JP5309037B2 - 回転翼航空機 - Google Patents

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Description

本発明は、空中輸送手段、特に無人空中輸送手段(UAV)に関する。具体的には、本発明は、無人回転翼航空機に関する。
回転翼航空機は、様々な用途に用いられている。特に、無人回転翼航空機は、軍事、法執行機関、商業的航空調査活動などに、用いられている。
[関連出願の相互参照]
本出願は、2007年1月18日に出願された米国仮特許出願番号第60/885,559の利益を主張する通常の特許出願である。この出願を本明細書に援用する。
回転翼航空機に設けられる構成部品を均一に配置することができ、機械的な複雑さや重さを減らすことができる回転翼航空機を提供することを課題とする。
また、本発明は、効率的に動作することができると共に、さまざまな動作状況において、システムの総推進力効率、すなわち、電気エネルギーから推力への変換を効率よく行うことができる回転翼航空機を提供する。
さらに、非常に小さな騒音で動作することが可能な回転翼航空機を提供する。
本発明に係る回転翼航空機は、本体または機体構造を有する。その本体または機体構造は、非回転構造の骨格、コア、または、背骨(スパイン)を備えている。また、本発明の回転翼航空機は、二重反転ローターシステムを有しており、そのシステムは、ローターモジュールを備えている。ローターモジュールは、ローターハブと、そのローターハブに接続される複数のローター羽根と、を備えている。本発明による一実施形態において、各ローターモジュールは、非回転構造の背骨に支持され、別々のローター駆動部に接続されている。ローター駆動部は、駆動モータであってもよく、回転の縦軸でローター羽根を駆動するために、ローターハブに接続されている。また、非回転構造の背骨は、前記ローター駆動部を通る。そのローター駆動部は、非回転構造の背骨の反対側に間隔をおいて配置されている。本発明の一実施形態では、バッテリ、燃料電池、ハイブリッドガス発電機などを備えた複数の分散型の電源は、複数のローター駆動部に電力を供給するために設けられている。分散型の電源、および、制御モジュール、ペイロードモジュール、電子モジュールなど他のモジュールは、飛行中の監視範囲を向上させるために、所望のポイントで回転翼航空機のバランスを保つために用いられる。ローター羽根への動力伝達、および、各回転翼羽の間の動力伝達は、機械の軸系の代わりに電気配線によって行われる。回転翼航空機を製造する際に、モジュール構造が設けられていることが好ましい。
現在考えられる本発明の最良の実施形態を示す例証的実施形態の以下の詳細な説明を考慮すれば、本発明の他の特徴が当業者にとって明らかとなるだろう。
本発明の一実施形態に係る同軸の二重反転ローターシステムと、前記ローターシステムに連結する交換可能なモジュールの構成部品を備えた細長い本体と、を有する回転翼航空機の斜視図である。 飛行中の航空機から図1に示された回転翼航空機の展開を示す斜視図である。 領域のリモート監視を提供し、前記システムの移動式コマンドセンターと、前記移動式コマンドセンターと通信する前記システムのさまざまな回転翼航空機と、を示す一体化されたミクロ回転翼航空機システムの斜視図である。 パワールートおよび信号ルートを備えた中央バスアーキテクチャ(central buss architecture)と、非回転構造の背骨または骨格を備えた航空機に接続された誘導システムと、一対のローターシステムと、を有し、積載物を運ぶ回転翼航空機を示す図である。 ローターシステムと、制御モジュールと、電力および信号導管に中央データ/電力バスを介して通信する電力モジュールと、を示した回転翼航空機を示す図である。 システムモジュール、具体的には(上から下に順に)コントロールモジュール、第1電力モジュール、第1ローターモジュール、ピッチコントローラ、第2ローターモジュール、第2電力モジュール、を明らかにするために、本体シェルが取り除かれた図1の回転翼航空機の側面図である。 図6の回転翼航空機に含められる実例となる構成部品の分解斜視図である。 図6の回転翼航空機に含められるローターモジュール(回転翼の羽根を除く)、具体的には(右から左に順に)、スウォシュプレートアセンブリ、ハブ、スペーサ、ローターリング、希土類磁石、積層スタック、電子モータ速度コントローラ(ESC)、マウントを示す分解斜視図である。 図8の積層スタックの拡大斜視図である。 図8の電子モータ速度コントローラ(ESC)の拡大斜視図である。 図8のマウントの拡大斜視図である。 本発明の別の実施形態に係る同軸の二重反転ローターシステムと、前記ローターシステムに連結する交換可能なモジュールの構成部品を備えた細長い本体と、を有する回転翼航空機の斜視図である。 図12の回転翼航空機、具体的には(右から左へ順に)、ノーズコーン、GPSアンテナ、第1コンピュータ回路基板、複数の希土類磁石付きの第1ローターモジュール、第1磁気コイルアセンブリ、背骨チューブ、バッテリ付きの電力モジュール、第2磁気コイルアセンブリ、第2コンピュータ回路基板、テールコーン、を示す分解斜視図である。
