JP4279194B2 - 飛行体及び飛行体のモード切替方法 - Google Patents

飛行体及び飛行体のモード切替方法 Download PDF

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Description

本発明は、飛行体、及び飛行体のモード切替方法に関するものである。
ヘリコプター等の回転翼機はホバリング飛行(空中の一定位置に静止する飛行)が可能であり、水平飛行を行う固定翼機は高速移動が可能である。
これら回転翼機及び固定翼機の利点を兼ね備えた飛行体が求められている。
このような飛行体としては、例えば後記の特許文献1に記載の航空機がある。
この航空機は、垂直飛行時に揚力を発生させる手段と、水平飛行時に揚力を発生させる翼とを有している。
特開2001−213397号公報(段落[0025]〜[0029],及び図1)
しかし、この航空機では、水平飛行時に揚力を発生させる翼は、垂直飛行時には死荷重となるため、垂直飛行時の燃料消費量が多かった。
また、垂直飛行時から水平飛行に移行する際には、垂直飛行時に十分な速度を得なくてはならないので、燃料消費量が多かった。
このため、活動可能時間が短く、運用できる範囲が限られていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、活動可能時間が長く、運用範囲が広い飛行体及び飛行体のモード切替方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の飛行体及び飛行体のモード切替方法は、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる飛行体は、機軸方向に延びる柱状の本体と、該本体に対して前記機軸に平行な回転軸線回りに回転可能にして設けられる回転翼と、該回転翼を前記回転軸線回りに回転駆動する回転翼駆動装置と、該回転翼駆動装置と前記回転翼とを接続して前記回転翼駆動装置の駆動力を前記回転翼に伝達する回転翼駆動軸と、機首側に向かう推力を発生させる推進装置と、動作形態をホバリングモードと飛行モードとのうちのいずれか一方に切り替えるモード切替装置とを有しており、前記回転翼は、それぞれピッチ角を可変にして前記回転軸線回りに放射状に配置された複数のブレードを有しており、前記モード切替装置は、前記飛行モード時に前記本体に対する前記回転翼の前記回転軸線回りの位置を固定する固定装置と、前記ホバリングモード時には前記各ブレードの前縁を前記回転翼の回転方向に向け、前記飛行モード時には前記各ブレードの前縁を機首側に向けるとともに、いずれのモードにおいても前記各ブレードに所望の揚力を生じさせるための迎角を与えるピッチ角調整装置とを有していることを特徴とする。
このように構成される飛行体では、モード切替装置によって、その動作形態がホバリングモードと飛行モードとのうちのいずれか一方に切り替えられる。
ホバリングモード時には、回転翼は回転翼駆動装置によって回転軸線回りに回転駆動される。回転翼を構成する各ブレードは、ピッチ角調整装置によってそれぞれ前縁を回転翼の回転方向に向けられ、かつ回転翼の回転面に対して所望の迎角が与えられるので、回転翼が機軸方向に向かう推力を発生させる。
このため、ホバリングモード時には、飛行体は、本体を略垂直にした状態でのホバリング飛行や垂直離着陸を行うことができる。
ここで、この飛行体においても、ホバリングモード時には、通常のヘリコプターと同様に、各ブレードのピッチ角を制御することで、垂直方向、水平方向、及び斜め方向のいずれの方向にも移動することが可能である。
一方、飛行モード時には、回転翼は固定装置によって本体に対する回転軸線回りの位置を固定される。回転翼を構成する各ブレードは、ピッチ角調整装置によってそれぞれその前縁を機首側に向けられかつ機軸に対して所望の迎角が与えられて、固定翼として機能する。
ここで、各ブレードが水平面に対して傾斜しかつ左右対称配置となるようにして(例えば機首側から見てX字状となるようにして)回転翼を固定することで、各ブレードが水平翼と垂直翼との両方の役割を果たす。
すなわち、この飛行体は、飛行モード時には、各ブレードを固定翼として利用して揚力を得て、この状態で、推進装置の発生させた機首側に向かう推力を利用して、航空機のように機首方向に飛行するので、ホバリングモード時よりもはるかに高速で移動することが可能であり、燃料消費量も少ない。
ここで、飛行モード時には、回転翼を構成する各ブレードは、それぞれ要求される揚力を発生するよう、ピッチ角調整装置によって機軸方向に対する迎角の調整が適宜行われる。また、ピッチ角調整装置によって各ブレードの迎角が適宜調整されることで、飛行体の飛行方向の制御が行われる。
そして、この飛行体では、例えば、ホバリングモードから飛行モードへの移行、及び飛行モードからホバリングモードへの移行は、十分な高度まで上昇した状態から下降または自由落下しながら行うことができる。このため、この飛行体は、例えば航空機(ヘリコプター等を含む)から投下して、落下する過程でホバリングモードまたは飛行モードへ移行させるという運用が可能である。
以上述べたように、この飛行体では、回転翼の各ブレード自体がそれぞれ固定翼として機能するので、本体に回転翼とは別個に固定翼を設ける必要がない。このため、機体重量が軽く、燃料消費量が少ない。
また、この飛行体では、ホバリングモード時と飛行モード時のいずれの場合においても、前縁が回転方向もしくは飛行方向に向けられるので、各ブレードの断面形状を、より揚力発生に適した形状(前縁から後縁に向かうにつれて厚みが薄くなる流線型)にして、高い揚力を発生させることができ、燃料消費量が少なくて済む。
さらに、この飛行体では、回転翼は、ホバリングモード時にのみ推進装置として利用され、飛行モード時には固定翼としてのみ利用されるので、回転翼をホバリングモード時での推進装置としての使用に主眼を置いた大きさや形状とすることができ、高いホバリング性能を得ることができる。
また、この飛行体は、本体が機軸方向に延びる柱状であるので、ホバリングモード時には回転翼の下に回転翼からの吹き降ろしの抵抗となる物体がほとんどない。このため、この飛行体では、ホバリング飛行や垂直離着陸時の燃料消費量が少なくて済む。
このように、この飛行体は、ホバリングモード時と飛行モード時のいずれのモードでも燃料消費量が少ないので、より長時間の活動が可能である。
また、この飛行体は、ホバリングモード時に推力を発生させる回転翼と、飛行モード時に推力を発生させる推進装置とが、いずれも機軸方向に推力を発生する構成とされているので、一方のモードから他方のモードに移行する際に、推力の向きを制御する必要がない。
このため、この飛行体では、モード切替時の制御が容易であり、モードの移行をスムーズに行うことができる。
ここで、回転翼の各ブレードは、固定翼として利用した際にも効果的に揚力を発生させることができるよう、略平板形状のブレード(ねじりのないブレード)を用いることが好ましい。また、この場合には、回転翼を回転させた際に各ブレードの長手方向の各部が効果的に揚力を発生させることができるよう、回転中心側から先端側に向かうにつれて前縁から後縁までの間隔が狭められたテーパー状のブレードを用いることが好ましい。
この飛行体は、前記回転翼は機尾側に向かう推力を発生させる構成とされていてもよい。
このように構成される飛行体は、ホバリングモードでは、機尾を上方に向けかつ機首を下方に向けた状態でホバリング飛行が行われるので、十分な高度まで上昇した後に機首を下方に向けた状態のまま回転翼を停止させてまま自由落下するか下降させ、この落下過程(または下降過程)で飛行モードへ移行して機首を上げることで、スムーズかつ迅速に水平飛行に移行することができる。
