JP5308372B2 - ビタミンa含有飲料及びその製造方法、並びにビタミンa含有飲料の劣化抑制方法 - Google Patents

ビタミンa含有飲料及びその製造方法、並びにビタミンa含有飲料の劣化抑制方法 Download PDF

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本発明は、ビタミンA含有飲料及びそれを製造する方法、並びにビタミンA含有飲料の劣化を抑制する方法に関するものである。
ビタミンA(レチノール)は、ヒト等の生体における必須栄養素の一つであって、ビタミンAの血中濃度が低下すると、ビタミンA欠乏症を呈するようになる。そこで、従来、手軽にビタミンAを補給すべく、多数のビタミンA含有飲料が市販されている。
しかしながら、ビタミンAは、光により劣化(分解)してしまうため、ビタミンAを配合してビタミンA含有飲料を製造し、当該飲料を光透過性を有する透明容器に充填すると、摂飲時までには当該飲料中のビタミンA含有量が激減してしまい、十分量のビタミンAを摂取し得ないという問題があった。そのため、従来、ビタミンAが分解されてしまうことを考慮して、予め飲料にビタミンAを多量に配合しておく必要があった。
一方で、ビタミンAを過剰に摂取すると、急性中毒症、頭痛、疲労感、吐き気、睡眠障害、食欲不振、皮膚の荒れ等の副作用を呈することが知られているため、一日の摂取許容上限量が定められている(非特許文献1参照)。また、飲料中にビタミンAを多量に配合すると、当該飲料の風味・呈味が悪化してしまうという問題もある。
そのため、ビタミンAの過剰摂取とならないよう、適当量のビタミンAを飲料に含有せしめるとともに、十分量のビタミンAを摂取し得る飲料を提供するために、飲料に配合されたビタミンAの劣化(分解)を抑制する方法が強く望まれている。
このような考え方に基づいて、従来、ビタミンA等のビタミン類の劣化(分解)が抑制されてなる飲料として、ビタミン類と、ビタミン類安定剤としてのフェニルプロペンカルボニル化合物とを配合してなる飲料が知られている(特許文献1参照)。
特開2007−125018号公報
「日本人の食事摂取基準」,厚生労働省,2004年
本発明は、十分量のビタミンAを含有し、ビタミンAの過剰摂取を心配する必要がなく、かつビタミンAの劣化が抑制されてなるビタミンA含有飲料及び当該ビタミンA含有飲料を製造する方法、並びにビタミンA含有飲料の劣化を抑制する方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、βカロテンと、ビタミンAとを含有し、前記βカロテンの配合量が、前記ビタミンAの配合量に対し2.5倍量以上となるように、前記βカロテンと前記ビタミンAとが配合されてなることを特徴とするビタミンA含有飲料を提供する(発明1)。
上記発明(発明1)によれば、ビタミンAの配合量に対して2.5倍量以上のβカロテンを飲料中に配合することで、ビタミンAの光照射による劣化(分解)を抑制することができる。また、ビタミンAの前駆体であるβカロテンは、過剰に摂取されると生体内に蓄積されるが、必要時に、蓄積されたβカロテンが必要量のビタミンAに変換されるため、過剰摂取の心配もなく、さらに光による劣化(分解)もほとんど起こらない。したがって、上記発明(発明1)に係るビタミンA含有飲料を摂飲することで、十分量のビタミンAを摂取することができる。
上記発明(発明1)においては、前記βカロテンの配合量が、前記ビタミンAの配合量に対し2.5〜15倍量であるのが好ましい(発明2)。かかる発明(発明2)によれば、ビタミンA含有飲料中のビタミンAの光照射による劣化を抑制することができるとともに、当該飲料の風味・呈味を良好にすることができる。
上記発明(発明1,2)においては、ビタミンCをさらに含有するのが好ましい(発明3)。かかる発明(発明3)によれば、より効果的にビタミンAの光による劣化(分解)を抑制することができる。