図1に示すように、回転翼航空機10は、矢印72、矢印101、および、矢印102の方向に飛行する、あるいは、動作する。回転翼航空機10は、非回転構造の背骨を構成する機体74を有する。回転翼航空機10の機体74は、上部12と、中部18と、下部20と、第1ローターモジュール14と、第2ローターモジュール16と、を備えている。また、図4に示すように、回転翼航空機10は、第1、第2ローターモジュール14、16に電力をそれぞれ供給する第1、第2電源モジュール22、24と、ノーズコーン31と、テールコーン33と、ペイロードモジュール26と、を有する。ノーズコーン31は、機体74の第1端部73に設けられており、テールコーン33は、機体74の第1端部と間隔を置いて離れて配置されている第2端部に設けられている。ペイロードモジュール26は、物品やサービスを輸送し、および/または、前記回転翼航空機10の飛行中に所望のデータを集めたりする。回転翼航空機10が、図1に示すような飛行配置にあるとき、第1端部73は上向きに方向付けられていると見なし、第2端部75は下向きに方向付けられていると見なす。図1および図4に示すように、第1ローターモジュール14、第2ローターモジュール16、第1電源モジュール22、第2電源モジュール24、および、ペイロードモジュール26の全てのモジュールは、機体74の本体の長手方向に沿って、間隔をあけて連結されている。または、全てのモジュールは、機体軸28を備えた非回転構造の背骨64に間隔をあけて設けられている。回転翼航空機10の上部12および中部18に設けられている内部の機械的な構成要素および電子的な構成要素、または、機械的なモジュールおよび電子的なモジュールは、それぞれ、細い壁で形成された上部本体シェル30、および、中部本体シェル32で囲まれている。下部本体シェル34は、下部20の部分を覆っている。
回転翼航空機10は、ローターシステム36を備えている。ローターシステム36は、ローター駆動部38を有するローターモジュール14を備えている。ローター駆動部38は、ローターハブ40内に設けられており、操作可能に複数のローター羽根42に接続されている。各ローター羽根42は、縦軸42Hを有する。縦軸42Hは、図5に示すように、ローターシステム36に対しておおよその重心CG1を決めるために、機体74の機体軸28に交差する。また、ローターシステム36は、スウォシュプレート46のようなピッチコントローラ44を備えている(図5および図6を参照)。ピッチコントローラ44は、サーボモジュール50からの出力に応じて、ローター羽根の周期的なピッチ、および/または、ローター羽根の全体的なピッチを変更するために、操作可能にローター羽根42に連結されている。サーボモジュール50は、スウォシュプレート46と、第1スウォシュプレート80と、第2スウォシュプレート82と、サーボアクチュエータ48と、を備えている。サーボアクチュエータ48は、連結部52(図6を参照)を通って、1つまたはそれ以上の各スウォシュプレート46、80、82に連結されている(図6および図7を参照)。本発明の一実施形態において、図4に示すように、回転翼航空機10のおおよその重心CG2は、ピッチコントローラ44の間(第1ピッチコントローラ44と第2ピッチコントローラ44との間)に位置付けられることが望ましい。通常、機体軸28に位置している間、回転翼航空機10の重心CG2におけるシンボルは、便宜上、機体軸28の一端に示す。
電気などの電力は、電力モジュール56から生じる。図6に示すように、2つの電力モジュール56は、それぞれ、第1電源モジュール22または第2電源モジュール24と、バッテリ54または燃料タンク(図示せず)と、を備えている。電力モジュール56からの電力は、ローターシステム36と交わって電力導管58を流れる。また、その電力は、制御モジュール60、ローター駆動部38、および、サーボモジュール50に供給され、それらを動作させるために用いられる。制御モジュール60からの制御信号は、信号導管62に沿って流れ、ローター駆動部38の速度、および、サーボモジュール50の位置決め出力を調整する。電力導管58および信号導管62は、プリント回路基板63に設けられている(図7を参照)。また、図4に示すように、電力導管58および信号導管62は、構造骨格に形成された経路、または、回転翼航空機10の背骨64(図7を参照)に形成された経路、を通って、ローター羽根42の第1流入側42Nと第2流出側42Tとの間を流れる。非回転構造の背骨64は、電力導管58や信号導管62などを収容するための中空部77を備えている。
