JP4319241B2 - トナー供給ロール用ポリウレタン発泡体及びその製造方法 - Google Patents

トナー供給ロール用ポリウレタン発泡体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えばプリンタ、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置における現像部でトナーを感光体に供給するためのトナー供給ロールの材料として用いられるトナー供給ロール用ポリウレタン発泡体及びその製造方法に関するものである。
従来、この種のトナー供給ロール用ポリウレタン発泡体としては、ポリウレタン発泡体、ゴムスポンジ等の弾性発泡体が用いられているが、中でもポリウレタン発泡体が広く用いられている。ポリウレタン発泡体としては、軟質スラブ発泡体を円筒状に切り出したものや、モールド発泡体で円筒状に成形されたものが使用されている。このようなポリウレタン発泡体は、ポリオールとしてポリエステルポリオールを用い、ポリイソシアネート類と反応させ、発泡及び硬化させることにより得られ、セルが微細かつ安定でトナー供給ロールとして好適なポリエステル系ポリウレタン発泡体である。
しかし、ポリエステル系ポリウレタン発泡体は歪性能が悪いため、トナー供給ロールとして用いる場合、カートリッジ内でのセット跡が付きやすく、印字時にむらが発生しやすい。また、ポリエステル系ポリウレタン発泡体は変形時に回復性が遅く、トナーの掻き取り性や供給性が悪い。さらに、ポリエステル系ポリウレタン発泡体は剛性が高いことから、耐久性に劣るという欠点があった。
そこで、ポリオール類としてポリエーテルポリオールを用いたポリエーテル系ポリウレタン発泡体を使用する技術が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。すなわち、特許文献1には、ポリエーテル系のポリマーポリオールとポリイソシアネートとを用いて得られるイソシアネート末端プレポリマーを含むプレポリマー及び水を含有する発泡体原料を反応させ、発泡させて得られるポリウレタン発泡体がトナー供給ロールにも用いられると記載されている。特許文献2には、ポリオールとポリイソシアネートから合成したウレタンプレポリマーと、水分散カーボンとを撹拌混合して得られるポリウレタン発泡体からなり、ポリオールとしてポリエーテルポリオールをベースとして合成したポリマーポリオール等を用いる導電性弾性部材が記載されている。
特開2003−321528号公報(第2頁) 特開2002−53639号公報(第2頁及び第3頁)
ところが、前記従来のポリエーテル系ポリウレタン発泡体は、内部に形成されるセルの平均セル数が具体的には112〜183個/25mmであり(特許文献2の実施例1〜実施例4)、セル数が比較的多く、セルが比較的小さいものである。従って、セルの形状にむらができやすく、また発泡体が硬くなる傾向を示し、そのような発泡体をトナー供給ロールとして用いた場合、トナーの掻き取り性や供給性が不安定になるとともに、印字したときに画像に濃度差が生じやすいという問題があった。
そこで、本発明の目的とするところは、トナーの掻き取り性や供給性を向上させることができるとともに、印字したときに画像濃度差の発生を抑制することができるトナー供給ロール用ポリウレタン発泡体及びその製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明のトナー供給ロール用ポリウレタン発泡体の製造方法は、ポリオール類、ポリイソシアネート類、発泡剤及び触媒を混合してポリウレタン発泡体の原料を調製し、発泡容器内で反応させるとともにスラブ発泡させた後、硬化させて製造した画像形成装置の現像部でトナーを感光体に供給するために用いられるトナー供給ロール用ポリウレタン発泡体の製造方法であって、前記ポリオール類には少なくともポリマーポリオールをポリオール類100質量部当たり20質量部以上含有し、かつポリオール類の動粘度が25℃で600〜6000mPa・secとなるように設定し、当該ポリオール類と前記ポリイソシアネート類とをワンショット法にて直接反応させることにより、JIS K6400に基づく発泡体の平均セル数が50〜80個/25mmの範囲に形成され、JIS