JPH11199643A - 導電性ウレタン樹脂の製造方法 - Google Patents

導電性ウレタン樹脂の製造方法

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JPH11199643A
JPH11199643A JP10003326A JP332698A JPH11199643A JP H11199643 A JPH11199643 A JP H11199643A JP 10003326 A JP10003326 A JP 10003326A JP 332698 A JP332698 A JP 332698A JP H11199643 A JPH11199643 A JP H11199643A
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JP
Japan
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urethane resin
polyol
producing
compound
conductive urethane
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JP10003326A
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Satoshi Hayano
敏 早野
Shuichi Kaneda
修一 金田
Shunichi Iizuka
俊一 飯塚
Hitoshi Saito
仁 斎藤
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Adeka Corp
Original Assignee
Asahi Denka Kogyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性が良好で、しかも、使用環境が変化し
ても導電性の変化が少ない導電性ウレタン樹脂を製造す
る方法を提供すること。 【解決手段】 本発明は、少なくとも2個の活性水素を
有する化合物とポリイソシアネート化合物とを、下記
〔化1〕の一般式(I)で表される第四級アンモニウム
塩化合物の存在下に反応させてウレタン樹脂を製造する
に際し、上記の少なくとも2個の活性水素を有する化合
物として、ポリエーテルポリオールおよび炭素原子数2
0〜1000の脂肪族および/または脂環族炭化水素鎖
を有する疎水性ポリオールを用いたことを特徴とする導
電性ウレタン樹脂の製造方法である。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性ウレタン樹
脂の製造方法に関し、特に、柔軟で寸法安定性が良好で
あり、かつ、使用環境が変化しても特性の変化の少ない
導電性ウレタン樹脂の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】導電
性ウレタン樹脂は、電子遮蔽剤、電子部品の梱包剤等に
利用されており、また、最近では、電子写真、静電記録
等のプリンターにおけるトナー搬送用ローラー、現像ロ
ーラー、転写ローラー、クリーニングローラー等の静電
気的に被接触物をコントロールするローラー用素材とし
ても用いられている。
【0003】これらの用途においては、導電性に優れる
ことは当然として、その他に、柔軟で寸法安定性の良好
なことが必要とされる。特に、電子写真複写機における
トナーローラー等は、感光体に対してトナーを加圧する
際に感光体を傷つけないように、低硬度であり圧縮歪み
が少ないことが要求されるため、主として、水、低沸点
化合物、不活性ガス等を発泡剤として用い、必要に応じ
て、機械的攪拌によって発泡させた発泡体(ポリウレタ
ンフォーム)として用いられている。
【0004】ウレタン樹脂に導電性材料を添加して導電
性を付与することは周知であり、ウレタン樹脂を製造す
る際に用いられる活性水素化合物、ポリイソシアネート
化合物、あるいはこれらから製造されるプレポリマー、
触媒等の配合液中に導電性カーボン等の導電性材料を混
合した後に反応させることによって導電性ウレタン樹脂
を製造することが提案されている。
【0005】例えば、特開平3−187732号公報に
はポリエステルポリオール等のポリオール化合物に導電
性カーボンを混合し、ワンショット法でポリイソシアネ
ート化合物と反応させる方法が提案され、特開昭55−