ホバリング飛行において、第1ローターモジュール14および第2ローターモジュール16は、機体軸28に対して反対方向に回転する。つまり、図4に示すように、空気を下向き方向66に押し付けて、回転翼航空機10を上向き方向67に上げる方向に、回転する。第1ローターモジュール14は、図1に示す矢印68の方向に回転するローター羽根42を有する。第2ローターモジュール16は、図1に示す矢印70の方向に回転するローター羽根42を有する。第1ローターモジュール14および第2ローターモジュール16は、周期的なピッチ制御を備えているので、回転翼航空機10は、図1に示す矢印72、矢印101、および、矢印102の方向に飛行するように、構成されている。また、機体軸28は、図1に示すように、実質的に垂直方向に配置されている。
図7に示すように、機体74は、回転翼航空機10の構造骨格または背骨64を構成し、通常、上部12から下部20までの回転翼航空機10の中心を通って垂直に動く。本発明の一実施形態では、機体74は非回転チューブである。上部12、中部18、または、下部20内に設けられた第1ローターモジュール14、第2ローターモジュール16などの全てのモジュールや構成要素は、背骨64、または、機体74に連結されている。図7を参照すると、機体74は、回転翼航空機10の上部12、中部18、および、下部20に配置されているモジュールを使用するために、電力導管58、信号導管62、電気配線用の導管(図示せず)、配管(図示せず)、機械的な連結部(図示せず)などを有することができる。また、機体74は、カーボングラファイトファイバ、グラスファイバ、アルミニウム合金ナンバー7075、同類の合金、または、0.5インチの外径の別の同類の材料で製造することができる。
回転翼航空機10は、図6に示すように、3つの本体部分から構成されている。つまり、上部12、中部18、下部16の3つの部分で、回転翼航空機の本体が形成されている。図4に示すように、上部12は、第1電子モジュール88と、第1電源モジュール22と、を有する。第1電子モジュール88は、飛行中に回転翼航空機10に対して、少なくとも誘導および通信サービスを提供する。第1電源モジュールは、ローター羽根42を駆動させるために、電力を供給する。また、第1電源モジュール22は、機体74の上端に設けられた第1端部73に連結される。上部12は、第1モータ速度コントローラ76および第1ブラシレスモータ78を有することもできる(図6を参照)。中部18は、第1スウォシュプレート80と、第2スウォシュプレート82と、サーボアクチュエータ48と、を有する。下部20は、第2モータ速度コントローラ84と、第2ブラシレスモータ86と、電子モジュール88と、第2電源モジュール24と、ペイロードモジュール26と、を有する(図4を参照)。ペイロードモジュール26は、機体74の下端に設けられた第2端部75に連結されている。固定、または、移動可能な空力学的面(図示せず)は、追加の飛行制御用の別のサーボアクチュエータに取り付けられることができる。
一般的に、バッテリ54を有する電力モジュール56は、比較的重たい。全ての電力モジュール56が、第1、第2ローターモジュール14、16より下に配置されている場合、電力モジュール56が、重力によって下方へ引っ張られる傾向があるので、回転翼航空機10が必然的に安定する。しかしながら、安定性が増加するように、制御機関は通常減らされる。
本発明の特徴は、ローターシステムの中心の周りに配置されている電力モジュール56のような重い構成部品を、均一に配置することである。このため、回転翼航空機10の重心は、例えば、重心CG1および重心CG2は、ローターシステム36のリフトのほぼ中心と一致している。また、ローターシステム36のリフトの中心は、同軸の第1、第2ローターモジュール14、16の間の中央に配置されることができる。
第1、第2ローターモジュール14、16は、構造および機能がそれぞれ同じである。第1ローターモジュール14は、ローターマウント90と、ローターハブ40と、第1ボールベアリング92と、第2ボールベアリング94と、リングクリップ96と、ブレードヨーク98と、ローター羽根42と、を備えている。第1ローターモジュール14を組み立てる際、第1、第2ボールベアリング92、94は、ローターマウント90のシャフト103に保持される。ローター羽根42は、ピン104で所定の場所に保持される。ピン104は、車軸110に形成されるキャップ106および開口108を通って延びている。他のピン(図示せず)によって保持される際、車軸110は、ベアリング開口112を通る。ベアリング開口112は、ローターハブ40に形成されており、ブレードヨーク98の開口114に挿入される。