一方、飛行モードでは、水平飛行している状態から上昇することで十分な高度を稼ぎつつ減速を行った後に機首を下げて下降または自由落下させ、この落下過程(または下降過程)でホバリングモードへ移行することで、スムーズかつ迅速にホバリング飛行に移行することができる。
このように、この飛行体では、ホバリングモードから飛行モードへ移行する際、及び飛行モードからホバリングモードへ移行する際は、機体の向きの変更とモードの切り替えを行うだけでよく、複雑な制御を行う必要がない。
また、この飛行体は、ホバリングモードから飛行モードへ移行する際には、自由落下または下降によって得られた運動エネルギーを推進力として利用することができるので、燃料消費量が少なくて済む。
そして、この飛行体は、飛行モードからホバリングモードへ移行する際には、上昇過程で減速されるので、高速水平飛行からただちにホバリング飛行に移行することができ、機動性に優れている。
また、この飛行体は、前記ピッチ角調整装置は、前記回転翼と同軸にして設けられる円環状のスワッシュプレートと、該スワッシュプレートを軸線方向に変位させるアクチュエータと、前記各ブレードの前記前縁と後縁とのうちのいずれか一方の縁部と前記スワッシュプレートの前記一方の縁部に対向する対向部位とを接続して前記スワッシュプレートの前記軸線方向の変位を前記各ブレードのピッチ角の変位に変換するピッチリンクと、前記スワッシュプレートの前記軸線回りの向きを調整する向き調整装置とを有していてもよい。
ここで、従来の回転翼機においても、回転翼を構成する各ブレードが回転面に対して所望の迎角をなすように各ブレードのピッチ角を調整するピッチ角調整装置が用いられている。このピッチ角調整装置は、回転翼と同軸にして設けられる円環状のスワッシュプレートと、スワッシュプレートを軸線方向に変位させるアクチュエータと、スワッシュプレートの軸線方向の変位を各ブレードのピッチ角の変位に変換するピッチリンクとを有しており、回転面に対して通常10°程度の範囲で迎角を調整する構成とされている。
しかし、このピッチ角調整装置では、ピッチリンクは、各ブレードの前縁と後縁とのうちのいずれか一方の縁部とスワッシュプレートの縁部に対向する対向部位とを接続する構成とされている。この構成では、スワッシュプレートの対向部位と、この対向部位に接続されるブレードのピッチ方向の回転軸線とは、軸線回りの位置が異なっているので、スワッシュプレートを軸線方向に移動させても、ブレードを回転翼の軸線に略平行となる向きにすることができなかった。
本発明にかかる飛行体では、ピッチ角調整装置が、スワッシュプレートの軸線回りの向きを調整する向き調整装置を有している。
このため、スワッシュプレートの対向部位を、この対向部位に接続されるブレードのピッチ方向の回転軸線に対向する位置まで回転させることができ、ブレードを回転翼の軸線に略平行となる向きとすることができる。
また、この飛行体は、ピッチ角調整装置の主要部が、従来のピッチ角調整装置と同様の構成とされているので、製造やメンテナンスが容易である。
また、この飛行体は、前記回転翼駆動軸が前記スワッシュプレートに挿通されており、前記回転翼駆動軸と前記スワッシュプレートとの間には、前記スワッシュプレートを軸線方向に変位させた際に該スワッシュプレートを案内して前記軸線回りに回転させるスワッシュプレートガイドが設けられており、該スワッシュプレートガイドが、前記向き調整装置を構成していてもよい。
このように構成される飛行体は、向き調整装置が簡単な構成とされているので、製造やメンテナンスが容易である。
また、この飛行体は、前記回転翼によって発生する回転軸線回りのトルク反力のうちの少なくとも一部を相殺する向きのトルク反力を発生させるトルク反力発生装置が設けられていてもよい。
このように構成される飛行体では、回転翼によって発生するトルク反力のうちの少なくとも一部が、トルク反力発生装置によって発生させられたトルク反力によって相殺されるので、回転翼の動作時に本体の機軸周りの回転が生じにくく、回転翼の回転を効果的に揚力に変換することができる。
トルク反力発生装置は、例えば、回転翼に対して逆向きに回転する第二の回転翼によって構成される。すなわち、飛行体は、二重反転ロータを備えた構成とされる。
この構成において、両回転翼をほぼ同一形状とし、かつほぼ同一速度で逆向きに回転させる構成とすることで、回転翼が回転することによって生じる回転軸線回りのトルク反力をほぼ完全に打ち消すことができ、回転翼の動作時にも本体を安定して静止させることができる。
また、この飛行体は、前記本体にカナード翼が設けられていてもよい。
このように構成される飛行体では、カナード翼が設けられているので、飛行モード時における安定性が向上する。
ここで、カナード翼が機軸に対する迎角を調整可能な構成とすることで、各ブレードとカナード翼とで操舵を行うことができるので、飛行モード時の飛行体の運動性能が向上する。
また、この飛行体は、前記推進装置が、前記回転軸線と同軸にして設けられる前記回転翼よりも小径のプロペラと、該プロペラを軸線回りに回転駆動するプロペラ駆動装置とを有していてもよい。
ここで、ヘリコプター等の回転翼機では、高いホバリング性能を得るために、大径の回転翼を比較的低速で回転させている。一方、プロペラを推進装置として利用するプロペラ機等では、高速飛行時にプロペラが受ける抵抗等を低減するために、ホバリングに用いられる回転翼よりも小径のプロペラを、比較的高速で回転させている。
このため、飛行体においてホバリングに用いられる回転翼を推進用のプロペラとして利用する場合には、ホバリングモード時と飛行モード時との両方のモードで高い性能を持たせることができなかった。
これに対して、本発明にかかる飛行体は、ホバリング飛行に用いられる回転翼とは別個に、回転翼よりも小径のプロペラを有しているので、ホバリングモード時にはホバリング飛行に適した大径の回転翼を用い、飛行モード時には高速飛行に適した小径のプロペラを用いることができ、ホバリングモード時と飛行モード時との両方のモードで高い性能を持たせることができる。
また、この飛行体は、前記本体の側方に張り出す部材が前記本体に沿うようにして折り畳み可能な構成とされていてもよい。
このように構成される飛行体では、回転翼の各ブレードやカナード翼、及び後述する推進装置のプロペラ等、本体の側方に張り出す部材が、柱状の本体に沿うようにして折り畳み可能な構成とされているので、折り畳み時には占有スペースが小さくて済み、貯蔵や搬送が容易である。
ここで、この飛行体には、これら折り畳まれる部材を自動的に展開する展開装置を設けて、飛行体は折り畳み状態から展開状態に自動的に移行可能としてもよい。この場合には、例えば折り畳み状態のまま航空機から投下した際に自動的に展開状態に移行させて、ただちにホバリングモードや飛行モードに移行させることが可能である。
また、この飛行体は、前記プロペラと前記プロペラ駆動装置とがプロペラ駆動軸を介して接続されており、前記回転翼駆動軸と前記プロペラ駆動軸とのうちのいずれか一方は中空軸とされていて、該一方に他方が挿通された状態にして配置されていてもよい。
このように構成される飛行体では、回転翼駆動軸とプロペラ駆動軸とを別々に配置した場合に比べてこれら駆動軸の占有スペースが小さくなるので、飛行体をより小型とすることができる。
また、この飛行体は、周辺状況を観察するためのセンサと、前記回転翼駆動装置、前記推進装置、及び前記モード切替装置の動作を制御する制御装置と、前記センサが得た前記周辺状況の情報の送信と前記制御装置への指令信号の受信とを行う無線通信装置とを有する無人機とされていてもよい。
このように構成される飛行体は、カメラ等のセンサによって得られた周辺状況の情報に基づいて、無線通信装置を介して制御装置に指令信号を送ることで、飛行体を遠隔操縦することができる。
