以下に、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な実施形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
本発明における、蓄積した画像データの削除・加工の優先度を決定する処理は、コピー機、スキャナ、ファクシミリ等の他、これらの機能を複合したMFP(Multi Function Printer)等の画像処理装置に適用可能である。以下説明する実施形態においては、画像処理装置の一例としてフルカラーデジタル複合機能複写機MF(Multi Function)1を用いて説明する。
図1に、本発明の実施形態に係るフルカラーデジタル複合機能複写機MF1の外観を示す。このフルカラー複写機MF1は大略であり、自動原稿送り装置(ADF;Auto Document Feeder)230と、操作ボード90と、カラー原稿スキャナ(以下、カラースキャナとも称す)210と、カラープリンタ100との各ユニットで構成されている。なお、操作ボード90と、ADF230付きのカラースキャナ210は、プリンタ100から分離可能なユニットであり、カラースキャナ210は、動力機器ドライバやセンサ入力およびコントローラを有する制御ボードを有して、CPU261(図4)と直接または間接に通信を行いタイミング制御されて原稿画像の読み取りを行う。
MF1には、LAN(Local Area Network)を介してPC(Personal Computer)が接続されている。具体的には、図4に示すように、プリンタ100を接続したコントローラボード270にLANが接続されている。また、MF1には、電話回線PN(ファクシミリ通信回線)を介して交換器PBX(Private Branch Exchange)が接続されている。
図2に、複合機能複写機MF1のカラープリンタ100の機構を示す。カラープリンタ100は、レーザプリンタである。レーザプリンタ100は、マゼンダ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)および黒(ブラック:K)の各色の画像を形成するための4組のトナー像形成ユニットa〜dが、第1転写ベルト107の移動方向(図中の左から右方向)に沿って配置されている。即ち、本実施形態に係るプリンタ100は、4連ドラム方式のフルカラー画像形成装置である。
回転可能に支持され矢印方向に回転する感光体101の外周部には、除電装置105、クリーニング装置104、帯電装置102および現像装置103が配備されている。帯電装置102と現像装置103の間には、露光装置106から発せられる光情報の入るスペースが確保されている。感光体101は4個(a、b、c、d)あるが、それぞれ周囲に設けられる画像形成用の部品構成は同じであり、現像装置3が扱う色材(トナー)の色が異なる。感光体101(a、b、c、d)は直径が30から100mm程度のアルミニュム円筒表面に、光導電性物質である有機半導体の層を設けた感光体である。その一部が、第1転写ベルト107に接している。なお、ベルト状の感光体も採用可能である。
第1転写ベルト107は矢印方向に移動可能であり、回転するローラ108、109および110間に支持、張架されている。第1転写ベルト107の裏側(ループの内側)には、第1転写手段111が各感光体101の近傍に配備されている。ベルトループの外側には、第1転写ベルト用のクリーニング装置112が配備され、クリーニング装置112は、第1転写ベルト107より転写した後にその表面に残留する不要のトナーを拭い去る。
第1転写ベルト107は、基体の厚みが50μm乃至600μmの樹脂フィルムあるいはゴムを基体にしたベルトで、感光体101からトナーを転写可能とする抵抗値を備える。
露光装置106は公知のレーザ方式で、フルカラー画像形成に対応した光情報を、一様に帯電された感光体表面に潜像として照射する。LED(Light Emitting Diode)アレイと結像手段から成る露光装置も採用できる。
図2上で、第1転写ベルト107の右方には、第2転写ベルト113が配備されている。第2転写ベルト113は矢印方向に移動可能であり、回転ローラ114、115および116間に支持、張架されている。第2転写ベルト113の裏側(ループの内側)には、第2転写手段117が配備されている。ベルトループの外側には、第2転写ベルト用のクリーニング装置118、チャージャ119、などが配備されている。クリーニング装置118は、第2転写ベルト113が用紙にトナーを転写した後、残留する不要のトナーを拭い去る。
第2転写手段117、ローラ116、第1転写ベルト107を支持するローラ108により、第1転写ベルト107と第2転写ベルト113は接触し、あらかじめ定められた転写ニップを形成する。第2転写ベルト113は、基体の厚みが50μm乃至600μmの樹脂フィルムあるいはゴムを基体にしたベルトで、第1転写ベルト107からトナーを転写可能とする抵抗値を備えるベルトである。
記録媒体である用紙120は、図2の下方の給紙カセット121、122に収納されており、最上の用紙が給紙ローラ131又は132で1枚づつ、複数の用紙ガイドを経てレジストローラ133に搬送される。第2転写ベルト113の上方に、定着器123、排紙ガイド124、排紙ローラ125、排紙スタック126が配備されている。カラープリンタ100のプリント済の用紙は、排紙スタック126に排出される。
第1転写ベルト107の上方で、排紙スタック126の下方には、補給用のトナーが収納できる収納部127が設けてある。トナーの色はマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの四色があり、カートリッジ128の形態にしてある。粉体ポンプ等により対応する色の現像装置103に適宜補給される。
本体の一部のフレーム129は、開閉支軸130を中心として、回動開放が可能な構造とし、これにより記録媒体の搬送路は大きく開き、ジャムした記録媒体(用紙)の処理を容易にする。