図8に示すように、第1ローターモジュール14は、循環的に、かつ、集合的に、動作可能にローター羽根42を支持するように構成される。連結部52は、ピッチアーム120をスウォシュプレート46に連結させる。
本発明の一実施形態において、ローター駆動部38は、直接駆動モータ134として、図8に示される。直接駆動モータ134は、電磁の巻線126付き積層スタック122と、希土類磁石124と、を備えている。
直接駆動モータ134は、ローターハブ40内に配置される。直接駆動モータ134は、図8に示すように、中空コア134Hを有するように、構成される。中空コア134Hは、図6および図7に示す非回転構造の背骨64を収容するために、構成されている。直接駆動モータ134は、機体軸28の周りでローター羽根42を動かすために設けられている。積層スタック122は、図9に示すように、磁気的に伝導性の鉄鋼材料で形成された約23層を有し、約0.6インチの厚さで形成されている。12個の巻線126は、23ゲージ銅線で作られている。23ゲージ銅線は、12個のポールモータを生成するために、積層スタック122の歯128の周りに巻きついている。後部鉄鋼(back iron)の別名でも知られるローターリング130は、操作中、磁石124の間の磁束を支持するために、磁気を帯びる浸透性の鉄で作られている。直接駆動モータ134は、前述したように、非回転構造の背骨または骨格(backbone)64に対応するために、通常、中空コア134Hを有する。一実施形態において、希土類磁石124は、積層スタック122および巻線126の外側に配置されており、それらの周りで回転するので、直接駆動モータ134は、アウトランナースタイルモータ(outrunner−style motor)である。このアウトランナースタイルモータは、インランナースタイルモータ(in−runner style motor)(図示せず)と対照的である。インランナースタイルモータでは、磁石は、立体のシャフトに取り付けられており、積層スタックおよび巻線の内側で回転する。
図8に示すように、別々のセグメントの集まりとして、希土類磁石124は、磁性材料で単一の連続的なリングに形成することができる。そのリングは、製造中、その外周の周りで複数の別々のS極、N極に磁化される。それにより、多重極磁石リング、または、多重極の環状磁石を形成することができる。多重極磁石リングの特徴は、別々のセグメントとの間に空隙がなく、直接駆動モータ134の動作中に、磁束が磁石セグメントとの間で、より効率的に流れることができる。
電子モータ速度コントローラ132(ESC)は、直接駆動モータ134を制御するために設けられており、積層スタック122に隣接して配置されている。そのため、巻線126の末端部123は、直接、電子モータ速度コントローラ132の回路基板136に接する、または、貫通する。上述した電子モータ速度コントローラ(ESC)132の特徴としては、モータ速度コントローラ132のビアホール125において、巻線126を終端処理する。これにより、巻線126は、さまざまな動作状況で、デルタ巻き(Delate Winds)およびY字巻き(Wye Winds)などの異なる組合せで、電子速度コントローラ上のシステムコンピュータによって電圧が加えられるように、接続することができる。また、その巻線126は、直接駆動モータ134の電力を効率的に調節することが可能である。
その電子モータ速度コントローラに接続された巻線が、デルタ巻き、または、Y字巻きとして構成されているかどうかを判断する3つのグループで、互いに接続される。3つの巻線が、それぞれ一端だけで互いに接続されている際には、その接続がY字状に見えるので、Y字巻線(Wye winding)と呼ばれている。また、3つの巻線が、それぞれ両方の端部で接続されている際には、ギリシャ文字Dの準三角形に見えるので、それらは、デルタ巻線(Delta winding)と呼ばれている。
本発明の一実施形態におけるY字巻線は、第1、第2ローターモジュール14、16の低速運転、例えば、回転翼航空機10の効率的なホバリング飛行のような運転に対して用いられる。また、本発明の一実施形態おけるデルタ巻線は、第1、第2ローターモジュール14、16の高速運転、例えば、回転翼航空機10の高速度水平飛行に対して用いられる。
本発明の一実施形態において、電子モータ速度コントローラ132は、電力継電器(接触器)133を有する。電力継電器133は、低速および高速の両方で、直接駆動モータの効率的な動作に対して、「飛行中に」巻線126の接続を再構成することができる。