41609号公報および特開平2−228357号公報
には、特定の組成のポリオキシエチレン系ポリエーテル
ポリオールを用いたウレタンプレポリマー、炭素粒子を
含有する水性反応剤および交叉結合剤を反応させる方法
が提案され、特開平5−262907号公報には、電子
伝導機構による導電性材料およびイオン伝導機構による
導電性材料をポリオール化合物、ポリイソシアネート化
合物および触媒等の配合液に加え反応させる方法が提案
され、特開平6−279564号公報には、アクリル酸
エステルをグラフト重合させたカーボンを用いる方法が
提案されているが、これらの公報で用いられている導電
性カーボンあるいは無機塩化合物等の導電性材料は導電
性の改善効果が小さく多量に配合する必要があるが、こ
れらを多量に配合した場合には配合液の粘度が大きくな
り、均一な分散が難しい欠点があった。
【0006】また、特開平7−166052号公報、特
開平7−166053号公報および特開平8−1137
03号公報には、第四級アンモニウム塩化合物を導電性
材料として用いることが提案されており、これらの第四
級アンモニウム塩化合物は比較的少量の添加で効果を奏
するため、無機系の導電性材料を用いた場合に見られる
ような欠点はないが、温度、湿度等の使用環境の変化に
伴う導電性の変化(環境依存性)が大きいため、安定し
た品質の製品を得ることが困難であった。
【0007】従って、本発明の目的は、導電性が良好
で、しかも、使用環境が変化しても導電性の変化が少な
い導電性ウレタン樹脂を製造する方法を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、導電性を付与する導電材料としては第四
級アンモニウム塩化合物が好ましいこと、ポリウレタン
樹脂を製造するために用いられるポリオールとして親水
性のポリエーテルポリオールを用いることによって導電
性を向上させることができること、および環境依存性は
ポリウレタン樹脂を製造するために用いられるポリオー
ルの種類によって大きく影響を受け、ポリオールとして
親水性のポリエーテルポリオールを用いた場合には環境
依存性が大きいことを知見した。本発明者らは、この知
見に基づいて更に検討を重ねた結果、ポリウレタン樹脂
を製造する際に用いられるポリオールとして、親水性の
ポリエーテルポリオールおよび疎水性のポリオールを併
用することによって、上記目的を達成し得ることを知見
した。
【0009】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、少なくとも2個の活性水素を有する化合物とポリイ
ソシアネート化合物とを、下記〔化2〕(前記〔化1〕
と同じ)の一般式(I)で表される第四級アンモニウム
塩化合物の存在下に反応させてウレタン樹脂を製造する
に際し、上記の少なくとも2個の活性水素を有する化合
物として、ポリエーテルポリオールおよび炭素原子数2
0〜1000の脂肪族および/または脂環族炭化水素鎖
を有する疎水性ポリオールを用いたことを特徴とする導
電性ウレタン樹脂の製造方法を提供するものである。
【0010】
【化2】
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の導電性ウレタン樹
脂の製造方法について詳細に説明する。
【0012】本発明に用いられる少なくとも2個の活性
水素を有する化合物(以下、「活性水素化合物」ともい
う)としてのポリエーテルポリオールおよび疎水性ポリ
オールは、ポリオール1分子当たりの水酸基の数が2以
上であれば特に制限はないが、通常は2〜6のものが好
ましく、また、全ポリオールの平均値が2.0〜4.0
となるように用いることが好ましい。平均水酸基数が
4.0を超える場合には架橋度が上がりすぎて、発泡倍
率が低下したり柔軟性が低下して良好な製品を得ること
が困難となるからである。
【0013】本発明に用いられる上記ポリエーテルポリ
オールとしては、例えば、出発物質として、水、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタン
ジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、3−メチルペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、水添ビスフェノールA、ビスフェノール