ここで両面印刷の場合における各部の動作を説明する。まず感光体101による、作像が行われる。すなわち、露光装置106の作動により、不図示のLD(Light Source)光源からの光は、不図示の光学部品を経て、帯電装置102で一様に帯電された感光体101のうち、作像ユニットaの感光体上に至り、書き込み情報(色に応じた情報)に対応した潜像を形成する。感光体101上の潜像は現像装置103で現像され、トナーによる顕像が感光体101の表面に形成され保持される。このトナー像は、第1転写手段111により、感光体101と同期して移動する第1転写ベルト107の表面に転写される。感光体101の表面は、残存するトナーがクリーニング装置104でクリーニングされ、除電装置105で除電され次の作像サイクルに備える。
第1転写ベルト107は、表面に転写されたトナー像を坦持し、矢印の方向に移動する。作像ユニットbの感光体101に、別の色に対応する潜像が書き込まれ、対応する色のトナーで現像され顕像となる。この像は、すでに第1転写ベルト107に乗っている前の色の顕像に重ねられ、最終的に4色重ねられる。なお、単色黒のみを形成する場合もある。
このとき同期して第2転写ベルト113は矢印方向に移動していて、第2転写手段117の作用で、第2転写ベルト113の表面に第1転写ベルト107表面に作られた画像が転写される。いわゆるタンデム形式である4個の作像ユニットa〜dの各感光体101上で画像が形成されながら、第1転写ベルト107、第2転写ベルト113が移動し、作像が進められるので、その時間が短縮できる。
第1転写ベルト107が、所定のところまで移動すると、用紙の別の面に作成されるべきトナー画像が、前述したような工程で再度感光体101により作像され、給紙が開始される。給紙ローラ131又は132が反時計方向に回転すると、給紙カセット121又は122内の最上部にある用紙120が引き出され、レジストローラ133に搬送される。
レジストローラ133を経て、第1転写ベルト107と第2転写ベルト113の間に送られる用紙の片側の面に、第1転写ベルト107表面のトナー像が、第2転写手段117により転写される。更に記録媒体は上方に搬送され、第2転写ベルト113表面のトナー像が、チャージャ119により用紙のもう一方の面に転写される。転写に際して、用紙は画像の位置が正規のものとなるよう、タイミングがとられて搬送される。
本実施形態では、感光体101に作像されるトナーの極性はマイナスである。第1転写手段111にプラスの電荷を与えることで、感光体101に作像されたトナーは第1転写ベルト107に転写される。第2転写手段117にプラスの電荷を与えることで、第1転写ベルト107に転写されたトナーは、第2転写ベルト113に転写される。用紙を第1転写ベルト107、第2転写ベルト113間に送り込み、第2転写手段117にプラスの電荷を与えることで、第1転写ベルト107に転写されたトナーが用紙の片側の面に転写され、また、第2転写ベルト113に転写されたトナーは、転写チャージャ119からプラス極性の電荷与えることで、第2転写ベルト113表面のマイナス極性のトナーは吸引されて、用紙の他の面に転写される。
上記のステップで両面にトナー像が転写された用紙は、定着器123に送られ、用紙上のトナー像(両面)が一度に溶融、定着され、ガイド124を経て排紙ローラ125により本体フレーム上部の排紙スタック126に排出される。
図2のように、排紙部124〜126を構成した場合、両面画像のうち後から用紙に転写される面(頁)、すなわち第1転写ベルト7から用紙に直接転写される面が下面となって、排紙スタック126に載置されるから、頁揃えをしておくには2頁目の画像を先に作成し、第2転写ベルト113にそのトナー像を保持し、1頁目の画像を第1転写ベルト107から用紙に直接転写する。
第1転写ベルト107から直接に用紙に転写される画像は、感光体表面で正像にし、第2転写ベルト113から用紙に転写されるトナー像は、感光体表面で逆像(鏡像)になるよう露光される。このような頁揃えのための作像順、ならびに、正、逆像(鏡像)に切り換える画像処理も、IMACによるメモリMEMに対する画像データの読み書き制御によって行っている。
第2転写ベルト113から用紙に転写した後、ブラシローラ、回収ローラ、ブレード等を備えたクリーニング装置118が、第2転写ベルト113に残留する不要のトナーや紙粉を除去する。
図2ではクリーニング装置118のブラシローラが第2転写ベルト113の表面から離れた状態にある。支点118aを中心として揺動可能で、第2転写ベルト113の表面に接離可能な構造になっている。用紙に転写する以前で、第2転写ベルト113がトナー像を担持しているとき離し、クリーニングが必要のとき、図で反時計方向に揺動し接触させる。除去された不要トナーはトナー収納部134に集められる。
以上が、「両面転写モード」を設定した両面印刷モードの作像プロセスである。両面印刷の場合には、常にこの作像プロセスで印刷が行われる。片面印刷の場合には、「第2転写ベルト113による片面転写モード」と「第1転写ベルト107による片面転写モード」の2つがあり、前者の第2転写ベルト113を用いる片面転写モードを設定した場合には、第1転写ベルト107に4色重ね(又は単色黒)で形成された顕像が第2転写ベルト113に転写され、そして用紙の片面に転写される。用紙の他面には画像転写はない。この場合、排紙スタック126に排出された印刷済用紙の上面に印刷画面がある。
後者の第1転写ベルト107を用いる片面転写モードを設定した場合には、第1転写ベルト107に4色重ね(又は単色黒)で形成された顕像が、第2転写ベルト113には転写されずに、用紙の片面に転写される。用紙の他面には画像転写はない。この場合は、排紙スタック126に排出された印刷済用紙の下面に印刷画面がある。
図3に、複合機能複写機MF1のスキャナ210およびそれに装着されたADF230の、原稿画像読み取り機構を示す。このスキャナ210のコンタクトガラス231上に置かれた原稿は、照明ランプ232により照明され、原稿の反射光(画像光)が第1ミラー233で副走査方向yと平行に反射される。照明ランプ232および第1ミラー233は、図示しない、副走査方向yに定速駆動される第1キャリッジに搭載されている。第1キャリッジと同方向にその1/2の速度で駆動される、図示しない第2キャリッジには、第2ミラー234および第3ミラー235が搭載されており、第1ミラー233が反射した画像光は第2ミラー234で下方向(z)に反射され、そして第3ミラー235で副走査方向yに反射されて、レンズ236により集束され、CCD207に照射され、電気信号に変換される。