ローターマウント90は、ポリカーボネート・プラスチック、または、ガラス繊維充填ナイロンから成り、アルミニウム、または、射出形成で機械加工されている。ローターハブ40は、ナイロンやアセタールのような熱可塑性プラスチック材料から成り、射出形成される。ローターマウント90は、締め具41でハブ40に連結される共に、ブレードヨーク98も、締め具43でハブ40に連結される。複数のローター羽根42は、機体軸28と一致する従来の同軸シャフトの代わりに、ローターハブ40で飛行中に支持される。ローター羽根42は、回転翼航空機10の外側本体シェルの一部を構成している。また、直接駆動モータ134を収容するために、ローター支持軸受92、94が、ローター羽根42、および、回転翼航空機10の中央本体部分内の自由な空間に非常に近くに配置されている。
固定ピッチローターシステムでは、放射状の飛行エネルギーが、ローター羽根42によって生成される。そして、その飛行エネルギーが、ローター羽根42に連結されている内側のブレードヨーク98で支えられる。ブレードヨーク98は、開口部137を有する。開口部137は、機体74に対応して設けられている。したがって、特別なスラスト軸受(thrust bearing)を必要としない。
図6に示すように、本発明における一実施形態は、第1ローターモジュール14と、第2ローターモジュール16と、第1スウォシュプレート80と、第2スウォシュプレート82と、サーボモジュール50と、を有する。サーボモジュール50は、回転翼航空機10の重心CG2の中心の周りの鏡面対称で、回転しない機体74に連結されている。2つのローター付きの同軸ローターシステムが、示されているが、回転翼航空機10は、追加の推力(thrust)または運用能力を増加させるために、回転しない機体74の長さに沿って、間隔を置いて配置される追加のローターシステム(図示せず)を備えることもできる。
ローターモジュールは、連結部52によって、第1、第2スウォシュプレート80、82に連結される。動作中、ローターハブ40は、反対方向に回転する。サーボモジュール50は、同時に第1スウォシュプレート80および第2スウォシュプレート82を傾けるために、機内の飛行制御電子回路により制御される。その後、傾いた第1スウォシュプレート80および第2スウォシュプレート82は、図1の飛行機のピッチ方向83および飛行機のロール方向85の1つにおいて、回転翼航空機10を傾けるために、ローター羽根42の羽根ピッチ角度を周期的に変化させる。集合的なピッチ(collective pitch)を有する別の実施形態においては、第3サーボおよび第3連結部(図示せず)が、設けられている。第3サーボおよび第3連結部は、機体軸28に沿って、第1、第2スウォシュプレート80、82の軸位置を変化させると共に、電子のコレクティブ・サイクリック・ピッチ・ミキシング(Collective−Cyclic Pitch Mixing:CCPM)を用いて、ローター羽根42の集合的なピッチを変化させる。同軸のローターシステムを制御するために、ローターモジュール間に位置付けられているサーボを用いたり、連結部で第1、第2スウォシュプレートを直接連結したりすることが、望ましい。
図12および図13に示す本発明における別の実施形態では、回転翼航空機135は、ノーズコーン136を有する。ノーズコーン136は、軍需品、カメラ、化学薬品、センサなどのペイロードを備えている。ペイロードは、所望の品物やサービスを届けるために、および/または、回転翼航空機の飛行中に所望のデータを集めるために、構成されている。また、図12および図13に示すように、回転翼航空機135は、GPS(Global Positioning System:グローバル・ポジショニング・システム)アンテナ137と、第1コンピュータ回路基板138と、第1ローターモジュール139と、第2ローターモジュール140と、第1磁気コイルアセンブリ142と、非回転構造の背骨チューブ144と、電力モジュール145と、第2磁気コイルアセンブリ143と、第2コンピュータ回路基板147と、テールコーン148と、を有する。第1コンピュータ回路基板138は、飛行管理システムのような制御電子回路を備えている。第2ローターモジュール140は、複数の希土類磁石141を備えている。電力モジュール145は、複数のバッテリ146を備えている。また、回転翼航空機135には、レーザー高度計や爆発軍需品などのペイロード(図示せず)が設けられていてもよい。
第1ローターモジュール139、および、第2ローターモジュール140は、実質的には同じモジュールであり、第1ローターハブ149と第2ローターハブ150を、それぞれ備えている。第1ローター羽根151および第2ローター羽根152は、内部機構(図示せず)により、集合的に、かつ、周期的に、回転可能である。