K6400に基づく発泡体の硬さが170〜300Nの範囲に形成されることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明のトナー供給ロール用ポリウレタン発泡体の製造方法は、請求項1に係る発明において、前記ポリマーポリオールの平均粒子径は50μm以下であることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明のトナー供給ロール用ポリウレタン発泡体の製造方法は、請求項1又は請求項2に係る発明において、前記ポリマーポリオール中の固形分量がポリオール類100質量部当たり7〜50質量部であることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明のトナー供給ロール用ポリウレタン発泡体の製造方法は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に係る発明において、前記ポリマーポリオールの数平均分子量は1000〜7000であることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明のトナー供給ロール用ポリウレタン発泡体の製造方法は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に係る発明において、前記発泡剤として水の配合量がポリオール類100質量部に対して1〜5質量部であることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明のトナー供給ロール用ポリウレタン発泡体は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の製造方法により製造されたトナー供給ロール用ポリウレタン発泡体であって、JIS K6400に基づく発泡体の反発弾性が30〜60%であることを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明のトナー供給ロール用ポリウレタン発泡体は、請求項に係る発明において、JIS K6400に基づく発泡体の密度が50〜80kg/m であることを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明のトナー供給ロール用ポリウレタン発泡体は、請求項又は請求項に係る発明において、温度70℃、湿度95%で48時間後の湿熱歪が3〜20%であることを特徴とするものである。
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
請求項1〜請求項に記載の発明のトナー供給ロール用ポリウレタン発泡体及びその製造方法においては、発泡体のセル形状を安定化させることができ、トナーの掻き取り性や供給性を向上させることができるとともに、印字したときに画像濃度差の発生を抑制することができる。そして、トナー供給ロールを安定的に得ることができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態におけるトナー供給ロール用のポリウレタン発泡体(以下、単に発泡体ともいう)は、画像形成装置の現像部でトナーを感光体に供給するためのトナー供給ロールとして用いられるもので、以下のような構成を有している。すなわち、トナー供給ロール用ポリウレタン発泡体は、JIS K6400に基づく発泡体の平均セル数が50〜80個
/25mmのものである。セル数をこのような範囲に設定することにより、セル形状を安定化させ、発泡体の硬さを抑え、発泡体をトナー供給ロールとした場合、トナーの掻き取り性や供給性を向上させ、かつ印字したときに画像濃度差の発生を抑えることができる。
このようなポリウレタン発泡体は、ポリオール類、ポリイソシアネート類、発泡剤及び触媒を含有するポリウレタン発泡体の原料を反応させて発泡及び硬化させることにより得られるものである。その場合、ポリウレタン発泡体の原料であるポリオール類には少なくともポリマーポリオールを含有し、その原料を用いて得られる発泡体は、JIS K64
00に基づく硬さが170〜300Nのものである。
まず、前記ポリウレタン発泡体の原料について説明する。