これにより、この飛行体は、有人飛行では近寄ることが困難な危険な領域での飛行を行うことができ、さらに、センサによって入手したこの領域の情報を、無線通信装置を通じて遠隔地に送信することができる。
また、無線通信装置を無線通信の中継器として利用することで、この飛行体を移動式中継局として利用することができる。
本発明にかかる飛行体のモード切替方法は、請求項1記載の飛行体のモード切替方法であって、十分な高度まで上昇した状態から下降または自由落下し、落下する過程でホバリングモードまたは飛行モードへ移行させることを特徴とする。
このモード切替方法では、ホバリングモードから飛行モードへ移行する際、及び飛行モードからホバリングモードへ移行する際は、機体の向きの変更とモードの切り替えを行うだけでよく、複雑な制御を行う必要がない。
また、このモード切替方法では、飛行体は、ホバリングモードから飛行モードへ移行する際には、自由落下または下降によって得られた運動エネルギーを推進力として利用することができるので、燃料消費量が少なくて済む。
そして、この飛行体は、飛行モードからホバリングモードへ移行する際には、上昇過程で減速されるので、高速水平飛行からただちにホバリング飛行に移行することができ、機動性に優れている。
本発明にかかる飛行体のモード切替方法は、請求項2記載の飛行体のモード切替方法であって、前記ホバリングモードで前記機尾を上方に向けかつ前記機首を下方に向けた状態にしてホバリング飛行を行っている状態からそのままの姿勢で下降し、この下降過程で前記飛行モードへ移行して機首を上げて水平飛行を行うことを特徴とする。
この飛行体のモード切替方法では、モード切替開始時から進行方向を変更することなく飛行モードへの切替が行われるので、複雑な制御を行わずに、モードの切替をスムーズかつ迅速に行うことができる。
また、この飛行体のモード切替方法では、モード切替の際に、飛行体は、下降過程で得られた運動エネルギーを推進力として利用することができるので、燃料消費量が少なくて済む。
本発明にかかる飛行体のモード切替方法は、請求項2記載の飛行体のモード切替方法であって、前記飛行モードで水平飛行を行っている状態から上昇したのちに前記機首を下げて下降して、この下降過程で前記ホバリングモードへ移行してホバリング飛行を行うことを特徴とする。
この飛行体のモード切替方法では、モード切替開始時から進行方向を変更することなくホバリングモードへの切替が行われるので、複雑な制御を行わずに、モードの切替をスムーズかつ迅速に行うことができる。
また、この飛行体のモード切替方法では、飛行体は、モード切替の際に一旦上昇する。これにより、飛行体の減速が行われるとともに水平方向への移動量が抑えられるので、高速水平飛行の状態からただちにモード切替を行って、ホバリング飛行に迅速に移行することができる。
本発明にかかる飛行体によれば、ホバリング飛行時の死荷重が少なく、燃料消費量が少ないので、活動可能時間が長く、運用範囲が広い。
また、本発明にかかる飛行体のモード切替方法によれば、複雑な制御を行うことなく、スムーズにモードの切替えを行うことができる。また、モード切替時の燃料消費量も少ないので、活動可能範囲が長くなり、運用範囲が広くなる。
以下に、本発明にかかる飛行体の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態にかかる飛行体1は、図1の斜視図及び図2の側面図に示すように、機軸方向に延びる柱状の本体2と、本体2に対して機軸に平行な回転軸線回りに回転可能にして設けられる回転翼3とを有している。本実施形態では、飛行体1の全長は約3mとされており、回転翼3の径も約3mとされている。
この回転翼3は機尾側に向かう推力を発生させる構成とされている。本実施形態では、飛行体1には、回転翼3として、第一回転翼3aと、第一回転翼3aとは逆向きに回転駆動される第二回転翼3bとが設けられている。すなわち、これら第一回転翼3aと第二回転翼3bとは二重反転ロータを構成していて、これらのうちの一方の回転翼が、他方の回転翼によって発生する回転軸線回りのトルク反力を相殺するトルク反力を発生させるトルク反力発生装置を構成しているので、回転翼3の動作時に本体2の機軸周りの回転が生じにくく、回転翼3の回転が効果的に揚力に変換される。
また、第一回転翼3aと第二回転翼3bとはほぼ同一形状とされており、かつ後述するようにほぼ同一速度で逆向きに回転させられるようになっているので、これら回転翼3が回転することによって生じる回転軸線回りのトルク反力がほぼ完全に打ち消されて、これら回転翼3の動作時にも本体2を安定して静止させることができるようになっている。
これら第一、第二回転翼3a,3bは、それぞれピッチ角を可変にして回転軸線回りに放射状に配置された複数のブレード3cを有している。
各ブレード3cは、後述するように固定翼としても利用されるものであって、本実施形態では、第一、第二回転翼3a,3bには、それぞれ一対のブレード3cが回転軸線を挟んで対称に配置されている。
各ブレード3cの断面形状は、前縁Fから後縁Bに向かうにつれて厚みが薄くなる流線型とされている。
また、各ブレード3cは、固定翼として利用した際にも効果的に揚力を発生させることができるよう、略平板形状(ほぼねじりのない形状)とされている。
さらに、各ブレード3cは、回転翼を回転させた際に各ブレード3cの長手方向の各部が効果的に揚力を発生させることができるよう、回転中心側から先端側に向かうにつれて前縁Fから後縁Bまでの間隔が狭められたテーパー状とされている。
本体2の機首側にはカナード翼4が設けられている。本実施形態の飛行体1では、一対のカナード翼4が、本体2の機軸を挟んで対称にして配置されている。
このカナード翼4は、図示しない迎角調整装置によってそれぞれ迎角を調整することができるようになっていて、飛行体1の操舵に利用される。
さらに、本体2において機尾側の端部には、後述する推進装置13を構成するプロペラ5が設けられている。
本体2の機首には、周辺状況を観察するためのセンサ6と、センサ6を覆う保護カバー7とが設けられている。
本実施形態では、センサ6としてモニタカメラを設けており、保護カバー7は、センサ6が外部を撮影することができるように、透明な材質によって構成されている。
ここで、センサ6としては、可視光域での撮影を行う通常のモニタカメラのほか、暗視カメラその他の特殊なモニタカメラを用いることができる。
また、保護カバー7は、機首方向に飛行する際の空気抵抗が小さい形状、例えば砲弾型に形成されている。
これら回転翼3、カナード翼4、及びプロペラ5は、図3の斜視図に示すように、それぞれ本体2に沿うようにして折り畳み可能な構成とされている。これにより、折り畳み時には占有スペースが小さくて済み、貯蔵や搬送が容易である。
また、これら回転翼3、カナード翼4、及びプロペラ5には、それぞれを展開する展開装置(図示せず)が設けられている。
本実施形態では、この展開装置は、これら折り畳まれた部材を展開する向きに付勢するばね装置によって構成されており、折り畳み方向の外力が加わっていない状態では、これら回転翼3、カナード翼4、及びプロペラ5がそれぞれ展開されるようになっている。
本体2内には、図4の縦断面図に示すように、回転翼3を回転軸線回りに回転駆動する駆動装置11と、駆動装置11と回転翼3とを接続して駆動装置11の駆動力を回転翼3に伝達する回転翼駆動軸12とが設けられている。また、本体2には、機首側に向かう推力を発生させる推進装置13が設けられている。
さらに、本体2内には、図5の縦断面図に示すように、この飛行体1の動作形態をホバリングモードと飛行モードとのうちのいずれか一方に切り替えるモード切替装置14が設けられている。
