JP2007121560A - 可視光調整フィルター - Google Patents

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俊彦 塩谷
Kenji Hayashi
賢児 林
Masahito Murouchi
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昌憲 永井
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Abstract

【課題】 透明基材の可視光領域における透過率曲線が平坦であり、更に帯電防止効果のあるフィルターを提供する。
【解決手段】
透明な基材に、バインダー樹脂及び顔料を含有する液剤を塗布し、表面抵抗値が1011Ω/□以下、波長380〜800nmの範囲の可視光透過率が3〜95%、且つ、その波長範囲の可視光透過率の最大値と最小値の差が10%以内になるようにし、帯電防止機能を有する部材を備えた可視光調整フィルターとする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、透明な基材の可視光領域(波長380〜800nm)における可視光透過率曲線が平坦となり、帯電防止効果がある可視光調整フィルターに関する。
従来から、透明な基材について、可視光領域にわたり透過率を調整するフィルター用材料として、染料や顔料を用いる方法が広く知られている。しかし、染料は、顔料に比べて透明性が高いが、耐熱性あるいは耐光性が悪く、長時間の使用後に透過率が変化するといった問題がある。
上記問題を解決するために、蒸着膜を用いる方法が知られている。例えば、蒸着法による、金属の吸収膜と透明膜と2種以上交互に基材表面に積層することで、透過率の調整を行う方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、蒸着法による2種以上の金属酸化物の多層膜で、平坦な透過率特性を得る方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、蒸着膜を用いる方法は、耐熱性や耐光性に優れているが、高価である。また、蒸着法により形成される複数層による透過率調整を行う必要があるため、工程数が多いことも問題である。
また、従来から黒色顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、ペリレンブラックなどの有機黒顔料、銅・鉄・クロム・マンガン・コバルトなどを含有した無機系ブラック、チタンブラックなどが知られている。しかし、カーボンブラック単独では、可視光領域で特定の吸収波長がないが、長波長側で透過率が高くなる傾向があり、また、カーボンブラック以外の有機黒顔料は、それぞれ特有の吸収波長があり、単独では透過率が平坦になりにくい。
一方、無機系ブラックは粒子径が大きく、塗膜の透明性が劣り、チタンブラックは透過率が長波長側で低くなる傾向があるなどの問題がある。また、C.I.ピグメントブルー15:6は、450〜490nm付近に特有の透過率のピークがあるが、他の波長域では極端に透過率が減衰する。また、ジオキサジン系有機顔料は、410〜440nm付近に特有の透過率のピークがあり、チタンブラックの460〜480nm付近より短波長側にある。このように、従来可視光域で透過率曲線を平坦に調整するのは、困難であった。
また更に、フィルター基材としてプラスチックフィルムを用いた場合、静電気によるゴミやほこりの付着が大きな問題となっている。
特公昭55−047361号公報 特開平07−063915号公報
本発明は、このような従来技術の課題を背景になされたもので、透明基材の可視光領域における透過率曲線が平坦であり、更に帯電防止効果のある可視光調整フィルターを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、透明基材に塗工される液剤として、バインダー樹脂及び顔料を必須成分として含有し、更に、特定の顔料を使用し、それを特定の比率で配合することにより、簡便な方法で安価に上記課題が達成できることを見出し、本発明に到達したものである。
即ち、本発明の可視光調整フィルターは、透明な基材に、バインダー樹脂及び顔料を含有する液剤を塗布し、表面抵抗値が1011Ω/□以下、波長380〜800nmの範囲の可視光透過率が3〜95%、且つ、その波長範囲の可視光透過率の最大値と最小値の差が10%以内になるようにし、帯電防止機能を有する部材を備えた可視光調整フィルターである。
本発明の可視光調整フィルターにおいては、曇り度(ヘーズ)が8.0%以下であることが好ましい。
また、本発明の可視光調整フィルターにおいては、前記顔料成分が、
(A)カーボンブラックと
(B)チタンブラック、C.I.ピグメントブルー15:6、ジオキサジン系有機顔料からなる群から選ばれる1種又は2種以上と
を含有することが好ましい。
