィン系重合体(A1)を含有することが好ましい。
さらに、本発明は、本発明のNDフィルターを用いて、光の透過率を調節する方法に関する。
本発明のNDフィルター形成用組成物(組成物X)は、厚さ1mmにおける波長380〜780nmにおける光線透過率が85%以上である熱可塑性樹脂(A)(以下、熱可塑性樹脂(A)ともいう)と、一次粒子径10〜80nmの可視光領域に吸収をもつ金属酸化物および/または金属窒化物(B)(以下、可視光領域に吸収をもつ金属酸化物および/または金属窒化物(B)ともいう)と、赤外線吸収剤(C)とを含有する。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂は、厚さ1mmにおける波長380〜780nmにおける光線透過率が85%以上である限り特に限定されないが、ポリカーボネート、(メタ)アクリル酸樹脂、ポリエステル、環状オレフィン系重合体等から選ぶことができる。これらは一種類で用いても、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。一方、光学部品として複屈折が小さいこと、環境変化による特性の安定(温度、湿度)といった観点から、環状オレフィン系重合体が好ましい。環状オレフィン系重合体は、下記式(I)で表される化合物から導かれる単位を有する環状オレフィン系重合体(A1)であることがより好ましい。この環状オレフィン系重合体(A1)は、環状オレフィン化合物(I)を重合して得られる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子が挙げられる。
てもよい。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン、
トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ド
デセン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5
.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5
.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
例えば蒸着製膜、ウェットコーティング)における密着性向上の点で好ましい。
上記式中、Rは炭素数1〜12の炭化水素基を示し、nは0〜5の整数を示す。
の炭化水素基である。ここで、炭化水素基としては、アルキル基が好ましい。また、nは通常0〜5であり、nの値が小さい極性基を有する環状オレフィン化合物(II)ほど、ガラス転移温度が高い重合体が得られるため好ましく、nが0である環状オレフィン(−COOR)は合成も容易であるため特に好ましい。
R3がそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜10、より好ましくは1〜4、特に好
ましくは1もしくは2の炭化水素基であり;R2およびR4のうちの一方が水素原子であり、他方が極性基である化合物が挙げられる。この場合、R1またはR3で表される炭化水素基としては、アルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。さらに、R2およびR4のうちの一方が、上記式(III)で表される極性基であることが好ましい。
が水素原子である化合物がより好ましい。
体的には、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデ
セン、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデ
セン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
]−3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]
−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
などを挙げることができる。なお、これらの化合物に限定されるものではない。
(a)環状オレフィン化合物の開環重合体(以下、開環重合体(a)ともいう)
(b)環状オレフィン化合物と共重合性単量体との開環共重合体(以下、開環共重合体(b)ともいう)
