JP5308614B2 - エレベータ監視システムおよびエレベータ監視装置 - Google Patents

エレベータ監視システムおよびエレベータ監視装置 Download PDF

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Description

本発明は、エレベータの保守点検に関わる情報の送受信を行なうエレベータ監視システムおよびエレベータ監視装置に関する。
従来、エレベータを保守点検する作業員は一般には一日のうちに複数の現場を巡回して各現場での保守点検作業を行っている。保守点検作業はあらかじめスケジュール化されており、作業員が所定の巡回順路を所定の時間間隔で移動するように管理されているのが普通である。
このような管理を行なうために作業員は現場での作業開始時に監視センタに電話をかけ、氏名、作業する現場の情報およびこの現場での作業を開始する旨を伝達する。作業する現場の情報とは例えばエレベータの設置建物の住所や当該建物の名称などである。この建物の構内に複数のエレベータが設置されている場合には作業員はエレベータ号機の情報もあわせて監視センタに伝達する。
すると監視センタのオペレータは電話での伝達事項(作業員の氏名、保守点検作業を開始した箇所およびこの箇所で保守点検作業を開始した事)を記録する。
このような伝達手順および監視センタでの記録手順は保守点検作業の終了時にも行なわれ、また他の巡回先での保守点検作業の開始および終了時にも行なわれる。
また、前述したような作業員の動静を監視センタ側で把握する技術として、例えば特許文献1に開示されるように、GPSレシーバを作業員が携帯し、このGPSレシーバが得た現在位置情報を監視センタに送信するものがある。
特開平9−107410号公報
しかし保守点検作業に関する前述したような管理方法では現場の作業員が各現場での作業ごとに監視センタに電話連絡を行なわなければならない。エレベータでは制御盤の動作停止時にこれを示す情報を含む信号、いわゆる停止通知信号を監視センタ側に送信する機能を有する。動作停止には作業員による保守点検作業のための停止およびエレベータの機器異常による動作停止がある。
したがって監視センタで停止通知信号を受信し、かつ作業員から監視センタに対する電話連絡が無い場合にはオペレータは停止信号が保守点検作業のために送信されたのかエレベータの異常により送信されたかを判断するために停止信号の送信元のエレベータの点検作業のスケジュールを把握しなけれならない。
また、前述した特許文献1に開示されたような手法では作業員の現在位置の情報を監視センタ側で知ることはできるが、この位置でのエレベータの保守点検作業の状況を監視センタ側で把握することはできない。
そこで、本発明の目的は、保守点検対象のエレベータでの当該保守点検作業に関わる情報を容易に得ることが可能になるエレベータ監視システムおよびエレベータ監視装置を提供することにある。
すなわち、本発明に係わるエレベータ監視システムは、携帯通信端末装置およびエレベータ監視装置を有するシステムであって、携帯通信端末装置は保守管理対象のエレベータの設置箇所に設けられたエレベータの設置箇所を特定する情報を含む二次元コードを読み取り、この読み取った二次元コードを復号して送信し、エレベータ監視装置は携帯通信端末装置により送信された情報を受信し、保守管理対象の少なくとも1台のエレベータの設置箇所を特定する情報と、この箇所に設置されるエレベータの保守点検作業状況の種別を示す作業開始前、作業中および作業終了のいずれかの作業情報とを対応付けて記憶する作業情報記憶手段を備え、受信したエレベータの設置箇所を特定する情報と作業情報記憶手段に記憶される情報とを照合することで、受信した情報の送信元に設置されるエレベータの作業情報を検索し、検索した作業情報を現在の保守点検作業状況を示す情報に書き換え、書き換えた作業情報およびこの受信した情報を地図情報とあわせて表示することを特徴とする。
本発明によれば、携帯通信端末装置により送信された情報を受信し、この受信した情報に含まれるエレベータの設置箇所を特定する情報およびこの箇所に設置されるエレベータの保守点検作業状況の種別を示す作業開始前、作業中および作業終了のいずれかの作業情報を地図情報とあわせて表示するので保守点検対象のエレベータでの当該保守点検作業に関わる情報を容易に出力することができる。