さらに、前記顔料成分の(A)成分と(B)成分の質量比が、(A):(B)=1:9〜9.5:0.5であることが好ましい。
また、本発明の可視光調整フィルターにおいて、前記帯電防止機能を有する部材が帯電防止膜であってもよい。
本発明によれば、可視光領域における透過率曲線が平坦なフィルターを提供でき、透明な基材の可視光領域における透過率の調整が安価で容易になり、また、帯電防止機能を有するため、ゴミやほこりが付着しないという効果も奏する。
本発明で提供される可視光調整フィルターは、透明基材とその表面に塗布された可視光透過率調整液剤からなる可視光調整剤膜とを有し、帯電防止機能を有する部材を備えたものであり、所定の特性、即ち、表面抵抗値が1011Ω/□以下、波長380〜800nmの範囲の可視光透過率が3〜95%、且つ、その波長範囲の可視光透過率の最大値と最小値の差が10%以内になるようにしたものである。このように、透明基材に可視光調整液剤を塗布することにより得られるため、蒸着法を用いずに、安価で容易な方法で可視光調整フィルターを得ることができる。
上記透明基材としては、通常、光学用として使用されている、ガラス、プラスチックフィルムが特に制限なく利用可能であり、可視光の透過率が高いものが好ましい。具体的には、例えば、ガラス、(メタ)アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリシクロオレフィン、ポリカーボネート等や、複合樹脂によるフィルムが代表的なものとして挙げられる。
また、透明基材の表面に塗布される可視光透過率調整液剤は、バインダー樹脂(必要に応じてその硬化剤を併用)及び顔料を必須成分として含み、さらに必要に応じて、それらを安定に分散させるための分散剤や溶剤、さらに、通常塗料やインクに使用されている体質顔料や、染料、粘度調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、表面張力などの調整剤、硬化促進剤等の各種添加剤を配合したものから構成される。
この可視光透過率調整液剤に使用されるバインダー樹脂としては、通常、塗料やインクに使用されているものが特に制限なく利用可能であるが、具体的には、例えば、エポキシ樹脂や、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、紫外線硬化型樹脂、あるいはこれら樹脂の変性樹脂等が代表的なものとして挙げられる。また、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール及びこれらの誘導体等の高分子導電材を用いてもよい。なお、これらバインダー樹脂は、二種以上を用いてもよく、また、必要に応じて、各バインダー樹脂とともに通常に使用されている硬化剤を併用してもよい。ただし、これらバインダー樹脂は、波長380〜800nmの範囲の可視光域に、吸収のほとんどないものが好ましい。
また、この可視光透過率調整液剤に使用される顔料としては、通常、塗料やインクに使用されているものが特に制限なく利用可能であるが、具体的には、例えば、カーボンブラック、チタンブラック、酸化鉄、べんがら、黄鉛、コバルトブルー、硫酸バリウム等が挙げられる。カーボンブラックとしては、例えば、ガスブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノコイル等が代表的なものとして挙げられる。また、チタンブラックとしては、通常、塗料やインクに使用されているものが特に制限なく利用可能であるが、具体的には、例えば、TiO、TiO1.25、Ti、Ti、Ti等(TixOy;1≦x≦4、1≦y≦7、y/x<1.75)の酸化チタン、窒化チタン、TiOxNy(0.2<x<0.8、0.6<y<1.2)の酸化窒化チタン等が代表的なものとして挙げられる。また、C.I.ピグメントブルー15:6としては、通常、塗料やインクに使用されているものが特に制限なく利用可能であるが、具体的には、例えば、ε−銅フタロシアニン顔料が挙げられる。また、ジオキサジン系有機顔料としては、通常、塗料やインクに使用されているものが特に制限なく利用可能であるが、具体的には、例えば、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントブルー80等が代表的なものとして挙げられる。