(c)上記(a)または(b)の開環(共)重合体の水素添加(共)重合体(以下、水素添加(共)重合体(c)ともいう)
(d)上記(a)または(b)の開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化したのち、水素添加した(共)重合体(以下、水素添加(共)重合体(d)ともいう)
(e)環状オレフィン化合物と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体(以下、飽和共重合体(e)ともいう)
(f)環状オレフィン化合物と、ビニル系環状炭化水素系単量体およびシクロペンタジエン系単量体から選ばれる1種以上の単量体との付加型(共)重合体およびその水素添加(共)重合体(以下、付加型(共)重合体(f)およびその水素添加(共)重合体ともいう)
(g)環状オレフィン化合物とアクリレートとの交互共重合体(以下、交互共重合体(g)ともいう)が挙げられる。これらの中でも、水素添加(共)重合体(c)が特に好ましく用いられる。以下に上記重合体の製造方法について詳述する。
開環重合体(a)および開環共重合体(b)は、メタセシス触媒の存在下で、環状オレフィン化合物(環状オレフィン化合物(I)または環状オレフィン化合物(I)および(II))を開環重合させるか、または環状オレフィン化合物と共重合性単量体とを開環共重合させて得られる。
上記共重合性単量体としては、シクロオレフィンが挙げられ、炭素数が好ましくは4〜20、より好ましくは5〜12のシクロオレフィンが望ましい。より具体的には、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエンなどを挙げることができる。これらのシクロオレフィンは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
開環(共)重合反応において用いられるメタセシス触媒は、公知のものを用いることができ、好ましくは、下記の化合物(α)と化合物(β)との組合せからなる触媒である。(α)W、MoおよびReから選ばれる少なくとも1つの元素を含む化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物。
(β)デミングの周期律表IA族元素(例えば、Li、Na、Kなど)、IIA族元素(
例えば、Mg、Caなど)、IIB族元素(例えば、Zn、Cd、Hgなど)、IIIA族元素(例えば、B、Alなど)、IVA族元素(例えば、Si、Sn、Pbなど)およびIVB族元素(例えば、Ti、Zrなど)から選ばれる少なくとも1つの元素を含む化合物であって、上記元素と炭素との結合、または上記元素と水素との結合を少なくとも1つ有する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物。
1−132626号公報の第8頁左下欄第6行〜第8頁右上欄第17行に記載の化合物を挙げることができる。
iHなど、特開平1−132626号公報の第8頁右上欄第18行〜第8頁右下欄第3行に記載の化合物を挙げることができる。
開環(共)重合反応において、溶媒は、後述する分子量調節剤溶液を構成する溶媒や、環状オレフィンおよび/またはメタセシス触媒の溶媒として使用される。このような溶媒としては、たとえば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素;クロロブタン、ブロモヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどのハロゲン化アルカン;クロロベンゼンなどのハロゲン化アリール;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタンなどの飽和カルボン酸エステル類;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類などを挙げることができる。これらの溶媒は単独であるいは混合して用いることができる。これらのうち、芳香族炭化水素が好ましい。
得られる開環(共)重合体の分子量は、重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によって調節することも可能であるが、分子量調節剤を共存させることによっても調節できる。
て、通常0.005〜0.6モル、好ましくは0.01〜0.5モルである。
