JP5308704B2 - トナーシール部材 - Google Patents

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Description

本発明は、トナーシール部材に関する。更に詳しくは、本発明は、特定のウレタンフォーム層及びウレタンフィルム層の積層体からなり、フォーム層とフィルム層の界面剥離強度が高く、長期に渡ってトナーシール性及び摺動性に優れるトナーシール部材に関する。
各種プリンタ、コピー機、ファクシミリ等に代表される事務機器では、静電記録された静電潜像を現像して可視画像とし、これを熱定着させるトナーが使用されている。このトナーは、微細な粉体であり、事務機器の使用に伴って順次消費される消耗材である。
前記トナーの補給は、例えば、補給用トナーが充填されており、スライド可能な蓋部材を備えるトナーボトル等のトナー容器を、事務機器のトナーホッパー上に装着することにより行われる。
前記蓋部材には、通常、容器に充填されているトナーが漏れないようにするため、トナーシール部材が配設されている。そして、このトナーシール部材には、トナーの外部への漏出を防止する高いシール性が要求されていると共に、トナーを供給する際における前記蓋部材の開閉を容易にし得る摺動性も必要とされており、相反する要素が求められている。更には、これらの特性を長期に渡って維持する耐久性も求められている。
このようなシール部材としては、従来より、ウレタンフォーム等の各種フォームや、ウレタンフォームの一面側にPETフィルム等が接着された積層体等が開示されている(特許文献1〜3等参照)。
特開平7−56430号公報 特開2003−122114号公報 特開2002―214985号公報
しかしながら、最近のトナーは粒径が細かくなり(4〜6μm)、且つその形状が丸みを帯びていることから流動性が高く、上述の従来のシール部材等では、十分なシール特性が得られない場合が発生している。
具体的には、従来の圧縮性に優れた低密度ウレタンフォーム等からなるシール部材では、フォームの連続気泡に起因する通気性やセル径(通常、400μm以上)により、十分なシール特性が得られない場合がある。
また、PETフィルムを摺動面側に備えるウレタンフォームからなるシール部材では、PETフィルムが形成されている分、ウレタンフォーム単体からなるシール部材よりも摺動性及びシール特性に優れる。しかしながら、PETフィルムはその剛性により柔軟性が乏しいため、シワや折れ等の変形が生じ易く、凹凸形状に対する追従性が低い。そのため、これらの欠点に起因するトナー漏れが生じ、十分なシール特性が得られない場合がある。更には、PETフィルムは接着剤等によりフォームに接合されているため、摺動時の圧力や接着層の経時的劣化等によりフィルムの剥離が生じ、長期に渡ってシール特性及び摺動性を維持できないこともある。
そのため、シール性及び摺動性により優れており、且つそれらの特性を長期に渡って維持できるトナーシール部材が求められているのが現状である。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、特定のウレタンフォーム層及びウレタンフィルム層の積層体からなり、フォーム層とフィルム層の界面剥離強度が高く、長期に渡ってトナーシール性及び摺動性に優れるトナーシール部材を提供することを目的とする。
本発明は以下の通りである。
[1]ウレタンフォーム層及びウレタンフィルム層の積層体からなるトナーシール部材であって、前記積層体はウレタンフォーム原料をウレタンフィルム上で発泡させることによって形成されており、該積層体における前記ウレタンフィルム層の摺動強度は60N以下であり、前記ウレタンフォーム層の密度は200〜480kg/mであり、セル径は300μm以下であり、厚みは0.5mm以上であることを特徴とするトナーシール部材。
[2]前記ウレタンフィルム層の伸びが150%以上である前記[1]に記載のトナーシール部材。
[3]前記ウレタンフィルム層の厚みが3〜30μmである前記[1]又は[2]に記載のトナーシール部材。
[4]前記ウレタンフォーム層の厚みが0.5〜6mmである前記[1]乃至[3]のいずれかに記載のトナーシール部材。
[5]前記ウレタンフォーム層の25%CLD硬度が0.1MPa以下である前記[1]乃至[4]のいずれかに記載のトナーシール部材。
