JP5309281B2 - バックプレーン光コネクタ清掃具 - Google Patents

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Description

本発明は、バックプレーン光コネクタ清掃具に関するものである。
ルータやサーバ等の情報機器において、情報処理容量をより増大させるため、電子・電気部品や光素子を搭載した複数の回路基板(フロントボード)をバックプレーンボードに対して垂直に嵌着して、回路基板同士の信号接続を光信号により行う技術が展開されている。このような情報機器においては、回路基板とバックプレーンボードとの光接続は光コネクタを用いて行われている。
その場合、光コネクタの突き合わせ接合の端面に塵埃が付着していると、端面の損傷や損失の増大を招き、機器の信頼性を損なう原因となる。そのため、光コネクタ同士の接合の前に光コネクタの端面に付着した塵埃を除去する清掃を行う必要がある。
ところが、バックプレーンボードに設けられた光コネクタは筐体の奥に配置されているため、端面の清掃が困難であるという問題があった。
この問題を解決するため、特許文献1には、綿棒よりなる清掃部材を保持筒に取り付け、保持筒をモータで回転駆動させて、バックプレーン光コネクタの端面を清掃する清掃具が開示されている。
また、特許文献2には、バックプレーン光コネクタと嵌合し、先端に設けられた清掃用パッドを微動させてコネクタ端面を清掃した後、エアブローにより残渣を除去する清掃具が開示されている。
さらに、特許文献3には、バックプレーン光コネクタと嵌合し、光コネクタ端面に清掃用の溶媒を吹き付け、その後に空気を吹き付けることにより清掃後の溶媒を除去する清掃具が開示されている。
特開2004−4593号公報 米国特許第7089624号 特開2006−84734号公報
しかしながら、特許文献1、2の清掃具では、スティックタイプの清掃部品(消耗品)で光コネクタ端面の清掃を行っているため、その交換作業を頻繁に行わなければならず、メンテナンス性の点で改善の余地があった。
また、特許文献3の清掃具では、溶媒の吹き付けとその後のエアブローのみによりコネクタ端面の清掃を行っているため、物理的に付着している塵埃の種類によってはその粒子を的確に除去することが困難であるという問題があった。
本発明は、このような従来技術の問題に鑑みてなされたもので、メンテナンス性にすぐれ、多種の塵埃を的確に除去することができ、清掃作業を容易かつ効果的に行うことができるバックプレーン光コネクタ清掃具を提供することを課題とする。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下のことを特徴としている。
第1に、バックプレーンボードに設けられた光コネクタの端面を清掃するバックプレーン光コネクタ清掃具であって、
垂直なY軸と横方向のX軸とにのびるバックプレーンボードに対し、バックプレーンボード手前の筐体のガイド溝に沿ってZ軸方向に着脱自在に嵌着する清掃用フロントボードの一方の面に、所定幅の長尺状の清掃布を巻回して繰り出し可能に保持するX軸回転の供給リールと、清掃済みの清掃布を巻き取って回収するX軸回転の巻取リールと、清掃布の送りをガイドする清掃布ガイド部と、清掃時に清掃布を光コネクタの端面に接触させる清掃用ヘッドと、清掃用ヘッドの上流及び下流でそれぞれ清掃布の布面方向を90度変換させる清掃布方向変換部材と、清掃用ヘッドの上流で洗浄液の供給をオンオフさせる洗浄液供給部材とを有し、
清掃用ヘッドの払拭域を、バックブレーン光コネクタと嵌合可能な形態の清掃用フロントボード内コネクタハウジングで規定し、
該コネクタハウジング内の清掃布ガイド部は、繰り出される長尺状の清掃布を、垂直方向に広げて支持し、光コネクタ端面に当接させつつX軸方向に送りながら、Y軸方向にもトラバースさせて、該コネクタハウジング内のほぼ全域の光コネクタ端面を順次細かく払拭する構成であることを特徴とする。
に、上記第1のバックプレーン光コネクタ清掃具において、清掃後に光コネクタの端面に除電のためのイオン化気体を吹き付ける除電装置を有することを特徴とする。
本発明によれば、メンテナンス性にすぐれ、多種の塵埃を的確に除去することができ、清掃作業を容易かつ効果的に行うことができるバックプレーン光コネクタ清掃具を提供することができる。