上記開環(共)重合体(a)または(b)は、そのままでも用いることができるが、さらにこれに水素添加して得られる水素添加(共)重合体(c)は、耐衝撃性に優れた樹脂として有用である。
上記水素添加触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水素添加反応に用いられる触媒を使用することができる。この水素添加触媒としては、不均一系触媒および均一系触媒が挙げられる。
で測定した値が、通常50%以上、好ましく70%以上、より好ましくは90%以上、特に好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上である。水素添加率が高いほど、熱や光に対する安定性が優れ、長期にわたって安定した特性を有する導光体などの成形体を得ることができる。
水素添加(共)重合体(d)は、上記開環(共)重合体(a)または(b)をフリーデ
ルクラフト反応により環化したのち、水素添加することにより得られる。
、CH3ClCOOH、ゼオライト、活性白土などのルイス酸、ブレンステッド酸が挙げ
られる。
飽和共重合体(e)は、付加重合触媒の存在下で、環状オレフィン化合物(I)を含む環状オレフィン化合物に不飽和二重結合含有化合物を付加重合させることにより得られる。付加重合法は従来公知の方法を適用できる。
不飽和二重結合含有化合物としては、たとえば、エチレン、プロピレン、ブテンなどのオレフィン系化合物を挙げることができ、これらのうち、炭素数が好ましくは2〜12、さらに好ましくは2〜8のオレフィン系化合物が望ましい。
付加重合触媒としては、公知のものを用いることができ、チタン化合物、ジルコニウム化合物およびバナジウム化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物と、助触媒としての有機アルミニウム化合物との組合せが挙げられる。
付加型(共)重合体(f)は、上記環状オレフィン化合物に、ビニル系環状炭化水素系単量体およびシクロペンタジエン系単量体から選ばれる1種以上の単量体を付加重合させることにより得られる。
上記ビニル系環状炭化水素系単量体としては、たとえば、4−ビニルシクロペンテン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロペンテンなどのビニルシクロペンテン系単量体;4−ビニルシクロペンタン、4−イソプロペニルシクロペンタン等のビニルシクロペンタン系単量体などのビニル化5員環炭化水素系単量体;4−ビニルシクロヘキセン、4−イソプロペニルシクロヘキセン、1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセン、2−メチル−4−ビニルシクロヘキセン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセンなど
のビニルシクロヘキセン系単量体;4−ビニルシクロヘキサン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキサンなどのビニルシクロヘキサン系単量体;スチレン、α―メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、4−フェニルスチレン、p−メトキシスチレンなどのスチレン系単量体;d−テルペン、1−テルペン、ジテルペン、d−リモネン、1−リモネン、ジペンテンなどのテルペン系単量体;4−ビニルシクロヘプテン、4−イソプロペニルシクロヘプテンなどのビニルシクロヘプテン系単量体;4−ビニルシクロヘプタン、4−イソプロペニルシクロヘプタン等のビニルシクロヘプタン系単量体などが挙げられる。これらの単量体のうち、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。また、これらの単量体は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記シクロペンタジエン系単量体としては、たとえば、シクロペンタジエン、1−メチルシクロペンタジエン、2−メチルシクロペンタジエン、2−エチルシクロペンタジエン、5−メチルシクロペンタジエン、5,5−メチルシクロペンタジエンなどが挙げられる。これらの単量体のうち、シクロペンタジエンが好ましい。また、これらの単量体は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