以下図面により本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態にしたがった保守点検対象のエレベータの一例を示す図である。
図1に示すように、保守点検対象のエレベータが複数台設置される建物1には1号機エレベータ昇降路2a、2号機エレベータ昇降路2bおよび3号機エレベータ昇降路2cが設けられる。1号機エレベータ昇降路2aでは1号機エレベータ乗りかご3aが昇降する。2号機エレベータ昇降路2bでは2号機エレベータ乗りかご3bが昇降する。また、3号機エレベータ昇降路2cでは3号機エレベータ乗りかご3cが昇降する。
図2は、本発明の実施形態にしたがったエレベータ監視システムの構成例を示す図である。
図3は、本発明の実施形態にしたがった保守点検対象のエレベータの乗りかごに貼付される二次元コードシール33に印刷される二次元コードの具体例を示す図である。
図2に示すように、1号機エレベータ乗りかご3a(図1参照)の内部のかごドア31の近傍にはかご内操作盤32が設けられる。かご内操作盤32の例えば下部には二次元コードシール33が貼付される。二次元コードシール33には二次元コードが印刷される。
図3に概略的に示すように、二次元コードはマトリックス状に形成され、“0”および“1”のいずれかに数値化した情報のそれぞれの数値が二次元コードの各ドットの濃淡(白または黒)に対応付けられたものである。二次元コードは縦方向および横方向の情報を有するので、例えば商品管理などに用いられる線状バーコード(一次元コード)と比較して記録できる情報量が格段に多い。このような二次元コードとしては例えばQRコード(登録商標)などが広く知られている。
二次元コードシール33に印刷された二次元コードには印刷対象の二次元コードシール33の貼付箇所に対応したエレベータが設置される建物の住所、この住所の緯度経度およびエレベータ号機の情報が含まれる。また、二次元コード化されたこれらの情報が文字情報など視覚的に認識できる状態で二次元コードに隣接して印刷されていてもよい。
二次元コードシール33は乗りかご3bや乗りかご3c内にも貼付される。具体的には乗りかご3b内に貼付された二次元コードシール33に印刷された二次元コードでは乗りかご3bが属するエレベータの設置箇所に対応する建物の住所、この住所の緯度経度および当該エレベータのエレベータ号機の情報が示される。
また、乗りかご3c内に貼付された二次元コードシール33に印刷された二次元コードでは乗りかご3cが属するエレベータの設置箇所に対応する建物の住所、この住所の緯度経度および当該エレベータのエレベータ号機の情報が示される。
携帯電話4はエレベータの点検作業員が所持し、かつ保守点検作業時に携行する携帯通信端末装置であり、二次元コードシール33を画像情報として入力する機能を有する。センタ装置5はエレベータ監視センタに設けられる監視装置である。携帯電話4は二次元コードシール33に印刷された二次元コードで示される情報を復号し、この復号した情報を無線によりセンタ装置5に送信する。
二次元コードシール33の貼付箇所は、この二次元コードシール33に印刷される二次元コードで示されるエレベータ号機と対応し、携帯電話4が入力することのできる箇所であれば乗りかご内に限らず例えば機械室内の機器であってもよい。
センタ装置5は携帯電話4から前述のように送信された情報を地図情報とあわせてモニタ表示する。
また、図2に示すように1号機エレベータには1号機エレベータ用のエレベータ制御盤34および通信装置35が設けられる。エレベータ制御盤34は通信装置35と接続される。通信装置35はセンタ装置5との間で有線通信を行なう。エレベータ制御盤34および通信装置35は2号機エレベータおよび3号機エレベータについても設けられる。
図4は、本発明の実施形態にしたがったエレベータ監視システムにおける携帯電話4の内部回路の構成例を示すブロック図である。なお、音声通話に関する回路の構成については説明を省略する。
図4に示すように、点検作業員が携行する携帯電話4は制御部41、記憶部42、通信インタフェース43、アンテナ44、入力部45、表示部46および撮影装置47を備える。制御部41は記憶部42、入力部45、表示部46および撮影装置47と接続される。また、制御部41は通信インタフェース43を介してアンテナ44と接続される。