A、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物、グ
リセリン、トリメチロールエタン、トリメチチロールプ
ロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリ
スリトール、テトラメチロールシクロヘキサノール、マ
ンニトール、シュクロース、ソルビトール、アンモニ
ア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、エチ
レンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等のアルキレ
ンオキサイドを付加しえる活性水素含有化合物を用い、
これにエチレンオキシド、プロピレンオキシド等の低級
アルキレンオキシドを単独でもしくは併用して付加した
高分子量のポリエーテルポリオールがあげられ、これら
は一種のみを使用することも、二種以上を組み合わせて
使用することができる。また、複数のアルキレンオキシ
ドの共付加物を使用する場合には、ブロック付加物でも
ランダム付加物であってもよい。
【0014】このポリエーテルポリオールは、平均分子
量が500〜10000のもの、特に800〜8000
のものが好ましく、平均分子量が500未満のものは導
電性および柔軟性が不十分となり、また、10000を
超えると粘度が増大し、流動性が低下することがあるの
で好ましくない。
【0015】また、本発明に用いられる上記疎水性ポリ
オールは炭素原子数20〜1000、特に30〜500
の脂肪族および/または脂環族鎖を有し、かつ、分子中
に2個以上の水酸基を有するものであれば特に制限を受
けず、炭素原子数20未満の場合は環境依存性の改善効
果が不十分であり、また、1000を超える場合は粘度
が高くなり流動性が低下する。
【0016】これらの疎水性ポリオールとしては、例え
ば、炭素原子数18の不飽和脂肪酸の二量体であるダイ
マー酸を水添して得られる炭素原子数36の脂肪族およ
び/または脂環族鎖を有するダイマージオール、三量体
であるトリマー酸を水添して得られる炭素原子数54の
脂肪族および/または脂環族鎖を有するトリマートリオ
ール、両末端に水酸基を有するポリブタジエンジオー
ル、ポリオレフィンジオールあるいはこれらと多価カル
ボン酸から得られるポリエステルポリオールおよびダイ
マー酸または水添ダイマー酸と前記ポリエーテルポリオ
ールを製造するために出発物質として用いられる低分子
量ポリオールから得られるポリエステルポリオール等が
あげられ、特に、ダイマージオール、ポリブタジエンジ
オール、ポリオレフィンジオールまたはダイマー酸また
は水添ダイマー酸と低分子量ポリオールから得られるポ
リエステルポリオールを用いた場合に、環境依存性の改
善効果が大きいので好ましい。
【0017】また、ポリエーテルポリオールと疎水性ポ
リオールとの使用比率は、ポリエーテルポリオール10
0重量部に対して疎水性ポリオールが3〜50重量部、
特に、5〜40重量部であることが好ましく、疎水性ポ
リオールが3重量部未満の場合は環境依存性の改善効果
が不十分となり、また、50重量部を超えるとポリエー
テルポリオールの量が少なくなりすぎるため良好な導電
性を得ることが難しくなる。
【0018】また、上記ポリエーテルポリオールおよび
上記疎水性ポリオールとともに、本発明の目的を損なわ
ない範囲(通常全活性水素化合物の20重量%以下)
で、低分子量ポリオール、その他のポリエステルポリオ
ール、ポリアミン化合物等の活性水素化合物を用いるこ
とができる。
【0019】次に、本発明に使用されるポリイソシアネ
ート化合物としては、脂肪族、脂環族および芳香族ポリ
イソシアネートがあげられ、具体的には、2,4−トリ
レンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネ
ート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、
2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,
2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニ
レンポリメチレンポリイソシアネート、1,6−ヘキサ
メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘ
キサメチレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソ
シアネート、4,4’−ジシクロメタンジイソシアネー
ト、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、m
−キシリレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシ
アネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,
4−シクロヘキサンジイソシアネート、リジンジイソシ
アネートなどがあげられ、また、これらのポリイソシア
ネートは、過少当量の低分子量多価アルコールと反応さ
せて得られるウレタン変成品であってもよく、また、一
価フェノール、一価アルコール等と反応させたブロック
化イソシアネートであってもよい。
【0020】また、前記活性水素化合物と上記ポリイソ
シアネート化合物とは、イソシアネート基/活性水素=
1.0〜1.4(当量比)となるような使用比率で用い
ることが好ましい。該使用比率がこの範囲外の場合には
得られた成形品の物性が不十分となるため好ましくな
い。
【0021】本発明に使用される前記一般式(I)で表
される第四級アンモニウム塩化合物において、R1 、R
2 、R3 、R4 、R5 およびR6 で表される炭素原子数
1〜18のアルキル基としては、メチル、エチル、プロ
ピル、n−ブチル、第二ブチル、アミル、ヘキシル、ヘ
プチル、n−オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキ
シル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシ
ル、オクタデシル等があげられ、アルケニル基として
は、ビニル、アリル、オレイル等があげられ、R7で表
される炭素原子数1〜6のアルキレン基としては、メチ
レン、1,2−エチレン、1,2−プロピレン、1,3
−プロピレン、1,4−ブチレン、1,6−ヘキシレン
等があげられる。
【0022】また、X- で表される1価のアニオンとし
ては、過塩素酸アニオン、ハロゲンアニオン、チオシア
ン酸アニオン、メチル硫酸アニオン、トシレートアニオ
ン、トリフレートアニオン、メシレートアニオン等があ
げられ、過塩素酸アニオンを用いた化合物が導電性の改
善効果が大きいので好ましい。
【0023】従って、本発明で用いられる前記一般式
(I)で表される第四級アンモニウム塩化合物として
は、上記アニオンからのジメチル・n−ブチル・ヒドロ
キシエチルアンモニウム塩、ジメチル・2−エチルヘキ
シル・ヒドロキシエチルアンモニウム塩、ジメチル・n
−オクチル・ヒドロキシエチルアンモニウム塩、ジメチ
ル・n−デシル・ヒドロキシエチルアンモニウム塩、ジ
メチル・n−ドデシル・ヒドロキシエチルアンモニウム
塩、ジメチル・n−オクタデシル・ヒドロキシエチルア
ンモニウム塩、メチル・n−オクタデシル・ビスヒドロ
キシエチルアンモニウム塩、ジメチル・ドデカノイルア
ミノプロピル・ヒドロキシエチルアンモニウム塩、ジメ
チル・オクタデカノイルアミノプロピル・ヒドロキシエ
チルアンモニウム塩、ジメチル・オレオイルアミノプロ
ピル・ヒドロキシエチルアンモニウム塩、トリメチル・
n−ドデシルアンモニウム塩、トリメチル・n−オクタ
デシルアンモニウム塩、トリメチル・オクタノイルアミ
ノエチルアンモニウム塩、トリメチル・ドデカノイルア
ミノプロピルアンモニウム塩、トリメチル・n−メチル
ドデカノイルアミノプロピルアンモニウム塩等があげら
れ、これらの化合物の中でも、R2 、R3 およびR4
少なくとも1個がヒドロキシエチルである化合物が長期
間に渡って良好な導電性を保持するので好ましい。
【0024】これらの第四級アンモニウム塩化合物の使
用量は、目的とする導電性の程度に応じて適宜変更する
ことができるが、一般的には、ウレタン樹脂を形成する
上記活性水素化合物および上記ポリイソシアネート化合
物の合計量100重量部に対して、0.01〜15重量
部、好ましくは0.1〜10重量部が用いられる。該使
用量が0.01重量部未満では導電性が不十分となる場
合が多く、また、15重量部を超えて用いることは通常
不必要であり、また、ウレタン樹脂の物性が低下するお
それがあるので好ましくない。
【0025】上記第四級アンモニウム塩化合物は、予め
活性水素化合物またはポリイソシアネートに配合して用