交互共重合体(g)は、ルイス酸等の存在下で環状オレフィン化合物とアクリレートとをラジカル重合させることにより得られる。
上記アクリレートとしては、たとえば、メチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートなどの炭素数1〜20の直鎖状、分岐状または環状アルキルアクリレート;グリシジルアクリレート、2−テトラヒドロフルフリルアクリレートなどの炭素原子数2〜20の複素環基含有アクリレート;ベンジルアクリレートなどの炭素原子数6〜20の芳香族環基含有アクリレート;イソボロニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレートなどの炭素数7〜30の多環構造を有するアクリレートが挙げられる。
フロライド、トリ(ペンタフロロフェニル)アルミニウムなどのアルミニウム化合物、ヘキサフロロアセトン、ヘキサクロロアセトン、クロラニル、ヘキサフロロメチルエチルケトンなどのルイス酸性を示す有機ハロゲン化合物、その他、四塩化チタン、ペンタフロロアンチモンなどのルイス酸性を示す化合物などが挙げられる。
〜5dl/gが好ましく、0.3〜3dl/gがさらに好ましく、0.4〜1.5dl/gが特に好ましい。また、テトラヒドロフランを溶媒として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、カラム:東ソー(株)製TSKgel G7000HXL×1、TSKgel GMHXL×2およびTSKgel G2000HXL×1の4本を直列に接続した。)で測定されるポリスチレン換算の分子量は、数平均分子量(Mn)が好ましくは8,000〜100,000、さらに好ましくは10,000〜80,000、特に好ましくは12,000〜50,000であり、重量平均分子量(Mw)が好ましくは20,000〜300,000、さらに好ましくは30,000〜250,000、特に好ましくは40,000〜200,000である。
にある環状オレフィン系重合体(A1)は、成形加工性に優れ、この樹脂によれば、耐熱性、耐水性、耐薬品性および機械的特性に優れたNDフィルターが得られる。
本発明に用いることができる可視光領域に吸収をもつ金属酸化物および/または金属窒化物(B)は、いずれの金属の酸化物および/または窒化物でもよいが、黒色度の観点から、元素周期表の第4周期の3〜11族に属する金属の酸化物および/または窒化物により構成されているのが好ましい。元素周期表の第4周期の3〜11族には、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)及び銅(Cu)が属しており、これらの中では、Ti、Mn、Fe及びCuが好ましい。金属酸化物における金属の組成比は特に
限定されない。また、金属窒化物は金属酸化物と組み合わせて用いるのが好ましい。
[(C)赤外線吸収剤]
本発明に用いることができる赤外線吸収剤は、赤外線領域に吸収をもついずれの染料及び顔料でもよい。赤外線吸収領域に吸収をもつ染料及び顔料としてはフタロシアニン系、チオール金属錯体系、アゾ系、ポリメチン系、ジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、キノン系、アントラキノン系又はジイモニウム塩系等の色素化合物がある。上記赤外線吸収剤が顔料である場合、一次粒子径は10〜80nm,好ましくは10〜60nm、より好ましくは10〜50nmである。一次粒子径をこの範囲とすることにより、散乱光を抑制する効果がある。
本発明に用いられる可視光領域に吸収をもつ金属酸化物および/または金属窒化物(B)に加えて、黒色着色剤として染料及び顔料を添加することができる。有機物からなる染料及び顔料を用いる場合は、その化学構造に起因する特定波長の吸収を有するため、可視域において均一な減光特性を得るためには複数種の染料及び顔料を適当な割合で混合する
ことが好ましい。そのような黒色着色剤としては、一次粒子径が50nm以下のカーボンブラックなどをあげることができる。カーボンブラックとしては、一次粒子径が小さく、且つ分散処理等によりストラクチャーの単位まで均一分散することが拡散透過光による像のボケを抑制する上で好ましい。