なお、照明ランプ232を照射した場合の反射率によって、原稿がコンタクトガラス231上にセットされているか否かを判断できる。また、ADF230は、原稿の重みによって原稿がセットされているか否かを判定できる機構を備えており、CPU261は、動作する際にはどちらに原稿がセットされているかを判断して、セットされた読取装置を駆動することが可能となっている。
第1および第2キャリッジは、走行体モーター238を駆動源として、y方向に往(原稿走査)、復(リタ−ン)駆動される。このようにスキャナ210は、コンタクトガラス231上の原稿をランプ232およびミラー233で走査して原稿画像をCCD(Charge Coupled Device)207に投影するフラットベッド方式の原稿スキャナであるが、シートスルー読み取りも可能なように、第1キャリッジがホームポジション(HP;待機位置)で停止しているときの第1ミラー233の読み取り視野位置に、シートスルー読み取り窓であるガラス240があり、このガラス240の上方に自動原稿供給装置(ADF)230が装着されており、ADF230の搬送ドラム(プラテン)244がガラス240に対向している。
ADF230の原稿トレイ241に積載された原稿は、ピックアップローラ242およびレジストローラ対243で搬送ドラム244と押さえローラ245の間に送り込まれて、搬送ドラム244に密着して読み取りガラス240の上を通過し、そして排紙ローラ246、247で、原稿トレイ241の下方の圧板兼用の排紙トレイ248上に排出される。
原稿の表面の画像は、原稿読取窓である読み取りガラス240を通過する際に、その直下に移動している照明ランプ232により照射され、原稿の表面の反射光は、第1ミラー233以下の光学系を介してCCD207に照射され光電変換される。すなわちRGB各色画像信号に変換される。搬送ドラム244の表面は、読み取りガラス240に対向する白色背板であり、白基準面となるように白色である。
また、原稿の裏面の画像は、光源および撮像素子を内蔵する撮像装置408で読み取られ光電変換される。すなわち、RGB各色画像信号に変換される。撮像装置408に対向する白色背板409があり、撮像装置408と白色背板409の間を原稿が通過する。
読み取りガラス240と原稿始端の位置決め用のスケール251との間には、基準白板239、ならびに、第1キャリッジを検出する基点センサ249がある。基準白板239は、照明ランプ232の個々の発光強度のばらつき、また主走査方向のばらつきや、CCD207の画素毎の感度ムラ等が原因で、一様な濃度の原稿を読み取ったにもかかわらず、読み取りデータがばらつく現象を補正(シェーディング補正)するために用意されている。
ADF230の基体248は、奥側(図3紙面の裏側)でスキャナ210の基体にヒンジ結合(蝶番連結)しており、基体248の手前側(図3紙面の表側)の取っ手250mを持ってADF230の基体248引き上げることにより、ADF230を起こす(開く)ことができる。ADF230の基体248の奥側には、ADF230の開閉を検出するスイッチがある。ADF230の、コンタクトガラス231に対向する圧板250pがADF230の底面部に装着されており、ADF230が閉じると、圧板250pの下面が、図3に示すように、コンタクトガラス231の上面に密着する。
図4に、図1に示した複合機能複写機MF1の機能ブロック図を示す。複合機能複写機MF1は、原稿画像読み取りおよびカラー印刷を行うエンジン260、コントローラボード270および操作ボード90を含む。
エンジン260は、画像読み取りおよび印刷のプロセスを制御するCPU(Central Processing Unit)261、上述のカラー原稿スキャナ210、上述のプリンタ100、および、ASIC(Application Specific IC)で構成した画像入出力処理262を備えている。
スキャナ210のセンサボードユニット(SBU)上にはCPU、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)があり、該CPUが該ROMに格納されたプログラムを該RAMに書き込んで実行することで、スキャナ210の全体の制御を行っている。また、プロセス制御用のCPU261と通信線を介して接続されおり、コマンド及びデータの送受信により指令された動作を行う。スキャナ210内のCPUは、原稿検知センサ、HP(ホームポジション)センサ、圧板開閉センサ、冷却ファン等の検知及びON/OFFの制御をする。スキャナ210内において、スキャナモータドライバが、CPUからのPWM出力によりドライブされ励磁パルスシーケンスを発生し原稿走査駆動用のパルスモータを駆動する。
原稿画像は、ランプレギュレータによって通電されるハロゲンランプ232の光量出力により照明されて、原稿の反射光すなわち光信号は、複数ミラー及びレンズを通りR(Red)、G(Green)およびB(Blue)読み取り用の3個のラインセンサを含むCCD207に結像される。3ラインCCD207は、センサボードユニット(SBU)上のAFE(Analog Front End)212によって、各駆動クロックを与えられて各RGBの各画素のアナログの画像信号をAFE212に出力する。また、ADF230の撮像装置408も同様に、センサボードユニット(SBU)上のAFE212によって、各駆動クロックを与えられて各RGBの各画素のアナログの画像信号をAFE212に出力する。
AFE212には、CCD207の出力画像信号(RGB)を各色(R、G、B)画像データにデジタル変換しそしてシェーディング補正するアナログ処理回路、A/D(Analog to Digital )変換器およびシェーディング補正回路を含む第1組の画像データ変換回路と、撮像装置408の出力画像信号(RGB)を同様に各色画像データに変換しシェーディング補正する第2組の画像データ変換回路がある。いずれの画像データ変換回路も、画像濃度把握が最も容易なG画像信号のA/D変換においては、AE(Auto Exposure)を行うことができる。AEは、A/D変換の基準電圧を原稿の地肌に追従して変化させて、地肌濃度レベルを基底値(画像なし:白)の画像データとするものであり、白黒読み取りのときにAEが設定される。