また、清掃布ガイド部をバックプレーン光コネクタの被清掃面と平行に移動させるようにすると、2方向での清掃によりさらに効果的に光コネクタ端面の清掃を行うことが可能となる。
さらに、除電装置を設け、清掃後、清掃用フロントボードを抜く際にイオン化した気体をコネクタ端面に吹き付けることにより、静電気によるゴミ付着を防ぐことができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係るバックプレーン光コネクタ清掃具について説明する。
先ず、バックプレーンボードを備えた情報機器について説明する。図1は、情報機器1を模式的に示す一部切欠斜視図である。情報機器1は箱状の筐体2を有し、後側にバックプレーンボード3が取り付けられている。情報機器1の筐体2には上方と下方にガイド溝4が形成されており、電子・電気部品や光素子を搭載した複数の回路基板(以下、フロントボードとも称する)5がこのガイド溝4によりガイドされ、バックプレーンボード3に嵌着されるようになっている。バックプレーンボード3には光バックプレーン部と電気バックプレーン部が各フロントボード5に対応して設けられており、光バックプレーン部にはバックプレーン光コネクタ6が取り付けられている。このバックプレーン光コネクタ6には、例えば、図2に示すように、MT(mechanically transferable)フェルール7が内蔵されている。この例では4個のMTフェルール7が設けられている。このバックプレーン光コネクタ(以下、光コネクタとも称する)6に対し、フロントボード6側の光コネクタ(図示せず)が嵌合固定されるようになっている。
次に、本実施形態に係るバックプレーン光コネクタ清掃具(以下、光コネクタ清掃具とも称する)10について述べる。図3に、光コネクタ清掃具10を板面に対し正面から見た様子を示し、図4に、光コネクタ清掃具10の部品配置イメージと、光コネクタ清掃具10をバックプレーンボード3に嵌着させた様子を斜視図で示し、図5に清掃用ヘッド12の内部イメージを斜視図で示す。
本実施形態の光コネクタ清掃具10は、図1のフロントボード5の本体と同様な形態の清掃用フロントボード11を有し、情報機器1の筐体2にラック挿抜可能となっている。清掃用フロントボード11にはバックプレーンボード3側に清掃用ヘッド12が取り付けられ、清掃用ヘッド12に対しフロントパネル13側に離間した位置に、所定幅で長尺の清掃布14を巻回して繰り出し可能に保持する供給リール15と清掃済みの清掃布14を巻き取って回収する巻取リール16が配置されている。供給リール15と巻取リール16は図示しない回転軸により清掃用フロントボード11に取り付けられ、それらの周面に清掃布14を巻回できるようになっている。
清掃用ヘッド12は、フロントボード5に取り付けられる光コネクタ(図示せず)と同様な形態のコネクタハウジング17に内蔵され、コネクタハウジング17は清掃用フロントボード11に固定されている。図5にはコネクタハウジング17の一部のみが示されている。清掃用ヘッド12のバックプレーンボード2に近い側には、清掃布14の送りをガイドする清掃布ガイド部18が軸19の回りに設けられている。清掃布ガイド部18のバックプレーンボード2側の形状は、清掃布14をバックプレーン光コネクタ6に押し付けて清掃を行うため断面が円弧状あるいは楕円の弧状となっている。また、清掃布ガイド部18は軸19に対し、ボールネジ等の駆動手段により上下動可能になっている。コネクタハウジング17には清掃布14が出入り可能なように図示しないスロットが2箇所に設けられている。
供給リール15と清掃用ヘッド12の間には、供給リール15から繰り出された清掃布14の布面の方向を90度変換させる清掃布方向変換部材20が配置され、清掃布14の布面を清掃用フロントボード11の板面と平行になるように変換させるようになっている。また、清掃用ヘッド12と巻取リール16の間には、コネクタハウジング17から出てきた清掃布14の布面の方向を90度変換させる清掃布方向変換部材21が配置されている。清掃布方向変換部材20、21は、例えば、清掃布14に当接して清掃布14の方向を90度変える傾斜ピンのような部材で構成することができる。さらに、清掃布方向変換部材21と巻取リール16の間には、清掃布14の進行する向きを変えるガイドローラ22が設けられている。また、例えば、図示しないモータを清掃用フロントボード11に取り付け、巻取リール16を一定速度で回転させ、清掃布14の繰り出し、巻き取りを行わせるようにしてもよい。