制御部41は携帯電話4の全体の制御を司る。記憶部42は制御部41による制御用のプログラムを記憶する。また、記憶部42は携帯電話4に固有に対応付けられる識別番号、例えば製造番号などからなる端末ナンバを記憶する。通信インタフェース43はセンタ装置5との無線通信を行なう。
撮影装置47は撮像光学系を二次元コードシール33に向け、かつ入力部45に対する予め定められた操作がなされた場合に当該二次元コードシール33に印刷された二次元コードを入力し、この入力によって得た画像を制御部41に出力する。
制御部41はこの出力された画像に対する復号処理を行ない、この復号した情報を通信インタフェース43を介してセンタ装置5に送信する。
図5は、本発明の実施形態にしたがったエレベータ監視システムにおけるセンタ装置5の内部回路の構成例を示すブロック図である。
図5に示すように、保守点検対象のエレベータのセンタ装置5は制御部51、記憶部52、通信インタフェース53、アンテナ54、入力部55および表示部56を備える。制御部51は記憶部52、入力部55および表示部56と接続される。また、制御部51は通信インタフェース53を介してアンテナ54と接続される。
制御部51はセンタ装置5の全体の制御を司る。制御部51は計時機能を有する。記憶部52は制御部51による制御用のプログラムを記憶する。また、記憶部52は保守管理対象のエレベータの設置箇所およびその周囲の地図情報を記憶する。通信インタフェース53は携帯電話4との無線通信を行なう。また、通信インタフェース53は図2に示した通信装置35との間で有線通信を行なう。通信インタフェース53と通信装置35との間では無線通信を行なってもよい。
図6は、本発明の実施形態にしたがったエレベータ監視システムにおけるセンタ装置5の記憶部52に記憶される作業情報テーブルの一例を表形式で示す図である。
センタ装置5の記憶部52は前述した制御プログラムとは別に図6に示したような形式の作業情報テーブルをさらに記憶する。この作業情報テーブルでは保守管理対象の各エレベータの設置建物の住所の情報、この住所の緯度経度情報、この設置されるエレベータの号機の情報および作業ステータスの情報が対応付けられて管理される。作業ステータスとは作業情報テーブル上で対応付けられる号機のエレベータ保守点検作業の状況の種別示す情報である。
作業ステータスで示される保守点検作業の状況の種別は“作業中”、“作業終了”および“作業開始前”の3種類である。“作業中”とは作業情報テーブル上で対応付けられる号機のエレベータが保守点検作業中であることを示す。“作業終了”とは作業情報テーブル上で対応付けられる号機のエレベータの保守点検作業が終了したことを示す。“作業開始前”とは作業情報テーブル上で対応付けられる号機のエレベータの保守点検作業が開始されていないことを示す。
図7は、本発明の実施形態にしたがったエレベータ監視システムにおけるセンタ装置5の記憶部52に記憶される点検スケジュールテーブルの一例を表形式で示す図である。
センタ装置5の記憶部52は図7に示したような形式の点検スケジュールテーブルをさらに記憶する。この点検スケジュールテーブルでは携帯電話4の端末ナンバの情報およびこの端末ナンバと対応する携帯電話4の所持者である点検作業員の作業予定箇所の情報が対応付けられて管理される。作業予定箇所の情報は保守点検対象のエレベータの設置建物住所およびエレベータ号機の情報からなる。
一人の点検作業員の作業予定箇所が複数ある場合には、各作業予定箇所の情報が点検スケジュールテーブル上で当該作業員の端末ナンバの情報と対応付けられる。点検スケジュールテーブル上で同一の端末ナンバと対応付けられる複数の作業予定箇所の各段の配列は前述した端末ナンバと対応する携帯電話4の所持者である点検作業員の保守点検予定の順番に沿う配列である。具体的には最上段の作業予定箇所は最初の作業予定箇所であり、この作業予定箇所の1つ下の段の作業予定箇所は1つ上の段の作業予定箇所の次の作業予定箇所を示す。
図8は、本発明の実施形態にしたがったエレベータ監視システムにおけるセンタ装置5の記憶部52に記憶される作業管理テーブルの一例を表形式で示す図である。