コントローラボード270は、CPU272と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)で構成された書画蓄積制御部273と、ハードディスク装置(以下、HDDと称す)271と、ローカルメモリ(MEM−C)276と、システムメモリ(MEM−P)279と、ノースブリッジ(以下、NBと称す)278と、サウスブリッジ(以下、SBと称す)285と、NIC(Network Interface Card)280と、USB(Universal Serial Bus)デバイス281と、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394デバイス282と、セントロニクスデバイス283他を含む。操作ボード90は、コントローラボード270の書画蓄積制御部273に接続されている。ファクシミリコントロールユニット(FCU)287も、書画蓄積制御部273にPCI(Peripheral Component Interconnect)バスで接続されている。
CPU272は、NIC280を介してLANに接続されたPCあるいはインターネットを介する他のPCと書画情報の送受信を行うことができる。また、USB281、IEEE1394デバイス282、セントロニクス283を用いてパソコン、プリンタ、デジタルカメラ等と通信することができる。
SB285と、NIC280と、USBデバイス281と、IEEE1394デバイス282と、セントロニクスデバイス283と、MLB284は、NB278にPCIバスで接続されている。このように、MLB284は、エンジン260にPCIバスを介して接続する基板である。そして、MLB284は、外部から入力された書画データをイメージデータ(画像データ)に変換し、変換された画像データをエンジン260に出力する。
コントローラボード270の書画蓄積制御部273にローカルメモリ276、HDD271などが接続されると共に、CPU272と書画蓄積制御部273とがCPUチップセットのNB278を介して接続されている。書画蓄積制御部273とNB278とは、AGP(Accelerated Graphics Port)を介して接続されている。
CPU272は、複合機能複写機MF1の全体制御を行うものである。NB278は、CPU272、システムメモリ279、SB285および書画蓄積制御部273を接続するためのブリッジである。システムメモリ279は、複合機能複写機MF1の描画用メモリなどとして用いるメモリである。SB285は、NB278とPCIバス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジであり、SB285には外付けROMおよびSDメモリカード(以下、SDカードと称す)の読み書きをするカードI/F288が接続されている。このカードI/F288には、SDカード読み書き装置(カードリーダ)が接続されており、カードリーダに装着されるSDカードのデータを読み取ることができ、またデータを書き込むことができる。
ローカルメモリ(MEM-C)276はコピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるメモリである。HDD271は、画像データの蓄積、文書データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積、LUT(Look Up Table)の蓄積などを行うためのメモリである。
操作ボード90は、ユーザからの入力操作を受け付けると共に、ユーザに向けた表示を行う操作部である。
図4のエンジン260内では、カラー原稿スキャナ210と、プリンタ100と、画像入出力処理262との間でやり取りする画像データの流れを矢印で示す。画像入出力処理262には、スキャナ画像処理263と、プリンタ画像処理264と、画像処理I/F(Interface circuit)265とがある。スキャナ画像処理263は、カラー原稿スキャナ210のCCD207ならびにADF230の撮像装置408が発生するR、G、B画像データの読み取り歪みを補正する。プリンタ画像処理264は、R、G、B画像データをプリンタ100の、C、M、Y、K各色書込みユニットの画像表現特性に合ったC、M、Y、K印刷データに変換する。画像処理I/F(Interface circuit)265は、書画蓄積制御部273に原稿読み取り画像データRGB又を出力し、書画蓄積制御部273が出力する画像データRGBをプリンタ画像処理264に与える。
図5に、スキャナ画像処理263およびプリンタ画像処理264の機能の概要を示す。スキャナ画像処理263には、カラー原稿スキャナ210のCCD207が出力するRGB画像データを処理する表面画像処理263fと、ADF230の撮像装置408が出力するRGB画像データを処理する裏面画像処理263rがある。
CCD207が出力するRGB画像データには、表面画像処理263fでスキャナガンマ補正1fが加えられ、そして像域分離4fの像域検出結果に従って、画像のエッジ領域にはエッジ強調処理を滑らかに濃度が変わる中間調領域には平滑化処理を加えるフィルタ処理2fが加えられる。
次に像域分離4fについて説明する。像域分離は、例えば特開2003−259115号公報に記載された方式を用いることができ、具体的には、本実施形態に係る像域分離4fは、黒エッジ文字領域、色エッジ文字領域、その他(写真領域)の3つの領域に分離する。像域分離の結果は、画像データに像画素毎に付与される。像域分離信号から黒エッジ文字領域(エッジ文字領域であり色領域でない)、色エッジ文字領域(エッジ文字領域であり色領域である)、写真領域(黒エッジ文字領域及び色エッジ文字領域以外)に分類する。
次に原稿種判定部5fについて説明する。原稿種判定は、例えば特開2000−324338号公報に記載された方式を用いることができる。具体的には、本実施形態に係る原稿種判定部5fは、文字あり原稿判定は、文字画素を検出することで判定し(特開2000−324338号公報、段落番号0023-0025)、有彩原稿判定は、有彩画素を検出することで判定し(特開2000−324338号公報、段落番号0026-0027)、印画紙写真判定は、中間調画素を検出することで判定し(特開2000−324338号公報、段落番号0028)、印刷写真判定は、網点画素を検出することで判定する(特開2000−324338号公報、段落番号0029-0031)。上記の4つの特徴量で、文字のみ原稿、カラー原稿、複写原稿ORインクジェット原稿であるかどうかの判定を行う。この結果を、画像を蓄積する時に書誌情報として記録する。