ポリオール類としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等が用いられるが、本実施形態ではポリマーポリオールを含有することが好ましい。ポリマーポリオールは、重合鎖を有するとともに、末端等に複数の水酸基を有する化合物であって、例えばポリエーテルポリオールに、アクリロニトリル、スチレン、メチルメタクリレート等のエチレン性不飽和化合物をグラフト共重合させたポリオール等が用いられる。ポリマーポリオールの数平均分子量は、1000〜7000であることが好ましく、2000〜5000であることがより好ましく、2500〜4500であることが特に好ましい。この数平均分子量が1000未満の場合にはポリウレタン発泡体の原料の粘性が低くなり、得られる発泡体のセル形状が十分に安定化せず、7000を越える場合にはポリウレタン発泡体の原料の粘性が高くなり過ぎて所望とする大きさのセルが得られにくくなる。
ポリマーポリオールの官能基数(水酸基数)は、ポリイソシアネート類との反応性、架橋度等の点から2〜8であることが好ましく、2〜6であることがより好ましく、2.5〜4であることが特に好ましい。ポリマーポリオールはポリウレタン発泡体の原料中で分散されるが、分散されたポリマーポリオールの平均粒子径は、分散性を良好にするために50μm以下であることが好ましい。このようなポリマーポリオールは、トナーの組成と同じであることから、トナーの帯電量が安定し、画像を安定化させることができる。
ポリマーポリオールの含有量は、ポリオール類100質量部当たり20質量部以上であることが好ましい。この含有量が20質量部未満の場合には、発泡体に十分な硬さが得られず、トナー供給ロールとしたときにトナーの掻き取り性能が低下する。
その他ポリオール類としては、一般にポリイソシアネート類との反応性に優れているという点と、ポリエステルポリオールのように加水分解をしないという点から、ポリエーテルポリオールが好ましい。ポリエーテルポリオールとしては、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、多価アルコールにプロピレンオキシドとエチレンオキシドとを付加重合させた重合体よりなるポリエーテルポリオール、それらの変性体等が用いられる。多価アルコールとしては、グリセリン、ジプロピレングリコール等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとして具体的には、グリセリンにプロピレンオキシドを付加重合させ、さらにエチレンオキシドを付加重合させたトリオール、ジプロピレングリコールにプロピレンオキシドを付加重合させ、さらにエチレンオキシドを付加重合させたジオール等が挙げられる。ポリエーテルポリオール中のポリエチレンオキシド単位は10〜30モル%程度である。ポリエチレンオキシド単位の含有量が多い場合には、その含有量が少ない場合に比べて親水性が高くなり、極性の高い分子、ポリイソシアネート類等との混合性が良くなり、その結果反応性が高くなる。このポリオール類は、原料成分の種類、分子量、縮合度等を調整することによって水酸基価を変えることができる。
ポリエステルポリオールとしては、アジピン酸、フタル酸等のポリカルボン酸を、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等のポリオールと反応させることによって得られる縮合系ポリエステルポリオールのほか、ラクトン系ポリエステルポリオール及びポリカーボネート系ポリオールが用いられる。
上記のポリオール類は、その動粘度が25℃で600〜6000mPa・secであることが好ましい。動粘度が600mPa・sec未満のときには、ポリウレタン発泡体の原料の粘性が低くなり、トナー供給ロールとして適切なセル形状を有する発泡体を安定して得ることが難しくなる。一方、動粘度が6000mPa・secを越えるときには、ポリウレタン発泡体の原料の粘性が高くなり過ぎてセルの形成が円滑に行われなくなって、セル形状の安定化を図ることが難しくなる。
次に、前記ポリオール類と反応させるポリイソシアネート類はイソシアネート基を複数個有する化合物であって、具体的にはトリレンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジ
フェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(N
DI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、これらの変性物等が用いられる。ポリイソシアネート類のイソシアネートインデックスは100以下又は100を越えてもよいが、通常90〜130程度の範囲である。ここで、イソシアネートインデックスは、ポリオール類の水酸基及び発泡剤としての水に対するポリイソシアネート類のイソシアネート基の当量比を百分率で表したものである。