第1、第2磁気コイルアセンブリには、複数の磁気コイル153、154が設けられている。磁気コイル153、154は、それぞれプリント回路基板155、156に連結されている。本発明の別の実施形態における特徴は、磁気コイル153、154の入力端部および出力端部が、プリント回路基板155、156に、直接はんだ付けされている。そのプリント回路基板155、156には、銅のトレース(copper trace)(図示せず)が設けられている。銅のトレースは、電力リレー(図示せず)の状態(開路/閉路)に応じて、Y字状の構成またはデルタ構成において、磁気コイル153、154を相互に連結させる。Y字状の構成とデルタ構成とを切り換えることにより、第1、第2ローター羽根151、152が、高速または低速で、効率的に動作することができる。それにより、動作状況の広範囲において、システムの総推進力効率、すなわち、電気エネルギーから推力への変換を最大にすることが可能である。
第1、第2磁気コイルアセンブリ142、143は、変動する磁場をそれぞれ生成する。第1磁気コイルアセンブリ142の磁場は、第1ローターハブ149を有する第1磁石リングアセンブリ165で動作すると共に、第2コイルアセンブリ143の磁場は、第2ローターハブ150を有する第2磁石リングアセンブリ166で動作する。第1、第2磁石リングアセンブリ165、165には、それぞれ、複数の個々の希土類磁石141、または、連続磁石リング(図示せず)が設けられている。連続磁石リングは、多くの磁極(図示せず)を備えており、別々の磁石のように動く。
電力モジュール145は、複数の電池146を有し、回転翼航空機135のほぼ重心CG3に取り付けられている。重心CG3は、第1ローターモジュール139と第2ローターモジュール140とのほぼ中間に位置付けられている。電力モジュール145は、第1、第2ローターモジュール139、149を動かすため、それらに電力を供給する。
第1ローター駆動部(電気モータ)157は、第1磁気コイルアセンブリ142および第1磁石リングアセンブリ165で構成されている。磁気コイル153が、プリント回路基板155の平面に配置されており、また、希土類磁石(磁石リング)141が、第1ローターハブ149の平面に配置されている。このため、直接駆動モータである第1ローター駆動部157は、頻繁にパンスタイルモータ(Pan−Style Motor)として参照される。
本発明の実施形態において、全ての駆動モータを有することが好ましい。また、その駆動モータが、ローターハブ内、または、ローターハブに隣接して位置付けられることが望ましい。ローターハブは、機械的軸系の代わりに、電子回路基板上の導管、または、痕跡を介し、電気配線を経由して達成されるローターモジュール間の動力伝達を備えている。このため、機械的な複雑さや重さを減らすことが可能である。また、ローターシステムの電力および制御は、実際は電気である。そのため、回転翼航空機の全制御システムは、複雑な機械連結、または、油圧の拡大することなく、デジタルコンピュータ、および、固体エレクトロニクスにより、電気的に動作されることができる。
上述した実施形態では、垂直飛行配置における偏揺れ、機首方位、制御に対して、異なるモータ速度有する。いくつかの同軸ヘリコプターは、飛行中の偏揺れ動作を制御するために、さまざまなブレードピッチや異なるブレード角度を利用する。回転しない本体、または、回転翼航空機の機体に対して、異なる速度でローター駆動部を動かすことによって生成される特異的な回転力は、例えば、機体軸28周りの回転のような、偏揺れ動作を安定させて、制御するための偏揺れ力を作り出す。そのローター駆動部の回転力、すなわち、速度は、垂直な機体軸28周りの回転翼航空機の偏揺れ動作に応じて、増加したり、減少したりする。ローター駆動部の回転力、または、その速度は、一定の上昇を維持するために、別のローター駆動部の回転力または速度に反して、機内のコンピュータシステムによって自動的に調整される。そのため、回転翼航空機は、高度を増すこともなく、減ることもない。
各ローターモジュール14、16、139、140に対する電力は、通常、もっとも近いそれぞれの電力モジュール56、145から引き出される。その間、電子モジュール56、145は、それらの中に含まれるエネルギーのバランスを保つために、非回転構造の背骨64内の導管58、56を介して互いに電気的に、電子的に、かつ、機械的に電力を伝達する。前述のように電力が伝達される場合、電力モジュール56、145の能力が、均一に用いられる。電力モジュール56、145が、電池を有する場合には、第1、第2電源モジュール22、24、電力モジュール45間のコンピュータ制御の電力接続が、それらを同じ割合で放電させるために、電池から引き出される電圧および電流のバランスを取ることができる。