下記表1に示すように、文字のみ原稿とは、上述した判定条件で文字あり原稿(あり)、印画紙写真原稿(なし)、印刷写真原稿(なし)の条件の時である。カラー原稿は、有彩原稿(あり)の時である。複写原稿ORインクジェット原稿は、印画紙写真(あり)または印刷写真(あり)の時である。文字のみ原稿とは、原稿の中に文字しか存在しない原稿である。
なお、原稿種判定部5fは、外部から原稿種を指定されたときには動作させる必要はない。
裏面画像処理263rの処理機能は、表面画像処理263fの処理機能と同一である。
これらの処理を終えたRGB画像データは、画像処理I/F265を介して、コントローラボード270に転送される。原稿種判定を実施した際には、その結果もRGB画像データと共に送る。
表面画像処理263fおよび裏面画像処理263rが出力する画像データについて説明をする。画像データは、複写設定枚数が1枚のコピーが指示されていたときには、画像処理I/F 265を介してプリンタ画像処理264に与えられ、プリンタ画像処理264でプリンタ100の印刷出力に適する画像データに変換されてプリンタ100に与えられる。
この時、コピーと同時に蓄積指示がされていた場合には、画像処理I/F 265および書画蓄積制御部273を介してHDD271にRGB画像データは同時に蓄積される。
複写設定枚数が2以上のコピー、スキャナ配信、あるいはファクシミリ送信のための読み取りのときには、画像データは、画像処理I/F 265および書画蓄積制御部273を介してローカルメモリ276に一旦蓄積される。ローカルメモリ276の容量をこえるときにはHDD271にも一旦蓄積される。その後、画像データは、アプリケーション(用途)にしたがって、印刷(プリンタ画像処理264への出力)や、外部装置(PC)への送出あるいはファクシミリ送信に用いられる。
この時、同時に蓄積指示がされていた場合には、ローカルメモリ276に一旦蓄積された画像データは、HDD271にも蓄積される。
プリンタ画像処理264には、印刷のための画像データが与えられるが、該画像データは色補正11に与えられる。色補正11は、RGB画像データをymc(黄録色)画像データに変換し、それらから墨分kを抽出して、墨分を抽出した残りのレベルのymcとkを主走査変倍13に出力する。主走査変倍13で必要に応じて変倍をしてから、プリンタ100の作像特性に適合させるプリンタガンマ補正14をして、そして階調処理15で画素単位の記録/非記録のマトリクス分布によって濃度階調を表す画像データに変換してから、プリンタ100に出力する。
以下に、画像処理装置の代表的な動作にて、スキャナ画像処理263とプリンタ画像処理264がどのような働きをするかについて説明する。
原稿1枚につき1枚の印刷を行う一枚コピーのときには、RGB画像データがスキャナ画像処理263から画像処理I/F265に出力され、画像処理I/F265がこれらの画像データをプリンタ画像処理264に出力する。プリンタ画像処理264は、必要に応じて変倍、画像加工を行い、さらにプリンタガンマ変換および階調処理をして各書き込みユニット(レーザ書込ユニット106の各レーザ発光器)に出力する。
原稿1枚につき複数枚の印刷を行う連続コピーのときには、RGB画像データがスキャナ画像処理263から画像処理I/F265に出力され、画像処理I/F265によってこれらの画像データは書画蓄積制御部273に出力されてローカルメモリ272又はHDD271に一時蓄積される。そして1枚のコピーの度に読み出されて書画蓄積制御部273から画像処理I/F265を介してプリンタ画像処理264に与えられる。プリンタ画像処理264は、必要に応じて色補正11、変倍13を、そしてプリンタガンマ変換および階調処理をして各書き込みユニットに出力する。
スキャナ210によるスキャナ配信のときには、スキャナ画像処理263が出力するRGB画像データが、画像処理I/F265および画像蓄積制御273を介して、HDD271に登録される、又は、ローカルメモリ276又はHDD271に一時蓄積してから外部に送出される。
プリンタ100による蓄積画像データ、又は、外部から受信した画像データの印刷のときには、画像蓄積制御273および画像処理I/F265を介して画像データがプリンタ画像処理264に与えられる。プリンタ画像処理264は、所要の画像処理をして、各書き込みユニットに出力する。
蓄積指示されたときには、スキャナ画像処理263が出力するRGB画像データが、画像処理I/F265および画像蓄積制御273を介して、HDD271に蓄積される。
操作ボード90について図6を用いて説明する。操作ボード90には、液晶タッチパネル79のほかに、テンキー80a、クリア/ストップキー80b、スタートキー80c、初期設定キー80d、モード切替キー80e、テスト印刷キー80f、電源キー80h、蓄積状態確認キー80jがある。また、図示は省略したが、液晶タッチパネル79の左側には、URL、メール文、ファイル名、フォルダ名等の入力、設定用ならびに短縮登録用の、平仮名を付記したアルファベットキーボードがある。
テスト印刷キー80fは、設定されている印刷部数に関わらず1部だけを印刷し、印刷結果を確認するためのキーである。
初期設定キー80dを押す事で、機械の初期状態を任意にカスタマイズする事が可能である。機械が収納している用紙サイズや、コピー機能のリセットキーを押したときに設定される状態を、任意に設定可能である。初期設定キ−80dが操作されると、各種初期値を設定するための「初期値設定」機能の選択ボタンが表示される。
液晶タッチパネル79には、各種機能キー及び画像形成装置の状態を示すメッセージなどが表示される。液晶タッチパネル79には、「コピー」機能、「スキャナ」機能、「プリント」機能、「ファクシミリ」機能、「蓄積」機能およびその他の機能の選択用および実行中を表わす機能選択キー80gと、ユーザが読み取らせる原稿の原稿種を設定する原稿種キー80iと、が表示される。
機能選択キー80gで指定された機能に定まった入出力画面が表示され、例えば「コピー」機能が指定されているときには、図6の符号79aで示すように、機能キー、部数及び画像形成装置の状態を示すメッセージ等が表示される。