センタ装置5の記憶部52は図8に示したような形式の作業管理テーブルをさらに記憶する。作業管理テーブルは各点検作業員の所持する携帯電話4の端末ナンバのそれぞれについて独立して設けられる。この作業管理テーブルでは携帯電話4の端末ナンバ、端末所持者氏名、所、電話番号、最新作業箇所、作業ステータス、作業開始時刻、作業終了時刻、現在時刻、次の作業箇所、およびその次の作業箇所の情報が対応付けられて管理される。
この端末所持者氏名とは作業管理テーブル上で管理される端末ナンバと対応する携帯電話4の所持者である点検作業員の氏名である。所とは端末所持者の所属部署(営業所)および役職名の情報を含む。電話番号とは前述した端末ナンバと対応する携帯電話4の電話番号である。
前述した最新作業箇所とは作業管理テーブル上で管理される端末所持者による最新の保守点検対象のエレベータ号機を示す。最新の保守点検対象のエレベータ号機とは端末所持者が現在保守点検を行なっているエレベータ号機および当該作業員が移動中である場合における最後に保守点検を終了したエレベータ号機のいずれかである。
また、作業管理テーブルで管理される作業ステータスは最新作業箇所と対応するエレベータ号機の作業ステータスである。作業開始時刻は作業管理テーブル上で管理される最新作業箇所の点検開始時刻を示し、作業終了時刻は作業管理テーブル上で管理される最新作業箇所の点検終了時刻を示す。また、次の作業箇所およびその次の作業箇所は作業管理テーブル上で管理される最新作業箇所の次の作業箇所およびその次の作業箇所のそれぞれを示す。
次に、本発明の実施形態にしたがったエレベータ監視システムにおける携帯電話4による処理動作について説明する。図9は、本発明の実施形態にしたがったエレベータ監視システムにおける携帯電話4による処理動作の一例を示すフローチャートである。
まず、点検作業員は自身が所持する携帯電話4を携行した上で保守点検対象のエレベータが設置される建物に向かう。ここでは保守点検対象のエレベータの乗りかごは建物1の1号機エレベータ昇降路2aを昇降する1号機エレベータ乗りかご3a(図1参照)であるとする。
点検作業員がエレベータの保守点検作業を行なう前に携帯電話4の入力部45に対して予め定めた手順で操作を行なうことで携帯電話4の動作モードを二次元コード読み取りモードに切り換える。
携帯電話4の動作モードが二次元コード読み取りモードである場合に点検作業員が携帯電話4の撮影装置47の撮像光学系を乗りかご3a内の二次元コードシール33に向け、入力部45に対する予め定められた操作を行なうと、撮影装置47は被写体である二次元コードの入力を行なう。
携帯電話4の制御部41は撮影装置47が入力した二次元コードのパターンを認識し(ステップS1)、このパターンにかかる復号処理を行なう(ステップS2)。
制御部41は、この復号処理を行なうことで二次元コードシール33に印刷される二次元コードで示される乗りかご3aが属するエレベータの設置建物の住所、設置建物の緯度経度およびエレベータ号機の情報を取得する。制御部41は、これら取得した情報を記憶部42に記憶される携帯電話4の端末ナンバの情報とともに通信インタフェース43を介してセンタ装置5に送信する(ステップS3)。
次に、本発明の実施形態にしたがったエレベータ監視システムにおけるセンタ装置5による処理動作について説明する。図10は、本発明の実施形態にしたがったエレベータ監視システムにおけるセンタ装置5による処理動作の一例を示すフローチャートである。
センタ装置5では携帯電話4から送信された情報、つまり二次元コードシール33の貼付箇所と対応するエレベータに関する情報および当該送信元の携帯電話4の端末ナンバの情報を通信インタフェース53により受信する(ステップA1)。
センタ装置5の制御部51は通信インタフェース53が受信した情報であるエレベータ設置建物住所、緯度経度およびエレベータ号機の情報と記憶部52に記憶される作業情報テーブル(図6参照)とを照合する(ステップA2)。
そして、制御部51は作業情報テーブルで管理されるエレベータ設置建物住所、緯度経度およびエレベータ号機の組み合わせの情報のうち前述のように受信した情報で示されるエレベータ設置建物住所、緯度経度およびエレベータ号機の組み合わせの情報を検索する。