発泡剤はポリウレタン樹脂を発泡させてポリウレタン発泡体とするためのもので、例えば水のほか塩化メチレン、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、フロン系化合物(トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン等)、炭酸ガス等が用いられる。発泡剤が水の場合には、ポリウレタン発泡体の密度を50〜80kg/mにするため、その配合量をポリオール類100質量部に対して1〜5質量部とすることが好ましい。水の配合量が1質量部未満では発泡量が少なく、ポリウレタン発泡体の密度が80kg/mを越える傾向となり、5質量部を越えると発泡及び硬化時に温度が上昇しやすくなり、発泡体の硬さ、歪等の物性が低下する。
触媒はポリオール類とポリイソシアネート類とのウレタン化反応等を促進するためのものであり、具体的にはトリエチレンジアミン、ジメチルエタノールアミン、N,N´,N´−トリメチルアミノエチルピペラジン等の3級アミン、オクチル酸スズ(スズオクトエート)等の有機金属化合物、酢酸塩、アルカリ金属アルコラート等が用いられる。触媒の配合量は、ポリオール類100質量部当たり0.05〜0.5質量部程度である。
整泡剤は、ポリウレタン発泡体の原料に通常配合されるもののいずれも使用することができるが、例えばオルガノシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体、シリコーン−グリース共重合体等のシリコーン化合物よりなる非イオン系界面活性剤、又はそれらの混合物、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤、フェノール系化合物等が用いられる。整泡剤の配合量は、ポリオール類100質量部当たり0.1〜2.0質量部程度である。ポリウレタン原料にはその他必要に応じて、架橋剤、充填剤、安定剤、着色剤、難燃剤、可塑剤等が配合される。
そして、ポリウレタン発泡体の原料を反応させて発泡及び硬化させることによりポリウレタン発泡体を製造するが、その際の反応は複雑であり、基本的には次のような反応が主体となっている。すなわち、ポリオール類とポリイソシアネート類との付加重合反応(ウレタン化反応)、ポリイソシアネート類と発泡剤としての水との泡化(発泡)反応及びこれらの反応生成物とポリイソシアネート類との硬化(架橋)反応である。ポリウレタン発泡体を製造する場合には、ポリオール類とポリイソシアネート類とを直接反応させるワンショット法或はポリオール類とポリイソシアネート類とを事前に反応させて末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを得、それにポリオール類を反応させるプレポリマー法のいずれも採用される。また、ポリウレタン発泡体は、常温大気圧下に発泡、硬化させて得られるスラブ発泡体及び成形型内にポリウレタン発泡体の原料(混合液)を注入、型締めして型内で発泡、硬化させて得られるモールド発泡体のいずれであってもよい。
このようにして得られるポリウレタン発泡体は、通常軟質ポリウレタン発泡体であり、連続気泡構造を有し、復元性を有するものである。JIS K6400に基づく発泡体の
平均セル数は、50〜80個/25mmであり、55〜65個/25mmであることが好ましい。平均セル数が50個/25mm未満の場合、セル数が少なくなってセルが粗くなるとともに、発泡体が柔軟になり、トナー供給ロールとして使用したときにトナーの供給量が過大になったり、トナーの掻き取り性が悪くなったりする。一方、平均セル数が80個/25mmを越える場合、セル数が多く、トナーによるトナー供給ロール表面の目詰まりが発生し、トナー供給ロールとして使用したとき、トナーの掻き取り性や供給性が不安定になるとともに、印字したときに画像に濃度差が生ずる。
また、ポリウレタン発泡体のJIS K6400に基づく硬さは好ましくは170〜3
00N、より好ましくは180〜290Nである。この硬さが170N未満の場合には、発泡体は硬さが不足し、トナー供給ロールとして使用したときにトナーの掻き取り性や供給性が低下する。一方、硬さが300Nを越える場合には、発泡体が硬くなり過ぎて、トナー供給ロールとして使用したときにカートリッジ内でセット跡が付きやすくなり、画像の濃度差となって現れる傾向を示す。