また、清掃布方向変換部材20の上流側には洗浄液を清掃布14に上方から供給する洗浄液供給部材23が清掃用フロントボード11に固定して取り付けられている。この洗浄液供給部材23は洗浄液を収容するタンクと洗浄液を吐出するための吐出口を有しており、図示しない制御部により、その供給量と、供給開始と供給停止のオンオフ制御が可能になっている。洗浄液としてはこれまで光コネクタの端面を清掃するために使用されてきたものと同様な洗浄液を使用することができ、光コネクタの端面に付着しやすい塵埃の粒子を的確に除去できる洗浄液の使用がより好ましい。
また、清掃用フロントボード11のバックプレーンボード3側の適所にはバックプレーンボード3への位置決め固定のためのアライメントモジュール24が配置され、下端側にはフロントボード5に取り付けられている電気コネクタ(図示せず)と同様な電気コネクタ25が配置されている。
さらに、清掃用フロントボード11の清掃用ヘッド12近傍には、図示のように、清掃後に光コネクタ6の端面に除電のためのイオン化気体を吹き付ける除電装置26が配置されている。
上記のような光コネクタ清掃具10を用いたバックプレーン光コネクタ6の端面の清掃は以下のようにして行う。
情報機器1のバックプレーンボード3において清掃対象の光コネクタ6が設けられているラック位置に、光コネクタ清掃具10の清掃用フロントボード11を図1のガイド溝4をスライドさせて図5に示すようにバックプレーンボード3に嵌着させる。最初の状態では、清掃布14の位置は図5に示す状態とする。この状態で、図示しないモータにより一定速度で巻取リール16を回転させ、供給リール15から清掃布14を繰り出させる。供給リール15から繰り出された清掃布14には洗浄液供給部材23により一定時間、あらかじめ定めた量の洗浄液を供給する。このとき清掃布14の布面は清掃用フロントボード11の板面に対して垂直な方向となっている。洗浄液を含浸した清掃布14部分は下流側に送られ、清掃布方向変換部材20により布面の方向が90度変換され、清掃布14の布面は清掃用フロントボード11の板面に対して平行な方向となる。この状態で、洗浄液を含浸した清掃布14部分はコネクタハウジング17内に入り、清掃用ヘッド12の清掃布ガイド部18にガイドされ、光コネクタ6の端面にあてがわれ、端面を清掃する。
所定時間の清掃が終わると、洗浄液供給部材23からの洗浄液の供給は停止し、洗浄液を含浸しない乾燥した清掃布14部分が送られ、光コネクタ6の端面に付着した残渣を完全に拭き取り、その後、巻取リール16側に送られる。
コネクタハウジング17を出た清掃布14部分は清掃布方向変換部材21により布面の方向が90度変換され、清掃布14の布面は清掃用フロントボード11の板面に対して垂直となる。そして、ガイドローラ22により進行の向きが変えられ、巻取リール16により巻き取られ回収される。
図5の状態での清掃が終わると、図示しない駆動手段により、清掃用ヘッド12における清掃布14の高さ方向に位置を一定量だけ下方に移動させ、再び上記と同様な操作により光コネクタ6の端面の清掃を行う。この操作を光コネクタ6の端面全体の清掃が終わるまで繰り返す。
光コネクタ6の端面の清掃が終わって、清掃用フロントボード11を抜く際、除電装置26を作動させ、光コネクタ6の端面にイオン化気体を吹き付け、静電気によるゴミ付着を防止する。その後、清掃用フロントボード11を筐体2から抜き取り、光コネクタ6の端面の清掃が完了する。
上記実施形態によれば、ラック挿抜可能な清掃用フロントボード11に設けた、フロント側光コネクタと同様な形態のコネクタハウジング17に内蔵された清掃用ヘッド12を用い、清掃布14が清掃布ガイド部18とバックプレーン光コネクタ6の端面との間を通過する形態で清掃を行うため、バックプレーン光コネクタ6の端面の清掃作業を容易かつ効果的に行うことができる。
また、長尺の清掃布14をリール方式で送り出し、回収するため、メンテナンス性にすぐれる。