オペレータが液晶タッチパネル79に表示されたキーにタッチする事で、選択された機能を示すキーが灰色に反転する(図6では点描で表す)。また、機能の詳細を指定しなければならない場合(例えばページ印字の種類等)はキーにタッチする事で詳細機能の設定画面が表示される。
各機能は、同時に指定することが可能になっている。例えば、80gに示すキーにおいて、「コピー」機能に加えて、「蓄積」機能を指定することが可能である。このときは、コピー指定した原稿をコピーすると同時に原稿の画像データが蓄積されることとなる。蓄積された画像データをプリントアウトすることや、スキャナ配信することが可能となっている。
80iは、ユーザが読み取らせる原稿の原稿種を示す。原稿種は、本実施形態においては複写原稿、インクジェット原稿、雑誌、写真、文字原稿を一例として示す。原稿種はデフォルトでは自動になっている。画質向上のために、ユーザはいずれかを選択することが可能であるが、自動で読み取らせることも可能である。自動にしたときには、画像処理装置が、上述した原稿種判定部5f、5r(図5)にて原稿種を判断する。
機能キー79aの中には、印刷色指定キー「フルカラー」、「黒(BK)」、「青(C)」、「赤(M)」および「黄(Y)」、読取面(読み取りモード)指定キー「表面」、「両面」および「裏面」、ならびに、印刷面(印刷モード)指定キー「表面」、「両面」および「裏面」がある。
80jの蓄積状態確認キーは、蓄積された画像データの状態を確認するためのキーである。80jを押下すると、図7に示す画面が表示される。
図7は、蓄積された画像データの状態(優先度)を確認する優先度確認画面である。画像処理装置のHDD271に蓄積された画像データが、蓄積した日付・時間帯を元にして、画像データの新しい順に表示されている。各画像データの、蓄積した日付、ファイルサイズ等を確認できる。さらに、各画像データの加工状態及び加工・削除の優先度を確認することができる。また、優先度の高い順にソートキーよって、加工・削除の優先度順でソートすることができる。
加工状態とは、表示された画像データがどのように加工されているかを示すもので、本実施形態においては、何も加工がされていないファイルに関しては、“完全”を示し、何らかの加工がされているものに関しては、AA/BBの形で示すものとする。AAは、“文字のみ“または”写真のみ“または、”全領域“が入る可能性がある。”文字のみ“は、文字領域以外の領域情報は削除されていることを意味する。”写真のみ“は、写真領域以外の領域情報は削除されていることを意味する。”全領域“は、全領域が削除されずに残っていることを意味する。BBは圧縮の状態を示す言葉が入る。”未圧縮“の場合は、圧縮されていないことを意味し、”圧縮済み“の場合は圧縮されたことを意味する。
圧縮に、圧縮レベルや圧縮方法にバリエーションがあるのであれば、ユーザがそのレベルを確認できるように表示してもよい。例えば、蓄積された画像データの圧縮率が時間と共に変わるのであれば、表示時点での圧縮率を表示してもよい。フルカラーであっても時間と共にモノクロになるのであれば、それがわかるように示してもよい。また、JPEGやJPEG2000のような圧縮方法に違いがあるのであればそれを表示してもよい。画像データの文字領域のみがデータとして残っているのであれば、それが分かるように表示してもよい。
優先度変更キーは、画像データの加工・削除の優先度を変えるものであって、表示されたリストで変更したい画像データを選択してから押下すると、加工・削除優先度のレベルを変更することができる。
削除キーは、指定した画像データを削除するものであって、表示されたリスト上で画像データを選択して押下すると、HDD271から削除することができる。
なお、優先度が所定の優先度よりも低いファイルに関しては、表示はするが、削除はできないようにしておく。本実施形態の場合は優先度のレベルが1以下のものは削除ができない。ただし、すべてのファイルがレベル1以下であれば、削除をすることができるようにしても良い。
次に、画像処理装置の代表的な使われ方を説明することで、本発明を適用した画像処理装置の動作を説明する。
−コピー&蓄積処理−
複写・蓄積を操作ボード90で設定し、ADF230に一枚又は数枚の原稿をセットし、ユーザが操作ボード90のスタートキー80cを押すと、操作ボード90はそのとき操作ボード90に設定されている入力状態(複写条件)をレジスタに保存し、CPU272がCPU261および書画蓄積制御部273に、該レジスタの入力状態データを添付した複写コマンドを与える。ここで、複写条件は、出力条件、読取条件を含む。
読取条件としては、どの読取装置で読み取ったかを示す読取装置情報がある。本実施形態の場合、読取装置情報とは、ADF230で読み取るか、コンタクトガラス231に原稿をセットして読み取るかを示すものである。その他の読取条件として、原稿種がある。原稿種は、上述したように、本実施形態においては複写原稿、インクジェット原稿、雑誌、写真、文字原稿がある。ユーザがいずれかの原稿種を選択した場合にはCPU272はそれを原稿種とする。原稿種が指定されていないとき、つまり自動が選択されている場合は、CPU272は前述した原稿種判定の結果を原稿種とする。コピーと同時に、蓄積指示を受けているため、CPU272は、スキャナ画像処理263から出力した画像データと共に読取条件をHDD271に蓄積する。
出力条件としては、出力部数がある。本実施形態の場合、出力部数はコピー部数を示す。また、出力条件の一つとして出力形態がある。出力形態とは、コピー、ファクシミリ、スキャナ配信等の、読み取った原稿がどのような形態で出力されているかを示す。この例では、コピーである。コピーと同時に、蓄積指示を受けているため、CPU272は、スキャナ画像処理263から出力した画像データと共に出力設定をHDD271に蓄積する。
CPU271から複写コマンドを受けたCPU261及び書画蓄積制御部273は、前述したような動作を行い、コピー出力されると同時に原稿がRGB画像データとして蓄積される。
ここで、画像データを蓄積した後に、HDD容量のチェックを行う。以下に、HDD271の容量チェックを確認するときの動作について説明する。
−HDD271の容量を確認するときの動作−
HDD271の容量には、限りがあるために画像を蓄積するごとに容量のチェックを行う。図8に、CPU272のHDD271の容量をチェックするための処理フローを示す。本フローは、画像が蓄積された後に実行されるものとする。