さらに、温度70℃、湿度(相対湿度、RH)95%で48時間後の湿熱歪が3〜20%であることが好ましく、5〜15%であることがより好ましい。湿熱歪がこの範囲であれば、トナー供給ロールとして適切な範囲の歪量となり、トナー供給ロールとしてトナーカートリッジにセットしたときにセット跡の発生を抑えることができる。ここで、湿熱歪(%)は、温度70℃、湿度95%の条件下で50%圧縮し、48時間後の厚さを測定し、元の厚さから48時間後の厚さを差し引いた厚さを元の厚さで割り、百分率で表したものである。湿熱歪が3%未満の場合には、トナー供給ロールを得ることが困難になる。一方、湿熱歪が20%を越える場合には、歪量が過大となって、セット跡が発生しやすくなる。
また、JIS K6400に基づく発泡体の反発弾性が好ましくは30〜60%、より
好ましくは35〜45である。発泡体の反発弾性を上げることにより、カートリッジ内でのセット跡が付きにくく、圧縮されたときに回復性が良くなり、トナーの掻き取り性や供給性が向上する。反発弾性が30%未満の場合、反発弾性が小さく、トナー供給ロールとして使用したとき、トナーの掻き取り性や供給性が低下する。一方、反発弾性が60%を越える場合、良好なトナー供給ロールを得ることが難しくなる。
加えて、JIS K6400に基づく発泡体の密度は、発泡体の硬さ、柔軟性、歪(湿
熱歪)等の観点から50〜80kg/m程度であることが好ましく、55〜65kg/mであることがより好ましい。密度が50kg/m未満の場合には発泡体が柔らかくなり、樹脂分が少なくなってトナーの掻き取り性が不足し、80kg/mを越える場合には発泡体が硬くなり、樹脂分が多くなってトナーの供給が不足し、目詰まりが発生する傾向を示す。
次に、画像形成装置について簡単に説明する。
円筒状をなし、一定方向に回転する感光体の上方位置には帯電部が設けられ、感光体表面をコロナ放電により一定電位に帯電させるようになっている。感光体の回転方向において、帯電部の隣接位置には露光部が設けられ、その露光部において記録されるべき画像や文字に対応するパターンがレーザー発振器やLED(発光ダイオード)にて光照射されて静電潜像として形成されるように構成されている。感光体の回転方向において、露光部の隣接位置にはトナー供給ロール(現像ローラ)及びトナーカートリッジを備えた現像部が設けられ、トナーカートリッジ内の現像剤としてのトナーがトナー供給ロールによって感光体上に供給されるようになっている。このトナー供給ロールとして、前述のトナー供給ロール用ポリウレタン発泡体が用いられる。
そして、感光体上の静電潜像が、トナー供給ロールから供給されるトナーにより現像され、そのトナー像により可視化される。感光体の下方位置には転写ローラを備えた転写部が設けられ、感光体と転写ローラとの間には記録用紙が挟着された状態で送られるようになっている。そして、感光体上のトナー像が記録用紙に転写される。転写部より記録用紙の進行方向には定着部が設けられ、記録用紙に転写されたトナー像を定着し、印刷を完了するように構成されている。本実施形態のトナー供給ロール用ポリウレタン発泡体は、トナーが非磁性であるカラープリンタのトナー供給ロール用として好適である。
さて、トナー供給ロール用ポリウレタン発泡体を製造する場合には、例えばポリマーポリオールを含むポリオール類、ポリイソシアネート類、発泡剤としての水、アミン触媒及び整泡剤を混合してポリウレタン発泡体の原料を調製する。このとき、ポリオール類の動粘度が25℃で600〜6000mPa・secとなるように設定される。そして、ポリオール類とポリイソシアネート類とを反応させるとともに、ポリイソシアネート類と水とを反応させて発泡させ、さらに硬化させることによりポリウレタン発泡体が製造される。
前記ポリオール類にはポリマーポリオールが含まれ、かつポリオール類の動粘度が前述の範囲に設定されて粘性が高められ、その状態でウレタン化反応、泡化反応及び硬化反応が行われる。このため、得られるポリウレタン発泡体は、JIS K6400に基づく平
均セル数が50〜80個/25mmの範囲に形成され、発泡体をトナー供給ロールとして使用する場合に歪性能等が好適なものとなる。しかも、JIS K6400に基づく発泡