また、清掃布14への洗浄液の供給のオンオフを任意に制御できるため、湿式と乾式の両タイプの清掃を一連の工程で行うことができ、化学的及び物理的な清掃が一度で行え、多量で多種の塵埃を的確に除去することが可能となる。
また、清掃布14の布面の方向を90度変換して清掃用ヘッド12に送り込み、清掃済みの清掃布男14部分の布面をさらに90度変換して回収するため、供給リール15と巻取リール16の周面を清掃用フロントボード11の板面に垂直にすることができ、ボード間ピッチが30mm程度の狭いピッチであっても容易に清掃作業を行うことが可能となる。
また、清掃布14をバックプレーン光コネクタ6の被清掃面と平行方向に移動させ、2方向での清掃を行うと、より効果的に清掃を行うことができる。
さらに、除電装置を用いて、清掃後にイオン化した気体をバックプレーン光コネクタ6の端面に吹き付けることにより、静電気によるゴミ付着が防止される。
以上、本発明を一実施形態に基づき説明したが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されず、その要旨を逸脱しない範囲において各種の変形、変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、モータにより供給リールを回転させたが、場合によっては手動で行うようにしてもよい。
また、上記実施形態では、清掃布14を軸19の上から下に移動させたが、その逆としてもよい。また、清掃布14の上下の移動を連続的におこなってもよい。
さらに、上記実施形態では、清掃対象をMTフェルールとしたが、それ以外の各種光コネクタを清掃対象とすることができる。
バックプレーンボードを備えた情報機器を模式的に示す一部切欠斜視図である。 バックプレーン光コネクタの端面を示す図である。 本発明の実施形態に係るバックプレーン光コネクタ清掃具を板面に対し正面から見た様子を示す図である。 上記バックプレーン光コネクタ清掃具の部品配置イメージと、上記バックプレーン光コネクタ清掃具をバックプレーンボードに嵌着させた様子を示す斜視図である。 清掃用ヘッドの内部イメージを示す斜視図である。
符号の説明
1 情報機器
3 バックプレーンボード
5 回路基板(フロントボード)
6 パックプレーン光コネクタ
10 バックプレーン光コネクタ清掃具
11 清掃用フロントボード
12 清掃用ヘッド
14 清掃布
15 供給リール
16 巻取リール
17 コネクタハウジング
18 清掃用ガイド部
19 軸
20、21 清掃布方向変換部材
23 洗浄液供給部材
26 除電装置

Claims (2)

  1. バックプレーンボードに設けられた光コネクタの端面を清掃するバックプレーン光コネクタ清掃具であって、
    垂直なY軸と横方向のX軸とにのびるバックプレーンボードに対し、バックプレーンボード手前の筐体のガイド溝に沿ってZ軸方向に着脱自在に嵌着する清掃用フロントボードの一方の面に、所定幅の長尺状の清掃布を巻回して繰り出し可能に保持するX軸回転の供給リールと、清掃済みの清掃布を巻き取って回収するX軸回転の巻取リールと、清掃布の送りをガイドする清掃布ガイド部と、清掃時に清掃布を光コネクタの端面に接触させる清掃用ヘッドと、清掃用ヘッドの上流及び下流でそれぞれ清掃布の布面方向を90度変換させる清掃布方向変換部材と、清掃用ヘッドの上流で洗浄液の供給をオンオフさせる洗浄液供給部材とを有し、
    清掃用ヘッドの払拭域を、バックブレーン光コネクタと嵌合可能な形態の清掃用フロントボード内コネクタハウジングで規定し、
    該コネクタハウジング内の清掃布ガイド部は、繰り出される長尺状の清掃布を、垂直方向に広げて支持し、光コネクタ端面に当接させつつX軸方向に送りながら、Y軸方向にもトラバースさせて、該コネクタハウジング内のほぼ全域の光コネクタ端面を順次細かく払拭する構成であることを特徴とするバックプレーン光コネクタ清掃具。
  2. 清掃後に光コネクタの端面に除電のためのイオン化気体を吹き付ける除電装置を有することを特徴とする請求項1に記載のバックプレーン光コネクタ清掃具。
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