最初に、蓄積された画像データの再読取の可能性を判断する(図8 ステップS1)。再読取の可能性とは、読み取った原稿が再び原稿として読み取られるかを数値化したものである。再読取の可能性が高いとは、再び読み取られる可能性が高いことを意味し、再読取の可能性が低いとは、再び読み取られる可能性が低いことを意味する。本実施形態では、再読取の可能性は、読取条件としての読取装置情報と、読取条件としての原稿種で判断する。
読取装置情報での判断について説明する。画像データの読取装置情報がADFであれば、再読取の可能性が高いと判断する。画像データの読取装置情報がコンタクトガラスに配置して読み取ったことを示していれば、再読取の可能性が低いと判断する。一般的に、大切に保存してある大事な原稿はADFで読み取らずにブック読取(コンタクトガラスに配置して読み取る方法)で読み取ることが多い。ADFで読み取ると、原稿が搬送される途中で原稿が詰まるケースがあるためである。そして、大切に保存してある原稿はそれを取り出しにくいケースが多く、また保管者が取り出すのを嫌がることが多い。そのため、ブック読取で読み取った原稿は、ADFで読み取った原稿に比べて、一般的に再読取の可能性が低いと判断するのは妥当である。
原稿種での判断について説明する。画像データの原稿種が複写原稿・インクジェット原稿であれば、再読取の可能性は高いと判断し、原稿種が写真・雑誌であれば、再読取の可能性は低いと判断する。一般的に、写真や雑誌は複写原稿やインクジェット原稿に比べて唯一性が高い。読み取った雑誌が蓄積した後に紛失した場合を考える。雑誌を複数部持っているケースは少なく、読み取った雑誌一部を紛失することは、原稿を失うことにほぼ等しい。雑誌は販売期間があり、時間が経過すると販売されてないケースがあるため、再度入手をしようとしても困難なケースが多い。それに対して、例えば複写原稿はなんらかの原稿をコピーしたものであるため、原稿として読み取った用紙を紛失したとしても、その他にコピーしたものがある可能性があるし、コピー元の原稿がある可能性もある。この点を考えると、複写原稿は雑誌に比べて、再読取の可能性が高いと判断できる。
下記表2に、原稿の再読取可能性をどのように決定するかを示す。
再読取の可能性の判断が終わると、次に蓄積された画像データの代替原稿の読取可能性を判断する(ステップS2)。代替原稿の読取可能性とは、読み取った原稿の代替原稿が原稿として読み取られるかを数値化したものである。代替原稿の読取可能性が高いとは、読み取った原稿の代替原稿が読み取られる可能性が高いことを意味し、代替原稿の読取可能性が低いとは、読み取った原稿の代替原稿が読み取られる可能性が低いことを意味する。
本実施形態では、代替原稿の読取可能性は、出力条件としての出力部数と、出力条件としての出力形態で判断するものとする。
出力部数での判断について説明する。原稿を出力する際に、出力した部数が多ければ多いほど、当然その原稿の出力結果が多い。仮に、原稿を読み取って蓄積した後にその原稿を紛失した場合、その原稿をコピーなどで出力したものを代替原稿として用いることを考えると、出力部数が多いほど代替原稿が多い可能性が高いと言える。
下記表3に、原稿の代替原稿の読取可能性をどのように決定するかを示す。
出力形態での判断について説明する。原稿の出力形態とは、コピー、ファクシミリ、スキャナ配信等の読み取った原稿がどのような形で出力されるかを意味する。一般的に、ファクシミリは、遠方の相手に原稿を送信するために用いる。コピーは、原稿のコピーをコピーしたユーザ自身がその出力結果を手にする。その出力結果を他人に手渡すとしても、ファクシミリの送信相手よりも、近くにいる可能性が高いと言える。
このように、出力形態によって代替原稿の読取可能性が異なると言える。
次に、最終的な優先度を決定する(ステップS3)。本実施形態では、原稿の再読取可能性*2+原稿の代替原稿の読取可能性で最終的な優先度を決定する。このようにすることで、再読取の可能性が低く、かつ代替原稿の読取可能性も低いものは相対的にレベルが低くなり、両者とも高いものは相対的に優先度が高くなる。
最後に、HDD271の容量チェックを行う(ステップS4)。チェックは蓄積されている全データが所定の容量を超えていないかをチェックするものとする。所定の容量を超えていたら、Yesとして次のステップに進む。所定の容量を超えていなければ、何もしない。ここでHDD271の容量をチェックするのは、次に画像データを蓄積するときにHDD271の容量を超えないようにするために行うものであるため、所定の容量とは、蓄積されうる画像データの最大値よりも残りの容量がなかったら、Yesになるようにすればよい。
蓄積画像データの削除の促しについて説明する(ステップS5)。ここでは、図9に示す蓄積画像確認画面を提示する。加工・削除の優先度の高い順に表示する。優先度の高い順に表示するのは、より再読取の可能性が低い原稿の画像データを削除しにくくするためである。ユーザの操作ミスにより誤って削除した場合に、再読取の可能性が高いものであればダメージはより低いと言える。
また、原稿を蓄積した後で、その原稿を破棄する場合や紛失する場合もありうる。このようなケースでは、操作ミスによって蓄積した画像データを削除してしまうと、読み取る原稿がないことになる。その原稿の代替原稿がある可能性を高い順に提示しておけば、誤操作のダメージを低減できる。代替原稿でも許容できる可能性もあるためである。
図9に示す画面では、表示されたファイルを選択して削除することができる。削除キーを押すと、CPU272は、HDD271に蓄積された該画像データを削除する。中止キーでは削除せずに、処理を取りやめることができる。
なお、図7で説明したのと同様に、優先度がレベル1よりも低いファイルに関しては削除できないようにしておくことも可能である。またこれも同様に、すべてのファイルの優先度がレベル1よりも低ければ、削除可能にしておいても良い。
さらに、指定したレベル以上の優先度を持つファイルを加工することが可能となっている。図9の符号901の数字は80a(図6)で書き換え可能になっており、圧縮キーを押下すると、指定したレベル以上のファイルをCPU271がHDD271より取り出して圧縮処理をする。圧縮処理は、解像度を落とす、フルカラーをモノクロにする等の手段が考えられる。