上述の実施形態において、第1ローターモジュール14、139、第2ローターモジュール16、140は、2つ一組で用いられる。各ローターモジュールは、テールブーム(tail boom)(図示せず)のテールローター(図示せず)が、回転力を打ち消すために設けられている場合に、回転翼航空機10、35で用いることができる。
本発明の実施形態において、直接駆動モータは、ローター羽根42、第1ローター羽根151、第2ローター羽根152のそれぞれを駆動するためのギア付きの伝達システム必要としない。そのため、直接駆動モータ134、157は、静かに、または、非常に小さな騒音だけで、動作することができる。したがって、動作中の騒音レベルを制御、または、除去しなければなれない場合において、利点がある。
なお、すべての図は、必ずしも一定の比率で図示されているわけではない。例えば、回転翼航空機10は、ローター羽根42に対して約30インチの背骨を有する。本体シェル32の直径は、約2.5インチである。また、長手方向の機体軸28に沿って、最上部から最下部までの機体74の長さは、約22インチである。
後述する実施形態においても、上述した回転翼航空機10、135に適用することができる。
飛行中におけるローター駆動部への電源供給は、例えば、リチウムポリマー電池、リチウムイオン電池、燃料電池のような、大容量の電池によって供給される。電力モジュールは、例えば、6つの再充電可能リチウムイオン電池を有することも可能である。その再充電可能リチウムイオン電池は、回転しない機体の周りで、六角形に配置され、約11.3ボルトの電位を生成するために、内側に配線される。電力モジュールからの電源線は、機体を介して、モータ速度コントローラを経由する。
飛行中の間、追加のエネルギー能力に対して、電力モジュールを複数設けることもできる。また、複数の電力モジュールを、ローター駆動部が利用できる電流を増加させるために、並列に配線することも可能である。回転翼航空機10の飛行時間は、飛行中に運ばれる電力モジュールの数を調整することにより、調節することができる。
本発明の実施形態において、回転翼航空機が、上述した構成部品で製造されて、組み立てられることが望ましい。ローターモジュール、制御モジュール、電力モジュール、ブースターモジュール、および、ペイロードモジュールが、別々に製造されていてもよく、機体上にスライドさせておいてもよい。
また、本発明の実施形態において、同軸システムの各ローターシステムは、ローターシステムのハブ部分に位置付けられる別々の電動機によって、動かされる。ローターへの動力伝達は、電気配線を介して達成される。例えば、機械の軸系、クラッチ、ギアなどの代わりに、中が空洞の機体を通って電線を通すことにより、動力を伝達する。ローターシステムの直接電気駆動装置は、静かであり、振動がほとんどない。
本発明の実施形態において、スウォシュプレート制御システムおよび電力で駆動するモータは、各ローターシステムにより提供される。そのため、ローター羽根を駆動したり、制御したりするのに必要とされる機械的および電気的接続を、簡素化することができる。ローターモジュールは、ローターシステムを機体に、すばやく、簡単に連結することを提供する。また、複数のローターモジュールおよびスウォシュプレートは、サーボモジュール内に収容されるサーボアクチュエータのグループ、例えば、2つ以上のグループにより制御されることができる。
さらに、本発明の実施形態では、飛行中のバランスおよび制御機関のつりあいを確立する方法が提供される。それは、電力モジュールを上下に分配することにより、行われる。具体的には、ローター羽根間における回転翼航空機の重心の上下に配置させることにより、バランスを保つことができる。このようにして、回転翼航空機のバランスおよび制御機関が、比例的に制御される。
本明細書で示される実施形態は、ヘリコプター用の下向き方向に推進力を生じるものとして、記載されている。その一方で、本発明の実施形態が、さまざまな方向で推力を生成するために構成されている。つまり、水平な航空機、垂直な航空機など、さまざまなタイプの航空機を水平に進ませることができるように、構成されている。また、翼、パラフォイル、ガスバッグなどの追加の昇降装置は、本発明の実施形態において、用いることが可能である。
回転翼航空機10、135の重心における他の位置は、非回転構造の背骨64に沿って、モジュールの位置に基づいて、決めることが可能である。
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
10、135 回転翼航空機
14、139 第1ローターモジュール
16、140 第2ローターモジュール
22 第1電源モジュール
24 第2電源モジュール
26 ペイロードモジュール
28 機体軸
31、136 ノーズコーン