そして、制御部51は検索したエレベータ設置建物住所、緯度経度およびエレベータ号機の組み合わせの情報と作業情報テーブル上で対応付けられる作業ステータスの情報を検索する(ステップA3)。
この検索した作業ステータスの情報は前述のように受信した情報の送信元の携帯電話4により読み取った二次元コードが印刷される二次元コードシール33の貼付箇所と対応するエレベータ号機の作業ステータスの情報に該当する。
制御部51は前述のように検索した作業ステータスが“作業中”であるか否かを判別する(ステップA4)。
この判別の結果、前述のように検索した作業ステータスが“作業中”でない、つまり現在は二次元コードシール33の貼付箇所と対応するエレベータの保守点検作業の開始前である場合(ステップA4のNO)には、制御部51は保守点検作業員が該当のエレベータの保守点検作業を開始するとみなし、作業情報テーブルから前述のように検索した作業ステータスを“作業中”に書き換える(ステップA5)。
そして、制御部51は記憶部52に記憶される作業管理テーブルを更新する(ステップA6)。具体的には制御部51は記憶部52に記憶される各端末ナンバに関する作業管理テーブルのうちステップA1の処理で受信した端末ナンバが関わるテーブルを検索し、このテーブルで管理される最新作業箇所の情報をステップA1の処理で受信したエレベータ号機の情報に書き換える。
また、制御部51はこの書き換え後のエレベータ号機の情報と図6に示した作業情報テーブルを照合することで、このエレベータ号機の情報と当該作業情報テーブル上で対応付けられる作業ステータスを検索する。制御部51は、この検索した作業ステータスである“作業中”を作業管理テーブル上の作業ステータスに反映させる。
制御部51はこの反映した作業ステータスが“作業中”であることにともない、計時機能により計時した現在時刻を前述した作業管理テーブル上の作業開始時刻に反映させる。
また、制御部51は、ステップA1の処理で受信した端末ナンバの情報、作業管理テーブル上の最新作業箇所の情報および図7に示した点検スケジュールテーブル照合することで、最新作業箇所の次に端末所持者が作業する箇所およびその次に端末所持者が作業する箇所の情報を検索する。制御部51はこれら検索した情報を前述した作業管理テーブル上の次の作業箇所およびその次の作業箇所にそれぞれ反映させる。
図11は、本発明の実施形態にしたがったエレベータ監視システムにおけるセンタ装置5の表示部56に表示される表示画面の一例を示す図である。
このように、制御部51はステップA1の処理で受信した緯度経度に該当する箇所およびその周辺の地図情報を記憶部52から読み出し、これを表示部56に表示させる(ステップA7)。この地図上のステップA1の処理で受信した緯度経度に該当する箇所にはステップA1の処理で受信した情報の送信元の建物の点検作業状況を示す記号が表示される。
具体的には、制御部51はステップA5の処理による書き換え後の作業ステータスが“作業中”であることにともない、図11に示した丸印61を点検作業状況を示す記号として表示させ
また、表示部56に表示された地図上にはその他の点検中のエレベータの点検作業状況を示す記号もあわせて表示される。また、点検作業終了後のエレベータの点検作業状況を示す記号は図11に示した白丸印62であり、点検作業開始前のエレベータの点検作業状況を示す記号は図11に示した三角印63である。
この状態で、センタ装置5のオペレータが入力部55を用いて表示部56に表示される記号のいずれかを選択すると、制御部51はこの選択された記号に対応するエレベータ号機を認識する。制御部51はこのエレベータ号機の情報が最新作業箇所として管理される作業管理テーブルを記憶部52から読み出し、これを図8に示したような表形式で表示部56に表示させる。これによりセンタ装置5のオペレータは地図上の各箇所のエレベータの点検作業状況を容易に把握することができる。
この後、点検作業員は前述したエレベータの保守点検作業を開始し、この作業が終了した後に前述した二次元コードシール33に印刷された二次元コードを携帯電話4を用いて再び入力し、復号した情報および端末ナンバの情報をセンタ装置5に送信する。
センタ装置5は携帯電話4からの情報で示されるエレベータの作業ステータスを作業情報テーブルから検索する。