図4に示すように、回転翼駆動軸12は、中空軸とされて第一回転翼3aに同軸にして接続される第一回転翼駆動軸12aと、この第一回転翼駆動軸12aと略同軸に配置されて第一回転軸線12aを囲繞する中空の第二回転駆動軸12bとによって構成されている。
第一回転翼駆動軸12aは、第二回転軸線12bよりも機首側及び機尾側に突出して設けられており、機首側の端部が駆動装置11の駆動軸と接続されるようになっている。また、第一回転翼駆動軸12aの機尾側の端部には、第一回転翼3aが略同軸にして取り付けられている。
第二回転翼駆動軸12bにおいて機尾側の端部には、第二回転翼3bが略同軸にして取り付けられている。
図5に示すように、第一回転翼駆動軸12aにおいて第二回転翼駆動軸12bよりも機首側の領域には、第一回転翼駆動軸12aと略同軸にして第一ギア16aが設けられている。一方、第二回転翼駆動軸12bの機首側の端部には第一ギア16aに対向する第二ギア16bが、第二回転翼駆動軸12bと略同軸にして設けられている。
これら第一ギア16aと第二ギア16bとは、第三ギア16cを介して接続されている。この第三ギア16cは、これら第一ギア16a及び第二ギア16bと軸線を略直交させた状態にしてこれら第一、第二ギア16a,16bに噛み合わされるかさ歯車によって構成されている。
これにより、第一回転翼駆動軸12aが回転駆動されると、第一ギア16a、第三ギア16c、及び第二ギア16bを介して第二回転翼駆動軸12bに回転駆動力が伝達されて、第二回転翼駆動軸12bが、第一回転翼駆動軸12aとは逆向きに、略同一の回転速度で回転駆動されるようになっている。
推進装置13は、図4に示すように、中空の第一回転翼駆動軸12aに挿通されて駆動装置11とプロペラ5とを接続するプロペラ駆動軸17とを有している。
この飛行体1では、上記のように中空の第二回転翼駆動軸12bに中空の第一回転翼駆動軸12aが挿通され、さらに第一回転翼駆動軸12aにプロペラ駆動軸17が挿通される構成を採用することにより、これら駆動軸を別々に配置した場合に比べてこれら駆動軸の占有スペースを小さくして、飛行体1のさらなる小型化を図っている。
図1及び図2に示すように、プロペラ5は、複数のブレード5aを回転軸線回りに放射状に配置した構成とされており、回転翼3よりも小径とされている。また、プロペラ5の形状は、飛行モード時の高速飛行に適した形状とされている。本実施形態では、プロペラ5の各ブレード5aにはねじり下げが設けられていて、ブレード5a全体で効率的に推力を発生させることができるようになっている。
モード切替装置14は、飛行モード時に本体2に対する回転翼3の回転軸線回りの位置を固定する固定装置21(図5参照)と、ホバリングモード時には各ブレード3cの前縁Fを回転翼3の回転方向に向け、飛行モード時には各ブレード3cの前縁Fを機首側に向けるとともに、いずれのモードにおいても各ブレード3cに所望の揚力を生じさせるための迎角を与えるピッチ角調整装置22(図4参照)とを有している。
本実施形態では、固定装置21として、第一回転翼駆動軸21aの回転を停止させるディスクブレーキを用いている。具体的には、図5に示すように、固定装置21は、第一回転翼駆動軸12aにおいて第二回転翼駆動軸12bよりも機首側の領域の外周に回転軸線に略直交させて設けられるブレーキロータ21aと、本体2に設けられてブレーキロータ21aに摩擦抵抗を付与してブレーキロータ21aの減速と固定とを行うキャリパー21bとを有している。
ピッチ角調整装置22は、図4に示すように、第一回転翼3aのピッチ角を調整する第一ピッチ角調整装置22aと、第二回転翼3bのピッチ角を調整する第二ピッチ角調整装置22bとを有している。
ここで、第一回転翼3a及び第二回転翼3bでは、それぞれ各ブレード3cが、回転翼本体に対してフェザリングヒンジ3dを介して接続されていて、フェザリング方向の回転(ピッチ方向の回転)を可能とされている。
第一ピッチ角調整装置22aは、第一回転翼駆動軸12aの第二回転翼駆動軸12bよりも機尾側の部分に回転翼3と同軸にして設けられる円環状の第一スワッシュプレート23と、第一スワッシュプレート23の機首側の面を受ける円環状の第二スワッシュプレート24とを有している。
第一スワッシュプレート23と第二スワッシュプレート24とは、図示せぬベアリングを介して接続されており、これによって互いの軸線回りの相対的な回転が許容されているとともに、第一スワッシュプレート23と第二スワッシュプレート24とが機軸方向に一体的に移動され、また機軸に対して一体的に傾斜されるようになっている。
ここで、第一回転翼駆動軸12aは、これら第一、第二スワッシュプレート23,24に挿通された状態にして設けられているが、第一、第二スワッシュプレート23,24は、機軸方向への移動と機軸に対する傾斜、及び回転軸線回りの回転が許容されている。
第一スワッシュプレート23は、図4及び図6に示すように、第一回転翼3aの各ブレード3cの前縁Fに対向する対向部位23aが、対向するブレード3cの前縁Fに対してピッチリンク25によって接続されている。
ピッチリンク25は、第一スワッシュプレート23の軸線方向の変位を各ブレード3cのピッチ角の変位に変換するものである。また、ピッチリンク25は、第一スワッシュプレート23の機軸に対する傾斜を各ブレード3cに伝達して、第一回転翼3aの回転面を第一スワッシュプレート23に略平行となるように機軸に対して傾斜させるものである。
また、第一ピッチ角調整装置22aは、第一スワッシュプレート23の軸線回りの向きを調整する第一向き調整装置26を有している。
具体的には、第一回転翼駆動軸12aと第一スワッシュプレート23との間には、第一スワッシュプレート23を軸線方向に変位させた際にこの第一スワッシュプレート23を案内して軸線回りに回転させるスワッシュプレートガイド27が設けられており、このスワッシュプレートガイド27が、第一向き調整装置26を構成している。
本実施形態では、図6に示すように、第一スワッシュプレート23の内周面には突起28が形成されており、第一回転翼駆動軸12aの外周面には、第一スワッシュプレート23を軸線方向に変位させた際にこの突起28を案内するガイド溝29が形成されている。
ガイド溝29は、機尾側の部分が第一回転翼駆動軸12aの軸線と略平行な直線部29aとされ、機首側の部分が、対応するブレード3cのピッチ方向の回転軸線方向から見て、この回転軸線を中心とする略円弧状をなす円弧部29bに形成されている。
以上の構成により、第一ピッチ角調整装置22aは、第一スワッシュプレート23が第一回転翼3aに近接する方向に移動させられることで各ブレード3cの前縁Fを機尾側に向けて押圧し、第一回転翼3aから離間する方向に移動させられることで各ブレード3cの前縁Fを機首側に引きつける。
第一スワッシュプレート23は、第一回転翼3aに近い領域では突起28がガイド溝29の直線部29aによってガイドされて、軸線回りの向きが固定されている。
一方、第一スワッシュプレート23が第一回転翼3aから離間させられて各ブレード3cが機首側に向けられる過程で、第一スワッシュプレート23の突起28がガイド溝29の円弧部29bに達すると、突起28が円弧部29bによって案内される。これにより、対向部位23aがこの対向部位23aに接続されるブレード3cのピッチ方向の回転軸線に対向する位置まで回転させられて、ブレード3cが第一回転翼3aの軸線に略平行となる向きまで向けられる。
また、この状態から第一スワッシュプレート23が第一回転翼3aに近接する向きに移動させられると、第一スワッシュプレート23の突起28がガイド溝29の円弧部29bによって案内されて、対向部位23aがブレード3cの回転軸線に対向する位置からずらされる。そして、突起28が直線部29aに達すると、以降は直線部29aによって軸線回りの向きが固定された状態で軸線方向に移動させられる。