上記発明(発明1〜3)においては、前記飲料が、野菜汁及び/又は果汁を含有する飲料であって、前記βカロテンが、前記野菜汁及び/又は果汁に由来するものであるのが好ましい(発明4)。かかる発明(発明4)によれば、ビタミンAの光による劣化(分解)を効果的に抑制し得る野菜飲料を提供することができる。
上記発明(発明1〜4)においては、前記飲料が、透明容器又は半透明容器に充填されているのが好ましい(発明5)。透明容器、半透明容器等の光透過性を有する容器にビタミンAを含有する飲料を充填すると、流通時、保管時等に当該飲料が光に晒されることで、飲料中のビタミンAが劣化(分解)してしまうおそれがあるが、かかる発明(発明5)によれば、ビタミンA含有飲料が光透過性を有する透明容器、半透明容器等に充填されていたとしても、飲料中のビタミンAの劣化(分解)が抑制されるため、ビタミンAを多量に配合しなくても、十分量のビタミンAを飲料中に含有せしめることができる。
また、本発明は、βカロテンと、ビタミンAとを含有するビタミンA含有飲料を製造する方法であって、前記飲料中における前記βカロテンの配合量が、前記ビタミンAの配合量に対し2.5倍量以上となるように、前記飲料に前記βカロテン及び前記ビタミンAを配合することを特徴とするビタミンA含有飲料の製造方法を提供する(発明6)。
上記発明(発明6)によれば、ビタミンAの光照射による劣化(分解)が抑制されたビタミンA含有飲料を製造することができる。
上記発明(発明6)においては、前記βカロテンの配合量が、前記ビタミンAの配合量に対し2.5〜15倍量となるように、前記飲料に前記βカロテン及び前記ビタミンAを配合するのが好ましい(発明7)。
上記発明(発明6,7)においては、ビタミンCをさらに配合するのが好ましく(発明8)、上記発明(発明6〜8)においては、前記βカロテンとして、βカロテンを含有する野菜汁及び/又は果汁を配合するのが好ましく(発明9)上記発明(発明6〜9)においては、前記飲料を透明容器又は半透明容器に充填するのが好ましい(発明10)。
さらに、本発明は、ビタミンAを含有する飲料の光照射による劣化を抑制する方法であって、前記飲料中における前記βカロテンの配合量が、前記ビタミンAの配合量に対し2.5倍量以上となるように、前記飲料に前記βカロテンを配合することを特徴とするビタミンA含有飲料の光劣化抑制方法を提供する(発明11)。
上記発明(発明11)によれば、ビタミンA含有飲料中のビタミンAの光照射による劣化を効果的に抑制することができる。
上記発明(発明11)においては、ビタミンCをさらに配合するのが好ましく(発明12)、上記発明(発明11,12)においては、前記βカロテンとして、βカロテンを含有する野菜汁及び/又は果汁を配合するのが好ましく(発明13)、上記発明(発明11〜13)においては、前記飲料を透明容器又は半透明容器に充填するのが好ましい(発明14)。
本発明によれば、十分量のビタミンAを含有し、ビタミンAの過剰摂取を心配する必要がなく、かつビタミンAの劣化が抑制されてなるビタミンA含有飲料及び当該ビタミンA含有飲料を製造する方法、並びにビタミンA含有飲料の劣化を抑制する方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係るビタミンA含有飲料は、ビタミンAと、βカロテンとを含有する。
本実施形態に係るビタミンA含有飲料中に含まれるビタミンAとしては、飲料に添加物として配合することの可能なビタミンAを強化し得る添加物等を例示することができ、具体的には、レチノール、レチノール脂肪酸エステル等を例示することができる。