体の硬さが170〜300Nの範囲に形成され、発泡体をトナー供給ロールとして使用する場合に柔軟性等の物性が好適となる。
以上の実施形態によって発揮される効果について、以下にまとめて記載する。
・ 本実施形態におけるトナー供給ロール用ポリウレタン発泡体においては、JIS
K6400に基づく発泡体の平均セル数が50〜80個/25mmの範囲に形成されるため、従来よりもセル数が少なく、かつセルが大きくなってセル形状が安定化されるとともに、発泡体の硬さが抑えられる。従って、発泡体をトナー供給ロールとして用いたとき、トナーの掻き取り性や供給性を向上させることができると同時に、印字したときに画像濃度差の発生を抑制することができる。
・ また、JIS K6400に基づく発泡体の硬さが170〜300Nに形成され、
トナー供給ロールとして一層適切な範囲となり、特にトナーの掻き取り性を向上させることができる。
・ さらに、温度70℃、湿度95%で48時間後の湿熱歪が3〜20%に形成され、トナー供給ロールとして適切な範囲の歪量が得られ、トナー供給ロールとしてトナーカートリッジにセットしたときにセット跡の発生を抑えることができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜4及び比較例1〜3)
表1に示すポリオール類、ポリイソシアネート類、発泡剤としての水、触媒及び整泡剤を混合して混合物を調製した。この混合物を縦、横及び深さが各500mmの発泡容器内に注入し、常温、大気圧下で発泡させた後、加熱炉を通過させて加熱、反応及び硬化させることにより軟質スラブ発泡体を得た。ポリイソシアネート類としては、トリレンジイソシアネート〔三井武田(株)製、TDI−80(2,4-トリレンジイソシアネート80質量%と2,6-トリレンジイソシアネート20質量%の混合物)〕を用い、表1に示すイソシアネートインデックスとなるように配合量を決定した。表1中における略号を以下に示す。
ポリオール1: ポリエーテルポリオール、三洋化成工業(株)製、サンニックスGP−3050、水酸基価56(mgKOH/g)
ポリオール2: アクリロニトリル−スチレングラフトポリマーポリオール、旭硝子(株)製、エクセノール941
ポリオール3: ポリエステル系ポリオール、日本ポリウレタン工業(株)製、ニッポラン101
触媒1:アミン触媒、花王(株)製、カオライザーNo.31
触媒2:アミン触媒、花王(株)製、カオライザーNo.22
触媒3:オクチル酸第1スズ、城北化学工業(株)製、MRH110
整泡剤1:シリコーン系界面活性剤、ゴールドシュミット(株)製、B8110
整泡剤2:シリコーン系界面活性剤、ゴールドシュミット(株)製、B8300
ポリオール類の動粘度: ポリオール1、ポリオール2又はポリオール3よりなるポリオール類の25℃での動粘度(mPa・sec)を示した。
固形分: ポリマーポリオール中の固形分量(質量部)を示した。
得られたポリウレタン発泡体について、密度、硬さ、反発弾性率、湿熱歪及びセル数を以下の測定方法に従って測定した。それらの結果を表1に示した。
(測定方法)
密度(kg/m)、硬さ(N)、反発弾性率(%)及びセル数(個/25mm): JIS K6400(軟質ウレタンフォーム試験方法)に準じて行った。尚、湿熱歪(%)は
前述のように、温度70℃、湿度95%の条件下で50%圧縮し、48時間後の厚さを測定して算出した値である。
さらに、前記軟質スラブ発泡体を厚さ25mmにスライスし、その後長さ500mm、幅250mmに切断して乾燥した。その発泡体にシャフト孔(直径4mm)をあけ、シャフトを挿通し、外周が円筒状となるように研磨してトナー供給ロールを作製した。そのトナー供給ロールをトナーカートリッジに組み付けて、トナーの掻き取り性、供給性、セット跡、画像濃度差及び目詰まりを目視により測定し、以下に示す基準に基づいて評価を行った。それらの結果を表1に示した。
掻き取り性:○;トナーの掻き取りが十分であった、△;トナーの掻き取りに若干のむらが見られた、×;トナーの掻き取りが不十分であった。
供給性:○;トナーの供給量が十分であった、△;トナーの供給量が若干不足した、×;トナーの供給量が不十分であった。
セット跡:○;トナーカートリッジ内でのセット跡が画像に見られず、良好であった、△;セット跡が画像に若干見られた、×;セット跡が白抜け画像として見られた。
画像濃度差:○;画像の濃度差が全く見られなかった、△;一部に画像の濃度差が見られた、×;画像の濃度差が全体に見られた。