NDフィルター形成用組成物(組成物X)は、熱可塑性樹脂(A)と、可視光領域に吸収をもつ金属酸化物および/または金属窒化物(B)と、赤外線吸収剤(C)とを含み、熱可塑性樹脂(A)に、可視光領域に吸収をもつ金属酸化物および/または金属窒化物(B)と、赤外線吸収剤(C)とが分散または相溶しているものが好ましい。分散させる方法としては、大きく分けて、各成分に溶剤と必要に応じて分散剤を調合した上で、ピコミル、ペイントシェイカー、またはボールミル等を用いて湿式分散させる方法と熱可塑性樹脂を加温し、溶融させた状態で、可視光領域に吸収をもつ金属酸化物および/または金属窒化物(B)並びに赤外線吸収剤(C)を分散させる乾式分散による方法のいずれの方法を用いてもよい。また、赤外線吸収剤(C)は、熱可塑性樹脂(A)に相溶する場合もあり、相溶させる方法としては、大きく分けて、各成分に溶剤と熱可塑性樹脂とを調合し相溶させる方法と、熱可塑性樹脂(A)を加温し、溶融させた状態で、赤外線吸収剤(C)を相溶させる方法のいずれの方法を用いてもよい。
厚みの均一な成形体、シートまたはフィルムの形状のNDフィルターは、上記のNDフィルター形成用組成物(組成物X)を用いてキャスト法、押出し成形法等の任意の方法で成形することができる。ここで、厚みとは、NDフィルターの表面(入射面)と裏面の間の距離をいう。
前記NDフィルター形成用組成物(組成物X)を用いて作成した厚みの均一な成形体、
シートまたはフィルム上の任意の場所に、任意の面積で同組成物を用いて作成した厚みの均一な成形体、シートまたはフィルムを1つ以上積層することにより、光学濃度の異なる部位を部分的または段階的に有するNDフィルターを製造する。
前記NDフィルター形成用組成物(組成物X)を、厚みの異なる部位を任意の場所に、任意の面積で有する形状に合わせた金型を用いて、射出成形により、光学濃度の異なる部位を部分的または連続的に有するNDフィルターを製造する。
前記NDフィルター形成用組成物(組成物X)を用いて作成した均一な厚みの成形体、シートまたはフィルムをホットスタンプ等の方法にて、任意の光学濃度が得られるよう厚みを制御した後、公知の打ち抜きの方法により光学濃度の異なる部位を部分的、段階的または連続的に有するNDフィルターを製造する。
前記NDフィルター形成用組成物(組成物X)を押出し機を用いて押出し成型をする際に、彫刻を施したロールを押圧することにより、任意の光学濃度が得られるよう厚みを制御した後、公知の打ち抜きの方法により光学濃度の異なる部位を部分的、段階的または連続的に有するNDフィルターを製造する。
迷光・ゴーストを防ぐため、該NDフィルターの表面または裏面の少なくとも一方に反射防止処理をすることもより好ましい。具体的には公知の真空蒸着法による誘電体多層膜による方法に加え、ホットスタンプによるナノインプリントにて可視域の反射防止性能を付与することや、該成形体の表層から0.1マイクロメートルをフッ素ガス中でフッ素化反応させる方法、さらには蒸着にて形成する誘電体多層膜に変わり、ウェットコーティングによりフッ素化合物または中空シリカ等からなる単一の反射防止層、更には屈折率の異なる複数の層からなる反射防止層を積層し反射防止性能を付与することが好ましく用いられる。
NDフィルターにて非連続的に厚みに変化をつけて面内での減光特性を変化させる場合、その境界は段差を有することとなってしまうため、場合によってはこの段差の部分が受光素子へ影響を与える場合があるため、適宜、この段差部位に撮像機器への影響を少なくするための処理を施すことも好ましい。
与えること、さらには段差部分の形状変化を連続的にする方法がある。あるいは段差を無くするために、可視域で透明な樹脂を用いて段差を含むNDフィルター全面をコーティングし、段差のエッジ部分に透明樹脂を充填すること、更にはコーティング量をより増やして、機械的な段差を全く無くしてしまう方法がある。
このようにして得られた厚みの均一なNDフィルターおよび厚みが部分的、段階的または連続的に変化するNDフィルターは、波長400〜700nmの光線の透過率の平均値T(ave)(400-700)(%)に対して、波長400〜700nmの波長範囲における光
線透過率の最小値T(min)(400-700)(%)と最大値T(max)(400-700)(%)が下記式(1)および式(2)を満たす。
1.08×T(ave)(400-700)(%)≧T(max)(400-700)(%)・・・(2)
反射防止能を付与したNDフィルターおよび段差処理をしたNDフィルターにおいても、同様に上記式を満たす。
T(ave)(400-700)(%)の0.92倍以上であり、0.94倍以上が好ましい。