本実施形態に係るビタミンA含有飲料に含まれるβカロテンは、食品添加物として飲料に配合されるものであってもよいし、野菜汁及び/又は果汁に由来するものとして飲料に配合されるものであってもよいが、βカロテンを多く含む野菜汁及び/又は果汁として飲料中に配合されるものであるのが特に好ましい。かかる野菜汁及び果汁としては、例えば、ニンジン、トマト、カボチャ、ホウレンソウ、小松菜、モロヘイヤ、あしたば、クレソン、ケール、赤ピーマン、パセリ、メキャベツ、温州みかん等の野菜や果実から得られる野菜汁・果汁が挙げられ、ニンジン、カボチャ、ホウレンソウ、小松菜、モロヘイヤ、クレソン、ケール、メキャベツ等の緑黄色野菜から得られる野菜汁を好適に使用することができ、特にニンジン汁を好適に使用することができる。
本実施形態に係るビタミンA含有飲料は、βカロテン配合量がビタミンA配合量に対して2.5倍量以上となるようにβカロテン及びビタミンAが配合されてなるものである。好ましくは、βカロテン配合量は、ビタミンA配合量に対して2.5〜15倍量であり、より好ましくは4〜10倍量であり、特に好ましくは7.5〜10倍量である。βカロテン配合量がビタミンA配合量に対して2.5倍量未満であると、ビタミンA含有飲料中のビタミンAの光照射による劣化を抑制するのが極めて困難となり、15倍量を超えると、βカロテン臭が強くなってビタミンA含有飲料の風味・呈味を悪化させてしまい、飲料としての嗜好性に影響を及ぼすおそれがある。
本実施形態に係るビタミンA含有飲料におけるビタミンAの配合量は、飲料100gあたり200〜800μgであるのが好ましく、350〜800μgであるのが特に好ましい。ビタミンA配合量が200μg未満であると、ビタミンAに基づく効果が不十分となるおそれがあり、800μgを超えると、ビタミンA含有飲料の風味・呈味を損なうおそれがある。
本実施形態に係るビタミンA含有飲料におけるβカロテンの配合量は、飲料100gあたり1000〜6000μgであるのが好ましく、1000〜4000μgであるのがより好ましく、1500〜4000μgであるのが特に好ましい。βカロテン配合量が1000μg未満であると、ビタミンA含有飲料中のビタミンAの光照射による劣化を抑制するのが困難となるおそれがある。また、βカロテン配合量を1000μg未満とし、そのβカロテン配合量に応じて上記ビタミンA配合量を調整してしまうと、飲料中のビタミンA含有量が少なくなりすぎ、ビタミンAに基づく効果が不十分となるおそれがある。さらに、βカロテン配合量が6000μgを超えると、βカロテンに特有の臭いが強くなり、ビタミンA含有飲料の風味・呈味を損なうおそれがある。
なお、本実施形態に係るビタミンA含有飲料にβカロテンを含有せしめるために、βカロテンを含有する野菜汁及び/又は果汁を当該飲料に配合する場合、飲料に配合しようとする野菜汁及び/又は果汁におけるβカロテンの含有量に応じて、ビタミンA含有飲料におけるβカロテンの配合量が上記範囲内となるように、当該野菜汁及び/又は果汁の配合量を適宜設定すればよい。
本実施形態に係るビタミンA含有飲料は、さらにビタミンCを含有するものであるのが好ましい。ビタミンCを含有することにより、より効果的にビタミンAの光劣化を抑制することができる。
ビタミンA含有飲料におけるビタミンCの配合量は、特に限定されるものではないが、飲料100gあたり200〜800mgであるのが好ましく、300〜800mgであるのがより好ましく、400〜800mgであるのが特に好ましい。ビタミンC配合量が上記範囲内であることで、ビタミンAの光劣化をより効果的に抑制することができる。
なお、本実施形態に係るビタミンA含有飲料には、所望により、通常飲料に配合される原料が含有されていてもよく、例えば、砂糖、ブドウ糖、果糖、果糖ブドウ糖液糖、ブドウ糖果糖液糖、高果糖液糖、オリゴ糖、トレハロース、キシリトール、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ネオテーム、はちみつ、イソマルツロース、エリスリトール、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ステビア抽出物、ソルビトール、カンゾウ抽出