いることも、あるいは、活性水素化合物とポリイソシア
ネートとを反応させるときに添加してもよい。また、上
記第四級アンモニウム塩化合物は必要に応じて溶媒に溶
解して添加することができ、該溶媒としては炭化水素系
溶媒、エステル系溶媒等を任意に使用できる。
【0026】また、上記第四級アンモニウム塩化合物と
ともに、必要に応じて周知の導電性材料を併用すること
もでき、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラ
ック、サーマルブラック、アセチレンブラック、カラー
ブラック、グラファイト粉末等の導電性カーボン粉末ま
たはそれらの単繊維;銅、ニッケル、銀等の導電性金属
粉末またはそれらの単繊維;酸化錫、酸化インジウム等
の金属酸化物;二酸化チタン、ガラスビーズ等の各種の
フィラーに導電性金属または金属酸化物を塗布またはメ
ッキして導電性を付与したもの;ポリアセチレン、ポリ
ピロール等の導電性ポリマー;三フッ化メチルホスホン
酸、過塩素酸、チオシアン酸等の無機酸のアルカリ金属
塩またはアンモニウム塩などの一種または二種以上を併
用することができる。
【0027】これらの他の導電性材料の中でも、特に、
過塩素酸のアルカリ金属塩(リチウム、ナトリウム、カ
リウム塩)を、本発明に係る上記第四級アンモニウム塩
化合物と共に添加することによって導電性をさらに改善
し、また、環境依存性を向上させることができる。
【0028】これらの他の導電性物質の使用量は、目的
とする導電性の程度に応じて適宜変更することができる
が、一般的には、ウレタン樹脂を形成する上記活性水素
化合物および上記ポリイソシアネート化合物の合計量1
00重量部に対して、0.01〜15重量部、好ましく
は0.1〜10重量部が用いられる。該使用量が0.0
1重量部未満では添加した効果がほとんどなく、また、
15重量部を超えて用いることは通常不必要であり、ま
た、ウレタン樹脂の物性が低下するおそれがあるので好
ましくない。
【0029】本発明に係る導電性ウレタン樹脂をロール
として使用する場合は、密着性を改善するために、通常
はフォーム(発泡体)として使用されるが、フォームを
形成させる方法としては、フロンまたは代替フロン、ペ
ンタンなどの低沸点溶媒を用いて発泡させる方法、空
気、窒素、炭酸ガス等の不活性ガスを吹き込みまたは吹
き込まずに機械的攪拌によって発泡させる方法、水を発
泡剤として添加して水とイソシアネート基の反応により
生じる炭酸ガスによって発泡させる方法およびこれらを
組み合わせた方法があげられるが、安全性、環境に及ぼ
す影響、発泡の均一性などを考慮して、水を発泡剤とし
て用い、必要に応じて他の発泡剤を用いたり、機械的攪
拌を併用することが好ましい。
【0030】水を発泡剤として用いる場合、その使用量
は目的とする発泡の程度に応じて適宜変更することがで
きるが、通常は活性水素化合物およびポリイソシアネー
ト化合物の合計量100重量部に対して0.01〜5重
量部、好ましくは0.1〜3重量部であり、水の使用量
が0.01重量部未満では発泡が不十分となる場合が多
く、5重量部を超えて用いると気泡が不均一となった
り、密度が小さくなりすぎて硬度が低くなりすぎる場合
が多い。
【0031】また、本発明に係る導電性ウレタン樹脂を
製造する際に、触媒として、N,N−ジメチルシクロヘ
キシルアミン、N,N−ジシクロヘキシルメチルアミ
ン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミ
ン、ピリジン、N−メチルモルホリン、テトラメチルエ
チレンジアミン、トリエチレンジアミン等の有機アミン
化合物;ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫酸化
物、第一錫オクトエート等の錫化合物;カリウムアセテ
ート、重炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム等の金属化合
物を用いることができる。
【0032】その他、本発明に係る導電性ウレタン樹脂
を製造する際に、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、難燃剤、着色剤、充填剤、シリコーン系整泡剤、
可塑剤、ワックス類等の慣用の添加物を配合することが
できる。
【0033】本発明に係る導電性ウレタン樹脂は、活性
水素化合物とポリイソシアネート化合物とを第四級アン