T(ave)(400-700)(%)の1.08倍以下であり、1.06倍以下が好ましい。
ぞれ様々な値をとるが、上記式は満たしている。つまり、厚みが部分的、段階的または連続的に変化するNDフィルターを用いると、上記式を満たすことにより1つのNDフィルター内で広い波長域において均一な減光性能を保ちながら、厚みの変化により光線透過率を変化させることができ、調節することができる。
本発明の光の透過率を調節する方法としては、特に制限はないが、光学濃度の異なる単一のNDフィルターを入射光に対して、直交方向に移動させることにより、NDフィルターを透過した光の透過率を調節すること、または円の形状を有し円周方向に光学濃度を変化させたNDフィルターをその中心を軸として回転させることにより、NDフィルターを透過した光の透過率を調節することができる。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
真空乾燥後のトルエン含量は予め検量線を作成しておいたパーソナルガスクロマトグラフィーC-8A(検出機;FID 島津製作所社製)にて測定した。
波長400〜700nmの範囲の波長別の光線透過率を日立分光光度計U−3310(日立製作所社製)を用いて測定した。
上記の日立分光光度計U−3310に反射率測定ユニットを組み込んで、波長400〜700nmの波長別の反射率を、アルミ蒸着ミラーを100%とした5度正反射における相対反射率として測定した。
ヘイズメーターHM−150(村上色彩技術研究所社製)を用いてJIS K7361に準拠した測定をおこなった。
ヘイズメーターHM−150(村上色彩技術研究所社製)を用いてJIS K7136に準拠した測定をおこなった。
王子計測機器(株)製の「KOBRA−21ADH」を用い、波長550nmにて測定した。
黒色系顔料分散液(シーアイ化成社製、固形分濃度15%、銅・鉄・マンガンの複合酸化物、一次粒子径50nm)100重量部に対して、赤外線吸収染料(SANDS社製、SDB3535)30重量部、環状オレフィン系重合体(JSR社製、商品名アートン、1mm厚での380〜780nmにおける光線透過率:93%)の20%塩化メチレン溶液2500重量部を添加した後、溶液が目視で均一になるまで攪拌し、 NDフィルター形成用組成物としてキャスト用ドープ液(1)を作成した。
環状オレフィン系重合体(JSR社製、商品名アートン、1mm厚での380〜780nmにおける光線透過率:93%)はあらかじめ100℃×4時間の条件で真空乾燥を行った。その後タンブラーブレンダーで所定量の環状オレフィン系重合体、銅・鉄・マンガンの複合酸化物(大日精化社製、ダイピロキサイドTMブラック#3550、一次粒子径50nm)および赤外線吸収染料(SANDS社製、SDB3535)と予備混合を行った。なお環状オレフィン重合体と銅・鉄・マンガンの複合酸化物と赤外線吸収染料の混合比は重量比で100:0.15:0.3とした。
押出機の昇温を始めた。
成物(1)を、押出機のホッパーに移送した。
得られたNDフィルター(2)の波長別透過特性を図2に、全光線透過率、ヘイズ値、リタデーション、波長別透過特性を測定した結果を表1に示した。
参考例1で得られたNDフィルター(1)を20mm×10mm、15mm×10mm、および10mm×10mmで打ち抜きをおこなったところ、端面のきれいな3種類のサイズからなるNDフィルターが得られた。ここで、それぞれの10mm辺の片方を基準とする10mm辺とする。この20mm×10mmのNDフィルター上にマイクロディスペンサーを用いて、基準とする10mm辺から距離7.5mmとなる中央部位にメチルアミルケトンを1マイクロリットル滴下し、その2秒後に先に打ち抜いた15mm×10mmのNDフィルターを基準とする10mm辺がちょうど重なるように、重ね合わせた。
後、18mm×8mmサイズの打ち抜き刃で重ね合わせたNDフィルターの中央部を打ち抜くことにより、積層型NDフィルター(ND1)を得た。積層型NDフィルター(ND1)の出来上がりの概略図を図3に示した。
NDフィルター(2)を205mm×110mmにカットしたサンプルの両面に以下の構成となるように、二酸化チタンと二酸化ケイ素からなる積層体の真空蒸着をおこなって反射防止層を有することを特徴とするNDフィルター(ND3)を得た。蒸着終了後に測定した波長別光線透過率を図11に、全光線透過率、ヘイズ値、リタデーション、波長別透過特性を測定した結果を表1に示した。