第二ピッチ角調整装置22bは、図4に示すように、第二回転翼駆動軸12bの軸線方向の中間部に設けられて第二回転翼駆動軸12bを囲繞するスリーブ31と、スリーブ31と同軸にして設けられる円環状の第一スワッシュプレート33と、第一スワッシュプレート33の機首側の面を受ける円環状の第二スワッシュプレート34とを有している。
ここで、スリーブ31は、第二回転翼駆動軸12bに対して、その軸線方向に移動可能かつ軸線回りの回転を規制して設けられている。
スリーブ31の第二回転翼3b側の端部には、各ブレード3cに対向させて、径方向外側に延びるアーム32aが設けられている。アーム32aは、スリーブ31との接続部を支点として軸線を通る面上で揺動可能とされている。
また、このアーム32aの先端は、対向するブレード3cの前縁Fに対して第一ピッチリンク32bによって接続されている。
第一スワッシュプレート33と第二スワッシュプレート34とは、図示せぬベアリングを介して接続されており、これによって互いの軸線回りの相対的な回転が許容されているとともに、第一スワッシュプレート33と第二スワッシュプレート34とが機軸方向に一体的に移動され、また機軸に対して一体的に傾斜されるようになっている。
ここで、第二回転翼駆動軸12b及びスリーブ31は、これら第一、第二スワッシュプレート33,34に挿通された状態にして設けられているが、第一、第二スワッシュプレート33,34は、機軸方向への移動と機軸に対する傾斜、及び回転軸線回りの回転が許容されている。
第一スワッシュプレート33は、第二回転翼3bの各ブレード3cの前縁F及びアーム32aに対向する対向部位33aが、対向するアーム32aの長手方向の中間部に対して第二ピッチリンク35によって接続されている。
第一ピッチリンク32b、アーム32a、及び第二ピッチリンク35は、第一スワッシュプレート33の軸線方向の変位を各ブレード3cのピッチ角の変位に変換するものである。また、これら第一ピッチリンク32b、アーム32a、及び第二ピッチリンク35は、第一スワッシュプレート33の機軸に対する傾斜を各ブレード3cに伝達して、第二回転翼3bの回転面を第一スワッシュプレート33に略平行となるように機軸に対して傾斜させるものである。
また、第二ピッチ角調整装置22bは、第一スワッシュプレート33の軸線回りの向きを調整する第二向き調整装置(図示せず)を有している。
具体的には、スリーブ31と第一スワッシュプレート33との間には、第一スワッシュプレート23を軸線方向に変位させた際にこの第一スワッシュプレート23を案内して軸線回りに回転させるスワッシュプレートガイド(図示せず)が設けられており、このスワッシュプレートガイドが、第二向き調整装置を構成している。
本実施形態では、第二ピッチ角調整装置22bのスワッシュプレートガイドは、第一ピッチ角調整装置22aのスワッシュプレートガイド27とほぼ同様の構成とされている。
これにより、第一スワッシュプレート33は、第二回転翼3bに近接するにつれて各ブレード3cの前縁Fを機尾側に向けて押圧し、第二回転翼3bから離間するにつれて各ブレード3cの前縁Fを機首側に引きつける。そして、第一スワッシュプレート33が第二回転翼3bから離間させられる過程で、第一スワッシュプレート33がスワッシュプレートガイド27によって案内されて、対向部位33aがこの対向部位33aに接続されるブレード3cのピッチ方向の回転軸線に対向する位置まで回転させられるので、ブレード3cが第二回転翼3bの軸線に略平行となる向きまで向けられる。
ここで、第一ピッチ角調整装置22aの第二スワッシュプレート24と第二ピッチ角調整装置22bの第一スワッシュプレート33とは、プレート連結リンク41によって周方向の複数箇所を接続されている。
これによって、第二スワッシュプレート24と第一スワッシュプレート33とは、機軸方向に一体的に移動されるとともに機軸に対して一体的に傾斜されるようになっている。
すなわち、第二ピッチ角調整装置22bの第二スワッシュプレート34を軸線方向に移動させることで、第一回転翼3aのブレード3cのピッチ角と第二回転翼3bのピッチ角とを同期させて制御することができ、また第二スワッシュプレート34を機軸に対して傾斜させることで、第一回転翼3aの回転面の機軸に対する傾斜角度と第二回転翼3bの回転面の機軸に対する傾斜角度とを同期させて制御することができる。
ここで、この操作では、第一回転翼3aの各ブレードのピッチ角と第二回転翼3bの各ブレード3cのピッチ角が同一とされた状態でピッチ角が調整される。
なお、図4に、第一、第二回転翼3a,3bの各ブレード3cの前縁Fが回転方向に向けられた状態を示し、図7に、第一、第二回転翼3a,3bの各ブレード3cの前縁Fが機首側に向けられた状態を示す。
第二ピッチ角調整装置22bには、第二スワッシュプレート34を軸線方向に移動させるとともに機軸に対する傾斜角度を調整するコレクティプサイクリックアクチュエータ42が設けられている。すなわち、コレクティブサイクリックアクチュエータ42を操作することで、第一回転翼3aの回転面の機軸に対する傾斜角度と第二回転翼3bの回転面の機軸に対する傾斜角度とを同期させて制御することができる。
また、第二ピッチ角調整装置22bには、スリーブ31を軸線方向に移動させるディファレンシャルコレクティブピッチアクチュエータ43が設けられている。
ディファレンシャルコレクティブピッチアクチュエータ43は、スリーブ31を軸線方向に移動させることで、スリーブ31に接続されるアーム32aを、第二ピッチリンク35との接続部を支点として揺動させて第一ピッチリンク32bを介してブレード3cの向きを操作するものである。
すなわち、ディファレンシャルコレクティブピッチアクチュエータ43を操作することで、第二回転翼3bのブレード3cのピッチ角を第一回転翼3aのブレード3cのピッチ角とは独立して調整することができるようになっている。
このように第二回転翼3bのブレード3cのピッチ角を第一回転翼3aのブレード3cのピッチ角と独立して調整することで、第一回転翼3aの回転面と第二回転翼3bの回転面を非平行にして、回転翼3の揚力の向きを機軸に対して傾斜させることができる。
ここで、上記ピッチ角調整装置22の主要部は、従来の二重反転ロータ式ヘリコプター等で用いられるピッチ角調整装置と同様の構成とされている。このため、この飛行体1は、製造やメンテナンスが容易である。
また、この飛行体1では、第一、第二向き調整装置が簡単な構成とされているので、製造やメンテナンスが容易である。
駆動装置11は、例えばエンジンやモータ等の動力発生装置(図示せず)と、この動力発生装置と第一回転翼駆動軸12a,第二回転翼駆動軸12b、及びプロペラ駆動軸17との接続及び分離を行う駆動力伝達装置51(図5参照)とを有している。
本実施形態では、動力発生装置として出力50馬力のロータリーエンジンが用いられている。
駆動力伝達装置51は、プロペラ駆動軸17の機首側に、プロペラ駆動軸17の端部に対向しかつプロペラ駆動軸17と略同軸にして設けられて駆動装置11の駆動軸から回転動力を入力される伝達軸52と、この伝達軸52を軸線方向に移動させる伝達軸移動装置53とを有している。伝達軸移動装置53は、図示せぬアクチュエータと、このアクチュエータの動きを伝達軸52に伝達して伝達軸52を軸線方向に移動させるリンク機構53aとを有している。
伝達軸52の機尾側の端部には、拡径部52aが設けられている。この拡径部52aにおいて機尾側の部分はプロペラ駆動軸17との接続部を構成しており、図5に示すように伝達軸移動装置53によって伝達軸52がプロペラ駆動軸17の機首側の端部に当接させられることで伝達軸52の回転がプロペラ駆動軸17に伝達されて、プロペラ5が回転軸回りに回転駆動されるようになっている。