本発明のトナーシール部材は、特定のウレタンフォーム層及びウレタンフィルム層の積層体により形成されており、フォーム層とフィルム層との界面剥離強度が高く、十分な摺動性を有しており、且つ長期に渡ってトナーシール特性に優れる。そのため、電子写真画像形成装置、例えば、各種プリンタ、ファクシミリ、複写機等に利用されるトナーボトル、プロセスカートリッジ等におけるトナーシール部材として好適に用いることができる。
また、ウレタンフィルム層の伸びや厚みが特定の範囲である場合には、柔軟性に優れたトナーシール部材となり、トナーシール部材が配設される部材の形状等に対する追随性に優れ、シール特性により優れたトナーシール部材となる。
更に、ウレタンフォーム層の厚みや25%CLD硬度が特定の範囲である場合には、柔軟性に優れたトナーシール部材となり、トナーシール部材が配設される部材の形状等に対する追随性に優れ、シール特性により優れたトナーシール部材となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のトナーシール部材は、ウレタンフォーム層及びウレタンフィルム層の積層体からなる。
前記「ウレタンフォーム層」の密度は、200〜480kg/mであり、好ましくは200〜400kg/m、より好ましくは320〜400kg/mである。この密度が200〜480kg/mである場合には、シール特性及び摺動性に優れるトナーシール部材とすることができる。また、この密度が200kg/m未満の場合には、十分なシール特性が得られないおそれがある。一方、480kg/mを超える場合には、ウレタンフォーム層の柔軟性が低下して硬くなり、十分な摺動性が得られないおそれがある。
尚、この密度は、JIS K 6401に準拠して測定される値である。
ウレタンフォーム層のセル径は、300μm以下であり、好ましくは50〜300μm、より好ましくは50〜200μm、更に好ましくは50〜100μmである。このセル径が300μm以下である場合には、十分なシール特性を有するトナーシール部材とすることができる。また、このセル径が300μmを超える場合には、トナー漏れが生じるおそれがある。
尚、このセル径は、SEM写真(電子顕微鏡写真)を用いて測定される値である。
また、ウレタンフォーム層の厚みは、0.5mm以上であり、好ましくは0.5〜6mm、より好ましくは1〜3mm、更に好ましくは1〜2mmである。この厚みが0.5mm以上である場合には、十分なシール特性を有するトナーシール部材とすることができる。特に、この厚みが0.5〜6mmである場合には、十分なシール特性を有すると共に、トナーシール部材が配設される部材(被摺動体)の形状等に対する十分な追随性が得られる。尚、この厚みが厚過ぎると、シール部材としての使用時におけるフォーム層の反発力が過度に大きくなり、シール部材が配設される樹脂成形品(トナー容器等)が変形したり、亀裂が生じたりするおそれがある。一方、この厚みが0.5mm未満の場合には、トナー漏れが生じるおそれがある。
更に、ウレタンフォーム層の25%CLD硬度は、0.1MPa以下であることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.1MPa、更に好ましくは0.01〜0.05MPaである。この25%CLD硬度が0.1MPa以下である場合には、シール特性及び摺動性に優れるトナーシール部材とすることができる。
尚、この25%CLD硬度は、JIS K 6254に準拠して測定される値である。
更に、ウレタンフォーム層の圧縮残留歪は、10%以下であることが好ましく、より好ましくは0〜5%、更に好ましくは0〜3%である。この圧縮残留歪が10%以下である場合には、長期に渡ってシール特性に優れるトナーシール部材とすることができる。
尚、この圧縮残留歪は、JIS K 6401に準拠して測定される値である。
前記「ウレタンフィルム層」の伸びは、150%以上であることが好ましく、より好ましくは150〜500%、更に好ましくは200〜500%である。この伸びが150%以上である場合には、従来の発泡体の一面側にPETフィルムを備えるシール部材よりも、追随性に優れるトナーシール部材とすることができる。
尚、この伸びは、JIS K 6251に準拠して測定される値である。
また、ウレタンフィルム層の厚みは、3μm以上であることが好ましく、より好ましくは3〜30μm、更に好ましくは15〜30μmである。この厚みが3μm以上である場合には、十分なシール特性、及び十分な追随性を有するトナーシール部材とすることができる。また、この厚みが30μmを超える場合には、シール特性の更なる向上が望めず、コスト高となる。