NDフィルター(2)の表側から順に二酸化チタン14ナノメートル、二酸化ケイ素30ナノメートル、二酸化チタン106ナノメートル、さらにもっとも空気に近い層として、二酸化ケイ素が80ナノメートルとなるよう、抵抗加熱法にて蒸着源を気化させ蒸着を行った。また、NDフィルター(2)の裏側から順に二酸化チタン13ナノメートル、二酸化ケイ素55ナノメートル、二酸化チタン92ナノメートル、さらにもっとも空気に近い層として、二酸化ケイ素が111ナノメートルとなるよう、抵抗加熱法にて蒸着源を気化させ蒸着を行った。
段差を有する成形品からなるNDフィルターを得るための金型を作成し、参考例2で作製した黒色環状オレフィン系重合体組成物(1)を成形機SG75M−S(シリンダー径28mm、型締め75ton、住友重機社製)を用いて射出成形して射出成形型NDフィルター(ND4)を得た。射出成形型NDフィルター(ND4)の概略図を図12に示した。射出成形型NDフィルター(ND4)についても、図12に示した(g)〜(i)部分の波長別光線透過率の結果を図13〜15に、全光線透過率、ヘイズ値、リタデーション、波長別透過特性を測定した結果を表1に示した。
成形速度;100mm/sec
シリンダー温度;樹脂Tgの+140〜160℃
金型温度;樹脂Tgの−10〜−20℃
NDフィルター(2)を200mm×200mmにカットし、段差加工及び離型処理をした金型(基準面より段差44μm掘り込んだ長さ5mm、幅10mmの溝、その溝に隣接して更に43μm掘り込み、合計で基準面から87μm掘り込んだ長さが5mm、幅10mmの溝からなる段差)と離型処理をした平面の金型に挟み、280℃に加熱した熱プレス機で140MPaの圧力で成型し、厚み44〜131μmの不連続な厚みを有するフィルムを作製した。ホットスタンプ法によるNDフィルター(ND5)についても、表1に示す厚みの(i-a)〜(i-c)部分の波長別光線透過率の結果を図16〜18に、全光線透過率、ヘイズ値、リタデーション、波長別透過特性を測定した結果を表1に示した。
環状オレフィン系重合体アートン(JSR社製、1mm厚での380〜780nmにおける光線透過率:93%)はあらかじめ100℃×4時間の条件で真空乾燥を行った。その後タンブラーブレンダーで所定量の環状オレフィン系重合体、銅・鉄・マンガンの複合酸化物(大日精化社製、ダイピロキサイドTMブラック#3550、一次粒子径50nm)と赤外線吸収染料(SANDS社製、SDB3535)と予備混合を行った。なお環状オレフィン重合体とダイピロキサイドTMブラック#3550と赤外線吸収染料の混合比は重量比で100:0.15:0.3とした。
押出機の昇温を始めた。
成物(1)を、押出機のホッパーに移送した。
ロール押圧法によるNDフィルター(ND6)の概略図を図19に示した。ロール押出法によるNDフィルター(ND6)についても図19に示した(j)〜(l)部分の波長別光線透過率の結果を図20〜22に、全光線透過率、ヘイズ値、リタデーション、波長
別透過特性を測定した結果を表1に示した。
参考例5で得た射出成形型NDフィルター(ND4)について、ナノインプリント金型で温度230℃でφ150ナノメートル、深さ0.1マイクロメートルの細孔を1μm角の面積中に23個、ハニカム構造をとるように空けた。処理後のSEM写真を図23に示した。可視光サイズより十分に小さなナノサイズの細孔を空けることで実質的に反射防止処理がなされ、片面あたりの反射率は処理前の片面4%から、1%以下まで低下した。反射率測定の結果を図24に示した。
参考例5で得た射出成形型NDフィルター(ND4)について、フッ素ガスおよび窒素ガスをそれぞれ任意の割合で混合したガスをボックスに導入し、40℃にて5分間反応させたところ、表面からおよそ0.1μmの深さにおいてマトリックスである環状オレフィン系重合体のフッ素化がなされた。フッ素化の深さについてはSIMSにより確認したところ、約0.1マイクロメートルであった。フッ素化処理後の反射率は処理前の片面4%から約2%まで低下していた。反射率測定の結果を図25に示した。