33、148 テールコーン
34 下部本体シェル
36 ローターシステム
38 ローター駆動部
40 ローターハブ
42 ローター羽根
42N 第1流入側
42T 第2流出側
42H 縦軸
44 ピッチコントローラ
46 スウォシュプレート
48 サーボアクチュエータ
50 サーボモジュール
54 バッテリ
56、145 電力モジュール
58 電力導管
60 制御モジュール
62 信号導管
64 背骨(スパイン、骨格)
73 第1端部
74 機体
75 第2端部
76 第1モータ速度コントローラ
77 中空部
80 第1スウォシュプレート
82 第2スウォシュプレート
84 第2モータ速度コントローラ
86 第2ブラシレスモータ
88 第1電子モジュール
126 巻線
132 電子モータ速度コントローラ(ESC)
134H 中空コア
149 第1ローターハブ
150 第2ローターハブ
151 第1ローター羽根
152 第2ローター羽根
153、154 磁気コイル
157 第1ローター駆動部(電気モータ)
CG1、CG2、CG3 重心

Claims (8)

  1. 縦軸、機体の第1端部、および、前記第1端部から間隔をあけて前記機体の反対側に設けられた第2端部、を備えた非回転構造の背骨を構成する、機体と、
    第1ローターハブ、および、前記第1ローターハブに動作可能に接続されて、前記縦軸に対して垂直に延設されている複数の第1ローター羽根、を備えた前記非回転構造の背骨に動作可能に接続された、第1ローターモジュールと、
    第2ローターハブ、および、前記第2ローターハブに動作可能に接続されて、前記縦軸に対して垂直に延設されている複数の第2ローター羽根、を備えた前記非回転構造の背骨に動作可能に接続されて、前記第1ローターモジュールに対して間隔をあけて配置された、第2ローターモジュールと、
    前記非回転構造の背骨に動作可能に接続されて、前記第1ローターモジュールと前記第1端部との間に配置された前記第1ローターモジュールに電力を供給する、第1電力モジュールと、
    前記非回転構造の背骨に動作可能に接続されて、前記第2ローターモジュールと前記第2端部との間に配置された第2ローターモジュールに電力を供給する、第2電力モジュールと、
    を有することを特徴とする回転翼航空機。
  2. 前記第1電力モジュールおよび前記第2電力モジュールによって、前記回転翼航空機の飛行中に互いに通信されて、前記第1電力モジュールおよび前記第2電力モジュールから出力される電力のバランスが取られ、そして、
    前記第1電力モジュールおよび前記第2電力モジュールの両方の電力が、同時に消耗される
    ことを特徴とする請求項1に記載の回転翼航空機。
  3. 前記第1電力モジュールおよび前記第2電力モジュールが、前記非回転構造の背骨において、電力導管および信号導管を介して通信する
    ことを特徴とする請求項1に記載の回転翼航空機。
  4. 前記機体の重心が、前記第1と第2電力モジュールの間に設けられたスペースに位置付けられていることを特徴とする請求項1に記載の回転翼航空機。
  5. 前記回転翼航空機には、前記ローター羽根の第1セットのピッチを変更する第1ピッチコントローラが、さらに設けられ、
    前記第1ピッチコントローラが、前記機体に接続されて、前記第1と第2電力モジュールの間のスペースに位置付けられていることを特徴とする請求項1に記載の回転翼航空機。
  6. 前記回転翼航空機には、前記ローター羽根の第2セットのピッチを変更する第2ピッチコントローラが、さらに設けられ、
    前記第2ピッチコントローラが、前記機体に接続されて、前記第1と第2電力モジュールの間の前記スペースに位置付けられていることを特徴とする請求項5に記載の回転翼航空機。
  7. 前記回転翼航空機には、物品を輸送する輸送手段、および、飛行中にデータを集める収集手段、のいずれか少なくとも1つを提供する第1ペイロードモジュールが、さらに設けられ、
    前記ペイロードモジュールが、前記機体に接続されると共に、前記第1電力モジュールが、前記機体の重心と前記第1ペイロードモジュールとの間に位置付けられていることを特徴とする請求項1に記載の回転翼航空機。
  8. 前記回転翼航空機には、物品を輸送する輸送手段、および、飛行中にデータを集める収集手段、のいずれか少なくとも1つを備えた第2ペイロードモジュールが、さらに設けられ、
    前記第2ペイロードが、前記機体に接続されると共に、前記第2電力モジュールが、前記機体の重心と前記第2ペイロードとの間に位置付けられていることを特徴とする請求項7に記載の回転翼航空機。
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