そして、制御部51はこの検索した情報で示される作業ステータスが“作業中”であるか否かを判別する。この場合、作業ステータスは“作業中”である(ステップA4のYES)ので、制御部51は点検作業員が該当のエレベータの保守点検作業を終了するとみなし、作業情報テーブルにおける前述のように検索した作業ステータスを“作業終了”に書き換える(ステップA8)。
そして、制御部51は記憶部52に記憶される作業管理テーブルを更新する(ステップA9)。この処理はステップA6の処理と略同様であるが、作業管理テーブルのうちステップA1の処理で受信した端末ナンバが管理される作業管理テーブルにおける最新作業箇所の情報は更新されない。
また、制御部51はこの作業管理テーブル上で最新作業箇所として管理されるエレベータ号機の情報と図6に示した作業情報テーブルとを照合することで、このエレベータ号機の情報と当該作業情報テーブル上で対応付けられる作業ステータスを検索する。制御部51は、この検索した作業ステータスである“作業終了”を作業管理テーブル上の作業ステータスに反映させる。
制御部51はこの反映した作業ステータスが“作業終了”であることにともない、計時機能により計時した現在時刻を前述した作業管理テーブル上の作業終了時刻に反映させる。
また、制御部51は、ステップA1の処理で受信した端末ナンバの情報、作業管理テーブル上の最新作業箇所および図7に示した点検スケジュールテーブル照合することで、最新作業箇所の次に端末所持者が保守点検作業を行なう箇所およびその次の作業箇所の情報を検索し、これらの情報を作業管理テーブル上の次の作業箇所およびその次の作業箇所にそれぞれ反映させる。
そして、制御部51は、ステップA1の処理で受信した緯度経度およびその周辺の地図情報を記憶部52から読み出し、これを表示部56に表示させる(ステップA10)。
また、エレベータのかご内操作盤32には非常呼びを発生させるための非常呼びボタンが設けられる。乗りかご内の乗客がこの非常呼びボタンを操作した場合には、エレベータ制御盤34は非常呼びの発生を示す制御信号をエレベータの設置箇所住所、設置箇所の緯度経度およびエレベータ号機の情報とともに通信装置35に出力する。通信装置35はエレベータ制御盤34からの情報をセンタ装置5に送信する。
センタ装置5の通信インタフェース53が通信装置35からの情報を受信すると、制御部51は、この受信した緯度経度およびその周辺の地図情報を記憶部52から読み出し、これを表示部56に表示させる。この地図上の通信装置35から受信した緯度経度に該当する位置にはエレベータで非常呼びのあったことを示す星印64が図11に示すように表示される。
この状態で、センタ装置5のオペレータが入力部55を用いて表示部56に表示される星印64を選択すると、制御部51はこの選択された記号と対応するエレベータ号機を認識し、このエレベータ号機の情報を表示部56に表示させる。
以上説明したように、本発明の実施形態にしたがった保守点検対象のエレベータの作業員が携行する携帯電話4は保守点検対象のエレベータの保守点検作業を開始する前に当該エレベータの乗りかご内に貼付される二次元コードシール33に印刷される二次元コードを入力して、この入力した画像をもとに得たエレベータ設置建物住所、緯度経度およびエレベータ号機の情報をセンタ装置5へ送信する。センタ装置5では携帯電話4からのエレベータ設置建物住所、緯度経度およびエレベータ号機の情報と作業情報テーブルとを照合して、エレベータの保守点検作業に関わっているか否かを示す作業パラメータの情報を検索する。
そして、センタ装置5ではこの検索した作業パラメータの情報をもとに作業員による保守点検作業の状況を示す記号を送信元の携帯電話4が読み取った二次元コードが印刷される二次元コードシール33の貼付箇所に対応する箇所およびその周辺の地図における受信した緯度経度と対応する箇所に表示する。そのため、保守点検作業員がこの作業箇所に貼付される二次元コードシール33に印刷される二次元コードを携帯電話4により入力するだけで、センタ装置5のオペレータはそれぞれのエレベータの保守点検作業の状況の変化を容易に把握することができる。