前記ウレタンフィルム層を構成するウレタンフィルムとしては、市販品等の公知のものを用いることができる。また、このウレタンフィルムは、熱硬化フィルムであってもよいし、熱可塑性フィルムであってもよいが、熱可塑性フィルムである場合には、その融点が150℃以上であることが好ましい。
また、前記ウレタンフォーム層及び前記ウレタンフィルム層からなる前記「積層体」におけるウレタンフィルム層の摺動強度は、60N以下であり、好ましくは30N以下、より好ましくは15N以下である。この摺動強度が60N以下である場合には、十分な追随性を有し、摺動性に優れるトナーシール部材とすることができる。
尚、この摺動強度は、後述する実施例に記載の方法により測定される値である。
また、本発明のトナーシール部材が、トナー容器の蓋部材等の樹脂成形品におけるトナーシール部材として使用される際には、ウレタンフィルム層側が被摺動体側となり、ウレタンフォーム層側が蓋部材等の基材側となるように配設される。配設の際には、通常、積層体におけるウレタンフォーム層が圧縮されて配設される。その圧縮率は、50%以下であることが好ましく、より好ましくは20〜40%、更に好ましくは20〜30%である。この圧縮率が50%以下である場合には、十分な柔軟性が保たれるため、被摺動体の形状に対する追随性に優れており、且つ圧縮による適度な反発弾性が得られるため、優れたシール性が発揮される。
また、本発明のトナーシール部材を構成する積層体は、ウレタンフォーム原料をウレタンフィルム上で発泡させることによって一体形成されたものであり、同系成分であるウレタンフォーム層とウレタンフィルム層との界面は強固に接合されている。そのため、発泡体の表面にPETフィルム等のフィルムを接着剤等により接着して得られる従来のトナーシール部材よりも、表面が平滑であり、界面における剥離強度に優れると共に、接着層の経時的な劣化を懸念する必要がないため、優れたシール性が長期に渡って維持される。更には、粘着剤や接着剤等の使用が不要となるため、加熱の際における希釈溶剤のVOC(揮発性有機化合物)の発生も懸念する必要がない。
前記積層体は、例えば、ウレタンフィルム上にウレタンフォーム原料を供給し、発泡させて形成することができる。この際、メカニカルフロス法を用いてウレタンフォーム層を形成することが好ましい。尚、メカニカルフロス法とは、原則として水や発泡剤をフォーム原料に配合せず、フォーム原料に予め、乾燥空気や不活性ガス等の気体を混入させ、機械的に攪拌することにより気液混合されたフォーム原料を用いて発泡層を形成する公知の成形法である。
前記「ウレタンフォーム原料」としては、ポリオール及びイソシアネートを含むものが用いられる。
前記ポリオールとしては、例えば、エーテル系ポリオール、エステル系ポリオール等を用いることができる。
前記エーテル系ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、シュークロース等の多価アルコール、又はその多価アルコールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオールが挙げられる。
また、前記エステル系ポリオールとしては、例えば、マロン酸、コハク酸、アジピン酸等の脂肪族カルボン酸やフタル酸等の芳香族カルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等の脂肪族グリコール等とから重縮合して得られるポリエステルポリオールが挙げられる。更には、ε-カプロラクタムの開環重合によって得られるラクトン系ポリエステルポリオールが挙げられる。
これらのポリオールのなかでも、エーテル系ポリオールが好ましい。
尚、これらのポリオールは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記イソシアネートとしては、例えば、トルエンジイソシアネート(TDI)、粗TDI、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗MDI、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、粗HDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添MDI、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。これらのなかでも、MDI、粗MDIが好ましい。
尚、これらのイソシアネートは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