ここで、プロペラ駆動軸17の機首側の端部には、拡径部52aと略同径のフランジ17aが設けられており、これによってプロペラ駆動軸17と伝達軸52との接触面積を十分に確保して、これらの間での駆動力の伝達が確実に行われるようになっている。
また、本体2において第一回転翼駆動軸12a、第二回転翼駆動軸12b、及びプロペラ駆動軸17の機首側の領域には、伝達軸52と同軸にして、伝達軸52を囲繞する略円環形状のリングギア54が設けられている。
伝達軸52の拡径部52aは、伝達軸移動装置53によって機首側に移動されることで図8の縦断面図に示すようにリングギア54に当接させられて、リングギア54に回転軸回りの回転駆動力を伝達するようになっている。
本体2には、リングギア54に噛み合う従動ギア56が配置されている。従動ギア56は、本体2に対して機軸に略平行にして設けられる伝達軸57の機首側の端部に略同軸にして取り付けられている。
伝達軸57の機尾側の端部には、駆動ギア58が設けられている。駆動ギア58は、第一回転翼駆動軸12aの機首側の端部に設けられた従動ギア12cに噛み合わされている。
すなわち、伝達軸52からリングギア54に伝達された駆動力は、従動ギア56、伝達軸57、駆動ギア58、及び従動ギア12cを介して、第一回転翼駆動軸12aに伝達されて、第一回転翼駆動軸12aが回転駆動されるようになっている。
ここで、これらリングギア54、従動ギア56、伝達軸57、駆動ギア58、及び従動ギア12cは減速機を構成しており、伝達軸52の回転が所望の比率で減速されて第一回転翼駆動軸12aに伝達されるようになっている。本実施形態では、減速比は1:8としている。
本体2には、図4に示すように、センサ6、モード切替装置14、固定装置21、ピッチ角調整装置22、及び伝達軸移動装置53の動作を制御する制御装置61が設けられている。また、本体2には、センサ6が得た周辺状況の情報の発信と制御装置61への指令信号の受信とを行う無線通信装置62が設けられている。
すなわち、この飛行体1は、無線通信装置62を介して制御装置61に指令信号を送ることによって遠隔操縦される無人機とされている。
以下、この飛行体1の運用形態について例を挙げて説明する。
まず、飛行体1を飛行中のヘリコプターHから投下して運用する運用例について説明する。
この運用形態では、飛行体1は、図3に示すように折り畳み状態のまま円筒状のケースCに収納され、この状態で、図9に示すようにケースCごとヘリコプターHに搭載される。ここで、ケースCは、飛行体1を折り畳み状態のまま拘束するものである。また、ケースCの下部には開口部と、開口部を閉塞する扉とが設けられており、この扉を開くことで、開口部から飛行体1が折り畳み状態のまま投下されるようになっている。
飛行体1は、ヘリコプターHによって監視対象Tから離間した所望の投下位置まで運搬されて、図10に示すように十分な高度から投下される。
飛行体1は、このように投下が行われた直後から、ヘリコプターHの搭乗員や、監視対象Tから離間した所望の位置に設けられた拠点にいる人員等の操縦者によって遠隔操縦される。
ここで、操縦者には、飛行体1の機首に設けられたセンサ6によって得られた周辺状況の情報が無線通信装置62を介して送られるようになっており、操縦者は、この周辺状況の情報に基づいて、飛行体1の操縦を行うようになっている。
以下、投下後の飛行体1の操縦について詳細に説明する。
まず、前述のように飛行体1がケースCから投下されることで、展開装置によって回転翼3の各ブレード3c、推進装置13のプロペラ5の各ブレード5a、及びカナード翼4が自動的に展開される。
飛行体1は、投下時は飛行モードに設定されていて、操縦者は、後述するように飛行体1を自由落下の状態から水平飛行に移行させて、監視対象の直上まで飛行モードで移動させる。
ここで、飛行モード時には、第一回転翼3a及び第二回転翼3bはそれぞれ固定装置21によって本体2に対する回転軸線回りの位置を固定される。本実施形態では、各ブレード3cが機首側から見てX字状となるようにして第一、第二回転翼3a.3bが固定される。
第一、第二回転翼3a,3bに設けられる各ブレード3cは、ピッチ角調整装置22によってそれぞれその前縁Fを機首側に向けられて、固定翼として機能する。
操縦者は、ピッチ角調整装置22によって機軸方向に対する各ブレード3cの迎角の調整を適宜行って、各ブレード3cにそれぞれ要求される揚力を発生させる。
また、操縦者は、迎角調整装置によるカナード翼4の迎角の調整やピッチ角調整装置22による各ブレード3cの迎角の調整を行ってカナード翼4や各ブレード3cの揚力を適宜調整することで、飛行体1の飛行方向の制御及び飛行姿勢の制御を行う。
投下直後の自由落下の過程では、操縦者は、機首が下向きとなるように飛行体1の姿勢を制御し、その後機首を上げて、そのまま水平飛行に移行させる。ここで、投下直後の自由落下によって飛行体1が得た運動エネルギーは、飛行体1の推進力として利用される。
この飛行体1は、飛行モード時には、各ブレード3cを固定翼として利用して所望の揚力を得て、この状態で、推進装置13の発生させた機首側に向かう推力を利用して、航空機のように機首方向に飛行する。
このため、飛行モードでは、後述するホバリングモード時よりもはるかに高速で移動することが可能であり(約200ノット)、燃料消費量も少ない。
操縦者は、飛行体1の水平飛行時には、基本的に、各ブレード3cが水平面に対して傾斜しかつ左右対称配置となる姿勢に保つ。これにより、第一、第二回転翼3a,3bの各ブレード3cがそれぞれ水平翼と垂直翼の両方の役割を果たす。ここで、水平面に対する各ブレード3cの傾斜角度は、例えば約20°とされる。
また、本体2に設けられているカナード翼4によって飛行体1の飛行の安定化が図られている。
そして、飛行体1が監視対象Tの近傍に到達した時点で、水平飛行の状態から一旦上昇させることによって十分な高度を稼ぎつつ減速を行った後、監視対象Tの上空で機首を下げて下降または自由落下させ、この落下過程(または下降過程)でホバリングモードへ移行させる。このようにしてホバリングモードに移行することで、飛行体1の機首に設けられたセンサ6によって、下方の監視対象Tの監視を行う。
ホバリングモード時には、固定装置21による回転翼3の固定が解除され、この状態で、モード切替装置14によって駆動装置11の動力伝達先が推進装置13から回転翼3に切り替えられて、回転翼3が回転駆動される。
また、回転翼3を構成する各ブレード3cは、ピッチ角調整装置22によってそれぞれ前縁Fを回転翼3の回転方向に向けられ、かつ回転翼3の回転面に対して所望の迎角が与えられるので、回転翼3が機尾方向に向かう推力を発生させる。
このため、ホバリングモード時には、飛行体1は、本体2を略垂直にした状態でのホバリング飛行や垂直離着陸を行うことができる。
ここで、この飛行体1においても、ホバリングモード時には、通常のヘリコプターと同様に、各ブレード3cのピッチ角を制御することで、垂直方向、水平方向、及び斜め方向のいずれの方向にも移動することが可能である。
なお、飛行体1の垂直方向への移動は、コレクティブサイクリックアクチュエータ42によって各ブレード3cのピッチ角を制御して揚力を制御することで行われ、水平方向及び斜め方向の移動は、コレクティブサイクリックアクチュエータ42によって第一回転翼3aの回転面と第二回転翼3bの回転面を傾けることで行われる。
また、ディファレンシャルコレクティブピッチアクチュエータ43によって第一回転翼3aの回転面と第二回転翼3bの迎角をずらしトルク反力を変えることで、飛行体1の機軸周りの回転が行われる。