また、点検作業員は電話連絡を行なう必要無しに作業開始時および作業終了時の報告を監視センタに行なうことができるので、エレベータの保守点検作業の効率を向上させることができる。
以上説明した実施形態では、二次元コードシール33に印刷された二次元コードを読み取るために携帯電話4を用いる構成としたが、これに限らず二次元コードの読み取り機能及びこの読み取った情報をセンタ装置5に送信する機能を有する携帯通信端末装置であれば通話機能は必ずしも要求されない。
また、以上説明した実施形態では、二次元コードシール33に印刷された二次元コードで示される情報のデコード処理を携帯電話4で行なう構成としたが、これに限らず携帯電話4は読み取った二次元コードのドットパターンを示す情報をそのまま送信し、センタ装置5はこの送信された情報を受信したら、この情報のデコード処理を行なう構成であってもよい。
なお、前記実施の形態は本発明をエレベータに適用した場合について説明したものであるが、これに限らず例えばエスカレータにも本発明を適用することが可能である。
また、二次元コードは前述したQRコード(登録商標)であってもよいし、PDF417,Maxi Code,Data Matrix,Veri Code,Code49,Code1,Aztec Code,RSS(Reads reduced Space Symbology),Super Code(登録商標を含む)などであってもよい。
なお、この発明は、前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を省略してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
本発明の実施形態にしたがった保守点検対象のエレベータの一例を示す図。 本発明の実施形態にしたがったエレベータ監視システムの構成例を示す図。 本発明の実施形態にしたがった保守点検対象のエレベータの乗りかごに貼付される二次元コードシールに印刷される二次元コードの概略を示す図。 本発明の実施形態にしたがったエレベータ監視システムにおける携帯電話の内部回路の構成例を示すブロック図。 本発明の実施形態にしたがったエレベータ監視システムにおけるセンタ装置の内部回路の構成例を示すブロック図。 本発明の実施形態にしたがったエレベータ監視システムにおけるセンタ装置の記憶部に記憶される作業情報テーブルの一例を表形式で示す図。 本発明の実施形態にしたがったエレベータ監視システムにおけるセンタ装置の記憶部に記憶される点検スケジュールテーブルの一例を表形式で示す図。 本発明の実施形態にしたがったエレベータ監視システムにおけるセンタ装置の記憶部に記憶される作業管理テーブルの一例を表形式で示す図。 本発明の実施形態にしたがったエレベータ監視システムにおける携帯電話による処理動作の一例を示すフローチャート。 本発明の実施形態にしたがったエレベータ監視システムにおけるセンタ装置による処理動作の一例を示すフローチャート。 本発明の実施形態にしたがったエレベータ監視システムにおけるセンタ装置の表示部に表示される表示画面の一例を示す図。
符号の説明
1…エレベータ設置ビル、2a…1号機エレベータ昇降路、2b…2号機エレベータ昇降路、2c…3号機エレベータ昇降路、3a…1号機エレベータ乗りかご、3b…2号機エレベータ乗りかご、3c…3号機エレベータ乗りかご、31…かごドア、32…かご内操作盤、33…二次元コードシール、34…エレベータ制御盤、35…通信装置、4…携帯電話、5…センタ装置、41,51…制御部、42,52…記憶部、43,53…通信インタフェース、44,54…アンテナ、45,55…入力部、46,56…表示部、47…撮影装置。

Claims (5)

  1. 携帯通信端末装置およびエレベータ監視装置を有するシステムであって、
    前記携帯通信端末装置は、
    保守管理対象のエレベータの設置箇所に設けられた、前記エレベータの設置箇所を特定する情報を含む二次元コードを読み取る読み取り手段と、
    この読み取り手段により読み取った二次元コードを復号する復号手段と、
    この復号手段により復号して得た情報を送信する送信手段とを備え、
    前記エレベータ監視装置は、
    地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