イソシアネートの配合量は、ウレタンフォーム層に必要とされる物性等により設定することが好ましい。この配合量はイソシアネートインデックスにより調整され、このイソシアネートインデックスは、80〜120であることが好ましく、より好ましくは90〜110である。イソシアネートインデックスが80〜120である場合には、得られるウレタンフォーム層の圧縮残留歪を十分に低くすること(具体的には、10%以下にすること)ができるため好ましい。
前記フォーム原料には、ポリオール及びポリイソシアネートの他、触媒、整泡剤、鎖延長剤等を配合することができる。
前記触媒としては、例えば、金属触媒、アミン系触媒等が挙げられる。
前記金属触媒としては、スタナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート等の有機錫化合物、オクチル酸亜鉛等の有機亜鉛化合物、ニッケルアセチルアセトエート、ニッケルジアセチルアセトエート等の有機ニッケル化合物、鉄アセチルアセトエート等の有機鉄化合物、酢酸ナトリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属のアルコキシドやフェノキシド等が挙げられる。
前記アミン系触媒としては、トリエチレンジアミン、テトラメチルグアニジン、N,N,N’N’−テトラメチルヘキサン−1,6ジアミン等が挙げられる。
これらの触媒は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、触媒の配合量は特に限定されないが、前記ポリオールの全量を100質量部とした場合に、1〜8質量部であることが好ましく、より好ましくは3〜6質量部である。
前記整泡剤は、均一に分散した微細な気泡を安定化させるために配合されるものである。この整泡剤は特に限定されないが、ジメチルポリシロキサンとポリエーテルのブロック共重合体を使用することができる。また、ポリシロキサンに有機官能基を付加した特殊な整泡剤を用いることもできる。このように、整泡剤としてはシリコーン系整泡剤が用いられることが多い。
この整泡剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、整泡剤の配合量は特に限定されないが、前記ポリオールの全量を100質量部とした場合に、2〜8質量部であることが好ましく、より好ましくは3〜5質量部である。
前記鎖延長剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等の短鎖ジオール系のもの、グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール系のもの等が挙げられる。
この鎖延長剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、鎖延長剤の配合量は特に限定されないが、前記ポリオールの全量を100質量部とした場合に、1〜6質量部であることが好ましく、より好ましくは2〜4質量部である。
尚、フォーム原料には、紫外線吸収剤、酸化防止剤、有機及び無機充填剤、着色剤、顔料、発泡剤、脱水剤、難燃剤等のウレタン配合に一般に使用される各種添加剤を適宜使用することもできる。
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態を更に具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。ここで、「部」及び「%」は、特記しない限り質量基準である。
[1]使用原料
(1)ポリオール;ポリエーテル系ポリオール(三洋化成社製、商品名「GP−3000」、数平均分子量:3000、官能基数:3、水酸基価:56mgKOH/mg)
(2)イソシアネート;クルードMDI(日本ポリウレタン社製、商品名「コロネート 1130」、NCO%;31%)
(3)鎖延長剤;1,4−ブタンジオール
(4)触媒;スタナスオクトエート(城北化学社製)
(5)整泡剤;シリコーン系整泡剤(モメンティブ製、商品名「L−5614」)
(6)増粘剤;水酸化アルミニウム(昭和電工社製、商品名「ハイジライト H−10」)
[2]トナーシール部材の製造
(1)実施例1〜10
ポリオール100部、鎖延長剤4部、増粘剤20部、触媒0.1部、及び整泡剤4部の混合物に、イソシアネート及び造泡用気体(窒素ガス、供給量:0.1mN/min)を供給し、混合・剪断することによりウレタンフォーム原料を調製した。尚、前記イソシアネートは、インデックスが90〜110となるように配合した。