目詰まり:○;トナー供給ロールにトナーの目詰まりは認められなかった、△;トナー供給ロールにトナーの目詰まりが一部に認められた、×;トナー供給ロールにトナーの目詰まりが多く、トナーの供給が不十分となった。
Figure 0004319241
表1に示したように、実施例1〜4においては、掻き取り性、供給性、セット跡、画像濃度差及び目詰まりについて、いずれも良好な結果を示した。一方、平均セル数が50個/25mm未満の比較例1及び比較例2では、トナーの掻き取り性及び画像濃度差が低下する結果となった。また、平均セル数が80個/25mmを越える比較例3では、セット跡、画像濃度差及び目詰まりについていずれも不良であり、トナーの掻き取り性及び供給性についても低い結果であった。
尚、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 平均セル数に代えて、平均セル径を用いてトナー供給ロール用としての使用可能性を評価することもできる。
・ ポリオール類であるポリエーテルポリオールとして分子量の大きいものを使用し、ポリオール類の粘性を高めるように構成することもできる。
・ 湿熱歪(%)に代えて、圧縮残留歪(%)等を用いてトナー供給ロール用としての使用可能性を評価することもできる。
・ イソシアネートインデックスを高くしたり、発泡剤としての水の量を減少させたり、架橋剤を併用したりして発泡体が硬くなるように構成することもできる

Claims (8)

  1. ポリオール類、ポリイソシアネート類、発泡剤及び触媒を混合してポリウレタン発泡体の原料を調製し、発泡容器内で反応させるとともにスラブ発泡させた後、硬化させて製造した画像形成装置の現像部でトナーを感光体に供給するために用いられるトナー供給ロール用ポリウレタン発泡体の製造方法であって、
    前記ポリオール類には少なくともポリマーポリオールをポリオール類100質量部当たり20質量部以上含有し、かつポリオール類の動粘度が25℃で600〜6000mPa・secとなるように設定し、当該ポリオール類と前記ポリイソシアネート類とをワンショット法にて直接反応させることにより、JIS K6400に基づく発泡体の平均セル数が50〜80個/25mmの範囲に形成され、JIS K6400に基づく発泡体の硬さが170〜300Nの範囲に形成されることを特徴とするトナー供給ロール用ポリウレタン発泡体の製造方法。
  2. 前記ポリマーポリオールの平均粒子径は50μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のトナー供給ロール用ポリウレタン発泡体の製造方法
  3. 前記ポリマーポリオール中の固形分量がポリオール類100質量部当たり7〜50質量部であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトナー供給ロール用ポリウレタン発泡体の製造方法
  4. 前記ポリマーポリオールの数平均分子量は1000〜7000であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のトナー供給ロール用ポリウレタン発泡体の製造方法。
  5. 前記発泡剤として水の配合量がポリオール類100質量部に対して1〜5質量部であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のトナー供給ロール用ポリウレタン発泡体の製造方法。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の製造方法により製造されたトナー供給ロール用ポリウレタン発泡体であって、
    JIS K6400に基づく発泡体の反発弾性が30〜60%であることを特徴とするトナー供給ロール用ポリウレタン発泡体。
  7. JIS K6400に基づく発泡体の密度が50〜80kg/m であることを特徴とする請求項6に記載のトナー供給ロール用ポリウレタン発泡体。
  8. 温度70℃、湿度95%で48時間後の湿熱歪が3〜20%であることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のトナー供給ロール用ポリウレタン発泡体。
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