モニウム塩化合物の存在下に反応させることによって製
造され、反応は、全反応成分を一括して反応させるワン
ショット法あるいは先ず活性水素化合物とポリイソシア
ネート化合物とを反応させて末端にイソシアネート基を
有するプレポリマーを製造し、次いで、このプレポリマ
ーと低分子量活性水素化合物を反応させるプレポリマー
法のいずれでもよいが、操作の簡便性、注型の容易さな
どの観点から、ワンショット法で行うことが好ましい。
【0034】本発明の製造方法により得られる導電性ウ
レタン樹脂は、導電性が良好であるので、導電性塗料、
導電性接着剤、導電性フィルム等の導電性の要求される
各種の用途に使用することができるが、特に、環境によ
る導電性の変化が少ないという利点を有していることか
ら、電子写真、静電記録等のプリンターにおけるロール
用素材として好適に使用することができる。
【0035】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳細に説
明するが、本発明は下記の実施例によって制限されるも
のではない。
【0036】尚、以下の各実施例および参考例において
は、ポリオールとして下記のものを用いた。
【0037】PO−1:グリセリンにエチレンオキシド
とプロピレンオキシドを7/3の比率(重量比)でラン
ダム付加した分子量5000のポリエーテルポリオール
【0038】PO−2:グリセリンにエチレンオキシド
とプロピレンオキシドを8/2の比率(重量比)でラン
ダム付加した分子量6000のポリエーテルポリオール
【0039】PO−3:プロピレングリコールにエチレ
ンオキシドとプロピレンオキシドを7/3の比率(重量
比)でランダム付加した分子量1000のポリエーテル
ポリオール
【0040】PO−4:プロピレングリコールにエチレ
ンオキシドとプロピレンオキシドを5/5の比率(重量
比)でランダム付加した分子量2000のポリエーテル
ポリオール
【0041】PO−5:アジピン酸と3−メチルペンタ
ンジオールから得られる分子量2000のポリエステル
ポリオール
【0042】POB−1:ダイマー酸と3−メチルペン
タンジオールから得られる分子量2000のポリエステ
ルポリオール
【0043】POB−2:ダイマー酸と1,4−ブタン
ジオールから得られる分子量2000のポリエステルポ
リオール
【0044】POB−3:ダイマージオール(分子量5
37)
【0045】POB−4:ポリオレフィンジオール(分
子量2000、三菱化成工業製ポリテールHA)
【0046】実施例1〜7および参考例1 下記〔表1〕に示す種類及び量の活性水素化合物として
のポリオールに対し、1,4−ブタンジオール3重量
部、水0.4重量部、N,N,N’,N’−テトラメチ
ルヘキサメチレンジアミン0.8重量部、ジブチルスズ
ジラウレート0.01重量部、シリコン系界面活性剤
(日本ユニカ社製L−5302)1.5重量部、ジメチ
ル・n−オクチル・ヒドロキシエチルアンモニウムパー
クロレート6重量部および過塩素酸リチウム2重量部を
加えて十分に混合してポリオール組成物を調製した。こ
こに、NCO含有量23%のウレタン変成したジフェニ
ルメタンジイソシアネート(M−MDI)を下記〔表
1〕に示す量加え、激しく撹拌した後、速やかに芯材を
インサートした金型へ注入し、60〜70℃で15分間
硬化させて発泡ロール状の試料を作成した。
【0047】このロール状の試料について、フォームの
密度(g/cm3)を測定するとともにフォームの状態を目視
で判定し、均一で緻密なフォームが生成しているものを
異常なしとした。また、温度15℃、湿度10%(条件
L)、温度25℃、湿度50%(条件M)および温度3
3℃、湿度90%(条件H)の各条件下における導電性
を測定し、条件Lと条件Hとの比率(条件L/条件H)
を環境依存性として評価した。それらの結果を下記〔表
1〕に示す。尚、環境依存性は小さければ小さいほど好
ましいが、実用上は環境依存性が50倍以下、好ましく
は30倍以下となることが望まれている。
【0048】
【表1】
【0049】実施例8〜14および参考例2 ポリオール(PO−1)87重量部、ポリオール(PO
−3)17重量部、ポリオール(POB−1)10重量
部、1,4−ブタンジオール3重量部、水0.4重量
部、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレン
ジアミン0.8重量部、ジブチルスズジラウレート0.