そして、監視を終えたのちは、図11に示すようにホバリングモードから再び飛行モードに移行して、速やかに所定の回収位置まで帰還する。
ホバリングモードから飛行モードに移行する際には、ホバリングモードのまま十分な高度まで上昇したのち、自由落下または回転翼3の推力によって下降しつつ、飛行モードへの移行が行われる。
この落下または下降によって飛行体1が得た運動エネルギーも、飛行体1の推進力として利用される。
飛行体1の回収位置には、ヘリコプターHを飛行状態で待機させておき、このヘリコプターHからは、捕縛ネットNが吊り下げておく。
操縦者は、飛行体1を、飛行モードのまま捕縛ネットNめがけて飛行させ、捕縛ネットNの直前位置で推進装置13を停止させて、慣性力によってそのまま捕縛ネットN内に突入させる。これにより、飛行体1が捕縛ネットNに捕縛されて回収される。
なお、この例では、飛行体1をヘリコプターHから投下して再びヘリコプターHによって回収することとしたが、これに限られることなく、以下の例で示すように、飛行体1を所望の位置に着陸させることによって回収してもよい。
次に、この飛行体1を艦上から発進させて運用する運用例について説明する。
この運用形態では、飛行体1は、艦船によって監視対象から離間した所望の発進位置まで運搬される。
ここで、艦上では、飛行体1は、図12に示すように、ホバリングモードに設定された状態で、機首を下方に向けかつ回転翼3、プロペラ5、カナード翼4を展開した状態で保持される。
操縦者は、この状態で回転翼3を駆動して垂直上昇させることで、飛行体1を艦上から発進させる。
そして、ホバリングモードのまま十分な高度まで上昇させた後、前述のようにして飛行モードに移行させて監視対象Tの直上まで飛行させたのち、再度ホバリングモードに移行させて、監視対象Tの監視を行う。
そして、監視を終えたのちは、図13に示すようにホバリングモードから再び飛行モードに移行させて、速やかに所定の回収位置まで帰還させる。
飛行体1の回収位置には、回収用の艦船が待機させておき、その艦上には、飛行体1を、その機首が下向きとなった状態で保持する脚部Bが設置されている。
操縦者は、飛行体1が回収用の艦船の近傍まで到達したのちは、一旦上昇させてホバリングモードに移行させ、ホバリングモードのまま、脚部B上に着地させて回収する。
次に、この飛行体1を、地上から発進させて運用する運用例について説明する。
この運用形態では、飛行体1は、監視対象から離間した位置にある拠点から発進させられる。
拠点では、飛行体1は、図14に示すように、脚部Bによって機首が下向きとなった状態で保持される。
操縦者は、この状態で回転翼3を駆動して垂直上昇させることで、飛行体1を拠点から発進させる。
そして、ホバリングモードのまま十分な高度まで上昇させた後、前述のようにして飛行モードに移行させて監視対象Tの直上まで飛行させたのち、再度ホバリングモードに移行させて、監視対象Tの監視を行う。
そして、監視を終えたのちは、図15に示すようにホバリングモードから再び飛行モードに移行させて、速やかに所定の回収位置まで帰還させる。
飛行体1の回収位置には脚部Bを設置しておき、操縦者は、飛行体1が回収位置の近傍まで到達したのちは、前述のように一旦上昇してホバリングモードに移行させ、ホバリングモードのまま、脚部B上に着地させて回収する。
以上述べたように、この飛行体1では、回転翼3の各ブレード3c自体がそれぞれ固定翼として機能するので、本体2に回転翼3とは別個に固定翼を設ける必要がない。このため、機体重量が軽く、燃料消費量が少ないので、活動可能時間が長く、運用範囲が広い。
特に、ホバリング飛行時の死荷重が少なく、ホバリング飛行時の燃料消費量が少ないので、長時間のホバリング飛行が可能である。
また、この飛行体1では、ホバリングモード時と飛行モード時のいずれの場合においても、各ブレード3cの前縁Fが回転方向もしくは飛行方向に向けられるので、各ブレード3cの断面形状を、より揚力発生に適した形状(前縁から後縁に向かうにつれて厚みが薄くなる流線型)にして、高い揚力を発生させることができ、燃料消費量が少なくて済む。
さらに、この飛行体1では、回転翼3は、ホバリングモード時にのみ推進装置として利用され、飛行モード時には固定翼としてのみ利用されるので、回転翼をホバリングモード時での推進装置としての使用に主眼を置いた大きさや形状とすることができ、高いホバリング性能を得ることができる。
また、この飛行体1は、本体2が機軸方向に延びる柱状であるので、ホバリングモード時には回転翼3の下に回転翼3からの吹き降ろしの抵抗となる物体がほとんどない。このため、この飛行体1では、ホバリング飛行や垂直離着陸時の燃料消費量が少なくて済む。
このように、この飛行体1は、ホバリングモード時と飛行モード時のいずれのモードでも燃料消費量が少ないので、より長時間の活動が可能である。本実施形態に示す飛行体1では、約3時間の飛行が可能である。
また、この飛行体1は、ホバリングモード時に推力を発生させる回転翼3と、飛行モード時に推力を発生させる推進装置13とが、いずれも機軸方向に推力を発生する構成とされているので、一方のモードから他方のモードに移行する際に、推力の向きを制御する必要がない。
このため、この飛行体1では、モード切替時の制御が容易であり、モードの移行をスムーズに行うことができる。
ここで、上記実施形態では、回転翼3を機尾側に設けた例を示したが、これに限られることなく、機首側に設けてもよい。
また、上記実施形態では、飛行体1は遠隔操縦される構成としたが、制御装置61に予め組み込まれたプログラムに従って自律航行する構成とされていてもよく、また、パイロットが搭乗する有人機とされていてもよい。
また、上記実施形態では、飛行体1には、周辺状況を観察するためのセンサ6として、監視カメラを搭載した例を示したが、この監視カメラに加えて、飛行体1の用途に応じて、他の任意のセンサ、例えば気象観測用のセンサ、大気成分観測用のセンサ等を搭載してもよい。また、無線通信装置62を無線通信の中継器として利用することで、この飛行体1を移動式中継局として利用することができる。
本発明の一実施形態にかかる飛行体の構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態にかかる飛行体の構成を示す側面図である。 本発明の一実施形態にかかる飛行体の展開時及び折り畳み時の形状を示す斜視図である。 図1に示す飛行体の構成を示す縦断面図である。 図1に示す飛行体の構成を示す縦断面図である。 図1に示す飛行体のピッチ角調整装置の構成を示す図である。 図1に示す飛行体の構成を示す縦断面図である。 図1に示す飛行体の構成を示す縦断面図である。 本発明の一実施形態にかかる飛行体の、ヘリコプターへの搭載形態を示す側面図である。 本発明の一実施形態にかかる飛行体の第一の運用形態(往路)を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる飛行体の第一の運用形態(復路)を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる飛行体の第二の運用形態(往路)を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる飛行体の第二の運用形態(復路)を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる飛行体の第三の運用形態(往路)を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる飛行体の第四の運用形態(復路)を示す図である。
符号の説明
1 飛行体
2 本体
3a,3b 第一、第二回転翼(トルク反力発生装置)