    前記携帯通信端末装置の送信手段により送信された情報を受信する受信手段と、
    前記保守管理対象の少なくとも1台のエレベータの設置箇所を特定する情報と、この箇所に設置されるエレベータの保守点検作業状況の種別を示す作業開始前、作業中および作業終了のいずれかの作業情報とを対応付けて記憶する作業情報記憶手段と、
    前記受信手段により受信した前記エレベータの設置箇所を特定する情報と前記作業情報記憶手段に記憶される情報とを照合することで、前記受信した情報の送信元に設置されるエレベータの作業情報を検索する検索手段と、
    前記検索手段により検索した作業情報を現在の保守点検作業状況を示す情報に書き換える書換え手段と、
    前記書換え手段により書き換えた作業情報および前記受信手段により受信した前記エレベータの設置箇所を特定する情報を前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報とあわせて表示手段に表示させる制御を行なう表示制御手段と
    を備えたことを特徴とするエレベータ監視システム。
  2. 地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
    保守管理対象のエレベータの設置箇所に設けられた、前記エレベータの設置箇所を特定する情報を含む二次元コードを読み取り、復号して得た情報を受信する受信手段と、
    保守管理対象の少なくとも1台のエレベータの設置箇所を特定する情報と、この箇所に設置されるエレベータの保守点検作業状況の種別を示す作業開始前、作業中および作業終了のいずれかの作業情報とを対応付けて記憶する作業情報記憶手段と、
    前記受信手段により受信した前記エレベータの設置箇所を特定する情報と前記作業情報記憶手段に記憶される情報とを照合することで、前記受信した情報の送信元に設置されるエレベータの作業情報を検索する検索手段と、
    前記検索手段により検索した作業情報を現在の保守点検作業状況を示す情報に書き換える書換え手段と、
    前記書換え手段により書き換えた作業情報および前記受信手段により受信した前記エレベータの設置箇所を特定する情報を前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報とあわせて表示手段に表示させる制御を行なう表示制御手段と
    を備えたことを特徴とするエレベータ監視装置。
  3. 前記表示制御手段は、前記作業情報記憶手段に記憶される情報で示される複数の設置箇所これらの箇所関わる作業情報を前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報とあわせて表示させる制御を行なうことを特徴とする請求項2に記載のエレベータ監視装置。
  4. 前記受信手段は、固有の識別情報を有する携帯通信端末装置からの情報をさらに受信可能であり、
    前記識別情報当該識別情報を記憶する携帯通信端末装置が読み取った最新の二次元コードが設けられるエレベータの設置箇所を特定する情報とを対応付けて記憶する管理情報記憶手段と、
    前記表示制御手段により前記表示手段に表示された地図情報における前記エレベータの設置箇所に該当する箇所選択された際に、この選択された箇所を特定する情報と前記管理情報記憶手段に記憶される情報とを照合することで、前記受信した情報の送信元の携帯通信端末装置の識別情報を検索する識別情報検索手段とをさらに備え、
    前記表示制御手段は、この識別情報検索手段により検索した識別情報を前記表示手段にさらに表示させる制御を行なうことを特徴とする請求項2に記載のエレベータ監視装置。
  5. 前記受信手段は、前記保守管理対象のエレベータの非常呼びの発生を示す情報を当該エレベータの設置箇所を特定する情報とともに受信し、
    前記表示制御手段は、前記受信した設置箇所を特定する情報を前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報とあわせて前記表示手段に表示させる制御を行なうことを特徴とする請求項2に記載のエレベータ監視装置。
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