楔形の形状を有するNDフィルターを得るための金型を作成し、前記黒色環状オレフィン系重合体組成物(2)を成形機SG75M−S(シリンダー径28mm、型締め75ton、住友重機社製)を用いて射出成形してNDフィルター(ND7)を得た。NDフィルター(ND7)の概略図を図27に示した。NDフィルター(ND7)の(m)および(n)部分の波長別光線透過率の結果を図28および図29に、全光線透過率、ヘイズ値、リタデーション、波長別透過特性を測定した結果を表1に示した。環状オレフィン系重合体アートンを用いてこのNDフィルター(ND7)と同様の楔形の形状を有する透明成形体をNDフィルター(ND7)と同様の成形条件にて作成した。この透明成形体の斜面とNDフィルター(ND7)の斜面を、参考例3と同様にしてメチルアミルケトンで貼り合わせ透明成形体貼着射出成形型NDフィルター(ND8)を得た。貼り合わせ後の透明成形体貼着射出成形型NDフィルター(ND8)の概略図を図30に示した。NDフィルター(ND8)の(o)および(p)部分の波長別光線透過率の結果を図31および図32に、全光線透過率、ヘイズ値、リタデーション、波長別透過特性を測定した結果を表1に示した。
透明成形体貼着射出成形型NDフィルター(ND8)の両面の反射防止処理を下記の蒸着条件で真空蒸着にておこない、片面反射率がおよそ1%程度の反射防止能を付与したNDフィルター(ND9)を得た。真空蒸着の条件を下記に示した。NDフィルター(ND9)の反射率測定結果を図33に示した。なお、図33は透明成形体側からの測定結果であり、その反対面からの測定結果も同等であった。
NDフィルターに接する側より順次TiO2、SiO2、TiO2、SiO2を下記の膜厚で積層するように、抵抗加熱法にて蒸着源を気化させ蒸着を行った。なお、蒸着材料およびその蒸着条件は表面および裏面の両面ともに同等とした。
SiO2;50nm
TiO2;16nm
SiO2;107nm
[比較例1]黒色染料を用いた場合
銅・鉄・マンガンの複合酸化物と赤外線吸収染料の代わりに、黒色の染料であるFBK80S(日本ピグメント社製)を0.5質量部使用した以外は参考例2と同様にしてNDフィルター(A)を作製した。得られたNDフィルター(A)の波長別透過特性を図26に示した。可視域における透過光強度の波長依存性が大きくなってしまった。
ダイピロキサイドTMブラック#3550の代わりに、一次粒子径が大きな可視光領域に吸収をもつ金属窒化物及び金属酸化物であるチタンブラック13M(ジェムコ社製:一次粒子径97nm)を0.5質量部用いた以外は参考例2と同様にしてNDフィルター(B)を作製した。得られたNDフィルター(B)は透過光に占める散乱光の割合が多くなってしまった。
参考例3でメチルアミルケトンに代わりUV接着剤であるGL−1001(有限会社グルーラボ社製)を用い、高圧水銀灯を照射することにより(500mJ/cm2)、NDフィルター(2)を貼り合わせた以外は、参考例3と同様にしてNDフィルター(ND10)を作製したが、接着剤が貼りあわせのエッジから一部、はみだし、また一部は接着剤が充填できず、NDフィルター(2)の間に隙間ができてしまったため、この隙間部分では反射光が目視で確認したところ明らかに発生しており、貼りあわせ面内で均一な透過特性を得ることができなかった。
Claims (3)
- 厚さ1mmにおける波長380〜780nmにおける光線透過率が85%以上の熱可塑性樹脂(A)と、一次粒子径10〜80nmの可視光領域に吸収をもつ金属酸化物および/または金属窒化物(B)と、赤外線吸収剤(C)とを含有する組成物(X)を押出し法により成型し、該成型の際に彫刻を施したロールを押圧することを特徴とするNDフィルターの製造方法。
- 前記NDフィルターが、波長400〜700nmにおける光線透過率の平均値T(ave)(400-700)に対して、光線透過率の最小値T(min)(400-700)と最大値T(max)(400-700)が下記式(1)および式(2)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のNDフィルターの製造方法。
0.92×T(ave)(400-700)≦T(min)(400-700) ・・・(1)
1.08×T(ave)(400-700)≧T(max)(400-700) ・・・(2) - 前記熱可塑性樹脂(A)が、下記式(I)で表される化合物から導かれる単位を有する環状オレフィン系重合体(A1)を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のNDフィルターの製造方法。
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