01重量部、シリコン系界面活性剤(日本ユニカ社製L
−5302)1.5重量部および下記〔表2〕に示す種
類及び量の第四級アンモニウム塩化合物および/または
他の導電性材料をとり、十分に混合してポリオール組成
物を調製した。ここに、NCO含有量23%のウレタン
変成したジフェニルメタンジイソシアネート45重量部
を加え、激しく撹拌した後、速やかに芯材をインサート
した金型へ注入し、60〜70℃で15分間硬化させて
ロール状の試料を作成した。
【0050】このロール状の試料を用いて、実施例1〜
7と同様にして、密度、フォーム状態、導電性および環
境依存性を評価した。それらの結果を下記〔表2〕に示
す。
【0051】
【表2】
【0052】上記の結果から明らかなように、本発明の
製造方法(実施例1〜14)により製造された導電性ウ
レタン樹脂は、導電性が良好であり、特に、環境の変化
による導電性の変化が著しく少ない特徴を有しているこ
とが判る。
【0053】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、環境変化に
よる導電性の変化の少ない導電性ウレタン樹脂を製造す
ることができる。本発明の製造方法により得られた導電
性ウレタン樹脂は、電子写真、静電記録等のプリンター
におけるロール用素材として有用である。
フロントページの続き (72)発明者 斎藤 仁 埼玉県南埼玉郡菖蒲町昭和沼20番地 旭電 化工業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2個の活性水素を有する化合
    物とポリイソシアネート化合物とを、下記〔化1〕の一
    般式(I)で表される第四級アンモニウム塩化合物の存
    在下に反応させてウレタン樹脂を製造するに際し、上記
    の少なくとも2個の活性水素を有する化合物として、ポ
    リエーテルポリオールおよび炭素原子数20〜1000
    の脂肪族および/または脂環族炭化水素鎖を有する疎水
    性ポリオールを用いたことを特徴とする導電性ウレタン
    樹脂の製造方法。 【化1】
  2. 【請求項2】 上記一般式(I)におけるX- が、過塩
    素酸アニオンである請求項1記載の導電性ウレタン樹脂
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記一般式(I)におけるR2 、R3
    よびR4 の少なくとも一つがヒドロキシエチル基である
    請求項1または2記載の導電性ウレタン樹脂の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 上記第四級アンモニウム塩化合物の添加
    量が、上記の少なくとも2個の活性水素を有する化合物
    と上記ポリイソシアネート化合物との合計量100重量
    部に対して0.01〜15重量部である請求項1〜3の
    何れかに記載の導電性ウレタン樹脂の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記疎水性ポリオールが、炭素原子数3
    0〜500の脂肪族および/または脂環族炭化水素鎖を
    有するポリオールである請求項1〜4の何れかに記載の
    導電性ウレタン樹脂の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記疎水性ポリオールが、ダイマージオ
    ール、ポリオレフィンジオールまたはポリブタジエンジ
    オールである請求項5記載の導電性ウレタン樹脂の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 上記疎水性ポリオールが、ダイマー酸ま
    たは水添ダイマー酸と低分子量ポリオールとから得られ
    るポリエステルポリオールである請求項5記載の導電性
    ウレタン樹脂の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記疎水性ポリオールの使用比率が、ポ
    リエーテルポリオール100重量部に対して3〜50重
    量部である請求項1〜7の何れかに記載の導電性ウレタ
    ン樹脂の製造方法。
  9. 【請求項9】 導電性ウレタン樹脂が、発泡体であるこ
    とを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の導電性ウ
    レタン樹脂の製造方法。
  10. 【請求項10】 発泡剤として水を存在させて発泡させ
    ることにより得られることを特徴とする請求項9記載の
    導電性ウレタン樹脂の製造方法。
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