物、ラカンカ抽出物等の砂糖類及び甘味料;オレンジ、レモン、グレープフルーツ、ライム、マンダリン、ユズ、タンジェリン、テンプルオレンジ、タンジェロ、カラマンシー、リンゴ、ブドウ、モモ、パイナップル、グアバ、バナナ、マンゴー、カシス、ブルーベリー、アセロラ、プルーン、パパイヤ、パッションフルーツ、ウメ、ナシ、アンズ、ライチ、メロン、西洋ナシ、スモモ類等から得られる果汁;ナス、ゴーヤ、ナーベラ、トウガン、オクラ、トウガラシ、トウモロコシ、キュウリ等の果菜類、ゴボウ、タマネギ、タケノコ、レンコン、カブ、ダイコン、ジャガイモ、サツマイモ、サトイモ、ニンニク、ショウガ等の根菜類、セロリ、チンゲンサイ、キャベツ、レタス、ハクサイ、ブロッコリー、カリフラワー、ミツバ、パセリ、ネギ、シュンギク、ニラ等の葉茎類等から得られる野菜汁;ペクチン、ゼラチン、コラーゲン、寒天、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、大豆多糖類、アラビアガム、グァーガム、キサンタンガム、タマリンドシードガム、ジェランガム等の増粘安定剤;クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料;アスコルビン酸等の酸化防止剤;炭酸水素ナトリウム(重曹)、クエン酸ナトリウム等のpH調整剤;ビタミンA以外のビタミン類;グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の乳化剤;食物繊維、カルシウム塩、マグネシウム塩、ナイアシン、パントテン酸等の強化剤;各種乳酸菌;各種香料;各種色素等が含有されていてもよい。
本実施形態に係るビタミンA含有飲料における飲料の種類としては、特に限定されるものではなく、例えば、茶系飲料、野菜飲料、果汁飲料、コーヒー飲料、炭酸飲料、機能性飲料、酢含有飲料、スポーツドリンク、ニアウォーター、乳酸菌飲料等が挙げられるが、野菜汁及び/又は果汁を配合することにより当該飲料中にβカロテンを含有せしめることのできる野菜飲料及び/又は果汁飲料が好ましい。
本実施形態に係るビタミンA含有飲料は、PETボトル、ガラスビン、缶、紙パック等の密閉容器に充填した形態で提供することができ、特に光透過性を有する透明容器又は半透明容器(例えば、PETボトル、ガラスビン等)に充填した形態で提供するのが好適である。
本実施形態に係るビタミンA含有飲料は、従来公知の方法により製造することができる。例えば、まず、市水、井水、イオン交換水、脱気水等の飲用に適した水にビタミンA(ビタミンAを強化し得る添加物)及びβカロテン(βカロテンを含む野菜汁及び/又は果汁)、並びに必要に応じてビタミンCを、それらの濃度が上述した範囲に含まれるように添加し、所望によりその他の飲料原料等をさらに添加して攪拌し、飲料原液を調製する。
このようにして得られた飲料原液に所望によりpH調整剤等を添加することで、飲料原液のpHを所定の範囲に調整する。その後、所望によりpHを調整した飲料原液を高圧殺菌、加熱殺菌等により殺菌して密閉容器等に充填する。このようにして、本実施形態に係るビタミンA含有飲料を製造することができる。
このようにして得られる本実施形態に係るビタミンA含有飲料は、ビタミンAとβカロテンとを所定の比率で含有することで、ビタミンAの光照射による劣化を抑制することができる。したがって、光が照射されるような環境下に本実施形態に係るビタミンA含有飲料が保管されていたとしても、飲料中のビタミンA含有量を低減させることがないため、本実施形態によれば、ビタミンAを手軽に摂取し得る飲料として提供することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、製造例、試験例等を示すことにより本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の各例に何ら限定されるものではない。