本発明の可視光透過率調整液剤に使用される溶剤としては、通常、塗料やインクに使用されているものが特に制限なく利用可能であるが、具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、3−ペンタノール、t−アミルアルコール、n−ヘキサノール、メチルアミルアルコール、シクロヘキサノール、2−エチルブタノール、n−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール、4−オクタノール、2−エチルヘキサノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、ノナノール、n−デカノール、2−メチルシクロヘキサノール等のアルコール類;n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、ノナン、n−デカン、2,2−ジメチルブタン等のパラフィン類;イソヘキサン、イソオクタン等のイソパラフィン類;ジメチルポリシロキサン;イソプロピルエーテル、n−ジブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、n−ヘキシルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ジ−n−プロピルケトン、ジイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン類;ギ酸プロピル、ギ酸−n−ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−n−アミル、酢酸イソアミル、酢酸−2−エチルヘキシル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸−n−ブチル、酪酸イソアミル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸−n−ブチル、乳酸イソブチル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、シュウ酸ジアミル等のエステル類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、エチレングリコールモノ(メチル/エチル/ブチル)エーテル、エチレングリコールモノ(メチル/エチル/ブチル)エーテルアセテート、プロピレングリコールモノ(メチル/エチル/ブチル)エーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール(モノ/ジ)(メチル/エチル/ブチル)エーテル、ジエチレングリコール(エチル/イソプロピル/ブチル)メチルエーテル、ジエチレングリコールモノ(エチル/ブチル)エーテルアセテート、トリエチレングリコール(モノ/ジ)メチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ(メチル/エチル/プロピル/ブチル)エーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のグリコール類及びグリコールエーテル類及びグリコールアセテート類等が代表的なものとして挙げられる。なお、これらの溶剤は、二種以上の混合溶剤として使用してもよい。
また、本発明の可視光調整フィルターは、帯電防止機能を有する部材を備える。ここで、帯電防止機能を有する部材とは、帯電を防止することができる部材であり、具体的には、可視光調整フィルターの表面抵抗値が1011Ω/□以下となるようにするための部材である。このように本発明の可視光調整フィルターは帯電防止機能を有する部材を備えているため、ゴミやほこりが付着しないという効果を奏する。帯電防止機能を有する部材として、例えば、透明な基材の表面に塗布した上記可視光透過率調整液剤からなる膜上に帯電防止剤を含有する組成物等からなる帯電防止膜を設ける。また、帯電防止剤を可視光透過率調整液剤に混合することにより、可視光透過率調整液剤からなる膜そのものを帯電防止機能を有する部材としてもよい。なお、可視光透過率調整液剤に帯電防止剤を混合して可視光透過率調整液剤からなる膜そのものを帯電防止機能を有する部材とした場合、透明基材に可視光透過率調整液剤を一層のみ設けた構成とすることができるため、非常に簡便な操作のみで得られる本発明の可視光調整フィルターとなる。
帯電防止剤としては、通常、塗料やインクに使用されているものが特に制限なく利用可能であるが、具体的には、例えば、酸化亜鉛、ATO、ITO、スズ化合物などの微粒子分散液にバインダー成分を配合した塗料やポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール及びこれらの誘導体等の高分子導電コート材等が挙げられる。なお、これらの帯電防止剤は、二種以上を混合して使用してもよい。
本発明の可視光調整フィルターは、上記のような成分から構成され、透明な基材の可視光領域における透過率曲線を平坦にするために塗布される可視光透過率調整液剤やそれを塗布した可視光調整フィルターは、以下の特性を有する必要がある。
(1)可視光透過率調整液剤は、バインダー樹脂及び顔料を必須成分として含有し、波長380〜800nmの範囲の可視光透過率が3〜95%であり、且つ、その波長範囲の可視光透過率の最大値と最小値の差が10%以内となる塗膜を形成すること。