同様に、図9の符号902の数字は80aで書き換え可能になっており、重要部のみ残す処理実行キーを押下すると、以下のように処理をする。ユーザが原稿種の設定で文字のみ原稿を選択していた場合は、文字領域のみを残して他は削除する。逆に、写真を選択していた場合は、写真領域のみを残して他は削除する。自動が選択された場合は、原稿種判定の結果を参照する。文字のみ原稿であれば、文字のみ原稿をユーザが選択した場合と同様の処理をする。それ以外の結果の場合は何もしない。
その他の原稿種をユーザが選択した場合は、何もしない。
なお、符号903の数値も同様にユーザが変えることができるようになっており、重要部のみを残して圧縮キーを押すと、前述した方法で重要部のみを残してから残ったデータに対して圧縮処理を行う。
指定したレベル以上のファイルに対してすでに処理がなされていたら、CPU271は何もせずにその旨を示すメッセージを示すこととする。ここにおいても、レベル1よりも優先度が低いファイルは加工できないようにしておいても良い。
本実施形態では、ユーザに加工やそのレベルを選択できるように設計した例を示したが、これはデフォルトで決まっていてもよく、管理者のみが変えられるようにしてもよい。
また、ここでは蓄積の処理中に実施したHDD容量のチェックについて説明したが、画像処理装置を使用しているユーザがいないときにチェックを行い、容量が所定の容量を超えていたら管理者等にメール等で提示するようにしてもよい。
また、優先度が低いファイルが占める割合が所定の割合を超えたとき、もしくは要領が所定の容量を超えたときには、管理者にメールで連絡を行い、蓄積されている画像データの見直しを促しても良い。
上記実施形態により、原稿の再読取の可能性を画像処理装置が決定することで、ユーザが意識することなく、再読取の可能性に応じて、蓄積された画像データの処理内容を変えることができ、再読取ができる可能性が低い原稿の蓄積画像データを極力失わないような仕組みを提示することが出来る。
また、一般的に、ユーザは、ブック読取では1枚ものの原稿を読み取ることが多く、大事な原稿はブック読取で読み取る傾向にある。大事な原稿は汚さないように大切に保存されていることが多く、再度原稿を取り出して読み取らせることは好ましくない。このような場合において、ブック読取手段で読み取った画像データは、ドキュメントフィーダ読取手段で読み取った画像データに対して再利用できる可能性が低いといえる。読取装置情報に応じて優先度を決定することで、再利用の可能性が低い読取装置で読み取った原稿を他の読取装置で読み取った原稿よりも優先度を低くすることが可能である。
原稿種としては、印画紙原稿、複写原稿、雑誌、新聞等が考えられる。これらの原稿種の判別は、従来は画質向上のために利用されていたが、上記実施形態のように、再読取可能性を判断する上で原稿種を考慮すると、印画紙や雑誌、新聞は、複写原稿に比べると唯一性が高いと考えられる。唯一性が高いということは、再読取の可能性が低いと想定できる。上記実施形態のように、原稿種に応じて優先度を決定することで、再利用の可能性が低い原稿種の原稿について他の原稿種よりも優先度を低くすることが可能である。
また、蓄積した画像データが意図せず削除されたとき、オリジナル原稿が入手できない場合は、オリジナル原稿からではなく、オリジナル原稿をコピーなどの形態で出力したものを代替原稿とすることを許容できるケースもある。代替原稿読取可能性を画像処理装置が判断することで、代替原稿読取可能性に応じて、蓄積された画像データの処理内容を変えることが可能である。
また、出力部数が多ければ多いほど以前出力した結果を代替原稿として入手できる可能性が高いと考えられる。出力部数に応じて優先度を決めることで、代替原稿として入手できる可能性の低い原稿の優先度をより低くすることが可能である。
出力形態とは、FAX、コピー、スキャナ配信を意味している。一般的にFAXは遠方に送るものである。それに対し、コピーは原稿を読み取ったユーザ自身が手にする。コピーしたものは他人に配る可能性もあるが、遠方よりも出力結果が近くにある可能性が高いため、代替原稿として入手できる可能性が高いと言える。そのため、出力形態に応じて、削除の優先度を決めることで、代替原稿として入手できる可能性の低い原稿の優先度をより低くすることが可能である。
削除の優先度の低い画像データを加工・削除しないことで、ユーザの意図しない画像データの加工・削除を防ぐことができる。
削除の優先度に応じて圧縮することで、優先度の高いものから優先的に圧縮することができる。結果、優先度の低い画像データは加工されにくくなる。
また、原稿の文字が絵柄部よりも重要なケースが多いため、文字領域のみを画像データとして蓄積しておくことも有効である。また、画質モードの情報を使用すれば、文字を意味する画質モードのときには、蓄積された画像データの前記文字領域以外は削除し、前記画質モードが写真を意味するモードのときには、逆に蓄積された画像データの文字領域を削除する等により、その原稿にとって大事な部分を残すことができる。結果、優先度に関わらず、蓄積された画像データの大事な部分が削除されにくくなる。
以上のように、優先度の高い順に加工・削除を促すことで、ユーザが操作ミスによって上位にある画像データが加工・削除された場合でも、優先度の高い画像データの元原稿は再読取の可能性が高い原稿であるため、ユーザはその原稿を再読み取りすれば良い。同時に、再読取の可能性が低い原稿の画像データは優先度が低くなるため、加工・削除を促されて再読取の可能性が低い原稿の画像データを失う可能性が低くなる。
なお、ユーザにとって更に利便性を向上させるため、装置が判断した優先度を確認し、修正できる手段を設けることも考え得る。
なお、図8のフローチャートに示す処理や、上述した実施形態の処理を、CPUが実行するためのプログラムは本発明によるプログラムを構成する。このプログラムを記録する記録媒体としては、半導体記憶部や光学的及び/又は磁気的な記憶部等を用いることができる。このようなプログラム及び記録媒体を、前述した各実施形態とは異なる構成のシステム等で用い、そこのCPUで上記プログラムを実行させることにより、本発明と実質的に同じ効果を得ることができる。
以上、本発明を好適な実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。