3c ブレード
4 カナード翼
5 プロペラ
6 センサ
11 駆動装置(回転翼駆動装置、プロペラ駆動装置)
12 回転翼駆動軸
13 推進装置
14 モード切替装置
21 固定装置
22 ピッチ角調整装置
23,33 第一スワッシュプレート
23a,33a 対向部位
25,32b,35 ピッチリンク
26 向き調整装置
27 スワッシュプレートガイド
42 コレクティブサイクリックアクチュエータ
61 制御装置
62 無線通信装置
F 前縁

Claims (13)

  1. 機軸方向に延びる柱状の本体と、
    該本体に対して前記機軸に平行な回転軸線回りに回転可能にして設けられる回転翼と、
    回転翼に対して逆向きに回転する第二の回転翼によって構成され、前記回転翼によって発生する前記回転軸線回りのトルク反力のうちの少なくとも一部を相殺する向きのトルク反力を発生させるトルク反力発生装置と、
    回転翼を前記回転軸線回りに回転駆動する回転翼駆動装置と、
    該回転翼駆動装置と前記回転翼とを接続して前記回転翼駆動装置の駆動力を前記回転翼に伝達する回転翼駆動軸と、
    前記回転軸線と同軸にして設けられる前記各回転翼よりも小径のプロペラおよび該プロペラを軸線回りに回転駆動するプロペラ駆動装置を有し、機首側に向かう推力を発生させる推進装置と、
    動作形態をホバリングモードと飛行モードとのうちのいずれか一方に切り替えるモード切替装置とを有しており、
    前記回転翼は、それぞれピッチ角を可変にして前記回転軸線回りに放射状に配置された複数のブレードを有しており、
    前記モード切替装置は、前記飛行モード時に前記本体に対する前記回転翼の前記回転軸線回りの位置を固定する固定装置と、
    前記ホバリングモード時には前記各ブレードの前縁を前記回転翼の回転方向に向け、前記飛行モード時には前記各ブレードの前縁を機首側に向けるとともに、いずれのモードにおいても前記各ブレードに所望の揚力を生じさせるための迎角を与えるピッチ角調整装置とを有していることを特徴とする飛行体。
  2. 前記回転翼は機尾側に向かう推力を発生させる構成とされていることを特徴とする請求項1記載の飛行体。
  3. 前記ピッチ角調整装置は、前記回転翼と同軸にして設けられる円環状のスワッシュプレートと、
    該スワッシュプレートを軸線方向に変位させるアクチュエータと、
    前記各ブレードの前記前縁と後縁とのうちのいずれか一方の縁部と前記スワッシュプレートの前記一方の縁部に対向する対向部位とを接続して前記スワッシュプレートの前記軸線方向の変位を前記各ブレードのピッチ角の変位に変換するピッチリンクと、
    前記スワッシュプレートの前記軸線回りの向きを調整する向き調整装置とを有していることを特徴とする請求項1または2に記載の飛行体。
  4. 機軸方向に延びる柱状の本体と、
    該本体に対して前記機軸に平行な回転軸線回りに回転可能にして設けられる回転翼と、
    該回転翼を前記回転軸線回りに回転駆動する回転翼駆動装置と、
    該回転翼駆動装置と前記回転翼とを接続して前記回転翼駆動装置の駆動力を前記回転翼に伝達する回転翼駆動軸と、
    機首側に向かう推力を発生させる推進装置と、
    動作形態をホバリングモードと飛行モードとのうちのいずれか一方に切り替えるモード切替装置とを有しており、
    前記回転翼は、それぞれピッチ角を可変にして前記回転軸線回りに放射状に配置された複数のブレードを有しており、
    前記モード切替装置は、前記飛行モード時に前記本体に対する前記回転翼の前記回転軸線回りの位置を固定する固定装置と、
    前記ホバリングモード時には前記各ブレードの前縁を前記回転翼の回転方向に向け、前記飛行モード時には前記各ブレードの前縁を機首側に向けるとともに、いずれのモードにおいても前記各ブレードに所望の揚力を生じさせるための迎角を与えるピッチ角調整装置とを有し、
    前記ピッチ角調整装置は、前記回転翼と同軸にして設けられる円環状のスワッシュプレートと、
    該スワッシュプレートを軸線方向に変位させるアクチュエータと、
    前記各ブレードの前記前縁と後縁とのうちのいずれか一方の縁部と前記スワッシュプレートの前記一方の縁部に対向する対向部位とを接続して前記スワッシュプレートの前記軸線方向の変位を前記各ブレードのピッチ角の変位に変換するピッチリンクと、
    前記スワッシュプレートの前記軸線回りの向きを調整する向き調整装置とを有し、
    前記回転翼駆動軸が前記スワッシュプレートに挿通されており、
    前記回転翼駆動軸と前記スワッシュプレートとの間には、前記スワッシュプレートを軸線方向に変位させた際に該スワッシュプレートを案内して前記軸線回りに回転させるスワッシュプレートガイドが設けられており、
    該スワッシュプレートガイドが、前記向き調整装置を構成していることを特徴とする飛行体。
  5. 前記回転翼は機尾側に向かう推力を発生させる構成とされていることを特徴とする請求項4に記載の飛行体。
  6. 前記回転翼駆動軸が前記スワッシュプレートに挿通されており、
    前記回転翼駆動軸と前記スワッシュプレートとの間には、前記スワッシュプレートを軸線方向に変位させた際に該スワッシュプレートを案内して前記軸線回りに回転させるスワッシュプレートガイドが設けられており、
    該スワッシュプレートガイドが、前記向き調整装置を構成していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の飛行体。
  7. 前記本体にカナード翼が設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載に飛行体。
  8. 前記本体の側方に張り出す部材が前記本体に沿うようにして折り畳み可能な構成とされていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の飛行体。
  9. 前記プロペラと前記プロペラ駆動装置とがプロペラ駆動軸を介して接続されており、
    前記回転翼駆動軸と前記プロペラ駆動軸とのうちのいずれか一方は中空軸とされていて、該一方に他方が挿通された状態にして配置されていることを特徴とする請求項7記載の飛行体。
  10. 周辺状況を観察するためのセンサと、
    前記回転翼駆動装置、前記推進装置、及び前記モード切替装置の動作を制御する制御装置と、
    前記センサが得た前記周辺状況の情報の発信と前記制御装置への指令信号の受信とを行う無線通信装置とを有する無人機とされていることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の飛行体。
  11. 請求項1記載の飛行体のモード切替方法であって、十分な高度まで上昇した状態から下降または自由落下し、落下する過程でホバリングモードまたは飛行モードへ移行させることを特徴とする飛行体のモード切替方法。
  12. 請求項2記載の飛行体のモード切替方法であって、前記ホバリングモードで前記機尾を上方に向けかつ前記機首を下方に向けた状態にしてホバリング飛行を行っている状態からそのままの姿勢で下降し、この下降過程で前記飛行モードへ移行して機首を上げて水平飛行を行うことを特徴とする飛行体のモード切替方法。
  13. 請求項2記載の飛行体のモード切替方法であって、前記飛行モードで水平飛行を行っている状態から上昇したのちに前記機首を下げて下降して、この下降過程で前記ホバリングモードへ移行してホバリング飛行を行うことを特徴とする飛行体のモード切替方法。
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