なお、波長380〜800nmでの可視光透過率が3%未満では、透過光が少なく透過率曲線を平坦にする必要性が乏しく、また、可視光透過率が95%より大きいと、本質的に、固有の透過率曲線を持つ顔料によって透過率を調整する必要性がない。また、波長380〜800nmでの可視光透過率の最大値と最小値の差が10%を越えると、特定の波長域で透過が強調もしくは減衰されてしまうので、好ましくない。
可視光透過率は、例えば、島津製作所製UV−3100PCによって測定される。
(2)可視光調整フィルターの曇り度(ヘーズ)が8.0%以下であること、好ましくは、5.0%以下であること。なお、曇り度(ヘーズ)が8.0%を越えると、フィルターが白っぽくなり、反射率が高くなる。
曇り度(ヘーズ)は、ヘーズメータ(例えば、東京電色製、オートマチックヘーズメータ TC−H III DPK)にて測定される。
更に、好ましくは、以下の(3)、(4)の条件を満たす可視光透過率調整液剤が好ましい。
(3)顔料成分が、(A)カーボンブラックと、(B)チタンブラック、C.I.ピグメントブルー15:6及びジオキサジン系有機顔料からなる群から選ばれる1種又は2種以上の顔料とを含有すること。なお、このように上記(A)成分及び(B)成分の両方を使用することにより、特に平坦な透過率曲線を得ることが可能となる。
(4)顔料成分の(A)成分と(B)成分の質量比が、(A):(B)=1:9〜9.5:0.5、好ましくは、2:8〜8:2であること。なお、顔料成分の質量比率が、1:9〜9.5:0.5の範囲外では、波長380〜500nm及び650〜800nm付近の透過が強調あるいは減衰されてしまうため、顔料成分の(A)成分と(B)成分の質量比をその範囲にすることで、特に平坦な透過率曲線を得ることが可能となる。
本発明によれば、以上説明した(1)、(2)の条件、好ましくは(3)、(4)の条件を満たす方法で実施することにより、透明な基材から、可視光領域において平坦な透過率曲線を有するフィルターが形成される。
なお、これら条件を満たすためには、実際に塗工される基材あるいは塗工装置を使用して、上記可視光透過率調整液剤のバインダー樹脂や、顔料、溶剤などの構成成分の種類、配合量等を事前に調整し、可視光透過率調整液剤の上記特性を確認測定して、決定すればよい。
また、可視光透過率調整液剤中のバインダー樹脂や、顔料、溶剤の量は、それらの種類や形成する膜厚等により、任意に決定されるが、通常、バインダー樹脂2〜50質量%、顔料0.1〜25質量%、溶剤97.9〜49.9質量%が適当である。
本発明の可視光調整フィルターは、透明基材表面に可視光透過率調整液剤を塗布し、必要に応じて乾燥・硬化することにより製造することができる。可視光透過率調整液剤の塗布方法は特に限定されず、塗工する目的や用途に応じて決定すればよく、例えば、ダイコーターや、スリットコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、フローコーター、ロールコーター、インクジェット法等、更に、これらを用いた転写法等が代表的な塗布方法として挙げられる。また、塗布後の乾燥・硬化方法も特に限定されず、透明基材の材質に応じて決定すればよく、例えば、常温又は加温・加熱による乾燥・硬化、あるいは紫外線や電子線等による硬化が代表的な方法として挙げられる。
帯電防止膜を可視光透過率調整剤からなる膜の表面に設ける方法は特に限定されず、塗布法、浸漬法等が適用できる。帯電防止剤の塗布方法は、塗工する目的や用途に応じて、決定すればよく、例えば、ダイコーターや、スリットコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、フローコーター、ロールコーター、インクジェット法等、更に、これらを用いた転写法等が代表的な塗工方法として挙げられる。また、塗布後の乾燥・硬化方法としては、透明基材や可視光透過率調整剤の材質に応じて決定すればよく、例えば、常温又は加温・加熱による乾燥・硬化、あるいは紫外線や電子線等による硬化が代表的な方法として挙げられる。
以下、実施例により、更に詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中、「部」、「%」は、特に断らない限り、質量基準として示す。
(液剤の調製)
「液剤A」
以下に示す成分をそれぞれ混合し、液剤Aを調製した。
カーボンブラック CB−50(旭カーボン社製) 1部
C.I.ピグメントブルー15:6 ヘリオゲンブルーL6700F(BASF社製)
2部
分散剤 ディスパーbyk−9077(ビックケミー社製) 0.2部
分散剤 ソルスパース32600(アビシア社製) 1.1部
酢酸ブチル60%のアクリル樹脂 26.6部
n−ブタノール40%のメラミン樹脂 19部
酢酸ブチル 9部
「液剤B」
以下に示す成分をそれぞれ混合し、液剤Bを調製した。
カーボンブラック FW−200(デグサ社製) 1部
C.I.ピグメントブルー15:6 ヘリオゲンブルーL6700F(BASF社製)
2部
C.I.ソルベントブルー67 オラゾールブルーGN(チバ・スペシャリティーケミ カルズ社製) 0.3部
分散剤 ディスパーbyk−9077(ビックケミー社製) 0.2部