〔製造例1〕ビタミンA含有飲料の調製
飲料100g当たりのビタミンA配合量(μg)、βカロテン配合量(μg)及びビタミンC配合量(mg)が下記表1に示す配合量となるように、イオン交換水にビタミンA(理研ビタミン社製)、βカロテン(三栄源エフエフアイ社製)及び所望によりビタミンC(扶桑化学社製)を溶解させた後、200gに定量した。少なくともビタミンA及びβカロテンが溶解したイオン交換水を95℃に達するまで加熱殺菌した後、PET容器に充填して、ビタミンA含有飲料を得た(試料1〜36)。
Figure 0005308372
〔試験例1〕光劣化抑制作用試験(1)
試料1〜24の各ビタミンA含有飲料を5℃に冷却し、当該飲料100gあたりのビタミンA含有量(μg)を下記条件のHPLC法により測定した。
<HPLC条件>
カラム:内径4.6mm,長さ150mm,ステンレス製
移動相:メタノール−水(92:8(V/V))
波長:325nm(UV)
流量:1.0mL/min
カラム温度:35℃
また、各ビタミンA含有飲料(試料1〜24)を光6000ルクス照射状態(照射時間:24時間/日)として25℃で1週間保管した。なお、光照射には人工気象器(日本医化器械製作所社製)を用い、照射光の強度は、店舗のショーケースに商品を陳列した場合に受ける数値範囲(3000〜10000ルクス)の間で平均的であると考えられる6000ルクスで設定した。
そして、光照射後の各ビタミンA含有飲料100gあたりのビタミンA含有量(μg)を上記と同様の条件のHPLC法により測定した。ビタミンA含有量の両測定値から、下記式によりビタミンA残存率(%)を算出した。
ビタミンA残存率=B/A×100
式中、Aは「5℃に冷却された試料中のビタミンA含有量(μg)」を表し、Bは「光照射後の試料中のビタミンA含有量(μg)」を表す。
上記算出結果に基づいて、各試料の光劣化抑制効果に関する評価を行った。結果を表2に示す。なお、表2中の評価は、ビタミンA残存率が50%未満の飲料を「×」、50%以上60%未満の飲料を「△」、60%以上80%未満の飲料を「○」、80%以上の飲料を「◎」として行った。
Figure 0005308372
表2に示すように、ビタミンA含有飲料におけるβカロテン配合量を、ビタミンA配合量に対して2.5倍量以上にすることで、当該飲料中のビタミンAの光照射による劣化を抑制することができ、5倍量以上にすることで、ビタミンAの光照射による劣化を効果的に抑制し得ることが判明した。また、ビタミンCをさらに配合することで、ビタミンAの光照射による劣化をより抑制することができた。
〔試験例2〕光劣化抑制作用試験
試料13、14及び25〜36の各ビタミンA含有飲料について、試験例1と同様にして各飲料(試料13,14及び25〜36)の光劣化抑制効果に関する評価を行った。結果を表3に示す。なお、表3中の評価は、ビタミンA残存率が50%未満の飲料を「×」、50%以上60%未満の飲料を「△」、60%以上80%未満の飲料を「○」、80%以上の飲料を「◎」として行った。
〔試験例3〕官能試験
試料13、14及び25〜36の各ビタミンA含有飲料について、βカロテン臭に関する官能試験を行った。かかる試験は、飲料の開発を担当する訓練された10人のパネラーにより、15℃に冷却保管されたビタミンA含有飲料(試料13,14及び25〜36)のβカロテン臭の強度を評価した。かかる評価は、βカロテン臭を強く感じる飲料を「×」、βカロテン臭を感じる飲料を「△」、βカロテン臭を感じるが気にならない又は感じない飲料を「○」として行った。結果を表3にあわせて示す。
Figure 0005308372
表3に示すように、ビタミンA含有飲料におけるβカロテン配合量を、ビタミンA配合量の2.5倍量以上にすることで、ビタミンAの光照射による劣化を抑制することができ、5倍量以上にすることで、ビタミンAの光照射による劣化をより効果的に抑制することができたが、10倍量を超えると、βカロテン臭を感じ、15倍量を超えるとβカロテン臭を強く感じた。この結果から、βカロテン配合量を増加させるに従い、ビタミンA含有飲料の風味・呈味を悪化させてしまうことが確認された。