次いで、表1に示すウレタンフィルム(厚み:3〜30μm、伸び:200〜300%)上に、前記ウレタンフォーム原料を吐出ノズルより供給し、150℃に加熱し、フォーム原料を反応、硬化させることにより、表1に示すウレタンフォーム層(厚み:0.5〜7mm、密度:200〜480kg/m、セル径:50〜300μm、25%CLD硬度:0.01〜0.1N、圧縮残留歪:1〜3.5%)と、ウレタンフィルム層とからなる積層体を製造した。その後、所定の寸法(縦50mm×横50mm)に裁断し、図1に示すように、ウレタンフォーム層21及びウレタンフィルム層22の積層体2からなるトナーシール部材1を得た。
尚、このトナーシール部材1においては、ウレタンフィルム層22側が摺動面側となり、ウレタンフォーム層21側がトナーボトル等の蓋部材に配設されることになる。
(2)比較例1、2
実施例1と同様のウレタンフォーム原料を支持体上に吐出ノズルより供給し、150℃に加熱してフォーム原料を反応、硬化させることにより、表2に示すウレタンフォーム(厚み:1〜2mm、密度:200〜320kg/m、セル径:100〜300μm、25%CLD硬度:0.01〜0.05N、圧縮残留歪:1.5〜3%)を製造し、所定の寸法(縦50mm×横50mm)に裁断して、比較例1及び2の各トナーシール部材を製造した。
(3)比較例3〜7
実施例1と同様のウレタンフォーム原料を支持体上に吐出ノズルより供給し、150℃に加熱してフォーム原料を反応、硬化させることにより、表2に示すウレタンフォーム(厚み:0.4〜2mm、密度:150〜500kg/m、セル径:50〜400μm、25%CLD硬度:0.01〜0.11N、圧縮残留歪:1〜4%)を製造した。
次いで、得られたウレタンフォーム層の一表面に、表2に示すフィルム(種類:ウレタン又はPET、厚み:3〜25μm、伸び:140〜300%)を、アクリル系粘着剤により接着し、ウレタンフォーム層とウレタンフィルム層とからなる積層体を製造し、所定の寸法(縦50mm×横50mm)に裁断して、比較例3〜7の各トナーシール部材を得た。
Figure 0005308704
Figure 0005308704
[3]評価
下記に示す方法により各種評価試験を行った。その結果を表3及び表4に示す。
(1)摺動強度
まず、実施例及び比較例の各トナーシール部材から、縦30mm×横30mmの試験片を作製した。次いで、図2及び図3に示す摺動強度測定器3において、スライド可能なガイド35上に固定された被摺動体(ABS樹脂板)31とブリッジ部32との間に、試験片10が初期厚みに対し40%の圧縮率(スペーサ33及び締付部材34にて調節可能)となり且つ両面テープによりブリッジ部32側に固定されるように配置した(図2参照)。尚、この際、試験片10は、ウレタンフィルム側が被摺動体31側となり、ウレタンフォーム側がブリッジ部32側となるように配置した。
そして、3分間放置した後、ガイド35の先端に配設されたワイヤー36を引張試験機にて、前記被摺動体31をガイド35ごと、引張速度200mm/minで動かし(図3参照)、ガイド35が移動し始める際に必要な力から引張強度を求め、この引張強度を摺動強度(N)とした。
(2)トナーシール性
まず、図4に示すように、支持体4(厚み:2mm)上に、実施例及び比較例の各トナーシール部材を接合し、縦50mm×横50mmの試験片100を作製した。尚、実施例及び比較例3〜7においては、トナーシール部材を構成する積層体2のウレタンフォーム層21側に支持体4を形成し、ウレタンフォーム層のみから構成される比較例1及び2においては、いずれか一方の面に支持体4を形成した。
次いで、図4及び5に示すように、トナーボトル5における凹凸のある開口部51(被摺動面)に対して、試験片100における支持体4が形成されていない側を押しつけた状態で固定した。この際、ウレタンフォーム層の圧縮率が約25%となるように固定した。尚、前記開口部51の凹凸部における最頂部と最底部との最大差は、100μm程度である。
その後、トナーシール部材が固定された状態で、周波数100Hzにて100回上下に震動させて、トナー漏れの有無を確認し、トナーシール性を評価した。尚、評価基準は以下の通りである。
良好:トナー漏れ無し
不良:トナー漏れ有り
(3)追随性
前記(2)と同様の評価試験を行い、試験片100と凹凸のある開口部51(被摺動面)の界面からのトナー漏れの有無を確認し、追随性を評価した。尚、評価基準は以下の通りである。
良好:試験片100が開口部51の凹凸に対して十分に追従し、界面からのトナー漏れが無かった場合