分散剤 ソルスパース32600(アビシア社製) 1.1部
酢酸ブチル50%のアクリル樹脂 67.2部
n−ブタノール40%のメラミン樹脂 24部
酢酸ブチル 4.2部
「液剤C」
以下に示す成分をそれぞれ混合し、液剤Cを調製した。
カーボンブラック FW−200(デグサ社製) 1部
チタンブラック 13M−T(ジェムコ社製) 1.3部
ジオキサジン系有機顔料 C.I.ピグメントバイオレット23 ホスタパームバイオ レットRL−NF(クラリアント社製) 0.3部
分散剤 ディスパーbyk−9077(ビックケミー社製) 0.2部
分散剤 ディスパーbyk−140(ビックケミー社製) 0.4部
分散剤 ソルスパース13940(アビシア社製) 1.3部
酢酸ブチル60%のアクリル樹脂 73.5部
n−ブタノール40%のメラミン樹脂 21部
酢酸ブチル 30部
「液剤D」
以下に示す成分をそれぞれ混合し、液剤Eを調製した。
カーボンブラック FW−200(デグサ社製) 8部
分散剤 ディスパーbyk−9077(ビックケミー社製) 0.3部
酢酸ブチル60%のアクリル樹脂 48部
n−ブタノール40%のメラミン樹脂 8部
酢酸ブチル 50.1部
(実施例1〜3)
厚さ100μm、幅200mm、長さ250mmのPETフィルムを透明基材とし、この透明基材に、バーコーター(#5)を用いて、上記液剤A〜Cをそれぞれ塗布し、120℃で30分間乾燥した。この塗膜上に、更に、帯電防止剤としてDNTコンダクティブET−3(大日本塗料株式会社製)を、バーコーター(#9)を用いて塗布し、5分間の放置後、紫外線を440mJ/cm露光し、実施例1〜3の各フィルターを得た。
(比較例1〜2)
厚さ100μm、幅200mm、長さ250mmのPETフィルムを透明基材とし、この透明基材に、バーコーター(#5)を用いて、上記液剤D及び液剤Cを塗布し、120℃で30分間乾燥して、比較例1〜2の各フィルターを得た。
(試験例)
得られた各フィルターの透過率、ヘーズ(曇り度)、表面抵抗値を、それぞれ以下の通りに測定し、その結果を表1に示した。また、各フィルターの透過率曲線を、図1及び図2に示した。
<透過率測定>
島津製作所製 UV−3100PCにて、波長380〜800nmの透過率を測定した。
<ヘーズ(曇り度)測定>
東京電色製 オートマチックヘーズメータ TC−H III DPKにて、ヘーズ(曇り度)を測定した。
<表面抵抗測定>
三菱化学製 ハイレスタIPにて、表面抵抗値を測定した。
Figure 2007121560
表1や図1より明らかなように、本発明の実施例1〜3は、表面抵抗値が低く、また、波長380〜800nmの範囲の可視光透過率が3〜95%であり、且つ、その波長範囲の可視光透過率の最大値と最小値の差が10%以内であり、その波長範囲の透過率曲線が平坦であった。更に、表面抵抗値が低く、ゴミやほこりの付着がなかった。
一方、波長380〜800nmの範囲の可視光透過率の最大値と最小値の差が10%を越える比較例1は、透過率曲線が平坦にならず、更に、表面抵抗値が高く、ゴミやほこりが付着した。また、比較例2は、透過率曲線は平坦であったが、表面抵抗値が高く、ゴミやほこりが付着した。
本発明の方法によれば、透明な基材に、可視光透過率調整液剤を塗布することにより、可視光領域において透過率曲線が平坦となり、且つ、帯電防止機能を有する部材を備えることによりゴミやほこりが付着しない可視光調整フィルターが簡便な方法で安価に得られる。
実施例1〜3の可視光調整フィルターの透過率曲線である。 比較例1〜2の可視光調整フィルターの透過率曲線である。

Claims (5)

  1. 透明な基材に、バインダー樹脂及び顔料を含有する液剤を塗布し、表面抵抗値が1011Ω/□以下、波長380〜800nmの範囲の可視光透過率が3〜95%、且つ、その波長範囲の可視光透過率の最大値と最小値の差が10%以内になるようにし、帯電防止機能を有する部材を備えた可視光調整フィルター。
  2. 曇り度(ヘーズ)が8.0%以下であることを特徴とする請求項1に記載の可視光調整フィルター。
  3. 前記顔料成分が、
    (A)カーボンブラックと
    (B)チタンブラック、C.I.ピグメントブルー15:6及びジオキサジン系有機顔料からなる群から選ばれる1種又は2種以上と
    を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の可視光調整フィルター。
  4. 前記顔料成分の(A)成分と(B)成分の質量比が、(A):(B)=1:9〜9.5:0.5であることを特徴とする請求項3に記載の可視光調整フィルター。
  5. 前記帯電防止機能を有する部材が帯電防止膜であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の可視光調整フィルター。
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