したがって、ビタミンA含有飲料におけるβカロテン配合量を、ビタミンA配合量の2.5〜15倍量にすることで、ビタミンAの光照射による劣化を抑制することができるとともに、風味・呈味の良好なビタミンA含有飲料とすることができることが判明した。
本発明のビタミンA含有飲料は、ビタミンAの光照射による劣化(分解)が抑制されているため、特に、ビタミンAの補給用飲料として有用である。

Claims (12)

  1. βカロテンと、ビタミンAと、ビタミンCとを含有し、
    前記ビタミンAの配合量が200〜800μg/100gとなるように、かつ、前記βカロテンの配合量が前記ビタミンAの配合量に対し2.5〜15倍量となるように、前記βカロテンと前記ビタミンAとが配合されてなることを特徴とするビタミンA含有飲料。
  2. 前記飲料が、野菜汁及び/又は果汁を含有する飲料であって、
    前記βカロテンが、前記野菜汁及び/又は果汁に由来するものであることを特徴とする請求項1に記載のビタミンA含有飲料。
  3. 前記飲料が、透明容器又は半透明容器に充填されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のビタミンA含有飲料。
  4. 前記ビタミンCの配合量が200〜800mg/100gとなるように、前記ビタミンCが配合されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のビタミンA含有飲料。
  5. βカロテンと、ビタミンAと、ビタミンCとを含有するビタミンA含有飲料を製造する方法であって、
    前記飲料中におけるビタミンAの配合量が200〜800μg/100gとなるように、かつ、前記飲料中における前記βカロテンの配合量が前記ビタミンAの配合量に対し2.5〜15倍量となるように、前記飲料に前記βカロテン及び前記ビタミンAを配合することを特徴とするビタミンA含有飲料の製造方法。
  6. 前記βカロテンとして、βカロテンを含有する野菜汁及び/又は果汁を配合することを特徴とする請求項に記載のビタミンA含有飲料の製造方法。
  7. 前記飲料を透明容器又は半透明容器に充填することを特徴とする請求項5又は6に記載のビタミンA含有飲料の製造方法。
  8. 前記ビタミンCの配合量が200〜800mg/100gとなるように、前記飲料に前記ビタミンCを配合することを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載のビタミンA含有飲料の製造方法。
  9. ビタミンAを含有する飲料の光照射による劣化を抑制する方法であって、
    βカロテン及びビタミンCを配合し、
    前記飲料中における前記ビタミンAの配合量が200〜800μg/100gとなるように、かつ、前記飲料中における前記βカロテンの配合量が前記ビタミンAの配合量に対し2.5〜15倍量となるように、前記飲料に前記βカロテンを配合することを特徴とするビタミンA含有飲料の光劣化抑制方法。
  10. 前記βカロテンとして、βカロテンを含有する野菜汁及び/又は果汁を配合することを特徴とする請求項に記載のビタミンA含有飲料の光劣化抑制方法。
  11. 前記飲料を透明容器又は半透明容器に充填することを特徴とする請求項9又は10に記載のビタミンA含有飲料の光劣化抑制方法。
  12. 前記ビタミンCの配合量が200〜800mg/100gとなるように、前記飲料に前記ビタミンCを配合することを特徴とする請求項9〜11のいずれか一項に記載のビタミンA含有飲料の光劣化抑制方法。
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