不良:試験片100が開口部51の凹凸に対して十分に追従せず、界面からのトナー漏れが有った場合
(4)界面剥離強度
JIS Z 0237における180°剥離試験に準拠して界面剥離強度を評価した。尚、評価基準は以下の通りである。
良好:フォーム層からフィルム層が剥離せず、フォーム層が破壊された場合
不良:フォーム層からフィルム層が剥離した場合
(5)総合評価
前記(1)〜(4)の結果、及び、積層体を構成するウレタンフォーム層やウレタンフィルム層等の物性を考慮し、トナーシール部材としての使用感が非常に良好な場合を「◎」とし、使用感が良好な場合を「○」とし、使用に問題がある場合を「×」とした。
Figure 0005308704
Figure 0005308704
表3に示すように、特定のウレタンフォーム層とウレタンフィルム層の積層体からなる実施例1〜10の各トナーシール部材においては、摺動強度が15〜60Nと十分な摺動性を有しており、且つトナーシール性、追随性及び界面剥離強度が全て良好であり、総合評価は、全て「◎」及び「○」であった。
尚、実施例9の総合評価が「○」である理由は、ウレタンフォーム層の厚みが7mmと少し厚く、トナーシール部材として使用する際のウレタンフォーム層の圧縮率によっては、反発弾性が大きくなりすぎる場合があるからである。
一方、表4に示すように、比較例1及び2のフィルム層が形成されていないウレタンフォーム層のみからなるトナーシール部材においては、摺動強度が40Nであり且つ追随性は良好であったが、トナーシール性が不良であり、総合評価は共に「×」であった。
また、比較例3及び4のウレタンフォーム層にPETフィルム層が接合されたトナーシール部材においては、摺動強度が15〜30Nと十分な摺動性を有していたが、追随性が不良であり、その結果としてトナー漏れが生じるためトナーシール性も不良であり、総合評価は共に「×」であった。
更に、比較例5のウレタンフォーム層にウレタンフィルム層が接合されたトナーシール部材においては、トナーシール性及び追随性は良好であったが、摺動強度が65Nと高いため摺動性が悪く、総合評価は「×」であった。
また、比較例6及び7のウレタンフォーム層にウレタンフィルム層が接合されたトナーシール部材においては、追随性は良好であったが、トナーシール性が不良であり、総合評価は共に「×」であった。
更に、比較例3〜7においては、フィルム層がウレタンフォーム層に粘着剤により接合されているため、ウレタンフィルム上でフォーム原料を発泡させることによってウレタンフォーム層が形成されている実施例よりも界面剥離強度が劣っていた。
以上のように、本実施例の各トナーシール部材は、フォーム層とフィルム層の界面剥離強度が高く、長期に渡ってトナーシール性及び摺動性に優れることが分かった。
本発明のトナーシール部材を説明する模式図である。 摺動強度測定方法を説明する模式図である。 摺動強度測定方法を説明する模式図である。 トナーシール性及び追随性の評価方法を説明する模式図である。 トナーシール性及び追随性の評価方法を説明する模式図である。
符号の説明
1;トナーシール部材、2;積層体、21;ウレタンフォーム層、22;ウレタンフィルム層、3;摺動強度測定装置、31;被摺動体、32;ブリッジ部、33;スペーサ、34;締付部材、35;ガイド、36;ワイヤー、4;支持体、5;トナーボトル、51;開口部、10、100;試験片。

Claims (5)

  1. ウレタンフォーム層及びウレタンフィルム層の積層体からなるトナーシール部材であって、
    前記積層体はウレタンフォーム原料をウレタンフィルム上で発泡させることによって形成されており、該積層体における前記ウレタンフィルム層の摺動強度は60N以下であり、
    前記ウレタンフォーム層の密度は200〜480kg/mであり、セル径は300μm以下であり、厚みは0.5mm以上であることを特徴とするトナーシール部材。
  2. 前記ウレタンフィルム層の伸びが150%以上である請求項1に記載のトナーシール部材。
  3. 前記ウレタンフィルム層の厚みが3〜30μmである請求項1又は2に記載のトナーシール部材。
  4. 前記ウレタンフォーム層の厚みが0.5〜6mmである請求項1乃至3のいずれかに記載のトナーシール部材。
  5. 前記ウレタンフォーム層の25%CLD硬度が0.1MPa以下である請求項1乃至4のいずれかに記載のトナーシール部材。
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